JP2009232740A - 脱穀装置 - Google Patents

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Hiroshi Kugimiya
釘宮  啓
Junji Doihara
純二 土居原
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Abstract

【課題】三番排塵口の選別排風の風量調節のみのため、三番排塵口から三番物が飛散捨て脱穀ロスとなる。
【解決手段】走行装置2の前方に刈取部4を上方に脱穀装置3を設け、前記脱穀装置3の脱穀室11の下方に風選室18を設け、該風選室18に揺動選別装置21を設ける。揺動選別棚20の上方の一側には前記脱穀室11に連通し扱胴10と略平行な排塵処理胴31を有する排塵処理装置30を設け、前記揺動選別棚20の終端上方の他側には吸引排塵ファン43の吸引口45を開口させ、前記揺動選別棚20の後部は、前記脱穀装置3の後側壁55に形成した三番排塵口56に臨ませ、三番排塵口56には該三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57を設けたコンバイン。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンバインの脱穀装置に係るものである。
従来、走行装置の前方に刈取部を設け、前記走行装置の上方に脱穀装置を設け、前記脱穀装置は、上部に扱胴を軸装した脱穀室の下方に、唐箕からの送風により風選する風選室を設け、該風選室に往復揺動する揺動選別棚により構成した揺動選別装置を設けて構成し、揺動選別棚の終端上方には横断流吸引ファンを設け、横断流吸引ファンのケーシングの下方に遮蔽体を設けた構成は、公知である(特許文献1)。
特開平9−187159号公報
前記公知例は、単に、三番排塵口からの選別排風の風量を調節するために遮蔽体を設けているので、三番排塵口からの選別排風の風量調節しかできないという課題がある。
本願は、三番排塵口を三番排塵口シャッタにより閉塞する構成を工夫し、三番ロスの低減のみならず、選別処理精度を向上させ、脱穀効率を向上させたものである。
本発明は、走行装置2の前方に刈取部4を設け、前記走行装置2の上方に脱穀装置3を設け、前記脱穀装置3は、上部に扱胴10を軸装した脱穀室11の下方に、唐箕16からの送風により風選する風選室18を設け、該風選室18に往復揺動する揺動選別棚20により構成した揺動選別装置21を設け、前記揺動選別棚20の上方の一側には前記脱穀室11に連通し前記扱胴10と略平行な排塵処理胴31を有する排塵処理装置30を設け、前記揺動選別棚20の終端上方の他側には吸引排塵ファン43の吸引口45を開口させ、前記揺動選別棚20の後部は、前記脱穀装置3の後側壁55に形成した三番排塵口56に臨ませ、三番排塵口56には該三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、刈取部4で刈り取られた穀稈は、脱穀室11で回転する扱胴10により脱穀され、脱穀された被処理物は、風選室18内で往復揺動する揺動選別棚20により選別され、穀粒は、揺動選別棚20から落下して一番コンベアに回収され、揺動選別棚20から落下しない藁屑は、揺動選別棚20の終端より後方に移送されて排出される。
また、脱穀室11に連通する排塵処理装置30で処理された穀粒は、揺動選別棚20上に落下し、揺動選別棚から落下して一番コンベアに回収され、揺動選別棚20から落下しない排塵物は揺動選別棚20の終端から排出される。
しかして、揺動選別棚20の後方の脱穀装置3の後側壁55には三番排塵口56を設け、三番排塵口56には該三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57を設けているから、排塵処理装置30の終端側の処理網から排出される穀粒を揺動選別棚20により回収でき、三番ロスの発生を防止して脱穀効率を向上させる。
この場合、排塵処理装置30と吸引排塵ファン43の吸引口45とは、揺動選別棚20を挟んで対峙して配置しているので、三番排塵口シャッタ57を閉めると、排塵処理装置30から吸引排塵ファン43の吸引口45に至る間の揺動選別棚20で篩い選別され、カギ又などの回収効率を一層向上させる。
本発明は、前記脱穀装置3の後側には一対のカッター刃49を有するカッター装置48を設け、カッター装置48と前記脱穀装置3の後側壁55の間には、後側に至るに従い下方に位置するように後下がりに傾斜させた切藁案内板50を設け、前記三番排塵口シャッタ57は、前記三番排塵口56を開口させた状態で、前記切藁案内板50の下方で沿う構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、三番排塵口シャッタ57は、三番排塵口56を開口させているとき、カッター装置48の前側の切藁案内板50の下方で切藁案内板50に沿うように設けているので、三番排塵口シャッタ57の上面(後面)に切藁案内板50からの切断藁や泥土が溜まるのを防止し、切断藁や泥土の溜まりを防止できる範囲で三番排塵口シャッタ57の開放角度を大きくして、三番排塵口56における詰まり発生を防止する。
請求項1の発明では、三番排塵口シャッタ57により三番排塵口56を閉塞して排塵処理装置30から吸引排塵ファン43へ揺動選別棚20上を被処理物を移動させられるので、三番物の飛散を防止のみならず、三番物の回収効率を向上させ、脱穀精度および脱穀性能を向上させることができる。
請求項2の発明では、上記請求項1記載の発明の効果を奏する上に、三番排塵口56を開口させたときの三番排塵口シャッタ57上への異物の滞留や付着を防止でき、三番排塵口シャッタ57の開閉を良好にできる。
本発明の一実施例をコンバインの例にて図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は左右一対のクローラを有する走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、6は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前方に設けた操縦部、7は排出オーガである。
前記脱穀装置3は、上部に扱胴10を略水平に軸装した脱穀室11を設け、脱穀室11の一側(機体走行方向の例えば左側)には前記刈取部4により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置12の穀稈を挾持搬送する挾扼杆13Aと供給搬送チエン13B(図2)を設けている。14は穀稈供給搬送装置12から引き継いだ脱穀済みの排藁を搬送する排藁搬送装置である。
なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
扱胴10の主として下方側は扱網15により包囲し、扱網15の下方には唐箕16の唐箕ケーシング17を設ける。前記脱穀室11の下方には前記唐箕16の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室18を形成し、風選室18内には唐箕16の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚20により構成した揺動選別装置21を設ける。
揺動選別装置21は、その揺動選別棚20の始端部(前端部)を唐箕ケーシング12の上方に位置させて移送棚部22に形成する。移送棚部22の構成は任意であり、移送方向下手側を低く傾斜させたり、あるいは、移送棚部22の上面に突起や凹凸を設けて、揺動選別装置21の移送方向下手側のグレンシーブ23に向けて扱網15からの落下物を移送できればよい。
前記グレンシーブ23は、扱網15より落下した穀粒と異物とを選別するものであり、所定間隔をおいて揺動方向に複数並設する。グレンシーブ23は、薄い平板形状に形成し、移送方向の下手側(後側)が高くなるように傾斜させて設ける。
しかして、グレンシーブ23の下方から移送方向の下手側(後側)の揺動選別棚20にはチャフシーブ24を複数並設する。チャフシーブ24は任意の構成により前記揺動選別棚20に傾斜角度調節自在に取付ける。チャフシーブ24の下手側にはストローラック25を設ける。
揺動選別棚20の下方所定位置には一番コンベア26を設け、一番コンベア26の後側には二番コンベア27を設ける。28は揺動選別棚20に設けた選別網である。
前記脱穀室11の後方には排塵処理装置30を連通口35により連通させて設ける。排塵処理装置30は、扱胴10の軸心と略平行な排塵処理胴31を軸装する。排塵処理胴31の右側は側板32により包囲し、排塵処理胴31の左側は処理網33により包囲する。34は排塵処理装置30の終端に設けた排塵物排出口(図示省略)に臨む排塵処理胴31に設けた羽根体、36は排塵処理胴31の外周面に設けた排塵処理歯である。
なお、排塵処理装置30の終端は開放してもよいが、本実施例では図示は省略するが閉塞し、排塵物は排塵処理装置30の側方から揺動選別棚20上に排出される。
排塵処理装置30の前側には、二番コンベア27により回収された二番物を処理する二番処理装置40を設ける。二番処理装置40の二番処理胴41の始端部側上方には二番還元装置42の先端を開口させ、二番還元装置42の基部は二番コンベア27の終端に接続している。二番処理胴41は、排塵処理胴31と同心状に配置する。
前記排塵処理装置30の反対側の側部には吸引排塵ファン43を設ける。44は吸引排塵ファン43のケーシング、45はケーシング44の吸引口、46はケーシング44の排風口である。
脱穀装置3の後側にはカッター装置48を設ける。カッター装置48は公知の構成であり、一対のカッター刃49を設けている。カッター装置48の前側には切藁案内板50を設け、切藁案内板50は上部を上側カッター刃49の下部とほぼ同じ高さに位置させる。切藁案内板50は下方に至るに従い後側に位置するように、後下がりに傾斜させ、切藁案内板50の下部は下側カッター刃49の下部より下方に位置させる。
切藁案内板50はカッター装置48により切断した排藁の切断藁屑を後方に落下するように案内するものである。
しかして、揺動選別棚20の後部は、脱穀装置3の後側壁55に形成した三番排塵口56に臨ませ、三番排塵口56には該三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57を設ける。三番排塵口シャッタ57は左右方向の縦板部材により形成し、三番排塵口シャッタ57の上部を前記三番排塵口56の上縁付近の後側壁55に取付具58により回動自在に取付ける。
そのため、排塵処理装置30の終端側の処理網33から排出される穀粒を揺動選別棚20により回収でき、三番ロスの発生を防止して脱穀効率を向上させる。
この場合、排塵処理装置30と吸引排塵ファン43の吸引口45とは、揺動選別棚20を挟んで対峙して配置しているので、三番排塵口シャッタ57を閉めると、排塵処理装置30から吸引排塵ファン43の吸引口45に至る間の揺動選別棚20のストローラック25で篩い選別され、カギ又などの回収効率を一層向上させる。
三番排塵口シャッタ57にはバネ60を設け、バネ60は三番排塵口シャッタ57を三番排塵口56を開口方向に付勢する。また、三番排塵口シャッタ57にはワイヤー等の操作伝達部材61の一端を接続し、操作伝達部材61の他端は操縦部6等の任意の箇所に設けた操作レバー(図示省略)に接続する。
三番排塵口シャッタ57は機体旋回時等に適宜三番排塵口56を閉塞し、閉塞時期は任意である。また、操作伝達部材61はモーター62に接続し、モーター62を適宜自動的に作動させて三番排塵口シャッタ57を開閉させてもよい。
前記三番排塵口シャッタ57は、三番排塵口56を開口させているとき、前記切藁案内板50の下方で沿うように構成する。
即ち、三番排塵口56を開口させているとき、側面視三番排塵口シャッタ57の傾斜と前記切藁案内板50の傾斜を略同じにする。
そのため、三番排塵口シャッタ57の上面(後面)に切藁案内板50からの切断藁や泥土が溜まるのを防止し、切断藁や泥土の溜まりを防止できる範囲で三番排塵口シャッタ57の開放角度を大きくして、詰まり発生を防止する。
しかして、唐箕ケーシング17の送風口65には風割り体66を設ける。送風口65は唐箕ケーシング17の送風口65の上板部67と下板部68の間に設け、上板部67と下板部68の上下中間に風割り体66を配置する。
風割り体66は、上面69に対して上面69より下方に頂点70を有する三角形状に形成する。
即ち、上面69は唐箕ケーシング17の上板部67と略同傾斜の平坦面により形成し、風割り体66の下面は側面視下側前部傾斜面71と下側後部傾斜面72を有して形成する。
そのため、送風口65からの送風が送風口65から流れるとき、風割り体66の上面69の上方ではそのまま送風が揺動選別棚20の選別網28に向けて流れ、風割り体66の下方では下側後部傾斜面72により唐箕16からの送風が選別網28を下から上に向けて吹き上がるように流れる(図2)。
したがって、唐箕16からの送風が選別網28を抜けやすくなって、揺動選別棚20の風選別の能力を向上させ、揺動選別棚20の処理能率および選別性能を向上させる。
この場合、前記唐箕ケーシング17の上板部67と風割り体66の上面69との間の上側風路74の延長線上に前記選別網28の前端および後端が位置するように構成する(図2)。
即ち、上側風路74からの送風が選別網28の前端および後端の全範囲で吹き抜けるように構成する。
したがって、唐箕16からの送風が選別網28を抜けやすくなって、揺動選別棚20の風選別の能力を向上させ、揺動選別棚20の処理能率および選別性能を向上させ、三番ロスの低減が図れる。
しかして、揺動選別棚20のストローラック25は、左右に複数並設する共に、左右のストローラック25の高さを相違させて、吸引排塵ファン43側のストローラック25Aを高くし、かつ、ストローラック25の始端位置を他のストローラック25の始端部より前側に位置させる。
そのため、吸引排塵ファン43の吸引口45から粗大な藁屑の吸引排出を良好にし、ストローラック25による後方送り作用の低下を抑制する。
即ち、吸引排塵ファン43の吸引口45付近では、粗大な藁屑を吸引口45に向けて吸引するように吸引風が作用してストローラック25の後方への送り作用に対してマイナスに作用するため、単に、ストローラック25を設けたのでは、吸引排塵ファン43の吸引とストローラック25の送りの双方に悪影響を与えることになるが、本願では左右のストローラック25のうち吸引排塵ファン43側のストローラック25Aの高さを高くしているので、高くしたストローラック25Aにより粗大な藁屑は低いストローラック25のときよりも吸引口45に接近して、吸引排塵ファン43の吸引口45から粗大な藁屑の吸引排出を良好にする。これにより、吸引口45付近のストローラック25Aによる後方への送塵作用の低下を抑制できる。
また、高さの高いストローラック25Aの始端位置を他のストローラック25の始端部より前側に位置させているので(図8)、吸引排塵ファン43の吸引口45の前方付近の粗大な藁屑の吸引排出作用を向上させ、吸引排塵ファン43の吸塵作用可能範囲を前後に広げ、ストローラック25による後方への送塵作用を向上させる。
また、高さを高くした吸引排塵ファン43側のストローラック25Aの左右の間隔(ピッチ)は、高さを低くした排塵処理装置30側のストローラック25の左右の間隔(ピッチ)よりも広く形成する。
高さを高くしたストローラック25Aのある吸引排塵ファン43側は吸引排塵ファン43の吸引口45により吸気風速が速く、ストローラック25Aの左右の間隔(ピッチ)を広げることにより、穀粒の回収効率を向上させて、三番ロスを低減させられる。
即ち、吸引排塵ファン43の吸引口45からの粗大な藁屑の吸引排出が良好になるため、ストローラック25Aの左右の間隔(ピッチ)を広げることにより、穀粒の回収効率を向上させられる。
しかして、揺動選別棚20の後方の脱穀装置3の後側壁55の三番排塵口56には、三番排塵口シャッタ57または三番排塵口56を塞ぐようにシール部材80を設け、三番排塵口シャッタ57またはシール部材80のうち前記高さを高くしたストローラック25の後方部分は切り欠いて切欠部81を設ける。
そのため、吸引排塵ファン43の吸引口45から吸引排出できない粗大な藁屑を切欠部81から速やかに機外に排出する。
また、切欠部81以外の三番排塵口シャッタ57またはシール部材80は単粒の機外飛散を抑制して三番ロスを低減させる。
前記シール部材80は弾性部材により形成し、シール部材切欠部81の下端は三番排塵口56より下方に位置させてカッター装置48から落下する切断藁屑が揺動選別棚20のストローラック25上に戻るのを防止しつつストローラック25上の排塵物は排出できるように構成する。
82は排塵処理装置30の終端の排塵排出口、83はガイドである。
(実施例の作用)
走行装置2により機体を走行させ、刈取部4により穀稈を刈取り、刈り取った穀稈は穀稈供給搬送装置12により脱穀装置3の脱穀室11に供給する。
脱穀室11に供給された穀稈は回転する扱胴10により脱穀され、脱穀された穀粒は扱網15から落下して揺動選別装置21により選別される。
揺動選別装置21では、往復揺動する揺動選別棚20と唐箕16の送風により穀粒と異物とを風選し、穀粒はグレンシーブ23とチャフシーブ24の隙間から回収され、藁屑等は下手側のストローラック25迄移送され、ストローラック25により三番排塵口56から機外に排出される。
脱穀室11で脱穀された被処理物の内扱網15から漏下しない被処理物は脱穀室11の後部の連通口から排塵処理装置30に入り、回転する排塵処理胴31により処理され処理網33から揺動選別棚20に排出され、揺動選別棚20により選別されて穀粒は回収され、藁屑は機外に排出されする。
しかして、揺動選別棚20の後方の脱穀装置3の後側壁55には三番排塵口56を設け、三番排塵口56には該三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57を設けているから、排塵処理装置30の終端側の処理網33から排出される穀粒を揺動選別棚20により回収でき、三番ロスの発生を防止して脱穀効率を向上させる。
この場合、排塵処理装置30と吸引排塵ファン43の吸引口45とは、揺動選別棚20を挟んで対峙して配置しているので、三番排塵口シャッタ57を閉めると、排塵処理装置30から吸引排塵ファン43の吸引口45に至る間の揺動選別棚20のストローラック25で篩い選別され、カギ又などの回収効率を一層向上させる。
三番排塵口シャッタ57は、三番排塵口56を開口させているとき、カッター装置48の前側の切藁案内板50の下方で切藁案内板50に沿うように設けているので、三番排塵口シャッタ57の上面(後面)に切藁案内板50からの切断藁や泥土が溜まるのを防止し、切断藁や泥土の溜まりを防止できる範囲で三番排塵口シャッタ57の開放角度を大きくして、三番排塵口56における詰まり発生を防止する。
しかして、揺動選別棚20のストローラック25は、左右に複数並設する共に、左右のストローラック25の高さを相違させて、吸引排塵ファン43側のストローラック25を高くし、かつ、ストローラック25の始端位置を他のストローラック25の始端部より前側に位置させているので、吸引排塵ファン43の吸引口45から比較的粗大な藁屑でも吸引排出でき、吸引口45付近のストローラック25による後方送り作用の低下を抑制する。
即ち、吸引排塵ファン43の吸引口45付近では、粗大な藁屑を吸引口45に向けて吸引するように吸引風が作用して吸引できない藁屑を吸引口45付近に留めようとする傾向が生じ、ストローラック25の後方への送り作用を阻害させることがあるが、本願では左右のストローラック25のうち吸引排塵ファン43側のストローラック25の高さを高くしているので、高くしたストローラック25により粗大な藁屑は低く設けたときのストローラック25に比しストローラック25上の藁屑を吸引口45に接近させることができ、吸引排塵ファン43の吸引口45から比較的粗大な藁屑であっても吸引排出でき、これにより、吸引口45付近のストローラック25による後方への送塵作用の低下を抑制できる。
また、高さの高いストローラック25の始端位置を他のストローラック25の始端部より前側に位置させているので、吸引排塵ファン43の吸引口45の前方付近の粗大な藁屑の吸引排出作用を向上させ、吸引排塵ファン43の吸塵作用可能範囲を前後に広げ、ストローラック25による後方への送塵作用を向上させる。
また、高さを高くした吸引排塵ファン43側のストローラック25の左右の間隔(ピッチ)は、高さを低くした排塵処理装置30側のストローラック25の左右の間隔(ピッチ)よりも広く形成しているので、高さを高くしたストローラック25のある吸引排塵ファン43側は吸引排塵ファン43の吸引口45により吸気風速が速く、ストローラック25の左右の間隔(ピッチ)を広げることにより、穀粒の回収効率を向上させて、三番ロスを低減させられる。
しかして、揺動選別棚20の後方の脱穀装置3の後側壁55の三番排塵口56には、三番排塵口シャッタ57または三番排塵口56を塞ぐようにシール部材シール部材80を設け、三番排塵口シャッタ57またはシール部材80のうち前記高さを高くしたストローラック25の後方部分は切り欠いて切欠部切欠部81を設けているので、吸引排塵ファン43の吸引口45から吸引排出できない粗大な藁屑を切欠部81から速やかに機外に排出する。
また、切欠部81以外の三番排塵口シャッタ57またはシール部材80は単粒の機外飛散を抑制して三番ロスを低減させる。
しかして、唐箕ケーシング17の送風口送風口65には風割り体風割り体66を設け、送風口65は唐箕ケーシング17の上板部上板部67と下板部下板部68の間に設け、上板部67と下板部68の上下略中間に風割り体66を配置し、風割り体66は、上面上面69に対して上面69より下方に頂点頂点70を有する三角形状に形成しているので、風割り体66の下面側を通る送風は、下から上に向かって吹き上がるように流れ、唐箕16からの送風が選別網28を抜けやすくなって、揺動選別棚20の風選別の能力を向上させ、揺動選別棚20の処理能率および選別性能を向上させる。
この場合、唐箕ケーシング17の上板部67と風割り体66の上面69との間の上側風路上側風路74の延長線上に揺動選別棚20の選別網28の前端および後端が位置するように構成しているので、上側風路74からの送風が選別網28の前端および後端の全範囲で吹き抜ける。
したがって、唐箕16からの送風が選別網28を抜けやすくなって、揺動選別棚20の風選別の能力を向上させ、揺動選別棚20の処理能率および選別性能を向上させ、三番ロスの低減が図れる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
コンバインの側面図。 脱穀装置の縦断側面図。 同平面図。 同背面図。 三番排塵口シャッタ付近の側面図。 三番排塵口シャッタを開閉させる一例の開閉用モータの側面図。 脱穀装置の一部拡大縦断側面図。 揺動選別装置の他の実施例の側面図。 同脱穀装置の側面図。 同背面図。 同平面図。 同背面図。
符号の説明
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、10…扱胴、11…脱穀室、12…穀稈供給搬送装置、13A…挾扼杆、13B…供給搬送チエン、14…排藁搬送装置、15…扱網、16…唐箕、17…唐箕ケーシング、18…風選室、20…揺動選別棚、21…揺動選別装置、22…移送棚部、23…グレンシーブ、24…チャフシーブ、25…ストローラック、26…一番コンベア、27…二番コンベア、30…排塵処理装置、31…処理胴、40…二番処理装置、43…吸引排塵ファン、44…ケーシング、45…吸引口、48…カッター装置、49…カッター刃、50…切藁案内板、55…後側壁、56…三番排塵口、57…三番排塵口シャッタ、58…取付具、60…バネ、61…操作伝達部材、62…モーター、65…送風口、66…風割り体、67…上板部、68…下板部、69…上面、70…頂点、71…下側前部傾斜面、72…下側後部傾斜面、74…上側風路、80…シール部材、81…切欠部81。

Claims (2)

  1. 走行装置(2)の前方に刈取部(4)を設け、前記走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)は、上部に扱胴(10)を軸装した脱穀室(11)の下方に、唐箕(16)からの送風により風選する風選室(18)を設け、該風選室(18)に往復揺動する揺動選別棚(20)により構成した揺動選別装置(21)を設け、前記揺動選別棚(20)の上方の一側には前記脱穀室(11)に連通し前記扱胴(10)と略平行な排塵処理胴(31)を有する排塵処理装置(30)を設け、前記揺動選別棚(20)の終端上方の他側には吸引排塵ファン(43)の吸引口(45)を開口させ、前記揺動選別棚(20)の後部は、前記脱穀装置(3)の後側壁(55)に形成した三番排塵口(56)に臨ませ、三番排塵口(56)には該三番排塵口(56)を開閉する三番排塵口シャッタ(57)を設けたことを特徴とするコンバイン。
  2. 請求項1において、前記脱穀装置(3)の後側には一対のカッター刃(49)を有するカッター装置(48)を設け、カッター装置(48)と前記脱穀装置(3)の後側壁(55)の間には、後側に至るに従い下方に位置するように後下がりに傾斜させた切藁案内板(50)を設け、前記三番排塵口シャッタ(57)は、前記三番排塵口(56)を開口させた状態で、前記切藁案内板(50)の下方で沿う構成としたことを特徴とするコンバイン。
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