JP6900201B2 - エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物 Download PDF

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本発明は、成形加工時の温度領域ではスコーチタイムが程よい時間を有し、且つ、高温での架橋時には、架橋速度が速いエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に関する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(以下、EPDMと略す場合がある)をヒドロシリル架橋して得られる共重合体組成物(特許文献1)は、イオウ加硫や過酸化物架橋と比較して機械的強度、耐熱老化性、圧縮永久歪み、ブルーム性に優れ、連続架橋が可能であることなどの特徴を有し、パッキン、ガスケット等シール部品への応用が期待される。
EPDMからなる共重合体組成物は、EPDMにさまざまな架橋剤、触媒、充填剤、配合剤を段階的に加えながら所定の温度条件下で段階的に混練して得られる。しかしながら、EPDMの炭素−炭素二重結合とヒドロシリル基含有化合物とによるヒドロシリル架橋反応は、温度がかかる混練の初期段階から既に開始されるため、混練途中での加工性が徐々に低下する。そのため、架橋反応を抑制する目的で、反応抑制剤を同時に配合する必要がある。
特開2006−290917号公報
本発明は、混練−成形加工する際の50〜130℃の比較的低い温度では、混練途中で架橋が起こらないようにスコーチタイムが長く、架橋温度である150〜200℃では、短時間で架橋し得る共重合体組成物を開発することを目的とするものである。
本発明は、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、架橋を行う場合の硬化特性に優れる本願記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を、本願記載の架橋剤とを組み合わせることで、上記課題を解決することが可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物(Y)ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)、およびエチル‐1−オクチン‐3−オールからなる反応抑制剤を含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に係る。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物は、混練−成形加工する際の50〜130℃の比較的低い温度では、スコーチタイムが長く、架橋温度である150〜200℃では、短時間で架橋することができるので、共重合体組成物からなる成形体の高速成形性に優れ、また、得られた製品の後架橋が少なく、耐熱老化性、圧縮永久歪等に優れる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有する。
Figure 0006900201
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上記(A)、(B)、(C)に由来する構造単位に加えて、さらに上記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を有していてもよい。
炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。これらのα−オレフィンは一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
すなわち、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋が良好で、重合体組成物の耐熱性が向上しやすいことから非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(C)がVNBであることがより好ましい。非共役ポリエン(C)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)および前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位に加えて、さらに、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含んでいてもよい。このような非共役ポリエン(D)としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋時の架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことからENBが好ましい。非共役ポリエン(D)は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含む場合、その割合は本発明の目的を損なわない範囲において特に限定されるものではないが、通常、0〜20重量%、好ましくは0〜8重量%、より好ましくは0.01〜8重量%程度の重量分率で含む(ただし、(A)、(B)、(C)、(D)の重量分率の合計を100重量%とする)。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上述の通り、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、上記非共役ポリエン(C)と、必要に応じて上記非共役ポリエン(D)とに由来する構成単位を有する共重合体であって、下記(i)〜(v)の要件を満たす。
(i)エチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が0.07重量%〜10重量%である。
(iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40 … 式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
(v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) ‥ 式(3)
本明細書において、前記(i)〜(v)をそれぞれ、要件(i)〜(v)とも記す。また、本明細書において、「炭素原子数3〜20のα−オレフィン」を単に「α−オレフィン」とも記す。
(要件(i))
要件(i)は、本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中のエチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは55/45〜78/22を満たすことが望ましい。このような本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、ヒドロシリル架橋して得られる成形体が優れたゴム弾性を示し、機械的強度ならびに柔軟性に優れたものとなるため好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中のエチレン量(エチレン(A)に由来する構成単位の含量)およびα−オレフィン量(α−オレフィン(B)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
(要件(ii))
要件(ii)は、本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中において、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量%中(すなわち全構成単位の重量分率の合計100重量%中)、0.07重量%〜10重量%の範囲であることを特定するものである。この非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率は、好ましくは0.1重量%〜8.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜5.0重量%であることが望ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、要件(ii)を満たすと、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなるため好ましく、ヒドロシリル架橋した場合には、早い架橋速度を示すものとなり、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、架橋成形体の製造に好適なものとなるため好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)中の非共役ポリエン(C)量(非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
(要件(iii))
要件(iii)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、共重合体中における非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率:重量%)と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、次の関係式(1)を満たすことを特定するものである。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40 … 式(1)
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、要件(iii)を満たす場合、VNBなどの非共役ポリエン(C)に由来する構造単位の含有量が適切であって、十分なヒドロシリル架橋性能を示すとともに、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を用いて架橋成形体を製造した場合には、架橋速度に優れ、架橋後の成形体が優れた機械特性を示すものとなるため好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、より好ましくは、下記関係式(1')を満たすことが望ましい。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦35 … 式(1')
なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、「Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量」が前記式(1)あるいは(1')を満たす場合には架橋程度が適切となり、これを用いることにより機械的物性と耐熱老化性とにバランスよく優れた成形品を製造することができる。「Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量」が少なすぎる場合には、ヒドロシリル架橋する際に架橋性が不足して架橋速度が遅くなることなることがあり、また多すぎる場合には過度に架橋を生じて機械的物性が悪化する場合がある。
(要件(iv))
要件(iv)は、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の、レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率:重量%)とが、下記式(2)を満たすことを特定するものである。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
ここで、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))は、粘度の周波数依存性を表すものであって、式(2)の左辺にあたるP/([η]2.9)は、短鎖分岐や分子量などの影響はあるものの、長鎖分岐が多い場合に高い値を示す傾向がある。一般に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体では、非共役ポリエンに由来する構成単位を多く含むほど、長鎖分岐を多く含む傾向があるが、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、従来公知のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体よりも長鎖分岐が少ないことにより上記式(2)を満たすことができると考えられる。本発明において、P値は、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%、周波数を変えた条件で測定を行って求めた、0.1rad/sでの複素粘度と、100rad/sでの複素粘度とから、比(η*比)を求めたものである。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、好ましくは、下記式(2')を満たす。
P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×5.7 … 式(2')
なお、極限粘度[η]は、135℃のデカリン中で測定される値を意味する。
(要件(v))
要件(v)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の、3D−GPCを用いて得られた1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たすことを特定するものである。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) ‥ 式(3)
上記式(3)により、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の単位炭素数当たりの長鎖分岐含量の上限値が特定される。
このようなエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、含まれる長鎖分岐の割合が少なく、ヒドロシリル架橋を行う場合の硬化特性に優れるとともに、これを用いて得られる成形体が耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、好ましくは、下記式(3')を満たす。
LCB1000C≦1−0.071×Ln(Mw) ‥ 式(3')
ここで、Mwと1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)は、3D−GPCを用いて構造解析法により求めることができる。本明細書においては、具体的には、次のようにして求めた。
3D-高温GPC装置PL-GPC220型(Polymer Laboratories社製)を用い、絶対分子量分布を求め、同時に粘度計で極限粘度を求めた。主な測定条件は以下の通り。
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
2角度光散乱光度計PD2040型(Precison Detectors社製)
ブリッジ型粘度計PL−BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本
(いずれも1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4-トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:ca 1.5mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
絶対分子量の決定に必要なdn/dc値は標準ポリスチレン(分子量190000)のdn/dc値0.053と単位注入質量あたりの示差屈折率計の応答強度より、試料ごとに決定した。
粘度計より得られた極限粘度と光散乱光度計より得られた絶対分子量の関係より溶出成分毎の長鎖分岐パラメーターg'iを式(v−1)から算出した。
Figure 0006900201
ここで、[η]=KMv;v=0.725の関係式を適用した。
また、g'として各平均値を下記式(v−2)、(v−3)、(v−4)から算出した。なお、短鎖分岐のみを有すると仮定したTrendlineは試料ごとに決定した。
Figure 0006900201
更にg'wを用いて、分子鎖あたりの分岐点数BrNo、炭素1000個あたりの長鎖分岐数LCB1000C、単位分子量あたりの分岐度λを算出した。BrNo算出はZimm-Stockmayerの式(v−5)、また、LCB1000Cとλの算出は式(v−6)、(v−7)を用いた。gは慣性半径Rgから求められる長鎖分岐パラメーターであり、極限粘度から求められるg'との間に次の単純な相関付けが行われている。式中のεは分子の形に応じて種々の値が提案されている。ここではε=1(すなわちg'=g)と仮定して計算を行った。
Figure 0006900201
λ=BrNo/M …(V−6)
LCB1000C=λ×14000 …(V−7)
*式(V−7)中、14000はメチレン(CH2)単位で1000個分の分子量を表す。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、極限粘度[η]が好ましくは0.1〜5dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gであることが望ましい。
また本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10,000〜600,000、より好ましくは30,000〜500,000、さらに好ましくは50,000〜400,000であることが望ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上記の極限粘度[η]および重量平均分子量(Mw)を兼ね備えて満たすことが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)では、非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、VNBであることがより好ましい。すなわち上述した式(1)、式(2)ならびに後述する式(4)等において、「(C)の重量分率」が「VNBの重量分率」(重量%)であることが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、上述したように、上記(A)、(B)および(C)に由来する構造単位に加えて、さらに、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を、0重量%〜20重量%の重量分率(ただし、(A)、(B)、(C)、(D)の重量分率の合計を100重量%とする)で含むことも好ましい。この場合には、下記(vi)の要件を満たすことが好ましい。
(要件(vi))
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、共役ポリエン(D)に由来する構成単位の重量分率((D)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)と、共役ポリエン(D)の分子量((D)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。
4.5≦Mw×{((C)の重量分率/100/(C)の分子量)+((D)の重量分率/100/(D)の分子量)}≦45 … 式(4)
式(4)では、共重合体1分子中の非共役ジエン((C)と(D)の合計)の含量を特定している。
上記(D)に由来する構造単位を含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が式(4)を満たす場合、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の組成物から得られるヒドロキシ架橋成形体が優れた機械物性と耐熱老化性を示すものとなるため好ましい。
要件(vi)を満たさず、式(4)中の「Mw×{((C)の重量分率/100/(C)の分子量)+((D)の重量分率/100/(D)の分子量)}」が少なすぎる場合、すなわち非共役ジエンの含量が少なすぎる場合には、十分な架橋がなされず適切な機械物性が得られない場合があり、多すぎる場合にはヒドロキシ架橋が過剰となり機械物性が悪化する場合がある他、耐熱老化性が悪化する場合がある。
(要件(vii))
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、特に限定されるものではないが、レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)(Pa・sec)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)(Pa・sec)と、非共役ポリエン(c)に由来する見かけのヨウ素価とが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
Log{η* (ω=0.01)}/Log{η* (ω=10)}≦0.0753×{非共役ポリエン(C)に由来する見かけのヨウ素価}+1.42 … 式(5)
ここで、複素粘度η* (ω=0.01)および複素粘度η* (ω=10)は、要件(vi)における複素粘度η* (ω=0.1)および複素粘度η* (ω=100)と測定周波数以外は同様にして求められる。
また、非共役ポリエン(C)に由来する見かけのヨウ素価は、次式により求められる。
(C)に由来する見かけのヨウ素価=(C)の重量分率×253.81/(C)の分子量
上記式(5)において、左辺は長鎖分岐量の指標となる剪断速度依存性を表し、右辺は重合時に長鎖分岐として消費されていない非共役ポリエン(C)の含有量の指標を表す。要件(vii)を満たし、上記式(5)を満たす場合には、長鎖分岐の程度が高すぎないため好ましい。一方上記式(5)を満たさない場合には、共重合した非共役ポリエン(C)のうち、長鎖分岐の形成に消費された割合が多いこと分かる。
またさらに本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位を十分量含有することが好ましく、共重合体中における非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とが、下記式(6)を満たすことが好ましい。
6−0.45×Ln(Mw)≦(C)の重量分率≦10 …式(6)
また本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nC)が、好ましくは6個以上、より好ましくは6個以上40個以下、さらに好ましくは7個以上39個以下、またさらに好ましくは10個以上38個以下であることが望ましい。
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、VNBなどの非共役ポリエン(C)から導かれる構成単位を十分量含有し、かつ、長鎖分岐含有量が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに特に耐熱老化性に優れる。
さらに本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(D)に由来する構成単位の数(nD)が、好ましくは29個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは1個未満であることが望ましい。
このような本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、ENBなどの非共役ポリエン(D)から導かれる構成単位の含有量が本発明の目的を損なわない範囲に抑制されており、後架橋を生じにくく、十分な耐熱老化性を有するため好ましい。
ここで、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nC)あるいは非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の数(nD)は、非共役ポリエン(C)または(D)の分子量と、共重合体中における非共役ポリエン(C)または(D)に由来する構成単位の重量分率((C)または(D)の重量分率(重量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とから、下記式により求めることができる。
(nC)=(Mw)×{(C)の重量分率/100}/非共役ポリエン(C)の分子量
(nD)=(Mw)×{(D)の重量分率/100}/非共役ポリエン(D)の分子量
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(C)および(D)に由来するそれぞれの構成単位の数(nc)および(nD)が、いずれも上記の範囲を満たす場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を含む組成物をヒドロキシ架橋を行う場合の架橋速度が速く、得られる架橋成形体の機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、後架橋を生じにくく特に耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の製造>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)と、必要に応じて前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に1つのみ2含む非共役ポリエン(D)とからなるモノマーを共重合してなる共重合体である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、前記の要件(i)〜(v)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)は、具体的には、例えば、国際公開第2015/122495号パンフレット記載のメタロセン触媒に記載の方法を採用することにより製造することができる。
<ヒドロシリル基含有化合物(Y)>
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と反応して架橋剤として作用する。このヒドロシリル基含有化合物(Y)は、従来から製造・市販されている、例えば、線状、環状、分岐状の各構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物など、その構造においていずれでも使用可能であるが、本発明で用いるヒドロシリル基含有化合物(Y)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含んでいなければならない。
このようなヒドロシリル基含有化合物(Y)は、通常、下記の一般組成式
4 bcSiO(4-b-c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、メチル基やエチル基からはじまりノニル基やデシル基に至る、n−、iso−、sec−、tert−などの異性体を含むアルキル基、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基、例えばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記一般組成式において、bは、1≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、1<c≦3、好ましくは1≦c<2であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R2 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR2 3SiO1/2 単位、R2 2SiO2/2 単位、R2(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2 またはR2SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO−(−SiH(CH3)−O−)d−Si(CH33
(式中のdは2以上の整数である。)
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)f−Si(CH33
(式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。)
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−Si(CH32
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−SiH(CH3)−O−)e−Si(CH32
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)h−Si(CH32
(式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。)
以上のような化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3−ジハイドロ−1,1,3,3− テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
本発明に係るヒドロシリル基含有化合物(Y)の量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量部に対して、通常0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、さらには0.2〜30重量部、さらには0.2〜20重量部、特には0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。100重量部を超える割合でヒドロシリル基含有化合物(Y)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
<白金系触媒(Z)>
本発明で用いるヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)は、付加反応触媒であり、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が有するアルケニル基と、ヒドロシリル基含有化合物(Y)のヒドロシリル基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば、特に制限はなく使用することができる。
具体的な白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物などが挙げられる。
より具体的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものなどが挙げられる。
ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)の量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)に対して、通常0.1〜100000重量ppm、好ましくは0.1〜10000重量ppm、さらに好ましくは1〜5000重量ppm、特に好ましくは5〜1000重量ppmの割合で用いられる。0.1重量ppm未満では架橋速度が遅くなる傾向にあり、また、100000重量ppmを超える割合で用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。上記範囲内の割合でヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(C)を用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れる架橋成形体を形成できるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が得られる。
<反応抑制剤(D)>
本発明で用いる反応抑制剤(D)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が有するアルケニル基と、ヒドロシリル基含有化合物(Y)のヒドロシリル基との架橋反応(アルケンへのヒドロシリル化付加反応)を抑制する。この架橋反応の抑制は、混練時および成形時での加工性を安定にする点で必要である。
本発明で用いる反応抑制剤(D)は、一般式[III]で表される化合物であり、
Figure 0006900201
〔式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基であり、同一でも異なってよい。具体的には、メチル基からブチル基であり、n−、iso−、sec−、tert−などの異性体を含む。好ましくは、メチル基またはエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。R1およびR2の組合せは、同一でも異なってよいが、好ましくは、メチル基とエチル基を含む場合であり、特に好ましくは、全てメチル基で同一である場合である。〕
前記一般式[III]の具体例は、3,7,11−トリメチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリエチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリプロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリイソプロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリイソブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリ−sec−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7,11−トリ−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、
3,7−ジメチル−11−エチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7−ジメチル−11−プロピル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、3,7−ジメチル−11−ブチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシン、および3,11−ジメチル−7−エチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシンなどが挙げられる。特に好ましいのは、3,7,11−トリメチル−3−ヒドロキシ−1−ドデシンである。
反応抑制剤(D)の量は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量部に対して、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.07〜5重量部、より好ましくは0.07〜4.5重量部、さらに好ましくは0.1〜4.5重量部、特に好ましくは0.1〜3.0重量部、最も特に好ましくは0.1〜1.0重量部の割合で用いられる。0.05重量部未満では架橋速度が速すぎる虞があり、また、5重量部を超える割合で反応抑制剤(D)を用いると、反応抑制の効果が大きく架橋が起こりにくくなる虞がある。
<その他の配合剤>
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物には、上記の必須の配合剤以外に、必要に応じて、補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、さらには発泡剤、発泡助剤、可塑剤、着色剤、他のゴム配合剤、ゴム、樹脂などを他の成分として配合することができる。それらの配合剤は、用途に応じて、その種類、含有量が適宜選択されるが、これらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用いることが好ましい。
本発明では、必要に応じて用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの汎用樹脂が挙げられる。また、本発明では、必要に応じて用いられるゴムとしては、シリコーンゴム、エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム(EPR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどをブレンドして用いることができる。また、上記共重合体(A)とは異なるが類似するゴム(EPT)、更には、上記共重合体(A)同士であっても、イ)エチレン/炭素数3〜20のα−オレフィンのモル比、(ロ)ヨウ素価、または(ハ)極限粘度[η]が異なる上記共重合体(A)同士を2種以上混合して用いることもできる。特に、(ハ)においては、低極限粘度成分と高極限粘度の混合が挙げられる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物>
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、上記ヒドロシリル基含有化合物(Y)、上記白金系触媒(Z)および反応抑制剤(D)を含む組成物である。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物に含まれる各成分の好ましい量は、前記したとおりである。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物は、混練−成形加工する際の50〜130℃の比較的低い温度では、架橋反応が抑制されるので、押出し成形性、プレス成形性、射出成形性等の成形性、およびロール加工性などの加工性に優れており、しかも、架橋温度である150〜200℃では、短時間で架橋し得るという架橋特性にも優れている。したがって、下記、種々公知の成形方法を採用することにより、低温特性(低温での柔軟性、ゴム弾性等)、機械特性、耐熱安定性などに優れる成形体を従来の共重合体組成物に比べ、高速で成形することができる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物の加工>
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物からなる成形物を得るには、公知の一般的なゴム配合物の加工方法(成形方法)を採用し得る。具体的には、以下の通りである。
バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、例えば、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)ならびに他の成分を80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、ヒドロシリル基含有化合物(Y)、白金系触媒(Z)、および反応抑制剤(D)並びに、必要に応じて他の配合剤や他のゴムや樹脂などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度50〜130℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状の組成物が得られる。
得られた組成物は、例えば、押出成形機、カレンダーロール、プレス、射出成形機、トランスファー成形機など種々の成形法によって所望形状に予備成形、あるは成形と同時にまた成形物を加硫槽内に導入し、加熱して架橋することにより、成形物を得ることができる。
加熱する方法としては、公知の方法が制限無く用いることができるが、特に、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜200℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。成形、加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合は、ゴム組成物は通常連続的に成形、架橋される。
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物から得られる成形体、たとえば、架橋体や発泡体などは、様々な用途に用いることができる。具体的には、タイヤ用ゴム、O−リング、工業用ロール、パッキン(例えばコンデンサーパッキン)、ガスケット、ベルト(例えば、断熱ベルト、複写機ベルト、搬送ベルト)、自動車用ホースなどのホース類(例えば、ウォーターホース、ブレーキリザーバーホース、ラジエターホース、エアーホース)、防振ゴム、防振材あるいは制振材(例えば、エンジンマウント、モーターマウント)、マフラーハンガー、スポンジ(例えば、ウェザーストリップスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、微発泡スポンジ)、ケーブル(イグニッションケーブル、キャブタイヤケーブル、ハイテンションケーブル)、電線被覆材(高圧電線被覆材、低電圧電線被覆材、舶用電線被覆材)、グラスランチャネル、カラー表皮材、給紙ロール、ルーフィングシート等に好適に用いられる。これらのうちでも、自動車用内外装部品や耐熱性を求められる用途に好適に用いられ、自動車内装部品として用いられるブレーキリザーバーホース、ラジエターホースなどのホース用途に好適である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で行った評価の測定方法は次の通りである。
[1]ムーニー粘度
ムーニー粘度計SMV−202((株)島津製作所製)を用いて、100℃で組成物のムーニー粘度を測定した。
[2]加硫速度
MDR2000(アルファテクノロジーズ製)を用い、加硫曲線を測定し、当該加硫曲線から得られるトルクの最低値S’min[dNm]と最高値S’max[dNm]、測定試料のトルクが最低値S’min到達後にトルクが0.5[dNm]上昇した時の時間:ts0.5[min]、測定試料のトルクが最低値S’min到達後にトルクが1[dNm]上昇した時の時間:ts1[min]、トルクの最低値S’minを0%、最高値S’maxを100%として、測定試料のトルクが10%に到達したときの時間[min]:tc10、測定試料のトルクが90%に到達したときの時間[min]:tc90、測定試料のトルクが100%に到達したときの時間[min]、すなわち、試料のトルクが最高値S’max[dNm]に到達した時の時間[min]:tc100、最低値S’min[dNm]と最高値S’max[dNm]の差:S’max−S’min[dNm]およびMCR[dNm/min]を求めた。
[3]引張試験
組成物を加硫して得たシートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いて同JIS K 6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、伸び率が25%であるときの引張応力〔25%モジュラス(M25)〕、伸び率が50%であるときの引張応力〔50%モジュラス(M50)〕、伸び率が100%であるときの引張応力〔100%モジュラス(M100)〕、伸び率が200%であるときの引張応力〔200%モジュラス(M200)〕、引張破断点応力TB(1)および引張破断点伸びEB(1)測定した。
[4]硬さ試験
硬さ試験は、JIS K 6253(1993年)に準拠して行ない、スプリング硬さHA(ショアーA硬度)を測定した。
[5]圧縮永久歪試験
圧縮永久歪試験は、JIS K 6262(1993年)に準拠して行ない150℃、22時間の条件で圧縮永久歪(CS)を求めた。
〔製造例1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、プロピレン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)の重合反応を87℃にて行った。
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量:32.6L/h)を用いて、連続的に、エチレンフィード量が3.6kg/h、プロピレン量が6.1kg/h、VNBフィード量が290g/hおよび水素フィード量が6.3NL/hとなるように、重合器に連続供給した。
重合圧力を1.6MPaG、重合温度を87℃に保ちながら、主触媒としてジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いて、フィード量0.0015mmol/hとなるよう、重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C65)3CB(C65)4(CB−3)をフィード量0.0075mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をフィード量20mmol/hとなるように、それぞれ重合器に連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体を15.2質量%含む溶液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・プロピレン・VNB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
以上の操作によって、エチレン、プロピレンおよびVNBから形成されたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)が、毎時4.7kgの速度で得られた。
得られた共重合体(S−1)の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
〔製造例2〕
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5−ビニル−2−ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロピレンを8.0kg、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を1440gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOCl3を48ミリモル、Al(Et)2Clを240ミリモル、Al(Et)1.5 Cl1.5 を48ミリモルの速度で連続的に供給した。上記条件で共重合反応を行い、エチレン・プロピレン・VNB共重合体(以下、共重合体(A−1)と略す)が均一な溶液状態で得られた。スチームストリッピング処理にてエチレン・プロピレン・VNB共重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
得られた共重合体(A−1)の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006900201
[実施例1]
第一段階として、BB−2型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、製造例1で得たエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)100重量部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#60G、旭カーボン(株)社製)40重量部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB[白石カルシウム(株)製])30重量部、パラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW−380、出光興産(株)製)40重量部、および特殊処理酸化カルシウム(ベスタPP[井上石灰工業(株)製])10重量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
次に、第二段階として、第一段階で得られた配合物を、8インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、ヒドロシリル基含有化合物(信越化学(株)製:(CH3)3SiO-(SiH(CH3)-O-)6-Si(CH3)2-O-Si(C6H6)2-O-Si(CH3)3)4重量部、白金系触媒(信越化学(株)製:塩化白金酸+[CH2=CH(Me)SiO]4錯体)0.2重量部および反応抑制剤(信越化学(株)製:エチル-1-オクチン-3-オール)0.1重量部を加え10分間混練して未架橋の組成物を得た。得られた組成物の物性を上記記載の方法で評価した。
又、得られた組成物をシート状に分出し、100トンプレス成形機を用いて180℃で20分間プレスし、厚み2mmの加硫シートを調製した。得られた加硫シートの物性を上記記載の方法で評価した。
ただし、圧縮永久歪試験用の試料は以下の方法で調整したものを使用した。上記の未架橋の組成物をシート状に分出し、100トンプレス成形機を用いて180℃で25分間プレスし、CS測定用ブロック(直径29mm、厚さ12.5mm)を調製した。これを用いて、CS(圧縮永久歪み)の評価を行った。
[比較例1]
実施例1で用いたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)に替えて、製造例2で得られた共重合体(A−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006900201
表2から、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)である製造例1で得られたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)を用いた組成物(実施例1)は、90℃でのスコーチタイム、すなわち、ts0.5およびts1は、製造例2で得られたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A−1)を用いた組成物(比較例1)に比べて、幾分長いにもかかわらず、180℃でのスコーチタイム、すなわち、ts0.5およびts1は、同等であり、組成物が加硫されるまでの時間を示すtc90およびtc100は、実施例1が0.56[min]および12.04[min]であり、比較例1の2.62[min]および28.78[min]に比べて短く、加硫時間が顕著に速いことが明らかである。
しかも、得られた加硫物の機械的物性である引張破断強度(TB)および引張破断伸び(EB)は、実施例1で得られた加硫物が優れており、圧縮永久歪み(Cs)は、実施例1で得られた加硫物が小さいことが明らかである。

Claims (2)

  1. (1)エチレン(A)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有し、
    下記(i)〜(v)の要件を満たすことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)、
    (2)ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物(Y)
    (3)ヒドロシリコン架橋用の白金系触媒(Z)、および
    (4)エチル‐1−オクチン‐3−オールからなる反応抑制剤を含むことを特徴とするエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。
    Figure 0006900201
    (i)エチレン/α−オレフィンのモル比が40/60〜99.9/0.1である。
    (ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)100重量%中、0.07重量%〜10重量%である。
    (iii)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
    4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦40…式(1)
    (iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
    P/([η]2.9)≦(C)の重量分率×6…式(2)
    (v)3D−GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
    LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw)‥式(3)
  2. 上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物が、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S):100重量部に対して、上記ヒドロシリル基含有化合物(Y)が0.1〜100重量部、上記白金系触媒(Z)が0.1〜100000重量ppm、および上記エチル‐1−オクチン‐3−オールからなる反応抑制剤が0.05〜5重量部の範囲にある請求項1に記載のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物。

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