JP2018177894A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低ロス性と耐摩耗性を向上させたゴム組成物を提供する。【解決手段】変性共役ジエン系重合体(A1)を含むゴム成分(A)と、シリカ(B1)を含む充填剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、重量平均分子量が20×104以上300×104以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A1)の総量に対して、分子量が200×104以上500×104以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であることを特徴とする、ゴム組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。ここで、タイヤの転がり抵抗を低減する手法としては、ヒステリシスロスが小さい(即ち、低ロス性に優れる)ゴム組成物を用いることが一般的な手法として知られており、充填剤として、シリカを配合することで、ヒステリシスロスが小さいゴム組成物を実現することができる。しかしながら、シリカを含むゴム組成物をタイヤに適用した場合、一般的なカーボンブラックを含むゴム組成物を適用した場合よりも、タイヤの耐摩耗性が低下してしまう。
これに対して、ゴム組成物の低ロス性を向上させしつつ、耐摩耗性を向上させる手法として、変性共役ジエン系重合体を用いて、シリカを高度に分散させると共に、バウンドラバーを増大させる方法が知られている(下記特許文献1、特許文献2)。
国際公開第03/029299号 特開平11−349632号公報
上記特許文献1や特許文献2に開示のような、変性共役ジエン系重合体を用いる手法によれば、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を向上させることができ、かかるゴム組成物を適用することで、タイヤの低燃費性及び耐摩耗性を向上させることができるが、次世代のタイヤとして、更に性能を向上させたタイヤが求められており、低ロス性と、耐摩耗性を更に向上させたタイヤが求められている。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、従来よりも更に低ロス性と耐摩耗性を向上させたゴム組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、従来よりも更に低ロス性と耐摩耗性に優れたタイヤを提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体(A1)を含むゴム成分(A)と、シリカ(B1)を含む充填剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、重量平均分子量が20×10以上300×10以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A1)の総量に対して、分子量が200×10以上500×10以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であることを特徴とする。
かかる本発明のゴム組成物は、低ロス性と耐摩耗性が向上している。
本発明のゴム組成物において、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、分岐を有し、分岐度が5以上であることが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物において、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖と、を有し、
前記分岐は、1の前記カップリング残基に対して5以上の前記共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物において、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、共役ジエン系重合体を、下記一般式(I):
Figure 2018177894
[式中、R、R及びRは、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基を示し、R及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R10は、炭素数1〜20の、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、mは、1〜3の整数を示し、pは、1又は2を示し、R〜R11、m及びpは、複数存在する場合、それぞれ独立しており、i、j及びkは、それぞれ独立して0〜6の整数を示し、但し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、Aは、炭素数1〜20の、炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子からなる群から選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を示す]で表されるカップリング剤と反応させてなることが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、更に、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含む、グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)を含むことが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、更に、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(E)を含むゴム組成物であって、
該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(E)が配合されていることが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、更に、有機酸化合物(F)を含むゴム組成物であって、
前記混練の第一段階で、前記有機酸化合物(F)が配合されており、
前記混練の第一段階における、前記有機酸化合物(F)の分子数Xと、前記加硫促進剤(E)の分子数Yとが、下記式(1):
0≦X≦1.5×Y ・・・ (1)
の関係にあることが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、更に、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(G)を含むゴム組成物であって、
該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(G)が配合されていることが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物において、前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、下記式(2):
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ・・・ (2)
[式(2)中、インクボトル状細孔指数(IB)は、下記式(3):
IB=M2−M1 ・・・ (3)
で求められる値であり、
式(3)中、M1は、直径1.2×10nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有するシリカに対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(nm)であり、M2は、該測定において、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(nm)である]の関係を満たすことが好ましい。この場合、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物において、前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、下記式(4)又は(5):
IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140) ・・・ (4)
IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB) ・・・ (5)
[式(4)及び(5)中、インクボトル状細孔指数(IB)は、下記式(3):
IB=M2−M1 ・・・ (3)
で求められる値であり、
式(3)中、M1は、直径1.2×10nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有するシリカに対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(nm)であり、M2は、該測定において、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(nm)である]の関係を満たし、且つ
灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(6):
灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%) ・・・ (6)
を満たすことも好ましい。この場合も、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
また、本発明のタイヤは、上記のゴム組成物を用いたことを特徴とする。かかる本発明のタイヤは、低ロス性と耐摩耗性に優れる。
本発明によれば、従来よりも更に低ロス性と耐摩耗性を向上させたゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、従来よりも更に低ロス性と耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。
シリカの粒子における内心方向断面概略図(部分拡大図)である。 水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定による、シリカの水銀の圧入排出曲線(概略図)であり、縦軸は、水銀の圧入曲線Cでは微分水銀圧入量(−dV/d(log d))を示し、水銀の排出曲線Dでは微分水銀排出量(−dV/d(log d))を示し、なおVは、水銀の圧入曲線Cでは水銀圧入量(cc)、水銀の排出曲線Dでは水銀排出量(cc)を意味し、dはシリカの細孔における開口部の直径(nm)を意味し、横軸はこのd(nm)を示す。
以下に、本発明のゴム組成物及びタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体(A1)を含むゴム成分(A)と、シリカ(B1)を含む充填剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、重量平均分子量が20×10以上300×10以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A1)の総量に対して、分子量が200×10以上500×10以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であることを特徴とする。
本発明のゴム組成物においては、シリカ(B1)と、シランカップリング剤(C)とを使用することで、低ロス性を向上させることができる。また、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分(A)として、前記変性共役ジエン系重合体(A1)を配合することで、耐摩耗性を向上させることができる。そして、本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体(A1)と、シリカ(B1)と、シランカップリング剤(C)と、を組み合わせることで、それらの相乗効果により、低ロス性と耐摩耗性とを大幅に向上させることができる。
一般に、分岐を有する重合体は、同一の絶対分子量である直鎖状の重合体と比較した場合に、分子の大きさが小さくなる傾向にあり、前記収縮因子(g’)は、想定上同一の絶対分子量である直鎖状重合体に対する、分子の占める大きさの比率の指標である。即ち、重合体の分岐度が大きくなれば、収縮因子(g’)は小さくなる傾向にある。本実施形態では、分子の大きさの指標として固有粘度を用い、直鎖状の重合体は、固有粘度[η]=−3.883M0.771の関係式に従うものとして用いる。変性共役ジエン系重合体の各絶対分子量のときの収縮因子(g’)を算出し、絶対分子量が100×10〜200×10のときの収縮因子(g’)の平均値を、その変性共役ジエン系重合体の収縮因子(g’)とする。ここで、「分岐」とは、1つの重合体に対して、他の重合体が直接的又は間接的に結合することにより形成されるものである。また、「分岐度」は、1の分岐に対して、直接的又は間接的に互いに結合している重合体の数である。例えば、後述するカップリング残基を介して間接的に、後述の5つの共役ジエン系重合体鎖が互いに結合している場合には、分岐度は5である。なお、カップリング残基とは、共役ジエン系重合体鎖に結合される、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、後述する共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、カップリング剤由来の構造単位である。また、共役ジエン系重合体鎖は、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、後述する共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、共役ジエン系重合体由来の構造単位である。
前記収縮因子(g’)は、0.64未満であり、好ましくは0.63以下であり、より好ましくは0.60以下であり、さらに好ましくは0.59以下であり、より一層好ましくは0.57以下である。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよいが、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.33以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、より一層好ましくは0.45以上である。収縮因子(g’)がこの範囲である変性共役ジエン系重合体(A1)を使用することで、ゴム組成物の加工性が向上する。
収縮因子(g’)は分岐度に依存する傾向にあるため、例えば、分岐度を指標として収縮因子(g’)を制御することができる。具体的には、分岐度が6である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.59以上0.63以下となる傾向にあり、分岐度が8である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.45以上0.59以下となる傾向にある。収縮因子(g’)は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、分岐を有し、分岐度が5以上であることが好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A1)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して5以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことがより好ましい。分岐度が5以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して5以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、より確実に収縮因子(g’)を0.64未満にすることができる。なお、1のカップリング残基に対して結合している共役ジエン系重合体鎖の数は、収縮因子(g’)の値から確認することができる。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、分岐を有し、分岐度が6以上であることがより好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A1)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して6以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、さらに好ましい。分岐度が6以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して6以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.63以下にすることができる。
更に、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、分岐を有し、分岐度が7以上であることがさらに好ましく、分岐度が8以上であることがより一層好ましい。分岐度の上限は特に限定されないが、18以下であることが好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A1)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して7以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、より一層好ましく、1の当該カップリング残基に対して8以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、特に好ましい。分岐度が8以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して8以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.59以下にすることができる。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、窒素原子と、ケイ素原子とを有することが好ましい。この場合、ゴム組成物の加工性が良好となり、また、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。なお、変性共役ジエン系重合体(A1)が窒素原子を有することは、後述する実施例記載の方法で、特定のカラムへの吸着の有無によって確認することができる。また、変性共役ジエン系重合体(A1)がケイ素原子を有することは、後述する実施例に記載の方法で金属分析によって確認することができる。
前記共役ジエン系重合体鎖は、少なくともその1つの末端が、それぞれカップリング残基が有するケイ素原子と結合していることが好ましい。この場合、複数の共役ジエン系重合体鎖の末端が、1のケイ素原子と結合していてもよい。また、共役ジエン系重合体鎖の末端と炭素数1〜20のアルコキシ基又は水酸基とが、一つのケイ素原子に結合し、その結果として、その1つのケイ素原子が炭素数1〜20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成していてもよい。
前記変性共役ジエン系共重合体(A1)は、伸展油を加えた油展重合体とすることができる。該変性共役ジエン系共重合体(A1)は、非油展であっても、油展であってもよいが、耐摩耗性の観点から、100℃で測定されるムーニー粘度が、20以上100以下であることが好ましく、30以上80以下であることがより好ましい。なお、ムーニー粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、20×10以上300×10以下であり、好ましくは50×10以上であり、より好ましくは64×10以上であり、さらに好ましくは80×10以上である。また、上記重量平均分子量は、好ましくは250×10以下であり、更に好ましくは180×10以下であり、より好ましくは150×10以下である。重量平均分子量が20×10未満では、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを十分に向上させることができない。また、重量平均分子量が300×10を超えると、ゴム組成物の加工性が悪化する。変性共役ジエン系重合体(A1)及び後述する共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、該変性共役ジエン系重合体の総量(100質量%)に対して、分子量が200×10以上500×10以下である変性共役ジエン系重合体(以下、「特定の高分子量成分」ともいう。)を、0.25質量%以上30質量%以下含む。該特定の高分子量成分の含有量が0.25質量%未満でも、30質量%を超えても、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を十分に向上させることができない。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、特定の高分子量成分を、好ましくは1.0質量%以上含み、より好ましくは1.4質量%以上含み、さらに好ましくは1.75質量%以上含み、より一層好ましくは2.0質量%以上含み、特に好ましくは2.15質量%以上含み、極めて好ましくは2.5質量%以上含む。また、変性共役ジエン系重合体(A1)は、特定の高分子量成分を、好ましくは28質量%以下含み、より好ましくは25質量%以下含み、さらに好ましくは20質量%以下含み、より一層好ましくは18質量%以下含む。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある変性共役ジエン系重合体(A1)を得るためには、後述する重合工程と反応工程とにおける反応条件を制御することが好ましい。例えば、重合工程においては、後述する有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよい。また、重合工程において、連続式、及び回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法を用いる、すなわち、成長反応の時間分布を広げるとよい。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)においては、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1.6以上3.0以下が好ましい。変性共役ジエン系重合体(A1)の分子量分布がこの範囲であれば、ゴム組成物の加工性が良好となる。
なお、変性共役ジエン系重合体(A1)及び後述する共役ジエン系重合体に対する、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布、特定の高分子量成分の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)の製造方法は、特に限定されるものではないが、有機モノリチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、該共役ジエン系重合体の活性末端に対して、5官能以上の反応性化合物(以下、「カップリング剤」ともいう。)を反応させる反応工程と、を有することが好ましい。カップリング剤としては、窒素原子とケイ素原子とを有する5官能以上の反応性化合物を反応させるのが好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、共役ジエン系重合体を、上記一般式(I)で表されるカップリング剤と反応させてなることが好ましい。該カップリング剤と反応させてなる変性共役ジエン系重合体(A1)を使用することで、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
なお、一般式(I)中、R、R及びRは、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基を示し、R及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R10は、炭素数1〜20の、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、mは、1〜3の整数を示し、pは、1又は2を示し、R〜R11、m及びpは、複数存在する場合、それぞれ独立しており、i、j及びkは、それぞれ独立して0〜6の整数を示し、但し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、Aは、炭素数1〜20の、炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子からなる群から選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を示す。
ここで、一般式(I)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH)、スルフヒドリル基(−SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
前記重合工程は、リビングアニオン重合反応による成長反応による重合が好ましく、これにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることができ、高変性率の変性ジエン系重合体(A1)を得ることができる。
前記共役ジエン系重合体は、少なくとも共役ジエン化合物を重合して得られ、必要に応じて共役ジエン化合物とビニル置換芳香族化合物との両方を共重合して得られる。
前記共役ジエン化合物としては、炭素数4〜12の共役ジエン化合物が好ましく、より好ましくは炭素数4〜8の共役ジエン化合物である。このような共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、及び1,3−ヘプタジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これら共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ビニル置換芳香族化合物としては、モノビニル芳香族化合物が好ましい。該モノビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、及びジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらビニル置換芳香族化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量は、目標とする共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体の分子量によって決めることが好ましい。重合開始剤の使用量に対する、共役ジエン化合物等の単量体の使用量が重合度に関係し、すなわち、数平均分子量及び/又は重量平均分子量に関係する。従って、分子量を増大させるためには、重合開始剤を減らす方向に調整するとよく、分子量を低下させるためには、重合開始剤量を増やす方向に調整するとよい。
前記有機モノリチウム化合物は、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、好ましくは、アルキルリチウム化合物である。この場合、重合開始末端にアルキル基を有する、共役ジエン系重合体が得られる。アルキルリチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、及びスチルベンリチウムが挙げられる。アルキルリチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、及びsec−ブチルリチウムが好ましい。これらの有機モノリチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合工程において、重合反応様式としては、例えば、回分式、連続式の重合反応様式が挙げられる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。連続式の反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。連続式においては、好ましくは、連続的に単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤が反応器にフィードされ、該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、連続的に重合体溶液が排出される。回分式の反応器は、例えば、攪拌機付の槽型のものが用いられる。回分式においては、好ましくは、単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤がフィードされ、必要により単量体が重合中に連続的又は断続的に追加され、該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、重合終了後に重合体溶液が排出される。本実施形態において、高い割合で活性末端を有する共役ジエン系重合体を得るには、重合体を連続的に排出し、短時間で次の反応に供することが可能な、連続式が好ましい。
前記重合工程は、不活性溶媒中で重合することが好ましい。溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。重合反応に供する前に、不純物であるアレン類、及びアセチレン類を有機金属化合物で処理することで、高濃度の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる傾向にあり、高い変性率の変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にあるため好ましい。
前記重合工程においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することで、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、また、極性化合物は、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる傾向にある。
前記極性化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合工程において、重合温度は、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、120℃以下であることがさらに好ましく、50℃以上100℃以下であることが特に好ましい。このような範囲にあることで、重合終了後の活性末端に対するカップリング剤の反応量を充分に確保することができる傾向にある。
前記共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体(A1)中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、40質量%以上100質量%以下であることが好ましく、55質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
また、前記共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体(A1)中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
前記結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを更に向上させることができる。
なお、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定する。
前記共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体(A1)において、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、20モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを更に向上させることができる。
なお、変性共役ジエン系重合体(A1)がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法[R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949)]により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、ガラス転移温度(Tg)が−45℃以上−15℃以下であることが好ましい。変性共役ジエン系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)が−45℃以上−15℃以下の範囲にあると、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを更に向上させることができる。
なお、ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記反応性化合物(カップリング剤)は、好ましくは、窒素原子とケイ素原子とを有する5官能以上の反応性化合物であることが好ましく、少なくとも3個のケイ素含有官能基を有していることが好ましい。さらに好ましいカップリング剤は、少なくとも1のケイ素原子が、炭素数1〜20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成するものであり、より好ましくは上記一般式(I)で表される化合物である。
カップリング剤が有するアルコキシシリル基は、例えば、共役ジエン系重合体が有する活性末端と反応して、アルコキシリチウムが解離し、共役ジエン系重合体鎖の末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する傾向にある。カップリング剤1分子が有するSiORの総数から、反応により減じたSiOR数を差し引いた値が、カップリング残基が有するアルコキシシリル基の数となる。また、カップリング剤が有するアザシラサイクル基は、>N−Li結合及び共役ジエン系重合体末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する。なお、>N−Li結合は、仕上げ時の水等により容易に>NH及びLiOHとなる傾向にある。また、カップリング剤において、未反応で残存したアルコキシシリル基は、仕上げ時の水等により容易にシラノール(Si−OH基)となり得る傾向にある。
前記反応工程における反応温度は、好ましくは共役ジエン系重合体の重合温度と同様の温度であり、より好ましくは0℃以上120℃以下であり、さらに好ましくは50℃以上100℃以下である。また、重合工程後からカップリング剤が添加されるまでの温度変化は、好ましくは10℃以下であり、より好ましくは5℃以下である。
前記反応工程における反応時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上である。重合工程の終了時から反応工程の開始時までの時間は、カップリング率の観点から、より短い方が好ましいが、より好ましくは5分以内である。
反応工程における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。重合工程が連続式である場合は、反応工程も連続式であることが好ましい。反応工程における反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。カップリング剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器にカップリング剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
前記一般式(I)において、Aは、好ましくは下記一般式(II)〜(V)のいずれかで表される。Aが一般式(II)〜(V)のいずれかで表されるものであることにより、より優れた性能を有する変性共役ジエン系重合体(A1)を得ることができる。
Figure 2018177894
前記一般式(II)中、Bは、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、aは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のBは、各々独立している。
Figure 2018177894
前記一般式(III)中、Bは、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Bは、炭素数1〜20のアルキル基を示し、aは、1〜10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のB及びBは、各々独立している。
Figure 2018177894
前記一般式(IV)中、Bは、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、aは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のBは、各々独立している。
Figure 2018177894
前記一般式(V)中、Bは、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、aは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のBは、各々独立している。
なお、前記一般式(II)〜(V)中のB、B、B、Bに関して、炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基等が挙げられる。
好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示す。
より好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2〜10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2〜10の整数を示す。
かかるカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリスメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
前記カップリング剤としての一般式(I)で表される化合物の添加量は、共役ジエン系重合体のモル数対カップリング剤のモル数が、所望の化学量論的比率で反応させるよう調整することができ、そのことにより所望の分岐度が達成される傾向にある。具体的な重合開始剤のモル数は、カップリング剤のモル数に対して、好ましくは5.0倍モル以上、より好ましくは6.0倍モル以上であることが好ましい。この場合、一般式(I)において、カップリング剤の官能基数((m−1)×i+p×j+k)は、5〜10の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。
前記特定の高分子成分を有する変性共役ジエン系重合体(A1)を得るためには、共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)を、好ましくは1.5以上2.5以下、より好ましくは1.8以上2.2以下とするとよい。また、得られる変性共役ジエン系重合体(A1)は、GPCによる分子量曲線が一山のピークが検出されるものであることが好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)のGPCによるピーク分子量をMp、共役ジエン系重合体のピーク分子量をMpとした場合、以下の式が成り立つことが好ましい。
(Mp/Mp)<1.8×10−12×(Mp−120×10+2
Mpは、20×10以上80×10以下、Mpは30×10以上150×10以下がより好ましい。Mp及びMpは、後述する実施例に記載の方法により求める。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)の変性率は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。変性率が30質量%以上であることで、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを更に向上させることができる。なお、変性率は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
前記反応工程の後、共重合体溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸(炭素数9〜11個で、10個を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤を添加することが好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体(A1)を、重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。その方法として、例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるカップリング剤と、共役ジエン系重合体とを反応させてなる変性共役ジエン系重合体(A1)は、例えば、下記一般式(VI)で表される。
Figure 2018177894
一般式(VI)中、Dは、共役ジエン系重合体鎖を示し、該共役ジエン系重合体鎖の重量平均分子量は、10×10〜100×10であることが好ましい。該共役ジエン系重合体鎖は、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、共役ジエン系重合体由来の構造単位である。
12、R13及びR14は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R15及びR18は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、R16、R19、及びR20は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R17及びR21は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R22は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。m及びxは、1〜3の整数を示し、x≦mであり、pは、1又は2を示し、yは1〜3の整数を示し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のD、R12〜R22、m、p、x、y、及びzは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。また、iは、0〜6の整数を示し、jは0〜6の整数を示し、kは0〜6の整数を示し、(i+j+k)は3〜10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、5〜30の整数である。Aは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を示す。Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。上記活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH)、スルフヒドリル基(−SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
上記一般式(VI)において、Aは、上記一般式(II)〜(V)のいずれかで表されることが好ましい。Aが一般式(II)〜(V)のいずれかで表されるものであることにより、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性とを更に向上させることができる。
前記ゴム成分(A)中の、前記変性共役ジエン系重合体(A1)の含有率は、10〜70質量%が好ましく、15〜55質量%が更に好ましい。ゴム成分(A)中の変性共役ジエン系重合体(A1)の含有率が10質量%以上の場合、タイヤに適用した際に、タイヤの耐摩耗性を更に向上させることができる。また、ゴム成分(A)中の変性共役ジエン系重合体(A1)の含有率が55質量%以下の場合、ゴム組成物の加工性が向上する。
本発明のゴム組成物のゴム成分(A)は、上述の変性共役ジエン系重合体(A1)の他に、他のゴム成分を含んでもよい。かかる他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、未変性の、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)等の、未変性合成ジエン系ゴム等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、充填剤(B)を含み、該充填剤として、シリカ(B1)を含む。ここで、充填剤(B)中のシリカ(B1)の割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より一層好ましくは75質量%以上であり、充填剤(B)の全量がシリカ(B1)であってもよい。充填剤(B)中のシリカ(B1)の割合が60質量%以上であれば、ゴム組成物の低ロス性が更に向上する。
前記シリカ(B1)としては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。これらシリカは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリカ(B1)としては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、下記式(2):
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ・・・ (2)
の関係を満たすシリカが好ましい。
ここで、式(2)において、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とは、ASTM D3765−92に準拠して測定された値を意味する。ただし、ASTM D3765−92はカーボンブラックのCTABを測定する方法であるため、本発明では、標準品であるIRB#3(83.0m/g)の代わりに、別途セチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによってシリカOT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、上記シリカ表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から算出される比表面積(m/g)をCTABの値とする。これは、カーボンブラックとシリカとでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるためである。
また、式(2)において、インクボトル状細孔指数(IB)とは、直径1.2×10nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有するシリカに対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際における水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(3):
IB=M2−M1 ・・・ (3)
で求められる値を意味する。水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定は、従来より細孔の形態を評価するのに多く採用される電子顕微鏡を用いた測定よりも簡便であり、かつ定量性に優れるので、有用な方法である。
一般に、シリカの粒子は、その外表面に開口部を具えた凹状を呈した細孔を多数有している。図1に、シリカの粒子における内心方向断面でのこれら細孔の形状を模した概略図を示す。粒子における内心方向断面でかかる凹状を呈した細孔は、様々な形状を呈しており、粒子の外表面における開口部の直径Mと粒子内部における細孔径(内径)Rとが略同一の形状、すなわち粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔Aもあれば、粒子内部における細孔径(内径)Rよりも粒子の外表面における開口部の直径Mの方が狭小である形状、すなわち粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bもある。しかしながら、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bであると、粒子の外表面から内部へとゴム分子鎖が侵入しにくいため、シリカをゴム成分に配合した際にゴム分子鎖がシリカを充分に吸着することができない。したがって、かかるインクボトル状を呈する細孔B数を低減し、粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔A数を増大させれば、ゴム分子鎖の侵入を効率的に促進することができ、tanδを増大させることなく、充分な補強性を発揮して、ゴム組成物の耐摩耗性の向上に寄与することが可能となる。
上記観点から、本発明では、ゴム成分(A)に配合するシリカ(B1)に関し、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔B数を低減すべく、上記インクボトル状細孔指数(IB)を規定する。上述のように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を上昇させた際、略円筒状を呈する細孔Aは外表面の開口部が開放的であるために細孔内部に水銀が圧入されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは外表面の開口部が閉鎖的であるために細孔内部に水銀が圧入されにくい。一方、圧力を下降させた際には、同様の理由により、略円筒状を呈する細孔Aは細孔内部から細孔外部へ水銀が排出されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは細孔内部から細孔外部へ水銀がほとんど排出されない。
したがって、図2に示すように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定では、水銀の圧入排出曲線C−Dにヒステリシスが生じる。すなわち、比較的低圧力下では略円筒状を呈する細孔A内に徐々に水銀が圧入されるが、ある圧力に達した時点で、それまで水銀が侵入しにくかったインクボトル状を呈する細孔Bを含む、略円筒状を呈する細孔以外の細孔内にも一気に水銀が圧入され、急激に圧入量が増大して、縦軸を微分水銀圧入量(−dV/d(log d))、横軸をシリカの細孔における開口部の直径M(nm)とした場合に水銀の圧入曲線Cを描くこととなる。一方、圧力を充分に上昇させた後に圧力を下降させていくと、比較的高圧力下では水銀が排出されにくい状態が継続するものの、ある圧力に達した時点で、細孔内に圧入されていた水銀が細孔外に一気に排出され、急激に排出量が増大して、縦軸を微分水銀排出量(−dV/d(log d))、横軸をシリカの細孔における開口部の直径M(nm)とした場合に水銀の排出曲線Dを描くこととなる。一旦細孔内に圧入された水銀は、圧力の下降時には細孔外に排出されにくい傾向にあるため、圧力の下降時では上昇時における圧入量の増大を示す直径(M1)の位置よりも大きい値を示す直径(M2)の位置で排出量の増大が見られ、これらの直径の差(M2−M1)が図2のIBに相当する。特にインクボトル状を呈する細孔Bにおいては、圧入された水銀が排出されにくい傾向が顕著であり、圧力上昇時には細孔B内に水銀が圧入されるものの、圧力下降時には細孔B外に水銀がほとんど排出されない。
こうした測定方法を採用し、細孔の性質に起因して描かれる水銀圧入排出曲線C−Dを活用して、上記式(3)に従い、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)と、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)との差IBを求めれば、かかる値が見かけ上はこれらの直径の差(長さ:nm)を示すものの、実質的にはシリカに存在するインクボトル状を呈する細孔Bの存在割合を示す細孔指数を意味することとなる。すなわち、充分に狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が小さいほど、水銀圧入量と水銀排出量とがほぼ同量に近づき、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が短縮してIB値が小さくなる。一方、インクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が大きいほど、水銀圧入量よりも水銀排出量が減少し、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が拡大してIB値が大きくなる。
こうしたIBは、上記CTABの値によっても変動し得る性質を有しており、CTABが増大するにつれ、IB値が低下する傾向にある。したがって、前記シリカ(B1)は、下記式(2):
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ・・・ (2)
を満たすのが好ましい。IB及びCTABが上記式(2)を満たすシリカであると、狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔B数が有効に低減され、略円筒状を呈する細孔Aが占める存在割合が増大するため、ゴム分子鎖を充分に侵入させて吸着させることができ、充分な補強性を発揮して、ゴム組成物の低ロス性を損なうことなく、耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が好ましくは50〜300m/gであり、より好ましくは90〜220m/gである。CTABが50m/g以上であれば、ゴム組成物の耐摩耗性を更に向上させることができる。また、CTABが300m/g以下であれば、シリカ(B1)をゴム成分(A)中で良好に分散させることができ、ゴム組成物の加工性が向上する。
前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、CTABが140以下の場合、下記式(4):
IB≦−0.56×CTAB+110.4 ・・・ (4)
を満たし、
CTABが140を超える場合、下記式(5):
IB≦−0.20×CTAB+60.0 ・・・ (5)
[式(4)及び(5)中、インクボトル状細孔指数(IB)は、上記式(3)で求められる値である]の関係を満たし、且つ
灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(6):
灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%) ・・・ (6)
を満たすことも好ましい。
CTABとIBとが、上記式(4)又は(5)を満たす場合、狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔B数が有効に低減され、略円筒状を呈する細孔Aが占める存在割合が増大するため、ゴム分子鎖をシリカに充分に侵入させて吸着させることができ、充分な補強性を発揮して、ゴム組成物の低ロス性を向上させつつ、耐摩耗性の更なる向上を図ることが可能となる。
また、前記「灼熱減量−加熱減量」は、シリカ(B1)表面にあるシラノール基密度の指数であり、式(6)を満たすことで、シリカ(B1)とゴム分子鎖との相互作用により、低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
なお、前記シリカ(B1)は、上記式(2)の関係を満たし、且つ上記式(6)の関係を満たすことも好ましい。
本発明のゴム組成物において、前記シリカ(B1)の配合量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して40〜120質量部の範囲が好ましく、50〜100質量部の範囲が更に好ましい。シリカの配合量がゴム成分(A)100質量部に対して50質量部以上であれば、ゴム組成物の低ロス性を更に向上させることが、また、120質量部以下であれば、ゴム組成物の加工性が向上する。
本発明のゴム組成物においては、前記充填剤(B)として、更に、カーボンブラックを含むことが好ましく、また、該カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して1〜15質量部の範囲が好ましく、3〜10質量部の範囲が更に好ましい。カーボンブラックを1質量部以上配合することで、ゴム組成物の耐摩耗性が更に向上し、また、カーボンブラックの配合量が15質量部以下であれば、ゴム組成物の低ロス性を十分に確保することができる。
前記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させる観点から、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが好ましい。これらカーボンブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物において、前記充填剤(B)の配合量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。ゴム組成物中の充填剤(B)の配合量が前記範囲内であれば、ゴム組成物の低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、前記シリカ(B1)の配合効果を向上させるために、シランカップリング剤(C)を含む。該シランカップリング剤(C)としては、下記式(VII):
3−mSi−(CH−S−(CH−SiA3−m ・・・ (VII)
[式(VII)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数である。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物、下記式(VIII):
3−mSi−(CH−Y ・・・ (VIII)
[式(VIII)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物、下記式(IX):
3−mSi−(CH−S−Z ・・・ (IX)
[式(IX)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物、及び下記式(X):
31 32 33 Si−R34−S−CO−R35 ・・・ (X)
[式(X)中、R31は、R36O−、R36C(=O)O−、R3637C=NO−、R3637NO−、R3637N−及び−(OSiR3637(OSiR353637)から選択され、かつ炭素数が1〜18であり(但し、R36及びR37は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり、nは0〜10である);
32は、水素、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され;
33は、−[O(R38O)0.5−(但し、R38は、アルキレン基及びシクロアルキレン基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり、mは1〜4である)であり;
x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たし;
34は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり;
35は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択され、かつ炭素数が1〜18である。]で表される化合物が好ましい。これらシランカップリング剤(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記式(VII)で表される化合物としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(VIII)で表される化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−ジ(トリデカン−1−オキシ−13−ペンタ(エチレンオキシド))エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、エボニック・デグッサ社製の商品名「VP Si363」が挙げられる。
さらに、上記式(IX)で表される化合物としては、3-トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(X)で表される化合物については、式(X)中、R32、R35、R36及びR37において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。また、アルケニル基も、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタニル基等が挙げられる。さらに、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が、シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基等が、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられる。またさらに、R5において、アラルキル基としては、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(X)中、R34及びR38において、アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基等が挙げられる。またさらに、R34において、アルケニレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。また、シクロアルキルアルキレン基としては、シクロヘキシルメチレン基等が、アリーレン基としては、フェニレン基等が、アラルキレン基としては、キシリレン基等が挙げられる。
上記式(X)中、R33において、−[O(R38O)0.5−基としては、1,2−エタンジオキシ基、1,3−プロパンジオキシ基、1,4−ブタンジオキシ基、1,5−ペンタンジオキシ基、1,6−ヘキサンジオキシ基等が挙げられる。
上記式(X)で表される化合物は、特表2001−505225号に記載の方法と同様に合成することができ、また、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名「NXT」(式(X)のR31=CO、R34=C、R35=C15、x=3、y=0、z=0:3−オクタノイルチオ−プロピルトリエトキシシラン)等の市販品を利用することもできる。
上記式(VII)、(VIII)、(IX)又は(X)で表される化合物の中でも、上記式(VIII)で表される化合物、上記式(X)で表される化合物が好ましい。
前記シランカップリング剤(C)の配合量は、シリカ(B1)の分散性を向上させる観点から、前記シリカ(B1)100質量部に対して1質量部以上が好ましく、4質量部以上が更に好ましく、また、20質量部以下が好ましく、12質量部以下が更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含む、グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)を含むことが好ましい。グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)を含むことで、ゴム組成物の加工性が向上し、また、低ロス性と耐摩耗性を更に向上させることができる。
前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルである。なお、グリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの3つのOH基の少なくとも1つと、脂肪酸のCOOH基とがエステル結合してなる化合物である。
ここで、前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン1分子と脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル(ジエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸トリエステル(トリエステル成分)でもよいし、これらの混合物でもよいが、グリセリン脂肪酸モノエステルが好ましい。なお、グリセリン脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルの混合物である場合、各エステルの含有率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。また、グリセリン脂肪酸ジエステルを構成する2つの脂肪酸、並びに、グリセリン脂肪酸トリエステルを構成する3つの脂肪酸は、同一でも、異なってもよい。
前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであり、2種以上の脂肪酸がグリセリン1分子とエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステルやグリセリン脂肪酸トリエステルでもよいが、グリセリン1分子と上記2種以上の脂肪酸のうち1種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルと、グリセリン1分子と他の種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルとの混合物であることが好ましい。
前記グリセリン脂肪酸エステルの原料となる2種以上の脂肪酸(即ち、グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸)としては、ゴム組成物の加工性、低ロス性、耐摩耗性の観点から、炭素数が8〜24である脂肪酸が好ましく、炭素数12〜18である脂肪酸がより好ましく、炭素数が14〜18である脂肪酸がさらに好ましく、炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸がよりさらに好ましい。また、前記グリセリン脂肪酸エステルの原料となる2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸で他方が炭素数18の脂肪酸であることがより好ましい。
また、前記グリセリン脂肪酸エステルがグリセリンと炭素数が16の脂肪酸及び炭素数が18の脂肪酸とのエステルである場合、炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸との質量比(炭素数16の脂肪酸/炭素数18の脂肪酸)は、90/10〜10/90の範囲が好ましく、80/20〜20/80の範囲がより好ましく、75/25〜25/75の範囲がより一層好ましい。炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸との質量比がこの範囲であれば、ゴム組成物の加工性、低ロス性、耐摩耗性を更に向上させることができる。
前記グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、直鎖状でも、分岐状でもよいが、直鎖状であることが好ましく、また、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でもよいが、飽和脂肪酸であることが好ましい。
前記グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸として、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラギン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましく、パルミチン酸及びステアリン酸がより好ましい。
また、前記グリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、ラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリドが好ましく、パルミチン酸モノグリセリド及びステアリン酸モノグリセリドがより好ましい。
本発明のゴム組成物において、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)の配合量は、ゴム組成物の加工性の観点から、前記シリカ(B1)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より一層好ましくは1.5質量部以上であり、また、ゴム組成物の耐摩耗性の観点から、前記シリカ(B1)100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、より一層好ましくは5質量部以下である。
また、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)の配合量は、ゴム組成物の加工性の観点から、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より一層好ましくは1.5質量部以上であり、また、ゴム組成物の耐摩耗性の観点から、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、より一層好ましくは3質量部以下である。
本発明のゴム組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、複数段階の混練を経て製造されることが好ましい。また、該混練の第一段階で、加硫促進剤、好ましくは、後述する加硫促進剤(E)、加硫促進剤(G)の少なくともいずれかが配合されることが好ましい。
本発明の一好適実施態様のゴム組成物は、更に、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(E)を含む。また、該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(E)が配合されていることが好ましい。また、該ゴム組成物は、混練の第一段階で、前記ゴム成分(A)、前記充填剤(B)の全部又は一部、及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該加硫促進剤(E)を混練して製造されることが更に好ましい。ゴム組成物を複数段階の混練を経て製造し、該混練の第一段階で、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(E)を配合することで、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めることができる。
前記シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることがさらに好ましい。
前記混練の第一段階において、前記ゴム成分(A)、前記充填剤(B)の全部又は一部及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に前記加硫促進剤(E)を加えて、さらに混練する場合では、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該充填剤(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えるまでの時間を10〜180秒とすることが好ましい。この時間は10〜150秒がより好ましく、30〜150秒が更に好ましく、30〜120秒が特に好ましい。
この時間が10秒以上であれば、充填剤(B)とシランカップリング剤(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が180秒を超えても、充填剤(B)とシランカップリング剤(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を180秒とすることが好ましい。
前記混練工程は、加硫促進剤(E)を除くその他の加硫系薬品を含まない混練の第一段階と、加硫系薬品を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫促進剤(E)を除くその他の加硫系薬品を含まない混練の中間段階を含んでもよい。ここで、加硫系薬品とは、加硫に関わる薬品を示し、具体的には加硫剤及び加硫促進剤を示す。
なお、前記混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と充填剤(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と充填剤(B)以外の充填剤とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
前記第一段階、中間段階などの最終段階より前の混練段階とは、ゴム成分(A)、充填剤(B)、カップリング剤(C)などの、加硫系薬品(加硫剤や加硫促進剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、充填剤のゴム組成物への分散を行い、ゴム成分を補強するための工程である。前記第一段階にて加硫促進剤(E)を配合することにより充填剤のゴム組成物への分散をより良好にすることができる。なお、中間段階でゴム成分や充填剤等を配合し、混練してもよい。
前記混練の第一段階より後、かつ最終段階より前の中間段階を含む場合には、中間混練段階におけるゴム組成物の最高温度は120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から10分であることがより好ましく、30秒から5分であることがさらに好ましい。なお、中間段階を含む際には、第一段階の混練段階後、ゴム組成物の温度を第一段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
また、混練の最終段階とは、加硫系薬品(加硫剤、加硫促進剤)を配合し、混練する工程をいう。この最終段階におけるゴム組成物の最高温度は60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、100〜120℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から10分であることがより好ましく、20秒から5分であることがさらに好ましい。
混練の第一段階、中間段階から最終段階に進む際には、ゴム組成物の温度を中間段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
前記グアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドが好ましく、1,3−ジフェニルグアニジンが特に好ましい。
前記スルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS、CZ)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
前記チアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS、DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、2−メルカプトベンゾチアゾール及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
前記混練の第一段階において、加硫促進剤(E)の分子数(モル数)は、シランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、該加硫促進剤(D)の分子数(モル数)は、シランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.3〜1.0倍であり、特に好ましくは、0.4〜1.0倍である。
さらに、前記第一段階における加硫促進剤(E)の投入方法として、ゴム成分(A)、充填剤(B)の全部又は一部及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に加硫促進剤(E)を加えて、さらに混練することが好ましい。この投入方法により、シランカップリング剤(C)とシリカ(B1)との反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
なお、加硫促進剤(E)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。混練の最終段階で加硫促進剤を配合する際には、加硫促進剤(E)に限定されず、公知の加硫促進剤を配合することもできる。
本発明の一好適実施態様のゴム組成物は、前記加硫促進剤(E)に加えて、更に、有機酸化合物(F)を含む。また、該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(E)及び前記有機酸化合物(F)が配合されており、
前記混練の第一段階における、前記有機酸化合物(F)の分子数Xと、前記加硫促進剤(E)の分子数Yとが、下記式(1):
0≦X≦1.5×Y ・・・ (1)
の関係にあることが好ましい。
上述の通り、混練の第一段階で加硫促進剤(E)を加えて混練するのは、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めるためであるが、混練の第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(F)の分子数(モル数)Xを加硫促進剤(E)の分子数(モル数)Yの1.5倍以下とするのは、加硫促進剤(E)の配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制するためである。
なお、上記式(1)において、X=0は有機酸化合物(F)を配合しないことを意味する。
前記有機酸化合物(F)としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のエステルなどが挙げられる。
なお、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから、混練の第一段階におけるゴム組成物に含まれる有機酸化合物(F)中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種を含む場合は、混練の第一段階におけるゴム組成物に含まれる有機酸化合物(F)中の50モル%以上が、該乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体及び該天然ゴムから選ばれる少なくとも1種に含まれる、ロジン酸及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び脂肪酸は、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤に由来するものである。また、天然ゴムは、通常、脂肪酸を少量含んでいる。
本発明の一好適実施態様のゴム組成物は、更に、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(G)を含む。また、該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(G)が配合されていることが好ましい。また、該ゴム組成物は、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該充填剤(B)の全部又は一部、及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該加硫促進剤(G)を混練して製造されることが更に好ましい。ゴム組成物を複数段階の混練を経て製造し、該混練の第一段階で、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(G)を配合することで、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めることができる。
前記シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃であることがさらに好ましい。
前記混練工程は、加硫促進剤(G)を除くその他の加硫系薬品を含まない混練の第一段階と、加硫系薬品を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫促進剤(G)を除くその他の加硫系薬品を含まない混練の中間段階を含んでもよい。ここで、加硫系薬品とは、加硫に関わる薬品を示し、具体的には加硫剤及び加硫促進剤を示す。
なお、前記混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と充填剤(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と充填剤(B)以外の充填剤とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
前記第一段階、中間段階などの最終段階より前の混練段階とは、ゴム成分(A)、充填剤(B)、カップリング剤(C)などの、加硫系薬品(加硫剤や加硫促進剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、充填剤のゴム組成物への分散を行い、ゴム成分を補強する為の工程である。前記第一段階にて加硫促進剤(G)を配合することにより充填剤(B)のゴム組成物への分散をより良好にすることができる。なお、中間段階でゴム成分や充填剤等を配合し、混練してもよい。
混練の第一段階より後、かつ最終段階より前の中間段階を含む場合には、中間混練段階におけるゴム組成物の最高温度は120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から10分であることがより好ましく、30秒から5分であることがさらに好ましい。なお、中間段階を含む際には、第一段階の混練段階後、ゴム組成物の温度を第一段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
また、混練の最終段階とは、加硫系薬品(加硫剤、加硫促進剤)を配合し、混練する工程をいう。この最終段階におけるゴム組成物の最高温度は60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、100〜120℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から10分であることがより好ましく、20秒から5分であることがさらに好ましい。
混練の第一段階、中間段階から最終段階に進む際には、ゴム組成物の温度を第一段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
前記チウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドが好ましい。
前記ジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅が好ましい。
前記チオウレア類としては、チオ尿素(チオウレア)、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素が好ましく、N,N’−ジエチルチオ尿素が特に好ましい。
前記キサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛が好ましい。
前記混練の第一段階におけるゴム組成物中の加硫促進剤(G)の分子数(モル数)は、シランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、加硫促進剤(G)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.2〜0.6倍である。
なお、加硫促進剤(G)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。混練の最終段階で加硫促進剤を配合する際には、該加硫促進剤(G)に限定されず、公知の加硫促進剤を配合することもできる。
本発明のゴム組成物には、前記ゴム成分(A)、充填剤(B)、シランカップリング剤(C)、グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)、加硫促進剤(E)、有機酸化合物(F)、加硫促進剤(G)の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、亜鉛華、老化防止剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。また、これら配合剤は、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りすることができる。
前記混練においては、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等の混練装置を用いることができる。
上述のようにして混練りされたゴム組成物は、更に、熱入れ、押出し、加硫等して、加硫ゴムとすることができる。
前記熱入れの条件としては、特に制限はなく、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに用いるロール機等が挙げられる。
また、前記押出しの条件としては、特に制限はなく、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。前記押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出しに用いる押出機等が挙げられる。前記押出温度は、適宜決定することができる。
また、前記加硫を行う装置、方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記加硫を行う装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫機等が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、後述するタイヤを始め、防振ゴム、ベルト、ホース等の種々のゴム製品に利用できる。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上述したゴム組成物を用いたことを特徴とする。本発明のタイヤは、前記ゴム組成物が用いられているため、低ロス性と耐摩耗性に優れる。ここで、前記ゴム組成物を用いるタイヤの部位としては、トレッド等が挙げられる。
本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫して得てもよく、又は予備加硫工程等を経た半架橋ゴム組成物(半加硫ゴム)を用いて成形後、さらに本加硫して得てもよい。なお、本発明のタイヤは、好ましくは空気入りタイヤであり、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
合成した変性共役ジエン系重合体の、結合スチレン量、ブタジエン部分のミクロ構造、分子量、収縮因子(g’)、ムーニー粘度、ガラス転移温度(Tg)、変性率、窒素原子の有無、ケイ素原子の有無は以下の方法で分析した。
(1)結合スチレン量
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとした。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の分光光度計「UV−2450」)。
(2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm−1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2−ビニル結合量(mol%)を求めた(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。
(3)分子量
共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」)を使用して、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いてクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)と、変性共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp)と共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp)とその比率(Mp/Mp)と、分子量200×10以上500×10以下の割合と、を求めた。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHF(テトラヒドロフラン)を使用した。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−H」を接続して使用した。測定用の試料10mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液10μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で測定した。
上記のピークトップ分子量(Mp及びMp)は、次のようにして求めた。測定して得られるGPC曲線において、最も高分子量の成分として検出されるピークを選択した。その選択したピークについて、そのピークの極大値に相当する分子量を算出し、ピークトップ分子量とした。
また、上記の分子量200×10以上500×10以下の割合は、積分分子量分布曲線から分子量500×10以下が全体に占める割合から分子量200×10未満が占める割合を差し引くことで算出した。
(4)収縮因子(g’)
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(Malvern社製の商品名「GPCmax VE−2001」)を使用して、光散乱検出器、RI検出器、粘度検出器(Malvern社製の商品名「TDA305」)の順番に接続されている3つの検出器を用いて測定し、標準ポリスチレンに基づいて、光散乱検出器とRI検出器結果から絶対分子量を、RI検出器と粘度検出器の結果から固有粘度を求めた。直鎖ポリマーは、固有粘度[η]=−3.883M0.771に従うものとして用い、各分子量に対応する固有粘度の比としての収縮因子(g’)を算出した。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用した。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G5000HXL」、及び「TSKgel G6000HXL」を接続して使用した。測定用の試料20mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液100μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量1mL/分の条件で測定した。
(5)ムーニー粘度
共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。測定温度は、共役ジエン系重合体を試料とする場合には110℃とし、変性共役ジエン系重合体を試料とする場合には100℃とした。まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
(6)ガラス転移温度(Tg)
変性共役ジエン系重合体を試料として、ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC3200S」を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、−100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
(7)変性率
変性共役ジエン系重合体を試料として、シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した塩基性重合体成分が吸着する特性を応用することにより、測定した。試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求めた。具体的には、以下に示すとおりである。
試料溶液の調製:試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とした。
ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」を使用して、5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを溶離液として用い、試料溶液10μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−H」を接続して使用した。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、商品名「Zorbax PSM−1000S」、「PSM−300S」、「PSM−60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用した。
変性率の計算方法:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
(8)窒素原子の有無
前記(7)と同様の測定を行い、算出された変性率が10%以上であった場合、窒素原子を有していると判断した。
(9)ケイ素原子の有無
変性共役ジエン系重合体0.5gを試料として、JIS K 0101 44.3.1に準拠して、紫外可視分光光度計(島津製作所社製の商品名「UV−1800」)を用いて測定し、モリブデン青吸光光度法により定量した。これにより、ケイ素原子が検出された場合(検出下限10質量ppm)、ケイ素原子を有していると判断した。
<変性共役ジエン系重合体(1)の合成>
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とした。予め水分除去した、1,3−ブタジエンを17.9g/分、スチレンを9.8g/分、n−ヘキサンを145.3g/分の条件で混合した。この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給した。更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.0194g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、反応器頂部出口より、カップリング剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中、「A」と略す。)を0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応した。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は7℃であった。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了した。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が37.5gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(1)を得た。上記の方法で、得られた変性共役ジエン系重合体(1)が窒素原子を有すること、ケイ素原子を有することを確認した。得られた変性共役ジエン系重合体(1)の物性を表1に示す。
なお、変性共役ジエン系重合体(1)は、カップリング剤の官能基数と添加量から想定される分岐数に相当する「分岐度」は8であり(収縮因子の値からも確認できる)、カップリング剤1分子が有するSiORの総数から反応により減じたSiOR数を引いた値に相当する「SiOR残基数」は4である。
<変性共役ジエン系重合体(2)の合成>
処理n−ブチルリチウムの添加量を0.114mmol/分、重合n−ブチルリチウムの添加量を0.248mmol/分とし、カップリング剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミンからビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン(表中、「B」と略す。)に替え、カップリング剤の添加量を0.0620mmol/分とした以外は、変性共役ジエン系重合体(1)の合成と同様にして、変性共役ジエン系重合体(2)を得た。上記の方法で、得られた変性共役ジエン系重合体(2)が窒素原子を有すること、ケイ素原子を有することを確認した。得られた変性共役ジエン系重合体(2)の物性を表1に示す。
なお、変性共役ジエン系重合体(2)は、カップリング剤の官能基数と添加量から想定される分岐数に相当する「分岐度」は4であり(収縮因子の値からも確認できる)、カップリング剤1分子が有するSiORの総数から反応により減じたSiOR数を引いた値に相当する「SiOR残基数」は2である。
Figure 2018177894
<シリカ(2)の合成>
撹拌機を備えた180リットルのジャケット付きステンレス反応槽に、水65リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO160g/リットル、SiO/NaOモル比3.3)1.25リットルを入れ、96℃に加熱した。生成した溶液中のNaO濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量750ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量33ミリリットル/分で、同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNaO濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、30分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は85g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥し、シリカ(2)を得た。
<シリカ(3)の合成>
撹拌機を備えた180リットルのジャケット付きステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO160g/リットル、SiO/NaOモル比3.3)1.70リットルを入れ、75℃に加熱した。生成した溶液中のNaO濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を75℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で、同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNaO濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、46分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥し、シリカ(3)を得た。
得られたシリカ(2)及びシリカ(3)の物性は、下記の方法で評価した。また、後述するシリカ(1)の物性も同様に評価した。
(10)インクボトル状細孔指数(IB)の測定
水銀ポロシメータPOREMASTER−33(Quantachrome社製)を用いて、上述したように、水銀圧入法に基づき、まず圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させて、シリカの外表面において開口部の直径1.2×10nm〜6nmである細孔について水銀圧入量を測定し、図2に示したように圧入量のピークに位置する直径(M1)を求めた。次に、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させて、水銀を細孔内から排出した。このときの排出曲線から得られた排出量のピークに位置する直径(M2)を求めた。これらM1及びM2の値から上記式(3)によりIBを算出した。
(11)CTABの測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。この際、上述したように、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによってシリカOT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から比表面積(m/g)を算出した。
(12)灼熱減量及び加熱減量の測定
シリカサンプルを秤量し、灼熱減量の場合は750℃でサンプルを3時間加熱した後に減少分の質量を測定し、加熱減量の場合は105℃でサンプルを2時間加熱した後に減少分の質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を加熱前の質量に対して百分率(%)で表した。
<ゴム組成物の製造及び評価>
表2〜表15に示す配合処方で、通常のバンバリーミキサーを用いて、混練第一段階、混練第二段階の順に混練を行って、ゴム組成物を製造した。なお、混練第一段階におけるゴム組成物の最高温度は170℃とし、混練第二段階におけるゴム組成物の最高温度は110℃とした。得られたゴム組成物に対して、下記の方法で、未加硫粘度、低ロス性、耐摩耗性を評価した。
(13)未加硫粘度
得られたゴム組成物の未加硫粘度を、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に従って測定し、表2においては比較例A−1の未加硫粘度を100として、表3においては比較例B−1の未加硫粘度を100として、表4においては比較例C−1の未加硫粘度を100として、表5においては比較例D−1の未加硫粘度を100として、表6においては比較例E−1の未加硫粘度を100として、表7においては比較例F−1の未加硫粘度を100として、表8においては比較例G−1の未加硫粘度を100として、表9においては比較例H−1の未加硫粘度を100として、表10においては比較例I−1の未加硫粘度を100として、表11においては比較例J−1の未加硫粘度を100として、表12においては比較例K−1の未加硫粘度を100として、表13においては比較例L−1の未加硫粘度を100として、表14においては比較例M−1の未加硫粘度を100として、表15においては比較例N−1の未加硫粘度を100として、それぞれ指数表示した。指数値が小さい程、未加硫粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
(14)低ロス性
得られたゴム組成物を160℃で20分加硫後、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、動歪5%、周波数15Hzでtanδ(損失正接)を測定し、表2においては比較例A−1のtanδを100として、表3においては比較例B−1のtanδを100として、表4においては比較例C−1のtanδを100として、表5においては比較例D−1のtanδを100として、表6においては比較例E−1のtanδを100として、表7においては比較例F−1のtanδを100として、表8においては比較例G−1のtanδを100として、表9においては比較例H−1のtanδを100として、表10においては比較例I−1のtanδを100として、表11においては比較例J−1のtanδを100として、表12においては比較例K−1のtanδを100として、表13においては比較例L−1のtanδを100として、表14においては比較例M−1のtanδを100として、表15においては比較例N−1のtanδを100として、それぞれ指数表示した。指数値が小さい程、tanδが小さく、低ロス性に優れることを示す。
(15)耐摩耗性
得られたゴム組成物を160℃で20分加硫後、JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して23℃で摩耗量を測定し、表2においては比較例A−1の摩耗量の逆数を100として、表3においては比較例B−1の摩耗量の逆数を100として、表4においては比較例C−1の摩耗量の逆数を100として、表5においては比較例D−1の摩耗量の逆数を100として、表6においては比較例E−1の摩耗量の逆数を100として、表7においては比較例F−1の摩耗量の逆数を100として、表8においては比較例G−1の摩耗量の逆数を100として、表9においては比較例H−1の摩耗量の逆数を100として、表10においては比較例I−1の摩耗量の逆数を100として、表11においては比較例J−1の摩耗量の逆数を100として、表12においては比較例K−1の摩耗量の逆数を100として、表13においては比較例L−1の摩耗量の逆数を100として、表14においては比較例M−1の摩耗量の逆数を100として、表15においては比較例N−1の摩耗量の逆数を100として、それぞれ指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であることを示す。
Figure 2018177894
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*1 変性共役ジエン系重合体(1): 上記の方法で合成した変性スチレンスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ゴム成分100質量部に対してオイル分37.5質量部を含む、重量平均分子量(Mw)=85.2×10、分子量200×10以上500×10以下の割合=4.6%、収縮因子(g’)=0.57
*2 変性共役ジエン系重合体(2): 上記の方法で合成した変性スチレンスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ゴム成分100質量部に対してオイル分37.5質量部を含む、重量平均分子量(Mw)=59.4×10、分子量200×10以上500×10以下の割合=0.3%、収縮因子(g’)=0.70
*3 ポリイソプレンゴム: JSR株式会社製、商品名「IR2200」
*4 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム: 乳化重合SBR、JSR株式会社製、商品名「#1500」
*5 オイル: 三共油化工業株式会社製、商品名「A/O Mix」
*6 カーボンブラック: ISAF−HS、三菱化学株式会社製、商品名「ダイヤブラックN234」
*7 シリカ(1): 東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、CTAB=165m/g、式(2)の右辺=−0.36×CTAB+86.8=27.40、式(5)の右辺=−0.20×CTAB+60.0=27.0、IB=34.10、灼熱減量−加熱減量=2.6質量%
*8 シリカ(2): 上記の方法で合成したシリカ、CTAB=79m/g、式(2)の右辺=−0.36×CTAB+86.8=58.00、式(4)の右辺=−0.56×CTAB+110.4=65.60、IB=55.00、灼熱減量−加熱減量=3.0質量%
*9 シリカ(3): 上記の方法で合成したシリカ、CTAB=180m/g、式(2)の右辺=−0.36×CTAB+86.8=22.00、式(5)の右辺=−0.20×CTAB+60.0=24.0、IB=20.00、灼熱減量−加熱減量=3.2質量%
*10 シランカップリング剤(1): デグッサ社製、商品名「Si69」
*11 シランカップリング剤(2): エボニック・デグッサ社製、商品名「VP Si363」、式(VIII)で表される化合物
*12 シランカップリング剤(3): モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名「NXT」、式(X)で表される化合物
*13 グリセリン脂肪酸エステル組成物: 国際公開第2014/098155号(特許文献1)の製造例1に記載の方法に従い、脂肪酸をオクタン酸から同モル量のパーム由来硬化脂肪酸に変えて合成し、さらに分子蒸留することで調製したもの、グリセリン脂肪酸モノエステル含有率=97質量%、構成脂肪酸の54質量%がステアリン酸で且つ42質量%がパルミチン酸、4質量%がその他脂肪酸
*14 老化防止剤: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*15 加硫促進剤DPG: 1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
*16 加硫促進剤TU: チオウレア
*17 加硫促進剤DM: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM」
*18 加硫促進剤NS: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーNS−F」
表2〜15から、本発明のゴム組成物は、低ロス性と耐摩耗性に優れることが分かる。
本発明のゴム組成物は、タイヤに利用できる。また、本発明のタイヤは、各種車輌向けのタイヤとして利用できる。
A:略円筒状を呈する細孔、 B:インクボトル状を呈する細孔、 M,M:粒子の外表面における開口部の直径、 R,R:粒子内部における細孔径(内径)、 C:水銀の圧入曲線、 D:水銀の排出曲線

Claims (11)

  1. 変性共役ジエン系重合体(A1)を含むゴム成分(A)と、シリカ(B1)を含む充填剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、
    前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、重量平均分子量が20×10以上300×10以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A1)の総量に対して、分子量が200×10以上500×10以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であることを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、分岐を有し、分岐度が5以上である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖と、を有し、
    前記分岐は、1の前記カップリング残基に対して5以上の前記共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含む、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記変性共役ジエン系重合体(A1)は、共役ジエン系重合体を、下記一般式(I):
    Figure 2018177894
    [式中、R、R及びRは、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基を示し、R及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R10は、炭素数1〜20の、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、mは、1〜3の整数を示し、pは、1又は2を示し、R〜R11、m及びpは、複数存在する場合、それぞれ独立しており、i、j及びkは、それぞれ独立して0〜6の整数を示し、但し、(i+j+k)は、3〜10の整数であり、Aは、炭素数1〜20の、炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子からなる群から選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を示す]で表されるカップリング剤と反応させてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 更に、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含む、グリセリン脂肪酸エステル組成物(D)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 更に、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(E)を含むゴム組成物であって、
    該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(E)が配合されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 更に、有機酸化合物(F)を含むゴム組成物であって、
    前記混練の第一段階で、前記有機酸化合物(F)が配合されており、
    前記混練の第一段階における、前記有機酸化合物(F)の分子数Xと、前記加硫促進剤(E)の分子数Yとが、下記式(1):
    0≦X≦1.5×Y ・・・ (1)
    の関係にある、請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 更に、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類からなる群から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(G)を含むゴム組成物であって、
    該ゴム組成物は、複数段階の混練を経て製造され、該混練の第一段階で、前記加硫促進剤(G)が配合されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9. 前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、下記式(2):
    IB≦−0.36×CTAB+86.8 ・・・ (2)
    [式(2)中、インクボトル状細孔指数(IB)は、下記式(3):
    IB=M2−M1 ・・・ (3)
    で求められる値であり、
    式(3)中、M1は、直径1.2×10nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有するシリカに対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(nm)であり、M2は、該測定において、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(nm)である]の関係を満たす、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  10. 前記シリカ(B1)は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とインクボトル状細孔指数(IB)とが、下記式(4)又は(5):
    IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140) ・・・ (4)
    IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB) ・・・ (5)
    [式(4)及び(5)中、インクボトル状細孔指数(IB)は、下記式(3):
    IB=M2−M1 ・・・ (3)
    で求められる値であり、
    式(3)中、M1は、直径1.2×10nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有するシリカに対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1PSIから32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(nm)であり、M2は、該測定において、圧力を32000PSIから1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(nm)である]の関係を満たし、且つ
    灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(6):
    灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%) ・・・ (6)
    を満たす、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。
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