JP2018178113A - 筆記具用水性インキ組成物及び筆記具 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物及び筆記具 Download PDF

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【目的】 ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の紙への浸透性に優れ、低温環境下での筆記安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物に関するものである。【構成】 水と、着色剤と、グリセリルグルコシドと、を少なくとも含む筆記具用水性インキ組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の紙への浸透性に優れ、低温環境下での筆記安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物に関するものである。
従来、水性インキ組成物を充填してなる筆記具において、ペン先を外気にさらした状態で一定時間放置しているとペン先の溶剤分が蒸発し、水性インキ組成物中の固形分が濃縮してインキの流動性が悪化して筆跡がカスレたり、筆記不能となる、所謂ペン先乾燥が問題とされてきた。ペン先乾燥を抑制する手段として、インキ中に親水性の高い材料を用いて水分の蒸発を抑えることが知られている。
また、低温環境下でインキが凍結して筆記不能とならないためにインキ中に不凍液が使用されている。
特許文献1には、保湿剤または乾燥遅延剤として、グリセリンなどの水溶性有機溶剤、糖、糖アルコール、尿素などを含有するマーキング液が開示されている。
特許文献2は、水性ボールペンインキにおいて「グリコール類、グリセリン、グリコールエーテル類等の水溶性有機溶剤を用いることなく、水溶性有機溶剤の作用であったペン先の乾燥を防ぐ」として、「マルチトールを主成分とする還元糖、ソルビトールを主成分とする還元糖、還元デキストリン、還元マルトデキストリン、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、マルトシルサイクロデキストリンからなる群から選ばれた少なくとも一種」を使用する旨が記載されている。
特許文献3は、マーキング液としてペン先の乾燥を抑制する手段としては、保湿剤として「グリコール、例えばジグリコール(ジエチレングリコールなど)、又は尿素」を添加できる旨が記載されている。
特許文献4は、ペン先の耐ドライアッップを抑制するものとしてポリオキシプロピレンメチルグルコシドを含有するボールペン用水性インキが記載されている。
また、特許文献5には1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有する水性インキ組成物がペン先でのインキ乾燥を抑制でき、筆記線の乾燥を速めることができることが記載されている。
特許文献6には、トリメチルグリシンとペンタエリスリトールを併用した水性インキ組成物が、ペン先の乾燥を抑制することと、筆跡の乾燥性、インキの低温安定性を両立させることができることについて記載されている。
特表2005−510580号公報 特再公表平11−28398号公報 特開2004−59927号公報 特開2012−233084号公報 特開2000−319570号公報 特開2016−151003号公報
特許文献1に記載の発明で使用できるとしているグリセリンは、高粘度の溶剤であるので、ペン先乾燥を抑制するのに必要な量を添加するとインキの粘度が高くなりすぎてインキの流動性が下がり吐出し難くなることを招く恐れがある。また、同じく使用できるとしている尿素、グルコースなどは、常温で固体の保湿剤であり、ペン先に保湿剤の結晶物が析出する、所謂花咲きと呼ばれる現象が起きてしまう。花咲き現象が起きないように保湿剤の添加量を減らすと、ペン先乾燥の抑制効果が不十分となる。また、低温環境下ではインキ中の固形分が析出することなどに起因して、インキの粘度が上昇して流動性が損なわれ、筆記時のインキの吐出が低下して筆跡がカスレてしまう恐れがあった。
特許文献2〜6に記載の発明では、筆記時に外気に露出している面積が大きいマーキングペンのようなペン先や筆ペンのようなペン先では、ペン先乾燥を抑制する効果は十分とは言えない。また、低湿度環境下においては、ペン先からの溶剤蒸発は一般の使用環境下に比べ非常に早く、低湿環境下においても十分にペン先乾燥を抑制する効果が望まれる。
また、低温環境下では、インキが凍結してしまって筆記ができなくなってしまうものや、インキ中の固形分が析出することなどによる粘度上昇によって、筆記時のインキの流動性が損なわれ、吐出が低下して筆跡がカスレてしまう恐れがあった。
本件発明は、ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の紙への浸透性に優れ、低温環境下での筆記安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物を提供する事を目的とする。
即ち、本発明は、水と、着色剤と、グリセリルグルコシドと、を少なくとも含む筆記具用水性インキ組成物を第1の要旨とし、前記グリセリルグルコシドがαグリセリルグルコシドであることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物を第2の要旨とし、第1の要旨または第2の要旨に記載のインキを充填してなる筆記具において、ペン先が繊維収束体であることを特徴とする筆記具を第3の要旨とする。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の表面が早く乾燥して筆跡を擦っても伸びず、低温環境下においても筆跡がカスレたり筆記不能となることが無いものである。
ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の紙への浸透性が優れて早い理由としては、水とグリセリルグルコシドとの組合せが、インキ中の溶剤をペン先表面から蒸発することを防ぐため、グリセリルグルコシドが少量の添加でも、ペン先がマーキングペンのペン先や筆ペンのペン先のような外気に露出している面積が大きいペン先が繊維収束体の場合でも、ペン先乾燥を抑制する効果が優れ、また、グリセリルグルコシドの量を少量に抑えられ、その分溶媒を増やせることで、インキ組成物中の着色剤由来の固形分の上昇による増粘を極力抑えることができ、筆跡が紙面に速やかに浸透するため筆記の直後に着色成分が紙面に定着し、筆跡を擦っても伸びないものと推察される。更に、低温環境下において水とグリセリルグルコシドの存在によってインキの凍結によるインキ追従不良を防止可能となり、着色剤等の固形分の存在に関わらずペン先でのインキ追従性を維持することができるため低温環境下での筆記安定性が優れきれいな筆跡が得られる。
以下に発明を詳細に説明する。
本発明で使用したグリセリルグルコシドとは、グリセリンとグルコースがα結合で縮合したαグリセリルグルコシドと、β結合で縮合したβグリセリルグルコシドであり、マルトオリゴ糖とグリセリンの混合液にα−グルコシダーゼを作用させることで得られる酵素反応生成物であっても、グリセリンとグルコースの縮合反応によって得られる生成物であっても良い。
グリセリルグルコシドとしては、αグリセリルグルコシドとβグリセリルグルコシドが挙げられ、αグリセリルグルコシドがより好ましく、αグリセリルグルコシドの具体例としてαGG、αGG−L(以上、JST株式会社製)などが挙げられる。
これらのグリセリルグルコシドの添加量はインキ組成物全量に対し、0.5重量%以上30.0重量%以下が好ましく、1.0重量%以上20.0重量%以下がより好ましく、1.0重量%以上10.0重量%以下が最も好ましい。これらのグリセリルグルコシドは、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
本発明で用いることができる水としては、水道水、地下水、イオン交換水、純水、超純水などが挙げられ、特に限定されることなく使用できる。
本発明で用いることができる着色剤は、特に制限されることなく染料、顔料が使用できる。
染料は、水溶性染料が使用できる。水溶性染料の具体的としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料などが挙げられる。直接染料の具体例としては、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)などが挙げられる。
酸性染料の具体例としては、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、などが挙げられる。
塩基性染料の具体例としては、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)などが挙げられる。これらの染料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
顔料の具体例としては、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED 2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36、などが挙げられる。これらの顔料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
着色剤として顔料と染料を併用して用いることもできる。
着色剤に顔料を用いた場合は、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することもできる。分散剤として、従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などの、顔料の分散剤として用いられるものを用いることができる。分散剤の具体例としては、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤、などが挙げられる。これらの水可溶性樹脂および界面活性剤の添加量は顔料10.0重量%に対し、0.05重量%以上20.0重量%以下が好ましい。これらの水可溶性樹脂および界面活性剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
また、顔料を水性媒体に分散した顔料分散体も用いることができる。顔料分散体
としては、無機顔料、有機顔料、蛍光顔料などが使用でき、具体例としては、unisperseシリーズとして、同Green G−S、同Red 3RS−E2、同Red C2B−Agro RS、同Red C2B−Agro Syngenta、同Yellow 10GN−S2(以上、BASFジャパン株式会社製)などが挙げられ、Hostafineシリーズとして、同Red FGR、同Red HF3S、同Red F5RK VP3204、同Red P2GL、同Rubine F6B、同Black T 30、同Yellow HR、同Violet RL、同Blue B2G、同Yellow GR 30 VP 5176、同Trans Oxide Red B 30、同Magenta E、同Green GN、同Black TS 30、同Transoxide Red B 31 VP 6045、同Trans Oxide Yellow R 30、同Yellow HR 30 VP 6022、同Transoxide Yellow R 31 VP 6043(以上、クラリアントジャパン株式会社製)などが挙げられ、FASTOGENシリーズとして、同Blue 4RO−2、同Blue 5003、同Blue AE−8、同Blue AE−8K、同Blue AR−7、同Blue BRF、同Blue CA5380、同Blue FA5375、同Blue FA5380、同Blue LA5380、同Blue PA5380、同Blue RSK、同Green 2YK、同Green 5720、同Green S、同Green SF、同Green SMF−2、同Super Magenta R、同Super Magenta RE−03、同Super Magenta RE−05、同Super Magenta RG、同Super Magenta RH、同Super Magenta RTS、同Super Magenta RY、同Super Red 209 228−6736、同Super Red 254 226−0200、同Super Red 254 226−5254、同Super Red 400RG、同Super Red 500RG、同Super Red 7061B、同Super Red 7064B、同Super Red 7100Y、同Super Red ATY−01、同Super Red ATY−TR、同Super Red B conc、同Super Red YE、同Super Scarlet GK、同Super Violet RN、同Super Violet RNS、同Super Violet RN−SU−02、同Super Violet RZE、同Super Violet RZSなどが挙げられ、PALOMARシリーズとして、同Turquoise 264−4900などが挙げられ、PERRINDOシリーズとして、同Maroon 179 229−6424、同Maroon 179 229−6436、同Maroon 179 229−6438、同Maroon 179 229−6440、同Maroon 179 229−6454、同Red 224 229−6420、同Violet 29 229−4050などが挙げられ、QUINDOシリーズとして、同Magenta 202 228−6843、同Magenta 202 228−6853、同Violet 19 228−1119などが挙げられ、SYMULERシリーズとして、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 226、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 233S、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 236S、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 243、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 246、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 300、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 303S、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 306、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 308、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 313S、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 350K、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 392、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 393、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 397、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 400S、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 401、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 412W、同SYMULER Brilliant Carmine 6B 413W、同SYMULER Fast Orange G、同SYMULER Fast Orange K、同SYMULER Fast Orange V、同SYMULER Fast Red 4134A、同SYMULER Fast Red 4134S、同SYMULER Fast Red 4580、同SYMULER Fast Red 4586、同SYMULER Fast Red 4601、同SYMULER Fast Red 4608、同SYMULER Fast Red 4610、同SYMULER Fast Red BR 4598、同SYMULER Fast Yellow 4059G、同SYMULER Fast Yellow 4090G、同SYMULER Fast Yellow 4192、同SYMULER Fast Yellow 4GO、同SYMULER Fast Yellow 5GF、同SYMULER Fast Yellow 8GF、同SYMULER Fast Yellow 8GTF、同SYMULER Fast Yellow BY 2000GT、同SYMULER Fast Yellow GFconc、同SYMULER Fast Yellow GFconcP、同SYMULER Fast Yellow GRF、同SYMULER Fast Yellow NIF、同SYMULER Lake Red Cconc210、同SYMULER Red 2BY、同SYMULER Red 3013、同SYMULER Red 3013P、同SYMULER Red 3014、同SYMULER Red 3070、同SYMULER Red 3075、同SYMULER Red 3111、同SYMULER Red 3123、同SYMULER Red NRYなどが挙げられ、RYUDYE−Wシリーズとして、同YELLOW KGR、同YELLOW FRT−K、同ORANGE FKS、同SCARLET F3G、同RED FBY、同VIOLET FFBN、同BLUE GLK、同GREEN FBT、同BROWN FFM、同BLACK RC、同YELLOW FF7G、同YELLOW FF3R、同ORANGE FF2R、同RED FFGR、同VIOLET FFBN、同BLUE GLK、同GREEN FBT、同BROWN FFR、同BLACK RC、同YELLOW KG、同GOLD YELLOW FFR、同ORANGE FKV、同SCARLET F3G、同RED GCL、同VIOLET FN、同BLUE RC、同GREEN S CONC、同BROWN GDR、同BLACK WT、同YELLOW FF4G、同YELLOW FFRG、同ORANGE FFYR、同RED FF2G、同VIOLET FN、同BLUE RC、同GREEN S CONC、同BROWN FFR、同BLACK WT(以上、DIC株式会社製)などが挙げられ、Fuji SPシリーズとして、同Black 8031、同Black 8041、同Black 8119、同Black 8167、同Black 8276、同Black 8381、同Black 8406、同Red 5096、同Red 5111、同Red 5193、同Red 5220、同Bordeaux 5500、同Blue 6062、同Blue 6474、同Blue 6133、同Blue 6134、同Blue 6401、同Blue 6555、同Blue 6474、同Green 7051、同Yellow 4060、同Yellow 4360、同Yellow 4178、同Violet 9011、同Violet 9602、同FujiSP Pink 9524、同Pink 9527、同Orange 534、同Pink 636、同Pink 9429、同Brown 3074、同RED 5543、同RED 5657、同RED 5653、同RED 5544(以上、冨士色素株式会社製)などが挙げられ、Emacolシリーズとして、同Black CN、同Blue FBB、同Blue FB、同Blue KR、同Green LXB、同Violet BL、同Brown3101、同Carmmine FB、同RedBS、同Orange R、同Yellow FD、同Yellow IRN、同Yellow 3601、同Yellow FGN、同Yellow GN、同Yellow GG、同Yellow F5G、同Yellow F7G、同Yellow 10GN、同Yellow 10Gなどが挙げられ、Sandyeシリーズとして、同Super Black K、同Super Black C、同Super Grey B、同Super Brown SB、同Super Brown FRL、同Super Brown RR、同Super Green L5G、同Super Green GXB、同Super Navy Blue HRL、同Yellow Super Navy Blue GLL、同Yellow Super Navy Blue HB、同Yellow Super Navy Blue FBL−H、同Yellow Super Navy Blue FBL−160、同Yellow Super Navy Blue FBB、同Super Violet BL H/C、同Super Violet BL、同Super Bordeaux FR、同Super Pink FBL、同Super Pink F5B、同Super Rubine FR、同Super Carmmine FB、同Super Red FFG、同Super Red RR、同Super Red BS、同Super Red 1315、同Super Orange FL、同Super Orange R、同Super Orange BO、同Gold Yellow 5GR、同Gold Yellow R、同Gold Yellow 3R、同Yellow GG、同Yellow F3R、同Yellow IRC、同Yellow FGN、同Yellow GN、同Yellow GRS、同Yellow GSR−130、同Yellow GSN−130、同Yellow GSN、同Yellow 10GN(以上、山陽色素株式会社製)などが挙げられ、MICROPIGMOシリーズとして、同AMBE−4、同AMBE−8、同AMBK−2、同AMBK−8、同AMGN−2、同AMGN−6、同AMGN−8、同AMVT−2、同AMRD−2、同AMRD−8、同AMOE−6、同WMBE−5、同WMBK−5、同WMGN−6、同WMRD−5、同WMRD−8、同WMVT−5、同WMWE−1、同WMYW−5、同WMYW−6などが挙げられ、BONJETシリーズとして、同BLACK CW−1、同BLACK CW−1S、同BLACK CW−2、同BLACK M−800(以上、オリヱント化学工業株式会社製)などが挙げられ、Rio Fastシリーズとして、同Black Fx 8012、同Black Fx 8313、同Black Fx 8169、同Red Fx 820
9、同Red Fx 8172、同Red S Fx 8315、同Red S Fx 8316、同Blue Fx 8170、同Blue Fx 8170、同Blue S Fx 8312、同Green S Fx 8314などが挙げられ、EMFカラーシリーズとして、同イエロー3G、同オレンジO、同レッドHFB、同レッドHR、同ブルーHG、同バイオレットHB(以上、トーヨーカラー株式会社製)などが挙げられ、ポルックスカラーシリーズとして、同PC5T1020、同ブラックPC8T135、同レッドIT1030(以上、住化カラー株式会社製)などが挙げられ、ビクトリアシリーズとして、同イエロー G−11、同イエロー G−20、同オレンジ G−16、同オレンジ G−21、同レッド G−19、同レッド G−22、同ピンク G−17、同ピンク G−23、同グリーン G−18、同グリーン G−24、同ブルー G−15、同ブルー G−25(以上、御国色素株式会社製)などが挙げられる。
蛍光顔料の顔料分散体の具体例としては、NKW−3900Eシリーズとして、同3903E、同3926E、同3904E、同3905E、同3902E、同3908E、同3938E、同3977E、同3947E、同3907Eなどが挙げられ、NKW−3200Eシリーズとして、同3203E、同3226E、同3204E、同3205E、同3215E、同3202E、同3208E、同3277E、同3207Eなどが挙げられ、NKW−6000Eシリーズとして、同6013E、同6004E、同6005E、同6002E、同6008E、同6038E、同6047E、同6007Eなどが挙げられ、NKW−C2100Eシリーズとして、同C2103E、同C2104E、同C2105E、同C2102E、同C2108E、同C2167E、同C2147E、同C2117Eなどが挙げられ、NKW−2100Eシリーズとして、同2103E、同2101E、同2104E、同2106E、同2105E、同2102E、同2108E、同2167E、同2137E、同2127E、同2117E、同2107E、同2109Eなどが挙げられ、NKW−7000Eシリーズとして、同7002E、同7012E、同7052E、同7003E、同7004E、同7005E、同7026E、同7017E、同7047E、同7067E、同7008E、同7038Eなどが挙げられ、NKW−7500Eシリーズとして、同7502E、同7517E、同7577E、同7518Eなどが挙げられ、NKW−A−300Eシリーズとして、同303E、同301E、同304E、同305E、同302E、同308E、同367E、同347E、同307E(以上、日本蛍光化学株式会社製)などが挙げられ、シンロイヒカラーSF−3000Nシリーズとして、同3022N、同3014N、同3015N、同3017N、同3037N、同3038Nなどが挙げられ、シンロイヒカラーSF−5000シリーズとして、同5012、同5013、同5014、同5015、同5017、同5027、同5037、同5018などが挙げられ、シンロイヒカラーSF−8000シリーズとして、同8012、同8014、同8015、同8017、同8037、同8028などが挙げられ、シンロイヒカラーSP−10シリーズとして、同13、同14、同15、同16、同17、同27、同37、同47などが挙げられ、シンロイヒカラーSW−100シリーズとして、同111、同112、同113、同114、同115、同116、同107、同117、同127、同137、同147、同128(以上、シンロイヒ株式会社製)などが挙げられる。
これらの顔料分散体は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。ただし、着色された樹脂粒子を着色剤として用いる場合は、樹脂粒子が有機溶剤に溶解しないものを用いる。
着色剤に顔料や油性染料を用いることで、筆跡の耐水性を備えるものとすることもでき、顔料のみを用いることで筆跡の耐光性を備えるものとすることができる。
本発明で使用する着色剤以外に、色味を調整するために樹脂粒子やワックス粒子、樹脂エマルションのような無色粒子を用いることができる。中でも酸化ポリエチレンワックス粒子を用いることで筆跡の裏移りを同時に抑制することができる。
着色剤、無色粒子に限らず、本発明のインキ組成物中の固形分濃度を25重量%以上にすることで筆跡の裏移りを抑制することができるため好ましい。
また、酸化ポリエチレンワックス粒子を用いるとインキ組成物中の固形分濃度が25重量%以下であっても筆跡の裏移りを抑制でき、酸化ポリエチレンワックス粒子の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1重量%以上50.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上23.0重量%以下であり、最も好ましくは1.0重量%以上15.0重量%以下である。
本発明において、顔料を分散するには一般的な方法が使用可能である。
例えば、顔料と、溶媒と、分散剤とを混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。分散機の具体例としては、ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ニーダーなどが挙げられる。使用する分散機の種類は、インキの溶媒量や、顔料濃度などによって適宜選択できる。
また、これらの分散する工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却したり、加圧したり、減圧したり、不活性ガス雰囲気中で撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。更に、多糖類の分散性を十分にするためにインキ調整後に加熱処理工程及び/又は冷却処理工程を行っても良い。
これらの混合、分散、ろ過、加熱、冷却、加圧、減圧、不活性ガス雰囲気とすることなどは、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を同時に行ってもよい。
本発明において、水溶性有機溶剤を用いることができる。
本発明における水溶性有機溶剤とは、水100gに対して10g以上溶解することのできる有機溶剤を指す。
水溶性有機溶剤の具体例としては、多価アルコールとして、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキシレングリコール、チオジエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、等が挙げられ、1価のアルコールとして、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のもの、などが挙げられ、グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、ジエチレングリコールジメチルグリコール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、などが挙げられ、環状構造を持つ水溶性有機溶剤としては、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、などが挙げられ、その他としては、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、などが挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤の中でも、筆跡の紙への浸透性とペン先乾燥抑制の観点から、グリコールエーテルや環状構造を持つ水溶性有機溶剤が好ましく、環状構造を持つ水溶性有機溶剤がより好ましい。
また、これらの水溶性有機溶剤の中でも、グリコールエーテル及び/または環状構造を持つ水溶性有機溶剤と多価アルコールとを併用することで、グリセリルグルコシドと水溶性有機溶剤との相互作用によって、ペン先乾燥の抑制と筆跡の紙への浸透性が一層向上するため好ましい。
これらの水溶性有機溶剤の添加量は、筆記具用水性インキ組成物全量に対し0.1重量%以上50.0重量%以下が好ましく、5.0重量%以上20.0重量%以下がより好ましい。これらの水溶性有機溶剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
本発明における筆記具用水性インキ組成物は、マーキングペン、筆ペンなどのペン先が繊維収束体を用いる筆記具や、ボールペンなど、使用する形態によって適宜粘度を調整することができる。
本発明における繊維収束体のペン先とは、マーキングペンのペン先に用いられる合成繊維芯やフェルト芯であったり、筆ペンに用いられるような繊維を束ねたペン先のことを指す。
合成繊維芯とは、アクリル、ポリエステル、ナイロン、メラミン、ウレタン樹脂を単独、あるいは2種以上混合して作製した繊維を原糸として、熱成形を行い、樹脂を含浸させて乾燥・硬化をした後に適当な長さに切断して適宜加熱工程を行った後に研磨を行ってペン先の形に成形したものを指し、フェルト芯とは主にウール(羊毛)などの獣毛や縮巻状の合成繊維などの単繊維をフェルト生地状に加工したものに樹脂を含浸させて乾燥・硬化をした後にプレス成形を行い、短冊状にカットし、ペン先の形に打ち抜きを行ったものや、アクリル、ポリエステルなどの繊維をフェルト生地状にしたものにプレス成形を行い、短冊状にカットし、ペン先の形に打ち抜きを行ったものを指す。
本発明の筆記具用水性インキ組成物を、マーキングペンや筆ペンのような、ペン先が繊維収束体とする形態で使用する場合は、筆記具用水性インキ組成物の粘度が測定温度25℃、剪断速度76.6s−1において1.0mPa・s以上50.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上20.0mPa・s以下がより好ましい。
本発明の筆記具用水性インキ組成物を、ボールペンの形態で使用する場合や、繊維収束体などに保持させずにインキ収容管に直接、自由状態でインキを収容して使用する場合は、インキ粘度が測定温度25℃、剪断速度1s−1において500mPa・s以上、剪断速度2500s−1において100mPa・s以下となるように調整するのが、インキの漏れ防止や良好な書き味を得るために好ましい。
筆記具用水性インキ組成物の粘度を調整するために粘度調整剤を用いることができる。粘度調整剤の具体例としては、HPC−SL、HPC−L、HPC−M、HPC−H(以上、ヒドロキシプロピルセルロース、日本曹達株式会社製)、セオラスSC−900、セオラスSC−900S、セオラスRC591S、セオラスRC−N81、セオラスRC−N30、セオラスCL−611S、セオラスDX−2、セオラスDX−3,セオラスUF−F711、セオラスUF−F702、セオラスST−100、セオラスST−02、セオラスFD−101,セオラスFD−301、セオラスFD−F20、セオラスファイバーDF−17(以上、結晶セルロース、旭化成株式会社製)などのセルロース類、ケルザン、ケルザンS、ケルザンT、ケルザンST、ケルザンASX、ケルザンAR、ケルザンHP、ケルザンG、ケトロールCG、ケトロールCG−T、ケトロールCG−SFT(以上、三晶株式会社製)、サンエース、サンエースS、サンエースC、サンエースC−S、サンエースB−S、サンエースNF、サンエースG、サンエースE−S、サンエースNXG−S、サンエースNXG−C、ビストップD−3000−DF、ビストップD−3000−DF−C(以上、三栄源エフ・エス・アイ株式会社製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、株式会社興人製)などのキサンタンガム、レオザン(サクシノグルカン、三晶株式会社製)、K1A96、BG3810(以上、三晶株式会社製)などのウェランガム、K1A112、K7C2433(以上、三晶株式会社製)などのラムザンガム、ジャガー8111、同8600、同HP−8、同HP−60、CP−13(以上、三晶株式会社製)などのグァーガム類、プルラン(水溶性多糖類、株式会社林原商事製)、レオジック250H(日本純薬株式会社製)、ジュンロンPW111(日本純薬株式会社製)、Uジェリ・CP(昭和電工株式会社製)などの架橋型アクリル酸樹脂、カーボポール934、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981、カーボポール1342、カーボポール1382、カーボポール2984、カーボポール5984、カーボポールETD2020、カーボポールETD2050、EZ−1、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(ルーブリゾール社製、アメリカ合衆国)などのアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、GX−205、NA−010(昭和電工株式会社製)などのN−ビニルアセトアミド重合架橋物、などが挙げられる。
これらの粘度調整剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
上記成分の他に必要に応じて、潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、消泡剤、などの添加剤を併用して用いることができる。
これらの、潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、消泡剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
筆記時の筆記感を向上させるために、潤滑剤を使用できる。潤滑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、オレイン酸やアシルアミノ酸、アシルグルタミン酸、タウリン、メチルタウリン、リン酸エステル等のアルカリ金属塩やアミン塩や、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、水溶性潤滑油、微粒子アルミナ、硫化モリブデン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−Lグルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−Lグルタミン酸トリエタノールアミン液、ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン液、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウムなどのアシルグルタミン酸とその金属塩やアミン塩、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル鎖の炭素数12以上15以下)エーテルリン酸などのアルキルリン酸やポリオキシエチレンアルキルリン酸、などが挙げられる。
防腐剤、防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、オマジンナトリウム、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体、などが挙げられる。
インキ組成物のpHを調整するために、pH調整剤を用いることができる。pH調整剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの塩基性物質や、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、などの酸性物質が挙げられる。これらのpH調整剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。2種類以上のpH調整剤を併用することで、pHの微調整が可能となったり、経時におけるpH変化を抑制しやすくなるため好ましい。
筆記具用水性インキ組成物を製造するには、上記の顔料及び/又は顔料分散体と、染料とから選ばれる1種もしくは2種以上の着色剤と、水及び/又は有機溶剤と、分散剤と、をホモミキサー等の分散機にて充分に混合攪拌した後、他の添加剤、例えば粘度調整剤や、pH調整剤、色調調整のための染料、潤滑剤等を混合し、更に均一になるまで溶解、混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
表1、2に示した材料にて、実施例1〜14、比較例1〜7のインキを、プロペラを用いて攪拌し作製した。作製手順としては、水を添加し、プロペラで5分攪拌した後に、その他の添加剤を添加し、プロペラで30分攪拌して水溶性インキ組成物を得た。
Figure 2018178113
Figure 2018178113
表1、2に示した各材料は下記のものを使用した。
顔料水分散体(1):FUJI SP BLACK 8041(黒色顔料水分散体、固形分20%、冨士色素株式会社製)
顔料水分散体(2):FUJI SP RED 5657(赤色顔料水分散体、固形分25%、冨士色素株式会社製)
顔料水分散体(3):FUJI SP BLUE 6467(青色顔料水分散体、固形分25%、冨士色素株式会社製)
着色樹脂水分散体(1):ルミコールNKW−3207E(着色樹脂水分散体、固形分37%、日本蛍光株式会社製)
染料水溶液(1):Water BLACK 256L(黒色染料水溶液、オリヱント化学工業株式会社製)
赤色染料(1):Water Red 2(赤色染料、オリヱント化学工業株式会社製)
グリセリルグルコシド水溶液(1):αGG(高濃度αグリセリルグルコシド水溶液、αグリセリルグルコシド60%水溶液、株式会社JTS製)
グリセリルグルコシド水溶液(1):αGGL(低濃度αグリセリルグルコシド水溶液、αグリセリルグルコシド20%水溶液、株式会社JTS製)
保湿剤(1):GENENCARE OSMS BA(トリメチルグリシン、DuPont Industrial Bioscience/ダニスコジャパン株式会社製)
保湿剤(2):アマルティMR(マルチトール、三菱商事フードテック株式会社製)
保湿剤(3):マクビオブライドMG−10P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、日油株式会社製)
樹脂エマルション(1):PDX−7430(スチレンアクリル樹脂エマルション、固形分38重量%、BASFジャパン株式会社製)
ワックス粒子分散液(1):AQUACER 515(酸化高密度ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
活性剤(1):NIKKOL Decaglyn 1−SV(ノニオン界面活性剤、モノステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ株式会社製)
活性剤(2):エマール 2F ペースト(アニオン界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム、花王株式会社製)
活性剤(3):メガファック F410(フッ素系アニオン界面活性剤、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、DIC株式会社製)
光堅牢度向上剤(1):Isomalt(糖アルコール、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビットと1−O−α−D−グルコピラノシド−D−マンニトールの混合物、DGF社製、仏国)
試験用筆記具の作製
実施例1〜14、比較例1〜7の筆記具用水性インキ組成物を、市販の水性マーキングペン(ノック式ハンディラインS、製品符号SXNS15、ぺんてる株式会社製、ペン先の材質:ポリエステル繊維、ペン先の気孔率:60%、ペン先の材質の繊維の太さ:3デニール)と同構造の筆記具に1.0g充填し、ペン先を取り付け、ノックをしてペン先を軸筒内に収納して密閉状態とし、その後2時間静置してペン先までインキを十分に浸透させた。
ペン先乾燥の抑制効果確認試験1
上記の試験用筆記具を各実施例、比較例あたり5本ずつ用意し、温度25℃湿度65%の環境下で、ペン先を露出した状態で横向きで放置して、120分後に手書きで筆記し、筆跡に著しいカスレが発生するかどうかを確認した。結果を表1、2に記載した。
ペン先乾燥の抑制効果確認試験2(低湿度環境下)
上記の試験用筆記具を用いて、温度25℃湿度20%の環境下で、ペン先を露出した状態で横向きで放置して、30分後、60分後、90分後、120分後ごとに手書きで筆記し、筆跡に著しいカスレが発生するまでの時間を筆記可能な時間とした。表1、2には、何分後にカスレが発生したかを記載した(単位「分」)。
筆跡乾燥確認試験
上記の試験用筆記具を各実施例、比較例あたり5本ずつ用意し、温度25℃湿度65%の環境下にて、筆記用紙(アイベストW(米坪310g/m)、日本製紙株式会社製)に手書きで30cmの直線を筆記した後、筆記用紙紙面上の跡を指で横断するように1回擦ることを1秒ごとに繰り返し、筆跡が伸びなくなる時間を乾燥時間とした。表1、2には、乾燥時間を記載した(単位「秒」)。
低温環境下での筆記安定性確認試験
上記の試験用筆記具を用いて、ペン先を収納した状態で温度−5℃の低温環境下で5時間横向きで放置した後、温度−5℃の低温環境下で手書きで筆記し、筆跡のカスレの有無を確認した。結果を表1、2に記載した。
○:筆跡にカスレなし
×:筆跡にカスレが発生した
結果を表1、2に示す。
実施例1〜14の筆記具用水性インキ組成物は、水と着色剤とグリセリルグルコシドを含有しているので、ペン先を低湿度環境下でペン先を外気にさらしていてもペン先の溶剤分の蒸発を抑制し、水性インキ組成物中の着色剤等固形分の濃縮が起こりにくいため、インキの追従性を維持することができるためペン先乾燥が抑制でき、ペン先乾燥を抑制しながらもインキの粘度を低粘度化し、筆記後の筆跡の紙への浸透性が優れるため着色剤が紙面に速やかに浸透するため筆記直後に筆跡を擦っても伸びることがなく、低温環境下において水とグリセリルグルコシドの存在によって着色剤等の固形分の存在に関わらずペン先でのインキ追従性を維持することができるため低温環境下での筆記安定性に優れるものを得ることができた。
これに対して、比較例1、2は特許文献1に記載の発明(水性インキ組成物)であるが、比較例1はペン先乾燥を十分抑制しようとグリセリンの添加量を多くしたことでインキの粘度が上昇してしまうと同時に、筆記時の筆記用紙表面の筆跡上にインキが長時間留まり続けてしまうため筆跡乾燥性が悪かった。
比較例2は、筆跡乾燥性を良くしようとグリセリンの添加量を少なくしたが、ペン先乾燥を抑制することができなかった。
また、温度−5℃の低温環境下で筆記すると、インキの追従性が悪く、筆跡にカスレが生じてしまった。
比較例3、4、5はそれぞれ特許文献2、3、4に記載の発明(水性インキ組成物)であるが、ボールペンでは効果の得られた添加剤であったり、マーキングペンにおいて従来の試験環境下ではペン先乾燥抑制効果が得られた添加剤であっても、マーキングペンに適用すると、温度25℃湿度20%の低湿度環境下では十分なペン先乾燥抑制効果が得られなかった。
また、温度−5℃の低温環境下で筆記すると、インキの追従性が悪く筆跡にカスレが生じてしまう。
比較例6は特許文献5に記載の発明(水性インキ組成物)であるが、筆跡上のインキの紙への浸透性が優れるものの、ペン先乾燥の抑制効果や温度−5℃の低温環境下での筆記安定性を得ることはできなかった。
比較例7は特許文献6に記載の発明(水性インキ組成物)であるが、ペン先乾燥の抑制効果と、筆跡上のインキの紙への浸透性は得られるものの、低湿度環境下において十分なペン先乾燥の抑制効果や低温環境下での筆記安定性が得られているとは言えない。
以上、詳細に説明したように、本発明は、ペン先乾燥の抑制効果に優れ、筆跡の紙への浸透性に優れ、低温環境下での筆記安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物に関するものである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

Claims (3)

  1. 水と、着色剤と、グリセリルグルコシドと、を少なくとも含む筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記グリセリルグルコシドがαグリセリルグルコシドであることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 請求項1または2に記載のインキを充填してなる筆記具において、ペン先が繊維収束体であることを特徴とする筆記具。
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