JP2018128279A - 弾性波計測システム - Google Patents

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【課題】強度やヤング率などの材料物性の推定が可能となる打撃による検査に適用可能な小型無人航空機を利用した弾性波計測システムを提供する。【解決手段】遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システム100である。そして、小型無人航空機1と、小型無人航空機のコンクリート桁Mの桁下面M1に対向させる側に設けられる電動タイヤ2,2と、小型無人航空機の電動タイヤ側に設けられる打撃時刻が記録される打撃装置3とを有する打撃用飛行体10と、打撃装置による打撃位置から離れた位置で構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計4と、打撃位置と弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システムに関するものである。
特許文献1,2に開示されているように、コンクリート構造物の表面を打撃した際に内部を伝播する弾性波速度を計測することで、コンクリートの強度などの物性を把握する方法が知られている。
特許文献1の弾性波速度比による床版の劣化度診断法には、弾性波速度の低下からひび割れや劣化の進行度合いを推定する方法が示されている。この文献には、衝撃弾性波を発生させる方法として、鋼製ハンマで床版を打撃する方法が記載されている。
一方、特許文献2には、橋梁やトンネルの壁面の簡単な加振方法として、火薬を目標点に向けて投てきすることで、検査員の手が容易に届かない場所であっても大きな加振力を発生させることができる方法が記載されている。
一方、近年、ドローンなどと呼ばれる小型の無人航空機(UAV : Unmanned aerial vehicle)の技術が発達してきて、様々な分野で利用されるようになってきた。例えば特許文献3には、下水管路の内部に無人飛行体を飛行させることで、内面の画像を短時間で取得して、効率的に異常箇所と異常内容を把握することができる点検システムが開示されている。
特開2014−149285公報 特開2015−203572公報 特開2016−218813公報
しかしながら無人航空機は姿勢制御が難しく、検査位置を正確に特定することが難しい。要するに、撮影などによって状態の傾向を把握することはできるが、一定の条件で打撃するといったような検査には、適用しにくいのが現状であった。一方、検査員が容易に近付けないような箇所の材料物性を把握したいという要望がある。
そこで、本発明は、強度やヤング率などの材料物性の推定が可能となる打撃による検査に適用可能な小型無人航空機を利用した弾性波計測システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の弾性波計測システムは、遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システムであって、小型無人航空機と、前記小型無人航空機の前記構造物の表面に対向させる側に設けられる移動機構と、前記小型無人航空機の前記移動機構側に設けられる打撃時刻が記録される打撃機構とを有する打撃用飛行体と、前記打撃機構による打撃位置から離れた位置で前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計と、前記打撃位置と前記弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とを備えたことを特徴とする。
また、弾性波計測システムのもう一つの発明は、遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システムであって、小型無人航空機と、前記小型無人航空機の前記構造物の表面に対向させる側に設けられる移動機構と、前記小型無人航空機の前記移動機構側に設けられる打撃機構とを有する打撃用飛行体と、前記打撃機構による打撃位置周辺の前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第1のレーザドップラ振動計と、前記第1のレーザドップラ振動計とは異なる位置の前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第2のレーザドップラ振動計と、前記第1及び第2のレーザドップラ振動計の測定位置の位置関係を計測する測量装置とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記移動機構が、車輪又は無限軌道である構成とすることができる。また、前記レーザドップラ振動計が前記測量装置を備えている構成とすることが好ましい。
このように構成された本発明の弾性波計測システムは、小型無人航空機に移動機構と打撃機構とを搭載した打撃用飛行体と、打撃機構によって構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計と、打撃位置と弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とを備えている。
このように打撃機構による打撃によって伝播した弾性波を高精度なレーザドップラ振動計で測定して弾性波速度を求める構成であれば、検査員が容易に近付けないような箇所の強度やヤング率などの材料物性を容易に推定することができるようになる。
さらに、レーザドップラ振動計を2台使用する場合は、打撃機構による打撃時刻と弾性波の測定時刻とを同期させる必要がないため、簡単かつ正確に2点間の弾性波の伝播時間を推定できるようになる。
ここで、構造物の表面を走行させる移動機構は、車輪又はクローラやベルトなどの無限軌道によって簡単に構成することができる。また、レーザドップラ振動計が測量装置を備えた構成であれば、同じ機器で振動と座標の両方を測定できるようになるため、機器の据え付け作業の負担を減らすことができる。
本実施の形態の弾性波計測システムの構成を説明する斜視図である。 打撃用飛行体の構成を説明する斜視図である。 打撃装置の構成を模式的に示した説明図である。 本実施の形態の弾性波の計測結果を説明するための図である。 実施例の弾性波計測システムの構成を説明する斜視図である。 実施例の弾性波の計測結果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の弾性波計測システム100の全体構成を説明するための斜視図である。また、図2は、打撃用飛行体10の全体構成を説明するための斜視図である。
本実施の形態の弾性波計測システム100は、構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する装置である。例えば、コンクリート構造物の表面をハンマなどで打撃して衝撃弾性波を発生させ、内部を伝播する弾性波速度を計測することで、コンクリートの強度やヤング率などの物性を推定することができる。
そして、本実施の形態の弾性波計測システム100は、打撃を行わせるための打撃用飛行体10と、打撃位置から離れた位置まで構造物内部を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計4と、打撃位置と弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とによって主に構成される。
打撃用飛行体10は、構造物の表面を打撃する小型無人航空機1を利用した装置である。小型無人航空機1を利用することで、足場のない高所箇所や作業員が近付きにくい箇所の計測が行えるようになる。例えば橋梁、建築物又は擁壁等の構造物の下面や側面などの表面に対して検査を行うことができる。以下では、図1に示すように、構造物である橋梁のコンクリート桁Mの桁下面M1を検査対象の表面として説明を行う。
本実施の形態の打撃用飛行体10は、図2に示すように、小型無人航空機1と、小型無人航空機1の桁下面M1に対向させる側に設けられる移動機構(2)と、同じく移動機構側に設けられる打撃機構としての打撃装置3とによって主に構成される。
小型無人航空機1は、胴体部11と、飛行手段となる複数のプロペラ12,・・・と、飛行制御部13とを備えている。本実施の形態の胴体部11は、平面視長方形状に形成されており、中央付近に凹状の収容室111が設けられている。
また、プロペラ12,・・・は、胴体部11の両側のそれぞれ前後2箇所から張り出されたアーム部14,・・・の先端に取り付けられる。プロペラ12は、モータ部121の駆動によって回転し、モータ部121には、駆動電源部23から電力が供給される。駆動電源部23は、バッテリーの他にコンバータなどを備えている。
小型無人航空機1の浮上や進行などの飛行は、飛行制御部13によって制御される。飛行制御部13に予め航路などの飛行データを記憶させておくこともできるが、操縦用受信機131を介して地上から操作することもできる。飛行制御部13では、プロペラ12の回転数などの制御に加えて、移動機構の制御も行われる。
移動機構は、小型無人航空機1の上面側に設けられる。詳細には後部側のプロペラ12,12の回転中心上に車輪である電動タイヤ2,2が設けられ、前部側のプロペラ12,12の回転中心上に車輪である補助輪22,22が設けられる。
電動タイヤ2は、ギヤダウンモータ21によって回転駆動する。このギヤダウンモータ21にも、駆動電源部23から電力が供給される。回転センサ等によって電動タイヤ2の回転量を計測することで、移動距離のデータを得ることができる。
電動タイヤ2の表面は、摩擦係数が高くなるように形成される。すなわち、小型無人航空機1の浮力で桁下面M1に押し付けられた打撃用飛行体10を、電動タイヤ2,2の回転駆動で走行させようとすれば、ある程度の摩擦抵抗が必要になる。電動タイヤ2の表面は、ゴム、微細な吸盤構造、超微細毛構造(ファンデルワールス力利用)など、吸着性能の高い構造にすることができる。
一方、補助輪22は、電動タイヤ2の直径よりも小さい直径の車輪で、電動タイヤ2,2による走行時は、走行抵抗とならないように桁下面M1から僅かに離れた状態になる。
打撃装置3は、小型無人航空機1の胴体部11の収容室111に配置される。この収容室111は、小型無人航空機1の上面側が開放されており、打撃装置3は上方に向けて飛び出せる構成となっている。
詳細には、図3に示すように、打撃装置3は、ソレノイド部32と、ソレノイド部32の作動によって発射されるハンマ部31とによって主に構成される。ハンマ部31は、例えば鋼球を半分にして形成される。
ソレノイド部32は、電磁石を応用した作動機構で、制御部61によって発射、収納などの制御が行われる。制御部61は、演算処理部63、無線通信部64及び電源部65に接続される。これらの構成の全部又は一部は、図2に示した計測制御装置6に組み込まれる。計測制御装置6には、小型コンピュータなどが使用できる。
一方、地上側に設置されるレーザドップラ振動計4は、図1に示すように、照射部41を含む本体と、本体が取り付けられる垂直回転枠部44及び水平回転台43と、レーザドップラ振動計4を据え付けるための三脚部42とによって主に構成される。
レーザドップラ振動計4は、照射部41のセンサヘッドからレーザ光D1を桁下面M1に照射し、反射されたレーザ光D1を受光素子で受光する装置である。桁下面M1が打撃装置3の打撃によって振動していれば、振動する桁下面M1から反射されたレーザ光D1はドップラーシフトしたレーザ光D1となっており、周波数(速度)の変化が電圧に変換されて振動現象として検出することができる。
このレーザドップラ振動計4の照射部41は、垂直回転枠部44を介して水平回転台43に水平面内での回転が可能となるように取り付けられる。垂直回転枠部44は、水平回転台43上に一対の柱状に形成され、照射部41は垂直回転枠部44に垂直面内で回転可能に取り付けられる。
水平回転台43及び垂直回転枠部44の内部には、モータとギアが組み込まれており、制御信号を受けて自動で指示された方向に水平回転及び垂直回転できる構成となっている。すなわち、水平回転台43及び垂直回転枠部44によって、自動的にターゲット方向に照射部41を向けることができる。
詳細には、打撃用飛行体10の例えば側面にプリズムが組み込まれた追尾用ターゲット15を設けておく。そして、水平回転台43から照射される追尾用のレーザ光D2を追尾用ターゲット15に向ける。こうしておくことで、打撃用飛行体10が移動しても、レーザドップラ振動計4のレーザ光D1を打撃位置の周辺に照射し続けることができる。
また、レーザドップラ振動計4は、測量装置を備えている。このため、追尾用ターゲット15の座標を測量装置によって測定して、各所の相対的な位置関係を利用することで、打撃位置及び弾性波の測定位置の座標を求めることができる。例えば、追尾用ターゲット15の座標と、レーザドップラ振動計4の据え付け位置と、照射部41の視準方向(視準角度)と、打撃用飛行体10内の相対的な位置関係とがわかれば、照射部41と測量装置との位置関係から弾性波の測定位置を算出することができる。
次に、本実施の形態の弾性波計測システム100を使用した検査方法について、図1−図4を参照しながら説明する。
まず、図1に示すように、橋梁のコンクリート桁Mの検査対象とする桁下面M1に対峙可能な位置に、レーザドップラ振動計4を設置する。
そして、検査対象とする桁下面M1に向けて打撃用飛行体10を浮上させる。小型無人航空機1のプロペラ12,・・・の回転駆動によって得られる浮力で打撃用飛行体10を桁下面M1に押し付け、電動タイヤ2,2が桁下面M1に接触することによって、打撃用飛行体10は安定した姿勢となる。
飛行中の打撃用飛行体10と地上側制御装置7とは、無線W1によって交信した状態となっている。地上側制御装置7からは、小型無人航空機1の操縦信号、打撃装置3の打撃信号などが無線W1で送信される。
打撃用飛行体10は、電動タイヤ2,2を駆動させて、所望する位置まで移動させることができる。また、打撃用飛行体10には、図示していないが小型カメラが搭載されており、小型カメラが撮影した映像を地上側制御装置7に接続されたモニタで確認しながら、検査箇所を決めることができる。
検査箇所では、打撃装置3を動作させることによって、桁下面M1を打撃して打撃音を発生させる。この打撃は、桁下面M1に接触する電動タイヤ2,2によって離隔が一定となった条件下で行われるので、いずれの検査箇所においても均一な力で打撃を行うことができる。
打撃装置3によって桁下面M1の打撃が行われると、打撃時刻が地上側制御装置7に送信されて記憶媒体に記憶される。また、この打撃によって発生した弾性波は、コンクリート桁Mの内部を伝播して打撃位置周辺の桁下面M1を振動させる。
そこで、打撃位置から距離Lだけ離れた位置の桁下面M1に発生した振動を時刻と共にレーザドップラ振動計4によって計測させる。ここで、レーザドップラ振動計4に備えられた測量装置によって、追尾用ターゲット15の位置データが取得される。そして、レーザドップラ振動計4による振動計測データ及び位置データは、無線W2によって地上側制御装置7に送信されて記憶媒体に記憶される。
地上側制御装置7では、追尾用ターゲット15の座標(位置データ)と打撃用飛行体10内の相対的な位置関係から、打撃装置3による打撃位置が算出される。また、照射部41の視準角度のデータと、レーザドップラ振動計4の据え付け位置と、照射部41と測量装置との位置関係とが加わることで、弾性波の測定位置(振動測定点)の座標、すなわち距離Lを求めることができる。
図4は、計測結果を例に弾性波速度の算出方法を説明する図である。まず、上段の図に示すように、打撃装置3による打撃時刻t1は、打撃用飛行体10から送信されてきた実測データから取得することができる。
一方、下段の図に示すように、レーザドップラ振動計4による振動測定点の振動計測データが出力される。この振動計測データを分析することにより、振動測定点に弾性波が到達した時刻t2を特定することができる。また、打撃位置と振動測定点との間の距離Lは、上述したようにして算出される。この結果、距離Lと伝播時間t2-t1とから、弾性波速度を算出することができる。
そして、このようにして得られた弾性波速度を分析することで、コンクリート桁Mの検査箇所の強度やヤング率などの材料物性が推定できるようになる。また、推定された材料物性の値や変化から、コンクリート桁Mの変状(コンクリートのひび割れの有無や劣化の進行度合いをなど)の評価を行うこともできる。
このような材料物性の推定や評価は、地上側制御装置7で行われる。そして、評価結果は、位置データとともに、地上側制御装置7に記憶される。打撃検査は、電動タイヤ2,2を駆動して桁下面M1に沿って打撃用飛行体10を移動させながら、停止させた箇所で繰り返えされる。そして、所定の範囲の検査が終了した時点で、小型無人航空機1のプロペラ12,・・・によって、次の検査箇所又は地上側制御装置7に向けて飛行させる。
次に、本実施の形態の弾性波計測システム100の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の弾性波計測システム100は、小型無人航空機1に移動機構(電動タイヤ2,2)と打撃装置3とを搭載した打撃用飛行体10と、打撃装置3の打撃によってコンクリート桁Mの内部を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計4と、打撃位置と弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とを備えている。
このように打撃装置3による打撃によって伝播した弾性波を高精度なレーザドップラ振動計4で測定して弾性波速度を求める構成であれば、検査員が容易に近付けないような箇所の強度やヤング率などの材料物性を容易に推定することができるようになる。例えば、足場を設置することが大掛かりとなる高所や、立ち入りの難しい箇所の検査が短時間で簡単に行えるようになる。
また、レーザドップラ振動計4が測量装置を備えた構成であれば、同じ機器で振動と座標の両方を測定できるようになるため、機器の据え付け作業の負担を減らすことができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の弾性波計測システム100Aについて、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例で説明する弾性波計測システム100Aは、2台のレーザドップラ振動計4A,5を使用する。これらのレーザドップラ振動計4A,5は、いずれも上述したレーザドップラ振動計4と同じ構成である。レーザドップラ振動計5は、照射部51を含む本体と、本体が取り付けられる垂直回転枠部54及び水平回転台53と、レーザドップラ振動計5を据え付けるための三脚部52とによって主に構成される。また、レーザドップラ振動計5については、振動計測用をレーザ光D3とし、追尾用をレーザ光D4とする。
本実施例の弾性波計測システム100Aは、図5に示すように、打撃を行わせるための打撃用飛行体10と、打撃位置の隣接位置で構造物内部を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第1のレーザドップラ振動計4Aと、第1のレーザドップラ振動計4Aよりもさらに打撃位置から離れた位置の構造物内部を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第2のレーザドップラ振動計5と、2台のレーザドップラ振動計4A,5の測定位置の位置関係を計測する測量装置とによって主に構成される。
次に、本実施例の弾性波計測システム100Aを使用した検査方法について、図5及び図6を参照しながら説明する。
まず、図5に示すように、橋梁のコンクリート桁Mの検査対象とする桁下面M1に対峙可能な位置に、2台のレーザドップラ振動計4A,5をそれぞれ設置する。
そして、検査対象とする桁下面M1に向けて打撃用飛行体10を浮上させて、電動タイヤ2,2を桁下面M1に接触させる。飛行中の打撃用飛行体10と地上側制御装置7Aとは、無線W1によって交信した状態となっている。地上側制御装置7Aからは、小型無人航空機1の操縦信号、打撃装置3の打撃信号などが無線W1で送信される。
検査箇所では、打撃装置3を動作させることによって、桁下面M1を打撃して打撃音を発生させる。この打撃は、桁下面M1に接触する電動タイヤ2,2によって離隔が一定となった条件下で行われるので、いずれの検査箇所においても均一な力で打撃を行うことができる。
打撃装置3によって桁下面M1の打撃が行われると衝撃弾性波が発生し、コンクリート桁Mの内部を伝播して打撃位置周辺の桁下面M1を振動させる。そこで、打撃位置周辺の異なる2つの位置を振動測定点として、桁下面M1に発生した振動を時刻と共に2台のレーザドップラ振動計4A,5によって計測させる。ここで、2台のレーザドップラ振動計4A,5の時計は正確に同期されている。
さらに、レーザドップラ振動計4Aに備えられた測量装置によって、追尾用ターゲット15の位置データが取得される。また、レーザドップラ振動計5に備えられた測量装置によっても、追尾用ターゲット15の位置データが取得される。そして、レーザドップラ振動計4A,5による振動計測データ及び位置データは、無線W2,W3によって地上側制御装置7Aにそれぞれ送信されて記憶媒体に記憶される。
地上側制御装置7Aでは、追尾用ターゲット15の座標(位置データ)と、レーザドップラ振動計4Aの据え付け位置と、照射部41の視準角度のデータと、打撃用飛行体10内及び照射部41と測量装置との相対的な位置関係とから、レーザドップラ振動計4Aによる振動測定点1の位置が算出される。一方、レーザドップラ振動計5による振動測定点2の位置についても、追尾用ターゲット15の座標(位置データ)と各所の相対的な位置関係と照射部51の視準角度のデータとから算出される。
そして、2台のレーザドップラ振動計4A,5の弾性波の測定位置(振動測定点1,振動測定点2)の座標から距離L’を求める。
図6は、計測結果を例に弾性波速度の算出方法を説明する図である。まず、上段の図に示すように、レーザドップラ振動計4Aによる振動測定点1の振動計測データが出力される。この振動計測データを分析することにより、打撃装置3による衝撃弾性波が振動測定点1に到達した時刻t1を特定することができる。
一方、下段の図に示すように、レーザドップラ振動計5による振動測定点2の振動計測データが出力される。この振動計測データを分析することにより、打撃装置3による衝撃弾性波が振動測定点2に到達した時刻t2を特定することができる。また、2つの振動測定点の間の距離L’は、上述したようにして算出される。この結果、距離L’と伝播時間t2-t1とから、弾性波速度を算出することができる。
このように構成された本実施例の弾性波計測システム100Aは、レーザドップラ振動計4A,5を2台使用する。この場合は、打撃装置3による打撃時刻と弾性波の測定時刻とを同期させる必要がないため、2台のレーザドップラ振動計4A,5によって、簡単かつ正確に2点間の弾性波の伝播時間を推定できるようになる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態及び実施例では、車輪タイプの移動機構について説明したが、これに限定されるものではない。例えばクローラや摩擦抵抗の高いベルトなどの無限軌道を移動機構にしても、打撃用飛行体を桁下面M1に沿って走行させることができる。
また、前記実施の形態及び実施例では、橋梁の桁下面M1の検査を例に説明したが、これに限定されるものではなく、高層建築物などの高所箇所を検査する場合にも、弾性波計測システム100,100Aを適用することができる。さらに、橋脚の側面、擁壁や建物などの壁面の検査を行う場合には、移動機構が設けられた胴体部の上半部が起立する構造の小型無人航空機を使用することで、本発明を適用することができるようになる。
また、前記実施の形態及び実施例では、コンクリート構造物を検査対象にして説明したが、これに限定されるものではなく、鋼構造物など弾性波速度の測定によって検査が可能な構造物であればいずれの形態であっても適用できる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、追尾用ターゲット15の座標と照射部41,51の照射角度及び各所の相対的な位置関係から振動測定点の座標を算出する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば照射部41,51による照射位置を直接、測量することが可能となるように、照射部又はそれに近接した位置に測量機能を設けることができる。
100 弾性波計測システム
10 打撃用飛行体
1 小型無人航空機
2 電動タイヤ(車輪、移動機構)
22 補助輪(車輪、移動機構)
3 打撃装置(打撃機構)
4 レーザドップラ振動計
100A 弾性波計測システム
4A,5 レーザドップラ振動計
M コンクリート桁(構造物)
M1 桁下面(表面)

Claims (4)

  1. 遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システムであって、
    小型無人航空機と、前記小型無人航空機の前記構造物の表面に対向させる側に設けられる移動機構と、前記小型無人航空機の前記移動機構側に設けられる打撃時刻が記録される打撃機構とを有する打撃用飛行体と、
    前記打撃機構による打撃位置から離れた位置で前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定するレーザドップラ振動計と、
    前記打撃位置と前記弾性波の測定位置との位置関係を計測する測量装置とを備えたことを特徴とする弾性波計測システム。
  2. 遠隔操作によって構造物の表面を打撃して内部を伝播する弾性波を計測する弾性波計測システムであって、
    小型無人航空機と、前記小型無人航空機の前記構造物の表面に対向させる側に設けられる移動機構と、前記小型無人航空機の前記移動機構側に設けられる打撃機構とを有する打撃用飛行体と、
    前記打撃機構による打撃位置周辺の前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第1のレーザドップラ振動計と、
    前記第1のレーザドップラ振動計とは異なる位置の前記構造物を伝播した弾性波を時刻と共に測定する第2のレーザドップラ振動計と、
    前記第1及び第2のレーザドップラ振動計の測定位置の位置関係を計測する測量装置とを備えたことを特徴とする弾性波計測システム。
  3. 前記移動機構が、車輪又は無限軌道であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性波計測システム。
  4. 前記レーザドップラ振動計が前記測量装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の弾性波計測システム。
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