JP2018164983A - 表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上し得る表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルを提供する。【解決手段】表面化粧パネル20は、化粧層21と、化粧層21の裏面側に設けられ、繊維シート24を含む平板状繊維強化樹脂層25と、平板状繊維強化樹脂層25の裏面に接合され、かつ繊維シート30を含み、厚さ方向一方側に向けて開口する多数の凹部33が設けられた凹凸繊維強化樹脂層32とを備えており、凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂主成分がポリ塩化ビニル樹脂である。化粧パネル1は、パネル芯材10と、パネル芯材10に貼着される表面化粧パネル20を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルに関する。
従来より、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネルとしては、MDF(中密度繊維板)等の木質系基材に樹脂フィルムや突板等の化粧シートを積層した構成とされたものが知られている。このようなものでは、吸放湿等による反り等の変形が生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された中空凸部成形シートの両面に表面材を貼着した中空構造板が開示されている。
特開2016−32938号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された中空構造板では、中空凸部成形シートの凸部の上面部に貼着された表面材の表面側において凸部による凹凸が目立ち易くなることが考えられ、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上し得る表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る表面化粧パネルは、化粧層と、この化粧層の裏面側に設けられ、繊維シートを含む平板状繊維強化樹脂層と、この平板状繊維強化樹脂層の裏面に接合され、かつ繊維シートを含み、厚さ方向一方側に向けて開口する多数の凹部が設けられた凹凸繊維強化樹脂層と、を備えており、前記凹凸繊維強化樹脂層を構成する樹脂主成分がポリ塩化ビニル樹脂であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る化粧パネルは、パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される本発明に係る表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルは、上述のような構成としたことで、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上させることができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る表面化粧パネルの一例及びこれを備えた化粧パネルの一例を模式的に示し、(a)は、図2(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略分解横断面図である。 (a)は、同化粧パネルの概略正面図、(b)は、同化粧パネルが備えるパネル芯材の一例を模式的に示す概略正面図である。 (a)〜(d)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。 (a)〜(d)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(b)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(c)は、本発明の更に他の実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(d)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。 (a)は、本発明の更に他の実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(b)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(c)は、本発明の更に他の実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(d)は、同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本実施形態に係る表面化粧パネルの一例、これを備えた化粧パネルの一例及び表面化粧パネル製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20は、図1及び図4(d)に示すように、化粧層21と、この化粧層21の裏面側に設けられ、繊維シート24を含む平板状繊維強化樹脂層25と、を備えている。また、表面化粧パネル20は、この平板状繊維強化樹脂層25の裏面に接合され、かつ繊維シート30を含み、厚さ方向一方側に向けて開口する多数の凹部33が設けられた凹凸繊維強化樹脂層32を備えている。また、本実施形態では、化粧層21の裏面側に樹脂層22を介在させて平板状繊維強化樹脂層25を設けた構成としている。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、この表面化粧パネル20を、パネル芯材10に貼着した構成とされている。また、本実施形態では、化粧パネル1は、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成とされている。
この化粧パネル1は、図2(a)に示すように、一方向に長尺な略矩形平板状とされている。この化粧パネル1は、本実施形態のように、厚さ方向両側を化粧面とした場合には、出入口や収納開口を開閉する建具パネルやパーティション等の間仕切パネル、家具構成部材等として用いられるものとしてもよい。また、このように厚さ方向両側を化粧面とした態様に代えて、パネル芯材10のパネル厚さ方向一方側のみに表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合にも上記同様の用途に用いることが可能である。また、化粧パネル1は、パネルの一部、例えば、框状パネルの框部や鏡板部を構成するように用いられるものでもよい。また、化粧パネル1は、反化粧面側が取付下地側に向けて配される天井パネルや壁パネル(間仕切壁パネル)、腰壁パネル、床パネル、巾木パネル、廻縁パネル、開口枠パネル等として用いられるものでもよい。
また、この化粧パネル1の長さ寸法(上下寸法、高さ寸法)や、幅寸法、厚さ寸法等は、当該化粧パネル1の用途等に応じて、適宜の寸法としてもよい。
例えば、化粧パネル1を、建具パネルとして用いられるものとした場合には、当該化粧パネル1の上下寸法(戸高寸法)を1800mm〜3000mm程度とし、戸幅寸法を600mm〜1200mm程度とし、戸厚寸法を20mm〜40mm程度としてもよい。また、この場合には、化粧パネル1の適所に、開閉する際のハンドルや引手等を設けたり、錠装置や、蝶番等の回転連結部材、ランナーや戸車等の走行部材、ガイド溝等を設けたりしてもよい。
パネル芯材10は、図2(b)に示すように、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成とされている。つまり、化粧パネル1は、中実板状ではなく、中空状のパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けたいわゆるフラッシュパネル状とされている。
枠体11は、四周枠12,13,13,14を構成する上横枠12、左右一対の縦枠13,13及び下横枠14を備えている。また、枠体11は、左右の縦枠13,13に架け渡されるように上下に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15を備えている。また、図例では、下横枠14の上側に、桟材を積層した構成とされたものとした例を示している。また、下横枠14の左右(長手方向)両端部の上側に、戸車等の走行部材の取付孔の加工下地となる下地部材を積層した例を示している。なお、当該化粧パネル1の用途等に応じて、上横枠12の左右両端部の下側や一方の縦枠13の内方側に、上述のようなランナー等の走行部材やハンドル、錠装置等の取付孔の加工下地や取付下地を設けた構成としてもよい。また、上横枠12の下側にも同様な桟材を設けた構成としてもよい。また、枠体11に、横桟15を設けた態様に代えて、または加えて、上下方向に長尺な縦桟を設けた構成としてもよい。
また、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、略四角柱状とされ、パネル厚さ方向両面が略同一平面状となるように、パネル厚さ方向に沿う寸法が互いに略同寸法とされている。また、図例では、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15の長手方向及びパネル厚さ方向に沿う方向に直交する方向の幅寸法を、互いに略同寸法とした例を示している。
枠体11を構成するこれら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方から形成されている。つまり、四周枠12,13,13,14及び横桟15は、金属製のフレーム状の桟や補強材等を用いた構成とされておらず、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方を、主たる材料として形成されている。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などが挙げられる。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、合成樹脂系材料としては、種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本実施形態では、図1(b)及び図2(b)に示すように、両縦枠13,13のパネル幅方向外側に向く外側面に、後記する表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを全長に亘って設けた構成としている。これらパネル幅方向両側の差込溝13a,13aは、パネル幅方向外側に向けて開口するように設けられている。また、これら差込溝13a,13aを、各縦枠13,13のパネル厚さ方向略中心に位置するように設けた構成としている。これら差込溝13a,13aのパネル幅方向に沿う溝深さ寸法及びパネル厚さ方向に沿う溝幅寸法は、表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cの差込性や保持性等の観点から適宜の寸法としてもよい。
パネル芯材10のコア材16は、図2(b)に示すように、枠体11で囲まれた空間に充填されるように収容されている。本実施形態では、上記のように上下(パネル長手方向)に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15によって上下に区画された四周枠12,13,13,14内の各空間のそれぞれにコア材16を収容させた構成としている。このコア材16のパネル厚さ方向に沿う寸法は、枠体11のパネル厚さ方向に沿う寸法と略同寸法とされている。このようなコア材16としては、発泡ウレタン等の発泡樹脂系材料から成形された発泡成形体からなるものでもよいが、本実施形態では、パネル厚さ方向両側に開口する多数の中空筒状セルの集合体からなるハニカム状のコア材16としている。つまり、コア材16を、いわゆるペーパーコアとしている。また、このようなコア材16としては、段ボール原紙やクラフト紙等の紙材を接着剤で重積接着して形成されたものでもよい。また、コア材16としては、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものでもよく、その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。
また、図例では、コア材16の中空筒状セルを模式的に示しており、パネル幅方向に厚さ方向を沿わせた薄シート間に波形部(コルゲート部)を設けたものを例示しているが、このような態様に限られない。このコア材16としては、中空筒状セルが蜂の巣状(六角状)とされたものや、方形状とされたもの、円筒形状とされたもの等、中空筒状セルのセル形状が種々の形状とされたものでもよい。また、このコア材16は、ステイプル等の止具や接着剤等によって枠体11に固定されたものでもよい。なお、このコア材16の中空筒状セルのセルサイズ(セル径、セル幅)は、軽量化を図る観点や強度上の観点等から適宜のサイズとしてもよく、1mm以上100mm以下としてもよく、好ましくは、5mm以上15mm以下としてもよい。
表面化粧パネル20は、薄板状とされている。この表面化粧パネル20は、種々の化粧パネル1の化粧面を構成する表面材として従来から用いられているMDF等の木質系材料を基材とする表面材と同様な厚さ(例えば、3mm程度)とされたものでもよいが、用途等に応じて適宜の厚さとされたものでもよい。例えば、この表面化粧パネル20の厚さを、0.5mm〜5.0mm程度としてもよく、好ましくは1.0mm以上3.0mm以下としてもよく、より好ましくは1.5mm以上2.0mm以下としてもよい。
化粧層21は、本実施形態では、薄シート状とされた化粧シートとされている。
この化粧層21を構成する化粧シートとしては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。樹脂フィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が例示される。また、樹脂フィルムの厚さとしては、例えば、0.02mm〜1.0mm、好ましくは0.05mm〜0.2mmの範囲が例示される。
また、化粧層21を構成する化粧単板の厚さとしては、例えば、0.2mm〜1.0mmの範囲が例示される。また、化粧層21を化粧単板とする場合には、化粧単板の裏面側に接着剤を介して不織布等の裏打ち材が貼着されたものでもよい。この場合の接着剤としては、化粧単板に水分が移行しにくい非水溶性接着剤が好ましく例示される。非水溶性接着剤としては、例えば、溶液型のアクリル共重合体、合成ゴム系の接着剤、熱可塑性合成樹脂であるホットメルト系の接着剤を単独または2種類以上を併用したもの等を例示することができる。ホットメルト系接着剤としては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)やウレタン系ホットメルト(PUR)等が例示される。また、エポキシ樹脂系、ウレタン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系の接着剤等を単独または2種類以上を併用したものを例示することができる。
樹脂層22は、化粧層21の厚さ方向一方側となる裏面側の略全面に亘って設けられている。この樹脂層22は、化粧層21の裏面側に、上記同様な種々の接着剤を介して裏打ち材(バッカー材)状に積層一体化された熱可塑性樹脂シートでもよい。この樹脂層22は、後記する平板状繊維強化樹脂層25に含まれる強化繊維を略含んでいない構成とされている。なお、強化繊維を略含んでいない構成とは、樹脂層22が強化繊維を全く含んでいない構成でもよく、樹脂層22に製造過程等において繊維シート24の強化繊維が僅か(化粧層21の表面平滑性を阻害しない程度)に混入されているような構成でもよい。
また、この樹脂層22を構成する樹脂主成分は、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々の熱可塑性樹脂でもよい。なお、樹脂層22を構成する樹脂主成分としては、熱可塑性樹脂に限られず、ウレタン(ポリウレタン)樹脂やフェノール樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を単独または2種類以上を併用したものでもよい。この場合は、化粧層21を構成する化粧シートの裏面に樹脂層22を構成する未硬化の樹脂組成物が塗布等され硬化されて形成されたものでもよい。
また、この樹脂層22の厚さは、表面化粧パネル20の折り曲げられた角部外観を含む表面外観(表面平滑性)を向上させる観点や寸法安定性、生産性等の観点から適宜の厚さとしてもよい。例えば、この樹脂層22の厚さを、0.03mm〜1.0mm程度としてもよく、好ましくは0.05mm〜0.6mm程度、更に好ましくは、0.15mm〜0.5mm程度としてもよい。この樹脂層22の厚さが小さ過ぎれば、表面外観が低下する傾向があり、樹脂層22の厚さが大き過ぎれば、当該樹脂層22による熱膨張の影響が大となる傾向がある。
樹脂層22の厚さ方向一方側となる裏面側に設けられた平板状繊維強化樹脂層25は、薄平板状(シート状)とされている。この平板状繊維強化樹脂層25は、厚さ方向両面が略平坦面状とされている。また、この平板状繊維強化樹脂層25の厚さは、表面化粧パネル20(化粧パネル1)の用途等に応じて適宜の厚さとしてもよい。また、この平板状繊維強化樹脂層25の厚さは、0.1mm〜1.5mm程度でもよく、好ましくは0.3mm〜1.0mm程度でもよく、より好ましくは0.2mm〜0.6mm程度でもよい。本実施形態では、図4(d)に示すように、この平板状繊維強化樹脂層25の厚さを、樹脂層22の厚さよりも大としている。例えば、この平板状繊維強化樹脂層25の厚さを、樹脂層22の厚さの2倍〜10倍程度としてもよい。
この平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維シート24としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等が例示される。ガラス繊維の織布としては、例えば、縦糸及び横糸にガラスロービングを用いて製織した平織、絡み織等の織物であるガラスクロス等が例示される。ガラス繊維の不織布としては、例えば、長さ約10mmのガラス繊維を水中分散させた後に、湿式抄紙法によってすくい取り、脱水、シート化させて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を塗布したものであるガラスペーパー等が例示される。ガラス繊維のマットとしては、長繊維状(例えば、長さ30mm前後、好ましくは長さ50mm前後)に切断したガラスストランドを、不均一な配向となるように、無方向に均等に分散させ、ポリエステルバインダー等の結合剤を用いてマット状に成形したものであるガラスマット等が例示される。
また、繊維シート24の厚さとしては、例えば、0.1mm〜0.5mmの範囲が例示される。また、繊維シート24をガラスマットとした場合には、厚さを、0.3mm〜0.5mm程度としてもよく、ガラスクロスとした場合には、厚さを、0.1mm〜0.3mm程度としてもよい。また、ガラスクロスの密度としては、例えば、30〜120本/25mmのものが例示される。また、ガラスクロスを構成するガラス糸の番手(太さ)としては、例えば、67〜135tex(g/1000m)の範囲が例示される。
繊維シート24の目付としては、例えば、100g/m以上2000g/m以下の範囲が例示され、好ましくは150g/m以上としてもよく、より好ましくは250g/m以上700g/m以下としてもよい。これによれば、平板状繊維強化樹脂層25に適度な強度を付与することが可能でありながらも、軽量化を図ることができる。
この繊維シート24の目付が小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート24としてガラスクロスを用いる場合は、目付を200g/m以上としてもよい。また、繊維シート24としてガラスペーパーを用いる場合は、目付を50g/m以上としてもよい。また、繊維シート24としてガラスマットを用いる場合は、目付を100g/m以上としてもよい。また、繊維シート24としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
また、繊維シート24としては、上記のような目付範囲となるように複数枚のガラス繊維の織布、不織布またはマット(ガラス繊維シート)を積層したものや、ガラス繊維シートと、植物繊維の織布、不織布、フィルム、紙またはマットと、が積層されたものでもよい。植物繊維としては、植物繊維マットや製紙に用いられる植物繊維であれば特に限定されないが、繊維シート24の強度や耐久性、寸法安定性等を考慮すると、麻系天然繊維、シ繊維または農産廃棄物繊維のいずれか1種以上であることが好ましい。
また、この平板状繊維強化樹脂層25を構成する樹脂組成物23(図3(b)参照)は、熱可塑性樹脂でもよく、また、熱硬化性樹脂でもよい。例えば、この樹脂組成物23を、未硬化状態で繊維シート24に含浸される熱硬化性樹脂を樹脂主成分とするものとしてもよい。つまり、平板状繊維強化樹脂層25は、図3(c)、(d)に示すように、繊維シート24に、未硬化の樹脂組成物23が含浸されこの樹脂組成物23が硬化した構成とされたものでもよい。この平板状繊維強化樹脂層25を構成する未硬化の樹脂組成物23としては、無発泡性または低発泡性の樹脂が例示される。この樹脂組成物23の発泡倍率は、その種類にもよるが、発泡倍率が7倍以下、より好ましくは5倍以下の低発泡性のものでもよい。また、樹脂組成物23としては、発泡倍率が1倍〜5倍、より好ましくは1倍〜3倍、さらに好ましくは1倍〜2倍のものでもよい。
また、樹脂組成物23としては、比較的に低温(例えば、40℃以上90℃以下、好ましくは80℃以下)で硬化する低温硬化性の熱硬化性樹脂としてもよい。これによれば、低温で硬化させることができ、また、化粧層21への熱負荷を軽減することができ、表面外観の劣化を抑制することができる。
例えば、この樹脂組成物23の樹脂主成分としては、ウレタン(ポリウレタン)樹脂やフェノール樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を単独または2種類以上を併用したものが例示される。また、ポリウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のポリウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物23には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、この平板状繊維強化樹脂層25に含まれる樹脂(未硬化の樹脂組成物23)の質量は、上記した繊維シート24の目付(平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維の質量)や、平板状繊維強化樹脂層25の目標とする質量や厚さ等に応じて適宜の質量としてもよい。この樹脂組成物23の質量(単位面積(1m)当たりの質量)は、平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維の質量よりも小としてもよい。また、この樹脂組成物23の質量を、例えば、80g/m以上としてもよく、好ましくは100g/m以上としてもよい。また、軽量化を図る観点やコスト等の観点からは、樹脂組成物23の質量を、500g/m以下としてもよく、好ましくは400g/m以下としてもよい。
なお、繊維シート24への未硬化の樹脂組成物23の含浸は、樹脂組成物23を貯留する容器内に繊維シート24を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート24にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。または、後記する製法例のように、上記した化粧層21及び樹脂層22からなる表面シートの裏面側となる厚さ方向一方側に、スプレーやローラー等によって塗布された樹脂組成物23に繊維シート24を積層することで、繊維シート24に結果的に樹脂組成物23が含浸される態様等としてもよい。
また、平板状繊維強化樹脂層25を構成する樹脂主成分を、後記する凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂主成分と同一、つまり、ポリ塩化ビニル樹脂としてもよい。この場合は、後記する凹凸繊維強化樹脂層32と概ね同様、平板状繊維強化樹脂層25を、ポリ塩化ビニル樹脂を樹脂主成分とする樹脂シートに繊維シート24を熱溶着(熱融着)によって一体化して形成されたものとしてもよい。また、この場合は、平板状繊維強化樹脂層25と樹脂層22とを、上記同様の種々の接着剤によって積層一体化したり、熱溶着によって一体化したりした構成としてもよい。
また、本実施形態では、樹脂層22、平板状繊維強化樹脂層25及び凹凸繊維強化樹脂層32のうちの少なくとも一つとしての平板状繊維強化樹脂層25に、遮光性を付与する遮光性顔料を含有させた構成としている。
このような遮光性顔料としては、黒色顔料や、黒色以外の赤色や青色等の他の色の比較的に濃色な顔料、複数色の顔料を混合した顔料などでもよく、比較的に隠蔽性の高い淡色な顔料が挙げられる。また、遮光性顔料としては、隠蔽性や分散性の良好な顔料が好ましく採用され、隠蔽性の観点からは、無機顔料としてもよい。このような隠蔽性や分散性等の観点から遮光性顔料としてカーボンブラックを採用するようにしてもよい。また、カーボンブラック以外の黒色顔料としては、グラファイトなどの炭素系黒色顔料や、鉄や銅、クロムなどの酸化物からなる酸化物系黒色顔料、チタンブラックなどが挙げられるが、その他、種々の黒色顔料でもよい。比較的に濃色な顔料としては、弁柄等の酸化鉄が挙げられ、また、隠蔽性の高い淡色な顔料としては、酸化チタンや亜鉛華(酸化亜鉛)が挙げられるが、その他、種々の顔料でもよい。
また、遮光性顔料の粒径は、分散性等の観点から適宜の粒径とされたものでもよく、例えば、カーボンブラックの場合には、3〜500nm程度でもよく、20〜100nm程度でもよい。また、平板状繊維強化樹脂層25を構成する樹脂組成物23中に含まれる遮光性顔料の含有率は、樹脂組成物23の組成や遮光性顔料の種類、平板状繊維強化樹脂層25の厚さ等に応じて、平板状繊維強化樹脂層25に遮光性が付与されるように適宜の含有率としてもよい。この樹脂組成物23中に含まれる遮光性顔料の含有率を低くし過ぎれば、遮光性が低下する傾向がある。一方、樹脂組成物23中に含まれる遮光性顔料の含有率を高くし過ぎれば、樹脂の凝集力が低下する傾向があり、表面化粧パネル20の剥離強度や曲げ強度が低下する傾向がある。このような観点等から、樹脂組成物23中に含まれる遮光性顔料の含有率を、好ましくは、1〜5質量%としてもよく、より好ましくは2〜3質量%としてもよい。このような含有率とすれば、表面化粧パネル20に適度な遮光性の付与が可能でありながらも、表面化粧パネル20の剥離強度や曲げ強度の低下を抑制することができる。なお、平板状繊維強化樹脂層25に代えて、または加えて、樹脂層22若しくは凹凸繊維強化樹脂層32のうちの少なくとも一つに遮光性顔料を含有させた構成としてもよい。
また、この平板状繊維強化樹脂層25は、図3に示すように、化粧層21及び樹脂層22からなる表面シートの裏面側に未硬化の樹脂組成物23を供給した後に、この表面シートの裏面側に繊維シート24を配して形成されたものでもよい。図例では、互いに向き合う面が平坦面とされた上下の成形型2,3のうちの下成形型2の上面に載置された表面シートの裏面に樹脂組成物23を供給し、繊維シート24を積層し、上下の成形型2,3によって圧締(プレス)する例を示している。この際、上成形型3の下面に、適宜の離型剤を塗布しておくようにしてもよい。また、適宜のプレス圧で圧締するようにしてもよい。また、必要に応じて加熱し、樹脂組成物23を硬化させるようにしてもよい。
なお、このような態様に代えて、樹脂組成物23が含浸された繊維シート24を表面シートに積層する態様や、表面シートに繊維シート24を積層した状態で、樹脂組成物23を繊維シート24に塗布する態様等としてもよい。さらには、樹脂組成物23を含むプリプレグ状の繊維シート24(または別途作成された平板状繊維強化樹脂層25)と、表面シートと、を積層一体化(接着も含む)するような態様等としてもよい。
凹凸繊維強化樹脂層32は、図4(b)〜(d)に示すように、本実施形態では、厚さ方向一方側となる裏面側に向けて開口する多数の凹部33を設けた構成とされている。また、本実施形態では、この凹凸繊維強化樹脂層32は、裏面側に開口する多数の凹部33が形成されるように表面側(平板状繊維強化樹脂層25側)に向けて突出する多数の凸部34を設けた構成とされエンボス板状とされている。また、凸部34の突出方向先端部(凹部33の底部)となる表面側部位を、平板状繊維強化樹脂層25と平行状の表面側平板部としている。また、これら凹部33及び凸部34の周囲に平板状繊維強化樹脂層25と平行状となる裏面側平板部が形成されるように、これら凹部33及び凸部34を、互いに間隔を空けて設けた構成としている。また、凸部34の先端部(凹部33の底部)に連なる側周壁部の厚さ寸法を、表面側平板部及び裏面側平板部の厚さと略同厚さとしている。
この凹凸繊維強化樹脂層32の各部の厚さ寸法は、平板状繊維強化樹脂層25の厚さと略同厚さとしてもよく、異なる厚さとしてもよい。
また、凸部34の突出寸法(裏面側平板部の表面側に向く面からの突出寸法)は、成形性や所望する凹凸繊維強化樹脂層32の総厚さ(裏面側平板部の裏面側に向く面から凸部34の突出方向先端面までの厚さ)に応じて、適宜の寸法としてもよい。この凸部34の突出寸法を、凹凸繊維強化樹脂層32の各部の厚さ(裏面側平板部等の厚さ)の1.5倍〜4倍程度としてもよく、好ましくは2.5倍以下としてもよい。また、この凹凸繊維強化樹脂層32の総厚さは、厚さを確保しながらも軽量化を図る観点等から表面化粧パネル20の厚さの1/2以上の厚さとしてもよい。
これら多数の凹部33及び凸部34は、互いに略同寸同形状とされたものでもよい。また、凸部34の先端部及び凹部33の開口を、厚さ方向(表面化粧パネル20の厚さ方向に沿う方向)に見て、略円形状としてもよい。つまり、凸部34を、表面側平板部を底部とする略円筒状としてもよい。
また、本実施形態では、凸部34を、突出方向先側に向かうに従い先細状となる略円錐台状としている。つまり、凸部34の側周壁部を、裏面側平板部に対して直交状とせずに、傾斜状としている。この裏面側平板部に対する側周壁部の傾斜角度(裏面側平板部の裏面側に向く面に同一な仮想面と側周壁部内面とのなす角(内角))は、成形性や平面圧縮強度を向上させる観点等から適宜の角度としてもよい。例えば、この裏面側平板部に対する側周壁部の傾斜角度を、45度以上90度未満としてもよく、好ましくは50度以上80度以下としてもよい。図例では、この裏面側平板部に対する側周壁部の傾斜角度を、55度程度とした例を示している。
なお、多数の凸部34は、規則的な配列となるように設けられたものでもよい。例えば、これら多数の凸部34を、正方配列状や格子配列状、千鳥配列状となるように設けた構成としてもよく、略等間隔を空けて(略等ピッチで)設けた構成としてもよい。
この凸部34のピッチや凸部34の径(基端部外径)は、成形性や、当該凹凸繊維強化樹脂層32と平板状繊維強化樹脂層25との接合性や当該凹凸繊維強化樹脂層32とこれの裏面側の接合対象との接合性等の観点から適宜、設定するようにしてもよい。
例えば、凸部34の径(基端部外径)を、2mm〜15mm程度としてもよく、3mm〜8mm程度としてもよい。また、凸部34のピッチ(厚さ方向に見た状態における隣り合う凸部34,34の中心(円心)間寸法)を、凸部34の径(基端部外径)より大とすればよく、例えば、1.2倍〜5倍程度としてもよく、好ましくは1.5倍〜3倍程度としてもよい。
また、例えば、多数の凸部34の先端面を足し合わせた面積が凹凸繊維強化樹脂層32を厚さ方向に見た面積の10%以上となるように、これら凹部33及び凸部34を設けた構成としてもよい。また、裏面側平板部の裏面側に向く面の総面積が凹凸繊維強化樹脂層32を厚さ方向に見た面積の60%以上となるように、これら凹部33及び凸部34を設けた構成としてもよい。
また、厚さ方向に見た状態における凸部34(凹部33)の形状は、上記した例に限られず、多角形状等とされたものでもよい。
この凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂主成分は、ポリ塩化ビニル樹脂とされている。この凹凸繊維強化樹脂層32は、図4(a)、(b)に示すように、ポリ塩化ビニル樹脂を樹脂主成分とする樹脂シート31に繊維シート30を熱溶着(熱融着)によって一体化した構成とされている。本実施形態では、この凹凸繊維強化樹脂層32に、繊維シート30が厚さ方向一方側及び厚さ方向他方側のうちの両方または一方に偏在するように埋込状に設けた構成としている。また、この凹凸繊維強化樹脂層32に、繊維シート30が厚さ方向一方側としての裏面側に偏在するように埋込状に設けた構成としている。つまり、樹脂シート31の裏面側に繊維シート30を熱溶着によって一体化し、凹凸繊維強化樹脂層32の裏面側に繊維シート30を設けた構成としている。つまりは、凹凸繊維強化樹脂層32の裏面側となる表面側平板部の裏面側、側周壁部の内周側及び裏面側平板部の裏面側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。この繊維シート30は、樹脂シート31の溶融樹脂が繊維シート30に含浸するようにして樹脂シート31に熱溶着されている。また、この凹凸繊維強化樹脂層32の表面側(表面側平板部の表面側、側周壁部の外周側及び裏面側平板部の表面側)に、繊維シート30の繊維を略含んでいない層を設けた構成としている。
この凹凸繊維強化樹脂層32に含まれる繊維シート30としては、上記した平板状繊維強化樹脂層25の繊維シート24として例示したもののうちのいずれかとしてもよい。この繊維シート30としては、好ましくは、上記同様、ガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスとしてもよく、平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維シート24と同一または同種のものとしてもよく、異種のものとしてもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層32に含まれる繊維シート30の目付は、上記同様な観点から、適宜の目付としてもよく、上記同様な範囲内のものでもよい。また、この繊維シート30の目付を、平板状繊維強化樹脂層25の繊維シート24と略同目付としてもよく、異なる目付としてもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層32は、図4(a)に示すように、互いに向き合う面のうちの一方面側に多数の凸部4aが設けられ、他方面側に多数の凹部5aが設けられた上下の成形型4,5を用いて形成されたものでもよい。図例では、下成形型4に、凹凸繊維強化樹脂層32の凹部33に応じた形状及び位置となるように多数の凸部4aを設け、上成形型5に、凹凸繊維強化樹脂層32の凸部34に応じた形状及び位置となるように多数の凹部5aを設けた例を示している。これら上下の成形型4,5の間に、繊維シート30と樹脂シート31とを配置し、圧締して凹凸繊維強化樹脂層32を形成する例を示している。また、凹凸繊維強化樹脂層32の裏面(凹部33開口)側に繊維シート30が偏在されるように、繊維シート30を下成形型4の凸部4a側に配し、この繊維シート30の上成形型5側に樹脂シート31を配した例を示している。また、これら上下の成形型4,5は、繊維シート30が樹脂シート31に熱溶着され、凹部33及び凸部34が形成されるように、適宜の温度に加熱されたホットプレスとしてもよい。
また、上記した平板状繊維強化樹脂層25が化粧層21及び樹脂層22からなる表面シートに積層一体化された表層側シート体と、この凹凸繊維強化樹脂層32と、は、図4(b)、(c)に示すように、上下の成形型2,3によって圧締して接合するようにしてもよい。この凹凸繊維強化樹脂層32と表層側シート体とは、接着剤によって接合されたものでもよく、熱溶着されたものでもよい。
上記のような工程を経て、図4(d)に示すように、表面化粧パネル20が形成されたものでもよい。なお、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32の凸部34の先端面を平板状繊維強化樹脂層25に接合した例を示しているが、凹凸繊維強化樹脂層32の凹部33の開口側となる凹部33の周囲の平板部を平板状繊維強化樹脂層25に接合した態様としてもよい。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32の表裏を反転させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、上記のような構成とされた表面化粧パネル20を、図1に示すように、パネル幅方向両端面に継目が位置するようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに対状に設けた構成としている。つまり、2枚の表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。また、これら2枚の表面化粧パネル20,20を、化粧パネル1の四周表面(厚さ方向両面及び幅方向両端面)が化粧面となるように、パネル芯材10の四周表面(パネル厚さ方向両面及びパネル幅方向両端面)に設けた構成としている。
これら表面化粧パネル20,20は、互いに同様の構成とされ、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように、厚さ方向一方側となる裏面側に折曲溝(角部折曲溝)35,35,35,35を設けた構成とされている。また、本実施形態では、これら表面化粧パネル20,20の裏面側に、角部折曲溝35,35,35,35に加えて、パネル芯材10の差込溝13a,13aの両開口縁に応じた位置となるように、端部折曲溝36,36,36,36を設けた構成としている。
これら角部折曲溝35及び端部折曲溝36は、少なくとも化粧層21を残すように各表面化粧パネル20,20の裏面側に設けられている。
各表面化粧パネル20,20は、これら角部折曲溝35及び端部折曲溝36の部位において残存する少なくとも化粧層21の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝35及び端部折曲溝36を、溝底が樹脂層22に位置するように設けた構成としている(図1(b)参照)。つまり、これら角部折曲溝35及び端部折曲溝36を、溝底が樹脂層22に留まり、化粧層21に達しないように、かつ凹凸繊維強化樹脂層32及び平板状繊維強化樹脂層25の厚さ方向の全体に亘って設けた構成としている。
これら角部折曲溝35及び端部折曲溝36が設けられた部位の樹脂層22の厚さ、つまり、溝底側の残り厚さは、上記のようにヒンジ部として機能するように、化粧層21の厚さや樹脂層22の厚さに応じて、適宜の厚さとしてもよい。図例では、樹脂層22の溝底側の残り厚さを、樹脂層22の全体厚さの1/2程度とした例を示しているが、このような厚さに限られない。
また、角部折曲溝35,35は、パネル芯材10の厚さ方向一方面に沿わせられる表面化粧パネル20の表面側片部20aと、パネル芯材10の幅方向各端面に沿わせられる側端面片部20b,20bと、の境界部に位置するように設けられている。
また、端部折曲溝36,36は、側端面片部20b,20bと、パネル芯材10の差込溝13a,13aに差し込まれる差込片部20c,20cと、の境界部に位置するように設けられている。パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cは、パネル芯材10の差込溝13a,13aに嵌め込まれるように納められる。
また、本実施形態では、角部折曲溝35,35を、これら角部折曲溝35,35において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けた構成としている。図例では、これら角部折曲溝35,35を、溝長手方向に見て略V字溝状とされた単一の溝からなるものとした例を示している。なお、このような態様に代えて、これら角部折曲溝35,35において折り曲げられて形成された角部がR面取り形状やC面取り形状となるように、これら角部折曲溝35,35のそれぞれを、複数条の溝からなるものとしてもよい。また、端部折曲溝36,36は、これら端部折曲溝36,36において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けられている。
上記構成とされたパネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20がパネル芯材10の四周表面に貼着されて当該化粧パネル1の四周表面が化粧面とされる。これら表面化粧パネル20,20のパネル芯材10への貼着は、上記同様な適宜の接着剤等を用いてなされたものでもよい。
本実施形態に係る表面化粧パネル20及びこれを備えた化粧パネル1は、上述のような構成としたことで、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上させることができる。
つまり、化粧層21の裏面側に、平板状繊維強化樹脂層25と凹凸繊維強化樹脂層32とを設けた構成としている。従って、従来のMDF等の木質板を基材としたものと比べて、吸放湿等による反り等の変形を生じ難くすることができる。また、化粧層21と凹凸繊維強化樹脂層32との間に平板状繊維強化樹脂層25を設けているので、製造工程にプレス等を含む場合にも、凹凸繊維強化樹脂層32の凸部34や凹部33が表面側に写り難く、表面平滑性を向上させることができ、表面の外観を向上させることができる。また、凹凸繊維強化樹脂層32を設けているので、軽量化を図ることが可能でありながらも、適度な厚さを確保することができ、また、剛性を向上させることができる。
また、凹凸繊維強化樹脂層32の樹脂主成分をポリ塩化ビニル樹脂としている。従って、上述のように、繊維シート30を熱溶着によって設けることができ、凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂シート31と繊維シート30とをプレス等によって容易に一体化することができる。これにより、例えば、凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂をスプレー塗布等によって供給して成形されたものと比べて、樹脂量のばらつき等を抑制することができ、凹凸繊維強化樹脂層32の均一化を図ることができる。
また、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32に、繊維シート30を厚さ方向一方側及び厚さ方向他方側のうちの両方または一方に偏在するように埋込状に設けた構成としている。従って、凹凸繊維強化樹脂層32を構成する樹脂シート31と繊維シート30とをプレス等によって容易に一体化することができる。また、用途等に応じて、繊維シート30を凹凸繊維強化樹脂層32の各部の裏面側に偏在させたり、凹凸繊維強化樹脂層32の各部の厚さ方向両側に設けたりすることで、必要となる剛性を確保することもできる。本実施形態では、繊維シート30を凹凸繊維強化樹脂層32の各部の裏面側に偏在させているので、化粧層21側からの押圧に対する撓みを抑制することができる。なお、このような態様に代えて、繊維シート30を凹凸繊維強化樹脂層32の各部の表面側に偏在させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、化粧層21の裏面側に樹脂層22を介在させて平板状繊維強化樹脂層25を設けた構成としている。従って、平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維による凹凸が表面に生じ難くなり、表面平滑性を向上させることができ、表面の外観をより効果的に向上させることができる。
また、本実施形態では、当該表面化粧パネル20の裏面側に、溝底が樹脂層22に位置するように折曲溝35,36を設けた構成としている。従って、当該表面化粧パネル20の取付対象に角部があるような場合にも、折曲溝35,36の箇所で折り曲げて一連状に覆うことができる。これにより、複数枚の表面化粧パネル20を取付対象の角部において突き合わせたりするようなものと比べて、角部における見栄えを向上させることができる。また、折曲溝35,36を、溝底が樹脂層22に位置するように設けているので、折り曲げられた角部において平板状繊維強化樹脂層25に含まれる繊維による凹凸等が生じ難くなり、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、パネル芯材10と、このパネル芯材10に貼着される表面化粧パネル20と、を備えた構成とされている。従って、上記のように反り等の変形が抑制され、表面外観の良好な表面化粧パネル20によって化粧面が構成されるので、内装パネルや家具材等として好適なものとなる。これにより、例えば、当該化粧パネル1を、天井高程度の戸高寸法とされたハイドアを構成するものとした場合にも、パネル芯材10にフレーム状の金属製の補強材等を設ける必要性を生じ難くすることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように角部折曲溝35が設けられた表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着した構成としている。従って、上記のように、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。従って、パネル厚さ方向両面側を、上記のような外観を向上させた化粧面とすることができ、また、反り等の変形をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10を、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成としている。従って、パネル芯材10をコア材16のみや三辺以下に桟材を設けたようなものとした場合と比べて、化粧パネル1の強度を向上させることができ、建具等として好適に用いることができる。また、中実状のパネル芯材10としたものと比べて、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の両側端部に、パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを設けた構成としている。従って、表面化粧パネル20,20の端部を突き合わせて納めるようなものと比べて、表面化粧パネル20,20同士の継目を見栄え良く納めることができる。なお、このような態様に代えて、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20とパネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20とを、パネル幅方向の各端面において突き合わせたり、重ね合わせたりして納めるような態様等としてもよい。また、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20のみによってパネル幅方向の端面を覆うような態様等としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20には、折曲溝を設けないようにしてもよい。
また、パネル厚さ方向両側に別体状に表面化粧パネル20,20をそれぞれに設けた態様に代えて、一連状の表面化粧パネル20によってパネル芯材10の四周表面を覆うような態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10の一方側端部のみに差込溝13aを設けた態様としてもよい。また、表面化粧パネル20,20に折曲溝35,36を設けた態様に代えて、パネル芯材10の幅方向両端面を覆うように延出された化粧層21またはこれに加えて樹脂層22が折り曲げ貼着されてパネル芯材10の幅方向両端面が覆われるものとしてもよい。この場合は、化粧層21またはこれに加えて樹脂層22の端部が差し込まれる適宜の差込溝を、パネル芯材10に設けた構成としてもよい。
また、パネル芯材10の四周表面を表面化粧パネル20によって覆った態様に代えて、パネル厚さ方向両面のみを表面化粧パネル20によって覆った態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10のパネル幅方向の各端面を、別途のエッジシート等によって覆うような態様としてもよく、また、パネル幅方向の各端面を化粧面とせずに、パネル芯材10を露出させた態様等としてもよい。
また、上記のようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に同様の表面化粧パネル20,20を設けた構成に代えて、パネル厚さ方向一方側のみに上記のような表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側に、化粧層21及び樹脂層22を設けずに平板状繊維強化樹脂層25及び凹凸繊維強化樹脂層32を設けたり、他の表面材を設けたりしてもよく、さらには、パネル芯材10を露出させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、パネル芯材10の枠体11内にコア材16を収容させた構成とした例を示しているが、このようなコア材16を設けていない構成としてもよい。また、本実施形態では、パネル芯材10の桟材を、四周枠を構成する枠体11とした例を示しているが、三方枠状としたり、左右の縦枠13,13のみを桟材としたり、上下の横枠12,14のみを桟材としたりしてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、上記した例では、化粧層21を、化粧シートとした例を示しているが、このような態様に限られず、塗膜層等としてもよい。
次に、本発明に係る表面化粧パネルの他の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
なお、以下の各実施形態では、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明し、また、上記第1実施形態と同様の作用効果についても説明を省略する。また、各実施形態に係る表面化粧パネルも上記第1実施形態と同様、パネル芯材10の少なくともパネル厚さ方向一方側を覆うように貼着されて化粧パネル1を構成するものでもよい。
図5(a)、(b)は、第2実施形態に係る表面化粧パネルの一例及び同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20Aは、図5(a)に示すように、凹凸繊維強化樹脂層32Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Aの厚さ方向両方に偏在させるように繊維シート30,30を埋込状に設けた構成としている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32Aを構成する樹脂シート31の厚さ方向両側に繊維シート30,30を熱溶着によって一体化し、凹凸繊維強化樹脂層32Aの厚さ方向両側に繊維シート30,30を設けた構成としている。つまりは、上記同様、凹凸繊維強化樹脂層32Aの裏面側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設け、かつ、凹凸繊維強化樹脂層32Aの表面側(平板状繊維強化樹脂層25側)に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。また、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Aの各部(表面側平板部、側周壁部及び裏面側平板部)の厚さ方向略中央部に、繊維シート30の繊維を略含んでいない層を設けた構成としている。
上記のような構成とすれば、厚さ方向の一方側のみに繊維シート30を設けたものと比べて、凹凸繊維強化樹脂層32Aの強度を向上させることができる。これら厚さ方向両側の繊維シート30,30は、互いに同様の構成(同目付)とされたものでもよく、異なる構成とされたものでもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層32Aは、上記同様、図5(b)に示すように、上下の成形型4,5を用いて形成されたものでもよい。本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Aの厚さ方向両側に繊維シート30,30が設けられるように、樹脂シート31の厚さ方向両側に繊維シート30,30を配置した状態で上下の成形型4,5によって圧締するようにすればよい。
上記構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20Aにおいても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
図5(c)、(d)は、第3実施形態に係る表面化粧パネルの一例及び同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20Bは、図5(c)に示すように、凹凸繊維強化樹脂層32Bの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、図5(c)、(d)に示すように、繊維シート30が凹凸繊維強化樹脂層32Bの各部(表面側平板部、側周壁部及び裏面側平板部)の厚さ方向略中央部に配されるように、厚さ方向両側の樹脂シート31,31に繊維シート30を熱溶着させた構成としている。換言すれば、厚さ方向両側の樹脂シート31,31によって繊維シート30を挟み込んだ構成としている。また、繊維シート30は、これら厚さ方向両側の樹脂シート31,31の溶融樹脂が繊維シート30に含浸するようにして樹脂シート31,31に熱溶着されている。また、厚さ方向両側の樹脂シート31,31同士も互いに熱溶着されている。つまり、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Bの各部の表面側及び裏面側に、繊維シート30の繊維を略含んでいない層を設けた構成としている。
上記のような構成とすれば、樹脂シート31の厚さ方向両側または一方側に繊維シート30を熱溶着させた構成と比べて、繊維シート30の繊維が露出せず、また、繊維シート30の剥離等を抑制することができる。なお、厚さ方向両側の樹脂シート31,31は、異なる厚さとされたものでもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層32Bは、上記同様、図5(d)に示すように、上下の成形型4,5を用いて形成されたものでもよい。本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Bの各部の厚さ方向略中央部に繊維シート30が設けられるように、繊維シート30の厚さ方向両側に樹脂シート31,31を配置した状態で上下の成形型4,5によって圧締するようにすればよい。
上記構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20Bにおいても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
図6(a)、(b)は、第4実施形態に係る表面化粧パネルの一例及び同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20Cは、図6(a)に示すように、凹凸繊維強化樹脂層32Cの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Cを、厚さ方向一方側となる裏面側に開口する多数の凹部33Aを設けた構成とし、これら凹部33Aの底部を構成する部位を、平板状繊維強化樹脂層25と平行状とされ、全面に亘って一連状に設けられた表面側平板部としている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32Cは、厚さ方向他方側となる表面側が略平坦面状とされている。また、多数の凹部33Aは、それぞれの凹部33Aの周囲を区画する側周壁部を介して隣接して設けられている。これら凹部33Aを開口方向に見た形状は、略円形状でもよく、略多角形状でもよい。また、この凹凸繊維強化樹脂層32Cは、凹部33Aの周囲を区画する側周壁部を厚さ方向一方側に向けて突出する凸部として把握するようにしてもよい。
また、本実施形態では、この凹凸繊維強化樹脂層32Cの裏面側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32Cの裏面側となる凹部33Aの底部を構成する部位の裏面側及び側周壁部の内周側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。また、この凹凸繊維強化樹脂層32Cの表面側となる表面側平板部の表面側及び側周壁部の厚さ方向略中央部に、繊維シート30の繊維を略含んでいない層を設けた構成としている。
この凹凸繊維強化樹脂層32Cは、図6(b)に示すように、互いに向き合う面のうちの一方面側に多数の凸部4Aaが設けられ、他方面側が略平坦面状とされた上下の成形型4A,5Aを用いて形成されたものでもよい。また、凹凸繊維強化樹脂層32Cを構成する樹脂シート31Aは、厚さ方向一方側となる裏面側に開口し、凹凸繊維強化樹脂層32Cの凹部33Aに対応する多数の凹部31aが設けられた構成とされたものでもよい。
図例では、下成形型4Aの上面側に、凹凸繊維強化樹脂層32Cの凹部33Aに対応させた多数の凸部4Aaを設け、上成形型5Aの下面側を略平坦面状とした例を示している。また、凹凸繊維強化樹脂層32Cの裏面側に繊維シート30が偏在して設けられるように、繊維シート30を下成形型4Aの凸部4Aa側に配し、この繊維シート30の上成形型5A側に樹脂シート31Aを配して圧締する構成としている。なお、この繊維シート30は、樹脂シート31Aの凹部31aの内面側に沿うように設けられるように、樹脂シート31Aよりも大判状とされたものとしてもよい。
上記構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20Cにおいても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。なお、凹凸繊維強化樹脂層32Cの表面側平板部の表面側にも繊維シート30を埋込状に設けた構成としてもよい。
図6(c)、(d)は、第5実施形態に係る表面化粧パネルの一例及び同表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20Dは、図6(c)に示すように、凹凸繊維強化樹脂層32Dの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Dを、厚さ方向他方側となる表面側に開口する多数の凹部33Aを設けた構成とし、これら凹部33Aの底部を構成する部位を、平板状繊維強化樹脂層25と平行状とされ、全面に亘って一連状に設けられた裏面側平板部としている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32Dは、厚さ方向一方側となる裏面側が略平坦面状とされている。つまりは、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32Dの凹部33Aの開口側を、上記第4実施形態の逆向きとしている。
また、本実施形態では、この凹凸繊維強化樹脂層32Dの裏面側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。つまり、凹凸繊維強化樹脂層32Dの裏面側となる裏面側平板部の裏面側に偏在させるように繊維シート30を埋込状に設けた構成としている。また、この凹凸繊維強化樹脂層32Dの表面側(裏面側平板部の表面側及び側周壁部)に、繊維シート30の繊維を略含んでいない層を設けた構成としている。
この凹凸繊維強化樹脂層32Dは、上記第4実施形態において説明した上下の成形型4A,5Aを用いて形成されたものでもよい。また、凹凸繊維強化樹脂層32Dの裏面側平板部の平坦状とされた裏面側に繊維シート30が偏在して設けられるように、繊維シート30を上成形型5A側に配し、この繊維シート30の下成形型4A側に樹脂シート31Aを配して圧締する構成とすればよい。
上記構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20Dにおいても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。なお、凹凸繊維強化樹脂層32Dの表面側となる凹部33Aの底部を構成する部位の表面側及び側周壁部の内周側にも繊維シート30を埋込状に設けた構成としてもよい。
また、上記各実施形態に係る表面化粧パネル20,20A,20B,20C,20Dの互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、化粧層21の裏面側に樹脂層22を介在させて平板状繊維強化樹脂層25を設けた例を示しているが、このような樹脂層22を設けていない構成としてもよい。この場合は、例えば、平板状繊維強化樹脂層25の化粧層21側に繊維シート24の繊維を略含んでいない層を樹脂層として設けた構成としてもよい。つまりは、平板状繊維強化樹脂層25に、一連状に樹脂層を設けた構成等としてもよい。
また、上記した各実施形態に係る表面化粧パネル20,20A,20B,20C,20Dは、化粧パネル1の化粧面を構成するように設けられるものに限られず、例えば、既設の開口枠や窓枠、廻縁、巾木等の既設内装建材を覆うカバー等として用いられるものでもよい。
1 化粧パネル
10 パネル芯材
20,20A〜20D 表面化粧パネル
21 化粧層
22 樹脂層
24 繊維シート
25 平板状繊維強化樹脂層
30 繊維シート
32,32A〜32D 凹凸繊維強化樹脂層
33,33A 凹部
35 角部折曲溝(折曲溝)
36 端部折曲溝(折曲溝)

Claims (5)

  1. 化粧層と、この化粧層の裏面側に設けられ、繊維シートを含む平板状繊維強化樹脂層と、この平板状繊維強化樹脂層の裏面に接合され、かつ繊維シートを含み、厚さ方向一方側に向けて開口する多数の凹部が設けられた凹凸繊維強化樹脂層と、を備えており、
    前記凹凸繊維強化樹脂層を構成する樹脂主成分がポリ塩化ビニル樹脂であることを特徴とする表面化粧パネル。
  2. 請求項1において、
    前記凹凸繊維強化樹脂層には、前記繊維シートが厚さ方向一方側及び厚さ方向他方側のうちの両方または一方に偏在するように埋込状に設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。
  3. 請求項1または2において、
    前記化粧層の裏面側に樹脂層を介在させて前記平板状繊維強化樹脂層が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。
  4. 請求項3において、
    当該表面化粧パネルの裏面側には、溝底が前記樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。
  5. パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする化粧パネル。
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