JP2018121569A - 脱穀装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】唐箕からの選別風の風量を効率良く増加させることが可能な脱穀装置が要望されている。【解決手段】脱穀装置には、扱胴および受網を有する脱穀部と、前記脱穀部によって脱穀されて前記受網から漏下した処理物を揺動選別する揺動選別装置、および、前記揺動選別装置の前下方に配置されるとともに前記揺動選別装置に選別風を送風する唐箕、を有する選別部と、が備えられ、前記唐箕は、前記選別風を送風する送風ファンと、前記送風ファンの前部および横側部を覆う唐箕ケースと、を有し、外気を吸引する横吸引口が前記唐箕ケースの側部に形成されているとともに、外気を吸引する前吸引口が前記唐箕ケースの前部に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、扱胴および受網を有する脱穀部と、脱穀部によって脱穀されて受網から漏下した処理物を揺動選別する揺動選別装置、および、揺動選別装置の前下方に配置されるとともに揺動選別装置に選別風を送風する唐箕、を有する選別部と、が備えられた脱穀装置に関する。
例えば、特許文献1に記載の脱穀装置においては、唐箕ケース(文献では、「ファンケース」)の側部に外気を吸引する横吸引口(文献では、「吸引口」)が形成され、送風ファン(文献では、「羽根部材」)が回転することで、横吸引口から外気が吸引され、選別風が送風される。
特開2014−014330号公報
ところで、脱穀装置の処理量を増加させる場合、脱穀部の処理能力を向上されるとともに、選別部の選別能力を向上させる必要がある。そして、選別部の選別能力を向上されるには、選別風の風量を多くする必要があり、送風ファンのサイズアップや送風ファンの回転数を高くすることで、選別風の風量は増加する。しかし、その前提として、唐箕ケース内に吸引される外気量を増加させないと、送風ファンに負荷が掛かり、選別風を効率良く増加させることができない。
上記実情に鑑みて、唐箕からの選別風の風量を効率良く増加させることが可能な脱穀装置が要望されている。
本発明は、
扱胴および受網を有する脱穀部と、
前記脱穀部によって脱穀されて前記受網から漏下した処理物を揺動選別する揺動選別装置、および、前記揺動選別装置の前下方に配置されるとともに前記揺動選別装置に選別風を送風する唐箕、を有する選別部と、が備えられ、
前記唐箕は、前記選別風を送風する送風ファンと、前記送風ファンの前部および横側部を覆う唐箕ケースと、を有し、
外気を吸引する横吸引口が前記唐箕ケースの側部に形成されているとともに、外気を吸引する前吸引口が前記唐箕ケースの前部に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、吸引口が、唐箕ケースの側部のみならず、唐箕ケースの前部にも形成されているため、唐箕ケースの側部にのみ吸引口が設けられている場合と比較して、唐箕ケース全体の吸引口の開口面積を多くすることが可能となる。このため、唐箕ケースへの外気の吸引量を多くすることができ、その結果、選別風の風量を効率よく増加させることができる。
なお、唐箕ケースの「前部」とは、唐箕ケースの側部とは異なる部分であって、唐箕ケースの前側に位置して、直前方、または、やや前上方、または、やや前下方に向いた部分を示すものである。
本発明において、
前記前吸引口における外気の吸引量を調整する前吸引量調整機構が備えられていると好適である。
脱穀装置での処理能力を高くしたとしても、処理量が少ない場合もあり、そのような場合に、選別風量が多過ぎると、選別風によって藁屑とともに穀粒も吹き飛ばされる可能性がある。また、処理対象である作物種や、作物の乾燥度合によって、好適な選別風量が異なる。本構成であると、前吸引量調整機構が備えられているため、処理量、作物種、作物の乾燥度合等の様々な条件に対応可能な脱穀装置とすることができる。
本発明において、
前記前吸引量調整機構は、前記前吸引口から前方に離れた位置に、前記前吸引口に対向する状態で設けられる前板部材を有し、
前記前板部材が前記前吸引口に対して遠近移動して前記前板部材と前記唐箕ケースの前部との隙間が変更されることにより、前記前吸引口における外気の吸引量が調整されるように構成されていると好適である。
本構成であると、前吸引口における外気の吸引量は、前板部材の前吸引口に対する遠近移動によって調整される。したがって、簡素な構成の前吸引量調整機構が得られる。
本発明において、
前記横吸引口における外気の吸引量を調整する横吸引量調整機構が備えられ、
前記横吸引量調整機構は前記横吸引口に対向する状態で設けられる横側板部材を有し、
前記横側板部材が前記横吸引口に対して移動して前記横側板部材と前記横吸引口とのオーバーラップ量が変更されることにより、前記横吸引口における外気の吸引量が調整されるように構成され、
前記前板部材は、前記横側板部材と一体的に移動して、前記前吸引口に対して遠近移動するように構成されていると好適である。
本構成によると、前吸引量調整機構および横吸引量調整機構の両方が、板部材で構成されているため、簡素な構造により、選別風量の調整が可能となる。さらに、両板部材が、一体的に移動するように構成されており、唐箕ケース内への吸引量を、簡素な構成で一気に大きく変更することが可能である。
本発明において、
前記横吸引口は前記唐箕ケースの左右両側部に形成されるとともに、左右の前記横吸引口のそれぞれに対して前記横側板部材が備えられ、
左右の前記横側板部材を連結する横向きの軸芯部材が備えられ、左右の前記横側板部材は、前記軸芯部材を中心として一体的に揺動可能であり、
前記前板部材は、前記軸芯部材に支持されていると好適である。
本発明の構成によれば、左右の横側板部材を連結する軸芯部材を使って、左右の横側板部材と前板部材とを一体的に移動させることができ、前吸引量調整機構と横吸引量調整機構との連動構造を簡素化することが可能となる。
本発明において、
前記唐箕ケースの前上部を覆うカバー部が、前記前吸引量調整機構と一体的に備えられていると好適である。
唐箕ケースの前上部に前吸引口を形成すると、上方から舞い落ちてくる藁屑等の塵埃が、前吸引口から唐箕ケース内に吸引され、選別性能が低下する虞がある。本構成であれば、上方から舞い落ちてくる藁屑等の塵埃が前吸引口から吸引されるのを防止できる。さらに、カバー部は前吸引量調整機構と一体的に動作するため、前吸引量調整機構が動くとカバー部も動き、その動きによって、カバー部の上部に溜まった藁屑等を下方にふるい落とすことができる。
本発明において、
前記カバー部は、多孔部材によって形成されていると好適である。
カバー部を備えると、前吸引口の上方からの吸気量が低下する虞がある。しかし、本構成によれば、カバー部に設けられた孔を通じて外気が前吸引口に吸引されるため、唐箕ケースの前上部への藁屑等の堆積を防止しつつ、前吸引口からの吸引量の低減を回避できる。
本発明において、
異物の侵入を防止する前多孔質部材が前記前吸引口に備えられていると好適である。
唐箕は、選別部における前下側箇所、即ち、地面等に近い位置に位置するため、送風ファンの吸引圧によって、装置周辺の石や泥などの異物が吸引口から唐箕ケース内部に入り込み、送風ファンや送風ファンの回転軸等が破損する虞がある。しかし、本発明であれば、前多孔質部材によって唐箕ケース内に異物が侵入するのが防止される。
本発明において、
異物の侵入を防止する横多孔質部材が前記横吸引口に備えられていると好適である。
本構成であれば、横多孔質部材によって唐箕ケース内に異物が侵入するのが防止される。
本発明において、
前記横多孔質部材は、前記横吸引口のうち、前記送風ファンの回転軸芯よりも下側部分にのみ設けられていると好適である。
横多孔質部材における孔のサイズにもよるが、横多孔質部材は、多少なりと、横吸引口からの吸気抵抗の原因になりかねない。また、送風ファン等を故障させるほどに硬かったり、大きかったりする異物は、地面近くに存在する場合が多い。本構成では、横吸引口のうちの地面近くの部分は横多孔質部材で覆いつつ、横吸引口のうちの地面から離れた高い箇所には、横多孔質部材を備えないため、異物の侵入の防止と吸引抵抗の軽減とが両立される。
脱穀装置の縦断左側面図である。 唐箕の前上部と前吸引量調整機構とを示す縦断左側面図である。 唐箕と横吸引量調整機構とを示す左側面図である。 唐箕と前吸引量調整機構とを示す正面図である。 前吸引量調整機構を取り外した際の唐箕を示す正面図である。 別実施形態に関するチャフシーブを示す縦断左側面図である。 別実施形態に関するチャフシーブを示す縦断左側面図である。
〔脱穀装置の基本構成〕
本発明による脱穀装置について、その実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態である脱穀装置1が示されている。脱穀装置1は、処理物を脱穀する脱穀部2と、脱穀部2によって脱穀された処理物から穀粒を選別して回収する選別部3と、が備えられている。脱穀部2は、脱穀装置1の上部に位置し、選別部3は、脱穀装置1の下部に位置している。即ち、選別部3は、脱穀部2の下方に配置されている。脱穀装置1の後方には、排藁などを細断処分するチョッパー4が備えられている。
脱穀部2には、扱室5が設けられ、扱胴6と受網7とは、扱室5に配置されている。扱胴6は、扱胴軸8の軸芯X1を中心に回転自在となるように構成されている。扱胴6の前部に、掻込部10Aが備えられ、掻込部10Aの後ろに扱き処理部10Bが連設され、掻込部10Aと扱き処理部10Bとは一体的に回転する。フィーダFによって搬送された刈取穀稈は、掻込部10Aに設けられた螺旋羽根11の回転により、フィーダFから掻き込まれ、後方の扱き処理部10Bへ搬送される。扱胴6には、扱胴軸8と、扱胴軸8の軸芯X1の方向における複数箇所に支持された円盤形状の複数の支持部材9と、支持部材9の外周部に周方向に間隔を空けた状態で支持された扱歯支持部材12と、が備えられている。そして、複数の扱歯13が、径方向外側に向けて突出する状態、かつ、軸芯X1方向に間隔を空けた状態で、扱歯支持部材12に支持されている。このように、扱胴6は、中空の籠型に形成されており、扱胴6の内部空間も扱き処理空間として機能する。脱穀処理量が多い場合、処理物は、隣り合う扱歯支持部材12の間から処理物が内部空間に退避することが可能であり、内部空間において、処理物は、処理物同士の打撃や遠心力等による撹拌によって、脱穀処理される。扱胴6の回転により脱穀された処理物は、下方に配置された受網7によってふるい選別され、選別部3へ漏下する。
選別部3には、揺動選別装置14、唐箕15、一番物回収部16、二番物回収部17が備えられている。揺動選別装置14は、グレンパン18、チャフシーブ19、グレンシーブ21、ストローラック22などを有するとともに、偏芯カム式の揺動機構23によって前後方向に揺動駆動されるように構成されている。唐箕15は、送風ファン26を有し、送風ファン26の回転によって生成された選別風が揺動選別装置14に向けて送風され、軽い藁屑などが選別風によって装置後方へ吹き飛ばされるように構成されている。唐箕15についての詳細は後述する。
受網7からグレンパン18に漏下した処理物は、前後揺動によってチャフシーブ19に後方搬送されるとともに重量選別がなされて比重の大きい穀粒は下層に分離され、比重の小さい藁屑は上層に分離される。これにより、上層に分離された藁屑が、唐箕15からの選別風を受けて装置後方へ吹き飛ばされ易くなる。
なお、本実施形態では、グレンパン18は第一グレンパン18aと第二グレンパン18bとに分けられている。また、第一グレンパン18aの後方には篩線18cが設けられており、第一グレンパン18aで重量選別を経て後方搬送された処理物は篩線18cで漏下選別される。
チャフシーブ19に搬送された処理物は、前後揺動によって後方搬送されるとともに漏下選別される。チャフシーブ19は複数のチャフリップ20を有し、それぞれのチャフリップ20は前後方向において後側上がりの姿勢で傾斜するとともに、傾斜角度の変更により、チャフリップ間の隙間が調整自在となるように構成されている。グレンパン18の重量選別によって下層に分離された穀粒は、チャフリップ間の隙間から漏下が促され、グレンシーブ21にて漏下選別がなされる。比較的大きな藁屑などは、ストローラック22を介してチョッパー4に搬送されて、細断処理される。
一番物回収部16によって回収された穀粒は不図示の穀粒タンクに搬送される。二番物回収部17によって回収された藁屑を含む穀粒は、扱室5の前部に還元搬送され、再度脱穀処理される。
図2に示されているように、唐箕15には軸芯X2を中心に回転自在な唐箕軸25と送風ファン26とが設けられている。送風ファン26は円盤状の支持部24を介して唐箕軸25に接続され、送風ファン26と唐箕軸25とが一体的に回転可能となるように構成されている。送風ファン26は軸芯X2を中心に、矢印Aで示す方向に回転するように構成され、送風ファン26の基端側から先端側へ延出するほど矢印Aで示す方向に湾曲するように形成されている。
図示はしないが、唐箕軸25の両軸端部にはプーリーが設けられ、エンジンからの動力が一端側のプーリーに伝達され、多端側のプーリーから、揺動機構23や、一番物回収部16や、二番物回収部17や、チョッパー4などに、エンジンの動力が伝達される。このように、唐箕軸25は他の駆動系へ動力を伝達するための中継軸を兼ねている。
図3乃至図5に示されているように、送風ファン26は唐箕ケース27によって覆われ、外気を吸引するための横吸引口28が唐箕ケース27の左右側部に形成されているとともに、外気を吸引するための前吸引口29が唐箕ケース27の前部に形成されている。また、前吸引口29の左右方向における略中央部の上下間を支持する状態で前ステー部材30が設けられ、唐箕ケース27の剛性が確保されている。
図1に示されているように、揺動選別装置14の下側へ選別風を送風するための第一送風路31が、唐箕ケース27の後下部に形成されるとともに、揺動選別装置14の上側へ選別風を送風するための第二送風路32が、唐箕ケース27の上方から後方に向けて形成されている。送風ファン26がA向きの方向に回転すると、外気が前吸引口29および横吸引口28から送風ファン26の回転によって吸引され、吸引された外気は選別風として、第一送風路31および第二送風路32に吐出される。
第一送風路31には、主にチャフシーブ19の前部に選別風を送り出す風路31Aと、主にグレンシーブ21に選別風を送り出す風路31Bと、主に揺動選別装置14の下方に選別風を送り出す風路31Cと、が備えられている。これらの風路31A,31B,31Cを流れる選別風により、チャフシーブ19およびグレンシーブ21から漏下する処理物に含まれる藁屑などが装置後方へ吹き飛ばされる。
第二送風路32は唐箕ケース27から前方向に吐出され、U字状に屈曲した送風管によって送風路が反転されて、揺動選別装置14の上側を流れる送風路として形成されている。換言すれば、第二送風路32は、第一グレンパン18aと第二グレンパン18bとの間の空間を経由して、チャフシーブ19の上方を流れる選別風の送風路として形成されている。この風路を流れる選別風により、第二グレンパン18bの重量選別により上層に分離された軽い比重の藁屑などが後方に吹き飛ばされるとともに、第一グレンパン18a後方の篩線18cから落下する処理物に含まれる藁屑なども後方に吹き飛ばされる。
図2乃至図4に示されているように、唐箕15には、前吸引口29からの外気の吸引量の調整のための前吸引量調整機構33と、横吸引口28からの外気の吸引量の調整のための横吸引量調整機構34と、が備えられている。即ち、前吸引量調整機構33および横吸引量調整機構34によって外気の吸引量が調整されることにより、送風ファン26から揺動選別装置14に送風される選別風の風量が調整される。
前吸引量調整機構33には前板部材36が備えられている。前板部材36の左右幅は唐箕ケース27の左右幅よりも長く形成され、かつ、前板部材36の上下長さは前吸引口29の上下長さよりも長く形成されており、前板部材36が唐箕ケース27の前吸引口29を前方より覆うことができるように構成されている。本実施形態では、唐箕ケース27側に屈曲するように曲げ形成されている折板部36aが、前板部材36の下部に形成されている。即ち、前板部材36の折板部36aが、より唐箕ケース27の前部に近づくように折り曲げ形成されている。前板部材36が前吸引口29に対して遠近移動して、前板部材36の折板部36aの先端部と唐箕ケース27の前部との隙間が変更されることにより、この隙間を経由して前吸引口29に吸引される外気の吸引量が調整されるように構成されている。これにより、前板部材36が前吸引口29に対して接近したときには、前吸引口29おける外気吸引量が絞られるように構成されている。もちろん、前吸引口29における必要な吸引量の調整のために、折板部36aの屈曲角度、前吸引口29と折板部36aとの隙間の範囲などは、適宜設計変更できる。
前板部材36の上部には、唐箕ケース27側に屈曲するように曲げ形成されたカバー部36bが形成されている。カバー部36bは前板部材36と一体的に唐箕ケース27の前上部を覆うように、前後方向で後上がり形状に形成されている。これにより、埃や藁屑などがカバー部36bの上に積もることなく下方に落下するように構成されている。また、カバー部36bの表面にパンチングメタル状の多孔部が形成されている。外気がカバー部36b表面の多孔部を経由して前吸引口29に吸引されるため、前吸引口29の吸引量が十分に確保される。カバー部36bは、前吸引口29に対する防塵としての役割にも用いられているため、多孔部における孔の大きさは、藁屑などが通過しない程度の大きさであることが望ましい。
横吸引量調整機構34には横側板部材37が設けられている。横側板部材37の上下長さは、横吸引口28の上下長さよりも長く形成されている。また、横側板部材37の前後方向幅は、横吸引口28の前側を覆う程度の幅に形成されている。横側板部材37が唐箕ケース27の側面に沿う状態で、唐箕ケース27の側面と平行移動して横側板部材37と横吸引口28とのオーバーラップ量が変更されることにより、横吸引口28における外気の吸引量が調整されるように構成されている。換言すると、横吸引口28に対して横側板部材37が唐箕ケース27の外側から被せられることにより、横吸引口28の開口面積が絞られて、横吸引口28における吸引量が調整される。
図2乃至図4に示されているように、前板部材36と横側板部材37とは、軸芯部材35に対して取り付けられ、前板部材36と横側板部材37とが一体的に移動するように構成されている。軸芯部材35はパイプ状に形成され、唐箕ケース27の左右方向に沿う上辺部35aと、上辺部35aの左右端部から前下方へ屈曲しながら延出する側辺部35bとから構成されている。つまり、上辺部35aから側辺部35bにかけて、左右方向から下方向に屈曲するように曲げ形成されている。
装置フレーム40には前方へ突起した揺動支持部40aが左右一対で備えられており、左右一対の揺動支持部40aの上に上辺部35aが揺動可能に支持される。
軸芯部材35の側辺部35bに設けられた挿通孔と、前板部材36の左右端部に設けられた挿通孔と、横側板部材37に設けられた締結孔と、が重ね合わせられた状態で、ボルトが挿通されて締結される。これにより、前板部材36と横側板部材37とが軸芯部材35に取り付けられるとともに、揺動支持部40aに支持された上辺部35aを軸芯として揺動自在となるように構成されている。なお、前板部材36は、上辺部35aに取り付けてあっても良い。さらに、前板部材36を軸芯部材35に溶接固定してあっても良い。
横側板部材37の下部には長孔37bが設けられており、長孔37bは横側板部材37の揺動方向に沿うように湾曲状に形成されているとともに、蝶ボルト37cが挿通可能な孔径となるように形成されている。蝶ボルト37cが長孔37bに挿通されるとともに、唐箕ケース27の前方視左側部に設けられた不図示のボルト締結孔に締結される。このように、軸芯部材35に取り付けられた前板部材36および横側板部材37は、長孔37bに挿通された蝶ボルト37cによって固定可能となるように構成されている。本実施形態では、長孔37bは唐箕ケース27の前方視左側面に対応する横側板部材37のみに設けられているが、唐箕ケース27両側面に対応する左右の横側板部材37に、それぞれ設けられる構成であってもよい。
図3および図5に示されているように、異物の侵入を防止することを目的として、唐箕ケース27の前吸引口29には前多孔質部材38が設けられているとともに、横吸引口28には横多孔質部材39が設けられている。
前多孔質部材38はメッシュ状の網となるように形成され、前吸引口29が唐箕ケース27外側から全て覆われるように構成されている。即ち、前多孔質部材38の左右幅は前吸引口29の左右幅より長く形成され、かつ、前多孔質部材38の上下長さは前吸引口29の上下長さより長く形成されている。前吸引口29の上方および下方には取付ステー41が、それぞれ設けられている。取付ステー41は、唐箕ケース27から突起する逆U字状に形成されるとともに、固定ボルトBoの締結孔が突起先端面に形成され、基端部が唐箕ケース27に溶接固定されている。固定ボルトBoが、前多孔質部材38における任意の網目を挿通した状態で、取付ステー41の締結孔に締結される。このとき、固定ボルトBoの頭部と前多孔質部材38との間には、座金42が挟まれた状態で固定されている。座金42の外周は前多孔質部材38の網目よりも大きな形状を有しており、前多孔質部材38の網目が、座金42と取付ステー41とに挟まれて、固定ボルトBoの頭部から抜けないように構成されている。これにより、前多孔質部材38が前吸引口29を唐箕ケース27の外側から覆う状態で固定されている。
横多孔質部材39はメッシュ状の網となるように形成され、横吸引口28が唐箕ケース27外側から覆われるように構成されている。装置フレーム40の唐箕ケース27側部に対応する箇所には、横多孔質部材39を取り付けるための、取付ステー43が溶接固定されている。また、固定ボルトBoの締結孔が、取付ステー43と唐箕ケース27の側部とに設けられている。固定ボルトBoが、横多孔質部材39における任意の網目に挿入された状態で、締結孔に締結される。また、前多孔質部材38の場合と同様に、固定ボルトBoの頭部と前多孔質部材38との間には、座金44が挟まれた状態で固定されて、横多孔質部材39の網目が固定ボルトBoの頭部から抜けないように構成されている。
横多孔質部材39は横吸引口28のうちの下側半分のみを覆う状態で取り付けられている。したがって、横吸引口28の上側半分から十分な吸引量が確保されるように構成されている。また、脱穀装置1が搭載された収穫機の刈取走行で跳ね上げられた異物(例えば、圃場の石や泥)の侵入が、下側半分に設けられた横多孔質部材39によって防止される。収穫機に搭載された脱穀装置1においては、穀粒タンクと反対側、即ち圃場に面するとともに異物の侵入が生じやすい側の横吸引口28に、横多孔質部材39が取り付けられることが、特に望ましい。
〔別実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
〔1〕前板部材36の上部に形成されているカバー部36bの多孔部は、パンチングメタル状に限定されず、例えばメッシュ状の網であっても良い。
〔2〕本実施形態では、横側板部材37の前後方向幅は、横吸引口28の前側を覆う程度の幅に形成されているが、本実施形態に限定されず、横側板部材37の前後方向幅を横吸引口28の前後方向幅よりも長くすることも可能である。つまり、横吸引口28における必要な吸引量の調整のために、横側板部材37の前後方向幅は適宜変更可能である。
〔3〕本実施形態では、前多孔質部材38および横多孔質部材39はメッシュ状の網となるように形成されているが、本実施形態に限定されず、パンチングメタルであっても良い。また、前多孔質部材38および横多孔質部材39が独立した部材でなくても良く、例えば、唐箕ケース27と一体的に形成されていても良い。
〔4〕本実施形態では、横多孔質部材39は横吸引口28のうちの下側半分のみを覆う状態で取り付けられているが、本実施形態に限定されず、横多孔質部材39が横吸引口28の全てを覆う状態で取り付けられても良い。
〔5〕収穫機に搭載された脱穀装置1においては、横多孔質部材39が左右片側の横吸引口28にのみ取り付けられても良いし、左右両側の横吸引口28に取り付けられても良い。つまり、収穫機の刈取走行で跳ね上げられた異物が唐箕ケース27内部に侵入せず、唐箕15の破損が引き起こされなければ良い。
〔6〕作物種や作物の乾燥度合が悪い場合、藁屑の重さが重くて、グレンパン18での重量選別が上手くなされていないことがある。そうすると、チャフシーブ19の前側部分において、穀粒と一緒に藁屑が一番物回収部16に漏下することがある。このような場合、チャフシーブ19におけるチャフリップ20の構成を下記のように工夫することで、重たい藁屑が多い場合でも、選別性能を高く維持することが可能となる。
図6に示されているように、チャフリップ20のうち、前側部分に位置するチャフリップ20a(例えば、前側から2枚目乃至5枚目の第一チャフリップ20a)では、前から6枚目以降の第二チャフリップ20bよりも、チャフリップ間の隙間が狭くなるように構成されている。それぞれのチャフリップ20の下端には、前上側に向けて突起する突起部が設けられている。このうち、第一チャフリップ20aの突起部は、第二チャフリップ20bの突起部よりも高く形成されている。その結果、第一チャフリップ20aの下端部に接する隙間d1は、第二チャフリップ20bの下端部に接する隙間d2よりも、狭くなっている。
隙間d1においては、穀粒の漏下量が減少するが、藁屑の漏下量も減少する。そして、処理物はあまり漏下しないままチャフシーブ19の後側部分へ搬送される。その後方搬送過程において、チャフシーブ19の前後揺動によって処理物の重量選別が促進され、穀粒と藁屑とが上下に比重分離される(重い穀粒が下に位置する)。そして、処理物が第二チャフリップ20bを通過する間に、広い隙間d2から、下層に分離された穀粒が積極的に漏下される。上方の藁屑は、唐箕15からの選別風によって、装置後方へ吹き飛ばされる。このように、チャフシーブ19の前側部分(第一チャフリップ20aの領域)において漏下選別機能を積極的に低下させることで、チャフシーブ19全体で重量選別を行い、重い藁屑が多い処理物でも好適に選別処理できる。
また、チャフシーブ19の前側部分において、チャフリップ20の下端同士の隙間が狭くなるように、チャフリップ20の下端に形成された突起の立ち上がり高さを調整する構成を採用したが、この形態に限られるものではない。例えば、後上端から後下側に向けて突起する突起部が設けられているチャフリップであっても良い。さらに、図7に示すように、前側のチャフリップ20aを、後側のチャフリップ20bよりも寝かせられるようすることで、前側におけるチャフリップ20a同士の隙間d1が、後側のチャフリップ20b同士の隙間d2よりも狭くなるように構成しても良い。なお、第一チャフリップ20aの枚数は、適宜変更可能であり、また、一番先頭のチャフリップ20から、突起を長くしたり、寝かせたりするように構成しても良い。
本発明は、コンバインに装備された脱穀装置だけでなく、脱穀装置単品についても適用可能である。
1 :脱穀装置
2 :脱穀部
3 :選別部
14 :揺動選別装置
15 :唐箕
18 :グレンパン
19 :チャフシーブ
21 :グレンシーブ
26 :送風ファン
27 :唐箕ケース
28 :横吸引口
29 :前吸引口
33 :前吸引量調整機構
34 :横吸引量調整機構
35 :軸芯部材
36 :前板部材
36a :折板部
36b :カバー部
37 :横側板部材
38 :前多孔質部材
39 :横多孔質部材

Claims (10)

  1. 扱胴および受網を有する脱穀部と、
    前記脱穀部によって脱穀されて前記受網から漏下した処理物を揺動選別する揺動選別装置、および、前記揺動選別装置の前下方に配置されるとともに前記揺動選別装置に選別風を送風する唐箕、を有する選別部と、が備えられ、
    前記唐箕は、前記選別風を送風する送風ファンと、前記送風ファンの前部および横側部を覆う唐箕ケースと、を有し、
    外気を吸引する横吸引口が前記唐箕ケースの側部に形成されているとともに、外気を吸引する前吸引口が前記唐箕ケースの前部に形成されている脱穀装置。
  2. 前記前吸引口における外気の吸引量を調整する前吸引量調整機構が備えられている請求項1に記載の脱穀装置。
  3. 前記前吸引量調整機構は、前記前吸引口から前方に離れた位置に、前記前吸引口に対向する状態で設けられる前板部材を有し、
    前記前板部材が前記前吸引口に対して遠近移動して前記前板部材と前記唐箕ケースの前部との隙間が変更されることにより、前記前吸引口における外気の吸引量が調整されるように構成されている請求項2に記載の脱穀装置。
  4. 前記横吸引口における外気の吸引量を調整する横吸引量調整機構が備えられ、
    前記横吸引量調整機構は前記横吸引口に対向する状態で設けられる横側板部材を有し、
    前記横側板部材が前記横吸引口に対して移動して前記横側板部材と前記横吸引口とのオーバーラップ量が変更されることにより、前記横吸引口における外気の吸引量が調整されるように構成され、
    前記前板部材は、前記横側板部材と一体的に移動して、前記前吸引口に対して遠近移動するように構成されている請求項3に記載の脱穀装置。
  5. 前記横吸引口は前記唐箕ケースの左右両側部に形成されるとともに、左右の前記横吸引口のそれぞれに対して前記横側板部材が備えられ、
    左右の前記横側板部材を連結する横向きの軸芯部材が備えられ、左右の前記横側板部材は、前記軸芯部材を中心として一体的に揺動可能であり、
    前記前板部材は、前記軸芯部材に支持されている請求項4に記載の脱穀装置。
  6. 前記唐箕ケースの前上部を覆うカバー部が、前記前吸引量調整機構と一体的に備えられている請求項2から5の何れか一項に記載の脱穀装置。
  7. 前記カバー部は、多孔部材によって形成されている請求項6に記載の脱穀装置。
  8. 異物の侵入を防止する前多孔質部材が前記前吸引口に備えられている請求項1から7の何れか一項に記載の脱穀装置。
  9. 異物の侵入を防止する横多孔質部材が前記横吸引口に備えられている請求項1から8の何れか一項に記載の脱穀装置。
  10. 前記横多孔質部材は、前記横吸引口のうち、前記送風ファンの回転軸芯よりも下側部分にのみ設けられている請求項9に記載の脱穀装置。
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