JP2018135442A - 医療機器用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療機器用組成物において、滅菌処理に対する耐性に優れるとともに、塗布対象物との密着性が良好になるようにする。
【解決手段】医療機器用樹脂組成物は、ポリフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体およびポリフルオロオレフィン−ビニルエステル共重合体の少なくとも一方を含む含フッ素共重合体からなるバインダーと、液状可塑剤と、溶剤と、を含む主剤と、主剤における固形分を100質量部としたとき、100質量部以上150質量部以下の塩素化ポリオレフィンと、主剤を硬化するイソシアネート系硬化剤と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療機器用樹脂組成物に関する。
例えば、内視鏡、処置具などの医療機器には、患者の体内に挿入する部位に、種々の指標または文字が医療機器用塗料を用いて塗工または印刷される場合がある。医療機器においては、構成部材が医療機器用接着剤によって固定される場合がある。
医療機器は、例えば滅菌処理などの際に、薬液に触れたり、加熱されたりする。このため、医療機器用塗料および医療機器用接着剤は、硬化後に、耐薬品性、耐熱性を有する必要がある。さらに、医療機器において医療機器用塗料または医療機器用接着剤が塗布される部位は、体内への挿入時に湾曲されることが多い。このため、医療機器用塗料および医療機器用接着剤は、硬化後に受ける湾曲に耐える柔軟性を持つことが求められている。
例えば、特許文献1には、チタンホワイトからなる着色顔料と、含フッ素共重合体からなるバインダーと、液状可塑剤と、溶剤と、を含む主剤に、無黄変型イソシアネート系硬化剤を含有させた内視鏡の指標組成物が記載されている。
特許第3776783号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の内視鏡の指標組成物においては、オレフィン系樹脂との密着性が良好ではないという問題がある。
オレフィン系樹脂は、耐薬品性、耐熱性に優れるため、滅菌処理を受ける医療機器の部品として使用されることが多くなっている。このため、医療機器用塗料または医療機器用接着剤として用いることができ、滅菌処理に対する耐性に優れるとともに、オレフィン系樹脂との密着性が良好な医療機器用樹脂組成物が強く求められている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、滅菌処理に対する耐性に優れるとともに、塗布対象物との密着性が良好な医療機器用樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の医療機器用樹脂組成物は、ポリフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体およびポリフルオロオレフィン−ビニルエステル共重合体の少なくとも一方を含む含フッ素共重合体からなるバインダーと、液状可塑剤と、溶剤と、を含む主剤と、前記主剤における固形分を100質量部としたとき、100質量部以上150質量部以下の塩素化ポリオレフィンと、前記主剤を硬化するイソシアネート系硬化剤と、を含む。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記イソシアネート系硬化剤は、無黄変型イソシアネート系硬化剤であってもよい。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記液状可塑剤は、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状ポリオキシプロピレン、液状ポリオキシテトラメチレングリコール、液状ポリオレフィングリコール、液状ポリ−ε−カプロラクトン、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、および液状ポリイソブチレンからなる群から選ばれた少なくとも1種の液状化学物質であってもよい。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記イソシアネート系硬化剤は、ブロックイソシアネート系硬化剤であってもよい。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記塩素化ポリオレフィンの含有量に対して、0.01質量%以上10質量%以下のトリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートをさらに含有してもよい。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記主剤は、色材をさらに含んでもよい。
上記医療機器用樹脂組成物においては、前記色材は、酸化チタンを含んでもよい。
本発明の医療機器用樹脂組成物によれば、滅菌処理に対する耐性に優れるとともに、塗布対象物との密着性が良好になる。
本発明の実施形態の医療機器用樹脂組成物が用いられた医療機器の構成例を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の医療機器用樹脂組成物が用いられた医療機器における塗膜層の構成を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態の医療機器用樹脂組成物が用いられた医療機器および医療機器用樹脂組成物について説明する。
図1は、本発明の実施形態の医療機器用樹脂組成物が用いられた医療機器の構成例を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の実施形態の医療機器用樹脂組成物が用いられた医療機器における塗膜層の構成を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態における内視鏡1(医療機器)は、挿入部11と、操作部12とを備える。
挿入部11は、患者の体内に挿入するため、可撓性を有する管状に形成されている。挿入部11は、挿入方向の先端側から順に、先端部14、湾曲部15、および可撓管部16が設けられている。特に図示しないが、挿入部11の内部には、処置具を通す処置具チャンネルが長手方向に沿って設けられていてもよい。
先端部14は、内視鏡1の最先端部に配置され、マニピュレータとしてのエンドエフェクタを備える部位である。本実施形態では、先端部14は、被検体の映像を取得するため、例えばCCDなどの撮像素子と、適宜のレンズを備える撮像光学系とを内部に含み、円柱状の外形を有する。
先端部14の先端には、撮像窓、照明窓が形成されている。挿入部11が処置具チャンネルを備える場合には、先端部14の先端に処置具チャンネルの開口が設けられている。
湾曲部15は、先端部14の基端側に連結されている。湾曲部15は、先端部14の向きを変更するため、湾曲可能となっている管状の部位である。
湾曲部15は、例えば、円環状の複数の節輪が回動可能に連結され、内部に複数のアングルワイヤーが挿通されている。
湾曲部15の内部には、例えば、先端部14の撮像素子に接続された電気配線、照明窓まで延ばされたライトガイドなどの部材が収容されている。これらの電気配線やライトガイドなどの部材は、後述する可撓管部16の内部に挿通され、後述する操作部12まで延びている。
可撓管部16は、湾曲部15と、後述する操作部12とを繋ぐ管状部分である。
可撓管部16は、例えば、金属あるいは樹脂製の帯状部材が螺旋状に巻かれた蛇管と、軟性の外皮樹脂とを備える。外皮樹脂は蛇管の外周部を管状に被覆している。外皮樹脂は、湾曲部15の端部の口金を覆った状態で緊縛糸によって縛られている。外皮樹脂と緊縛糸とは、接着剤によって固定されている。
外皮樹脂の材質は,例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂から選ばれた1種類以上の樹脂が用いられてもよい。
このような構成により、可撓管部16は、略円形の断面を保持した状態で、適宜方向に曲がることができる。
可撓管部16の内部には、湾曲部15から基端側に延出された各アングルワイヤーが、可撓管部16内に配されたコイルシース内に挿通されている。可撓管部16の内部には、湾曲部15と同様、上述の電気配線、ライトガイドなどの部材が挿通されている。
可撓管部16には、外部から視認可能な指標2(塗膜層)が形成されている。指標2は、患者の体内に挿入された挿入部11の長さを術者が容易に把握できるように設けられたマークである。
指標2の形成位置、形状、個数は特に限定されない。本実施形態では、一例として、可撓管部16の外周部を一周する環状のマークが、可撓管部16の長手方向に等間隔に配置されている。図1には図示しないが、指標2として、このような環状のマークとともに、先端部から長さを表す数字、文字、記号などが描かれていてもよい。
図2に、可撓管部16において指標2が形成された部位の断面図の一例を示す。
図2に示すように、指標2は、蛇管3を被覆する外皮樹脂4の表面に形成されている。
指標2は、後述する本実施形態の医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜層によって形成されている。
図1に示すように、操作部12は、術者が内視鏡1の操作を行う装置部分である。操作部12を通して行う操作の例としては、湾曲部15の湾曲量を変更するため、アングルワイヤーを牽引する操作を挙げることができる。操作部12は、操作ノブ、操作スイッチなどを備えている。
次に、指標2を形成するための本実施形態の医療機器用樹脂組成物について説明する。
本実施形態の医療機器用樹脂組成物は、指標2を形成する医療機器用塗料として用いられる。
本実施形態の医療機器用樹脂組成物は、主剤、塩素化ポリオレフィン、およびイソシアネート系硬化剤を含有する。
医療機器用樹脂組成物に含有される主剤は、含フッ素共重合体からなるバインダーと、液状可塑剤と、溶剤と、色材とを含む。
バインダーとして用いる含フッ素共重合体としては、ポリフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体およびポリフルオロオレフィン−ビニルエステル共重合体の少なくとも一方が含まれる構成が用いられる。含フッ素共重合体の具体例としては、例えば、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの交互共重合体、クロロトリフルオロエチレンとビニルエステルのランダム共重合体などが挙げられる。このような含フッ素共重合体は、例えば、ルミフロン(登録商標)シリーズ(商品名;旭硝子(株)製)、セフラルコート(登録商標)シリーズ(商品名;セントラル硝子(株)製)などとして市販されている。例えば、バインダーとしては、ルミフロン(登録商標)LF200F(商品名;旭硝子(株)製)、セフラルコート(登録商標)A402B(商品名;セントラル硝子(株)製)などが用いられてもよい。
例えば、ルミフロン(登録商標)は、フルオロエチレン単位とビニルエーテル単位とが交互に規則的に配列した共重合体である。例えば、セフラルコート(登録商標)は、フルオロエチレン単位とビニルエステル単位とがランダムに配列した共重合体である。
含フッ素共重合体は、フッ素樹脂モノマーを含むことによって化学的に安定であるため、耐候性・耐久性に優れている。さらに、含フッ素共重合体は、フッ素樹脂モノマー以外のモノマーを有するため、各種溶剤にも可溶である。
例えば、ルミフロン(登録商標)およびセフラルコート(登録商標)は、それぞれフルオロエチレン単位を含むため、耐候性・耐薬品性に優れている。ルミフロン(登録商標)はビニルエーテル単位を、セフラルコート(登録商標)はビニルエステル単位を含むため、それぞれの有する官能基によってフッ素樹脂では得られにくい種々の優れた特性が付与される。例えば、ビニルエーテル単位およびビニルエステル単位がアルキル基を含む場合、溶剤可溶性、透明性、光沢性、硬度、可撓性が向上する。例えば、ビニルエーテル単位およびビニルエステル単位が、ヒドロキシ基およびカルボキシ基を含む場合、塗布対象の基材との密着性が向上する。
液状可塑剤としては、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状ポリオキシプロピレン、液状ポリオキシテトラメチレングリコール、液状ポリオレフィングリコール、液状ポリ−ε−カプロラクトン、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、および液状ポリイソブチレンからなる群から選ばれた少なくとも1種の液状化学物質が用いられてもよい。
このような液状化学物質は、後述するイソシアネート系硬化剤と反応して、または反応せずに、硬化物に柔軟性、可撓性、伸び性、および密着性を付与する。
溶剤は、バインダー、液状可塑剤、および後述する色材の混合物を、適宜分散して液状体を形成するために用いられる。溶剤の種類は、塗布対象部材、バインダー、および液状可塑剤の材質に応じて選択されればよい。溶剤は、1種類でもよいし、2種類以上の混合溶剤でもよい。溶剤の具体例としては、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸イソブチル等の高沸点エステル系溶剤などが挙げられる。
溶剤の添加量は、医療機器用樹脂組成物に必要な粘度などに基づいて適宜設定されればよい。
医療機器用樹脂組成物における溶剤には、液状可塑剤が含有する溶剤も含まれる。バインダーを添加する場合に、液状体として市販されているバインダー製品が用いられる場合、医療機器用樹脂組成物における溶剤には、バインダー製品が含有する溶剤も含まれる。
色材としては、医療機器用樹脂組成物の用途に応じて必要な色を有する適宜の顔料などが用いられる。医療機器用樹脂組成物が用いられる内視鏡1は滅菌処理されるため、色材の材料には、少なくとも滅菌処理温度に耐える耐熱性を有する材料が用いられる。
医療機器用樹脂組成物に用いる顔料としては、例えば、白色、赤色、黄色、緑色、青色、黒色等の単色の顔料、または、これらの単色の顔料が2種類以上混合された顔料が使用できる。色材としては、染料が用いられてもよい。
色材に好適な材料の例としては、例えば、酸化チタン(チタンホワイト)、カーボンブラック、クロムイエローなどが挙げられる。
特に、微粒子化された酸化チタンは紫外線を遮蔽可能である。色材として、酸化チタンを用いると、紫外線の影響を低減できる点で、硬化物の耐候性がより向上する。例えば、紫外線を効率的に遮蔽するため、色材として、0.01μm以上0.05μm以下の粒径の超微粒子酸化チタンが含まれてもよい。このような超微粒子酸化チタンが含有されると、指標2と外皮樹脂4との界面に到達する紫外線が低減されるため、紫外線による指標2と外皮樹脂4との密着性の低下を抑制できる。
塩素化ポリオレフィンとしては、例えば、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。塩素化ポリオレフィンは、1種類のみ添加されてもよいし、2種類以上添加されてもよい。
塩素化ポリオレフィンは、酸変性塩素化ポリオレフィンであることがより好ましい。
塩素化ポリオレフィンは、主剤に分散して混合されることで、主剤の硬化後におけるオレフィン系樹脂との接着性能を向上することができる。
医療機器用樹脂組成物における塩素化ポリオレフィンの含有量は、主剤における固形分を100質量部としたとき、100質量部以上150質量部以下とされる。ここで、主剤における固形分とは、医療機器用樹脂組成物における主剤中に含まれる溶剤成分を除く成分が該当する。
塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は、10質量%以上50質量%以下であってもよい。塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は、14質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は、20質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
塩素化ポリオレフィンの塩素含有率が低すぎると、塩素化ポリオレフィンの主剤に対する相溶性が低下する。さらに、塩素化ポリオレフィンの塩素含有率が低すぎると、医療機器用樹脂組成物が保存中に増粘したりゲル化したりするおそれがある。この場合、医療機器用樹脂組成物の塗工やスプレー塗装等における作業性が悪くなるおそれがある。
塩素化ポリオレフィンの塩素含有率が高すぎると、医療機器用樹脂組成物としての耐熱性が低下する。例えば、医療機器用樹脂組成物を硬化させる場合に、加熱温度をあまり高くできなくなるおそれがある。さらに、塩素化ポリオレフィンの塩素含有率が高すぎると、オレフィン系樹脂に対する付着性や耐溶剤性が悪くなるおそれがある。
イソシアネート系硬化剤は、イソシアネート基による重合反応によって主剤を硬化させるために添加される。
イソシアネート系硬化剤の種類は、主剤を硬化できれば特に限定されない。硬化後の黄変を抑制できる点では、無黄変型イソシアネート系硬化剤が用いられることがより好ましい。
無黄変型イソシアネート系硬化剤が用いられる場合、硬化物に作用する紫外線、熱、酸化による分子の切断や劣化反応が抑制される。このため、無黄変型イソシアネート系硬化剤は、医療機器用樹脂組成物の硬化物が黄色あるいは茶褐色に変色することを抑制できる。
イソシアネート系硬化剤は、ブロックイソシアネート系硬化剤であってもよい。この場合、未硬化の医療機器用樹脂組成物を長期的に保存することができる。
このような構成の医療機器用樹脂組成物は、上述の主剤、塩素化ポリオレフィン、およびイソシアネート系硬化剤を混合することによって調製される。
本実施形態の医療機器用樹脂組成物は、一液型の医療機器用樹脂組成物として調製されてもよい。この場合、主剤、塩素化ポリオレフィン、およびイソシアネート系硬化剤がすべて混合される。
本実施形態の医療機器用樹脂組成物は、二液型の医療機器用樹脂組成物セットの形態で調製されてもよい。この場合、予め混合された主剤と塩素化ポリオレフィンを含む第1液(主剤溶液)と、イソシアネート系硬化剤を含む第2液(硬化剤溶液)と、がそれぞれ調製される。使用者は、第1液と第2液とを混合することによって、医療機器用樹脂組成物を形成する。
第2液としては、市販されているイソシアネート系硬化剤溶液が用いられてもよい。
次に、指標2の形成方法について説明する。
まず、指標2の形成対象部材に、上述の医療機器用樹脂組成物が塗布される。このとき、医療機器用樹脂組成物の塗布範囲は、指標2を形成する範囲である。図2に示す例では、指標2の形成対象部材は、内部に蛇管3が挿入された外皮樹脂4である。
医療機器用樹脂組成物の塗布方法は特に限定されない。医療機器用樹脂組成物の塗布方法の例としては、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、タンポ印刷などが挙げられる。医療機器用樹脂組成物の塗布は、印刷以外の塗布方法によって行われてもよい。
この後、塗布された医療機器用樹脂組成物を硬化させるため、加熱が行われる。加熱温度は、医療機器用樹脂組成物において、イソシアネート系硬化剤による重合反応が進行する温度である。
このように、医療機器用樹脂組成物が加熱されると、主剤中のバインダーの重合反応が進む。さらに、医療機器用樹脂組成物中の溶剤成分が蒸発する。このようにして、医療機器用樹脂組成物が硬化する。医療機器用樹脂組成物の硬化物は、指標2を構成する。
このような硬化過程において、外皮樹脂4との界面における医療機器用樹脂組成物は、外皮樹脂4に含まれる官能基と化学結合して、外皮樹脂4の表面と接着する。
例えば、バインダーには、ビニルエーテル単位またはビニルエステル単位が含まれるため、これらに含まれる官能基と外皮樹脂4に含まれる官能基とが化学結合する。しかし、バインダーに含まれるフルオロオレフィン単位の官能基は、化学的に安定しているため、外皮樹脂4に含まれる官能基とは化学結合しにくい。このため、バインダーの硬化物と外皮樹脂4との接着強度が低くなるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、主剤に塩素化ポリオレフィンが含まれることによって、外皮樹脂4との接着強度が高められる。
塩素化ポリオレフィンは、バインダーと相溶した状態で、医療機器用樹脂組成物中に分散している。バインダーの硬化の進行とともに、塩素化ポリオレフィンとバインダーとは一体化する。さらに、塩素化ポリオレフィンは、外皮樹脂4との界面において、外皮樹脂4の官能基と化学結合する。このため、医療機器用樹脂組成物の硬化物が外皮樹脂4との強固に接着される。
塩素化ポリオレフィンは、オレフィン系樹脂との相溶性を向上する作用があるため、特に外皮樹脂4においてオレフィン系樹脂が含まれる場合に接着力が高くなる。
バインダー単体の硬化物は、フッ素樹脂を含むため、例えば、オレフィン系樹脂等との接着強度が低くなりやすい。しかし、本実施形態の医療機器用樹脂組成物によれば、塩素化ポリオレフィンを含有するため、バインダーにフッ素樹脂が含まれていても、例えば、オレフィン系樹脂等に対する良好な接着強度が得られる。
このようにして、図2に示すような外皮樹脂4および指標2の積層構造が形成される。
このような指標2によれば、バインダーにフッ素系樹脂が含まれるため、フッ素系樹脂に由来する耐候性、耐薬品性、耐熱性を有している。このため、指標2は、繰り返し滅菌処理が施されても劣化が進みにくいため、耐久性に優れる。
このように、本実施形態の医療機器用樹脂組成物によれば、滅菌処理に対する耐性に優れるとともに、塗布対象物との密着性が良好になる。
本実施形態における内視鏡1によれば、このような医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標2を含むため、指標2の耐久性を向上することができる。
(変形例)
上記実施形態の変形例について説明する。
図1に示すように、本変形例の内視鏡1A(医療機器)は、上記実施形態における内視鏡1の指標2に代えて指標2A(塗膜層)を備える。指標2Aは、本変形例の医療機器用樹脂組成物の硬化物で構成される点が指標2と異なる。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
本変形例の医療機器用樹脂組成物は、上記実施形態の医療機器用樹脂組成物に、添加剤として、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートを添加して構成される。
トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートは、医療機器用樹脂組成物における塩素化ポリオレフィンの含有量に対して、0.01質量%以上10質量%以下添加されてもよい。
トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートが添加されることで、オレフィン系樹脂との相溶性が向上するため、指標2Aの外皮樹脂4に対する接着強度が向上する。
トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートが0.01質量%未満であると、オレフィン系樹脂表面への密着性改善効果が低くなるおそれがある。
トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートが10質量%を超えると、保存中に増粘したりゲル化したりするおそれがある。
本変形例の医療機器用樹脂組成物によれば、上記実施形態の医療機器用樹脂組成物にさらにトリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートが添加されるため、外皮樹脂4との密着性がさらに良好になる。
なお、上記実施形態および変形例の説明では、医療機器が内視鏡1の場合の例で説明した。しかし、本発明の医療機器用樹脂組成物を用いることができる医療機器は内視鏡には限定されない。本発明の医療機器用樹脂組成物は、例えば、処置具、カテーテル、ステント、注射器、外科用エネルギー治療器などの医療機器に用いられてもよい。
上記実施形態および変形例の説明では、医療機器に形成された塗膜層が指標の場合の例で説明した。しかし、本発明の医療機器用樹脂組成物によって医療機器に形成される塗膜層は、指標には限定されない。本発明の医療機器用樹脂組成物によって医療機器に形成される塗膜層は、例えば、指標としての機能を有しない文字、記号、模様などを描く塗膜層でもよい。本発明の医療機器用樹脂組成物によって医療機器に形成される塗膜層は、例えば、医療機器の表面を保護する保護膜層、医療機器の表面の低摩擦化する低摩擦層などの機能層であってもよい。
上記実施形態および変形例の説明では、指標2が可撓管部16の最外層として形成された場合の例で説明した。しかし、指標2および外皮樹脂4は、適宜のコート層によって被覆されていてもよい。
上記実施形態および変形例の説明では、医療機器用樹脂組成物が色材を含む場合の例で説明した。しかし、例えば、指標以外の用途に用いる場合のように透明でもよい場合には、色材が含まれなくてもよい。例えば、上記実施形態において主剤から色材が除かれた医療機器用樹脂組成物は、例えば、透明保護膜を形成する医療機器用塗料として用いられてもよい。
上記実施形態および変形例の説明では、医療機器用樹脂組成物が医療機器用塗料として用いられる場合の例で説明した。しかし、医療機器用樹脂組成物は、医療機器用接着剤として用いられてもよい。
例えば、上記実施形態および変形例において、主剤から色材が除かれた医療機器用樹脂組成物は、医療機器において構成部材間に接着層を形成する医療機器用接着剤として使用可能である。医療機器の種類と、接着する構成部材の種類とは、特に限定されない。
例えば、主剤から色材が除かれた医療機器用樹脂組成物は、内視鏡1における湾曲部15と外皮樹脂4とを接着する医療機器用接着剤として用いられてもよい。具体的には、医療機器用樹脂組成物は、外皮樹脂4と湾曲部15の端部とを固定する緊縛糸を覆う接着剤層などを形成する医療機器用接着剤として用いられてもよい。
次に、上述した実施形態および変形例の医療機器用組成物の実施例1〜4について、比較例1〜3とともに説明する。下記[表1]に、各実施例、各比較例の塗料組成を示す。
ただし、[表1]において、主剤の各成分の含有量は、主剤を100質量%としたときの質量%で表されている。これに対して、添加剤およびイソシアネート系硬化剤の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときの質量部で表されている。
[表1]における「材料名」欄は、略号で記載されている。各略号に対応する材質、商品名、メーカについては、下記[表2]に示されている。
Figure 2018135442
Figure 2018135442
[実施例1]
実施例1の医療機器用樹脂組成物は、上述した変形例の医療機器用樹脂組成物として製造された。[表1]に示すように、実施例1の医療機器用樹脂組成物は、主剤、添加剤、およびイソシアネート系硬化剤を含有して構成された。
主剤は、バインダー、液状可塑剤、色材、および溶剤によって構成された。
バインダーとしては、「含フッ素共重合体」が用いられた。主剤における「含フッ素共重合体」の含有量は20質量%とされた。
[表2]に示すように、「含フッ素共重合体」は、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの交互共重合体であるルミフロン(登録商標)LF200F(商品名;旭硝子(株)製)が用いられた。
[表1]に示すように、液状可塑剤としては、「PTMG」が用いられた。主剤における「PTMG」の含有量は10質量%とされた。
[表2]に示すように、「PTMG」は、PTMG1000(商品名;三菱化学(株)製)を表す。PTMG1000は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
[表1]に示すように、色材としては、「酸化チタン#1」が用いられた。主剤における「酸化チタン#1」の含有量は35質量%とされた。
[表2]に示すように、「酸化チタン#1」は、JR−804(商品名;テイカ(株)製)を表す。JR−804の粒子径は、約0.27μmである。「酸化チタン#1」は、白色顔料として用いられた。
[表1]に示すように、溶剤としては、「混合溶剤#1」が用いられた。[表2]に示すように、「混合溶剤#1」は、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸イソブチルが、それぞれ15質量%、10質量%、10質量%含有された。キシレンは芳香族炭化水素系溶剤である。メチルエチルケトンはケトン系溶剤である。酢酸イソブチルは高沸点エステル系溶剤である。
[表1]に示すように、添加剤としては、「CPP+TIT」が用いられた。
[表2]に示すように、「CPP」は、スーパークロン(登録商標)3228S(商品名;日本製紙(株)製)を表す。スーパークロン(登録商標)3228Sは、酸変性塩素化ポリプロピレンである。「TIT」は、Desmodur(登録商標)RFE(商品名;住化コベストロウレタン(株)製)を表す。Desmodur(登録商標)RFEは、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートの溶液である。
医療機器用樹脂組成物における「CCP」および「TIT」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、それぞれ、100質量部、3質量部とされた。このため、「TIT」は、「CPP」の含有量に対する質量比率では3質量%含有された。
[表1]に示すように、イソシアネート系硬化剤としては、「硬化剤#1」が用いられた。「硬化剤#1」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、10質量部とされた。
[表2]に示すように、「硬化剤#1」は、コロネート(登録商標)EH(商品名;日本ウレタン工業(株)製)を表す。コロネート(登録商標)EHは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。
実施例1の医療機器用樹脂組成物を製造するため、まず、主剤が調製された。主剤は、「含フッ素共重合体」、「PTMG」、「酸化チタン#1」、および「混合溶剤#1」の混合によって調製された。この後、上述した主剤、添加剤、およびイソシアネート系硬化剤が混合されることで、実施例1の医療機器用樹脂組成物が製造された。
実施例1の医療機器用樹脂組成物の評価を行うため、実施例1の医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標2Aを有する変形例の内視鏡1Aが製造された。
具体的には、実施例1の医療機器用樹脂組成物は、可撓管部16における外皮樹脂4上にスクリーン印刷によって印刷された。外皮樹脂4上に印刷された医療機器用樹脂組成物は、加熱されることによって、硬化された。
このようにして、供試サンプルとして、実施例1の医療機器である内視鏡1Aが製造された。
[実施例2]
実施例2の医療機器用樹脂組成物は、上述した実施形態の医療機器用樹脂組成物として製造された。[表1]に示すように、実施例2の医療機器用樹脂組成物は、主剤、添加剤、およびイソシアネート系硬化剤を含有して構成された。
主剤は、バインダー、液状可塑剤、色材、および溶剤によって構成された。ただし、実施例2では、実施例1の「PTMG」、「酸化チタン#1」、「混合溶液#1」に代えて、それぞれ、「液状POG」、「酸化チタン#2」、「混合溶液#2」が用いられた。「液状POG」、「酸化チタン#2」の含有量は、実施例1の「PTMG」、「酸化チタン#1」の含有量と同一とされた。
実施例2における「含フッ素共重合体」、「混合溶剤#2」の含有量は、それぞれ、25質量%、30質量%とされた。
[表2]に示すように、「液状POG」は、ポリエーテルHA(商品名;三菱化学(株)製)を表す。ポリエーテルHAは、液状ポリオレフィングリコールである。
[表2]に示すように、「酸化チタン#2」は、「酸化チタン#1」と同様のJR−804(商品名;テイカ(株)製)と、超微粒子酸化チタンTTO−D2(商品名;石原産業(株)製)との混合物である。主剤におけるJR−804、TTO−D2の含有量は、それぞれ、30質量%、5質量%とされた。
TTO−D2は、粒径0.01μm以上、0.05μm以下の超微粒子酸化チタンを含有していた。粒径0.01μm以上、0.05μm以下の酸化チタンは、紫外線遮蔽効果が高い。
「酸化チタン#2」は、白色顔料として用いられた。
「混合溶液#2」は、「混合溶剤#1」と同様、3種の溶剤の混合物が用いられた。ただし、「混合溶剤#2」は、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸イソブチルは、それぞれ10質量%、10質量%、10質量%含有された。
[表1]に示すように、実施例2では、添加剤として、実施例1の「CPP+TIT」に代えて、主剤の固形分を100質量部としたときに、100質量部の「CPP」が用いられた。すなわち、添加剤に関しては、実施例2は、実施例1の添加剤から「TIT」が削除された構成とされた。
[表1]に示すように、イソシアネート系硬化剤としては、「硬化剤#2」が用いられた。「硬化剤#2」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、5質量部とされた。
[表2]に示すように、「硬化剤#2」は、デュラネート(登録商標)TSE−100(商品名;旭化成(株)製)を表す。デュラネート(登録商標)TSE−100は、無黄変型イソシアネートである。
実施例2の医療機器用樹脂組成物は、上述の組成が用いられる以外は、上記実施例1と同様にして製造された。
実施例2の医療機器用樹脂組成物の評価を行う供試サンプルとして、実施例2の医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標2を有する内視鏡1が、実施例1と同様にして製造された。
[実施例3]
実施例3の医療機器用樹脂組成物は、[表1]に示すように、実施例2の医療機器用樹脂組成物の「液状POG」、「混合溶剤#1」、「硬化剤#2」に代えて、「液状フッ素ゴム」、「混合溶剤#2」、「硬化剤#3」が用いられた点が実施例2と異なる。さらに、実施例3では「含フッ素共重合体」の主剤における含有量は20質量%とされた。実施例3では「CPP」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、150質量部とされた。
以下、実施例2と異なる点を中心に説明する。
[表2]に示すように、「液状フッ素ゴム」は、ダイエル(登録商標)G−101(商品名;ダイキン工業(株)製)を表す。
[表2]に示すように、「硬化剤#3」は、タケネート(登録商標)500(商品名;三井化学(株)製)を表す。タケネート(登録商標)500は、無黄変型キシリレンジイソシアネートである。「硬化剤#3」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、5質量部とされた。
実施例3の医療機器用樹脂組成物は、上述の組成が用いられる以外は、上記実施例1と同様にして製造された。
実施例3の医療機器用樹脂組成物の評価を行う供試サンプルとして、実施例3の医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標2を有する内視鏡1が、実施例1と同様にして製造された。
[実施例4]
実施例4の医療機器用樹脂組成物は、[表1]に示すように、実施例1の医療機器用樹脂組成物の「硬化剤#1」に代えて、「硬化剤#4」が用いられた点が実施例1と異なる。
以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
[表2]に示すように、「硬化剤#4」は、Trixene BI 7960(商品名;Baxenden Chemicals社製)を表す。Trixene BI 7960は、biruret型ヘキサメチレンジイソシアネートである。Trixene BI 7960は、ブロックイソシアネート系硬化剤である。「硬化剤#4」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、14質量部とされた。
実施例4の医療機器用樹脂組成物は、上述の組成が用いられる以外は、上記実施例1と同様にして製造された。
実施例4の医療機器用樹脂組成物の評価を行う供試サンプルとして、実施例4の医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標2Aを有する内視鏡1Aが、実施例1と同様にして製造された。
[比較例1〜3]
比較例1の医療機器用樹脂組成物は、[表1]に示すように、実施例1から「CPP+TIT」を削除して構成された。
比較例2の医療機器用樹脂組成物は、実施例1の「CPP+TIT」に代えて、「CPP」が用いられた。比較例2における「CPP」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、50質量部とされた。
比較例3の医療機器用樹脂組成物は、実施例1の「CPP+TIT」に代えて、「CPP」が用いられた。比較例3における「CPP」の含有量は、主剤の固形分を100質量部としたときに、200質量部とされた。
比較例1〜3の医療機器用樹脂組成物の評価を行う供試サンプルとして、比較例1〜3の各医療機器用樹脂組成物の硬化物からなる指標を有する比較例の内視鏡が、実施例1と同様にして製造された。
[評価方法]
実施例1〜4、比較例1〜3の供試サンプルの評価としては、クロスカット試験による硬化物の密着性の初期評価と、滅菌処理による耐久評価とが行われた。
密着性の評価結果を下記[表3]に示す。
Figure 2018135442
初期評価([表3]の「初期状態」欄参照)は、供試サンプルが製造された後、滅菌処理の前に行われた。供試サンプルに対する滅菌処理は、オートクレーブ滅菌と、過酸化水素滅菌とが行われた。
このため、各実施例、各比較例の供試サンプルは、各評価用に、それぞれ3個ずつ製造された。
オートクレーブ滅菌は、121℃、0.22MPa、1時間を1サイクルとして、600例(回)行われた。
過酸化水素滅菌は、過酸化水素ガス滅菌装置を用いて、200例(回)行われた。
密着性は、指標と外皮樹脂4との密着性によって評価された。
密着性の評価方法としては、JIS K5600−5−6によるクロスカット法が用いられた。評価結果は、同JISによる分類0〜5によって表された。分類の番号は、値が小さいほど密着性が良好であることを示す。
総合評価としては、各密着性評価において、いずれも分類0であった場合に非常に良好([表3]には、◎(very good)と記載)、いずれも分類1以下であった場合に良好([表3]には、○(good)と記載)、それ以外は、不良([表3]には、×(no good)と記載)とされた。
[表3]に示すように、実施例1、4は、初期評価、耐久性評価とも、分類0であったため、非常に良好と評価された。
実施例2、3は、初期評価、耐久性評価とも、分類1であったため、良好と評価された。
これに対して、比較例1は、初期評価、耐久性評価とも、分類5であったため、不良と評価された。
比較例2、3は、初期評価では分類4、耐久性評価では分類5となったため、不良と評価された。
このように、各実施例は、滅菌処理が繰り返されても、初期状態と変わらない密着性が得られた。特に、実施例1、4の場合、「CPP」に加えて、「TIT」が0.01質量%以上10質量%以下含有されていたことによって、実施例2、3よりも密着性が良好になったと考えられる。
一方、「CPP」を含有しない比較例1は、初期評価、耐久性評価とも密着性が非常に悪い状態であった。
比較例2、3は、構成材料の種類は、「TIT」を含有しない以外は、実施例1と同じであった。比較例2、3は、「CPP」を含有するため、初期評価においては、比較例1よりも良好な密着性が得られた。しかし、比較例2、3は、各実施例に比べると格段に密着性が劣っていた。この理由は、「CPP」が100質量部未満(比較例2)、あるいは150質量部を超えていた(比較例3)ためであると考えられる。
以上、本発明の好ましい実施形態および変形例を、各実施例とともに説明したが、本発明はこの実施形態、変形例、および各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1A 内視鏡(医療機器)
2、2A 指標(塗膜層)
4 外皮樹脂
11 挿入部
16 可撓管部

Claims (7)

  1. ポリフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体およびポリフルオロオレフィン−ビニルエステル共重合体の少なくとも一方を含む含フッ素共重合体からなるバインダーと、液状可塑剤と、溶剤と、を含む主剤と、
    前記主剤における固形分を100質量部としたとき、100質量部以上150質量部以下の塩素化ポリオレフィンと、
    前記主剤を硬化するイソシアネート系硬化剤と、
    を含む、医療機器用樹脂組成物。
  2. 前記イソシアネート系硬化剤は、無黄変型イソシアネート系硬化剤である、
    請求項1に記載の医療機器用樹脂組成物。
  3. 前記液状可塑剤は、
    液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状ポリオキシプロピレン、液状ポリオキシテトラメチレングリコール、液状ポリオレフィングリコール、液状ポリ−ε−カプロラクトン、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、および液状ポリイソブチレンからなる群から選ばれた少なくとも1種の液状化学物質である、
    請求項1または2に記載の医療機器用樹脂組成物。
  4. 前記イソシアネート系硬化剤は、ブロックイソシアネート系硬化剤である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療機器用樹脂組成物。
  5. 前記塩素化ポリオレフィンの含有量に対して、0.01質量%以上10質量%以下のトリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートをさらに含有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療機器用樹脂組成物。
  6. 前記主剤は、色材をさらに含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療機器用樹脂組成物。
  7. 前記色材は、酸化チタンを含む、
    請求項6に記載の医療機器用樹脂組成物。
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