JP2018130884A - 架橋成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、射出成形における一サイクルを短くできる組成物を開発することにある。【解決手段】本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物(Y)と、ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)と、および反応抑制剤(D)とを、含む組成物を溶融混練して、金型内に射出成形し、当該金型内で架橋することを特徴とする成形物を製造する方法に係る。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物からなる架橋成形体を射出成形方法で製造する方法に関する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(以下、EPDMと略す場合がある)をヒドロシリル架橋して得られる共重合体組成物(特許文献1)は、イオウ加硫や過酸化物架橋と比較して機械的強度、耐熱老化性、圧縮永久歪み、ブルーム性に優れ、連続架橋が可能であることなどの特徴を有し、パッキン、ガスケット等シール部品への応用が期待される。
一方、ゴム組成物から成形物を得る方法の一つとして、射出成形機(インジェクション成形機)を用いる方法が提案されているが、ゴム組成物は高温で架橋することが必要であるので、射出成形金型内で容易に冷却・固化されるポリエチレンやポリプロピレンなどの成形物を得る時間に比べて、成形時間(一サイクル)が極めて長い。
例えば、上記特許文献1に記載されたゴム組成物を用いても当該ゴム組成物はスコーチタイムが短く、架橋速度も遅いので、射出成形機を用いて架橋成形体を得ようとしても、射出成形機内で架橋が始まったりして押出‐射出成形の加工性が低下し、又、架橋させる為には、金型内で比較的長い時間成形物を保持しておく必要があり、いずれにしても、射出成形で架橋成形体を得るには問題があった。
特開2006−290917号公報
本発明は、射出成形における一サイクルを短くできる組成物を開発することにある。
本発明は、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、架橋を行う場合の硬化特性に優れる本願記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、架橋挙動の制御に優れる、本願記載の架橋剤とを組み合わせることで、上記課題を解決することが可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物(Y)と、ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)と、および反応抑制剤(D)とを、含む組成物を溶融混練して、金型内に射出成形し、当該金型内で架橋することを特徴とする成形物を製造する方法に係る。
本発明によれば、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体からなる架橋成形体の射出成形の成形時間(一サイクル)を短くすることができ、かつ、表面外観等に優れる成形体を提供することができる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)>
本発明の成形物を製造する方法に用いるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に含まれるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有する。
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上記(A)、(B)、(C)に由来する構造単位に加えて、さらに上記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を有していてもよい。
炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。これらのα−オレフィンは一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
すなわち、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋が良好で、重合体組成物の耐熱性が向上しやすいことから非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(C)がVNBであることがより好ましい。非共役ポリエン(C)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)および前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位に加えて、さらに、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含んでいてもよい。このような非共役ポリエン(D)としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋時の架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことからENBが好ましい。非共役ポリエン(D)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含む場合、その割合は本発明の目的を損なわない範囲において特に限定されるものではないが、通常、0〜20重量%、好ましくは0〜8重量%、より好ましくは0.01〜8重量%程度の重量分率で含む(ただし、(A)、(B)、(C)、(D)の重量分率の合計を100重量%とする)。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上述の通り、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、上記非共役ポリエン(C)と、必要に応じて上記非共役ポリエン(D)とに由来する構成単位を有する共重合体であって、下記(i)〜(v)の要件を満たす。
(i)エチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が0.07重量%〜10重量%である。
(iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40 … 式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
(v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) ‥ 式(3)
本明細書において、前記(i)〜(v)をそれぞれ、要件(i)〜(v)とも記す。また、本明細書において、「炭素原子数3〜20のα−オレフィン」を単に「α−オレフィン」とも記す。
〈要件(i)〉
要件(i)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中のエチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは55/45〜78/22を満たすことが望ましい。このような本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、ヒドロシリル架橋して得られる成形体が優れたゴム弾性を示し、機械的強度ならびに柔軟性に優れたものとなるため好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中のエチレン量(エチレン(A)に由来する構成単位の含量)およびα−オレフィン量(α−オレフィン(B)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
〈要件(ii)〉
要件(ii)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中において、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量%中(すなわち全構成単位の重量分率の合計100重量%中)、0.07重量%〜10重量%の範囲であることを特定するものである。この非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率は、好ましくは0.1重量%〜8.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜5.0重量%であることが望ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、要件(ii)を満たすと、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなるため好ましく、ヒドロシリル架橋した場合には、早い架橋速度を示すものとなり、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、架橋成形体の製造に好適なものとなるため好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中の非共役ポリエン(C)量(非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
〈要件(iii)〉
要件(iii)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、共重合体中における非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率:重量%)と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、次の関係式(1)を満たすことを特定するものである。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40 … 式(1)
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、要件(iii)を満たす場合、VNBなどの非共役ポリエン(C)に由来する構造単位の含有量が適切であって、十分なヒドロシリル架橋性能を示すとともに、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を用いて架橋成形体を製造した場合には、架橋速度に優れ、架橋後の成形体が優れた機械特性を示すものとなるため好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、より好ましくは、下記関係式(1')を満たすことが望ましい。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦35 … 式(1')
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、「Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量」が前記式(1)あるいは(1')を満たす場合には架橋程度が適切となり、これを用いることにより機械的物性と耐熱老化性とにバランスよく優れた成形品を製造することができる。「Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量」が少なすぎる場合には、ヒドロシリル架橋する際に架橋性が不足して架橋速度が遅くなることなることがあり、また多すぎる場合には過度に架橋を生じて機械的物性が悪化する場合がある。
〈要件(iv)〉
要件(iv)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の、レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率:重量%)とが、下記式(2)を満たすことを特定するものである。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
ここで、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))は、粘度の周波数依存性を表すものであって、式(2)の左辺にあたるP/([η]2.9)は、短鎖分岐や分子量などの影響はあるものの、長鎖分岐が多い場合に高い値を示す傾向がある。一般に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体では、非共役ポリエンに由来する構成単位を多く含むほど、長鎖分岐を多く含む傾向があるが、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、従来公知のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体よりも長鎖分岐が少ないことにより上記式(2)を満たすことができると考えられる。本発明において、P値は、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%、周波数を変えた条件で測定を行って求めた、0.1rad/sでの複素粘度と、100rad/sでの複素粘度とから、比(η*比)を求めたものである。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、好ましくは、下記式(2')を満たす。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×5.7 … 式(2')
なお、極限粘度[η]は、135℃のデカリン中で測定される値を意味する。
〈要件(v)〉
要件(v)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の、3D−GPCを用いて得られた1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たすことを特定するものである。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) ‥ 式(3)
上記式(3)により、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の単位炭素数当たりの長鎖分岐含量の上限値が特定される。
このようなエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、含まれる長鎖分岐の割合が少なく、ヒドロシリル架橋を行う場合の硬化特性に優れるとともに、これを用いて得られる成形体が耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、好ましくは、下記式(3')を満たす。
LCB1000C≦1−0.071×Ln(Mw) ‥ 式(3')
ここで、Mwと1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)は、3D−GPCを用いて構造解析法により求めることができる。本明細書においては、具体的には、次のようにして求めた。
3D-高温GPC装置PL-GPC220型(Polymer Laboratories社製)を用い、絶対分子量分布を求め、同時に粘度計で極限粘度を求めた。主な測定条件は以下の通り。
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
2角度光散乱光度計PD2040型(Precison Detectors社製)
ブリッジ型粘度計PL−BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本
(いずれも1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4-トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:ca 1.5mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
絶対分子量の決定に必要なdn/dc値は標準ポリスチレン(分子量190000)のdn/dc値0.053と単位注入質量あたりの示差屈折率計の応答強度より、試料ごとに決定した。
粘度計より得られた極限粘度と光散乱光度計より得られた絶対分子量の関係より溶出成分毎の長鎖分岐パラメーターg'iを式(v−1)から算出した。
ここで、[η]=KMv;v=0.725の関係式を適用した。
また、g'として各平均値を下記式(v−2)、(v−3)、(v−4)から算出した。なお、短鎖分岐のみを有すると仮定したTrendlineは試料ごとに決定した。
更にg'wを用いて、分子鎖あたりの分岐点数BrNo、炭素1000個あたりの長鎖分岐数LCB1000C、単位分子量あたりの分岐度λを算出した。BrNo算出はZimm-Stockmayerの式(v−5)、また、LCB1000Cとλの算出は式(v−6)、(v−7)を用いた。gは慣性半径Rgから求められる長鎖分岐パラメーターであり、極限粘度から求められるg'との間に次の単純な相関付けが行われている。式中のεは分子の形に応じて種々の値が提案されている。ここではε=1(すなわちg'=g)と仮定して計算を行った。
λ=BrNo/M …(V−6)
LCB1000C=λ×14000 …(V−7)
*式(V−7)中、14000はメチレン(CH2)単位で1000個分の分子量を表す。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、極限粘度[η]が好ましくは0.1〜5dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gであることが望ましい。
また本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10,000〜600,000、より好ましくは30,000〜500,000、さらに好ましくは50,000〜400,000であることが望ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上記の極限粘度[η]および重量平均分子量(Mw)を兼ね備えて満たすことが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)では、非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、VNBであることがより好ましい。すなわち上述した式(1)、式(2)ならびに後述する式(4)等において、「(C)の重量分率」が「VNBの重量分率」(重量%)であることが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上述したように、上記(A)、(B)および(C)に由来する構造単位に加えて、さらに、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を、0重量%〜20重量%の重量分率(ただし、(A)、(B)、(C)、(D)の重量分率の合計を100重量%とする)で含むことも好ましい。この場合には、下記(vi)の要件を満たすことが好ましい。
(要件(vi))
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、共役ポリエン(D)に由来する構成単位の重量分率((D)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)と、共役ポリエン(D)の分子量((D)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。
4.5≦Mw×{((C)の重量分率/100/(C)の分子量)+((D)の重量分率/100/(D)の分子量)}≦45 … 式(4)
式(4)では、共重合体1分子中の非共役ジエン((C)と(D)の合計)の含量を特定している。
上記(D)に由来する構造単位を含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が式(4)を満たす場合、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の組成物から得られるヒドロキシ架橋成形体が優れた機械物性と耐熱老化性を示すものとなるため好ましい。
要件(vi)を満たさず、式(4)中の「Mw×{((C)の重量分率/100/(C)の分子量)+((D)の重量分率/100/(D)の分子量)}」が少なすぎる場合、すなわち非共役ジエンの含量が少なすぎる場合には、十分な架橋がなされず適切な機械物性が得られない場合があり、多すぎる場合にはヒドロキシ架橋が過剰となり機械物性が悪化する場合がある他、耐熱老化性が悪化する場合がある。
〈要件(vii)〉
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、特に限定されるものではないが、レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)(Pa・sec)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)(Pa・sec)と、非共役ポリエン(c)に由来する見かけのヨウ素価とが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
Log{η* (ω=0.01)}/Log{η* (ω=10)}≦0.0753×{非共役ポリエン(C)に由来する見かけのヨウ素価}+1.42 … 式(5)
ここで、複素粘度η* (ω=0.01)および複素粘度η* (ω=10)は、要件(vi)における複素粘度η* (ω=0.1)および複素粘度η* (ω=100)と測定周波数以外は同様にして求められる。
また、非共役ポリエン(C)に由来する見かけのヨウ素価は、次式により求められる。
(C)に由来する見かけのヨウ素価=(C)の重量分率×253.81/(C)の分子量
上記式(5)において、左辺は長鎖分岐量の指標となる剪断速度依存性を表し、右辺は重合時に長鎖分岐として消費されていない非共役ポリエン(C)の含有量の指標を表す。要件(vii)を満たし、上記式(5)を満たす場合には、長鎖分岐の程度が高すぎないため好ましい。一方上記式(5)を満たさない場合には、共重合した非共役ポリエン(C)のうち、長鎖分岐の形成に消費された割合が多いこと分かる。
またさらに本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位を十分量含有することが好ましく、共重合体中における非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とが、下記式(6)を満たすことが好ましい。
6−0.45×Ln(Mw)≦(C)の重量分率≦10 …式(6)
また本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nC)が、好ましくは6個以上、より好ましくは6個以上40個以下、さらに好ましくは7個以上39個以下、またさらに好ましくは10個以上38個以下であることが望ましい。
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、VNBなどの非共役ポリエン(C)から導かれる構成単位を十分量含有し、かつ、長鎖分岐含有量が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに特に耐熱老化性に優れる。
さらに本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(D)に由来する構成単位の数(nD)が、好ましくは29個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは1個未満であることが望ましい。
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、ENBなどの非共役ポリエン(D)から導かれる構成単位の含有量が本発明の目的を損なわない範囲に抑制されており、後架橋を生じにくく、十分な耐熱老化性を有するため好ましい。
ここで、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nC)あるいは非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nD)は、非共役ポリエン(C)または(D)の分子量と、共重合体中における非共役ポリエン(C)または(D)に由来する構成単位の重量分率((C)または(D)の重量分率(重量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とから、下記式により求めることができる。
(nC)=(Mw)×{(C)の重量分率/100}/非共役ポリエン(C)の分子量
(nD)=(Mw)×{(D)の重量分率/100}/非共役ポリエン(D)の分子量
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)および(D)に由来するそれぞれの構成単位の数(nc)および(nD)が、いずれも上記の範囲を満たす場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を含む組成物をヒドロキシ架橋を行う場合の架橋速度が速く、得られる架橋成形体の機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、後架橋を生じにくく特に耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の製造>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)と、必要に応じて前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に1つのみ2含む非共役ポリエン(D)とからなるモノマーを共重合してなる共重合体である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、前記の要件(i)〜(v)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、具体的には、例えば、国際公開第2015/122495号パンフレット記載のメタロセン触媒に記載の方法を採用することにより製造することができる。
<ヒドロシリル基含有化合物(Y)>
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と反応して架橋剤として作用する。このヒドロシリル基含有化合物(Y)は、従来から製造・市販されている、例えば、線状、環状、分岐状の各構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物など、その構造においていずれでも使用可能であるが、本発明で用いるヒドロシリル基含有化合物(Y)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含んでいなければならない。
このようなヒドロシリル基含有化合物(Y)は、通常、下記の一般組成式
4 bcSiO(4-b-c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、メチル基やエチル基からはじまりノニル基やデシル基に至る、n−、iso−、sec−、tert−などの異性体を含むアルキル基、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基、例えばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記一般組成式において、bは、1≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、1<c≦3、好ましくは1≦c<2であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R2 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR2 3SiO1/2 単位、R2 2SiO2/2 単位、R2(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2 またはR2SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO−(−SiH(CH3)−O−)d−Si(CH33
(式中のdは2以上の整数である。)
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)f−Si(CH33
(式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。)
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−Si(CH32
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−SiH(CH3)−O−)e−Si(CH32
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)h−Si(CH32
(式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。)
以上のような化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3−ジハイドロ−1,1,3,3− テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)の量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量部に対して、通常0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、さらには0.2〜30重量部、さらには0.2〜20重量部、特には0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。100重量部を超える割合でヒドロシリル基含有化合物(Y)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
<白金系触媒(Z)>
本発明で用いるヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)は、付加反応触媒であり、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が有するアルケニル基と、ヒドロシリル基含有化合物(Y)のヒドロシリル基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば、特に制限はなく使用することができる。
具体的な白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物などが挙げられる。
より具体的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものなどが挙げられる。
ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)の量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)に対して、通常0.1〜100000重量ppm、好ましくは0.1〜10000重量ppm、さらに好ましくは1〜5000重量ppm、特に好ましくは5〜1000重量ppmの割合で用いられる。0.1重量ppm未満では架橋速度が遅くなる傾向にあり、また、100000重量ppmを超える割合で用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。上記範囲内の割合でヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(C)を用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れる架橋成形体を形成できるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が得られる。
<反応抑制剤(D)>
本発明で用いる反応抑制剤(D)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が有するアルケニル基と、ヒドロシリル基含有化合物(Y)のヒドロシリル基との架橋反応(アルケンへのヒドロシリル化付加反応)を抑制する。この架橋反応の抑制は、混練時および成形時での加工性を安定にする点で必要である。
本発明で用いる反応抑制剤(D)は、一般式[III]で表される化合物であり、
〔式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基であり、同一でも異なってよい。具体的には、メチル基からブチル基であり、n−、iso−、sec−、tert−などの異性体を含む。好ましくは、メチル基またはエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。R1およびR2の組合せは、同一でも異なってよいが、好ましくは、メチル基とエチル基を含む場合であり、特に好ましくは、全てメチル基で同一である場合である。〕
前記一般式[III]の具体例は、3,7,11−トリメチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリエチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリプロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリイソプロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリイソブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリ−sec−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリ−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、
3,7−ジメチル−11−エチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7−ジメチル−11−プロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7−ジメチル−11−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、および3,11−ジメチル−7−エチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシンなどが挙げられる。特に好ましいのは、3,7,11−トリメチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシンである。
反応抑制剤(D)の量は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量部に対して、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.07〜5重量部、より好ましくは0.07〜4.5重量部、さらに好ましくは0.1〜4.5重量部、特に好ましくは0.1〜3.0重量部、最も特に好ましくは0.1〜1.0重量部の割合で用いられる。0.05重量部未満では架橋速度が速すぎる虞があり、また、5重量部を超える割合で反応抑制剤(D)を用いると、反応抑制の効果が大きく架橋が起こりにくくなる虞がある。
<その他の配合剤>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物には、上記の必須の配合剤以外に、必要に応じて、補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、さらには発泡剤、発泡助剤、可塑剤、着色剤、他のゴム配合剤、ゴム、樹脂などを他の成分として配合することができる。それらの配合剤は、用途に応じて、その種類、含有量が適宜選択されるが、これらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用いることが好ましい。
本発明では、必要に応じて用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの汎用樹脂が挙げられる。また、本発明では、必要に応じて用いられるゴムとしては、シリコーンゴム、エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム(EPR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどをブレンドして用いることができる。また、上記共重合体(A)とは異なるが類似するゴム(EPT)、更には、上記共重合体(A)同士であっても、イ)エチレン/炭素数3〜20のα−オレフィンのモル比、(ロ)ヨウ素価、または(ハ)極限粘度[η]が異なる上記共重合体(A)同士を2種以上混合して用いることもできる。特に、(ハ)においては、低極限粘度成分と高極限粘度の混合が挙げられる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、上記ヒドロシリル基含有化合物(Y)、上記白金系触媒(Z)および反応抑制剤(D)を含む組成物である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に含まれる各成分の好ましい量は、前記したとおりである。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物からなる成形体の製造方法>
本発明の成形体の製造方法は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を、通常、50〜130℃、好ましくは70〜110℃の温度範囲で溶融混練し、通常、150〜200℃、好ましくは160〜190℃の温度範囲に設定した金型内に射出成形して、当該組成物を架橋することを特徴とする成形体の製造方法である。
本発明の成形体の製造方法において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を溶融混練する方法は、射出成形機が具備する押出し成形機に上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)などを所定量計量した後、上記温度範囲で溶融混練してもよいが、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)などを所定量計量した後、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、予め溶融混練して、射出成形機に投入してもよい。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物から得られる成形体としては、例えば、ホース、タイヤ用ゴム、O−リング、工業用ロール、パッキン(例えばコンデンサーパッキン)、ガスケット、防振ゴム、防振材あるいは制振材(例えば、エンジンマウント、モーターマウント)、マフラーハンガー、スポンジ(例えば、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、微発泡スポンジ)、カラー表皮材、給紙ロール等に好適に用いられる。これらのうちでも、自動車用内外装部品や耐熱性を求められる用途に好適に用いられ、ホース、O−リング、パッキン、スポンジ、防振ゴム、スポンジ用途に好適である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の物性は、以下の方法で測定した。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体>
(1)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の組成
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、各構成単位の重量分率(重量%)およびエチレンとα−オレフィンのモル比は、13C−NMRによる測定値により求めた。測定値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13C−NMRのスペクトルを測定して得た。
(2)極限粘度[η]
極限粘度[η](dl/g)は、(株)離合社製全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値である。測定装置および条件は、以下のとおりである。また、分子量は、市販の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、換算法に基づいて算出した。
装置:ゲル透過クロマトグラフ Alliance GP2000型(Waters社製)、
解析装置:Empower2(Waters社製)、
カラム:TSKgel GMH6−HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、
カラム温度:140℃、
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)、
検出器:示差屈折計(RI)、流速:1.0mL/min、
注入量:400μL、
サンプリング時間間隔:1s、
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)、
分子量換算:旧法EPR換算/粘度を考慮した較正法。
(4)複素粘度η*およびP値
レオメーターとして、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%の条件で、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)および周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(いずれも単位はPa・sec)を測定した。
また、得られた結果よりη* (ω=0.1)とη* (ω=100)との複素粘度の比(η*比)であるP値(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))を算出した。
実施例および比較例で用いた共重合体組成物の評価の測定方法は次の通りである。
[外観官能性評価]
共重合体組成物を下記条件で射出成形し、得られた射出架橋成形体の表面状態を観察した。
成型条件:75t竪型インシ゛ェクション(松田製作所)、金型:スパイラルフロー
ノス゛ル温度:60℃
金型温度:180℃
射出速度40cm3/sec、
型締圧力135kgf
成型法:手動
(1)サンフ゜ル充填5回捨て射ち
(2)金型締め→押出機OFF→ノス゛ル前進→射出(ストッフ゜ウォッチ)→直ぐにノス゛ル後退→所定の時間で金型開
※加硫が早いため3、4回が限度(ノス゛ル内部で加硫が進行)
[評価基準]
1:表面が滑らかで光沢がある
2:微細な凹凸が認められる
3:顕著な凹凸が認められる。光沢が無い。
4:成形体に切れ等の顕著な成形不良が認められる。
〔製造例1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、プロピレン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)の重合反応を87℃にて行った。
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:32.6L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.6kg/h、プロピレン量が6.1kg/h、VNBフィード量が290g/hおよび水素フィード量が6.3NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
重合圧力を1.6MPaG、重合温度を87℃に保ちながら、主触媒としてジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いて、フィード量0.0015mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C65)3CB(C65)4(CB−3)をフィード量0.0075mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量20mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体を15.2質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・プロピレン・VNB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
以上の操作によって、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)が、毎時4.7kgの速度で得られた。
得られた共重合体(S−1)の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
〔製造例2〕
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5−ビニル−2−ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロピレンを8.0kg、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を1440gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOCl3を48ミリモル、Al(Et)2Clを240ミリモル、Al(Et)1.5 Cl1.5 を48ミリモルの速度で連続的に供給した。上記条件で共重合反応を行い、エチレン・プロピレン・VNB共重合体(以下、共重合体(A−1)と略す)が均一な溶液状態で得られた。スチームストリッピング処理にてエチレン・プロピレン・VNB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
得られた共重合体(A−1)の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例1〜3]
第一段階として、Mixtron BB−4型ミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、製造例1で得たエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)100重量部を1分間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40重量部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB[白石カルシウム(株)製])30重量部、パラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW−380、出光興産(株)製)40重量部、および特殊処理酸化カルシウム(ベスタPP[井上石灰工業(株)製])10重量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
次に、第二段階として、第一段階で得られた配合物を、8インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、ヒドロシリル基含有化合物(信越化学(株)製:(CH3)3SiO-(SiH(CH3)-O-)6-Si(CH3)2-O-Si(C6H6)2-O-Si(CH3)3)4重量部、白金系触媒(信越化学(株)製:塩化白金酸+[CH2=CH(Me)SiO]4錯体)0.2重量部および反応抑制剤(信越化学(株)製:エチル-1-オクチン-3-オール)0.1重量部を加え10分間混練して未架橋のゴム配合物(エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物)を得た。このゴム配合物を用いて、射出成形評価を行った。
射出成形は75t竪型インジェクション(VI−75P(B)−40/60SPR5(500)−P、松田製作所製)にスパイラルフロー金型を取り付け、ノズル温度60℃、金型温度180℃、射出速度40cm3/sec、型締圧力135kgf、加硫時間を変えた(表記載)条件で行い、ゴム配合物(共重合体組成物)の流動長、および得られた成形品(架橋成形体)の外観評価を行った。
結果を表2に示す。
[比較例1〜3]
実施例1で用いたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)に替えて、製造例2で得られた共重合体(A−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
評価結果を表3に示す。
表2および表3から明らかなように、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を用いた共重合体組成物は、実施例1〜3〔実施例では、共重合体(S−1)〕に示されるように、比較例1〜3に示すエチレン・プロピレン・VNB共重合体(以下、共重合体(A−1)を用いた共重合体組成物に比べて、共重合体組成物の流動長が325mm(実施例1)に対して255mm(比較例1)、280mm(実施例2)に対して230mm(比較例2)および270mm(実施例3)に対して225mm(比較例3)と長く、流動性(射出成形性)に優れている。
また、実施例1〜3で得られて架橋成形体の表面状態は、いずれも微細な凹凸が認められる(評価:2)程度で優れているのに対し、比較例1〜3で得られた架橋成形体の表面状態は、成形体に切れ等の顕著な成形不良が認められる(評価:4)あるいは顕著な凹凸が認められ、光沢が無い(評価:3)と何れも表面状態が良くないことが明らかである。
さらに、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を用いた共重合体組成物は、実施例3に示されるように、加硫時間(架橋時間)が13秒と短くしても表面状態が良好な架橋成形体が得られる、すなわち、射出成形における一サイクルを短くできることが明らかである。

Claims (3)

  1. (1)エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有し、
    下記(i)〜(v)の要件を満たすことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、
    (2)ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物(Y)、
    (3)ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)、および
    (4)下記式[III]で表される反応抑制剤(D)を、
    含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を溶融混練して、金型内に射出成形し、当該金型内で架橋することを特徴とする成形物を製造する方法。
    (i)エチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1である。
    (ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量%中、0.07重量%〜10重量%である。
    (iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
    4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40 … 式(1)
    (iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
    P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
    (v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
    LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) ‥ 式(3)
    〔式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基であり、同一でも異なってよい。〕
  2. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S):100重量部に対して、上記ヒドロシリル基含有化合物(Y)が0.1〜100重量部、上記白金系触媒(Z)が0.1〜100000重量ppm、および上記反応抑制剤(D)が0.05〜5重量部の範囲にある請求項1に記載の成形物を製造する方法。
  3. 溶融混練する際の温度が、50〜130℃の範囲にあり、金型の温度が150〜200℃の範囲にある請求項1または2に記載の成形物を製造する方法。
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