JP2018180301A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた保存安定性を示し、更に昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制される電子写真用トナー及び該トナーを用いる染色方法に関する。【解決手段】〔1〕アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料組成物の縮重合物であるポリエステル樹脂と昇華性着色剤とを含有するトナー粒子を含む電子写真用トナーであって、前記ポリエステル樹脂のFedors法による溶解度パラメータ値が11.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下であり、その酸価が8mgKOH/g以下であり、前記昇華性着色剤が、アゾ系染料、アントラキノン系染料及びキノフタロン系染料から選ばれる1種以上である、電子写真用トナー、及び〔2〕〔1〕の電子写真用トナーを、電子写真方式によって中間記録媒体に付着させる工程、中間記録媒体と被染色物とを接触させる工程、及び中間記録媒体に付着させたトナーが含有する着色剤を、被染色物に昇華転写させる工程を含む、染色方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー及び該トナーを用いる昇華転写捺染印刷による染色方法に関する。
昇華転写捺染印刷は、染料により画像を印刷した中間記録媒体を生地に密着させて加熱することで、簡便に繊維製品に絵柄を施すことができるため、近年、その利用が拡大している。
例えば、電子写真法により中間記録媒体に画像を形成する場合、熱昇華性着色剤を含むトナーが用いられる。例えば、電子写真法により、画像を中間記録媒体(例えば、紙、プラスチックシートなど)上に形成し、中間記録媒体の画像形成面と被染色物とを重ね合わせてから熱処理を行い、着色剤を被染色物に昇華転写させることができる。
昇華転写捺染印刷に用いるトナー粒子として、例えば、特許文献1には、トナー樹脂及び熱昇華性色素を含むトナー粒子であって、前記樹脂が190℃で測定すると30〜100mPa.sの粘度η及び0.010≦tgδ/η≦0.20になるようなtgδを有することを特徴とするトナー粒子が記載されている。
特許文献2には、少なくとも樹脂、及び、少なくとも2種類の昇華性を有する染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記少なくとも2種類の昇華性を有する染料のうち、少なくとも1種類の染料のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.2g/100ml〜3g/100mlであり、少なくとも1種類の別の染料のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.2g/100ml未満である、粉体が記載されている。
特開2000-029238号公報 国際公開第2015/020164号
昇華性着色剤を含有するトナーは、樹脂と着色剤とが分離し易いため、保存安定性に優れることが求められている。また、昇華転写捺染印刷における加熱により、中間記録媒体が被染色物に貼り付く等して、多量の樹脂が転写されると、布地は硬くなり、触感が悪くなり易いため、樹脂の転写が抑制されることが求められる。特許文献1及び2のトナーでは、これらの点において、未だ満足すべきとは言えない。
本発明は、優れた保存安定性を示し、更に昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制される電子写真用トナー及び該トナーを用いる染色方法に関する。
本発明者等は、溶解度パラメータ値及び酸価が、所定の範囲であるポリエステル樹脂を用いることで、保存安定性に優れ、昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制されることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料組成物の縮重合物であるポリエステル樹脂と昇華性着色剤とを含有するトナー粒子を含む電子写真用トナーであって、
前記ポリエステル樹脂のFedors法による溶解度パラメータ値が11.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下であり、その酸価が8mgKOH/g以下であり、
前記昇華性着色剤が、アゾ系染料、アントラキノン系染料及びキノフタロン系染料から選ばれる1種以上である、電子写真用トナー。
〔2〕〔1〕の電子写真用トナーを、電子写真方式によって中間記録媒体に付着させる工程、
中間記録媒体と被染色物とを接触させる工程、及び
中間記録媒体に付着させたトナーが含有する着色剤を、被染色物に昇華転写させる工程を含む、染色方法。
本発明によれば、優れた保存安定性を示し、更に昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制される電子写真用トナー及び該トナーを用いる染色方法が提供できる。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナー(以下単に「トナー」ともいう)は、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料組成物の縮重合物であるポリエステル樹脂と昇華性着色剤とを含有するトナー粒子を含む。
トナーにおいて、ポリエステル樹脂のFedors法による溶解度パラメータ値(以下単に「SP値」ともいう)は、11.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下であり、ポリエステル樹脂の酸価は8mgKOH/g以下である。
また、昇華性着色剤は、アゾ系染料、アントラキノン系染料及びキノフタロン系染料から選ばれる1種以上である。
本発明によれば、優れた保存安定性を示し、更に昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制される電子写真用トナー及び該トナーを用いる染色方法が提供できる。SP値が所定範囲のポリエステル樹脂を用いることで、該樹脂と昇華性着色剤との親和性が高まり、トナーの保存安定性に優れると考えられる。一方で、ポリエステル樹脂の酸価を所定の範囲とすることで、昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制されると考えられる。
〔ポリエステル樹脂〕
ポリエステル樹脂のSP値は、保存安定性及び樹脂転写抑制性の観点から、11.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下であり、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは11.9(cal/cm3)1/2以上、より好ましくは12.1(cal/cm3)1/2以上、そして、好ましくは12.7(cal/cm3)1/2以下、より好ましくは12.4(cal/cm3)1/2以下である。
本明細書において「溶解度パラメータ値」とは、Fedorsの方法〔Robert F.Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154(1974)〕により、下記の式に基づいて求められた値δである。

〔ここで、Δei:原子及び原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)、Δvi:モル体積(cm3/mol)である〕
ポリエステル樹脂のSP値は、その原料となるアルコール成分とカルボン酸成分の構造によって求めることができる。ただし、アルコール成分の水酸基と、カルボン酸成分のカルボキシ基は、全てエステル化されるものと仮定する。即ち、水酸基(-OH)の代わりに-O-基、カルボキシ基(-COOH)の代わりに-CO-基として計算する。また、後述のとおり、原料組成物にポリエチレンテレフタレートが含まれる場合、ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸の等モル縮合物として計算する。
なお、カルボン酸成分の原料組成物として、炭素数1以上3以下の低級アルコールのカルボン酸のエステル化合物を用いる場合、炭素数1以上3以下の低級アルコールは、エステル化反応の際に系外に留去されるため、計算に入れない。
SP値は、アルコール成分、カルボン酸成分のモノマー組成によって、調整することができる。
ポリエステル樹脂の酸価は、樹脂転写の抑制の観点から、8mgKOH/g以下であり、好ましくは7mgKOH/g以下、より好ましくは6mgKOH/g以下、更に好ましくは5mgKOH/g以下であり、そして、好ましくは0mgKOH/g以上、より好ましくは1mgKOH/g以上である。
酸価の測定方法は、実施例に記載の方法による。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料組成物の縮重合物である。原料組成物は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレートを含む。
<アルコール成分>
アルコール成分としては、例えば、ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、ジオールが好ましい。
ジオールとしては、例えば、炭素数2以上12以下の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、脂環式ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールは、好ましくは、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオール、より好ましくは、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールである。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8‐オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。
第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3,3−ジメチル-1,2−ブタンジオールが挙げられる。これらの中でも、1,2-プロパンジオールが好ましい。
芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、好ましくは下記式(I)で表される化合物である。

〔式中、OR1及びR2Oは、いずれもオキシアルキレン基であり、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のオキシアルキレン基であってもよく、x及びyは、アルキレンオキシドの付加モル数であり、xとyの和は2以上7以下であり、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。〕
なお、x個のOR1とy個のR2Oは、各々同一であっても異なっていてもよい。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物又はビスフェノールAのエチレンオキシド付加物であってもよく、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物であってもよい。
脂環式ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
アルコール成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルコール成分としては、これらの中でも、炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールが好ましい。
ジオール、又は、炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールの含有量は、原料組成物中、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、より好ましくは98モル%以下、更に好ましくは95モル%以下である。
アルコール成分としては、これらの脂肪族ジオールの中でも、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオールが好ましい。
第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオールの含有量は、原料組成物中、アルコール成分、及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下、更に好ましくは65モル%以下である。
芳香族ジオール又はビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、原料組成物中、アルコール成分、及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%である。
アルコール成分は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは、3価以上の多価アルコールを含む。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリンが挙げられる。グリセリンの含有量は、原料組成物中、アルコール成分、及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは7モル%以上であり、そして、好ましくは20モル%以下、より好ましくは16モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。
<カルボン酸成分>
カルボン酸成分としては、例えば、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられる。
なお、明細書中、ポリエステルのカルボン酸成分には、その化合物のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び、各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、アゼライン酸、コハク酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物(以下「アルケニルコハク酸」ともいう)等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸が挙げられる。
カルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
ジカルボン酸の含有量は、原料組成物中、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸の合計量に対して、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは60モル%以下である。
3価以上の多価カルボン酸の含有量は、原料組成物中、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸の合計量に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは4モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%である。
<ポリエチレンテレフタレート>
ポリエチレンテレフタレートは、原料組成物として含まれることで、ポリエチレンテレフタレートの末端官能基と、アルコール成分又はカルボン酸成分が縮合し、ポリエステル樹脂のポリマー鎖中に取り込まれる。また、ポリエチレンテレフタレートが原料組成物中に含まれる場合、ポリエチレンテレフタレートが解重合し、エチレングリコール、テレフタル酸、又は分解したポリマー鎖が生じる可能性があるが、これらは、ポリエステル樹脂の原料成分となり得る。
ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールと、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル等との重縮合により、常法に従って製造されたものを用いることができる。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(以下「IV値」ともいう)は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.55以上であり、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.75以下、更に好ましくは0.70以下、更に好ましくは0.68以下、更に好ましくは0.65以下、更に好ましくは0.62以下である。IV値は分子量の指標となる。ポリエチレンテレフタレートのIV値は、重縮合時間等により調整することができる。
IV値の測定は、例えば、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)混合溶媒に0.4g/dLの濃度にて試料を溶解し、ウベローデ型粘度計にて測定を行い、以下の式に従って算出することができる。

〔式中、kはハギンズの定数であり、Cは試料溶液の濃度(g/dL)であり、η=(t1/t0)-1であり、t0は溶媒のみの落下秒数であり、t1は試料溶液の落下秒数である。kは0.33とする。〕
ポリエチレンテレフタレートの市販品としては、例えば、「RAMAPET L1」(Indorama Ventures社製、IV値:0.60)、「RAMAPET N2G」(Indorama Ventures社製、IV値:0.75)、「TRN-NTJ」(帝人株式会社製、IV値:0.53)、「TRN-RTJC」(帝人株式会社製、IV値:0.64)が挙げられる。
原料組成物中、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの含有量は、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは95モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
ポリエステル樹脂中のアルコール成分のヒドロキシ基(OH基)に対するカルボン酸成分のカルボキシ基(COOH基)の当量比(COOH基/OH基)は、好ましくは0.65以上、より好ましくは0.80以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
原料組成物中、カルボン酸成分としてのテレフタル酸化合物の含有量とポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸化合物の含有量との合計は、カルボン酸成分及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸化合物の合計に対して、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上であり、そして、100モル%以下である。
原料組成物中、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、アルコール成分として、又は、ポリエチレンテレフタレート由来として、エチレングリコールが含まれることが好ましい。
原料組成物中、アルコール成分としてのエチレングリコールの含有量とポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの含有量との合計は、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは35モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
〔ポリエステル樹脂の製造方法〕
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分と、任意でポリエチレンテレフタレートとを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒、助触媒及び重合禁止剤を用いて、120℃以上250℃以下の温度で重縮合することで得られる。
エステル化触媒としては、例えば、酸化ジブチル錫、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物が挙げられる。
エステル化触媒の使用量は、例えば、カルボン酸成分とアルコール成分とポリエチレンテレフタレートの総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
助触媒としては、例えば、ピロガロール化合物が挙げられる。ピロガロール化合物は、互いに隣接する3個の水素原子が水酸基で置換されたベンゼン環を有するものであり、例えば、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等のカテキン誘導体等が挙げられる。これらの中でも、没食子酸が好ましい。
重縮合反応における助触媒の使用量は、反応性の観点から、重縮合反応に供されるアルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.4質量部以下、更に好ましくは0.2質量部以下である。
4-tert-ブチルカテコール等のラジカル重合禁止剤を使用してもよい。ラジカル重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
〔ポリエステル樹脂の物性〕
ポリエステル樹脂の軟化点は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは165℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは135℃以下、更に好ましくは131℃以下である。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、樹脂転写の抑制の観点から、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上、更に好ましくは35mgKOH/g以上、更に好ましくは50mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは80mgKOH/g以下、より好ましくは75mgKOH/g以下である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、更に好ましくは50℃以上、更に好ましくは53℃以上であり、そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上であり、そして、好ましくは6,000以下、より好ましくは5,000以下、更に好ましくは4,500以下、更に好ましくは4,000以下である。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
ポリエステル樹脂の軟化点、ガラス転移温度、水酸基価、及び平均分子量は、原料組成物の種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、また、それらの値は、後述の実施例に記載の方法により求められる。
〔昇華性着色剤〕
昇華性着色剤とは、昇華性を有する着色剤である。
昇華性着色剤としては、保存安定性及び樹脂転写抑制性の観点から、アゾ系染料、アントラキノン系染料及びキノフタロン系染料から選ばれる1種以上である。これらの中でもアントラキノン系染料が好ましい。
昇華性着色剤の大気圧における昇華温度は、昇華転写捺染印刷機内汚染防止、及び、染色性を向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは260℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは240℃以下である。
効果を損なわない範囲で、スチリル系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、オキサジン系染料、トリアジン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料、アゾメチン系染料、アクリジン系染料、ジアジン系染料を含んでいてもよい。
昇華性着色剤の含有量は、保存安定性及び樹脂転写抑制性をより向上させる観点から、トナーの全量に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、電子写真方式に用いた場合の耐刷安定性が優れるようになる観点から、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、電子写真方式に用いた場合の耐刷安定性が優れるようになる観点から、更に好ましくは13質量%以下である。
上述の他、効果を損なわない範囲で、電子写真用トナーに用いられる公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤が挙げられる。
その他、トナー粒子に流動性等を付与する目的として外添剤を使用することができる。外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物が挙げられる。
[電子写真用トナーの製造方法]
トナーの製造方法としては、混練、粉砕、分級の工程を経て作製する粉砕法;重合性のモノマーを重合させ、同時に形状や大きさを制御しながらトナーの粒子形成を行う重合法(例えば、乳化重合法、溶解懸濁法、乳化会合法、ポリエステル伸張法等);等の、公知の製造方法が挙げられる。
粉砕法によるトナーの製造方法は、例えば、
工程A:ポリエステル樹脂、昇華性染料、及び必要に応じて荷電制御剤、ワックス等をヘンシェルミキサー等の混合機で混合し、染料−樹脂混合物を得る工程、
工程B:工程Aで得られた染料−樹脂混合物を、密閉式ニーダー;又は、1軸もしくは2軸の押出機;等で溶融混練し、冷却して樹脂組成物を得る工程、
工程C:工程Bで得られた樹脂組成物を、ハンマーミル等で粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、必要に応じて各種分級機やサイクロンを用いて目標とする粒度分布になる様に分級してトナー粒子を得る工程、及び
工程D:工程Cで得られたトナー母粒子に、外添剤を添加してヘンシェルミキサー等で混合し、トナーを得る工程
を含む。
[染色方法]
染色方法は、例えば、
上述のトナーを、電子写真方式によって中間記録媒体に付着させる工程(以下、「工程(1)」ともいう)、
中間記録媒体と被染色物とを接触させる工程(以下、「工程(2)」ともいう)、及び
中間記録媒体に付着させたトナーが含有する着色剤を、被染色物に昇華転写させる工程(以下、「工程(3)」ともいう)を含む。
工程(1)において、電子写真方式によって、トナーを中間記録媒体に付着させる。当該工程は、公知の電子写真方式によって行うことができる。トナーを付着させる際に、図柄などの画像を形成することが好ましい。
中間記録媒体としては、例えば、紙が挙げられる。紙としては、例えば、トレーシングペーパー、ボンド紙、グラシン、硫酸紙、パラフィン紙・ろう紙、耐油紙、コンデンサ紙、ワニスペーパーが挙げられる。これらの中でも、ボンド紙が好ましい。
工程(2)において、中間記録媒体のトナー付着面を被染色物に接触させる。
被染色物としては、例えば、疎水性繊維(又は、その構造物である布帛);疎水性樹脂のフィルム又はシート;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器等が挙げられる。
疎水性繊維としては、例えば、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアクリル繊維等の疎水性繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維が挙げられる。
疎水性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル/ポリウレタン複合樹脂等の疎水性樹脂が挙げられる。
布帛としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバーが挙げられる。
これらの中でも、ポリエステル繊維、その構造物である布帛、ポリエステル繊維がコーティングされた布帛が好ましい。
工程(3)において、昇華転写時には、例えば、熱プレス機を用いる。
昇華転写の温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。
昇華転写の処理時間は、好ましくは40秒以上、より好ましくは50秒以上であり、そして、好ましくは80秒以下、より好ましくは70秒以下である。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
[測定方法]
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所株式会社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価、水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔樹脂の数平均分子量、重量平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をテトラヒドロフランに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(「A-500」(5.0×102)、「A-1000」(1.01×103)、「A-2500」(2.63×103)、「A-5000」(5.97×103)、「F-1」(1.02×104)、「F-2」(1.81×104)、「F-4」(3.97×104)、「F-10」(9.64×104)、「F-20」(1.90×105)、「F-40」(4.27×105)、「F-80」(7.06×105)、「F-128」(1.09×106)(以上、東ソー株式会社製))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:「HLC-8220GPC」(東ソー株式会社製)
分析カラム:「GMHXL」+「G3000HXL」(以上、東ソー株式会社製)
[結着樹脂の製造]
製造例A1〜A10;樹脂A−1〜A−10
表1に示すポリエステル樹脂の原料組成物と、2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃から235℃まで10時間かけて昇温した後、235℃にて3時間反応した。その後8kPaの減圧条件にて所望の軟化点に達するまで反応を行った。
[電子写真用トナーの製造]
実施例1〜6及び比較例1〜6
表2に示す結着樹脂93質量部、昇華染料7質量部を200℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をジューサーミキサーで粉砕することにより、トナー粒子を得た。
[評価]
試験例1〔トナー粒子の保存安定性〕
50mLのガラス管瓶「SV-50A」(日電理化硝子株式会社製)、に各トナー粒子を5.0g秤量し、キャップ蓋をして密閉し、室温(25℃)下で24時間保管後、60℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管した後、室温に戻るまで静置した。その後、各トナー粒子の電子顕微鏡「S-4800形電界放出形走査電子顕微鏡」(日立ハイテクノロジーズ株式会社製)写真から染料のブリードアウトの有無を、それぞれ下記A〜Dの評価基準に従って評価した。
<評価基準>
A:ブリードアウトした固体がほとんど観測されない。
B:ブリードアウトした固体が僅かに観測されるが、1μm未満の小さな固体がほとんどである。
C:ブリードアウトした固体が観測されるが、1μm以上3μm未満の中型の固体が多数観測される。
D:ブリードアウトした固体が非常に多く、3μm以上の大きな固体が数多観測される。
試験例2〔樹脂転写抑制性〕
熱による昇華転写後、被染色物と中間記録媒体とを引き剥がす際の引き剥がし易さを転写性として評価した。
実施例及び比較例で得た各トナー粒子をそれぞれ乳鉢に入れ、β‐ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩「デモールN」(花王株式会社製)を加えて、乳棒で混合・微粉砕化処理し、各トナー粒子の分散液をそれぞれ得た。
得られた各分散液を、バーコーターでドライ膜厚が10〜30μm程度になるように中間記録媒体(A4判のボンド紙)に塗工した後、十分に乾燥させて各トナー粒子を塗工した中間記録媒体(ボンド紙)をそれぞれ得た。
被染色物として100%ポリエステル繊維で構成されているマイクロファイバー(厚み500μm)を用いて、上記でそれぞれ得られた各中間記録媒体(ボンド紙)とを重ね合わせた後、熱プレス機「トランスファープレス機TP-600A2」(太陽精機株式会社製)を用いて195℃×60秒の条件にて熱処理することにより、昇華転写染色を行った。
この時点では付着状態にある被染色物と中間記録媒体から、中間記録媒体を手で剥離するときの剥離性を、下記4段階の基準で評価した。
<評価基準>
A:中間記録媒体を被染色物から剥がすために殆ど力を必要としない。
B:中間記録媒体を被染色物から剥がすために僅かな力を必要とする。
C:中間記録媒体を被染色物から剥がすために大きな力を必要とする。
D:中間記録媒体を被染色物から剥がすために非常に大きな力を必要とし、また剥離の際に、中間記録媒体の一部が破れて被染色物側に残る。
表中、略語の意味は以下のとおりである。
DB359: C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製,アゾ系染料,大気圧下での昇華温度200℃)
DR60: C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製,アントラキノン系染料,大気圧下での昇華温度180℃)
DY54: C.I.ディスパースイエロー54(日本化薬株式会社製,キノフタロン系染料,大気圧下での昇華温度220℃)
実施例及び比較例の結果から、本発明の電子写真用トナーによれば、優れた保存安定性を示し、更に昇華転写捺染印刷における樹脂転写が抑制されることがわかる。

Claims (12)

  1. アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料組成物の縮重合物であるポリエステル樹脂と昇華性着色剤とを含有するトナー粒子を含む電子写真用トナーであって、
    前記ポリエステル樹脂のFedors法による溶解度パラメータ値が11.5(cal/cm3)1/2以上13.0(cal/cm3)1/2以下であり、その酸価が8mgKOH/g以下であり、
    前記昇華性着色剤が、アゾ系染料、アントラキノン系染料及びキノフタロン系染料から選ばれる1種以上である、電子写真用トナー。
  2. 前記原料組成物が、ポリエチレンテレフタレートを更に含む、請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.40以上0.80以下である、請求項2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記ポリエステル樹脂の水酸基価が15mgKOH/g以上80mgKOH/g以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記ポリエステル樹脂の原料組成物中、カルボン酸成分としてのテレフタル酸化合物の含有量とポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸化合物の含有量との合計が、カルボン酸成分及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸化合物の合計に対して、60モル%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. ポリエステル樹脂の原料組成物中、アルコール成分が、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオールを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. ポリエステル樹脂の原料組成物中、アルコール成分として、又は、ポリエチレンテレフタレート由来として、エチレングリコールが含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記ポリエステル樹脂の原料組成物中、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する脂肪族ジオールの含有量が、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、20モル%以上80モル%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  9. ポリエステル樹脂の原料組成物中、アルコール成分としてのエチレングリコールの含有量とポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの含有量との合計が、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、20モル%以上80モル%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  10. 前記ポリエステル樹脂の原料組成物中、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの含有量が、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、10モル%以上60モル%以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  11. 前記ポリエステル樹脂の原料組成物中、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量が、アルコール成分及びポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールの合計量に対して、40モル%以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真用トナーを、電子写真方式によって中間記録媒体に付着させる工程、
    中間記録媒体と被染色物とを接触させる工程、及び
    中間記録媒体に付着させたトナーが含有する着色剤を、被染色物に昇華転写させる工程を含む、染色方法。
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