JP2016050876A - 打音検査記録装置 - Google Patents

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敦志 渡辺
Atsushi Watanabe
敦志 渡辺
ヤニ・エヴァン
Yani Evan
モラレス・サイキ・ルイス・ヨウイチ
Saiki Luis Yoichi Morales
イシイ・カルロス・トシノリ
Carlos Toshinori Ishii
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Abstract

【課題】手動の打音検査結果を自動的に電子的に収集することが可能な打音検査記録装置を提供する。
【解決手段】作業者が検査面をハンマーにより打撃した際の打音を記録するための打音検査記録装置1000は、マイクロホン1052と、ハンマーの位置を検出するためのハンマー位置検出部1110と、所定空間内の作業者の位置を推定するための協調作業者トラッキング部1030と、作業者の位置の推定結果に応じて、作業者の移動に追随するように打音検査記録装置1000を移動させる移動制御部1070と、マイクロホン1052により、打音の生じたタイミングを検知するため打音検知部1120と、打音のタイミングでのハンマーの位置から、打撃位置を推定して、打音のデータと関連づけて打撃位置を記録するための打撃位置推定部1130とを備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、コンクリート構造物の打音検査の技術に関するものである。
現在、日本では社会インフラの高齢化が進み、トンネルのようなコンクリート構造物の老朽化による重大事故のリスクを抑えるため、継続的な維持管理、修繕が極めて重要となっている。
建造物のコンクリート部材に生じる品質の劣化としては、たとえば、トンネルの覆工コンクリートの裏面の空洞や強度低下箇所、あるいは、コンクリート製のラーメン高架橋の中性化によるコンクリート片の剥離・落下等の事象がある。
国内のインフラ更新・修繕には、多大なコストを要すると想定され、インフラを保有する国、自治体、企業等の厳しい財政状況と、土木建築業の熟練者減少に対応するため、自動化、低コスト化、省力化が求められている。
上述したようなコンクリート部材の劣化を検査する方法の一つとして、従来、コンクリート部材の表面を金槌(ハンマー)等で打撃し、発生した音(以下、「打音」という。)を聴取することにより判断を行う検査方法(以下、「打音検査法」という。)が用いられていた。
すなわち、たとえば、コンクリートトンネルの表層の剥離検査などでは、人間がハンマーにて覆工コンクリートの表面を叩き、その打音を聞いて剥離が生じているか否かを判断することが一般的であるが、作業熟練度の相違等により剥離判断精度に個人差があり、また、人間の聴覚による判断は周囲の環境条件等の影響を受け易く、剥離箇所の見落とし等の誤診が生じる場合があって正確性に欠けるという問題がある。
このような問題を解決するために、たとえば、特許文献1には、以下のような技術が開示されている。すなわち、トンネル内を移動する昇降式高所作業車に台車ガイドレールと横行台車を搭載し、横行台車に打撃・集音装置を搭載する。打撃・集音装置は、カムによって駆動される複数のハンマーと、単一指向性マイクロホンとスプレーノズルを備えている。ハンマーによって覆工コンクリートを打撃し、マイクロホンを通じて打音を音響解析装置に入力する。音響解析装置が打音の周波数スペクトラムによって剥離を判断し、そのデータを表示・保存するとともに、制御部がスプレーノズルを駆動して剥離箇所にマーキングする。
さらに、これまでに、大型車両に搭載したロボットアームと、電磁・油圧駆動のハンマー、マイクロホンを用い、国交省の検査要領等で義務づけられているトンネル打音検査を自動化する装置が提案、実用化されており、大型トンネルの点検において有用である(たとえば、非特許文献1、非特許文献2を参照)。
特開2001‐249117号
須田健,田端淳,川上純,"トンネル打音検査の自動化(特集コンクリートの検査),"検査技術,vol.8,no.8,pp.17-22,2003. 榎本秀明,横山秀史,"トンネル覆工打音検査装置の開発-打音検査の自動化・機械化," 日本鉄道施設協会誌,vol.44,no.5,pp.392-394, 図巻頭1p,2006.
しかしながら、これらの従来技術は、トンネル内の設置物近辺や、地方自治体が保有する小規模トンネルへの適用は難しく、手動の検査も併用する必要がある。
したがって、構造物のすべてを手動で検査する必要が生じる場合はもちろん、たとえ構造物の一部について自動的に打音検査を行った場合でも、他の部分では手動での検査が必要となる場合があり、結局のところ、検査の省力化が困難になる。
また、網羅的な検査結果を用いた劣化予測や予防技術のためには、手動の打音検査結果を容易に電子的に収集し、自動検査により得られた結果と統合する必要がある、という問題もある。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、手動の打音検査結果を自動的に電子的に収集することが可能な打音検査記録装置を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、作業者が検査面をハンマーにより打撃した際の打音を記録するための打音検査記録装置であって、音センサと、ハンマーの位置を検出するためのハンマー位置検出手段と、所定空間内の作業者の位置を推定するための人位置推定手段と、作業者の位置の推定結果に応じて、作業者の移動に追随するように打音検査記録装置を移動させる自律移動手段と、音センサにより、打音の生じたタイミングを検知するため打音検知手段と、打音のタイミングでのハンマーの位置から、打撃位置を推定して、打音のデータと関連づけて打撃位置を記録するための打撃位置推定手段とを備える。
好ましくは、ハンマー位置検出手段は、ハンマーに取り付けられたマーカと、マーカの位置を検出するための第1の測距センサとを含み、打撃位置推定手段は、マーカの位置からの垂線が検査面に交差する位置として打撃位置を推定する。
好ましくは、第1の測距センサは、3次元レーザレンジファインダであり、マーカは、再帰性反射マーカである。
好ましくは、人位置推定手段は、作業者の足の高さの物体を検知するための第2の測距センサと、検知された複数の物体のそれぞれの移動量から速度を求め、所定の値以下の速度差であり、所定の値以下の範囲でそろった方向に移動するペアを抽出することで、作業者の位置を推定して追跡する追跡手段とを含む。
好ましくは、第2の測距センサは、2次元レーザレンジファインダである。
この発明によれば、作業者に負担をかけることなく、手動の打音検査結果を自動的に電子的に収集することが可能である。
本実施の形態の打音検査記録装置1000が使用される状態を説明するための概念図である。 打音検査記録装置1000のプロトタイプの外観を示す図である。 打音検査記録装置1000の構成を示すブロック図である。 打音検査記録装置1000が作業者2と協調動作を行うために必要な位置関係を示す図である。 実験環境の外観と、打音検査記録装置1000の自己位置推定に用いた環境マップとを説明するための図である。 打音検査記録装置1000によって推定した打撃位置を示す図である。 推定打撃位置の、真値との誤差を示す図である。 打音検査の打撃位置推定結果を打音評価手法と組み合わせて説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態の打音検査記録装置の構成について、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
なお、以下の説明では、音センサとしては、いわゆるマイクロホンを例にとって説明を行うが、音声を電気信号として検出できるセンサであれば、他の音センサであってもよい。
図1は、本実施の形態の打音検査記録装置1000が使用される状態を説明するための概念図である。
打音検査の記録を、打音検査記録装置1000のようなロボットにより収集するためには、打撃を加えた位置と、その際に発生した打音を同時に測定する必要がある。打音検査記録装置1000では、マイクロホンを用いて打撃のタイミングと、その際の音響信号を取得する。また、レーザ測域センサでハンマーの位置を検出し、打撃のタイミングにおける位置を抽出することで、打撃を加えた位置を推定する。
なお、ハンマー位置の検出のためには、後に説明するように、レーザ測域センサのような測距センサを用いることが可能であるが、必ずしも、このようなセンサに限られるものではなく、たとえば、画像センサにより、ステレオ画像を撮像して、取得された画像からハンマーの3次元位置を検知し、打撃位置を推定することも可能である。
このとき、打音検査記録装置1000は、図1に概要を示すように、ハンマー4がセンサの視野内にあり、位置を推定するために充分な密度のデータを取得できる距離範囲にいる必要がある。作業者2が持つハンマー4は、作業者2と打音検査記録装置1000との位置関係により一時的に隠れる場合があるため、打音検査記録装置1000では、ハンマー4を持つ作業者2との位置関係を一定に保つように打音検査記録装置1000の位置を、作業者2の動きに追従するように制御する。すなわち、検査対象面において作業者2が手を伸ばして打撃を加える範囲がセンサの視野範囲に入り、ハンマー4の位置検出に必要なレーザ測域センサの分解能が得られる位置に、打音検査記録装置1000を移動させるように、自立的な移動の制御が実行される。
図2は、打音検査記録装置1000のプロトタイプの外観を示す図である。このプロトタイプを用いて、後に説明する実験を行った。
図2に示した構成では、後に実験結果を示すように、屋内のコンクリート壁を検査の対象として実装したシステムである。ハンマーの検出には、1.0メートルの高さに90度ロールして取り付けた三次元測域センサ30(たとえば、Velodyne社製 HDL-32e)を用い、ロボットの自己位置推定、作業者のトラッキング、検査対象壁面の位置認識には、0.2メートルの高さに取り付けた二次元測域センサ20(たとえば、北陽電機製UTM-30LX)を用いる。
ロボットとしての移動についての制御のために制御装置1002が搭載される。制御装置1002としては、たとえば、ラップトップ型のパーソナルコンピュータを用いることができる。
特に限定されないが、制御装置1002による移動ロボットプラットフォームとしては、たとえば、T-frog プロジェクトi-Cart mini1を用い、オープンソース移動ロボット走行制御ソフトウェアYP-Spur2 で制御することが可能である。また、ミドルウェアとしてROS3 を使用し、自己位置推定にROS Navigationstackに含まれる、amclを用いることができる。自己位置推定のための地図としては、たとえば、ROS gmappingパッケージを用いて作成した、グリッド間隔50ミリメートルの二次元占有格子地図を用いることができる。
これらの移動ロボットプラットフォームについては、以下に開示がある。
T-frog プロジェクト: http://t-frog.com/
YP-Spur: https://openspur.org/
ROS: http://www.ros.org/
図3は、打音検査記録装置1000の構成を示すブロック図である。
図3において、打音検査記録装置1000が移動するための移動機構1200としては、たとえば、差動で動作できる2つの車輪による駆動機構を用いるものとして説明する。ただし、移動機構としては、このような構成に限定されるものではなく、自律的に空間内を移動可能な機構であれば、他の構成のロボットでもよい。
図3を参照して、打音検査記録装置1000は、2輪の駆動機構によりロボットを移動させる駆動機構1200に対して、その移動距離、速度、角速度などを検出するための路程測定センサ10と、打音検査記録装置1000の前面に搭載され、レーザ光のスキャンにより前方に存在する対象物までの距離を計測するための2次元レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range Finder)20と、打音検査記録装置1000の上部に搭載され、レーザ光のスキャンによりハンマー位置の検出を行うための3次元レーザレンジファインダ(LRF)30と、路程測定センサ10や2次元LRF20および3次元LRF30からの信号をバス60を介してデータとして出力し、あるいは、バス60からのコマンドをこれらのセンサに伝達するためのセンサ入出力ボード40とを備える。
打音検査記録装置1000は、さらに、ワーキングメモリとして機能し、RAM(Random Access Memory)などで構成されるメモリ50と、打音検査記録装置1000が動作するためのプログラム(図示せず)や環境マップ1102、検査記録データ1104などを格納するための不揮発性記憶装置1100とを備える。不揮発性記憶装置1100としては、ランダムアクセス可能な記憶装置であれば、ハードディスクを用いてもよいし、あるいは、SSD(Solid State Drive)などを用いてもよい。「環境マップ」とは、打音検査記録装置1000が移動する空間内の壁や固定・半固定の定常的に存在する対象物の位置を幾何学的に地図上に表現したデータのことをいう。なお「環境マップ」は、2次元的な情報であってもよいが、3次元的な情報であることが望ましい。
打音検査記録装置1000は、さらに、打音の音響情報を取得するためのマイクロホン1052と、マイクロホン1052からの信号をバス60に伝達する信号に変換するための音声入出力ボード1054と、打音検査記録装置1000の動作を制御し、作業者2に追随して移動するための処理や、ハンマー4により打撃された位置を推定する処理を実行するための演算装置であるプロセッサ1010とを備える。なお、図3では、図示省略されているが、音声入出力ボードには、プロセッサ1010により生成された音声を、ユーザとのコミュニケーションのために再生するスピーカも接続されていてもよい。
プロセッサ1010の実行する機能としては、不揮発性記憶装置1100に格納されたプログラムに基づいて、2次元LRF20からの信号に基づいて、作業者2の位置を追跡するための協調作業者トラッキング部1030と、路程測定センサ10や2次元LRF20からの信号に基づいて、環境マップ1102を参照することで自身の現在の位置を推定するための自己位置推定処理部1040と、2次元LRF20からの信号に基づいて、検査対象となる壁の位置を検知するための検査対象認識処理部1050と、打音検査記録装置1000が作業者2と協調動作を行うために必要な位置関係を維持するような位置制御を計画する協調動作計画部1060と、協調動作計画部1060の計画に従って、移動機構を1200を駆動して打音検査記録装置1000の移動を制御する移動制御部1070とを備える。
プロセッサ1010の実行する機能としては、さらに、不揮発性記憶装置1100に格納されたプログラムに基づいて、3次元LRF30からの信号に基づいて、ハンマー4の位置を検出するためのハンマー位置検出部1110と、マイクロホン1052からの信号に基づいて打音を検出する打音検出部1120と、打音の検出されたタイミングでのハンマー位置検出部1110からの信号に基づいて打撃位置を推定し、打音の音響情報と打撃位置とを関連づけて検査記録データ1104として不揮発性記憶装置1100に記録するための打撃位置推定部1130とを含む。
各機能ブロックの動作をより詳しく説明すると、以下のとおりである。
協調作業者トラッキング部1030は、2次元LRF20からの信号により得られる2次元点群データから、所定の大きさの範囲、たとえば、幅50から350ミリメートルの凸形状のセグメントを抽出・ラベリングし、センサの計測周期毎に距離で対応付けを行うことで、作業者2の足等の物体を検出してその動作を追跡する。それぞれの物体の移動量から速度を求め、所定の値以下の速度差であり、所定の値以下の範囲でそろった方向に移動するペアを抽出することで、作業者等の動作を追跡する。
なお、LRFを用いた人位置推定の方法については、たとえば、以下の文献に開示がある。
公知文献1:D.F. Glas et al., ”Laser tracking of human body motion using adaptive shape modeling,” Proceedings of 2007 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems, pp. 602-608, 2007.
検査対象認識部1050は、検査対象とした構造物の表面の位置を認識する。たとえば、検査対象を屋内のコンクリート壁とするときには、コンクリート壁は床に垂直な面であるため、2次元LRF20からの信号により得られる二次元点群データによりこのような認識を行う。たとえば、壁等の直線状の形状を抽出し、打音検査記録装置1000の右、0.2から1メートルの距離にある直線で表される壁を検査対象物として認識する。
ハンマー位置検出部1110は、たとえば、ハンマー4に取り付けられた再帰性反射テープのマーカーの位置を検出する。たとえば、直径100ミリメートル程度の発泡スチロールに、再帰性反射テープを貼り付けたマーカーを用いることで、ハンマー4の位置の検出が容易となる。ハンマー4の位置は、3次元LRF30からの信号により得られる3次元点群データから、レーザ受光強度の高い点を抽出し、球検出によりマーカー中心位置を求めることにより検出される。
協調動作計画部1060は、打音検査記録装置1000が作業者2と協調動作を行うために必要な位置関係を維持するように、打音検査記録装置1000を移動させるプランを立てる。
図4は、打音検査記録装置1000が作業者2と協調動作を行うために必要な位置関係を示す図である。
協調動作計画部1060は、特に限定されないが、たとえば、検査対象の壁から0.5メートルの距離をとり、作業者-打音検査記録装置間の、壁への投影距離を1.5メートルとするように、打音検査記録装置1000の位置の移動を制御する。これにより、作業者2が打音検査記録装置1000側に0.6メートル、逆側に0.8メートルの範囲で打撃すれば、打音検査記録装置1000は、常に3次元LRF30の32本のレーザ走査線のうちの2本の走査線でハンマー4のマーカーを計測できる。
マーカーを取り付けたハンマー4でコンクリート壁を打撃した打音を解析した結果、この打音は、健全なコンクリート壁の場合、第1の所定の周波数範囲、たとえば、500から800Hzの間にピークをもつ周波数成分を持ち、浮きのあるコンクリート壁の場合、第2の所定の周波数範囲、たとえば、1200から2000Hzの間にピークをもつ周波数成分を持ち、継続時間が約0.1秒であった。そこで、打音検出部1120は、一例として、マイクロホン1052から48kHzサンプリングで取得した音響信号を、0.16秒(8192サンプル)毎に周波数解析し、上記第1または第2の所定の周波数範囲の振幅スペクトルのピーク値が、それぞれ事前に設定されたしきい値以上になった際に、打撃があったとして認識する。しきい値は、第1および第2の所定の周波数範囲に対して、それぞれ、独立に設定することができる。
打撃位置推定部1130は、打音が検出された時刻に検出されたハンマー位置を、検査対象表面に垂直に投影した位置を推定打撃位置として求める。打撃位置推定部1130は、打撃位置を検出し、打音のデータおよび推定打撃位置のデータを関連づけて不揮発性記憶装置1100に記録した際には、ビープ音を発し、作業者2に知らせる構成とすることができる。
以上のような構成により、作業者2は、通常の手動による打音検査と同じように、検査対象の表面の検査位置を、順次、ハンマー4でたたく作業を単に実行すれば、打撃位置推定部1130が、自動的に、打音のデータおよび推定打撃位置のデータを関連づけて電子データとして記録することになる。
(実験に基づく打撃位置推定精度の評価)
打音検査記録装置1000における、打撃位置の推定精度を評価するため実験を行った結果について、以下説明する。
実験場所は、鉄筋コンクリート製のビル内のコンクリート壁の廊下で、予め真の位置を測定してマーキングした壁を作業者が検査用ハンマーで叩きながら移動し、図2に示した打音検査記録装置1000がリアルタイムで打撃位置を推定しながら自律的に移動した。
図5は、実験環境の外観と、打音検査記録装置1000の自己位置推定に用いた環境マップとを説明するための図である。
図5(a)は、実験環境の外観を示す。後に説明するように、図5(a)の範囲には、一部、コンクリート表面に劣化の生じた領域が存在する。
図5(b)は、環境マップを示し、ビルの壁面のA−Bの範囲で打音検査を行った。打音検査は、2.0メートル間隔で、ハンマーにより打撃を加えることで実施した。ビルの床面がx−y平面であり、x方向が廊下の方向に平行となるように設定する。z方向が高さ方向である。x印で示すように、x方向には、2.0メートル間隔で、高さ方向には、0.3,1.0,1.7メートルの高さを、各6回程度、連続して打撃した。
図6は、打音検査記録装置1000によって推定した打撃位置を示す図である。
図6は、図5(b)のA−B断面で切り出した結果を示す。
打撃位置は、グレーの丸で示し、推定された打撃位置を十字の記号で示す。3次元LRF30の計測により、ほぼ正確に、打撃位置が推定できていることがわかる。
図7は、推定打撃位置の、真値との誤差を示す図である。
壁の長手方向(x)、壁に垂直な方向(y), 高さ方向(z)の各軸について、推定位置の平均誤差は、それぞれ54,70,−63ミリメートル、標準偏差(s)は54,25,40 ミリメートルであった。3次元測域センサの取り付け角度誤差などの調整により、さらに精度を向上できるものと期待され、十分に実用に応える精度を実現可能である。
(打撃位置推定結果を用いた検査結果の提示実験)
次に、打音検査記録装置1000により実現した打音検査の打撃位置推定結果を、簡易的な打音評価手法と組み合わせて、打音検査の結果を提示する実験を行った結果について説明する。
実験場所は、図5(b)中のB点付近の、床に近い位置に亀裂が目視できる場所の周辺を、秒間に最大2回程度の間隔で打撃を加え、それぞれの打撃位置と音響信号を取得した。
検査結果は、取得した音響信号を周波数解析して簡易的に評価した。
図8は、打音検査の打撃位置推定結果を打音評価手法と組み合わせて説明するための図である。
実験場所とは異なる予備実験を健全な屋内コンクリート壁の打音を確認すると、前述の通り500から800Hz間で振幅スペクトルにピークが現れ、浮きのあるコンクリート壁の打音は、1200〜2000Hzに分布した周波数成分が現れた。
そこで本実験では、(1200〜2000Hz振幅スペクトル平均値)/(500〜700Hzの振幅スペクトル最大値)を打音の評価値として求めることとした。図8には、その評価値を、グレースケールで表示した。色が薄くなるほど、異常であることを示す。
図8(a)は、407点を打撃し、打音検査記録装置1000で位置と打音の評価値を取得した結果を示す。最も評価値が低く健全と評価された場所を黒、評価値が高い場所を白くプロットしている。
図8(b)は、図8(a)に示した結果から、検査対象の壁面位置に投影し補間処理により作成したグリッドマップを示す。目視できる亀裂を中心に、評価値の高い場所が広がっていることが確認できる。
以上説明したとおり、従来の手動での打音検査においては、検査結果を作業者が紙に記録する必要があったのに対して、打音検査記録装置1000によれば、これを完全に自動化できる。これにより作業の省力化が実現でき、検査時間を短縮し、コストを削減することができる。
なお、打音の検出に対しても、また、打音に対するコンクリートの状態の評価ランクの分類に対しても、音響信号の特徴量に対するパターン認識の問題として、それぞれ機械学習により判別器を生成することで、判定させる構成とすることも、可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 路程測定センサ、20 2次元レーザレンジファインダ、30 3次元レーザレンジファインダ、40 センサ入出力ボード、50 メモリ、60 バス、1000 打音検査記録装、1010 プロセッサ、1030 協調作業者トラッキング部、1040 自己位置推定処理部、1050 検査対象認識処理部、1052 マイクロホン、1054 音声入出力ボード、1100 不揮発性記憶装置、1102 環境マップ、1104 検査記録データ、1110 ハンマー位置検出部、1120 打音検出部、1130 打撃位置推定部。

Claims (5)

  1. 作業者が検査面をハンマーにより打撃した際の打音を記録するための打音検査記録装置であって、
    音センサと、
    前記ハンマーの位置を検出するためのハンマー位置検出手段と、
    所定空間内の前記作業者の位置を推定するための人位置推定手段と、
    前記作業者の位置の推定結果に応じて、前記作業者の移動に追随するように前記打音検査記録装置を移動させる自律移動手段と、
    前記音センサにより、前記打音の生じたタイミングを検知するため打音検知手段と、
    前記打音のタイミングでの前記ハンマーの位置から、打撃位置を推定して、前記打音のデータと関連づけて前記打撃位置を記録するための打撃位置推定手段とを備える、打音検査記録装置。
  2. 前記ハンマー位置検出手段は、
    前記ハンマーに取り付けられたマーカと、
    前記マーカの位置を検出するための第1の測距センサとを含み、
    前記打撃位置推定手段は、前記マーカの位置からの垂線が前記検査面に交差する位置として前記打撃位置を推定する、請求項1記載の打音検査記録装置。
  3. 前記第1の測距センサは、3次元レーザレンジファインダであり、
    前記マーカは、再帰性反射マーカである、請求項2記載の打音検査記録装置。
  4. 前記人位置推定手段は、
    前記作業者の足の高さの物体を検知するための第2の測距センサと、
    検知された複数の前記物体のそれぞれの移動量から速度を求め、所定の値以下の速度差であり、所定の値以下の範囲でそろった方向に移動するペアを抽出することで、前記作業者の位置を推定して追跡する追跡手段とを含む、請求項2または3記載の打音検査記録装置。
  5. 前記第2の測距センサは、2次元レーザレンジファインダである、請求項4記載の打音検査記録装置。
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