JP2016060604A - 巻上機、エレベータ及び電磁ブレーキ装置の調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部材の寸法の調整を行うことなく吸引力が異なる電磁ブレーキ装置の制御部の共通化を図ることができる巻上機、エレベータ及び電磁ブレーキ装置の調整方法を提供する。【解決手段】巻上機120は、綱車と、ドラムと、電磁石を有する電磁ブレーキ装置10と、を備えている。電磁石を構成する電磁コイル12は、可動部材14を吸引する吸引力に基づいて、電磁コイル12の巻数、電磁コイル12の平均径、電磁コイル12を形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値のうち少なくとも一つが調整可能である。【選択図】図2
Description
本発明は、乗りかごを乗降動作させる巻上機及び、この巻上機を備えたエレベータ、並びに電磁ブレーキ装置の調整方法に関するものである。
従来、エレベータは、乗りかごと、釣合錘と、乗りかごと釣合錘とを連結するロープと、このロープが巻回される巻上機とを備えている。巻上機は、主軸と、主軸に回転可能に支持され、ロープが巻回される綱車と、綱車に接続されるドラムとを有している。また、安全のために、巻上機には、ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置が設けられている。
電磁ブレーキ装置は、通電により電磁石を構成する電磁コイルと、電磁コアと、この電磁コイル及び電磁コアにより可動する可動部材と、可動部材に設けられたブレーキシューとを有している。そして、電磁ブレーキ装置は、電磁コイルに通電又は電磁コイルへの通電を停止させることで、可動部材を可動させて、ドラムの駆動を制動する。
また、エレベータは、設置される物件ごとに応じてドラムを駆動する制動力が異なっている。そして、制動力が変化することで、電磁コイルと電磁コアで構成される電磁石の吸引力も変化する。
特許文献1に記載された技術には、ドラムに摩擦接触するブレーキシューと、ブレーキシューを支持するアームと、吸引力によりアームを吸引するプランジャと、通電によりプランジャに吸引力を発生させるコイルとを有している。この特許文献1に記載された技術では、吸引力を調整するために、コイル内へ挿入されるプランジャの長手方向の寸法を調整することで、吸引力を調整している。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、エレベータが設置される物件ごとに可動部材であるプランジャの長手方向の寸法を調整する必要があったため、長さを調整するための部品が必要となり、部品点数が増加する、という問題を有していた。
また、従来の電磁ブレーキ装置では、電磁コイルに生じる吸引力を調整するために、電磁コイルに通電させる電流値や電圧値を変化させていた。そのため、吸引力が異なる電磁ブレーキ装置に応じて、電磁コイルへ通電させる電流値及び電圧値が異なる制御部を用意する必要があった。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、可動部材の寸法の調整を行うことなく吸引力が異なる電磁ブレーキ装置の制御部の共通化を図ることができる巻上機、エレベータ及び電磁ブレーキ装置の調整方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の巻上機は、乗りかごに連結されたロープが巻回される巻上機において、綱車と、ドラムと、電磁ブレーキ装置と、を備えている。綱車には、ロープが巻き掛けられる。ドラムは、綱車に接続され、綱車と共に回転駆動する。電磁ブレーキ装置は、ドラムの駆動を制動する。また、電磁ブレーキ装置は、ブレーキシューと、可動部材と、付勢ばねと、電磁石と、を有している。ブレーキシューは、ドラムに摩擦接触する摩擦材を有する。可動部材は、ブレーキシューを支持する。付勢ばねは、可動部材を付勢し、ブレーキシューをドラムに押し付ける。電磁石は、付勢ばねの付勢力に抗して可動部材を吸引し、ブレーキシューをドラムから離間させる。さらに、電磁石を構成する電磁コイルは、可動部材を吸引する吸引力に基づいて、電磁コイルの巻数、電磁コイルの平均径、電磁コイルを形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値のうち少なくとも一つが調整可能である。
また、本発明のエレベータは、昇降路内を昇降する乗りかごと、乗りかごとロープを介して連結される釣合錘と、ロープを巻き掛けることにより乗りかごを昇降させる巻上機と、を備えている。また、巻上機は、上述した巻上機が用いられる。
さらに、本発明の電磁ブレーキ装置の調整方法は、以下(1)及び(2)に示す工程を含んでいる。
(1)電磁ブレーキ装置における電磁石の吸引力を設定する工程。
(2)設定された吸引力に基づいて、電磁石を構成する電磁コイルの巻数、電磁コイルの平均径、電磁コイルを形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値のうち少なくとも一つを調整する工程。
そして、電磁コイルの抵抗値が、吸引力が異なる他の電磁ブレーキ装置を構成する電磁コイルの抵抗値と同じ値となるように、電磁コイルの巻数、電磁コイルの平均径、電磁コイルを形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値を調整する。
(1)電磁ブレーキ装置における電磁石の吸引力を設定する工程。
(2)設定された吸引力に基づいて、電磁石を構成する電磁コイルの巻数、電磁コイルの平均径、電磁コイルを形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値のうち少なくとも一つを調整する工程。
そして、電磁コイルの抵抗値が、吸引力が異なる他の電磁ブレーキ装置を構成する電磁コイルの抵抗値と同じ値となるように、電磁コイルの巻数、電磁コイルの平均径、電磁コイルを形成する銅線の径、及び銅線の抵抗値を調整する。
本発明の巻上機、エレベータ及び電磁ブレーキ装置の調整方法によれば、可動部材の寸法の調整を行うことなく吸引力が異なる電磁ブレーキ装置の制御部の共通化を図ることができる。
以下、本発明の巻上機及びエレベータの実施の形態例について、図1〜図6を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1−1.エレベータの構成
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベータの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベータの構成例を示す概略構成図である。
1−1.エレベータの構成
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベータの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベータの構成例を示す概略構成図である。
[エレベータ]
本例のエレベータ1は、建物構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベータである。図1に示すように、エレベータ1は、昇降路100内を昇降する乗りかご110と、巻上機120と、釣合錘130と、2つの従動プーリ140,150と、ロープ170とを備えている。
本例のエレベータ1は、建物構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベータである。図1に示すように、エレベータ1は、昇降路100内を昇降する乗りかご110と、巻上機120と、釣合錘130と、2つの従動プーリ140,150と、ロープ170とを備えている。
乗りかご110の下部には、せり上げ用プーリ111が設けられている。また、乗りかご110の上部には、手摺り10が設けられている(図2参照)。なお、乗りかご110及び手摺り10の詳細な構成については、後述する。
巻上機120は、昇降路100の最下部に配置されており、ロープ170を介して乗りかご110及び釣合錘130をつるべ式に昇降させるものである。2つの従動プーリ140,150は、昇降路100の上部に固定されている。
ロープ170の一端と他端は、昇降路100の最上部に固定されている。このロープ170は、釣合錘130に設けられた錘側プーリ131から第1の従動プーリ140に装架され、そして巻上機120、第2の従動プーリ150、乗りかご110のせり上げ用プーリ111の順に巻き掛けられている。
巻上機120は、昇降路100内に配置され、フレーム121と、駆動シーブ(綱車)122と、ドラム123と、2つの電磁ブレーキ装置10,10と、モータ(図示省略)と、を有している。フレーム121は、昇降路100内に立設され、駆動シーブ122、ドラム123、2つの電磁ブレーキ装置10,10及びモータを支持している。
駆動シーブ122は、略円板状に形成され、外周面には、ロープ170が巻き掛けられている。ドラム123は、駆動シーブ122よりも大径の略円板状に形成され、且つ、駆動シーブ122と一体的に形成されている。モータは、駆動シーブ122及びドラム123を回転駆動させる。
駆動シーブ122がモータによって回転すると、ロープ170が駆動し、乗りかご110及び釣合錘130が昇降路内を昇降する。
2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123を挟んで上下方向に対向するように、フレーム121に支持されている。2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123の外周面に当接して、ドラム123及び駆動シーブ122を制動する。
なお、本例では、2つの電磁ブレーキ装置10,10を上下方向に対向するように配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123を挟んで水平方向と平行をなす方向に対向するように配置してもよく、あるいはドラム123の上下方向の上側において所定の角度を開けて配置してもよい。
次に、図2〜図4を参照して本例の電磁ブレーキ装置10について説明する。
図2は、本例の電磁ブレーキ装置10を示す断面図、図3は、本例の電磁ブレーキ装置10における電磁コアを示す平面図、図4は、本例での電磁ブレーキ装置10がドラム123を制動する状態を示す断面図である。
図2は、本例の電磁ブレーキ装置10を示す断面図、図3は、本例の電磁ブレーキ装置10における電磁コアを示す平面図、図4は、本例での電磁ブレーキ装置10がドラム123を制動する状態を示す断面図である。
図2に示すように、電磁ブレーキ装置10は、電磁コア11と、電磁コイル12と、付勢ばね13と、可動部材14と、ブレーキシュー15と、ドラム123に摩擦接触する摩擦材16と、ガイドピン17とを有している。
電磁コア11は、円柱状に形成されている。図2及び図3に示すように、電磁コア11における軸方向の一側の端面11cには、円環状の取付溝部11aと、複数の凹部11bが形成されている。図3に示すように、複数の凹部11bは、取付溝部11aの半径方向の外側に略等角度間隔に設けられている。取付溝部11aには、電磁コイル12が配置され、複数の凹部11bには、付勢ばね13が配置されている。付勢ばね13は、凹部11bに配置されて、電磁コア11と後述する可動部材14の間に介在される。電磁コア11の端面11cは、ドラム123と対向する。
なお、本例では、電磁コア11を円柱状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、角柱状や楕円柱状等その他各種の形状で電磁コア11を形成してもよい。
電磁コイル12は、所定の巻数で巻回されて、固定樹脂等の固定手段により取付溝部11aに固定されている。電磁コア11及び電磁コイル12は、不図示の制御部により制御されて、通電により電磁石を構成している。そして、電磁コア11の端面11cが、可動部材14を吸着する吸着面となる。なお、電磁コイル12の巻数、図5に示す平均径及び電磁コイルを形成する銅線の径の詳細については、後述する。
また、電磁コア11の端面11cには、ガイドピン17が設けられている。ガイドピン17は、電磁コア11の端面11cからドラム123に向けて略垂直に突出している。ガイドピン17には、可動部材14が摺動可能に支持されている。
可動部材14は、略平板状に形成されている。可動部材14には、ガイドピン17が挿通する支持孔14aが設けられている。可動部材14における電磁コア11と反対側の一面には、ブレーキシュー15が固定されている。そして、ブレーキシュー15における可動部材14と反対側の一面には、ドラム123に押し付けられる摩擦材16が設けられている。摩擦材16をドラム123に押し付けることで、ドラム123及び駆動シーブ122を制動する。
可動部材14は、電磁コア11に取り付けた付勢ばね13により電磁コア11から離間する方向に付勢されている。なお、巻上機120(図1参照)の運転時には、電磁コイル12が通電されており、可動部材14は、付勢ばね13の付勢力に抗して電磁コア11の端面11c側に吸引される。これにより、摩擦材16及びブレーキシュー15は、ドラム123から離間する。
これに対し、図4に示すように、巻上機120(図1参照)の停止時には、電磁コイル12への通電が停止し、電磁コア11及び電磁コイル12の磁性が消去される。そのため、可動部材14は、付勢ばね13により付勢されて電磁コア11の端面11cから離間する方向に移動する。これにより、摩擦材16がドラム123に押圧され、巻上機120のドラム123が制動される。
次に、図2〜図5を参照して、本例の電磁ブレーキ装置10の調整方法について説明する。
図5は、電磁コイル12の寸法を示す説明図である。
図5は、電磁コイル12の寸法を示す説明図である。
まず、電磁ブレーキ装置10における電磁吸引力F(N)を設定する。電磁吸引力Fは、吸引面の磁束密度(T)をBg、吸引面の面積(m2)をS、真空中の透磁率をμ0とすると、次の式1により算出される。なお、図3に示すように、吸引面の面積Sは、電磁コア11の端面11cから取付溝部11a及び複数の凹部11bと、ガイドピン17を除いた面積である。
[式1]
F=1/(2×μ0)×Bg2×S
[式1]
F=1/(2×μ0)×Bg2×S
また、吸引面の磁束密度Bgは、電磁コア11の損失を考慮した係数をK、起磁力(A)をN・I、電磁コイル12の空隙(m)をGとした場合、次の式2より算出される。なお、Nは、電磁コイル12の巻数であり、Iは、電磁コイル12に流れる電流値である。
[式2]
Bg=K×μ0×(N・I)/G
[式2]
Bg=K×μ0×(N・I)/G
また、電磁コイル12に流れる電流値Iは、電磁コイル12の全起磁力(A)をΣATとした場合、下記式3より算出される。
[式3]
I=(ΣAT)/N
[式3]
I=(ΣAT)/N
さらに、電磁コイル12の抵抗値Rは、図5に示すように、電磁コイル12を形成する銅線12aの抵抗をρ、電磁コイル12の平均径(m)をDm、銅線12aの径(m)をdとすると、次の式4より算出される。
[式4]
R=(ρπDmN)/(π/4)/d2
[式4]
R=(ρπDmN)/(π/4)/d2
なお、電磁コイル12に通電される電流値Iと電圧値を一定にするために、電磁コイル12の抵抗値Rは、一定となる。そして、設定された電磁吸引力Fに基づいて、上述する式3で算出される電流値I及び式4で算出される抵抗値Rを一定の値となるように、電磁コイル12の巻数N、電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dを調整する。なお、電磁コイル12の巻数N、電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dの調整は、電磁コイル12の巻数N、電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dのうち少なくとも一つを調整すればよい。
そして、図5に示すように、銅線12aの径d、平均径がDmに設定されるように、外径がD、内径がDnになるように電磁コイル12を調整する。次に、調整した電磁コイル12を電磁コア11の取付溝部11aに取り付け、固定用の樹脂や接着剤により電磁コイル12を電磁コア11に固定する。次に、図1に示すように、電磁コア11に付勢ばね13取り付けると共に、ガイドピン17に可動部材14を摺動可能に取り付ける。なお、可動部材14の一面には、ブレーキシュー15及び摩擦材16が固定されている。これにより、電磁ブレーキ装置10の調整の工程が完了する。
電磁コア11に形成される取付溝部11aの外径は、電磁コイル12の外径Dと等しく、あるいは大きく形成される。また、取付溝部11aの内径は、電磁コイル12の内径Dnと略等しく、あるいは小さく形成される。また、取付溝部11aにおける端面11cからの深さは、電磁コイル12の幅Wよりも長く形成されることが好ましい。
これにより、電磁吸引力Fに基づいて電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dを調整することで電磁コイル12の寸法が変化しても、電磁コア11の寸法を変更することなく、電磁コイル12を取付溝部11aに取り付けることができる。
また、所望される電磁吸引力Fの大きさが異なる電磁ブレーキ装置の場合でも、式3で算出される電流値I及び式4で算出される抵抗値Rが同じ値になるように、電磁コイル12の巻数N、電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dを調整する。これにより、所望される電磁吸引力Fの大きさが異なる2種類以上の電磁ブレーキ装置における電磁コイル12に通電される電流値Iと電圧値をそれぞれ同じ値にすることができる。その結果、所望される電磁吸引力Fの大きさ異なる2種類以上の電磁ブレーキ装置における電磁コイル12を制御する制御部の共通化を図ることができる。
また、電磁コイル12の巻数N、電磁コイル12の平均径Dm、銅線12aの抵抗ρ及び銅線12aの径dのいずれかを調整することで、可動部材14と電磁コア11の間隔や、可動部材14の可動範囲を変更することなく、電磁吸引力Fを調整することができる。すなわち、可動部材14の寸法を変えるために機械的な調整を行うことなく、電磁コイル12に通電される電流値I及び電圧値を一定にすると共に電磁吸引力Fの調整を行うことができる。
2.第2の実施の形態例
次に、図6を参照して電磁ブレーキ装置の第2の実施の形態例について説明する。
図6は、第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の断面図である。
次に、図6を参照して電磁ブレーキ装置の第2の実施の形態例について説明する。
図6は、第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の断面図である。
図6に示すように、この第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置20が、第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と異なる点は、第2付勢ばね28を設けた点である。そのため、ここでは、第2付勢ばね28について説明し、第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
電磁コア21における端面21cには、取付溝部21aと、複数の第1凹部21bと、複数の第2凹部21dが形成されている。第2凹部21dは、取付溝部21aの半径方向の内側に設けられている。第1凹部21bには、第1付勢ばね13が配置され、第2凹部21dには、第2付勢ばね28が配置される。
第2付勢ばね28は、第1付勢ばね13と同様に、電磁コア21と可動部材14の間に介在される。そして、第2付勢ばね28は、可動部材14を電磁コア11の端面21cから離間する方向に付勢する。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる電磁ブレーキ装置10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する電磁ブレーキ装置20よっても、上述した第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。上述した実施の形態では、可動部材14をガイドピン17によって摺動可能に支持する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一対の可動部材を回動ピンにより回動可能に支持し、一対のブレーキシューによりドラムの両側を挟持するように構成してもよい。
1…エレベータ、 10…電磁ブレーキ装置、 11…電磁コア、 11a…取付溝部、 11b…凹部、 11c…端面、 12…電磁コイル、 12a…銅線、 14…可動部材、 14a…支持孔、 15…ブレーキシュー、 16…摩擦材、 17…ガイドピン、 100…昇降路、 110…乗りかご、 120…巻上機、 121…フレーム、 122…駆動シーブ(綱車)、 123…ドラム、 130…釣合錘、 170…ロープ
Claims (5)
- 乗りかごに連結されたロープが巻回される巻上機において、
前記ロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車に接続され、前記綱車と共に回転駆動するドラムと、
前記ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備え、
前記電磁ブレーキ装置は、
前記ドラムに摩擦接触する摩擦材を有するブレーキシューと、
前記ブレーキシューを支持する可動部材と、
前記可動部材を付勢し、前記ブレーキシューを前記ドラムに押し付ける付勢ばねと、
前記付勢ばねの付勢力に抗して前記可動部材を吸引し、前記ブレーキシューを前記ドラムから離間させる電磁石と、を有し、
前記電磁石を構成する電磁コイルは、前記可動部材を吸引する吸引力に基づいて、前記電磁コイルの巻数、前記電磁コイルの平均径、前記電磁コイルを形成する銅線の径、及び前記銅線の抵抗値のうち少なくとも一つが調整可能である
巻上機。 - 前記電磁コイルの抵抗値は、前記吸引力が異なる他の電磁ブレーキ装置を構成する電磁コイルの抵抗値と同じ値に設定される
請求項1に記載の巻上機。 - 前記電磁石の吸引力をF、前記電磁石の吸引面の磁束密度をBg、前記吸引面の面積をS、真空中の透磁率をμ0、前記電磁石を構成する電磁コアの損失を考慮した係数をK、前記電磁コイルに流れる電流値をI、前記電磁石の起磁力をN・I、前記電磁コイルの空隙をG、前記電磁コイルの全起磁力をΣAT、前記電磁コイルの抵抗値をRとし、前記電磁コイルの巻数をN、前記電磁コイルの平均径をDm、前記銅線の径をd、及び前記銅線の抵抗値をρとした場合、前記電磁コイルの巻数をN、前記電磁コイルの平均径をDm、前記銅線の径をd、及び前記銅線の抵抗値をρは、次の式1〜式4を満たす
式1
F=1/(2×μ0)×Bg2×S
式2
Bg=K×μ0×(N・I)/G
式3
I=(ΣAT)/N
式4
R=(ρπDmN)/(π/4)/d2
請求項1に記載の巻上機。 - 昇降路内を昇降する乗りかごと、
前記乗りかごとロープを介して連結される釣合錘と、
前記ロープを巻き掛けることにより前記乗りかごを昇降させる巻上機と、を備え、
前記巻上機は、
前記ロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車に接続され、前記綱車と共に回転駆動するドラムと、
前記ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備え、
前記電磁ブレーキ装置は、
前記ドラムに摩擦接触する摩擦材を有するブレーキシューと、
前記ブレーキシューを支持する可動部材と、
前記可動部材を付勢し、前記ブレーキシューを前記ドラムに押し付ける付勢ばねと、
前記付勢ばねの付勢力に抗して前記可動部材を吸引し、前記ブレーキシューを前記ドラムから離間させる電磁石と、を有し、
前記電磁石を構成する電磁コイルは、前記可動部材を吸引する吸引力に応じて、前記電磁コイルの巻数、前記電磁コイルの平均径、前記電磁コイルを形成する銅線の径、及び前記銅線の抵抗値のうち少なくとも一つが調整可能である
エレベータ。 - 乗りかごに連結されたロープが巻回される巻上機に設けられた電磁ブレーキ装置の調整方法において、
前記電磁ブレーキ装置における電磁石の吸引力を設定する工程と、
設定された前記吸引力に基づいて、前記電磁石を構成する電磁コイルの巻数、前記電磁コイルの平均径、前記電磁コイルを形成する銅線の径、及び前記銅線の抵抗値のうち少なくとも一つを調整する工程と、を含み、
前記電磁コイルの抵抗値が、前記吸引力が異なる他の電磁ブレーキ装置を構成する電磁コイルの抵抗値と同じ値となるように、前記電磁コイルの巻数、前記電磁コイルの平均径、前記電磁コイルを形成する銅線の径、及び前記銅線の抵抗値を調整する
電磁ブレーキ装置の調整方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108529167A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-09-14 | 宁波辉励铭诚汽车零部件有限公司 | 一种运输装置停电制动保护装置 |
EP3805213A2 (en) | 2015-06-18 | 2021-04-14 | Nippon Soda Co., Ltd. | 1-(2-(ethylsulfonyl)-phenyl)-4-(phenyl)-1h-1,2,3-triazole and 4-(2-(ethylsulfonyl)-phenyl)-1-(phenyl)-1h-1,2,3-triazole and related compounds derivatives as pesticides |
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2014
- 2014-09-19 JP JP2014190800A patent/JP2016060604A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3805213A2 (en) | 2015-06-18 | 2021-04-14 | Nippon Soda Co., Ltd. | 1-(2-(ethylsulfonyl)-phenyl)-4-(phenyl)-1h-1,2,3-triazole and 4-(2-(ethylsulfonyl)-phenyl)-1-(phenyl)-1h-1,2,3-triazole and related compounds derivatives as pesticides |
CN108529167A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-09-14 | 宁波辉励铭诚汽车零部件有限公司 | 一种运输装置停电制动保护装置 |
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