JP2018144936A - 巻上機およびエレベーター装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁ブレーキに用いられる鉄片の小型化を実現する巻上機を提供する。【解決手段】エレベーター装置に設けられ、かごに連結されたロープを巻き上げることによりかごを昇降させる巻上機であって、ロープが巻き掛けられた綱車と、綱車と共に回転駆動するブレーキディスクと、コイルを内部に有する第1の鉄片、コイルへの通電によって第1の鉄片側に磁気吸引される第2の鉄片、ブレーキディスクに押し当てられるブレーキパッド、およびブレーキパッドをブレーキディスクに押し当てるためのばねを有する電磁ブレーキ装置と、を備え、電磁ブレーキ装置は、第1の鉄片の外周よりも外側に支持部を有し、ばねは、支持部と第2の鉄片との間に設けられるようにした。【選択図】図6

Description

本発明は巻上機およびエレベーター装置に関し、例えばエレベーター装置の巻上機における電磁ブレーキ装置に適用して好適なものである。
従来、巻上機に用いられてきた電磁ブレーキ装置は、ワイヤを巻取る巻胴と、巻胴を枢支する軸受とを1つのユニットとし、当該ユニットは別個に、電磁ブレーキ装置を付設した構造を有する。そのため、巻上機本体と電磁ブレーキ装置とを合わせた全体の構造が複雑化し、電磁ブレーキ装置の容積のコンパクト化を図ることが困難であった。
近年、装置の小型化を図った電磁ブレーキ装置の構成として、固定鉄片の内部にばねが配置される構造が開示されている(特許文献1参照)。
特開2000−230593号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、固定鉄片の内部にばねを配置するため、配置に占められた領域分だけ磁極面の面積を増加させる必要があり、固定鉄片の寸法が大きくなる。さらに、例えば大容量巻上機の電磁ブレーキでは、大きな出力を得るために磁極面積を大きくする必要があるため、固定鉄片の寸法が大きくなる。このように、固定鉄片の材料寸法が大きくなってしてしまう問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電磁ブレーキに用いられる鉄片の小型化を実現し得る巻上機を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、エレベーター装置に設けられ、かごに連結されたロープを巻き上げることにより前記かごを昇降させる巻上機であって、前記ロープが巻き掛けられた綱車と、前記綱車と共に回転駆動するブレーキディスクと、コイルを内部に有する第1の鉄片、前記コイルへの通電によって前記第1の鉄片側に磁気吸引される第2の鉄片、前記ブレーキディスクに押し当てられるブレーキパッド、および前記ブレーキパッドを前記ブレーキディスクに押し当てるためのばねを有する電磁ブレーキ装置と、を備え、前記電磁ブレーキ装置は、前記第1の鉄片の外周よりも外側に支持部を有し、前記ばねは、前記支持部と前記第2の鉄片との間に設けられているようにした。
本発明によれば、電磁ブレーキに用いられる鉄片の小型化を実現することができる。
第1の実施の形態による巻上機が設けられたエレベーター装置の構成を示す概略図である。 第1の実施の形態による巻上機の構成を示す正面図である。 第1の実施の形態による巻上機の構成を示す側面図である。 第1の実施の形態による電磁ブレーキ装置の側面断面図である。 第1の実施の形態による第1の鉄片およびプレートの側面図である。 第1の実施の形態による第1の鉄片およびプレートの正面断面図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
本実施の形態にかかるエレベーター装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、建物構造物内に形成された昇降路1の上方に機械室2を有するエレベーター構造を示す。図1に示すように、エレベーター装置は、昇降路1内を昇降するかご3と、つりあいおもり4と、機械室2内に設けられる巻上機5と、そらせ車6と、ロープ7と、を備える。巻上機5は、エレベーター装置に設けられ、かご3に連結されたロープ7を巻き上げることによりかご3を昇降させる。より具体的には、巻上機5は、機械室2内に配置され、ロープ7を介してかご3およびつりあいおもり4をつるべ式に昇降させるものである。
次に、図2および図3を参照して巻上機5について説明する。図2は、巻上機5の正面図であり、図3は、巻上機5の側面図である。
図2に示すように、巻上機5は、固定ベース10上に構成され、固定ベース10には、駆動モータ11の近傍に配置した軸受け台12と、ペデスタル14とがそれぞれ固定されている。軸受け台12とペデスタル14との間には、かご3に連結されたロープ7が巻き掛けられた綱車13と、綱車13よりも径の大きなブレーキディスク8とが設けられる。このブレーキディスク8は、綱車13と共に回転駆動する。また、図3に示すように、ペデスタル14に形成された支持腕部15にブレーキディスク8の駆動を制動する電磁ブレーキ装置9が取り付けられている。
次に、図4を参照して電磁ブレーキ装置9について説明する。図4は、電磁ブレーキ装置9の正面断面図である。
図4において、支持腕部15には、ブレーキボディ16を摺動可能にガイドするためのガイド部25と、規制部材23を支持腕部15に固定する固定部材26とが設けられる。
ガイド部25には、ブレーキディスク8に対して垂直方向に往復運動(平行移動)可能にブレーキボディ16が接続され、ブレーキボディ16は、第1の鉄片17およびピン27と連結されている。ピン27には、パッドホルダ28bが設けられ、パッドホルダ28bには、ブレーキパッド21bが設けられる。第1の鉄片17の外周よりも外側には、電磁石に吸引されない物質からなるプレート22が設けられる。また、ブレーキボディ16は、軸受け29を備える。このように、ブレーキボディ16、第1の鉄片17、ピン27、パッドホルダ28b、ブレーキパッド21b、プレート22、および軸受け29(第1の鉄片群)は、一体化されている。
また、軸受け29は、ブレーキディスク8に対して垂直方向に往復運動(平行移動)可能に連結部材30を支持し、連結部材30は、第2の鉄片19とパッドホルダ28aとを連結する。第2の鉄片19には、第1の鉄片17および第2の鉄片19を互いに摺動(平行移動)させるためのロッド31が設けられ、パッドホルダ28aには、ブレーキパッド21aが設けられる。このように、連結部材30、第2の鉄片19、パッドホルダ28a、ブレーキパッド21a、およびロッド31(第2の鉄片群)は、一体化されている。
また、図4に示すように、第1の鉄片17の外周よりも外側に設けられたプレート22と第2の鉄片19との間には第1のばね20が配置され、プレート22(より詳細には、プレート22に取り付けられた板材)と規制部材23との間には、第2のばね24が配置される。また、第1の鉄片17は、コイル18を内部に有する。本実施の形態では、第1のばね20を支持する支持部の一例としてプレート22を例に挙げて説明するが、支持部は、板状に限られるものではなく、箱状、H形状など、その他の形状であってもよい。
(コイル非通電時)
第1の鉄片17に内蔵されたコイル18を通電させないとき、第1のばね20のばね力により、ブレーキディスク8の両側に対向するように配置されたブレーキパッド21a、21bがブレーキディスク8に押し付けられる。より具体的には、ブレーキボディ16には軸受け29が設けられると共にガイド部25が接続されるので、第1のばね20のばね力により、第2の鉄片群は、ブレーキディスク8の方向(第1の方向)に移動し、第1の鉄片群は、当該方向とは反対方向(第2の方向)に移動することで、ブレーキディスク8に対して垂直にブレーキパッド21a、21bが押し付けられ、綱車13の回転を静止させる。
(コイル通電開始時)
第1の鉄片17に内蔵されたコイル18を通電させると、第1の鉄片17が第2の鉄片19よりも重たいため、第1の鉄片17側に第2の鉄片19が磁気吸引され、第2の鉄片19がブレーキディスク8とは反対方向(第2の方向)に移動し、ブレーキパッド21aがブレーキディスク8より離れる。
そして、規制部材23に第2の鉄片19が当たることにより、第2の鉄片19が第1の鉄片17側に移動できなくなるため、第1の鉄片17が、第2の鉄片19側に移動、すなわちブレーキディスク8の方向(第1の方向)に移動する。第1の鉄片17の移動に伴い、ブレーキボディ16およびブレーキパッド21bも同様にブレーキディスク8の方向に移動し、ブレーキパッド21bがブレーキディスク8より離れる。
(コイル通電終了時)
コイル18の通電が断たれた後は、第1のばね20によって第2の鉄片19がブレーキディスク8側(第1の方向)に押し出されることによって、第2の鉄片19に接続されているブレーキパッド21aがブレーキディスク8側(第1の方向)に押し出され、ブレーキディスク8に押し当てられる。そして、主に第2のばね24によってブレーキディスク8とは反対側(第2の方向)に第1の鉄片17が押し出され、第1の鉄片17に接続されたブレーキボディ16も第2の方向に移動することによって、ブレーキパッド21bは、ブレーキディスク8に押し当てられる。かかる構成により、ブレーキパッド21a、21bのどちらか片側のみがブレーキディスク8に当たらないよう(換言するならば、ブレーキパッド21a、21bの両方がブレーキディスク8に押し当てられる態様)にする。
図5は、巻上機5の電磁ブレーキ装置9に設けられる第1の鉄片17およびプレート22の側面図である。
第1の鉄片17の外周よりも外側に設けられたプレート22には、ばね穴32が6個設けられる。プレート22のばね穴32に第1のばね20を配置することにより、第1の鉄片17の内部に設けられるコイル18の内径側と外径側との領域である吸引面33(磁極面)には、配置される部品が無い状態となる。
また、第1の鉄片17には、溝部34が設けられ、溝部34の奥面35までコイル18が挿入されて樹脂が注入される。
図6は、巻上機5の電磁ブレーキ装置9に設けられた第1の鉄片17およびプレート22の正面断面図である。
図6に示すように、第1の鉄片17は、吸引面33と反対側の外径が吸引面33側の外径よりも大きくなるように段差部が形成される。段差部には、吸引面33と平行となる段差面36が設けられている。
第1の鉄片17は、プレート22に圧入されることによって固定される。圧入は、段差面36とプレート22とが接するまで行われる。第1の鉄片17がプレート22に圧入されているとき、第1の鉄片17と接するプレート22の面である摩擦面37は、第1の鉄片17のコイル18が設けられている溝部34の奥面35よりも段差部側(奥側)に位置している。すなわち、第1の鉄片17がプレート22に圧入されている部位の内側ではない第1の鉄片17の内部にコイル18が設けられている。
以上のように、プレート22を第1の鉄片17の外周上に設け、プレート22に第1のばね20を設けることで、吸引面33に配置される部品が無くなるため、その配置されていた領域分だけ第1の鉄片17の径を減らすことができ、第1の鉄片17の小型化を図ることができる。
従来は、固定鉄片(第1の鉄片17に対応する鉄片)の内部に設けられるばねにより磁界が乱れ、吸引力を安定させ難い問題がある。この点、本実施の形態では、第1の鉄片17の外部にばね20が設けられ、吸引面33に配置される部品が無いため、第1の鉄片17の内部にばね20が設けられる場合と比べ、安定した吸引力を確保でき、吸引力の安定化を図ることができる。さらに、吸引力の安定化により磁束密度を上げることができるため、第1の鉄片17の大型化を緩和することができる。このように、本実施の形態によれば、電磁ブレーキ9の性能を高めることができる。
また従来は、固定鉄片を金属材料から形成していたため、仮に、第1の鉄片17とプレート22とが一体となった形状を1つの金属材料から形成する場合は、大型の金属材料が必要となる。この点、本実施の形態では、プレート22は、電磁石の吸引力に寄与しないので、第1の鉄片17とプレート22とを別体として問題なく、第1の鉄片17と同じ材料である必要もない。したがって、第1の鉄片17とプレート22とを別体としたことにより、吸着力を発生させる鉄片の形成に必要な金属材料は、第1の鉄片17を成型できる大きさ(寸法)があれば十分であるので、必要な金属材料の寸法は、一体成型の場合と比べて小さく済むことになる。
また、第1の鉄片17とプレート22とをねじ等で固定した場合、磁界がねじ等によって乱れることによって、安定した出力が得られない場合があるが、第1の鉄片17とプレート22とが圧入されることによって、吸引面33だけでなくコイル18の周辺部に磁界に影響を及ぼさないため、安定した吸引力を得ることができる。ただし、第1の鉄片17とプレート22とは、出力を十分に確保できるのであれば、ねじ等で固定してもよい。
また、段差部の段差面36とプレート22とを接触させることによって、圧入量を一定化することができる。圧入量を一定化させることにより、第1のばね20の撓み量についても一定とすることができる。さらに、第1のばね20の撓み量を一定にすることが可能である場合、圧入でなく、第1の鉄片17の外径は、吸引面33側よりも吸引面33の反対側の方が大きい構造とすることによって、プレート22が外れないようにプレート22をはめ合わせてもよい。
また、段差部によれば、第1のばね20の弾性力によってプレート22が外れることを防ぐことができる。ただし、第1のばね20の弾性力によってプレート22が外れない場合、段差部を設けずに、第1の鉄片17の外径は一定としてもよい。
また、プレート22の摩擦面37は、第1の鉄片17のコイル18が設けられている溝部34の奥面35よりも奥側で圧入されることにより、圧入による力がコイル18の周りを覆う樹脂に加わらないので、樹脂が割れることを防ぐことができる。
(2)他の実施の形態
なお上述の形態においては、本発明を巻上機5の電磁ブレーキ装置9に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の電磁ブレーキ装置に広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、電磁ブレーキ装置9を2つ設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電磁ブレーキ装置9は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また上述の実施の形態においては、一の電磁ブレーキ装置9に第1のばね20を6つ設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一の電磁ブレーキ装置9は、第1のばね20を1つ備えてもよいし、6つ以外の複数備えてもよい。また、第1のばね20を複数設ける場合、各第1のばね20がバランスよく(例えば、対称に、均等に)配置されることが好適である。
また上述の実施の形態においては、第1の鉄片17が段差部を備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の鉄片17は、段差部を備えることなく、円錐台、角錐台などの形状であってもよい。
また上述の実施の形態においては、第1の鉄片17の吸引面33の端部と反対の端部に段差部を備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、段差部は、第1の鉄片17の吸引面33の端部と反対側の任意の位置に設けられてもよい。
また上述の実施の形態においては、電磁ブレーキ装置9は、第1の鉄片17の外周に段差部を備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電磁ブレーキ装置9は、第1の鉄片17の外側(外周の一部)に一または複数の段差部を備えてもよい。
また上述の実施の形態においては、第1の鉄片17の段差部と異なる部位でプレート22に圧入される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の鉄片17の段差部でプレート22に圧入されてもよい。
また上述の実施の形態においては、ブレーキパッド21a(パッドホルダ28a)を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ブレーキパッド21a(パッドホルダ28a)を複数設ける構成としてもよい。
また上述の実施の形態においては、ブレーキパッド21b(パッドホルダ28b)を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ブレーキパッド21b(パッドホルダ28b)を複数設ける構成としてもよい。
1……昇降路、2……機械室、3……かご、4……つりあいおもり、5……巻上機、6……そらせ車、7……ロープ、8……ブレーキディスク、9……電磁ブレーキ装置、13……綱車、17……第1の鉄片、18……コイル、19……第2の鉄片、20……第1のばね、21a,21b……ブレーキパッド、22……プレート

Claims (6)

  1. エレベーター装置に設けられ、かごに連結されたロープを巻き上げることにより前記かごを昇降させる巻上機であって、
    前記ロープが巻き掛けられた綱車と、
    前記綱車と共に回転駆動するブレーキディスクと、
    コイルを内部に有する第1の鉄片、前記コイルへの通電によって前記第1の鉄片側に磁気吸引される第2の鉄片、前記ブレーキディスクに押し当てられるブレーキパッド、および前記ブレーキパッドを前記ブレーキディスクに押し当てるためのばねを有する電磁ブレーキ装置と、
    を備え、
    前記電磁ブレーキ装置は、前記第1の鉄片の外周よりも外側に支持部を有し、
    前記ばねは、前記支持部と前記第2の鉄片との間に設けられている、
    ことを特徴とする巻上機。
  2. 前記第1の鉄片は、前記支持部に圧入されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  3. 前記第1の鉄片が前記支持部に圧入されている部位の内側ではない前記第1の鉄片の内部に前記コイルが設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の巻上機。
  4. 前記第1の鉄片の外径は、前記第2の鉄片を吸引する吸引面側よりも前記吸引面側の反対側の方が大きい、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の巻上機。
  5. 前記第1の鉄片には、前記第1の鉄片の外径が前記第2の鉄片を吸引する吸引面側よりも前記吸引面側の反対側の方が大きくなるように、段差部が設けられ、
    前記第1の鉄片は、前記支持部が前記段差部と接して前記支持部に圧入されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の巻上機。
  6. 請求項1に記載の巻上機を備えるエレベーター装置。
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