JP6449747B2 - 電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベータ - Google Patents

電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベータ Download PDF

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Description

本発明は、被制動体を制動する電磁ブレーキ装置、この電磁ブレーキ装置を備えた巻上機、及びエレベータに関するものである。
従来、エレベータは、乗りかごと、釣合錘と、乗りかごと釣合錘とを連結するロープと、このロープが巻回される巻上機とを備えている。巻上機は、主軸と、主軸に回転可能に支持され、ロープが巻回される綱車と、綱車に接続されるドラムとを有している。また、安全のために、巻上機には、ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置が設けられている。
電磁ブレーキ装置は、通電により電磁石を構成する電磁コイルと、電磁コアと、この電磁コイル及び電磁コアにより可動する可動部材と、可動部材に設けられたブレーキシューとを有している。そして、電磁ブレーキ装置は、電磁コイルに通電又は電磁コイルへの通電を停止させることで、可動部材を可動させて、ドラムの駆動を制動する(例えば、特許文献1参照)。
また、電磁ブレーキ装置は、定常時に使用される定常用電源と、定常用電源が停電した際に使用される非常用電源を有している。そして、停電時においては、非常用電源を用いて電磁コイルを励磁させ、巻上機のドラムを駆動して、乗りかごを最寄り階に停止させている。
国際公開第2004/050527号
また、非常時における乗りかごの昇降速度は、定常時の昇降速度よりも低速で充分であり、さらに非常用電源は、停電時や非常時等の短時間しか使用されない。しかしながら、非常用電源の容量は、電磁コイルを定常時と同じように励磁させるために、定常用電源と同様の大きさとなっていた。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、非常用電源の容量を下げることができる電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベータを提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電磁ブレーキ装置は、被制動体を制動する電磁ブレーキ装置において、被制動体に当接するブレーキシューと、ブレーキシューを支持する可動部材と、付勢ばねと、電磁コイルと、電磁コアと、定常用電源と、非常用電源と、を備えている。付勢ばねは、可動部材を付勢し、ブレーキシューを被制動体に押し付ける。電磁コイルは、付勢ばねの付勢力に抗して可動部材を吸引し、ブレーキシューを被制動体から離反させる。電磁コアは、可動部材と対向し、電磁コイルが設けられる。定常用電源は、電磁コイルに定常時に電圧を印加する。非常用電源は、定常用電源が停止した際に、電磁コイルに電圧を印加する。また、電磁コイルは、分割された複数のコイル部を有している。そして、複数のコイル部は、定常用電源に直列に接続され、複数のコイル部のうち2つ以上のコイル部は、非常用電源に並列に接続される。
本発明の巻上機は、乗りかごに連結されたロープが巻回される巻上機において、ロープが巻き掛けられる綱車と、綱車に接続され、綱車と共に回転駆動するドラムと、ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備えている。また、電磁ブレーキ装置は、上述した電磁ブレーキ装置が用いられる。
さらに、本発明のエレベータは、乗りかご昇降動作させるエレベータにおいて、乗りかごとロープを介して連結される釣合錘と、ロープを巻き掛けることにより乗りかごを昇降させる巻上機と、を備えている。また、巻上機は、上述した巻上機が用いられる。
本発明の電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベータによれば、非常用電源の容量を下げることができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかるエレベータを模式的に示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかるエレベータの水平断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機の正面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置における電磁コイルを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の回路構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の回路構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置における電磁コイルの寸法を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置における電磁コイルの寸法を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置における電磁コイルを示す斜視図である。
以下、本発明の電磁ブレーキ装置、巻上機及びエレベータの実施の形態例について、図1〜図10を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1−1.エレベータの構成
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベータの構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本例のエレベータの構成例を示す概略構成図、図2は、本例のエレベータの水平断面図である。
[エレベータ]
本例のエレベータ1は、建物構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベータである。なお、本例のエレベータ1では、機械室レスエレベータを用いた例を説明するが、これに限定されるものではなく、昇降路100の上方に機械室を有するエレベータであってもよい。
図1及び図2に示すように、エレベータ1は、昇降路100内を昇降する乗りかご110と、巻上機120と、釣合錘130と、第1の従動プーリ140と、第2の従動プーリ150と、ロープ170と、制御部190を備えている。
乗りかご110の下部には、せり上げ用プーリ111が設けられている。また、乗りかご110は、一対のかご用ガイドレール112に案内されて、昇降路100内を昇降する。一対のかご用ガイドレール112は、乗りかご110を間に挟んで昇降路100内に設けられており、昇降路100内の上下方向に延びている。
釣合錘130の上部には、錘側プーリ131が設けられている。また、釣合錘130は、一対の錘用ガイドレール132に案内されて、昇降路100内を昇降する。一対の錘用ガイドレール132は、釣合錘130を間に挟んで昇降路100内に設けられており、昇降路100内の上下方向に延びている。
さらに、昇降路100の最下部における釣合錘130の下方には、緩衝部材133が配置されている。緩衝部材133は、釣合錘130が昇降路100の最下部に衝突した場合の衝撃を緩和させるための部材である。なお、昇降路100の最下部における乗りかご110の下方にも同様に不図示の緩衝部材が配置される。
巻上機120は、昇降路100の最下部に配置されており、ロープ170を介して乗りかご110及び釣合錘130をつるべ式に昇降させるものである。図2に示すように、巻上機120は、乗りかご110と昇降路100の壁面との間に配置される。巻上機120は、制御部190によってその駆動が制御される。制御部190は、昇降路100内における乗りかご110の昇降路100の壁面との間に配置されている。なお、巻上機120の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、第1の従動プーリ140と、第2の従動プーリ150は、昇降路100の最上部に固定されている。ロープ170の一端171と他端172は、昇降路100の最上部に固定されている。ロープ170は、釣合錘130に設けられた錘側プーリ131から第1の従動プーリ140に装架され、そして巻上機120、第2の従動プーリ150、乗りかご110のせり上げ用プーリ111の順に巻き掛けられている。
図3は、巻上機120を示す正面図である。
図3に示すように、巻上機120は、フレーム121と、駆動シーブ(綱車)122と、被制動体の一例を示すドラム123と、2つの電磁ブレーキ装置10,10と、モータ(図示省略)と、を有している。フレーム121は、昇降路100内に立設され、駆動シーブ122、ドラム123、2つの電磁ブレーキ装置10,10及びモータを支持している。
駆動シーブ122は、略円板状に形成され、外周面には、ロープ170が巻き掛けられている。ドラム123は、駆動シーブ122よりも大径の略円板状に形成され、且つ、駆動シーブ122と一体的に形成されている。モータは、駆動シーブ122及びドラム123を回転駆動させる。
駆動シーブ122がモータによって回転すると、ロープ170が駆動し、乗りかご110及び釣合錘130が昇降路内を昇降する。
2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123を挟んで上下方向に対向するように、フレーム121に支持されている。2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123の外周面に当接して、ドラム123及び駆動シーブ122を制動する。
なお、本例では、2つの電磁ブレーキ装置10,10を上下方向に対向するように配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。2つの電磁ブレーキ装置10,10は、ドラム123を挟んで水平方向と平行をなす方向に対向するように配置してもよく、あるいはドラム123の上下方向の上側において所定の角度を開けて配置してもよい。
次に、図4を参照して本例の電磁ブレーキ装置10について説明する。
図4は、電磁ブレーキ装置10を示す断面図である。
図4に示すように、電磁ブレーキ装置10は、電磁コア11と、電磁コイル12と、付勢ばね13と、可動部材14と、ブレーキシュー15と、ドラム123に摩擦接触する摩擦材16と、ガイドピン17を有している。また、図6及び図7に示すように、電磁ブレーキ装置10は、電磁コイル12に接続される定常用電源25と、非常用電源27と、を有している。
電磁コア11は、円柱状に形成されている。電磁コア11における軸方向の一側の端面11cには、円環状の取付溝部11aと、複数の凹部11bが形成されている。取付溝部11aには、電磁コイル12が配置され、複数の凹部11bには、付勢ばね13が配置されている。付勢ばね13は、凹部11bに配置されて、電磁コア11と後述する可動部材14の間に介在される。電磁コア11の端面11cは、ドラム123と対向する。
なお、本例では、電磁コア11を円柱状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、角柱状や楕円柱状等その他各種の形状で電磁コア11を形成してもよい。
電磁コイル12は、所定の巻数で略円柱状に巻回されて、固定樹脂等の固定手段により取付溝部11aに固定されている。電磁コイル12は、不図示の制御部により制御されて、後述する定常用電源25又は非常用電源27から電圧が印加される。そして、電磁コア11と電磁コイル12は、電磁コイル12に電圧が印加されることにより電磁石が構成される。電磁コア11の端面11cが、可動部材14を吸着する吸着面となる。なお、電磁コイル12の詳細な構成については、後述する。
また、電磁コア11の端面11cには、ガイドピン17が設けられている。ガイドピン17は、電磁コア11の端面11cからドラム123に向けて略垂直に突出している。ガイドピン17には、可動部材14が摺動可能に支持されている。
可動部材14は、略平板状に形成されている。可動部材14には、ガイドピン17が挿通する支持孔14aが設けられている。可動部材14における電磁コア11と反対側の一面には、ブレーキシュー15が固定されている。そして、ブレーキシュー15における可動部材14と反対側の一面には、ドラム123に押し付けられる摩擦材16が設けられている。摩擦材16をドラム123に押し付けることで、ドラム123及び駆動シーブ122を制動する。
可動部材14は、電磁コア11に取り付けた付勢ばね13により電磁コア11から離間する方向に付勢されている。なお、巻上機120の運転時には、電磁コイル12が通電されて電圧が印加されており、可動部材14は、付勢ばね13の付勢力に抗して電磁コア11の端面11c側に吸引される。これにより、摩擦材16及びブレーキシュー15は、ドラム123から離間する。
これに対し、巻上機120の停止時には、電磁コイル12への通電が停止し、電磁コア11及び電磁コイル12の磁性が消去される。そのため、可動部材14は、付勢ばね13により付勢されて電磁コア11の端面11cから離間する方向に移動する。これにより、摩擦材16がドラム123に押圧され、巻上機120のドラム123が制動される。
次に、図5〜図7を参照して電磁コイル12、定常用電源25及び非常用電源27の詳細な構成について説明する。
図5は、電磁コイル12を示す斜視図、図6及び7は、電磁ブレーキ装置10の回路構成を示す説明図である。
図5及び図6に示すように、電磁コイル12は、第1コイル部21と、第2コイル部22と、第3コイル部23を有している。第1コイル部21は、電磁コイル12における軸方向の一側に配置され、第3コイル部23は、電磁コイル12における軸方向の他側に配置されている。また、第2コイル部22は、第1コイル部21と第3コイル部23の間に配置されている。
第1コイル部21は、第1端子部21aと、第2端子部21bとを有している。第1端子部21aは、第1コイル部21を構成する巻線の一端部に設けられ、第2端子部21bは、第1コイル部21を構成する巻線の他端部に設けられている。同様に、第2コイル部22は、第1端子部22aと、第2端子部22bとを有しており、第3コイル部23は、第1端子部23aと、第2端子部23bとを有している。
図6に示すように、第1コイル部21の第2端子部21bと第2コイル部22の第1端子部22aが直列に接続され、第2コイル部22の第2端子部22bと第3コイル部23の第1端子部23aが直列に接続されている。また、第1コイル部21の第1端子部21aと、第3コイル部23の第2端子部23bは、定常用電源25に接続されている。そのため、定常時では、定常用電源25から、直列に接続された第1コイル部21、第2コイル部22及び第3コイル部23、すなわち電磁コイル12全体に定常用電圧が印加される。そして、電磁コイル12全体が定常用の電圧V0によって励磁される。なお、第3コイル部23の第2端子部23bと定常用電源25の間には、定常用スイッチ28が設けられている。
また、図7に示すように、第1コイル部21の第1端子部21a及び第2端子部21bと、第2コイル部22の第1端子部22a及び第2端子部22bと、第3コイル部23の第1端子部23a及び第2端子部23bは、非常用電源27に並列に接続されている。すなわち、非常用電源27は、電磁コイル12を構成する第1コイル部21、第2コイル部22及び第3コイル部23に並列接続している。そして、停電等により定常用電源25から電磁コイル12に電圧が印加されない場合、電磁コイル12には、非常用電源27から非常用の電圧V1が印加される。
また、非常用電源27と電磁コイル12との間には、非常用スイッチ29が設けられている。そして、非常用電源27と非常用スイッチ29により、非常用電源回路26を構成している。
1−2.コイルの寸法及び電源の電圧値の一例について
次に、上述した構成を有する電磁ブレーキ装置10の電磁コイル12の寸法、及び電源の電圧値の一例について、図8及び図9を参照して説明する。
図8及び図9は、電磁コイル12の寸法について示す説明図である。
図9に示すように、第1コイル部21の平均径は、φDaに設定されており、第2コイル部22の平均径は、φDbに設定されており、第3コイル部23の平均径は、φDcに設定されている。そして、図8及び図9に示すように、第1コイル部21の平均径φDa、第2コイル部22の平均径φDb及び第3コイル部23の平均径φDcは、それぞれ同じ大きさに設定されており、電磁コイル12全体の平均径φDと同じ大きさに設定されている。
また、第1コイル部21における第1端子部21aから第2端子部21bまでの巻線の巻数は、Naに設定されている。第2コイル部22における第1端子部22aから第2端子部22bまでの巻線の巻数は、Nbに設定されている。さらに、第3コイル部23における第1端子部23aから第2端子部23bまでの巻線の巻数は、Ncに設定されている。そして、第1コイル部21の巻数Naと、第2コイル部22の巻数Nbと、第3コイル部23の巻数Ncは、それぞれ同じ巻数に設定されている(Na=Nb=Nc)。
そして、電磁コイル12全体の巻線の巻数は、第1コイル部21の巻数Na、第2コイル部22の巻数Nb及び第3コイル部23の巻数Ncの和である(N=Na+Nb+Nc)。
なお、本例では、第1コイル部21の巻数Na、第2コイル部22の巻数Nb及び第3コイル部23の巻数Ncを同じ巻数に設定した例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1コイル部21の巻数Na、第2コイル部22の巻数Nb及び第3コイル部23の巻数Ncは、それぞれ異なる巻数に設定してもよい。
また、第1コイル部21の抵抗値はRaであり、第2コイル部22の抵抗値はRbであり、第3コイル部23の抵抗値はRcである。そして、電磁コイル12全体の抵抗値Rは、抵抗値Raよりも十分に大きな値に設定されている(Ra<<R)。また、抵抗値Rは、下記式1を満たす値に設定されている。
[式1]
R=Ra+Rb+Rc
ここで、コイルの起磁力Aは、コイルの巻数をN、抵抗値をR、電圧をVとした場合、次の式2により算出される。
[式2]
A=N・V/R
ここで、第1コイル部21の抵抗値Ra、第2コイル部22の抵抗値Rb及び第3コイル部23の抵抗値Rcを2Ω、定常用電源25の電圧V0を12V、第1コイル部21の巻数Naを100、第2コイル部22の巻数Nbを100、第3コイル部23の巻数Ncを100、電磁コイル12全体の巻数Nを300とした場合の起磁力及び非常用電源27の電圧V1について説明する。このとき、電磁コイル12全体の抵抗値Rは、Ra+Rb+Rcから6Ωとなる。
ここで、電磁コイル12全体に12Vの電圧を印加した場合、すなわち第1コイル部21、第2コイル部22及び第3コイル部23を直列に接続したとき(定常時)の起磁力A0は、次の式3により算出される。
[式3]
A0=N・V0/R=300×12/6=600
また、第1コイル部21、第2コイル部22及び第3コイル部23を並列接続した状態で、12Vの電圧を印加した場合の起磁力A1は、次の式4より算出される。
[式4]
A1=Na・V0/Ra×3=100×12/2×3=1800
このように、印加する電圧の値が同じ場合、第1コイル部21、第2コイル部22及び第3コイル部23を直列に接続したときよりも並列に接続したときのほうが、起磁力を大きくすることができる(A0<A1)。なお、非常時の起磁力A1は、定常時の起磁力A0と同じ大きさであればよい。そのため、非常用電源27の電圧V1の値を下げることができる。
また、非常用電源27の電圧V1の必要電圧値は、定常時の起磁力A0と非常時の起磁力A1の大きさが同じ、A0=A1であればよいため、下記式5によって算出される。
[式5]
N・V0/R=Na・V1/Ra×3
V1=V0×(Ra/Na)/(R/N)/3
ここで、Raが2Ω、Naが100、Rが6Ω、Nが300であるため、
V1=V0×(2/100)/(6/300)/3=V0/3
このように、本例の電磁ブレーキ装置20では、電磁コイル12を3つのコイル部21、22、23に分割し、定常時では直列に接続し、非常時では並列に接続することで、非常用電源27の電圧V1の値を、定常用電源25の電圧V0よりも大きく下げることができる。その結果、非常用電源27で消費される電力を下げることができ、非常用電源27の容量を小さく抑えることができる。さらに、非常用電源27の適用範囲を広げることも可能となる。
第1コイル部21の抵抗値は、電磁コイル12全体の抵抗値よりも小さいため、非常時には、定常時よりも流れる電流の値は大きくなる。そのため、本例の電磁ブレーキ装置10では、定常用電源25に定常用スイッチ28を設け、非常用電源27に非常用スイッチ29を設けて、電源毎にそれぞれ別のスイッチを設けている。これにより、非常時に流れる電流値が増加しても定常用スイッチ28を保護することができる。なお、非常用スイッチ29は、定常用スイッチ28よりも許容電流値の大きいスイッチが用いることが好ましい。
本例の電磁ブレーキ装置10では、電源毎にそれぞれスイッチを設けた例を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、定常用電源25と非常用電源27とで一つのスイッチを共有させてもよい。この場合、非常時には、遮断回数を制限することで、スイッチを保護することが好ましい。
なお、本例の電磁ブレーキ装置10は、電磁コイル12を構成する3つのコイル部21、22、23の全てが並列により非常用電源27に接続した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、3つのコイル部21、22、23のうち2つのコイルを並列に非常用電源27に接続させてもよい。さらに、電磁コイル12を4つ以上のコイル部に分割してもよく、あるいは電磁コイル12を2つのコイル部に分割してもよい。
2.第2の実施の形態例
次に、図10を参照して第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置について説明する。
図10は、第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置の電磁コイルを示す斜視図である。
この第2の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置が、第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と異なる点は、電磁コイルの構成である。そのため、ここでは電磁コイルについて説明し、第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図10に示すように、電磁コイル30は、所定の巻数で略円柱状に巻回されている。電磁コイル30は、第1コイル部31と、第2コイル部32とを有している。第1コイル部31は、電磁コイル30における半径方向の内側に配置されている。また、第2コイル部32は、電磁コイル30における半径方向の外側に配置されている。
そして、第1コイル部31と第2コイル部32は、不図示の定常用電源に直列によって接続されている。また、第1コイル部31と第2コイル部32は、不図示の非常用電源に並列によって接続されている。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する電磁コイル30を備えた電磁ブレーキ装置によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる電磁ブレーキ装置10と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
1…エレベータ、 10…電磁ブレーキ装置、 11…電磁コア、 12、30…電磁コイル、 14…可動部材、 15…ブレーキシュー、 16…摩擦材、 21、31…第1コイル部、 21a…第1端子部、 21b…第2端子部、 22、32…第2コイル部、 22a…第1端子部、 22b…第2端子部、 23…第3コイル部、 23a…第1端子部、 23b…第2端子部、 25…定常用電源、 26…非常用電源回路、 27…非常用電源、 28…定常用スイッチ、 29…非常用スイッチ、 100…昇降路、 110…乗りかご、 120…巻上機、 122…駆動シーブ、 123…ドラム(被制動体)、 130…釣合錘、 170…ロープ

Claims (6)

  1. 被制動体を制動する電磁ブレーキ装置において、
    前記被制動体に当接するブレーキシューと、
    前記ブレーキシューを支持する可動部材と、
    前記可動部材を付勢し、前記ブレーキシューを前記被制動体に押し付ける付勢ばねと、
    前記付勢ばねの付勢力に抗して前記可動部材を吸引し、前記ブレーキシューを前記被制動体から離反させる電磁コイルと、
    前記可動部材と対向し、前記電磁コイルが設けられる電磁コアと、
    前記電磁コイルに定常時に電圧を印加する定常用電源と、
    前記定常用電源が停止した際に、前記電磁コイルに電圧を印加する非常用電源と、を備え、
    前記電磁コイルは、分割された複数のコイル部を有し、
    前記複数のコイル部は、前記定常用電源に直列に接続され、
    前記複数のコイル部のうち2つ以上のコイル部は、前記非常用電源に並列に接続される
    電磁ブレーキ装置。
  2. 前記電磁コイルは、円柱状に巻回され、
    前記複数のコイル部は、前記電磁コイルの軸方向に沿って分割される
    請求項1に記載の電磁ブレーキ装置。
  3. 前記電磁コイルは、円柱状に巻回され、
    前記複数のコイル部は、前記電磁コイルの半径方向に沿って分割される
    請求項1に記載の電磁ブレーキ装置。
  4. 前記電磁コイルと前記定常用電源との間には、前記定常用電源に接続される定常用スイッチが設けられ、
    前記電磁コイルと前記非常用電源との間には、前記非常用電源に接続される非常用スイッチが設けられる
    請求項1に記載の電磁ブレーキ装置。
  5. 乗りかごに連結されたロープが巻回される巻上機において、
    前記ロープが巻き掛けられる綱車と、
    前記綱車に接続され、前記綱車と共に回転駆動するドラムと、
    前記ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備え、
    前記電磁ブレーキ装置は、
    前記ドラムに当接するブレーキシューと、
    前記ブレーキシューを支持する可動部材と、
    前記可動部材を付勢し、前記ブレーキシューを前記ドラムに押し付ける付勢ばねと、
    前記付勢ばねの付勢力に抗して前記可動部材を吸引し、前記ブレーキシューを前記ドラムから離反させる電磁コイルと、
    前記可動部材と対向し、前記電磁コイルが設けられる電磁コアと、
    前記電磁コイルに定常時に電圧を印加する定常用電源と、
    前記定常用電源が停止した際に、前記電磁コイルに電圧を印加する非常用電源と、を備え、
    前記電磁コイルは、分割された複数のコイル部を有し、
    前記複数のコイル部は、前記定常用電源に直列に接続され、
    前記複数のコイル部のうち2つ以上のコイル部は、前記非常用電源に並列に接続される 巻上機。
  6. 乗りかご昇降動作させるエレベータにおいて、
    前記乗りかごとロープを介して連結される釣合錘と、
    前記ロープを巻き掛けることにより前記乗りかごを昇降させる巻上機と、を備え、
    前記巻上機は、
    前記ロープが巻き掛けられる綱車と、
    前記綱車に接続され、前記綱車と共に回転駆動するドラムと、
    前記ドラムの駆動を制動する電磁ブレーキ装置と、を備え、
    前記電磁ブレーキ装置は、
    前記ドラムに当接するブレーキシューと、
    前記ブレーキシューを支持する可動部材と、
    前記可動部材を付勢し、前記ブレーキシューを前記ドラムに押し付ける付勢ばねと、
    前記付勢ばねの付勢力に抗して前記可動部材を吸引し、前記ブレーキシューを前記ドラムから離反させる電磁コイルと、
    前記可動部材と対向し、前記電磁コイルが設けられる電磁コアと、
    前記電磁コイルに定常時に電圧を印加する定常用電源と、
    前記定常用電源が停止した際に、前記電磁コイルに電圧を印加する非常用電源と、を備え、
    前記電磁コイルは、分割された複数のコイル部を有し、
    前記複数のコイル部は、前記定常用電源に直列に接続され、
    前記複数のコイル部のうち2つ以上のコイル部は、前記非常用電源に並列に接続される
    エレベータ。
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