JP2018115267A - 発泡性エアゾール製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】手のひら等の対象物に吐出した発泡物を付着させることができ、かつ、対象物上で発泡物が所定形状となるよう成形することのできる発泡性エアゾール製品を提供する。【解決手段】吐出した発泡物を対象物に付着させて使用され、界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物が充填されたエアゾール容器と、エアゾール組成物を対象物に吐出するための吐出孔が形成された吐出部材とを備え、吐出部材は、エアゾール組成物を発泡させるための発泡室が内部に形成され、かつ、発泡室において発泡した発泡物が通過するための管路であって、発泡室と吐出孔とを連通する成形通路が形成されており、成形通路の水平断面は、長孔状であり、発泡物の25℃における硬度は、300〜3000(mN)である、発泡性エアゾール製品。【選択図】図2

Description

本発明は、発泡性エアゾール製品に関する。より詳細には、本発明は、手のひら等の対象物に、吐出した発泡物を付着させて使用され、発泡物が対象物上で所定形状となるよう成形することのできる発泡性エアゾール製品に関する。
特許文献1には、バラの花の形をしたフォームを形成する吐出容器用の造形ヘッドが開示されている。この造形ヘッドは、吐出容器から吐出された吐出物が通過する複数の成形孔と成形孔が開口する造形面とを有し、成形孔を通過して成形された吐出物による造形片を造形面上で組み合わせて造形物を形成している。
特開2016−26962号公報
しかしながら、特許文献1に記載の造形ヘッドによれば、バラの花の形をしたフォーム(造形物)は造形面上で形成される。このような造形物は、手ですくい取ると形状が崩れやすい。そのため、特許文献1に記載の造形ヘッドでは、対象物上に、所定形状に成形された造形物(吐出物)を移行させることができない。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、手のひら等の対象物に吐出した発泡物を付着させることができ、かつ、対象物上で発泡物が所定形状となるよう成形することのできる発泡性エアゾール製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)吐出した発泡物を対象物に付着させて使用される発泡性エアゾール製品であり、界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物が充填されたエアゾール容器と、前記エアゾール容器に取り付けられ、前記エアゾール組成物を前記対象物に吐出するための吐出孔が形成された吐出部材とを備え、前記吐出部材は、前記エアゾール容器から供給される前記エアゾール組成物を発泡させるための発泡室が内部に形成され、かつ、前記発泡室において発泡した発泡物が通過するための管路であって、前記発泡室と前記吐出孔とを連通する成形通路が形成されており、前記成形通路の水平断面は、長孔状であり、前記発泡物の25℃における硬度は、300〜3000(mN)である、発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、吐出操作によって、エアゾール容器から供給されたエアゾール組成物は、発泡室において発泡する。その後、発泡物は、成形通路を通過し、吐出孔から吐出される。この際、発泡物は、所定の硬度を有するため、成形通路を通過する際に、水平断面が長孔状である成形通路の形状に沿って成形され、その形状が連続した状態で吐出孔から押し出される。吐出された発泡物は、成形された形状のまま維持されやすく、かつ、吐出部材から対象物へ移行されやすい。移行された発泡物は、吐出孔から離れることにより対象物上において所定の形状となり、通常の吐出物(たとえば略球形のフォーム)とは異なり、意匠性の優れた外観となる。
(2)前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含む、(1)記載の発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、発泡物は、300〜3000(mN)の硬度に調整されやすく、成形通路を通過する最中に、成形通路の形状に沿った形状に、より成形されやすい。
(3)前記原液は、水溶性高分子を含む、(1)または(2)記載の発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、発泡物は、300〜3000(mN)の硬度に調整されやすく、成形通路を通過する最中に、成形通路の形状に沿った形状に、より成形されやすい。
(4)圧縮ガスをさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、発泡物は、勢いよく成形通路に導入され、成形通路の形状に沿った形状に、より成形されやすい。発泡物は、特に低温時においても所望の形状に成形され得る。
(5)前記成形通路の水平断面は、略C字状である、(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、吐出孔から吐出される発泡物は、所定形状に湾曲した美観の優れた形状となる。また、発泡物は、対象物上に付着しやすくなる。
(6)前記成形通路は、前記エアゾール容器の中心軸を囲むように略同心円状に形成された、複数の成形小通路からなる、(1)〜(5)のいずれかに記載の発泡性エアゾール製品。
このような構成によれば、それぞれの成形小通路によって成形された発泡物は、それぞれの成形小通路の吐出孔から、同心円状に吐出される。この場合、吐出された発泡物は、それぞれが適度に重なり合い、たとえば花びら状の優れた美観を呈する。また、発泡物は、対象物上に付着しやすくなる。
本発明によれば、手のひら等の対象物に吐出した発泡物を付着させることができ、かつ、対象物上で発泡物が所定形状となるよう成形することのできる発泡性エアゾール製品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態のエアゾール製品の斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態のエアゾール製品のうち、吐出部材の断面形状を表した斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態のエアゾール製品のうち、吐出部材の断面形状を表した側面図である。 図4は、本発明の一実施形態のエアゾール製品の平面図である。 図5は、本発明の一実施形態のエアゾール製品の吐出された発泡物の外観写真である。 図6は、本発明の一実施形態のエアゾール製品のうち、吐出部材の断面形状を表した斜視図である。 図7は、本発明の一実施形態のエアゾール製品のうち、吐出部材の断面形状を表した側面図である。
[第1の実施形態]
<発泡性エアゾール製品>
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール製品(以下、単にエアゾール製品ともいう)について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のエアゾール製品1の斜視図である。図2は、本実施形態のエアゾール製品1のうち、吐出部材3の断面形状を表した斜視図である。図3は、本実施形態のエアゾール製品1のうち、吐出部材3の断面形状を表した側面図である。図1〜図3に示されるエアゾール製品1は、いずれも噴射動作が行われていない状態(非噴射状態)である。本実施形態のエアゾール製品1は、吐出した発泡物を、対象物に付着させて使用することを意図した製品である。本実施形態のエアゾール組成物が吐出される対象物は特に限定されない。一例を挙げると、対象物は、手のひらや、手にひらにのせたハンカチ、タオル、スポンジや、床、テーブル、ガラス、便器、浴槽等である。
エアゾール製品1は、エアゾール容器2と、エアゾール容器2に取り付けられ、エアゾール組成物を対象物に吐出するための吐出孔43hが形成された吐出部材3とを主に備える。エアゾール容器2は、界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物が充填される容器本体21と、容器本体21に取り付けられるバルブ機構22とを主に備える。以下、それぞれについて説明する。
(エアゾール容器2)
エアゾール容器2は、容器本体21と、容器本体21に取り付けられるバルブ機構22とを主に備える。なお、容器本体21の構成は特に限定されない。そのため、以下の説明は例示であり、容器本体21の構成は適宜設計変更され得る。
・容器本体21
容器本体21は、エアゾール組成物を充填するための耐圧容器であり、有底筒状の本体部と、本体部の上部から縮径する肩部とを含む。肩部の上部にはビード部が形成されている。ビード部は、原液を充填する際の充填口であり、原液の充填後にバルブ機構22により閉止される。
容器本体21を構成する材料は、特に限定されない。容器本体21を構成する材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の合成樹脂、ガラス、アルミニウムやブリキなどの金属が例示される。合成樹脂を用いる場合は、たとえば、日光による内容物の劣化を防止するために紫外線吸収剤が含有されてもよく、圧縮ガスの透過を防止するために容器本体21の外表面または内面に炭素やシリカなどが蒸着されてもよい。
・バルブ機構22
バルブ機構22は、容器本体21のビード部に取り付けられるマウンティングカップと、マウンティングカップの中央内部に支持される弁機構を有する。弁機構は、開口部の外周部分がマウンティングカップの中央内部に支持される有底筒状のハウジングを有する。ハウジング内部には、容器本体21の内外を連通するステム孔を有するステム23と、ステム孔の周囲に取り付けられるステムラバー、およびステム23とステムラバーとを上方へ付勢するスプリングとが設けられている。ステム23とステムラバーとは、常時はスプリングにより上方へ付勢されており、ステムラバーによってステム孔がシールされている。ステム23の上端には、吐出部材3が嵌合される。
(吐出部材3)
吐出部材3は、容器本体21から供給されたエアゾール組成物を吐出するための部材である。吐出部材3は、ステム23に取り付けられるスパウト部4と、スパウト部4の基端部41とステム23とを覆うカバー部5とを含む。
・スパウト部4
スパウト部4は、ステム23に取り付けられる略円柱状の基端部41と、基端部41の上端に形成された、逆円錐台状の発泡部42と、発泡部42の上部に形成されたノズル部43とからなる。本実施形態において、発泡部42とノズル部43とは、嵌合や溶着等により一体化されている。
基端部41は、ステム23に取り付けられる部位であり、後述する発泡部42の内部に形成された発泡室Sと、ステム23の上端部分とを連通する連通路41pとが形成されている。連通路41pの下端の内径は、ステム23の上端の外径と同程度である。そのため、基端部41は、ステム23の上端に嵌め込まれることにより取り付けられている。
基端部41の下端には、後述する操作部52が係合するフランジ部41fが形成されている。フランジ部41fは、操作部52が押し下げられることにより協働し、ステム23を下方へ押し下げるための部位である。ステム23が下方に押し下げられることにより、エアゾール容器2内と外部とが連通し、エアゾール組成物がエアゾール容器2からバルブ機構22を介して吐出部材3に取り込まれる。
発泡部42は、基端部41の上端に形成された部位であり、内部に発泡室Sが形成されている。発泡室Sは、エアゾール容器2から供給されるエアゾール組成物を発泡させるための、逆円錐台状の空間である。発泡室Sの下端側は、上記基端部41の連通路41pの上端と連通している。一方、発泡室Sの上端には、後述するノズル部43の内部に形成された複数の成形通路43pの下端が接続され、開口(導入孔43i)が形成されている。
発泡室Sは、成形通路43pを介して外部と連通されている。そのため、操作部52が操作されることによりエアゾール容器2から加圧されたエアゾール組成物が吐出部材3に取り込まれると、エアゾール組成物は、発泡室Sにおいて、エアゾール容器2内と外部(大気圧)との圧力差に基づいて液化ガスが気化し、発泡物を形成する。発泡室Sの寸法は、エアゾール組成物が充分に発泡できる容積であればよく、特に限定されない。本実施形態において、発泡室Sの好ましい寸法は、発泡室Sの容積と、発泡室Sの最大断面積(発泡室Sの上端における水平断面積)とにより定義し得る。すなわち、発泡室の容積V(cm3)と、最大断面積S1(cm2)とを比較する場合において、容積V1/最大断面積S1の値(寸法比率)が、0.1〜1.0であることが好ましい。たとえば、最大断面積S1が約7cm2(直径3cmの円形断面を想定)である場合、容積Vは、0.7〜7cm3であることが好ましい。このような寸法比率である場合、発泡室Sは、エアゾール容器2から取り込まれたエアゾール組成物を充分に発泡させることができ、その後、成形通路43pに送ることができる。なお、上記寸法比率が0.1未満である場合、発泡室Sに導入されたエアゾール組成物は、たとえば充分に発泡されないまま成形通路43pに送られ、成形通路43pや吐出孔43hにおいて発泡が持続する傾向がある。この場合、吐出後に発泡物の形状が崩れやすい傾向がある。また、上記寸法比率を超える場合、吐出操作を止めた後で発泡室S内にエアゾール組成物が残りやすく、対象物に発泡物を付着させた後であっても、吐出孔43hから吐出され、吐出孔43hの周囲に付着しやすい傾向がある。
発泡室Sの形状は特に限定されない。一例を挙げると、発泡室Sの形状は、略逆円錐台状であってもよく、カップ状であってもよい。図2および図3には、略逆円錐台状の発泡室Sが例示されている。本実施形態の発泡室Sは、発泡室Sに取り込まれたエアゾール組成物が適切に発泡し、均一にそれぞれの成形通路43pに送られやすい点から、略逆円錐台状であることが好ましい。より具体的には、発泡室Sの形状が略逆円錐台状である場合、発泡室Sに取り込まれたエアゾール組成物は、発泡室Sの内周壁のテーパ面に沿って上方へ広がりながら発泡し、成形通路43pの下端に到達する。この際、発泡室Sの内周壁は、ほぼ一定の拡径率で拡径するテーパ面が形成されている。そのため、発泡するエアゾール組成物は、テーパ面に沿って広がり、均一にそれぞれの成形通路43pの下端に到達しやすい。その結果、それぞれの成形通路43pで成形されるエアゾールの硬さがほぼ均一となりやすく、安定した形状の発泡物が形成されやすい。また、発泡室Sの形状がカップ状である場合は、発泡室S内で充分に発泡してから成形通路43pに供給されるため、成形された形状が崩れにくい。
ノズル部43は、発泡部42の上部に形成された部位であり、発泡物を所定の形状に成形し、対象物上に吐出するための部位である。ノズル部43の上端には、発泡物を吐出するための吐出孔43hが形成されている。また、ノズル部43は、発泡室Sと吐出孔43hとを連通する成形通路43pが形成されている。
成形通路43pは、発泡室Sにおいて発泡した発泡物が通過するための管路である。発泡物は、成形通路43pを通過する間に成形通路43pの形状に沿って成形され、後述する吐出孔43hから対象物に吐出される。このとき発泡物は所定の硬さを有するため、成形通路43pで水平断面形状が長孔状に成形され、先端の吐出孔43hから押し出されて薄板状となって対象物上に付着する。なお、成形通路43pの水平断面形状は、好適には、短手方向の最小長さが0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。また、短手方向の最大長さは、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。また、長手方向の最小長さは、2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。また、長手方向の最大長さは、30mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましい。短手方向の最小長さが0.1mm未満である場合、成形される発泡物の強度が小さく、成形された形状を維持しにくい傾向がある。また、発泡物は、対象物上に付着しにくく、所定の形状になりにくい傾向がある。一方、短手方向の最大長さが3mmを超える場合、発泡物は、薄板状となりにくく意匠性の優れた発泡物が形成されにくい傾向がある。また、長手方向の最小長さが2mm未満である場合、成形される発泡物の強度が小さく、成形された形状を維持しにくい傾向がある。また、発泡物は、対象物上に付着しにくく、所定の形状になりにくい傾向がある。一方、長手方向の最大長さが30mmを超える場合、意匠性の優れた発泡物が形成されにくい傾向がある。
成形通路43pの水平断面形状は、長孔状であればよく、適宜湾曲した長孔であってもよい。成形通路43pの水平断面が、湾曲した長孔(略C字状)である場合、吐出孔43hから、湾曲した形状の発泡物が吐出される。このような発泡物は、所定形状に湾曲しており、花びらのような優れた美観を呈する。また、発泡物は、対象物上に付着しやすくなる。さらに、たとえばこのような湾曲した扁平な複数の発泡物が折り重なるように吐出される場合、得られた発泡物は、バラやツバキといった花に似た形状を呈する。
成形通路43pの吐出方向の長さは特に限定されない。一例を挙げると、成形通路43pは、発泡室Sの上端と連通した一端(導入孔43i)から、吐出孔43hの形成された他端までの長さが2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。成形通路43pの長さが2mm未満である場合、成形通路の形状に沿った発泡物が得られにくくなる傾向がある。また、成形通路43pの長さは、30mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましい。成形通路43pの長さが30mmを超える場合、発泡物は、吐出操作を止めてからも吐出孔43hからしばらく出続けやすく、ノズル部43から離れにくくなる傾向がある。
成形通路43pの吐出方向の形状は特に限定されない。一例を挙げると、成形通路43pは、直線状であってもよく、湾曲してもよい。成形通路43pの幅は、発泡室S側の導入孔43iから先端の吐出孔43hにかけて同一でもよく、吐出孔43hに向かってテーパ状に広くなっていてもよい。本実施形態では、成形通路43pの形状が直線状であり、幅が導入孔43iから吐出孔43hにかけてテーパ状に広くなっている成形通路43pが例示されている。成形通路43pの形状が直線状である場合、発泡物は対象物に勢いよく吐出されてノズル部43から離れやすい。また、成形通路43pの形状は吐出孔に向かってテーパ状に広くなっている場合は、発泡物が成形通路43pから吐出されやすく、ノズル部43から離れやすい。なお、成形通路43pの形状は吐出孔に向かってテーパ状に狭くなっていてもよく、この場合、成形された発泡物の硬度が高くなりやすく、吐出した対象物上でその形状が維持されやすい。
成形通路43pの数は特に限定されない。成形通路43pは、1つであってもよく、複数であってもよい。図4は、本実施形態のエアゾール製品1の平面図である。図4に示されるように、本実施形態のノズル部43は、種々の寸法の吐出孔43hが形成された計15個の小ノズル(第1小ノズル43a、第2小ノズル43bおよび第3小ノズル43c)からなり、それぞれの小ノズルには、それぞれの成形通路(成形小通路43q)が形成されている。
成形小通路43qの配置は特に限定されない。一例を挙げると、成形小通路43qは、それぞれ規則的に配置されていてもよく、不規則的に配置されていてもよい。本実施形態のノズル部43は、計15個の成形小通路43qが、ノズル部43の中心(エアゾール容器2の中心軸)を囲むように、3個の第1小ノズル43aが略同心円C1上に配置され、それらを囲むように、5個の第2小ノズル43bが略同心円C2上に配置され、さらにそれらを囲むように、7個の第3小ノズル43cが略同心円C3上に配置されている。このように、複数の小ノズルおよび成形小通路43qがエアゾール容器2の中心軸を囲むように略同心円状に形成されている場合、扁平な複数の発泡物が、これら成形小通路43qの先端の吐出孔43hから、折り重なるように吐出される。その結果、得られた発泡物は、バラやツバキといった花に似た形状を呈する。
ノズル部43の説明に戻り、図2または図3に示されるように、ノズル部43の上端は、吐出孔43hが形成されている。本実施形態において、吐出孔43hの開口方向は特に限定されない。吐出孔43hは、エアゾール容器2の軸方向に対して水平方向に開口していてもよく、所定の角度だけ傾斜した方向に開口していてもよい。本実施形態のノズル部43は、図2に示されるように、略同心円状に設けられたそれぞれの小ノズルが、エアゾール容器2の中心軸に向かって下降する傾斜面を形成するよう開口している。このように、吐出孔43hの開口方向が傾斜している場合、吐出された発泡物は、対象物に付着した後、ノズル部43から離されやすい。対象物に付着した発泡物は、上下が反転し、ノズル部43と切り離された方向が、上面となる。本実施形態のエアゾール製品1によれば、発泡物は、成形通路43pを通過する間に硬さが調整されており、かつ、ノズル部43から離されやすいため、対象物上でも成形された形状が維持されやすい。傾斜面の角度は特に限定されない。一例を挙げると、傾斜面の角度は、中心軸に対して45〜80°である。
また、それぞれの小ノズルの長さは特に限定されない。それぞれの小ノズルの長さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。それぞれの小ノズルの長さが同じである場合、それぞれの小ノズルの水平位置は同程度となり得る。本実施形態のノズル部43は、図2に示されるように、第3小ノズル43cの長さが第2小ノズル43bの長さよりも長くなるよう形成され、第2小ノズル43bの長さが第1小ノズル43aの長さよりも長くなるよう形成されている。その結果、ノズル部43全体では、ノズル部43は、容器本体21の軸方向の中心において最も落ち窪んだ逆テーパ状(すり鉢状)となっている。このように、ノズル部43全体が逆テーパ状となっている場合、吐出された発泡物は、対象物に付着した後、ノズル部43からより離されやすい。対象物に付着した発泡物は、上下が反転し、ノズル部43と切り離された方向が、上面となる。本実施形態のエアゾール製品1によれば、発泡物は、成形通路43pを通過する間に硬さが調整されており、かつ、ノズル部43から離されやすいため、対象物上でも成形された形状が維持されやすく、バラやツバキといった花に似た形状の発泡物が、対象物上でも得られる。さらに、それぞれの小ノズルの長さは、外周側が内周側よりも長い。これにより、小ノズルの先端は、中心軸方向に向かって下方に傾斜した傾斜面が形成されている。このようなノズル部43の先端形状によれば、吐出された発泡物は、対象物に付着した後、ノズル部43からより離されやすい。
図5は、本実施形態のエアゾール製品1の対象物O(手のひら)に吐出された発泡物Fの外観写真である。図5に示されるように、発泡物Fは、対象物O上において、バラの花に似た形状を呈している。領域R1は、第1小ノズル43aから吐出された発泡物により形成された領域であり、領域R2は、第2小ノズル43bから吐出された発泡物により形成された領域であり、領域R3は、第3小ノズル43cから吐出された発泡物により形成された領域である。本実施形態のエアゾール製品1によれば、発泡物Fは、対象物Oに向けて吐出し、対象物Oに付着することにより使用者が目視できる面が上下に反転する。しかしながら、発泡物は、ノズル部43がエアゾール容器の中心軸に向かって下降する傾斜面を形成するように開口しているため、ノズル部43から離されやすい。そのため、発泡物は、対象物O上においても、それぞれの小ノズルの配置に基づいて成形された形状が維持される。その結果、本実施形態のエアゾール製品1によれば、このような美観の優れた形状の発泡物Fが、対象物O上に作製され得る。
・カバー部5
カバー部5は、スパウト部4の基端部41とステム23とを覆う部位であり、容器本体21に取り付けられている。カバー部5は、カバー本体51と、カバー本体51の内側に取り付けられた操作部52とからなる。
カバー本体51は、円盤状の天面部53と、天面部53の外周縁から下方に延設された側面部54とからなる。天面部53は、一部が切り欠かれており、後述する操作部52が露出している。側面部54は、容器本体21にカバー部5を取り付けるための部位である。側面部54の内周面には、容器本体21のマウンティングカップと係合するための係合片(図示せず)が設けられている。側面部54の内周面のうち、天面部53との接続位置近傍には、操作部52の一端が挿入される挿入穴54hが設けられている。
操作部52は、扁平な板状の部材であり、カバー本体51の挿入穴54hに挿入される一端と、使用者によって押し下げられる他端とを有する。他端は、天面部53の切欠きから露出している。操作部52は、カバー本体51が容器本体21に取り付けられた状態において、天面部53の下面と、フランジ部41fの上面との間に配置される。他端が使用者によって押し下げられることにより、操作部52は、フランジ部41fと当接し、その後、さらに押し下げられることにより、吐出部材3を押し下げて、バルブ機構22を作動させる。これにより、エアゾール容器2内のエアゾール組成物は、吐出部材3の発泡室Sに取り込まれる。
(エアゾール組成物)
次に、エアゾール容器2に充填されるエアゾール組成物について説明する。エアゾール組成物は、界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなる。
・原液
原液は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、エアゾール容器2内において原液中に液化ガスを乳化または分散させるとともに、エアゾール組成物が後述する発泡室Sに取り込まれる際に液化ガスの気化により発泡し、発泡物を形成するために配合される。原液は、界面活性剤のほか、適宜有効成分等を含んでもよい。
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等である。本実施形態の界面活性剤は、発泡物が所定の硬度に調整されやすく、成形通路43pを通過する最中に成形通路43pの形状に沿って成形されやすい点から、アニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤の含有量は特に限定されない。界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類にも依る。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、35質量%であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、発泡が不充分になり、成形通路43pに沿った形状に成形されにくい傾向がある。一方、界面活性剤の含有量が40質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。
アニオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、アニオン性界面活性剤は、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムなとのサルコシン塩;POEラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;POEラウリルエ一テル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;POEラウリルエーテル酢酸カリウム、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム、POEトリデシルエーテル酢酸カリウム、POEトリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のアルキルエーテルカルボン酸塩;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩等である。また、アニオン性界面活性剤は、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩;N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN−アシルグリシン塩;N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミン等のN−アシルアラニン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアラニン塩等のアミノ酸型界面活性剤が用いられ得る。これらの中でも、アニオン性界面活性剤は、発泡物の硬さおよび弾力を調整しやすく、かつ、成形通路43pで成形しやすい発泡物が得られやすい点から、アルキルリン酸塩やサルコシン塩であることが好ましい。
アニオン性界面活性剤の含有量は特に限定されない。アニオン性界面活性剤の含有量は、原液中1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、アニオン性界面活性剤の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。アニオン性界面活性剤の含有量が1質量%未満である場合、発泡物の硬さが不充分になり、成形通路43pで所定の形状に成形されにくく、対象物上で崩れやすくなる傾向がある。一方、アニオン性界面活性剤の含有量が40質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。なお、本実施形態において、アニオン性界面活性剤として水やアルコール類等の溶剤に溶解したものが用いられる場合、アニオン性界面活性剤の含有量は、これら溶剤を除いたアニオン性界面活性剤の含有量を指す。
両性界面活性剤は、発泡状態を調整する、洗浄効果を向上させる等の目的で用いられ得る。両性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、両性界面活性剤は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン等のアルキルベタイン;コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン型;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルイミダゾール型;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル−β−アラニン等のアミノ酸型;ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシド等のアミンオキシド型;等である。
両性界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、両性界面活性剤の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、両性界面活性剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。両性界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、両性界面活性剤を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、両性界面活性剤の含有量が10質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。
カチオン性界面活性剤は、発泡物の硬さや弾性を調整する等の目的で用いられ得る。カチオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、カチオン性界面活性剤は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩等である。
カチオン性界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、カチオン性界面活性剤の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、カチオン性界面活性剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。カチオン性界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、カチオン性界面活性剤を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、カチオン性界面活性剤の含有量が10質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。
非イオン性界面活性剤は、発泡状態を調整する、アニオン性界面活性剤の析出防止効果を補助する、洗浄効果を向上させる等の目的で用いられ得る。非イオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、非イオン性界面活性剤は、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEイソステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;POE硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸POEセチルエーテル、イソステアリン酸POEラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル;モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビット、テトラステアリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;POEラノリンアルコール等のポリオキシエチレンラノリンアルコール等のエステル型;等である。
非イオン性界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、非イオン性界面活性剤の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、非イオン性界面活性剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。非イオン性界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、非イオン性界面活性剤を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、非イオン性界面活性剤の含有量が10質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。
シリコーン系界面活性剤は、発泡状態を調整する等の目的で用いられ得る。シリコーン系界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、シリコーン系界面活性剤は、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体等である。
シリコーン系界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、シリコーン系界面活性剤の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、シリコーン系界面活性剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。シリコーン系界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、シリコーン系界面活性剤を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、シリコーン系界面活性剤の含有量が10質量%を超える場合、得られる発泡物が対象物(たとえば皮膚)上に残りやすく、べたつくなど使用感が低下する傾向がある。
原液の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、原液は、界面活性剤と、必要に応じて後述する有効成分等の任意成分を、適宜、水や多価アルコールに溶解させて調製することができる。なお、原液には、粉体を分散させてもよい。
原液の含有量は、エアゾール組成物中70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。一方、原液の含有量は、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。原液の含有量が70質量%未満である場合、得られる発泡物の泡が粗くなりやすく、泡質が低下しやすくなる傾向がある。一方、原液の含有量が97質量%を超える場合、吐出された発泡物が発泡しにくく、所定の形状に成形しにくくなる傾向がある。
・液化ガス
液化ガスは、エアゾール容器2内では液体であり、外部(発泡室S)に吐出されると気化して、原液を発泡させて成形通路43pを通過した発泡物を対象物上で所定の形状に成形する等の目的で含有される。液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、プロパン、イソブタン、ノルマルブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンなどのハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテル、およびこれらの混合物である。これらの中でも、成形通路43pに沿った形状に、より成形しやすい硬さや弾性の発泡物が得られやすい点から、液化ガスは、液化石油ガスであることが好ましい。液化ガスの20℃における飽和蒸気圧は、発泡室S内で液化ガスのほとんどを気化させ、吐出孔43hから吐出されて成形された発泡物を崩れにくくする点から、0.3〜0.6MPaであることが好ましく、0.35〜0.55MPaであることがより好ましい。
本実施形態のエアゾール組成物は、上記液化ガスに加え、手のひら等の対象物に吐出した際に、発泡物から適度に水がしみ出しやすく、発泡物が対象物に付着しやすくなり、所定の形状に成形しやすい点から、ハイドロフルオロオレフィンが含有されてもよい。
液化ガスの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、エアゾール組成物中3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスは、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が3質量%未満である場合、エアゾール組成物は、発泡が不充分になり低温時に吐出された発泡物が発泡しにくくなる傾向がある。一方、液化ガスの含有量が30質量%を超える場合、エアゾール組成物は、吐出孔43hから吐出された後でも発泡が継続しやすく、発泡物の形状が崩れやすくなる傾向がある。
本実施形態のエアゾール組成物は、使用者によって操作部52が操作されることにより、容器本体21から、吐出部材3の発泡室Sに取り込まれる。発泡室Sにおいて発泡したエアゾール組成物(発泡物)は、成形通路43pを通過しながら成形通路43pの形状に沿って成形され、吐出孔43hから対象物に向けて吐出される。発泡物はノズル部43から離れ、対象物に付着することにより所定の形状になる。
より具体的には、成形通路43pにより所定の形状に成形される発泡物が得られやすい泡の特性としては、25℃における泡の硬度が、300mN以上となるよう調整されればよく、400mN以上となるよう調整されることが好ましい。また、発泡物の25℃における硬度は、3000mN以下となるよう調整されればよく、2500mN以下となるよう調整されることが好ましい。硬度が300mN未満である場合、発泡物は、成形通路43pを通過しても充分に成形されにくく、対象物上で所定の形状になりにくい傾向がある。一方、硬度が3000mNを超える場合、発泡物は、繊細な形状に成形されにくい傾向がある。なお、硬度を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、硬度は、原液の組成、液化ガスの組成、原液と液化ガスとの配合割合等を適宜調整することにより、達成し得る。発泡物は上記範囲内の硬度を有しているため、成形通路43pの形状に沿って成形され、吐出部材3から容易に離されやすく、対象物に付着させやすい。また、発泡物は、吐出部材3から容易に離されやすいため、吐出部材3のそれぞれの小ノズルの配置や形状等に基づいて、種々の形状が保持されたまま、対象物に付着しやすい。その結果、たとえば、発泡物は、ノズル部43から離れ、対象物上でバラやツバキといった花に似た形状となり得る。なお、本実施形態において、硬度を測定する方法は特に限定されない。一例を挙げると、発泡物の硬度は、25℃に調整したエアゾール組成物を有底筒状のカップに吐出してカップ内を発泡物で満たし、この発泡物に荷重をかけて圧縮したときに、発泡物が破断して圧縮量に対して荷重が大きく変化したときの値(破断点)を、EZ−Test((株)島津製作所)を用いて測定することができる。
また、皮膚に塗布したときにクッション感が得られ、もっちりした発泡物が得られやすい泡の特性としては、25℃における泡の弾性が、300N/mm以上となるよう調整されることが好ましく、400N/mmとなるよう調整されることがより好ましい。また、発泡物の25℃における弾性は、2000N/mm以下となるよう調整されることが好ましく、1500N/mm以下となるよう調整されることがより好ましい。弾性が300N/mm未満である場合、発泡物は、クッション感が得られにくい傾向がある。一方、弾性が2000N/mmを超える場合、発泡物は、対象物に付着しにくくなり、また、塗り伸ばしにくくなる傾向がある。なお、弾性を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、弾性は、原液の組成、液化ガスの組成、原液と液化ガスとの配合割合、炭酸ガスの有無、等を適宜調整することにより、達成し得る。なお、本実施形態において、泡の弾性を測定する方法は特に限定されない。一例を挙げると、発泡物の弾性は、25℃に調整したエアゾール組成物を有底筒状のカップに吐出してカップ内を発泡物で満たし、この発泡物に荷重をかけて圧縮したときに、発泡物から受ける反発力を、EZ−Test((株)島津製作所)を用いて測定することができる。
(原液の任意成分)
次に、本実施形態に適宜含有され得る任意成分について説明する。本実施形態の原液は、界面活性剤以外に、適宜、水溶性高分子、多価アルコール、単糖類、水、有効成分、1価アルコール、油分、粉体等が含有されてもよい。
水溶性高分子は、発泡物の硬さや弾性を調整して成形通路43pで成形しやすくする等の目的で、好適に含有され得る。水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム4)、塩化ジメチルジアクリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリオクタニウム7)、塩化−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム10)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム22)、塩化−O−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリオクタニウム24)、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム39)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(ポリクオタニウム51)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(ポリクオタニウム52)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体(ポリクオタニウム61)、メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸ナトリウム(ポリクオタニウム65)、ポリビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ポリビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジメチル硫酸塩、ポリビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩酸塩、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等のカチオン性ポリマー;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系多糖類;カラギーナン、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガム等のガム質;ポリエーテルウレタン、ゼラチン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等である。
水溶性高分子が含有される場合、水溶性高分子の含有量は、原液中0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が0.005質量%未満である場合、発泡物は、硬さが上記範囲となるよう調整されにくく、所定の形状に成形されにくくなる。一方、水溶性高分子の含有量が5質量%を超える場合、原液の粘度が高くなりすぎ、原液と液化ガスとが乳化しにくくなったり、べたつきやすくなる等、使用感が低下する傾向がある。
多価アルコールは、保湿剤以外にも、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤などの析出を防止するなどの目的で用いられる。多価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどの2〜4価アルコールである。
多価アルコールが含有される場合、多価アルコールの含有量は、原液中1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、多価アルコールの含有量は、原液中30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。多価アルコールの含有量が1質量%未満である場合、アニオン性界面活性剤などが炭酸ガスなどの影響により析出しやすくなる傾向がある。一方、多価アルコールの含有量が30質量%を超える場合、発泡物は、硬さが不充分になって成形されにくく、べたつくなど使用感が悪くなる傾向がある。
単糖類は、界面活性剤(たとえばアニオン性界面活性剤や両性界面活性剤)等の析出を防止する等の目的で、適宜含有され得る。単糖類は特に限定されない。一例を挙げると、多糖類は、エリスリトール、アラビトール、ガラクチトール、グルシトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール;エリトリトール、D−エリトロース、D−トレオース等のテトロース類;D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、D−リキソース、L−リキソース、D−リボース、D−キシルロース、L−キシルロース、D−リブロース、L−リブロース等のペントース類;D−アルトロース、L−アルトロース、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−グルコース、D−タロース、D−マンノース、L−ソルボース、D−タガトース、D−プシコース、D−フルクトース、D−マンノース等のヘキソース類等である。
単糖類が含有される場合、単糖類の含有量は、原液中1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、単糖類の含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。単糖類の含有量が1質量%未満である場合、アニオン性界面活性剤などが析出しやすくなる傾向がある。一方、単糖類の含有量が30質量%を超える場合、発泡物は、硬さが不充分になって成形されにくく、べたつくなど使用感が悪くなる傾向がある。
水は、原液の主溶媒であり、原液中に含有した界面活性剤によって液化ガスと乳化され、エアゾール容器2から外部に吐出されると液化ガスの気化に伴い発泡して発泡物(フォーム)を形成する。水は、精製水、イオン交換水、海洋深層水等が例示される。
水が含有される場合、水の含有量は、原液中30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、水の含有量は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が30質量%未満である場合、エアゾール組成物は、発泡しにくくなる傾向がある。一方、水の含有量が95質量%を超える場合、エアゾール組成物は、その他の成分を含有しにくくなる。
有効成分は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分は、各種法定色素、顔料、天然色素等の各種着色剤;天然香料、合成香料等の各種香料;バラエキス、ユリエキス、ツバキエキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、ローヤルゼリーエキス等の各種抽出液や濃縮したエキス;レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールおよびこれらの混合物等のビタミン類;アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等のアミノ酸;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素等の保湿剤;パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾール等の殺菌消毒剤;l−メントール、カンフル、ハッカ油等の清涼剤;酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸等の収斂剤;アラントイン、グリシルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤;ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキス等の消臭剤;ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタン等の紫外線散乱剤;アルブチン、コウジ酸等の美白剤;等である。着色剤が配合されることにより、発泡物は、よりバラやツバキといった花に似た外観を呈しやすい。
有効成分が含有される場合、有効成分の含有量は、原液中0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が0.05質量%未満である場合、エアゾール組成物は、有効成分の効果が得られにくくなる傾向がある。一方、有効成分の含有量が20質量%を超える場合、エアゾール組成物は、有効成分濃度が高くなりすぎ、所望する以上の効果が得られない傾向がある。
1価アルコールは、使用感を向上させたり、水に溶解しにくい有効成分を溶解したり、発泡物の硬さ等を調整する等の目的で適宜含有され得る。1価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、1価アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2〜3個の1価アルコールである。
1価アルコールが含有される場合、1価アルコールの含有量は、原液中0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、1価アルコールの含有量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。1価アルコールの含有量が0.5質量%未満である場合、エアゾール組成物は、1価アルコールを含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、1価アルコールの含有量が30質量%を超える場合、吐出された発泡物は、発泡しにくくなる傾向がある。
油分は、皮膚に艶や潤いを与える、油汚れを洗浄しやすくする、発泡状態を調整する等の目的で適宜含有され得る。油分は特に限定されない。一例を挙げると、油分は、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィンなどの炭化水素油;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳酸セチル、ステアリン酸イソセチル、セトステアリルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリグリセロール変性シリコーン等のシリコーンオイル;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール等の高級アルコール;イソステアリン酸等の液体脂肪酸;アボカド油、マカダミアナッツ油、シア脂、オリーブ油、ツバキ油等の油脂;ミツロウ、ラノリンロウ等のロウ類;等である。
油分が含有される場合、油分の含有量は、原液中0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、油分の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。油分の含有量が0.1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、油分を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。一方、油分の含有量が10質量%を超える場合、発泡物は、充分に発泡しにくく、硬度が低くなり、成形されにくくなる傾向がある。
粉体は、紫外線を散乱させる、粉体自体を有効成分として作用させる、スクラブ等として作用させる、等の目的で適宜含有され得る。粉体は特に限定されない。一例を挙げると、粉体は、タルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、炭粉末、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンパウダー等である。
粉体が含有される場合、粉体の含有量は、原液中0.1質量以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、粉体の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。粉体の含有量が0.1質量%未満である場合、粉体を含有する効果が得られにくい傾向がある。一方、粉体の含有量が5質量%を超える場合、バルブ機構22や吐出部材3の吐出孔43hで詰まりやすくなる傾向や、静置した状態で長期間保存した場合に、粉体が容器底部で固まりやすくなり(ケーキング)、均一な組成物を吐出しにくい傾向がある。
<エアゾール組成物の調製方法>
本実施形態のエアゾール組成物を調製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、エアゾール組成物は、容器本体21に原液を充填し、バルブ機構22を固着し、バルブ機構22のステム23から液化ガスを充填して、容器本体21内で原液と液化ガスとを混合することにより調製し得る。なお、耐圧容器内の圧力を調整したり、発泡状態を調整する等のために、イソペンタンやノルマルペンタンなどの炭化水素や、炭酸ガス、チッ素ガス、圧縮空気、酸素ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガス等がさらに充填されてもよい。これらの中でも、成形通路43pに勢いよく供給され、エアゾール組成物を低温時でも所定の形状に成形しやすく、発泡物が吐出孔43hから離れやすくなる点から圧縮ガスで加圧することが好ましい。さらには、アニオン性界面活性剤と共に含有されることで発泡物の弾性が高くなり、発泡物が成形通路43pで成形されやすくなる点から、エアゾール組成物は、炭酸ガスが含有されることが好ましい。
[第2の実施形態]
<発泡性エアゾール製品>
本発明の一実施形態のエアゾール製品について、図面を参照して詳細に説明する。図6は、本実施形態のエアゾール製品1aのうち、吐出部材3aの断面形状を表した斜視図である。図7は、本実施形態のエアゾール製品1aのうち、吐出部材3aの断面形状を表した側面図である。図6〜図7に示されるエアゾール製品1aは、いずれも噴射動作が行われていない状態(非噴射状態)である。なお、本実施形態のエアゾール製品1aは、吐出部材3aの構成が異なる以外は、第1の実施形態のエアゾール製品1(図1〜図4参照)と同様である。そのため、重複する説明は、適宜省略される。
本実施形態のエアゾール製品1aの吐出部材3aは、ステム23に取り付けられるスパウト部4aと、スパウト部4aとステム23とを覆う円筒状のカバー部5aとを含む。スパウト部4aは、ステム23に取り付けられる略円柱状の基端部41と、基端部41の上端に形成され、基端部41よりも径の大きなカップ状の大径部44と、大径部44の上部に形成されたノズル部43とからなる。大径部44は、カップ状の本体部44aと、本体部44aの外周縁に設けられた側周部44bとからなる。側周部44bは、外方向に延設された延設部44cを備える。ノズル部43は本体部44aの開口に嵌合や溶着などにより一体化されており、ノズル部43の外周には水平方向に突出する操作部52aが設けられている。
カバー部5aは、内周面に、容器本体21と係合する係合部(図示せず)が設けられている。また、カバー部5aは、内周面に、延設部44cが挿入されるための、挿入穴54hが形成されている。
操作部52aは、使用者によって適宜操作され、押し下げられる部位である。操作部52aは大径部44の延設部44cに対向する位置にあり、操作部52aが押し下げられる際には、挿入穴54hに挿入された延設部44cが支点となり、大径部44およびステム23を下方へ押し下げ得る。
大径部44に設けられた発泡室S等の構成は、発泡室Sの底部の形状がカップ状となっている点を除き、第1の実施形態で上記したものと同様である。このような形状の発泡室Sによれば、発泡物は、発泡室S内で充分に発泡してから成形通路43pに供給されるため、成形された形状が崩れにくい。なお、ノズル部43の構成は、成形通路43pが直線状である点を除き、第1の実施形態で上記したものと同様である。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、使用者によって操作部52aが操作されることにより、エアゾール組成物が容器本体21から、吐出部材3aの発泡室Sに取り込まれる。発泡室Sにおいて発泡したエアゾール組成物(発泡物)は、成形通路43pを通過しながら、成形通路43pの形状に沿って成形され、吐出孔43hから吐出される。吐出孔43hから吐出された発泡物は、上記範囲内の硬度を有しており、ノズル部43がエアゾール容器の中心軸に向かって下降する傾斜面を形成するように開口しているため、吐出部材3aから容易に離されやすく、対象物に付着させやすい。また、発泡物は、吐出部材3aから容易に離されやすいため、吐出部材3aのそれぞれの小ノズルの配置や形状等に基づいて、種々の形状が保持されたまま、対象物に付着しやすい。その結果、たとえば、バラやツバキといった花に似た形状の発泡物が、対象物上でも得られる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明した。本発明は、たとえば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記実施形態では、それぞれ成形小通路の設けられた複数の小ノズルからなるノズル部を備える場合について例示した。これに代えて、本発明は、ノズルの個数と成形通路の個数とが異なっていてもよい。すなわち、一例を挙げると、本変形例は、1個のノズル部に、複数の成形通路が形成されていてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
以下の処方に従って原液1を調製し、90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。
<原液1>
精製水 47.5
(PEG−240/デシルテトラデセス−20/
HDI)コポリマー(*2) 3.33
ジプロピレングリコール(*3) 10.0
メチルパラベン 0.15
ラウリルリン酸/POEラウリルエーテル酢酸
/ジプロピレングリコール/水酸化カリウム/精製水(*4) 25.0
ソルビトール(*5) 10.0
コカミドプロピルベタイン(*6) 3.0
フェノキシエタノール 0.7
センチフォリアバラ花エキス(*7) 0.01
ローズ水(*8) 0.01
香料(*9) 0.3
合計(質量部) 100.0
*1:液化石油ガス(20℃での飽和蒸気圧:0.39MPa)
*2:アデカノールGT−730(商品名)、ADEKA(株)製、PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーを30質量%含有する水溶液
*3:DPG−RF(商品名)、ADEKA(株)製
*4:プライオリーB−300D(商品名)、花王(株)製
*5:ソルビトール花王(商品名)、花王(株)製
*6:レボン2000HG(商品名)、三洋化成工業(株)製
*7:バラエキスS(商品名)、香栄興業(株)製
*8:バラ抽出液、香栄興業(株)製
*9:Rose KH−8948(商品名)、香栄興業(株)製
(実施例2)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*10)を10g充填した。
*10:液化石油ガス(20℃での飽和蒸気圧:0.50MPa)
(実施例3)
85gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を15g充填した。
(実施例4)
80gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を20g充填した。
(実施例5)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*11)を10g充填した。
*11:液化石油ガスとトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンの質量比が50/50である混合物(20℃での飽和蒸気圧:0.52MPa)
(実施例6)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*12)を10g充填した。
*12:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(20℃での飽和蒸気圧:0.41MPa)
(実施例7)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例8)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*11)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例9)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*12)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例10)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。さらに、バルブ機構から窒素ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例11)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*11)を10g充填した。さらに、バルブ機構から窒素ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例12)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*12)を10g充填した。さらに、バルブ機構から窒素ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
実施例1〜12で調製したエアゾール組成物の処方を、表1にまとめる。
(実施例13)
以下の処方に従って原液2を調製し、95gの原液2をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を5g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
<原液2>
精製水 47.5
ポリクオタニウム52(*13) 3.33
ジプロピレングリコール(*3) 10.0
メチルパラベン 0.15
ラウリルリン酸/POEラウリルエーテル酢酸 25.0
/ジプロピレングリコール/水酸化カリウム/精製水(*4)
ソルビトール(*5) 10.0
コカミドプロピルベタイン(*6) 3.0
フェノキシエタノール 0.7
センチフォリアバラ花エキス(*7) 0.01
ローズ水(*8) 0.01
香料(*9) 0.3
合計(質量部) 100.0
*13:ソフケアKG−301W(商品名)、花王(株)製
(実施例14)
90gの原液2をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例15)
85gの原液2をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を15g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例16)
90gの原液2をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*11)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例17)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*12)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
(実施例18)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。
(実施例19)
90gの原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*11)を10g充填した。
実施例13〜19で調製したエアゾール組成物の処方を、表2にまとめる。
(実施例20)
以下の処方に従って原液3を調製し、90gの原液3をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を10g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
<原液3>
精製水 49.83
ゼラチン(*14) 1.0
ジプロピレングリコール(*3) 10.0
メチルパラベン 0.15
ラウリルリン酸/POEラウリルエーテル酢酸 25.0
/ジプロピレングリコール/水酸化カリウム/精製水(*4)
ソルビトール(*5) 10.0
コカミドプロピルベタイン(*6) 3.0
フェノキシエタノール 0.7
センチフォリアバラ花エキス(*7) 0.01
ローズ水(*8) 0.01
香料(*9) 0.3
合計(質量部) 100.0
*14:ゼラチンAP−100(商品名)、新田ゼラチン(株)製
(実施例21)
以下の処方に従って原液4を調製し、95gの原液4をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を5g充填した。さらに、バルブ機構から炭酸ガスを充填して容器内の圧力を0.6MPa(25℃)に調整した。
<原液4>
精製水 51.08
ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン水溶液(*15) 5.0
ラウリルリン酸/POEラウリルエーテル酢酸 20.0
/ジプロピレングリコール/水酸化カリウム/精製水(*4)
トリイソステアリン酸PEG−160ソルビタン(*16) 0.5
ジプロピレングリコール(*3) 10.0
ソルビトール(*5) 10.0
コカミドプロピルベタイン(*6) 3.0
メチルパラベン 0.1
センチフォリアバラ花エキス(*7) 0.01
ローズ水(*8) 0.01
香料(*9) 0.3
合計(質量部) 100.0
*15:ネオスコープSCT−30(商品名)、東邦化学工業(株)製
*16:レオドールTW−IS399C(商品名)、花王(株)製
(実施例22)
以下の処方に従って原液5を調製し、80gの原液5をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*1)を20g充填した。
<原液5>
精製水 58.58
ミリスチン酸 4.0
トリエタノールアミン10質量%水溶液 13.0
ゼラチン10質量%水溶液 20.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(*17) 1.0
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(*18) 1.0
ジメチコン(*19) 2.0
メチルパラベン 0.1
センチフォリアバラ花エキス(*7) 0.01
ローズ水(*8) 0.01
香料(*9) 0.3
合計(質量部) 100.0
*17:NIKKOL HCO−60(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*18:NIKKOL TL−10(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*19:SH200 FLUID 500cs(商品名)、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製
(比較例1)
以下の処方に従って原液6を調製し、90gの原液5をアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブ機構を取り付け、バルブ機構から液化ガス(*10)を10g充填した。
<原液6>
精製水 98.9
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(*16) 1.0
メチルパラベン 0.1
合計(質量部) 100.0
実施例1〜22および比較例1において作製したエアゾール製品について、以下の評価方法によって発泡物の外観、発泡物の硬度と弾性を評価した。結果を表3に示す。
<常温(25℃)での発泡物の外観>
それぞれの実施例および比較例で作製したエアゾール製品のエアゾール容器を25℃の恒温水槽中に1時間浸漬し、図1に示す吐出部材を取り付けた。吐出孔を手のひらに向けて操作部を押し下げ、手のひらに発泡物を吐出して付着させた。吐出部材をゆっくりと離し、発泡物の形状を評価した。
(評価基準)
◎:発泡物は、ノズル部から離れ、手のひらに付着した。また、発泡物は内周、中間、外周(それぞれ図4の同心円C1〜C3を参照)がくっきりと分かれ、非常にきれいなバラの花の形状になった。
○:発泡物は、ノズル部から離れ、手のひらに付着した。また、発泡物はやや丸くなったものの内周、中間、外周が分かれ、きれいなバラの花の形状になった。
△:発泡物は、ノズル部から離れたが、手のひらにやや付着しにくくなった。また、発泡物は内周が合体したが、全体としてはバラの花の形状になった。
×:発泡物は、一部がノズル部から離れず、手のひら上でバラの花の形状にならなかった。
<低温(10℃)での発泡物の外観>
それぞれの実施例および比較例で作製したエアゾール製品のエアゾール容器を10℃の恒温水槽中に1時間浸漬し、図1に示す吐出部材を取り付けた。吐出孔を手のひらに向けて操作部を押し下げ、手のひらに発泡物を吐出して付着させた。吐出部材をゆっくりと離し、発泡物の形状を評価した。
(評価基準)
◎:発泡物は、ノズル部から離れ、手のひらに付着し、常温で吐出した際の発泡物の形状とほとんど変わらなかった。
○:発泡物は、ノズル部から離れ、手のひらに付着し、常温で吐出した際の発泡物の形状より花びら状の発泡物がやや丸くなった。
△:発泡物は、ノズル部から離れ、手のひらにやや付着しにくくなった。常温で吐出した際の発泡物の形状よりも、バラの花の形状がくずれた。
×:発泡物は、一部がノズル部から離れず、手のひら上でバラの花の形状にならなかった。
<発泡物の硬度と弾性>
それぞれの実施例および比較例で作製したエアゾール製品のエアゾール容器を25℃の恒温水槽中に1時間浸漬し、吐出孔が3mmである1本のノズルを有するスパウトを取り付けた。ノズルから有底円筒状のカップ(内径32mm、深さ27mm)に吐出してカップ内を発泡物で満たし、カップの開口をプレートですり切って発泡物の表面を平らにした。この発泡物に直径30mmの円板状のプランジャーで荷重をかけて圧縮することにより硬度(破断点)と弾性を測定した。なお硬度と弾性の測定はEZ−test((株)島津製作所製)を使用した。
表3に示されるように、実施例1〜22のエアゾール製品から吐出された発泡物は、いずれも対象物上に付着させることができ、かつ、25℃および10℃の両方で、バラの花の形状となった。また、これらの発泡物の硬度は400〜2900mN程度であり、かつ、弾性は500〜1600N/mmであったことから、適度に硬く、弾力を有していた。一方、比較例1のエアゾール製品から吐出された発泡物は、対象物に付着させにくく、かつ、バラの花の形状にはならなかった。また、発泡物の硬度および弾性の値が小さかった。
1、1a エアゾール製品
2 エアゾール容器
21 容器本体
22 バルブ機構
23 ステム
3、3a 吐出部材
4、4a スパウト部
41 基端部
41f フランジ部
41p 連通路
42 発泡部
43 ノズル部
43a〜43c 小ノズル
43h 吐出孔
43i 導入孔
43p 成形通路
43q 成形小通路
44 大径部
44a 本体部
44b 側周部
44c 延設部
5、5a カバー部
51 カバー本体
52、52a 操作部
53 天面部
54 側面部
54h 挿入穴
C1〜C3 同心円
R1〜R3 領域

Claims (6)

  1. 吐出した発泡物を対象物に付着させて使用される発泡性エアゾール製品であり、
    界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物が充填されたエアゾール容器と、前記エアゾール容器に取り付けられ、前記エアゾール組成物を前記対象物に吐出するための吐出孔が形成された吐出部材とを備え、
    前記吐出部材は、
    前記エアゾール容器から供給される前記エアゾール組成物を発泡させるための発泡室が内部に形成され、かつ、
    前記発泡室において発泡した発泡物が通過するための管路であって、前記発泡室と前記吐出孔とを連通する成形通路が形成されており、
    前記成形通路の水平断面は、長孔状であり、
    前記発泡物の25℃における硬度は、300〜3000(mN)である、発泡性エアゾール製品。
  2. 前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含む、請求項1記載の発泡性エアゾール製品。
  3. 前記原液は、水溶性高分子を含む、請求項1または2記載の発泡性エアゾール製品。
  4. 圧縮ガスをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
  5. 前記成形通路の水平断面は、略C字状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
  6. 前記成形通路は、前記エアゾール容器の中心軸を囲むように略同心円状に形成された、複数の成形小通路からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
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