JP4880713B2 - 脱穀装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された脱穀装置では、選別部30からの排出用の処理物を選別風によって機体1の後端部に位置する塵埃排出口45に移送する風力排塵経路Bを備え、この風力排塵経路Bの塵埃排出口45よりも機体内側に少し入り込んだ部位に排塵制御体60を揺動開閉自在に設け、この排塵制御体60と排ワラ搬送装置20の搬送ガイド杆22とを連動機構70を介して連動させている。
排塵制御体60は、扱室12に供給される穀稈量が多くなって排ワラ搬送装置20に供給される脱穀排ワラ量が多くなると、開き姿勢に操作されて風力排塵経路Bを開き側に操作する。
排塵制御体60は、扱室12に供給される穀稈量が少なくなって排ワラ搬送装置20に供給される脱穀排ワラ量が少なくなると、閉じ姿勢に操作されて風力排塵経路Bを閉じ側に操作する。(各符号は、公報に記載されたものである。)
すなわち、穀粒が塵埃と共に機体外に排出されることの抑制を可能にするには、排出規制状態に切り換えた排塵調整体によって塵埃搬送経路を閉じ側に操作し、塵埃搬送経路のうちの、扱室の送塵口の下方に位置する部位よりも下流側で処理物の流動を規制する。選別部で回収される穀粒に塵埃が混入することの抑制を可能にするには、排塵調整体を規制解除状態に切り換えることによって塵埃搬送経路を開き側に操作して、塵埃搬送経路における処理物の流動を容易にする。
したがって、排塵調整体によって塵埃搬送経路が閉じ側に操作された場合、塵埃搬送経路のうちの扱室の送塵口の下方に位置する部位よりも下流側で処理物の流動規制が行なわれることになり、扱室の送塵口から排出される稈屑などの脱穀処理物の排塵口に向けての流動も規制されることになる。扱室に刈取穀稈の株元から穂先までの全体が投入される脱穀装置の場合、扱室の送塵口から排出される稈屑の大きさ及び量が大になりがちであることから、扱室の送塵口から排出される脱穀処理物の排塵口に向けての流動が規制されることになると、扱室の送塵口から排出された処理物の流動が悪化しやすくなる。また、扱室における処理物の滞留に至りやすくなる。
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位で、前記受網の後端部の直下に設け、
前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある。
排塵調整体が排出規制状態に切り換えられると、塵埃搬送経路が扱室の送塵口の下方で閉じ側に切り換わり、選別部からの処理物の脱穀機体の排塵口への流動が規制されて選別部で回収されるべき穀粒が排塵口から塵埃と共に脱穀機体外に排出されにくくなるので、扱室の送塵口からの稈屑を脱穀体機体外に排出されやすくしながら、選別部で回収されるべき穀粒が脱穀機体外に排出されることを回避しやすい。
また、選別風力が強く調整されると、排塵調整体が選別風による押圧操作によって規制解除状態に切り換えられて処理物を流出しやすくでき、選別風力が弱く調整されると、排塵調整体が弾性復元力によって排出規制状態に切り換えられて穀粒の飛散排出を排塵調整体によって抑制しやすくなる。
また、選別風力が強く調整されると、選別風による処理物移送作用が強くなるのみならず、排塵調整体が選別風によって規制解除状態に自ずと切り換わって処理物排出の障害になりにくくなり、全体として処理物の迅速な排出を行わせることができ、この状態を操作簡単に得ることができる。選別風力が弱く調整されると、選別風による処理物移送作用が弱くなって選別風による処理物の飛散を抑制できるのみならず、排塵調整体が弾性復元力によって排出規制状態に自ずと切り換わり、全体として穀粒の飛散排出を効果的に抑制でき、この状態を操作簡単に得ることができる。
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位で、前記受網から後方下方に斜めに延出された支持部材の延出端部に支持させて設け、
前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある。
本第3発明の構成によると、受網の扱胴周方向での周辺のいずれの箇所においても排塵調整体を作用させて選別処理物の流動規制を行なわせることができる。
ことを防止して菜種の如き作物を脱穀対象とする場合に適切な風力の選別風を供給させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る脱穀装置が装備されたコンバインの全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る脱穀装置が装備されたコンバインの全体を示す平面図である。これらの図に示すように、このコンバインは、運転座席20を有した運転部2が装備された走行機体1を備え、走行機体1の機体フレーム10の後部側に設けられた本発明の実施の形態に係る脱穀装置4を備え、走行機体1の機体フレーム10の後部側に脱穀装置4と走行機体横方向に並べて設けられた袋詰め部13を備え、脱穀装置4の前部にフィーダ60が走行機体横向き軸芯Xまわりに上下揺動自在に連結された刈取前処理装置6を備えて構成してある。
つまり、走行機体1は、左右一対のクローラ式の走行装置11,11を備え、運転座席20の下方に位置するエンジン(図示せず)からの駆動力によって左右一対の走行装置11,11を駆動して自走する。
刈取前処理装置6は、フィーダ60及び前処理フレーム61を備える他、前処理フレーム61の内部に駆動自在に設けられた横送りオーガ65、前処理フレーム61が備えるプラットホーム61Aの前端部に駆動自在に設けられたバリカン形の刈取装置63、前処理フレーム61の前端部に連設された左右一対の分草具62,62、前処理フレーム61の基端側の上部から走行機体前方向きに上下揺動操作自在に延出した左右一対の支持アーム64Aの先端部に駆動自在に支持された回転リール64、前処理フレーム61の走行機体横方向での左外側に設けられた分草装置30を備えている。
図3は、脱穀装置4を示す縦断側面図である。図4は、図3のIV−IV断面矢視図である。これらの図に示すように、脱穀装置4は、脱穀機体40の上部内に位置する扱室41を有した脱穀部4Aを備え、扱室41の下方に位置する選別室50を有した選別部4Bを備えている。
フィーダ60のコンベヤ60aによって扱室41の前端部に位置する入り口底板48の上に送り込まれた刈取穀稈の株元から穂先までの全体を、扱胴41の傾斜ドラム部44における螺旋羽根46によって脱穀機体後方向きに搬送して扱室41の受網70が位置する部位に供給する。この部位において、刈取穀稈を扱胴42の脱穀処理部45における扱歯47と受網70とによる扱き作用によって脱穀処理する。脱穀処理によって発生した脱穀粒を、受網70に扱胴周方向及び扱胴回転軸芯方向に並べて備えてある処理物漏下孔から選別室50に漏下させる。脱穀処理によって発生した稈屑などの塵埃を、扱室41の後端部に位置する送塵口49から脱穀機体後方向きに排出する。
唐箕52は、回転羽根91が回転方向F(図3参照)に回転駆動されることにより、左右の吸気口92から唐箕ケース90の内部に空気を吸引して選別風を発生させ、発生させた選別風を送風口93から選別室50に供給する。
すなわち、受網70を漏下した脱穀処理物を揺動選別装置51によって受け止めて揺動選別装置51による揺動選別と、唐箕52からの選別風による風選別とによって穀粒と塵埃とに選別する。穀粒のうちの一番物を、一番処理物搬送コンベヤ53に落下させ、一番処理物搬送コンベヤ53によって樋形の搬送ガイド53aに沿わせて脱穀機体横方向に搬送して脱穀機体外に排出する。穀粒のうちの二番物を二番処理物搬送コンベヤ54に落下させ、二番処理物搬送コンベヤ54によって樋形の搬送ガイド54aに沿わせて脱穀機体横外側に排出する。二番処理物搬送コンベヤ54によって脱穀機体40の横外側に排出した二番物は、二番処理物搬送コンベヤ54に接続された揚送装置(図示せず)によって揺動選別装置51の前端側に還元させる。塵埃を、唐箕52によって供給される選別風によって塵埃搬送経路85を通して、かつ塵埃搬送経路85において送塵口49からの塵埃と合流させて排塵口40aに搬送し、排塵口40aから選別風と共に脱穀機体40の外部に排出する。
扱室41から受網70を漏下して落下した処理物を、上部グレンパン55とチャフシーブ56とストローラック57とによって受け止め、上部グレンパン55、チャフシーブ56及びストローラック57によって脱穀機体後方向きに搬送しながら粗選別処理する。単粒化穀粒や枝梗付き穀粒などが混在する状態でチャフシーブ56から漏下した選別処理物を、下部グレンパン58とグレンシーブ59とによって受け止め、下部グレンパン58及びグレンシ−ブ59によって脱穀機体後方向きに搬送しながら精選別処理し、一番物としての単粒化穀粒と、二番物としての枝梗付き穀粒や稈屑などの混在物と、三番物としての稈屑などの塵埃とに選別する。一番物をグレンシーブ59の搬送途中から漏下させて一番処理物搬送コンベヤ53に落下させる。二番物をグレンシーブ59の搬送下流側端59aから二番処理物搬送コンベヤ54に落下させる。
このとき、排塵調整体86は、扱室41の送塵口49と塵埃搬送経路85との間を大きく閉じる状態に至らず、扱室41の送塵口49から排出された塵埃の塵埃搬送経路85への流動を容易にする。
このとき、排塵調整体86は、塵埃搬送経路85のうちの送塵口49の下方に位置する部位に位置していることにより、扱室41の送塵口49から塵埃搬送経路85に排出される塵埃に対する流動抵抗になりにくく、扱室41の送塵口49から排出された塵埃の排塵口40aへの流動を容易にする。
つまり、開口調節板96の揺動操作による吸気口92の開口面積の増減調節を行うことにより、唐箕52によって供給される選別風の強弱調節を行なえるようになっている。
受網本体71は、受網70の前後方向に所定間隔を隔てて固設された常設タイプの横桟73を備え、受網本体71の前端側に隣り合う一対の常設タイプの横桟73,73どうしの間に配置して設けた横桟取り付け部74を備えている。脱着タイプの横桟72は、横桟72の両端部に設けた連結部72aにおいて、バケットボルトとフランジナットとを利用して受網本体71の横桟取り付け部74に脱着される。
図8は、第1別実施形態を有した脱穀装置4を示す縦断側面図である。この図に示すように、第1別実施形態を有した脱穀装置4では、排塵調整体86を、塵埃搬送経路85の送塵口49の下方に位置する部位のうち、受網70の後端から排塵口40aが位置する側にやや離れた部位に設けている。排塵調整体86は、受網70から延出した支持部材88に上下揺動自在に支持されており、選別風の押圧操作と、排塵調整体86の弾性復元力とによって上下揺動して排出規制状態と規制解除状態とに切り換わる。
4B 選別部
40a 排塵口
41 扱室
49 送塵口
51 揺動選別装置
52 唐箕
54 二番処理物搬送コンベヤ
59 グレンシーブ
59a ブレンシーブの搬送下流側端
70 受網
85 塵埃搬送経路
86 排塵調整体
87 支持部材
88 支持部材
91a 回転羽根回転軸芯
92 吸気口
92U 吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置
92D 吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置
Claims (5)
- 刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、前記扱室から受網を介して落下した脱穀処理物を揺動選別装置による揺動選別と唐箕からの選別風とによって選別処理する選別部を備え、前記扱室の後端部に位置する送塵口および前記揺動選別装置からの塵埃を前記唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置であって、
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位で、前記受網の後端部の直下に設け、
前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある脱穀装置。 - 刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、前記扱室から受網を介して落下した脱穀処理物を揺動選別装置による揺動選別と唐箕からの選別風とによって選別処理する選別部を備え、前記扱室の後端部に位置する送塵口および前記揺動選別装置からの塵埃を前記唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置であって、
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位で、前記受網から後方下方に斜めに延出された支持部材の延出端部に支持させて設け、
前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある脱穀装置。 - 前記排塵調整体を、前記受網の扱胴周方向での一端部から他端部にわたって設けてある請求項1又は2記載の脱穀装置。
- 前記唐箕の回転羽根回転軸芯方向視において、前記唐箕の吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置が、回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置よりも高い配置高さに位置するよう構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱穀装置。
- 前記揺動選別装置にグレンシーブを設け、
前記揺動選別装置が搬送上手側のストロークエンドに揺動操作された状態において、前記グレンシーブの搬送下流側端が二番処理物搬送コンベヤの直上方に位置するよう構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱穀装置。
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