JP2018126114A - アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルコール由来の苦味及び刺激味を低減させ、爽快感及び厚みを付与し、伝統的な香気又は風味を抑制し、或いは、新たな山椒固有(様)香気成分及び風味成分を付加したアルコール飲料を提供する。
【解決手段】 シトロネラール又は特定量のβフェランドレンを含有したアルコール飲料によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール飲料、とりわけ、山椒(様)香気成分及び風味成分、即ち、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを含んでなるアルコール飲料及びその製造方法に関する。
アルコール飲料、とりわけ、蒸留酒は、醸造酒を蒸留することにより得られるものであり、その中でも、香草(ジュニパーベリー、コリアンダーシード)等と伴に二次蒸留された蒸留酒(スピリッツ)としては、ジンが知られている。また、香草及び果実の成分を含有したフレーバー蒸留酒としては、フレーバーウォッカ等が知られている。
また、近年、特定用途のために、果物及び野菜等を浸漬した蒸留酒が提案されている。例えば、特許文献1(特開2002−125653号公報)では、香料成分に代用できる、果物及び野菜を高アルコールに浸漬した蒸留酒が提案されており、又、特許文献2(特開2009−213410号公報)では、畜肉又は魚介類の不快臭のマスキングの為に、磨砕した薬味料を高アルコールに浸漬抽出したものを包含した料理用酒類が提案されている。
ところで、蒸留酒は、一般に高濃度のアルコール(約20%超過〜約100%未満の含有量)を含有するものであることから、嗜好者には高アルコール感及びアルコール刺激性を好む者もいることは事実である。しかし、一般消費者は、逆に、アルコール臭気並びにアルコール刺激性が高いために、高アルコール感を呈するアルコール飲料を敬遠する者も多い。
アルコール刺激性に対しては、特許文献3(特開2012−249587号公報)では、単式蒸留酒から分離・回収した高級脂肪酸エステルを含有する油性成分を添加することにより、アルコールの刺激感を改善し、味わい及びまろやかさを増加させた、単式・連続式混和蒸留酒が提案されている。また、特許文献4(特開2016−119841号公報)では、アルコール刺激感マスキング剤として、2,6−ノナジエナール又は2,4−デカジエナールをアルコール飲料に添加することが提案されている。
また、一般消費者の中には、伝統的なスピリッツに包含される香草(実)、薬草(実)の香気又は風味を嫌う者も存在する。例えば、ジンに含まれるジュニパーベリーの香気が、所謂、「松脂臭い」、又は、コリアンダーの香気が、所謂、「虫(カメムシ)臭い又は青臭い」、という嫌臭気として捉える消費者も存在する。
その一方で、蒸留酒は高濃度のエタノールを含有することから、様々な香味及び風味を付与することができるため、新たな蒸留酒固有の香気、風味等を堪能することができるアルコール飲料を切望する潜在的な消費者が存在することも事実である。
しかしながら、アルコール由来の苦味及び刺激味を低減させ、爽快感及び厚みを付与し、伝統的な香気又は風味を抑制し、或いは、新たな香気又は風味を付加したアルコール飲料は未だ十分には開発されていない。
よって、今尚、新たな香気成分又は風味成分を付与した、新たなアルコール飲料の提案が切望されている。
特開2002−125653号公報 特開2009−213410号公報 特開2012−249587号公報 特開2016−119841号公報
本発明者等は、今般、山椒(様)香気成分及び風味成分を達成しうる物質として、シトロネラール又はβフェランドレンに着目し、シトロネラール又は特定量のβフェランドレンを含有することにより、従来技術における上記課題を高い次元において解決したアルコール飲料を提供できることを見出した。従って、本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
よって、本発明によれば、アルコール飲料であって、
シトロネラール又は特定量のβフェランドレンを含んでなる、アルコール飲料を提案することができる。
また、別の態様によれば、アルコール飲料の製造方法であって、食用エタノールと、シトロネラール又は特定量のβフェランドレンとを混合することを含んでなる、製造方法を提案することができる。
〔本発明の態様〕
本発明の態様は以下の通りである。
〔1〕 アルコール飲料であって、
シトロネラールを含んでなる、アルコール飲料。
〔2〕 前記シトロネラールの含有量が純アルコール換算で0.01ppm以上である、上記〔1〕に記載のアルコール飲料。
〔3〕 βフェランドレンをさらに含んでなる、上記〔1〕又は〔2〕に記載のアルコール飲料。
〔4〕 前記βフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上であることを特徴とする、上記〔3〕に記載のアルコール飲料。
〔5〕 アルコール飲料であって、
βフェランドレンを含んでなり、
前記βフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上であることを特徴とする、アルコール飲料。
〔6〕 前記シトロネラールが山椒から抽出されたものである、上記〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔7〕 前記βフェランドレンが山椒から抽出されたものである、上記〔3〕〜〔5〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔8〕 前記山椒が、朝倉山椒、山朝倉山椒、葡萄山椒、高原山椒、及び竜神山椒からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、上記〔6〕又は〔7〕に記載のアルコール飲料。
〔9〕 前記山椒が、果実、果皮、新芽、茎、棘、又は葉のものである、上記〔6〕〜〔8〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔10〕 前記山椒が、破砕又は粉砕されていないものである、上記〔9〕に記載のアルコール飲料。
〔11〕 アルコール度数が10度以上である、上記〔1〕〜〔10〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔12〕 前記アルコール飲料が蒸留酒である、上記〔1〕〜〔11〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔13〕 前記アルコール飲料がスピリッツ又は焼酎である、上記〔1〕〜〔11〕の何れか一項に記載のアルコール飲料。
〔14〕 前記スピリッツがジンである、上記〔13〕に記載のアルコール飲料。
〔15〕 アルコール飲料を製造する方法であって、
食用エタノールと、シトロネラールとを用意し、
前記食用エタノールに、シトロネラールを混合することを含んでなる、アルコール飲料の製造方法。
〔16〕 アルコール飲料を製造する方法であって、
食用エタノールと、βフェランドレンとを用意し、
前記食用エタノールに、βフェランドレンを混合し、
前記βフェランドレンの含有量を純アルコール換算で2ppm以上としてなることを含んでなる、アルコール飲料の製造方法。
本発明によれば、山椒の成分の一種或いは山椒(様)香気成分又は風味成分である、シトロネラール又は特定量のβフェランドレンを含有させることにより、アルコール、特に、蒸留酒又はスピリッツ(ジン、ウォッカ等)原料由来の苦味及び刺激味を低減させ、爽快感及び厚みを付与し、伝統的な香気及び風味(例えば、「松脂臭い」)を抑制し、並びに、高い次元において山椒(様)香気又は風味を付与することができるアルコール飲料及びその製造方法を提供することができる。
その結果、本発明によるアルコール飲料及びその製造方法は、シトロネラール又は特定量のβフェランドレンを含有させることにより、山椒(様)香気及び風味を付与し、長期間保持することが可能となる。また、伝統的な香気及び風味に対するマスキング的な効果を発揮させることにより、アルコール飲料を飲み易くすることが可能となる。さらに、山椒(様)香気及び風味を高めたアルコール飲料を提供することができ、新たなアルコール飲料嗜好者の発掘を可能とする。
〔定義〕
(山椒)
〈品種〉
山椒は、ミカン科サンショウ属の落葉低木に属するものであって、その学名は「Zanthoxylum piperitum」であり、英名は「Japanese pepper(日本胡椒)」である。山椒の実は、房椒(ふさはじかみ)ともいわれている。
日本古来の在来品種としては、朝倉山椒(Z. piperitum (L.)DC forma inerme (Makino) Makino)、山朝倉山椒(Z. piperitum (L.)DC forma brevispinosum Makino)、葡萄山椒、高原山椒、竜神山椒(Z. piperitum (L.)DC forma ovalifoliolatum (Nakai) Makino)等が存在する。これら山椒は、日本国内において多く自生或いは栽培されており、また、これら日本在来種の山椒は、その果実、茎、棘、葉又は新芽等に、山椒本来の香気成分を有意量包含するものである。これら日本在来種の山椒は、本発明においても好ましい原料として使用することができる。
また、他の品種としては、国内に多く自生している犬山椒(Zanthoxylum schinifolium)、烏山椒(Zanthoxylum ailanthoides);また、中国地方、四国地方、南西諸島、沖縄に自生又は栽培されている岩山椒(Zanthoxylum beecheyanum);冬山椒(Zanthoxylum armatum var. subtrifoliatum)等が存在する。さらには、中国を主要原産国とする、華北山椒(Zanthoxylum bungeanum)、照葉山椒(Zanthoxylum nitidum)等が挙げられる。
〈主要成分〉
山椒は、その果実、果皮、新芽、茎、葉又は棘等に、香気成分及び風味成分として、シトロネラール、βフェランドレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ミルセン、リモネン等を包含してなり、また、辛み成分として、サンショオール、サンショアミド等を包含している。
山椒のエキス(精油)並びに上記主要成分は、一般的な抽出方法によって得ることができ、例えば、原料の山椒を、圧搾法、溶媒抽出法、油脂(温浸透又は冷浸透)吸着法、超臨界抽出法等によって、抽出することができる。飲食料品に使用する場合には、厚生労働省、消費者庁等所管のガイドライン及び食品衛生法等の規定に基づいて抽出することが必要である。
(シトロネラール)
シトロネラール(3,7-dimethyloct-6-en-1-al:C1018O)は、下記化学式(1)で表される有機化合物である。シトロネラールは、3位の炭素原子が不斉炭素であるため、d−体とl−体の光学活性体を有するが、香気成分としては相違がない。香草であるシトロネラ精油、レモンバーム精油、山椒の精油等に多く存在し、これらの精油を減圧分留し、精製工程等を経て得ることができる。シトロネラールの香気性は、グリーンで甘い香気と表現され、爽快感及び新鮮感を有するとされている。本発明にあっては、山椒(様)香気成分及び風味成分として使用する。
(βフェランドレン)
βフェランドレン(p-mentha-1(7),2-diene:C1016)は、下記化学式(2)で表される有機化合物であり、環状モノテルペンに分類される。βフェランドレンは、二重結合の位置が異なる性質のよく似た二種の異性体(α型とβ型)のうちの一種である。βフェランドレンは、フェンネル、カナダバルサム、山椒から単離される。βフェランドレンの香気性は、ペパーミント様の爽快感及び新鮮感、僅かながらの青い柑橘系香気を有するとされている。本発明にあっては、山椒(様)香気成分及び風味成分として使用する。
(アルコール飲料)
「アルコール飲料」は、酒税法で「アルコール分一度以上の飲料」と定義されており、食品衛生法でも食品として扱われ、当該法律の適用を受けるものである。「アルコール飲料」としては、醸造酒、蒸留酒、その他の酒類、又はこれらの一種又は二種以上の混合酒が含まれる。なお、酒税法に定義されている通り、「アルコール分」とは、温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。「アルコール度数」とは、アルコール飲料に対するエタノールの体積濃度を百分率(%)で表した割合である。また、「エキス分」とは、温度十五度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。
〈醸造酒〉
醸造酒は、原料を酵母によりアルコール発酵のみで作られ、蒸留等を行わず製造される酒類の総称である。酒税法では、醸造酒類として、イ)清酒、ロ)果実酒、ハ)その他の醸造酒と定義されている。そのほかに、酒税法では発泡性酒類として分類されているが、ビール及び発泡酒等もまた醸造によって作られる醸造酒である。醸造酒には、糖類をそのまま発酵させて酒類を得る単発酵酒〔例えば、ワイン(ブドウ酒)、シードル(リンゴ酒)、馬乳酒等〕と、でんぷんを糖化し、その糖類を発酵させて酒類を得る複発酵酒〔例えば、ビール(単行複発酵酒)、日本酒(並行複発酵酒)〕とがある。醸造酒は、酵母によるアルコール発酵のみによるものであることから、アルコール度数は高くとも約22%程度である。
〈蒸留酒〉
蒸留酒は、醸造酒を蒸留して作った酒であり、基本的に、アルコール度数が高いアルコール飲料である。酒税法では、蒸留酒類として、次に掲げる酒類(その他の発泡性酒類を除く。):イ)連続式蒸留しようちゆう、ロ)単式蒸留しようちゆう、ハ)ウイスキー、ニ)ブランデー、ホ)原料用アルコール、ヘ)スピリッツと定義されている。蒸留酒には、蒸留したアルコールに加水をしたもの、或いは、木製の樽等で熟成したもの等も含まれる。
蒸留酒には、ジン(原料:大麦、ライ麦、ジャガイモ、香草等)、ウォッカ(原料:ライ麦、グレーン、甜菜、フルーツ、ジャガイモ等)、スピリタス(原料:穀物、ジャガイモ、香草等)、泡盛(原料:インディカ米、穀物等)、焼酎(原料:米、麦、サツマイモ、黒糖、そば、栗、酒粕、糖蜜等)、ソジュ「韓国焼酎」(原料:米、ジャガイモ、コムギ、オオムギ、サツマイモ、タピオカ等)、白酒〔穀物を原料としたパイチュ、及び高粱を原料とした茅台酒等〕、メスカル又はテキーラ(原料:竜舌蘭)、ウイスキー(原料:大麦、ライ麦、トウモロコシ等)、ブランデー〔果実酒が原料のブランデー、白ブドウが原料のアルマニャック、リンゴが原料のカルヴァドス、ブドウの搾りかすが原料のグラッパ、ブドウが原料のコニャック、ブドウが原料のシンガニ、ブドウ果汁が原料のピスコ等〕、カシャッサ又はピンガ(原料:サトウキビ)、ラム酒(原料:サトウキビ、糖蜜等)、アラック〔ジャガイモが原料のアクアビット、家畜乳又は穀物が原料のアルヒ、ブドウが原料のラク等〕、コルン(原料:小麦、ライ麦等)、キルシュヴァッサー(原料:サクランボ)等が挙げられる。
「スピリッツ」は、酒税法上、イ)連続式蒸留しようちゆう、ロ)単式蒸留しようちゆう、ハ)ウイスキー、ニ)ブランデー、又はホ)原料用アルコール以外の酒類でエキス分が二度未満のものである。
「ジン」は、穀類(大麦、ライ麦、ジャガイモ等)を原料とし、麦芽及び酵素剤を利用して、糖化、発酵、蒸溜して得られたスピリッツに、ジュニパーベリー(杜松の実)などの草根木皮を浸すなどして、香りをつけ、再度蒸溜した無色透明の酒をいい、草根木皮の香気成分固有の香味及び風味を有する酒(スピリッツ)である。
「ウォッカ」は、穀類(ライ麦、グレーン、甜菜、フルーツ、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦、大麦等)を原料として、糖化、発酵、蒸溜し、得られたスピリッツを白樺炭で濾過した酒(スピリッツ)をいい、スピリッツの中でも最もクセのない香味及び風味を有し、まろやかな爽快感を特徴とするものである。
「ラム」はサトウキビの搾り汁を煮つめて、砂糖を結晶させたあとの糖蜜を原料とし、発酵、蒸溜、熟成の工程を経てつくられる酒(スピリッツ)である。
(純アルコール換算)
「純アルコール換算」とは、アルコール飲料(1L)に含まれる特定成分(mg)の濃度(mg/L=ppm)を、このアルコール飲料のアルコール度数割合(v/v)で割って、アルコール度数100(v/v%)当たりの数値に換算したものをいう。
例えば、特定のアルコール飲料〔アルコール度数(v/v%)が50度(%)〕に、特定の香気成分が50ppmで含まれていた場合、特定の香気成分の含有量は、純アルコール換算で、〔50ppm÷(50度÷100)〕=100ppmとなる。
(含有量)
本発明にあっては、含有量は、本明細書において特にことわりがない限り、基本的に、ppm、即ち、mg/L(質量/体積)にて表す。
〔アルコール飲料〕
(シトロネラール)
本発明の一の態様は、必須成分として、シトロネラールを含んでなるアルコール飲料を提案する。
好ましくは、アルコール飲料中、シトロネラールの含有量は、純アルコール換算で、0.01ppm以上であり、好ましくは、0.5ppm以上であり、より好ましくは、1ppm以上である。本発明にあっては、アルコール飲料中、シトロネラールの含有量の上限値は、純アルコール換算で、アルコール飲料に含有可能な最大値であり、好ましくは、500ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下である。
シトロネラールは、山椒(様)香気成分及び風味成分を呈するものであり、アルコール飲料に含有させることにより、アルコール由来の苦味及び刺激味を低減させ、爽快感(例えば、グリーン感や甘さを有する爽快感)及び厚みを付与し、伝統的な香気及び風味(例えば、「松脂臭い」)を抑制し、或いは、高い次元において山椒(様)香気及び風味を付加することができる。特に、シトロネラールを上記含有量で含有させることにより、これら本発明の効果をさらに高めることが可能となる。
(βフェランドレン)
本発明の別の態様は、必須成分として、特定量のβフェランドレンを含んでなるアルコール飲料を提案する。
好ましくは、アルコール飲料中、βフェランドレンの含有量は、純アルコール換算で、2ppm以上であり、好ましくは、3ppm以上であり、より好ましくは、4ppm以上である。本発明にあっては、アルコール飲料中、シトロネラールの含有量の上限値は、純アルコール換算で、アルコール飲料に含有可能な最大値であり、好ましくは、200ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。
βフェランドレンは、山椒(様)香気成分及び風味成分を呈するものであり、アルコール飲料に上記含有量で含有させることにより、アルコール由来の苦味及び刺激味を低減させ、爽快感(例えば、ミント様の爽快感)及び厚みを付与し、伝統的な香気及び風味(例えば、「松脂臭い」)を抑制し、或いは、高い次元において山椒(様)香気及び風味を付加することができる。
(シトロネラール及び/又はフェランドレン)
好ましい態様によれば、本発明の一態様である、シトロネラールを含んでなるアルコール飲料に、βフェランドレンを含有させることができる。より好ましくは、βフェランドレンを、上記した含有量で含有させてなることが好ましい。
シトロネラールとβフェランドレンとを混合して含有することにより、上記本発明の効果を相乗することが可能となる。また、他の山椒固有の香気成分又は風味成分と相俟って、優れた山椒(様)香気成分及び風味成分の加算以上の相乗効果を達成し、さらには、高い次元において山椒(様)香気又は風味を付加することができる。
また、蒸留酒、例えば、ジン、ウォッカ等のスピリッツは、欧米諸国で伝統的に製造されたものであり、日本人等の東洋人には、蒸留酒に包含される香草の香気成分が嗜好に合致しないことがある。しかし、山椒(様)香気成分及び風味成分を呈するシトロネラール及び/又はβフェランドレンを含有することにより、これら伝統的な香気成分を緩和することができる。
さらに、シトロネラール及び/又はβフェランドレンは、山椒(様)香気成分及び風味成分を呈することから、日本在来山椒由来の香気成分及び風味(和の香味及び風味)を含有したアルコール飲料として、日本国内及び外国市場に提案することが可能となる。
シトロネラール及び/又はβフェランドレンは、天然物又は人工物から食品添加物として許容される方法で抽出されたものを使用することができる。また、シトロネラール及び/又はβフェランドレンは、食品化学的に許容される手法によって合成されたものであってよいが、食品安全性が確立したもののみを当然に(好ましくは)使用する。好ましくは、シトロネラール及び/又はβフェランドレンは、山椒、好ましくは日本在来種の山椒からの抽出物(例えば、食用エタノール浸漬物)又は精油(エキス)の主要成分として存在しているものであってよい。
(山椒)
山椒は、様々なものが使用できるが、日本古来の在来品種である、朝倉山椒、山朝倉山椒、葡萄山椒、高原山椒、及び竜神山椒からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは用いられる。また、山椒は、その果皮、果実、新芽、葉、茎又は棘を使用することができ、好ましくは、果皮、果実、新芽、又は葉であり、より好ましくは、果実、果皮(特に好ましい)を用いることができる。また、山椒は、破砕、粉砕等をしてもよいが、本来の香味及び風味等を維持するためには、破砕、粉砕等されていないもの、即ち、採取状態(ホール)のままのものを原料として使用することが好ましい。さらに好ましくは、採取状態(ホール)のままで冷凍または乾燥されたものを原料として使用することが好ましい。
山椒は、市販品として、特級和山椒(スパイスショップラセラヌー)、紀州しみず粒ぶどう山椒(テレわかショップ)、紀奥山椒乾燥粒(食のお医者さん・樽の味)、業務用:干し山椒粒和歌山県有田川町清水産(紀伊国屋文左衛門本舗)、業務用:高知県産・仁淀川山椒 ホール(ギャバン社製)が例示され、使用可能である。
(アルコール含有量)
本発明によるアルコール飲料は、好ましくは、アルコール度数が10度(%)以上であり、より好ましくは下限値が30度(%)以上であり、上限値が約100度(%)以下であるものである。アルコール度数が上記範囲内にあることにより、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを添加することによる効果をより発揮させることが可能となる。
(任意成分)
アルコール飲料は、任意成分として、色素、香料、甘味料、酸味料、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、旨み成分、食物繊維、安定化剤、乳化剤を含有することが可能である。これらは、厚生労働省、消費者庁等において定められたガイドライン及び関連法規(食品衛生法等)に規定されたものを用いる。
(アルコール飲料)
アルコール飲料は、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを必須成分として包含するものであれば、いずれのものであってよく、例えば、食用エタノールに、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを添加したものであってよい。好ましくは、醸造酒、蒸留酒及びこれらの混合酒の一種、或いはこれらの二種以上の混合酒としてもよい。より好ましくは、一種又は二種以上の醸造酒と、一種又は二種以上の蒸留酒との混合酒であり、好ましいものは、一種又は二種以上の蒸留酒である。本発明にあっては、アルコール飲料は、蒸留酒、好ましくはスピリッツまたは焼酎である。
〈醸造酒〉
「醸造酒」は、清酒、果実酒、又はその他の醸造酒であり、例えば、ワイン(ブドウ酒)、シードル(リンゴ酒)、馬乳酒、ビール、日本酒が挙げられ、好ましくは、高濃度のワイン、シードル、日本酒が使用される。
〈蒸留酒〉
「蒸留酒」は、酒税法上、連続式蒸留しようちゆう、単式蒸留しようちゆう、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツに含まれるものが挙げられ、好ましくは、連続式蒸留しようちゆう、単式蒸留しようちゆう、ブランデー、又はスピリッツである。
「蒸留酒」としては、一般に、ジン、ウォッカ、スピリタス、焼酎、ソジュ、白酒、メスカル、テキーラ、ウイスキー、ブランデー(アルマニャック、カルヴァドス、グラッパ、コニャック、シンガニ、ピスコ等)、カシャッサ、ピンガ、ラム酒、アラック、コルン、キルシュヴァッサー等が挙げられ、好ましくは、ジン、ウォッカ、スピリタス、焼酎、ソジュ、白酒、メスカル、テキーラ、ブランデー、アラックが挙げられ、より好ましくは、ジン、焼酎、ウォッカ、スピリタスであり、最も好ましくはジン又は焼酎が挙げられる。
〔アルコール飲料の製造方法〕
本発明の一の態様は、アルコール飲料を製造する方法であって、
食用エタノールと、シトロネラールとを用意し、
前記食用エタノールに、シトロネラールを混合すること(好ましくは、常温、大気圧下)を含んでなる、アルコール飲料の製造方法を提案する。
好ましい態様によれば、シトロネラールを含んでなるアルコール飲料の製造方法おいて、βフェランドレンをさらに用意し、前記食用エタノールに混合する工程をさらに含んでもよい。より好ましくは、このβフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上となるように調整する工程をさらに含んでもよい。
本発明の別の態様は、アルコール飲料を製造する方法であって、
食用エタノールと、βフェランドレンとを用意し、
前記食用エタノールに、βフェランドレンを混合し(好ましくは、常温、大気圧下)、
前記βフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上としてなることを含んでなる、アルコール飲料の製造方法を提案する。
具体的には、本発明によるアルコール飲料の製造方法は、食用アルコール(エタノール)に、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを必須成分として含有させることによって製造するものである。また、食用アルコール(エタノール)に、有意量の山椒を浸漬した後に蒸留して、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを必須成分として包含した蒸留酒を、食用アルコール(エタノール)に含有させることによって製造するものである。蒸留は常圧で行ってもよいし減圧で行ってもよいが、好ましくは減圧である。
例えば、醸造酒、蒸留酒及びこれらの混合酒の一種、或いはこれらの二種以上の混合酒に、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを含有させてもよい。また、有意量の山椒を浸漬した後に蒸留し、得られた山椒の蒸留酒を添加して、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを含有させるように調整したものであってよい。シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンを含有させることにより、これら醸造酒、蒸留酒に、本来の山椒(様)香味及び風味を向上させる一方で、香気成分を低減・抑制することも可能となる。
アルコール飲料を製造する方法において、原料〔例えば、シトロネラール、βフェランドレン、食用アルコール(エタノール)、山椒〕、含有量、調整等は、上記〔アルコール飲料〕の項で説明したのと同様であってよい。
〔容器詰めアルコール飲料〕
別の好ましい態様によれば、アルコール飲料を容器に詰めた容器詰アルコール飲料を提案することができる。容器詰アルコール飲料とすることにより、アルコール由来の苦味及び刺激味の低減維持と、爽快感及び厚み付与を保持し、伝統的な香気及び風味の抑制維持、並びに、高い次元において山椒(様)香気及び風味を保持し続けると伴に、アルコール飲料の提供利便性、流通利便性、保存性、品質劣化防止を図ることが可能となる。
容器は、内容物が漏洩しない材料であれば、ビニール、プラスチック、ガラス、金属、紙、木又は皮等で、様々な形状で形成された容器に詰めることができる。より好ましい態様によれば、容器の内外に、光、熱、酸素、紫外線等を遮断するための素材(たとえば、着色又は機能性フィルム、金属箔)を備えたものであってよい。
以下の実施例により、本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記実施例に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施例は、本発明の実施態様の一例を示すものであるが、これら実施例により当業者は本発明の全ての範囲について容易に実施することができること当然に理解するものである。
〔評価試験1:シトロネラール及びβフェランドレンの定性定量〕
下記実施例1、比較例1〜3のアルコール飲料について、シトロネラール及びβフェランドレンの定量を行った。
(アルコール飲料の調製)
〈実施例1〉
山椒を45%アルコールに一昼夜浸漬し、減圧蒸留することで、山椒の蒸留酒を得た。
〈比較例1〜3:市販蒸留酒〉
比較例1は、「季の美」(アルコール45%、ジン、京都蒸留所社製)を用いた。
比較例2は、「WILKINSON GIN 47.5°」(アルコール47%、ジン、アサヒビール社製)を用いた。
比較例3は、「WILKINSON GIN 37°」(アルコール37%、ジン、アサヒビール社製)を用いた。
(定性定量方法)
実施例1は超純水で15倍希釈したもの、比較例1〜3は超純水で5倍希釈したものをそれぞれ試料とした。1mLの試料に200μLの内部標準(10ppm リナロール−d5)を添加した後に、超純水で50倍希釈した。希釈した試料の香気成分をTwisterに吸着(40℃、2時間)させ、GC−MS分析を行い、内部標準法により定量を行った。
〈GC条件〉
・装置:昇温気化型注入口(CIS4,Gerstel社製)、加熱脱着ユニット(TDU,Gerstel社製)、GC Systerm(7890B,Agilent Technologies社製)、Mass Selective Detector(5977,Agilent Technologies社製)
・LTMカラム(1st:DB−WAX,20m×0.18mm;0.3μm、2nd:DB−5,10m×0.18mm;0.4μm,Agilent Technologies社製)
・TDU:20℃(1min)−(720℃/min)−250℃(3min)
・CIS4:−50℃(1.5min)−(12℃/sec)−240℃(45min)
・スプリット比:30:1
・注入口圧:508.28kPa
・ベント圧:314.11kPa
・1stカラム温度:40℃(3min)−(5℃/min)−180℃(0min)
・2ndカラム温度:40℃(31min)−(5℃/min)−180℃(0min)
・MSD:SCAN mode,m/z 29−230,20Hz,EI
・定量イオン:リナロール−d5(m/z 98),シトロネラール(m/z 154),βフェランドレン(m/z 136)
(定性定量結果)
実施例と比較例における、シトロネラール含有量と、βフェランドレン含有量を下記表1に記載した。
〔評価試験1:結果〕
実施例1(本発明)は、高い含有量でシトロネラール及びβフェランドレンを包含した高アルコール飲料であったことが理解された。また、山椒を原料とした蒸留酒(比較例1)は、シトロネラールが全く包含されておらず、かつ、βフェランドレンの含有量も極めた僅かであったことが理解された。
〔評価試験2:官能評価試験〕
(アルコール飲料の調製)
下記表2、3に記載した通り、シトロネラール含有量と、βフェランドレン含有量を調製した実施例及び比較例を調製した。
比較例4は、比較例2にβフェランドレンを表2の濃度になるように添加したものである。
実施例2〜7は、比較例2にシトロネラールまたはβフェランドレンを表2の濃度になるように添加したものである。
実施例8は、比較例2に実施例1で製造した山椒の蒸留酒及び水を表2の濃度になるように添加したものである。
実施例9〜10は、比較例3にシトロネラール又はβフェランドレンを表3の濃度になるように添加したものである。
(官能評価手法)
本出願人会社内の品質管理試験を通った食品官能評価能力のある6名(20歳から65歳までの男女)のパネルにより、実施例及び比較例のアルコール飲料を以下の基準で評価し、その平均値を得て、その結果を、下記表2、3に記載した。
〔評価基準〕
(1) 松脂臭、苦味、刺激、爽快感、厚みの評価基準は以下の通りであった。また、「飲みやすさ」は大変飲みやすいを「5点」、大変飲みにくいを「1点」とした、5段階評価で行った。
評価点 1:感じられない。
評価点 2:弱い。
評価点 3:やや弱い。
評価点 4:やや強い。
評価点 5:強い。
(2) 実施例2〜8は、比較例2との比較官能を行った。比較例2(評価基準)の評点は、パネル間での評価判定の下、松脂臭「5点」、苦味「5点」、刺激「5点」、爽快感「2点」、厚み「2点」、飲みやすさ「2点」とした。
パネル6名の平均点を算出し、比較例2と比較して、平均点が0.5点以上差があった際に効果があると判断した。
(3) 実施例9及び10は、比較例3との比較官能を行った。比較例3(評価基準)の評点はパネル間での評価判定の下、松脂臭「4点」、苦味「4点」、刺激「4点」、爽快感「2点」、厚み「2点」、飲みやすさ「2点」とした。パネル6名の平均点を算出し、比較例3と比較して、0.5点以上差があった際に効果があると判断した。
〔評価試験2:結果〕
実施例2〜8は、比較例2と比較して、爽快感や厚みが付与されたことで、松脂臭、苦味、刺激が低減され、飲みやすさが改善されていることがわかった。
実施例9、10は、比較例3と比較して、爽快感や厚みが付与されたことで、松脂臭、苦味、刺激が低減され、飲みやすさが改善されていることがわかった。
比較例2〜4は、松脂臭、苦味、刺激が強く、爽快感、厚みが弱いことから、飲みにくいものであった。
〔総合評価〕
実施例は、比較例との対比において、シトロネラール及び/又は(特定量の)βフェランドレンをアルコール飲料に含有させることで、アルコール飲料に、山椒(様)香気及び風味を高いレベルで付与し、爽快感や厚みを付与し、松脂臭、苦味、刺激を低減させ、飲みやすさを改善することが明からとなった。


Claims (16)

  1. アルコール飲料であって、
    シトロネラールを含んでなる、アルコール飲料。
  2. 前記シトロネラールの含有量が純アルコール換算で0.01ppm以上である、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. βフェランドレンをさらに含んでなる、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
  4. 前記βフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上であることを特徴とする、請求項3に記載のアルコール飲料。
  5. アルコール飲料であって、
    βフェランドレンを含んでなり、
    前記βフェランドレンの含有量が純アルコール換算で2ppm以上であることを特徴とする、アルコール飲料。
  6. 前記シトロネラールが山椒から抽出されたものである、請求項1〜3の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  7. 前記βフェランドレンが山椒から抽出されたものである、請求項3〜5の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  8. 前記山椒が、朝倉山椒、山朝倉山椒、葡萄山椒、高原山椒、及び竜神山椒からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項6又は7に記載のアルコール飲料。
  9. 前記山椒が、果実、果皮、新芽、茎、棘、又は葉のものである、請求項6〜8の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  10. 前記山椒が破砕又は粉砕されていないものである、請求項9に記載のアルコール飲料。
  11. アルコール度数が10度以上である、請求項1〜10の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  12. 前記アルコール飲料が蒸留酒である、請求項1〜11の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  13. 前記アルコール飲料がスピリッツ又は焼酎である、請求項1〜11の何れか一項に記載のアルコール飲料。
  14. 前記スピリッツがジンである、請求項13に記載のアルコール飲料。
  15. アルコール飲料を製造する方法であって、
    食用エタノールと、シトロネラールとを用意し、
    前記食用エタノールに、シトロネラールを混合することを含んでなる、アルコール飲料の製造方法。
  16. アルコール飲料を製造する方法であって、
    食用エタノールと、βフェランドレンとを用意し、
    前記食用エタノールに、βフェランドレンを混合し、
    前記βフェランドレンの含有量を純アルコール換算で2ppm以上としてなることを含んでなる、アルコール飲料の製造方法。
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