JP2022180104A - 発泡性組成物、充填容器および吐出製品 - Google Patents

発泡性組成物、充填容器および吐出製品 Download PDF

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Abstract

【課題】内容物が分離しにくく安定な発泡性組成物、充填容器および吐出製品を提供する。【解決手段】(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とを含む水中油型乳化原液と、圧縮ガスとを含む、発泡性組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡性組成物、充填容器および吐出製品に関する。より詳細には、本発明は、内容物が分離しにくく、幅広い温度にて立体的な泡を形成することができ、安定な発泡性組成物、充填容器および吐出製品に関する。
従来、吐出後に発泡し、フォームを形成する発泡性組成物が知られている。特許文献1には、沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンを含む水性原液と圧縮ガスとを含む発泡性組成物が開示されている。
特開2020-23474号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発泡性組成物は、水性原液が分離しやすく、安定性が劣る。そのため、均一な内容物を噴射することが困難であり、所望する効果が安定して得られにくい。また、特許文献1に記載の発泡性組成物は、たとえば40℃等の高温では、安定な泡を形成することができない。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、内容物が分離しにくく、幅広い温度にて立体的な泡を形成することができ、安定な発泡性組成物、充填容器および吐出製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とを含む水中油型乳化原液と、圧縮ガスとを含む、発泡性組成物。
このような構成によれば、発泡性組成物は、分離しにくく、安定性が優れる。特に、発泡性組成物は、たとえば合成樹脂製の容器に充填された場合において、容器を劣化させにくく、長期間、安定である。また、発泡性組成物は、液化石油ガス等の液化ガス(35℃において圧力が0.2MPaを超えるもの)を使用していないにもかかわらず、充分に発泡し得る。すなわち、圧縮ガスによって押し出された吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液に溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることによって溶解量が低下して微細な泡となる。また、吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進され、充分に発泡する。得られるフォームは、キメ細かく、塗り伸ばしやすい。さらに、吐出物は、常温(たとえば25℃)だけでなく高温(たとえば40℃)においても立体的な泡を形成することができる。
(2)合成樹脂製の容器本体と、前記容器本体の口部に溶着され容器本体を密封する蓋体と、前記容器本体に充填された(1)記載の発泡性組成物とを含む、充填容器。
このような構成によれば、充填容器は、内容物である発泡性組成物が分離しにくく、安定性が優れる。また、内容物である発泡性組成物は、合成樹脂製の容器本体を劣化させにくく、長期間、安定である。
(3)前記容器本体は、外部容器と内部容器とを有し、前記水中油型乳化原液は、前記内部容器に充填され、前記圧縮ガスは、前記外部容器と前記内部容器との間の空間に充填され、前記蓋体は、前記外部容器の第1口部および前記内部容器の第2口部に溶着され、前記外部容器および前記内部容器を密封する、(2)記載の充填容器。
このような構成によれば、充填容器は、内容物である発泡性組成物が分離しにくく、安定性が優れる。また、内容物である発泡性組成物は、外部容器および内部容器の蓋体を劣化させにくく、長期間、安定である。
(4)(2)または(3)記載の充填容器と、前記充填容器に取り付けられ、前記蓋体を開封するバルブとを有する、吐出製品。
このような構成によれば、吐出製品は、内容物である発泡性組成物が分離しにくく、安定性が優れる。また、内容物である発泡性組成物は、合成樹脂製の容器本体の口部や蓋体を劣化させにくく、長期間、安定である。
(5)合成樹脂製の容器本体と、前記容器本体の口部に取り付けられるバルブと、前記容器本体に充填される(1)記載の発泡性組成物とを含む、吐出製品。
このような構成によれば、吐出製品は、内容物である発泡性組成物が分離しにくく、安定性が優れる。また、内容物である発泡性組成物は、合成樹脂製の容器本体の口部やバルブを劣化させにくく、長期間、安定である。
本発明によれば、内容物が分離しにくく、幅広い温度にて立体的な泡を形成することができ、安定な発泡性組成物、充填容器および吐出製品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品の模式的な断面図である。 図2は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品の模式的な断面図である。 図3は、本発明の一実施形態(第3の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品の模式的な断面図である。
[発泡性組成物]
本発明の一実施形態の発泡性組成物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とを含む水中油型乳化原液と、圧縮ガスとを含む、発泡性組成物である。以下、それぞれについて説明する。
<水中油型乳化原液>
水中油型乳化原液は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とを含む。本実施形態の水中油型乳化原液は、たとえば、分離がなく均一な外観であることを、目視にて確認することができる程度に乳化している。
((Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン)
(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは、容器内では微細な乳化粒子となって水と乳化しており、かつ、圧縮ガスを溶解する。(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは、外部に吐出されると気化して原液を発泡させる。
(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは沸点が15℃であり、他のハイドロフルオロオレフィン(たとえばトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(沸点-19℃)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(沸点-29℃)等)と比べて、沸点が高い。そのため、室温で保管されていた吐出製品から発泡性組成物が吐出された場合は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは瞬時に気化しにくいため通常発泡性は悪いが、容器内では(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンに溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることにより溶解量が低下して微細な気泡となり、気泡の発生に伴って(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進される。このとき(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは原液中で微細な粒子となって乳化しているため、発泡してキメ細かいフォームを形成する。また、フォームは(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化熱により効率よく冷却されて冷たくなりやすい。さらに、吐出製品を浴槽内で温めてから使用する場合は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが使用されることにより、発泡性組成物は、温度上昇に伴う圧力上昇が小さく、安全性が高い。また、吐出物は、幅広い温度にて立体的な泡を形成することができる。たとえば、吐出物は、常温(たとえば25℃)だけでなく高温(たとえば40℃)においても立体的な泡を形成することができる。
また、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの含有量は、水中油型乳化原液中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの含有量は、水中油型乳化原液中、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの含有量が上記範囲内であることにより、水と安定した乳化物を形成しやすく、容器本体を劣化させにくく、長期間安定である。また、発泡性組成物は、より優れた発泡性を示し、キメの細かいフォームを形成しやすい。
(水)
水は、溶媒として用いられる。水が含まれることにより、発泡性組成物は、吐出されるとフォームを形成することができ、水面等にフォームを形成させやすい。また、頭髪や腕等の適用箇所において塗り拡げやすい。
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
水の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、水は、水中油型乳化原液中、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、水は、水中油型乳化原液中、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、発泡性組成物は、優れた発泡性を示し、かつ、上記した(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを適切な量となるよう配合しやすい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを水中油型乳化原液中に乳化させる乳化剤として配合される。また、界面活性剤は、外部に吐出されたときに、原液中に溶解していた圧縮ガスが微細な気泡となって分散し、この気泡の発生によって水中油型乳化原液中に乳化していた(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進されて、水中油型乳化原液を発泡させてフォームを形成する等の目的で配合される。
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸POEセチルエーテル、イソステアリン酸POEラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;ミリスチン酸やステアリン酸などの脂肪酸とトリエタノールアミンやカリウムなどのアルカリのケン化物、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸塩、POEラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、POEラウリルエーテル酢酸カリウム、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム、POEトリデシルエーテル酢酸カリウム、POEトリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤;N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどのN-アシルグルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN-アシルグリシン塩、N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミンなどのN-アシルアラニン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのアシルアラニン塩などのアミノ酸型アニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン;ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール型;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル-β-アラニンなどのアミノ酸型;ラウリルジメチルアミンN-オキシド、オレイルジメチルアミンN-オキシドなどのアミンオキシド型などの両性界面活性剤等である。界面活性剤は併用されてもよい。
これらの中でも、界面活性剤は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを乳化しやすく、得られる発泡性組成物の発泡性が良好となり、かつ、キメが細かく、しっかりとしたフォームを形成し得る点から、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、アミノ酸型アニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、水中油型乳化原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、水中油型乳化原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、発泡性組成物は、泡立ちが優れ、かつ、べたつきにくく使用感がよい。
(任意成分)
水中油型乳化原液は、上記(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン、水、界面活性剤のほかに、適宜、有効成分、アルコール、単糖類、水溶性高分子、油剤、パウダー等の任意成分を含んでもよい。
有効成分は、製品の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。一例を挙げると、有効成分は、天然香料、合成香料などの各種香料;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸アルキルアミド-アクリル酸ヒドロキシアルキル-メタクリル酸アルキルアミノアルキル共重合体などの両性型樹脂、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル-スチレン共重合体エマルジョン、ビニルピロリドン-スチレン共重合体エマルジョン、アクリル酸-アクリル酸ヒドロキシエステル共重合体エマルジョンなどのエマルジョン系樹脂などのスタイリング剤;l-メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤;レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ジベンゾイルチアミン、リボフラビンおよびこれらの混合物などのビタミン類;アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤;グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸;コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤;パラオキシ安息香酸メチルなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールなどの防腐剤;安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤;ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液;酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤;アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤;ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤;ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタンなどの紫外線散乱剤;アルブチン、コウジ酸などの美白剤;N,N-ジエチル-m-トルアミド(ディート)、ジ-n-ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール、ロテノン、エチル-ブチルアセチルアミノプロピオネート、イカリジン(ピカリジン)、p-メンタン-3,8-ジオール、3-[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボン酸1-メチルプロピルなどの害虫忌避剤;クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤;サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤等である。
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、水中油型乳化原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、水中油型乳化原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、有効成分を配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、有効成分によって発泡性が低下しにくい。
アルコールは、水に溶解しにくい有効成分の溶媒として好適に配合される。また、アルコールは、発泡性を調整する等の目的で好適に配合される。
アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどの多価アルコールである。
アルコールが配合される場合、アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコールの含有量は、水中油型乳化原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、水中油型乳化原液中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、アルコールを配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、アルコールによって乳化安定性や発泡性が低下しにくい。
単糖類は、発泡性を調整する等の目的で好適に配合される。
単糖類は特に限定されない。一例を挙げると、単糖類は、エリスリトール、アラビトール、ガラクチトール、グルシトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール;エリトリトール、D-エリトロース、D-トレオースなどのテトロース類;D-アラビノース、L-アラビノース、D-キシロース、D-リキソース、L-リキソース、D-リボース、D-キシルロース、L-キシルロース、D-リブロース、L-リブロースなどのペントース類;D-アルトロース、L-アルトロース、D-ガラクトース、L-ガラクトース、D-グルコース、D-タロース、D-マンノース、L-ソルボース、D-タガトース、D-プシコース、D-フルクトースなどのヘキソース類などである。
単糖類が配合される場合、単糖類の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、単糖類の含有量は、水中油型乳化原液中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、単糖類の含有量は、水中油型乳化原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。単糖類の含有量が上記範囲内であることにより、単糖類を配合することによる効果が得られやすい。
水溶性高分子は、発泡性組成物の発泡性を高くする目的や、フォームの保持力、硬さ、弾性、伸展性等を調整する等の目的で好適に配合される。
水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム4)、塩化ジメチルジアクリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリオクタニウム7)、塩化-O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム10)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム22)、塩化-O-[2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリオクタニウム24)、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム39)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(ポリクオタニウム51)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(ポリクオタニウム52)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体(ポリクオタニウム61)、メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸ナトリウム(ポリクオタニウム65)などのカチオン性ポリマー;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子;キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガムなどのガム質;ゼラチン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等である。
水溶性高分子が配合される場合、水溶性高分子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子の含有量は、水中油型乳化原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、水中油型乳化原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、水溶性高分子を配合することによる効果が得られやすく、かつ、原液の粘度が高くなり過ぎず、発泡性が低下しにくい。
油剤は、得られるフォームの肌触りを良くしたり、櫛通りを良くする等の目的で好適に配合される。
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール;ジメチコン、メチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素油;ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジ-2-エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール、ジオレイン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸トリエチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジイソステアリン酸トリエチレングリコール、ジオレイン酸トリエチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロシキシステアリン酸エチルヘキシルなどのエステル油;オリーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂;イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸等である。
油剤が配合される場合、油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、水中油型乳化原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、水中油型乳化原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、油剤を配合することによる効果が得られやすい。また、発泡性組成物は、発泡性が低下しにくく、かつ、乾燥性が低下しにくく、べたつきが生じにくい。
パウダーは、サラサラ感を付与するなど、使用感を向上させるために好適に配合される。
パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等である。
パウダーが配合される場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、水中油型乳化原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、水中油型乳化原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が上記範囲内であることにより、パウダーを配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、吐出される際に、吐出通路において詰まりが生じにくい。
水中油型乳化原液の調製方法は特に限定されない。水中油型乳化原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、水中油型乳化原液は、上記界面活性剤、任意成分を水や温水に添加して基材を調製し、これに(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを添加し、乳化することにより調製され得る。なお、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと基材は10~15℃に冷却した状態で混合しておき、乳化することが好ましい。これにより、液体状態の基材と、沸点が15℃である(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンとを、液体状態のまま混合することができ、適宜攪拌等を行うことにより、容易に水中油型の乳化原液を調製し得る。本実施形態の原液は、このように、たとえば、合成樹脂製の容器本体に充填するに際し、あらかじめ、水中油型となるよう乳化させることが好ましい。これにより、原液に含まれる(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンによって合成樹脂製の容器本体が侵されにくく、クラック等を生じにくい。
<圧縮ガス>
圧縮ガスは、水中油型乳化原液を加圧して外部に吐出する噴射剤として配合される。また、圧縮ガスは、水中油型乳化原液に一部が溶解することにより、発泡性組成物が外部に吐出された際に、溶解していた圧縮ガスが微細な気泡となり、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化を促進させ、水中油型乳化原液を発泡させてフォームを形成する発泡剤として作用する。
圧縮ガスは、特に、容器内で水中油型乳化原液中に乳化している(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンにも溶解することにより、外部に吐出された際に飽和溶解量の低下に伴って微細な気泡となり、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化を促進する。その結果、圧縮ガスは、水中油型乳化原液をキメ細かいフォーム状に発泡させることができる。
圧縮ガスは特に限定されない。一例を挙げると、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素、二酸化炭素、亜酸化窒素等である。これらの中でも、圧縮ガスは、低温での安定性が優れ、特に吐出された際には微細な気泡となって(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化を促進し、よりキメ細かいフォームを形成しやすい点から、25℃における水に対するオストワルド係数が0.05以下で、さらには0.03以下ある低溶解性圧縮ガスを含むことが好ましい。このような低溶解性圧縮ガスは、窒素(オストワルド係数:0.0141)、空気(オストワルド係数:0.0167)、酸素(オストワルド係数:0.0283)、水素(オストワルド係数:0.0194)等である。また、低溶解性圧縮ガスは、上記した水中油型乳化原液に含まれる界面活性剤が非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤である場合に使用されることが好ましい。界面活性剤として非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤が含まれ、かつ、圧縮ガスとして低溶解性圧縮ガスが使用されることにより、発泡性組成物は、低温時の安定性に優れ、より発泡性が優れ、キメ細かなフォームを形成しやすい。また、発泡性組成物は、窒素ガス等の低溶解性圧縮ガスを用いているため、より安全性が高い。
なお、本実施形態の発泡性組成物は、上記圧縮ガスを噴射剤として含み、液化石油ガス等の液化ガスは含まない。このように、発泡性組成物は、液化石油ガス等の液化ガス(35℃において圧力が0.2MPaを超えるもの)を使用していないにもかかわらず、吐出物中に溶解している圧縮ガスが微細な気泡となって発生し、これにより(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進されて、吐出された発泡性組成物が充分に発泡する。このような発泡性組成物は、吐出直後の泡密度(g/mL、25℃)が0.01~0.09g/mLであることが好ましく、さらに、0.015~0.08g/mLであることがより好ましい。
なお、本実施形態の発泡性組成物は、35℃において圧力が0.2MPa以下の高揮発性成分であれば、併用されてもよい。高揮発性成分を含有することにより、発泡性組成物は、発泡した状態で吐出された泡がさらにゆっくりと増大する。このような高揮発性成分は、たとえば、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンのシス体であるHFO-1233zd(Z)、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテルなどのハイドロフルオロエーテル、イソペンタン、ノルマルペンタン、およびこれらの混合物等である。特に、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンよりも圧縮ガスの溶解量が少ないイソペンタンやノルマルペンタンなどの脂肪族炭化水素を用いることにより、吐出時の揮発が抑制されてゆっくりと増大しやすい。
高揮発性成分が配合される場合、高揮発性成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、高揮発性成分の含有量は、水中油型乳化原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、高揮発性成分の含有量は、水中油型乳化原液中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。高揮発性成分の含有量が上記範囲内であることにより、発泡した状態で吐出された泡がさらにゆっくりと増大する効果が得られやすい。
圧縮ガスは、25℃における容器内の圧力が0.2MPa以上となるよう充填されることが好ましく、0.3MPa以上となるよう充填されることがより好ましい。また、圧縮ガスは、25℃における容器内の圧力が0.8MPa以下となるよう充填されることが好ましく、0.7MPa以下となるよう充填されることがより好ましい。圧力が上記範囲内になるよう圧縮ガスが充填されることにより、圧縮ガスが水中油型乳化原液に適度に溶解し、吐出された際には気泡が発生しやすく、発泡性組成物は、優れた発泡性を示しやすく、かつ、吐出時に飛び散りにくい。
発泡性組成物全体の説明に戻り、発泡性組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、発泡性組成物は、上記水中油型乳化原液を容器本体内に充填し、容器本体にバルブまたは蓋体(後述する発泡性組成物含有製品の実施形態を参照)を取り付けて密封し、バルブを通じて、または、容器本体と蓋体との隙間を通じて圧縮ガスを充填することにより製造し得る。圧縮ガスは容器本体内に充填された後で一部が水中油型乳化原液に飽和溶解し、平衡状態になる。
[吐出製品]
本発明の一実施形態の吐出製品(発泡性組成物含有吐出製品)は、合成樹脂製の容器本体を含む吐出容器と、容器本体に充填された上記発泡性組成物とを含む。なお、本発明の発泡性組成物含有吐出製品は、圧縮ガスにより原液を加圧して吐出することのできる構成を備えていればよく、このような構成は特に限定されない。そのため、以下の発泡性組成物含有吐出製品の実施形態は、いずれも例示である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品1の模式的な断面図である。本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1は、吐出容器2と、吐出容器2に充填された発泡性組成物とからなる。吐出容器2は、合成樹脂製であり、口部31と本体部32とを有する容器本体3と、口部31に取り付けられるバルブ4とを有する。バルブ4には、吐出部材7が取り付けられている。発泡性組成物は、容器本体3に充填されている。発泡性組成物のうち、水中油型乳化原液Cは、容器本体3内において、液相を構成する。一方、圧縮ガスは、気相を構成し、一部が水中油型乳化原液Cに溶解している。
(容器本体3)
容器本体3は、水中油型乳化原液Cおよび圧縮ガスが充填される容器である。容器本体3は、上部に開口を有する有底筒状の耐圧容器であり、口部31と本体部32とを有する。開口は、水中油型乳化原液Cを充填するための充填口であり、後述するバルブ4により密封される。
容器本体3は、合成樹脂製である。合成樹脂の種類は特に限定されない。一例を挙げると、合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン等である。これらの中でも、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1は、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル製の容器本体3に充填された場合に、特に優れた効果を奏する。すなわち、本実施形態では、内容物として、上記した(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cが充填される。(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは、ポリエステル製の容器本体3(特に口部31)に対して、浸食性があり、クラック等を生じる傾向がある。しかしながら、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、原液が水中油型となるよう乳化している。これにより、水中油型乳化原液Cは、容器本体3(特に口部31)に接触する場合であっても、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが直接、容器本体3(特に口部31)に接触することが防がれやすく、容器本体3を侵しにくい。
(バルブ4)
バルブ4は、容器本体3の口部31の開口を閉止して密封するための部材である。また、バルブ4は、ハウジング5と、容器本体3の内外を連通するステム孔6pが形成されたステム6と、ステム孔6pの周囲に取り付けられ、ステム孔6pを閉止するためのステムラバー6rとを主に備える。ハウジング5は、ステム6を収容する。ステム6は、略円筒状の部位であり、吐出時にハウジング5内に取り込まれた発泡性組成物が通過するステム内通路6qが形成されている。ステム内通路6qの下端近傍には、ハウジング5内の空間とステム内通路6qとを連通するステム孔6pが形成されている。ステム6の上端には、発泡性組成物を吐出するための吐出部材7が取り付けられる。ステムラバー6rは、ステム孔6pの周囲に取り付けられ、ハウジング5の内部空間と外部とを適宜遮断するための部材である。ステムラバー6rは、円盤状の部材であり、非吐出時において、内周面をステム6のステム孔6pが形成された外周面と密着させて、ステム孔6pを閉止する。ハウジング5の底面は、厚み方向に関する貫通孔5pが形成されている。また、ハウジング5の底面は、下方に延設された略円筒状の差込部5sが形成されている。差込部5sは、長尺のディップチューブTの一端が差し込まれる。ディップチューブTの他端は、水中油型乳化原液Cに浸されている。
(吐出部材7)
吐出部材7は、発泡性組成物を吐出するための部材であり、ステム6の上端に取り付けられる。吐出部材7は、ノズル部71と、使用者が指等により操作する操作部72とを主に備える。ノズル部71は、略円筒状の部位であり、発泡性組成物が通過する吐出通路73が形成されている。吐出通路73の先端には開口(吐出孔74)が形成されている。吐出孔74からは、発泡性組成物が吐出される。吐出孔74の数および形状は特に限定されない。吐出孔74は、複数であってもよい。また、吐出孔74の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1は、吐出部材7が押し下げられると、バルブ4のステム6が下方に押し下げられる。これにより、ステムラバー6rが下方に撓み、ステム孔6pが開放される。その結果、容器本体3内と外部とが連通する。容器本体3内と外部とが連通すると、容器本体3の気相部分に主に存在する圧縮ガスの圧力によって、水中油型乳化原液Cの液面が押圧される。これにより水中油型乳化原液Cは、ディップチューブTを介してハウジング5内に取り込まれ、次いで、ステム孔6p、ステム内通路6qを通過し、吐出部材7に送られ、その後、吐出孔74から吐出される。本実施形態の発泡性組成物は、分離しにくく、安定性が優れる。また、発泡性組成物は、液化石油ガス等の液化ガス(35℃において圧力が0.2MPaを超えるもの)を使用していないにもかかわらず、充分に発泡し得る。すなわち、圧縮ガスによって押し出された吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cに溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることによって溶解量が低下して微細な泡となる。また、吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進され、充分に発泡する。得られるフォームは、キメ細かく、塗り伸ばしやすい。
<第2の実施形態>
図2は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品1aの模式的な断面図である。本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、充填容器2aと、充填容器2aに取り付けられるバルブ4aと、充填容器2aに充填された発泡性組成物とからなる。充填容器2aは、合成樹脂製であり、口部31aと本体部32aとを有する容器本体3aと、口部31aに溶着され、容器本体3aを密封する蓋体8とを有する。蓋体8が溶着されている状態において、発泡性組成物含有吐出製品1aは、容器本体3aが密封されている。発泡性組成物のうち、水中油型乳化原液Cは、容器本体3a内において、液相を構成する。一方、圧縮ガスは、気相を構成し、一部が水中油型乳化原液Cに溶解している。以下、それぞれの構成について説明する。
(容器本体3a)
容器本体3aは、第1の実施形態に関連して上記したものと同様であり、水中油型乳化原液Cおよび圧縮ガスが充填される容器である。容器本体3aは、口部31aと本体部32aとを有する。開口は、水中油型乳化原液Cを充填するための充填口であり、後述する蓋体8が溶着されることにより、密封される。
容器本体3aは、合成樹脂製である。第1の実施形態と同様に、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、ポリエチレンテレフタレート製の容器本体3aに充填された場合に、特に優れた効果を奏する。すなわち、本実施形態では、内容物として、上記した(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cが充填される。(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは、ポリエチレンテレフタレート製の容器本体3a(特に口部31a)および後述する蓋体8に対して、浸食性があり、クラック等を生じる傾向がある。しかしながら、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、原液が水中油型となるよう乳化している。これにより、水中油型乳化原液Cは、容器本体3a(特に口部31a)および蓋体8に接触する場合であっても、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが直接、容器本体3a(特に口部31a)および蓋体8に接触することが防がれやすく、容器本体3aおよび蓋体8を侵しにくい。
(蓋体8)
蓋体8は、容器本体3aの口部31aに溶着され、容器本体3aを密封するための部材である。蓋体8は、口部31a内に挿入される有底筒状の封止部81と、封止部81の上端に連続する環状のフランジ部82とを有する。封止部81の中心には、閉鎖部83が形成されている。閉鎖部83は、後述するバルブ4aを、蓋体8を覆うように取り付けることにより、バルブ4aのハウジング5aの開封部51が当接し、次いで、突き破られて破断される部位である。閉鎖部83が破断されることにより、容器本体3aは、蓋体8による密封状態から開放され、容器本体3a内とハウジング5a内とが連通する。
封止部81の上面には、上方へ延設された同心円状の篏合筒部84が形成されている。篏合筒部84は、バルブ4aを取り付ける際に、ハウジング5aの開封部51が閉鎖部83に当接し、次いで、破断するように、下方向への摺動を補助する部位である。また、篏合筒部84と後述するハウジング5aの外周面にあるOリング6sで篏合筒部84とハウジング5aの間はシールされるので、発泡性組成物は篏合筒部84内に留まり、外部に漏れることがない。
蓋体8を容器本体3aの口部31aに取り付けた状態において、封止部81の外周面は、口部31aの内周面と接触する。これにより、容器本体3aの口部31aと蓋体8の封止部81とは、密着する。
また、フランジ部82の底面は、口部31aの上面と接しており、接触面は、溶着されている。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、バルブやポンプを備えておらず、使用する際に、使用者等によってバルブ4aが取り付けられ得る。そのため、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aそのものは、バルブに用いるステムラバー6rやゴム製のガスケットを有しない。したがって、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、たとえば、容器本体3aおよび蓋体8を、いずれも合成樹脂製(たとえばポリエチレンテレフタレート製)とすることにより、使用後に発泡性組成物がなくなった後は、容易にリサイクルすることができる。
また、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、後述するバルブ4aや吐出部材7を同梱することにより、組み立て前のセット品として販売されてもよく、組み立てた未開封の状態で販売されてもよい。また、発泡性組成物含有吐出製品1a、バルブ4aおよび吐出部材7は、それぞれ、交換用として単独で販売されてもよい。すなわち、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aのうち、容器本体3aと、容器本体3aの口部31aに溶着され容器本体3aを密封する蓋体8と、容器本体3aに充填された発泡性組成物Cとは、これら容器本体3a、蓋体8および発泡性組成物Cからなる充填容器2aとして販売されてもよい。これにより、たとえば、消費者は、充填容器2aにバルブ4aを取り付けて使用することができる。また、消費者は、充填容器2a内の発泡性組成物Cを使い終わると、バルブ4aを充填容器2aから取り外し、あらたに準備した別の充填容器2aにバルブ4aを取り付けて使用することができる。
さらに、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、バルブ4aおよび吐出部材7を取り付けるまで(バルブ4aを取り付けることにより密封状態が開放されるまで)は、充填された水中油型乳化原液Cや圧縮ガスが漏れ出さないよう密封されている。上記のとおり、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、原液が水中油型となるよう乳化している。これにより、水中油型乳化原液Cは、容器本体3a(特に口部31a)や蓋体8、さらには溶着部に接触する場合であっても、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが直接、容器本体3a(特に口部31a)や蓋体8、溶着部に接触することが防がれやすく、容器本体3aや蓋体8、溶着部を侵しにくい。
(バルブ4a)
バルブ4aは、本実施形態の密封された容器本体3aを開放し、容器本体3aから発泡性組成物を取り込むための部材である。バルブ4aは、容器本体3aの口部31aと螺合するキャップ41aと、バルブ本体42aと、バルブ本体42aをキャップ41aの内側に取り付けて、バルブ本体42aを適切な位置に位置決めするためのバルブホルダ43aとを主に備える。バルブ本体42aは、ハウジング5aと、容器本体3aの内外を連通するステム孔6pが形成されたステム6aと、ステム孔6pの周囲に取り付けられ、ステム孔6pを閉止するためのステムラバー6rとを主に備える。バルブホルダ43aは、平板状でキャップ41aの裏面に取り付けられたホルダ本体部44aと、ホルダ本体部44aの底面から下方に延設された略円筒状のバルブ保持部45aとを主に備える。ホルダ本体部44aの中心には貫通孔が形成されており、ステム6aが挿通されている。バルブ保持部45aは、ハウジング5aが挿入されて固定される。
ハウジング5aは、ステム6aを収容する略円筒状の部材である。ハウジング5aの底面には、下方向に向かって尖る略逆円錐状の開封部51が形成されている。また、ハウジング5aの底面は、ハウジング5aの厚み方向に上下に貫通する貫通孔5pが形成されている。ハウジング5aの外周面には、Oリング6sが設けられている。
ステム6aは、略円筒状の部位であり、吐出時にハウジング5a内に取り込まれた発泡性組成物が通過するステム内通路6qが形成されている。ステム内通路6qの下端近傍には、ハウジング5a内の空間とステム内通路6qとを連通するステム孔6pが形成されている。ステム6aの上端には、発泡性組成物を吐出するための吐出部材7が取り付けられる。なお、吐出部材7の構成は、第1の実施形態に関連して説明した吐出部材7(図1参照)と同様である。ステムラバー6rは、ステム孔6pの周囲に取り付けられ、ハウジング5aの内部空間と外部とを適宜遮断するための部材である。ステムラバー6rは、円盤状の部材であり、非吐出時において、内周面をステム6aのステム孔6pが形成された外周面と密着させて、ステム孔6pを閉止する。
キャップ41aの内周面には、容器本体3aの口部31aの外周面に形成されたネジ溝31gと対応するネジ溝41gが形成されている。すなわち、キャップ41aを締めることにより、バルブ4aが容器本体3aに取り付けられ、キャップ41aを緩めることにより、バルブ4aを容器本体3aから取り外すことができる。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、容器本体3aに対してバルブ4aが取り付けられた状態において、ハウジング5aの開封部51の下端の位置が、蓋体8の閉鎖部83の位置よりも下となるように、ハウジング5aおよび蓋体8の寸法および位置が調整されている。すなわち、キャップ41aを締めることにより、容器本体3aに対してバルブ4aを取り付けると、ハウジング5aの開封部51の下端は、蓋体8の閉鎖部83の上面に当接し、さらにキャップ41aを締めることにより、閉鎖部83を突き破って破断する。これにより、容器本体3aは、蓋体8による密封状態から開放される。ハウジング5aには貫通孔5pが形成されているため、ハウジング5a内と、容器本体3a内とは、連通される。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、内容物を吐出する場合、倒立状態で使用されることが好ましい。正立状態から倒立状態に変位されると、開封部51、蓋体8および容器本体3aの口部31aの周囲に水中油型乳化原液Cが移動し、容器本体3aの底面側に圧縮ガスが移動する。このような倒立状態で、吐出部材7がさらに押し下げられると、ステム6aが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバー6rが下方に撓み、ステム孔6pが開放される。その結果、容器本体3a内と外部とが連通する。容器本体3a内と外部とが連通すると、容器本体3aの気相部分に主に存在する圧縮ガスの圧力によって、水中油型乳化原液Cの液面が押圧される。これにより水中油型乳化原液Cは、開封部51の貫通孔5pを介してハウジング5a内に取り込まれ、次いで、ステム孔6p、ステム内通路6qを通過し、吐出部材7に送られ、その後、吐出孔74から吐出される。なお、Oリング6sを設けた位置のハウジング5aの外径は、篏合筒部84の内径よりも、いくらか小さい。そのため、ハウジング5aと篏合筒部84との間隙は、Oリング6sにより適度に密着する。その結果、閉鎖部83が破断されて容器本体3aから取り込まれる水中油型乳化原液Cは、篏合筒部84の周囲から外部に漏れだすことが防がれ、ハウジング5aの貫通孔5pを適切に通過する。
以上、本実施形態によれば、発泡性組成物含有吐出製品1aは、内容物である発泡性組成物が分離しにくい。すなわち、発泡性組成物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とが安定に乳化した水中油型乳化原液Cを含む。そのため、発泡性組成物含有吐出製品1aは、発泡性組成物が長期間にわたって分離せず安定であるため、使用前に振とう等を行う手間が軽減され、また、長期の保管等によって品質が保持されやすい。さらに、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、内容物である発泡性組成物は、合成樹脂製の容器本体3aの口部31aや蓋体8、溶着部を劣化させにくく、長期間、安定である。そのため、発泡性組成物含有吐出製品1aは、最初から最後まで、発泡性組成物を安定的に吐出し得る。そして、発泡性組成物は、液化石油ガス等の液化ガス(35℃において圧力が0.2MPaを超えるもの)を使用していないにもかかわらず、充分に発泡し得る。すなわち、圧縮ガスによって押し出された吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cに溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることによって溶解量が低下して微細な泡となる。また、吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進され、充分に発泡する。得られるフォームは、キメ細かく、塗り伸ばしやすい。
なお、本実施形態では、発泡性組成物含有吐出製品1aが倒立状態で使用される場合について例示した。これに代えて、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、正立状態で使用されてもよい。すなわち、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1aは、たとえば蓋体8の下部にディップチューブを設け、ディップチューブの先端を、容器本体3a内の水中油型乳化原液Cの液内に開口させることにより、正立状態において水中油型乳化原液Cを取り込み、吐出することができる。
<第3の実施形態>
図3は、本発明の一実施形態(第3の実施形態)の発泡性組成物含有吐出製品1bの模式的な断面図である。本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、充填容器2bと、充填容器2bに取り付けられるバルブ4bと、充填容器2bに充填された発泡性組成物とからなる。充填容器2bは、合成樹脂製の容器本体3bを含む。容器本体3bは、外部容器91と、外部容器91に収容された内部容器92とを有する。発泡性組成物の水中油型乳化原液Cは、内部容器92に充填される。一方、圧縮ガスは、外部容器91と内部容器92との間の空間に充填される。外部容器91は、第1口部91aと第1本体部91bとを有し、内部容器92は、第2口部92aと第2本体部92bとを有する。充填容器2bは、蓋体8を有する。蓋体8は、第1口部91aおよび第2口部92aに溶着され、外部容器91と内部容器92を密封する。蓋体8が溶着されている状態において、発泡性組成物含有吐出製品1bは、容器本体3bが密封されている。このような発泡性組成物含有吐出製品1bは、蓋体8を覆うように、バルブ4bを第1口部91aおよび第2口部92aに取り付けることにより、蓋体の閉鎖部83を破断することができる。これにより、水中油型乳化原液Cが充填されている内部容器92を、蓋体8による密封状態から開放することができる。以下、それぞれの構成について説明する。なお、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、容器本体3bが外部容器91と内部容器92とからなる二重容器であり、それぞれの口部を密封するように蓋体8が設けられている以外は、上記した第2の実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1a(図2参照)と同様である。そのため、以下の説明では、重複する構成については説明が適宜省略される。
(容器本体3b)
容器本体3bは、水中油型乳化原液Cおよび圧縮ガスが充填される容器である。本実施形態の容器本体3bは、外部容器91と、外部容器91に収容された可撓性の内部容器92とを有する。
外部容器91は、合成樹脂製であり、第1口部91aと、第1本体部91bとを有する。外部容器91は、第1口部91aの外周には、ネジ溝31gが形成されている。第1口部91aおよび第1本体部91bの構成は、第2の実施形態に関連して上記した容器本体3(図2参照)と同様である。
内部容器92は、合成樹脂製であり、第2口部92aと、第2本体部92bとを有する。内部容器92は可撓性を有する合成樹脂製であればよく、外部容器91と同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。内部容器92は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エバール、ナイロンなどの合成樹脂からプリフォームを成形し、外部容器91のプリフォームと一緒にブロー成形することにより製造される。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、内部容器92に水中油型乳化原液Cが充填され、外部容器91と内部容器92との間の空間に、圧縮ガスが充填される。また、外部容器91の第1口部91aおよび内部容器92の第2口部92aは、後述する蓋体8が溶着されており、外部容器91および内部容器92が密封されている。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、ポリエチレンテレフタレート製の容器本体3bに充填された場合に、特に優れた効果を奏する。すなわち、本実施形態では、内容物として、上記した(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cが内部容器92内に充填される。(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンは、ポリエチレンテレフタレート製の容器本体3b(特に内部容器92の第2口部92a)、後述する蓋体8およびこれらの溶着部に対して、浸食性があり、クラック等を生じる傾向がある。しかしながら、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、原液が水中油型となるよう乳化している。これにより、水中油型乳化原液Cは、容器本体3b(特に内部容器92の第2口部92a)、蓋体8およびこれらの溶着部に接触する場合であっても、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが直接、容器本体3b(特に内部容器92の第2口部92a)、蓋体8およびこれらの溶着部に接触することが防がれやすく、容器本体3b、蓋体8、溶着部を侵しにくい。
(蓋体8)
蓋体8は、外部容器91の第1口部91aおよび内部容器92の第2口部92aに溶着され、外部容器91および内部容器92を密封するための部材である。蓋体8は、内部容器92の第2口部92a内に挿入される有底筒状の封止部81と、封止部81の上端に連続する環状のフランジ部82とを有する。封止部81の中心には、閉鎖部83が形成されている。閉鎖部83は、後述するバルブ4bを、蓋体8を覆うように取り付けることにより、バルブ4bのハウジング5bの開封部51が当接し、次いで、突き破られて破断される部位である。閉鎖部83が破断されることにより、内部容器92は、蓋体8による密封状態から開放され、内部容器92内とハウジング5b内とが連通する。
蓋体8を内部容器92の第2口部92aに取り付けた状態において、封止部81の外周面は、第2口部92aの内周面と接触する。これにより、第2口部92aと蓋体8の封止部81とは、密着する。
また、フランジ部82の底面は、外部容器91の第1口部91aの上面および内部容器92の第2口部92aの上面と接しており、接触面は、溶着されている。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、バルブやポンプを備えておらず、使用する際に、使用者等によってバルブ4bが取り付けられ得る。そのため、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bそのものは、バルブ4bに用いるステムラバー6rやゴム製のガスケットを有しない。したがって、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、たとえば、容器本体3bおよび蓋体8を、いずれも合成樹脂製(たとえばポリエチレンテレフタレート製)とすることにより、使用後に発泡性組成物がなくなった後は、容易にリサイクルすることができる。
また、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、バルブ4bおよび吐出部材7を取り付けるまで(バルブ4bを取り付けることにより密封状態が開放されるまで)は、充填された水中油型乳化原液Cや圧縮ガスが漏れ出さないよう密封されている。上記のとおり、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、原液が水中油型となるよう乳化している。これにより、水中油型乳化原液Cは、容器本体3b(特に内部容器92の第2口部92a)、蓋体8、溶着部に接触する場合であっても、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンが直接、容器本体3b(特に内部容器92の第2口部92a)、蓋体8、溶着部に接触することが防がれやすく、容器本体3bを侵しにくい。
(バルブ4b)
バルブ4bは、本実施形態の密封された容器本体3bを開放し、内部容器92から発泡性組成物を取り込むための部材である。本実施形態のバルブ4bは、キャップ41bが外部容器91の第1口部91aと螺合する点以外は、第2の実施形態に関連して上記したバルブ4a(図2参照)と同様の構成である。
本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、キャップ41bを締めることにより、容器本体3bに対してバルブ4bを取り付けると、ハウジング5bの開封部51の下端が、蓋体8の閉鎖部83の上面に当接し、さらにキャップ41bを締めることにより、閉鎖部83を突き破って破断する。これにより、内部容器92は、蓋体8による密封状態から開放される。ハウジング5bには貫通孔5pが形成されているため、ハウジング5b内と、内部容器92内とは、連通される。この状態で、吐出部材7が押し下げられると、ステム6bが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバー6rが下方に撓み、ステム孔6pが開放される。その結果、内部容器92内と外部とが連通する。内部容器92内と外部とが連通すると、外部容器91と内部容器92との間の空間に充填された圧縮ガスが膨張し、可撓性の内部容器92が絞られよう押圧される。これにより内部容器92内の水中油型乳化原液Cは、開封部51の貫通孔5pを介してハウジング5b内に取り込まれ、次いで、ステム孔6p、ステム内通路6qを通過し、吐出部材7に送られ、その後、吐出孔74から吐出される。
なお、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、水中油型乳化原液Cを、内部容器92内に液密状態で充填し得る。そのため、発泡性組成物含有吐出製品1bは、向き(たとえば正立状態、倒立状態等)によらず、内部容器92内の水中油型乳化原液Cを吐出し得る。
以上、本実施形態によれば、発泡性組成物含有吐出製品1bは、内容物である発泡性組成物が分離しにくい。すなわち、発泡性組成物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とが安定に乳化した水中油型乳化原液Cを含む。そのため、発泡性組成物含有吐出製品1bは、内部容器92内に発泡性組成物を液密状態で充填する場合であっても、分離しにくいため、使用前に振とう等を行う手間が軽減される。また、発泡性組成物が長期間にわたって分離せず安定であるため、発泡性組成物含有製品1bは、長期の保管等によって品質が保持されやすい。さらに、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、内容物である発泡性組成物が、合成樹脂製の容器本体3bの口部、蓋部、溶着部を劣化させにくく、長期間、安定である。そのため、発泡性組成物含有吐出製品1bは、最初から最後まで、発泡性組成物を安定的に吐出し得る。そして、発泡性組成物は、液化石油ガス等の液化ガス(35℃において圧力が0.2MPaを超えるもの)を使用していないにもかかわらず、充分に発泡し得る。すなわち、圧縮ガスによって押し出された吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンを含む水中油型乳化原液Cに溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることによって溶解量が低下して微細な泡となる。また、吐出物は、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの気化が促進され、充分に発泡する。得られるフォームは、キメ細かく、塗り伸ばしやすい。
また、本実施形態の発泡性組成物含有吐出製品1bは、第2の実施形態として上記した発泡性組成物含有吐出製品1a(図2参照)と同様に、充填容器2bとバルブ4bとが別々に用意された組み立て前のセット品として販売されてもよく、組み立てた未開封の状態で販売されてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
以下の処方(単位:質量%)に従って、ハイドロフルオロオレフィン((Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン、HCFO-1224yd(Z))を含まない基材1を調製し、61.9g(70.0mL)の基材1と、38.1g(30.0mL)の(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンとを混合して水中油型乳化原液Cを調製した。図3に示す内部容器92に水中油型乳化原液Cを充填し、内部容器92の第2口部92aに蓋体8を嵌合させた。次いで、外部容器91と内部容器92との間の空間に窒素ガスを充填し、蓋体8のフランジ部82の底面を第1口部91aと第2口部92aの上面に超音波溶着により溶着して外部容器91と内部容器91とを密封し、充填容器2bを製造した。
<基材1>
ミリスチン酸(*1) 4.0
セタノール(*2) 1.0
POE-60水添ヒマシ油(*3) 1.0
PEG-20ソルビタンココエート(*4) 1.0
ジメチコン(*5) 2.0
メチルパラベン(*6) 0.1
トリエタノールアミン(*7) 1.3
ゼラチン(*8) 2.0
精製水 87.6
合計 100.0(質量%)
*1:ルナックMY-98(商品名)、花王(株)製
*2:セタノール(商品名)、高級アルコール工業(株)製
*3:NIKKOL HCO-60(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*4:NIKKOL TL-10(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*5:SH200C 500cSt(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製
*6:メッキンスM(商品名)、上野製薬(株)製
*7:トリエタノールアミン-S(商品名)、(株)日本触媒製
*8:APH-100(商品名)、新田ゼラチン(株)製
(実施例2)
基材1の充填量を79.7g(85.0mL)、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの充填量を20.3g(15.0mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、図3に示す充填容器2bに充填した。
(実施例3)
基材1の充填量を56.3g(65.0mL)、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンの充填量を43.7g(35.0mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、図3に示す充填容器2bに充填した。
(実施例4)
図2に示す容器本体3aに、実施例1と同様の水中油型乳化原液Cを充填し、口部31aに蓋体8を嵌合させた。次いで、容器本体3aの口部31aと蓋体8との隙間から容器本体3a内に窒素ガスを充填し、蓋体8のフランジ部82の底面を口部31aの上面に超音波溶着により溶着して容器本体3aを密封し、充填容器2aを製造した。
(実施例5)
図1に示す容器本体3に、実施例1と同様の水中油型乳化原液Cを充填し、口部31にバルブ4を固着させた。バルブのステム6から容器内の圧力が0.4MPa(25℃)になるように窒素ガスを充填し、実施例5の吐出容器2を製造した。
(比較例1)
基材1の充填量を63.6g(70.0mL)に変更し、ハイドロフルオロオレフィンを、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン(HCFO-1224yd(Z))から1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))に変更し、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの充填量を36.4g(30.0mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、図3に示す充填容器2bに充填した。
(比較例2)
基材1の充填量を79.3g(70.0mL)に変更し、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン(HCFO-1224yd(Z))をノルマルブタンに変更し、ノルマルブタンの充填量を20.7g(30.0mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、図3に示す充填容器2bに充填した。
(比較例3)
基材1の充填量を78.2g(70.0mL)に変更し、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン(HCFO-1224yd(Z))をイソペンタンに変更し、イソペンタンの充填量を21.8g(30.0mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、図3に示す充填容器2bに充填した。
(比較例4)
以下の処方(単位:質量%)に従って、ハイドロフルオロオレフィン((Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン、HCFO-1224yd(Z))を含まない基材2を調製し、38.2g(46.0mL)の基材2と、61.8g(54.0mL)の(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンとを混合して油中水型乳化原液1を調製した。実施例1と同様の方法により、油中水型乳化原液と窒素ガスを図3に示す充填容器2bに充填した。
<基材2>
オレイン酸ポリグリセリル(*9) 1.0
ホホバ種子油(*10) 0.7
ジメチコン(*11) 10.0
PEG-12ジメチコン(*12) 3.3
ジプロピレングリコール(*13) 1.0
メチルパラベン(*6) 0.1
精製水 83.9
合計 100.0(質量%)
*9:NIKKOL DMGO-CV(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*10:精製ホホバ油(商品名)、香栄興業(株)製
*11:SH200C 20cSt(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製
*12:SH3775M(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製
*13:DPG-S(商品名)、昭和電工(株)製
Figure 2022180104000002
実施例1~5および比較例1~4において調製した発泡性組成物含有吐出製品を用いて、以下の評価方法により、容器安定性、外観、発泡状態を評価した。結果を表1に示す。
<容器安定性>
充填容器を40℃の恒温室内で1ヶ月間保存し、クラックの有無を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:充填容器は、容器本体、蓋体、溶着部のいずれにもクラックを生じなかった。
△:充填容器は、溶着部に微細なクラックを生じたが問題ない程度であった。
×:充填容器は、溶着部にクラックを生じた。
<外観>
容器安定性で評価した充填容器における、発泡性組成物の外観を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
○:発泡性組成物は、均一であった。
×:発泡性組成物は、分離した。
<発泡の状態>
外観評価で使用した充填容器にバルブを取り付けて蓋体の閉鎖部を開封し、吐出製品とした。この吐出製品を25℃または40℃に調整した恒温水槽中に1時間浸漬し、それぞれ25℃または40℃の水中で吐出し、表面に浮き上がった発泡性組成物の発泡状態を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:発泡性組成物は、立体的な泡を形成し、発泡状態が長く維持された。
○:発泡性組成物は、立体的な泡を形成したが、発泡状態が長く維持されず、消泡した。
△:発泡性組成物は、立体的な泡を形成せず、液体状であった。
×:発泡性組成物は、泡を形成せず、油剤が浮かんだ。
表1に示されるように、実施例1~4の充填容器は容器本体、蓋体、溶着部のいずれにもクラックを生じず、実施例5の吐出容器は容器本体にクラックを生じなかった。一方、油中水型になった比較例4は、溶着部にクラックを生じた。また、実施例1~5の発泡性組成物は、均一な外観であり、40℃、25℃の発泡の状態は立体的な泡を形成できた。一方、比較例1~3の発泡性組成物は分離が確認され、充填容器を上下に振っても内部容器内に液密状態に充填されているため、混合できなかった。そのため、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンに代えて、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを用いた比較例1の発泡性組成物含有製品は、吐出物は、25℃では立体的な泡を形成したが、40℃では立体的な泡を形成できず、液体状のままであった。また、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンに代えて、ノルマルブタンを用いた比較例2の発泡性組成物含有製品は、吐出物は、40℃の水中では立体的な泡を形成せず、液体状のままであった。さらに、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンに代えて、イソペンタンを用いた比較例3の発泡性組成物含有製品は、吐出物は、25℃の水中では立体的な泡を形成せず、液体状のままであった。また、水中油型乳化原液に代えて油中水型乳化原液を用いた比較例4の発泡性組成物含有製品は、吐出物は、発泡せず、油剤が水面に浮かんだ。
1、1a、1b 発泡性組成物含有吐出製品
2 吐出容器
2a、2b 充填容器
3、3a、3b 容器本体
31 口部
31a 口部
31g ネジ溝
32、32a 本体部
4、4a、4b バルブ
41a、41b キャップ
41g ネジ溝
42a バルブ本体
43a バルブホルダ
44a ホルダ本体部
45a バルブ保持部
5、5a、5b ハウジング
5p 貫通孔
5s 差込部
51 開封部
6、6a、6b ステム
6p ステム孔
6q ステム内通路
6r ステムラバー
6s Oリング
7 吐出部材
71 ノズル部
72 操作部
73 吐出通路
74 吐出孔
8 蓋体
81 封止部
82 フランジ部
83 閉鎖部
84 篏合筒部
91 外部容器
91a 第1口部
91b 第1本体部
92 内部容器
92a 第2口部
92b 第2本体部
C 水中油型乳化原液
T ディップチューブ

Claims (5)

  1. (Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィンと水と界面活性剤とを含む水中油型乳化原液と、圧縮ガスとを含む、発泡性組成物。
  2. 合成樹脂製の容器本体と、前記容器本体の口部に溶着され容器本体を密封する蓋体と、前記容器本体に充填された請求項1記載の発泡性組成物とを含む、充填容器。
  3. 前記容器本体は、外部容器と内部容器とを有し、
    前記水中油型乳化原液は、前記内部容器に充填され、
    前記圧縮ガスは、前記外部容器と前記内部容器との間の空間に充填され、
    前記蓋体は、前記外部容器の第1口部および前記内部容器の第2口部に溶着され、前記外部容器および前記内部容器を密封する、請求項2記載の充填容器。
  4. 請求項2または3記載の充填容器と、前記充填容器に取り付けられ、前記蓋体を開封するバルブとを有する、吐出製品。
  5. 合成樹脂製の容器本体と、前記容器本体の口部に取り付けられるバルブと、前記容器本体に充填される請求項1記載の発泡性組成物とを含む、吐出製品。
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