JP2018164982A - 表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネル - Google Patents
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例えば、下記特許文献1には、化粧材の裏面に熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ硬化させたバックシートを貼り合わせた積層仕上材が開示されている。
図1〜図3は、本実施形態に係る表面化粧パネルの一例及びこれを備えた化粧パネルの一例並びに同表面化粧パネルの変形例を模式的に示す図である。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、この表面化粧パネル20を、パネル芯材10に貼着した構成とされている。また、本実施形態では、化粧パネル1は、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成とされている。
例えば、化粧パネル1を、建具パネルとして用いられるものとした場合には、当該化粧パネル1の上下寸法(戸高寸法)を1800mm〜3000mm程度とし、戸幅寸法を600mm〜1200mm程度とし、戸厚寸法を20mm〜40mm程度としてもよい。また、この場合には、化粧パネル1の適所に、開閉する際のハンドルや引手等を設けたり、錠装置や、蝶番等の回転連結部材、ランナーや戸車等の走行部材、ガイド溝等を設けたりしてもよい。
枠体11は、四周枠12,13,13,14を構成する上横枠12、左右一対の縦枠13,13及び下横枠14を備えている。また、枠体11は、左右の縦枠13,13に架け渡されるように上下に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15を備えている。また、図例では、下横枠14の上側に、桟材を積層した構成とされたものとした例を示している。また、下横枠14の左右(長手方向)両端部の上側に、戸車等の走行部材の取付孔の加工下地となる下地部材を積層した例を示している。なお、当該化粧パネル1の用途等に応じて、上横枠12の左右両端部の下側や一方の縦枠13の内方側に、上述のようなランナー等の走行部材やハンドル、錠装置等の取付孔の加工下地や取付下地を設けた構成としてもよい。また、上横枠12の下側にも同様な桟材を設けた構成としてもよい。また、枠体11に、横桟15を設けた態様に代えて、または加えて、上下方向に長尺な縦桟を設けた構成としてもよい。
枠体11を構成するこれら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方から形成されている。つまり、四周枠12,13,13,14及び横桟15は、金属製のフレーム状の桟や補強材等を用いた構成とされておらず、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方を、主たる材料として形成されている。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などが挙げられる。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、合成樹脂系材料としては、種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
この化粧層21を構成する化粧シートとしては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。樹脂フィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が例示される。また、樹脂フィルムの厚さとしては、例えば、0.02mm〜1.0mm、好ましくは0.05mm〜0.2mmの範囲が例示される。
また、この樹脂層22を構成する樹脂主成分は、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々の熱可塑性樹脂でもよい。なお、樹脂層22を構成する樹脂主成分としては、熱可塑性樹脂に限られず、ウレタン(ポリウレタン)樹脂やフェノール樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を単独または2種類以上を併用したものでもよい。この場合は、化粧層21を構成する化粧シートの裏面に樹脂層22を構成する未硬化の樹脂組成物が塗布等され硬化されて形成されたものでもよい。
繊維シート24の目付としては、例えば、100g/m2以上2000g/m2以下の範囲が例示され、好ましくは150g/m2以上としてもよく、より好ましくは250g/m2以上としてもよい。
この繊維シート24の目付が小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート24としてガラスクロスを用いる場合は、目付を200g/m2以上としてもよい。また、繊維シート24としてガラスペーパーを用いる場合は、目付を50g/m2以上としてもよい。また、繊維シート24としてガラスマットを用いる場合は、目付を100g/m2以上としてもよい。また、繊維シート24としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
また、この繊維強化樹脂層25と樹脂層22とは、上記同様の種々の接着剤によって積層一体化されたものでもよい。また、樹脂層22を、繊維強化樹脂層25を構成する樹脂シート23と熱溶着可能な構成、例えば、樹脂層22の樹脂主成分をポリ塩化ビニル樹脂とした場合には、樹脂層22と繊維強化樹脂層25とを熱溶着によって一体化した構成としてもよい。
このような遮光性顔料としては、黒色顔料や、黒色以外の赤色や青色等の他の色の比較的に濃色な顔料、複数色の顔料を混合した顔料などでもよく、比較的に隠蔽性の高い淡色な顔料が挙げられる。また、遮光性顔料としては、隠蔽性や分散性の良好な顔料が好ましく採用され、隠蔽性の観点からは、無機顔料としてもよい。このような隠蔽性や分散性等の観点から遮光性顔料としてカーボンブラックを採用するようにしてもよい。また、カーボンブラック以外の黒色顔料としては、グラファイトなどの炭素系黒色顔料や、鉄や銅、クロムなどの酸化物からなる酸化物系黒色顔料、チタンブラックなどが挙げられるが、その他、種々の黒色顔料でもよい。比較的に濃色な顔料としては、弁柄等の酸化鉄が挙げられ、また、隠蔽性の高い淡色な顔料としては、酸化チタンや亜鉛華(酸化亜鉛)が挙げられるが、その他、種々の顔料でもよい。
これら表面化粧パネル20,20は、互いに同様の構成とされ、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように、厚さ方向一方側となる裏面側に折曲溝(角部折曲溝)26,26,26,26を設けた構成とされている。また、本実施形態では、これら表面化粧パネル20,20の裏面側に、角部折曲溝26,26,26,26に加えて、パネル芯材10の差込溝13a,13aの両開口縁に応じた位置となるように、端部折曲溝27,27,27,27を設けた構成としている。
各表面化粧パネル20,20は、これら角部折曲溝26及び端部折曲溝27の部位において残存する少なくとも化粧層21の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝26及び端部折曲溝27を、溝底が樹脂層22に位置するように設けた構成としている(図3(a)参照)。つまり、これら角部折曲溝26及び端部折曲溝27を、溝底が樹脂層22に留まり、化粧層21に達しないように、かつ繊維強化樹脂層25の厚さ方向の全体に亘って設けた構成としている。
また、角部折曲溝26,26は、パネル芯材10の厚さ方向一方面に沿わせられる表面化粧パネル20の表面側片部20aと、パネル芯材10の幅方向各端面に沿わせられる側端面片部20b,20bと、の境界部に位置するように設けられている。
また、端部折曲溝27,27は、側端面片部20b,20bと、パネル芯材10の差込溝13a,13aに差し込まれる差込片部20c,20cと、の境界部に位置するように設けられている。パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cは、パネル芯材10の差込溝13a,13aに嵌め込まれるように納められる。
上記構成とされたパネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20がパネル芯材10の四周表面に貼着されて当該化粧パネル1の四周表面が化粧面とされる。これら表面化粧パネル20,20のパネル芯材10への貼着は、上記同様な適宜の接着剤等を用いてなされたものでもよい。
つまり、化粧層21の裏面側に樹脂層22を介在させて繊維シート24を含む繊維強化樹脂層25を設けた構成としている。従って、従来のMDF等の木質板を基材としたものと比べて、吸放湿等による反り等の変形を生じ難くすることができる。また、樹脂層22を介在させているので、繊維強化樹脂層25に含まれる繊維による凹凸が表面に生じ難くなり、表面平滑性を向上させることができ、表面の外観を向上させることができる。
また、繊維強化樹脂層25を構成する樹脂主成分をポリ塩化ビニル樹脂としている。従って、繊維シート24を上述のように熱溶着等によって繊維強化樹脂層25に設けることができ、例えば、繊維強化樹脂層25を構成する樹脂シート23の成形工程において繊維シート24を容易に一体化することができる。これにより、例えば、繊維強化樹脂層25を構成する樹脂をスプレー塗布等によって供給して成形されたものと比べて、樹脂量のばらつき等を抑制することができ、繊維強化樹脂層25の均一化を図ることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように角部折曲溝26が設けられた表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着した構成としている。従って、上記のように、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10を、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成としている。従って、パネル芯材10をコア材16のみや三辺以下に桟材を設けたようなものとした場合と比べて、化粧パネル1の強度を向上させることができ、建具等として好適に用いることができる。また、中実状のパネル芯材10としたものと比べて、軽量化を図ることができる。
また、上記のようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に同様の表面化粧パネル20,20を設けた構成に代えて、パネル厚さ方向一方側のみに上記のような表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側に、化粧層21及び樹脂層22を設けずに繊維強化樹脂層25を設けたり、他の表面材を設けたりしてもよく、さらには、パネル芯材10を露出させた構成としてもよい。
また、上記した例では、化粧層21を、化粧シートとした例を示しているが、このような態様に限られず、塗膜層等としてもよい。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明し、また、上記した例と同様の作用効果についても説明を省略する。また、各変形例に係る表面化粧パネルも上記した例と同様、パネル芯材10の少なくともパネル厚さ方向一方側を覆うように貼着されて化粧パネル1を構成するものでもよい。
本変形例に係る表面化粧パネル20Aは、樹脂層22A及び繊維強化樹脂層25Aの両方または一方に、無機発泡体を含有させた構成としている。このような構成とすれば、軽量化を図ることができる。本実施形態では、繊維強化樹脂層25Aに、無機発泡体を含有させた構成としている。また、図3(d)に示すように、繊維強化樹脂層25Aを構成する樹脂シート23Aに無機発泡体を含有させた構成としている。このような構成とすれば、化粧層21側となる樹脂層22Aに無機発泡体を含有させたものと比べて、表面硬度や表面平滑性を阻害するようなことを抑制することができる。また、樹脂層22Aよりも比較的に厚さが大とされる繊維強化樹脂層25Aの軽量化を図ることができるので、表面化粧パネル20A全体の軽量化を効果的に図ることができる。
本変形例では、繊維シート24を、繊維強化樹脂層25Aの厚さ方向他方側となる樹脂層22A側に偏在させるように埋込状に設けた構成としている。つまり、樹脂シート23Aの樹脂層22A側に繊維シート24を熱溶着によって一体化し、繊維強化樹脂層25Aの樹脂層22A側に繊維シート24を設けた構成としている。このような構成とすれば、繊維強化樹脂層25Aの裏面側、つまりは、表面化粧パネル20Aの裏面側において繊維シート24の繊維が露出するようなことを抑制することができる。
また、本変形例では、樹脂層22Aに遮光性顔料を含有させていない構成としている。
上記構成とされた本変形例に係る表面化粧パネル20Aにおいても上記した例と概ね同様の効果を奏する。
本変形例では、上記第1実施形態の例と同様、樹脂層22に遮光性顔料を含有させた構成としている。また、上記第1変形例と同様、繊維強化樹脂層25Bに無機発泡体を含有させた構成としている。つまり、図3(f)に示すように、繊維強化樹脂層25Bを構成する樹脂シート23Aに無機発泡体を含有させた構成としている。このような構成とすれば、表面化粧パネル20Bに遮光性を付与することができ、また、表面化粧パネル20Bの軽量化を図ることができる。
上記構成とされた本変形例に係る表面化粧パネル20Bにおいても上記した例と概ね同様の効果を奏する。
本変形例では、繊維強化樹脂層25Cに一連状に樹脂層22Bを設けた構成としている。つまり、本変形例では、上記各例のように、化粧層21の裏面に裏打ち状に樹脂層22,22Aを設けた構成に代えて、繊維強化樹脂層25Cを構成する樹脂シート23Bの一部となる化粧層21側部位を、強化繊維を略含んでいない樹脂層22Bとしている。つまりは、樹脂層22Bを構成する樹脂主成分を、繊維強化樹脂層25Cを構成する樹脂シート23Bの樹脂主成分と同一のポリ塩化ビニル樹脂としている。
また、本変形例では、繊維シート24を、繊維強化樹脂層25Cの厚さ方向一方側となる裏面側に偏在させるように埋込状に設けた構成としている。つまり、樹脂シート23Bの裏面側に繊維シート24を熱溶着によって一体化し、繊維強化樹脂層25Cの裏面側に繊維シート24を設けた構成としている。
上記構成とされた本変形例に係る表面化粧パネル20Cにおいても上記した例と概ね同様の効果を奏する。
また、上記した各例に係る表面化粧パネル20,20A,20B,20Cの互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記した各例に係る表面化粧パネル20,20A,20B,20Cは、化粧パネル1の化粧面を構成するように設けられるものに限られず、例えば、既設の開口枠や窓枠、廻縁、巾木等の既設内装建材を覆うカバー等として用いられるものでもよい。
10 パネル芯材
20,20A〜20C 表面化粧パネル
21 化粧層
22,22A,22B 樹脂層
24,24A,24B 繊維シート
25,25A〜25C 繊維強化樹脂層
26 角部折曲溝(折曲溝)
27 端部折曲溝(折曲溝)
Claims (6)
- 化粧層の裏面側に樹脂層を介在させて繊維シートを含む繊維強化樹脂層を設けた構成とされており、
前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂主成分がポリ塩化ビニル樹脂であることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1において、
前記繊維シートは、前記繊維強化樹脂層の厚さ方向一方側及び厚さ方向他方側のうちの両方または一方に偏在するように埋込状に設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1または2において、
前記樹脂層を構成する樹脂主成分がポリ塩化ビニル樹脂であることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記樹脂層及び前記繊維強化樹脂層の両方または一方には、無機発泡体が含有されていることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
当該表面化粧パネルの裏面側には、溝底が前記樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。 - パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする化粧パネル。
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