JP2018108699A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本物の素材を模して表面に凹凸を設けた化粧シートであって、本物と同様の手触り感を有する化粧シートを提供する。
【解決手段】少なくとも絵柄印刷層33と艶調整層35とを有し、且つ少なくとも一部に凹凸構造36を有する化粧シート3であって、その表面が、自動化表面試験機(KES−SE)によるMIU(摩擦係数)が、0.09〜0.14であり、且つMMD(摩擦係数の変動)が、0.010〜0.025である、化粧シート。
【選択図】図3

Description

本発明は、建築物の内装、外装、家具、建具、車輌の内装等の表面に用い、表面に凹凸の手触り感を与える化粧シートならびに化粧板に関する。
従来、化粧シートは、安価で加工性に優れた建材として、上述のような建築物の内装、外装、家具、建具、車輌の内装などといった、様々な用途に使用されている。
用途に応じた機能性を付与した例として、例えば、特許文献1に見られるような遮熱性を付与した化粧シートなども提案されている。
一方で、木目板やタイルなどの本物の素材に似せた化粧シートとして、凹凸形状を設けた化粧シートなども提案されている。
凹凸の手触り感のある化粧シートとしては、例えば特許文献2に見られるようなエンボスにより凹部を設けたものや、特許文献3に見られるような盛上げ印刷により凸部を設けたものなどのように、物理的に凹凸を設けたものが提案されている。
しかし、これらの化粧シートは、外観的な印象から本物の素材に似たものとしているもので、実際に触れてみると、凹凸は設けられてあるものの、本物の素材とは手触り感が異なり、人工的な化粧シートであると判別しやすいものであった。
特開2013−083541号公報 特許第4690071号公報 特開2008−087158号公報
本発明は、上記のような点に着目したもので、本物の素材を模して表面に凹凸を設けた化粧シートであって、本物と同様の手触り感を有する化粧シートを提供しようとするものである。
上記課題を解決するための第一の発明は、少なくとも絵柄印刷層と、艶調整層とを有し、且つ少なくとも一部に凹凸構造を有する化粧シートであって、前記化粧シートの表面が、自動化表面試験機(KES−SE)によるMIU(摩擦係数)が0.11〜0.15であり、且つMMD(摩擦係数の変動)が0.010〜0.035であることを特徴とする化粧シートである。
次に、第二発明は、前記化粧シートが、少なくとも絵柄印刷層と、艶調整層と、表面に前記絵柄印刷と同調した電離放射線硬化型樹脂からなる凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
次に、第三の発明は、前記化粧シートが、少なくとも絵柄印刷層と、透明熱可塑性樹脂層と、艶調整層と、を有し、少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にエンボス凹部が形成さ
れてなることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
次に、第四の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の化粧シートと、前記化粧シートが少なくとも一方の面に張り合わされた支持体と、を備えたことを特徴とする化粧板である。
本発明の化粧シートを用いることにより、天然の木質材に手触り感が非常に近い、化粧シートならびに化粧板を得ることができる。
本発明の実施形態に係わる化粧板の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係わる凸部を有する化粧シートの例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係わるエンボス化粧シートの例を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る化粧板の構成例を示す断面図である。
化粧板1は、支持体15の片面に、基材シート11、絵柄印刷層12、艶調整層13からなる化粧シート14を貼りあわせた構造となっており、化粧シート14の表面には、凹凸構造が形成されている。
本発明の化粧シート14は、その表面が、自動化表面試験機(KES−SE)によるMIU(摩擦係数)が0.11〜0.15であり、MMD(摩擦係数の変動)が0.010〜0.035であることが重要である。
自動化表面試験機(KES−SE)は、KES(KAWABATA EVALUATION SYSTEM)に基づき、物の風合いを計測しようとするもので、摩擦力検出部、摩擦子ホルダー、摩擦子から構成されており、摩擦子は指先を模した設計とすることで、人間の指先に近い感覚を数値化することができる。
この摩擦子が、試料である化粧シートに接した状態で、前記化粧シートを設置した試料台が一定のスピードで動いた時に要した摩擦力Fを利用して、滑りやすさやざらつき感を評価することができる。
摩擦力Fと、化粧シートと摩擦子の接触面にかかる垂直荷重Nとの比を摩擦係数μとし、摩擦係数の平均値(MIU値)を滑りやすさと考えることができ、MIU値の数値が大きい場合には「しっとり」感を、また数値が小さい場合には「さらさら」感といったそれぞれの印象を人に与えると考えることができる。
また、摩擦係数の平均値偏差から平均摩擦係数の変動(MMD値)を算出することにより、ざらつき感とすることができ、MMD値の数値が大きい場合には「ざらつき」感を、
そして数値が小さい場合には「なめらか」感といったそれぞれの印象を人に与えると考えることができる。
一般に、実際の木質には、凹凸の大きさや、傾き、繰り返しパターンなどが、それぞれ複雑な組み合わせとなっており、同じものはほぼ無いと言える。
しかしながら、木の種類によって、その風合いはほぼ一定の範囲内に、収まっていると言うことができる。
本発明の化粧シートは、主に天然のオーク材を模した化粧シートを提供しようとするものであり、前記MIU値ならびにMMD値を上述の範囲の値とすることで、本物の木質感を人に与えることのできる化粧シートを提供することができる。
次に、本発明の化粧シートの構成例について、図を参照しながら、より詳細に説明する。
(電離放射線硬化型樹脂からなる凸部を有する化粧シート)
図2は、電離放射線硬化型樹脂からなる凸部、即ち凸部25を有する化粧シートの構成例を示す断面図である。
図2に示す構成例では、着色基材シート21の上に絵柄印刷層23、艶調整層24、電離放射線硬化型樹脂からなる凸部25が設けられ、着色基材シート21の反対側の面には、プライマー層22が設けられている。
また、凸部を有する化粧シート2の艶調整層24の表面には、適宜透明耐汚染樹脂層が設けられてあっても良い。
凸部を有する化粧シート2用の着色基材シート21は、化粧シートとしての加工適性を有するものであれば、従来公知のものを使用することが可能であるが、塩化ビニル樹脂を使用しないものとして、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シートなどを用いることが好ましい。
着色基材シート21には、必ずしも基材シートそのものを着色してある必要はないが、必要に応じて、従来公知の着色色素をはじめ、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加剤を常法に従って添加することができる。
着色基材シート21の厚みは、用途などによっても異なるが、50μm〜100μm程度が好ましいと言える。
凸部を有する化粧シート2用の絵柄印刷層23は、化粧シートに絵柄による意匠性を付与するために設けられるものである。
絵柄印刷層23は、染料または顔料等の着色色素を適当なバインダー樹脂と共に、適当な希釈溶媒中に溶解または分散してなる印刷インキまたは塗料等を使用して、例えばグラビア印刷法またはオフセット印刷法等の各種公知印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法、グラビアリバースコート法、ダイコート法等の各種塗工法などによって形成することができる。
バインダー樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリイミド系樹脂、硝化綿などの各種樹脂類またはこれらの混合物などを
例示することができるが、これらに限定されるものではない。
印刷される絵柄の種類は、特に限定されるものではなく、所望の絵柄を任意に設けることが可能であり、単色無地であっても何ら問題ない。
また、場合によって、凸部を有する化粧シート2の隠蔽性を向上させるために、絵柄印刷層23の裏面側に、酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキまたは塗料による隠蔽層が設けられてあっても良い。
艶調整層24は、表面の光沢を調整、耐久性を付与するためのものであり、バインダー樹脂に、所望の艶に応じて、艶調整剤(マット剤あるいは艶消剤とも呼称される)を添加あるいは無添加とした組成物を塗工することにより形成される。表面を特に高光沢としたい場合には、艶調整剤を無添加とすることができる。
バインダー樹脂としては、各種樹脂類との接着の汎用性、化粧シートを後加工する際の変形追従性、及び耐擦傷性などの要求を充たす樹脂類であれば、いずれも使用することができるが、2液硬化型ウレタン樹脂や電離放射線硬化型樹脂、またはその複合物などが好適に用いられる。
また、艶調整剤としては、シリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミナシリケート等の無機物、あるいはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂等の有機物の微粒子などを挙げることができる。
艶調整剤の平均粒径は、1〜10μm程度が好ましく、添加量は所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は最大で30質量%程度である。
バインダー樹脂として、2液硬化型ウレタン樹脂を用いる場合には、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂が好適である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。
多価イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレジンイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(あるいは脂環式)イソシアネートが用いられる。
また、このような各種イソシアネートの付加体または多量体を用いることができる。付加体または多量体としては、例えば、トリレジンイソシアネートの付加体、トリレジンイソシアネート3量体(trimer)等がある。
尚、上記イソシアネートにおいて脂肪族(あるいは脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましいと言える。具体的には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどが使用できる。
また、艶調整層24のバインダー樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合には、紫外線や電子線などによって硬化可能な樹脂を例示することができ、具体的には、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、アクリルアクリレート系などから適宜選択して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
電離放射線硬化型樹脂からなる凸部25を形成する電離放射線硬化型樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、即ち、紫外線または電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、電離放射線または紫外線硬化性樹脂として慣用されている公知の重合性モノマー、重合性オリゴマー及びプレポリマーの中から適宜選択することができる。
より具体的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであれば良く、特に制限はない。
具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で用いられるものであっても良いし、2種以上が組み合わせて用いられるものであっても良い。
更には、上述の多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本実施形態の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。
単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーであれば良く、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。
更に、重合性オリゴマーとしては、ポリグタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基を持つ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合を持つシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基を持つアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
また、電離放射線硬化型樹脂には、粒状粒子や反応型シリコーン樹脂などを添加することができる。
粒子としては、樹脂等の有機系、ガラスやシリカ等の無機系の粒子を用いることができる。
反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコーン骨格を持った材料、剥離剤等に使用されるシリコーンオイル、などが挙げられるが、特には耐汚染性の点から側鎖にシリコーン骨格を持った紫外線硬化型アクリレート樹脂が好適である。
更に、凸部25には、所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、耐候性改良剤、耐磨耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色色素等が使用される。
また、凸部25の上面視形状は、特に限定されず、丸、四角形、6角形などが規則的に並んだような定型の形状でも、不定型な絵柄であっても良いが、凸部25を絵柄印刷層23と同調させることにより、絵柄のリアル感を得ることができる。
上述のような電離放射線硬化型樹脂からなる凸部25は、高さが30μm〜100μm程度であることが望ましい。
また、艶調整層24の表面に耐汚染層を設ける場合には、用いる材料としては、特に限定しないが、ブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
凸部を有する化粧シート2の裏面側には、プライマー層22が設けられている。
プライマー層22としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの混合物等を使用することができる。
更に、ポリオールとイソシアネートによる2液タイプにすることで、シートとプライマーの密着性およびプライマー自体の凝集力を向上することができる。ポリオールとしてはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
また、イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネートといった芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートといった脂肪族系が挙げられる。反応性の早さの点、耐熱性の点で芳香族系が好ましい。
プライマー層22の厚みは1μm以上が好ましい。1μm未満となると、化粧板用支持体との接着の際に、接着剤の溶剤種によっては溶解してしまい、プライマー層が消失することから密着性が向上しない。
更に、プライマー層には、シリカなどのフィラー類を添加してあることが望ましく、シリカとしては、粒径1〜4μm、細孔容積は0.4〜2.0ml/gであれば、接着剤の吸収が良くかつプライマーの凝集力に影響しない。
(エンボス化粧シート)
図3に示すように、本実施形態に係るエンボス化粧シート3は、エンボス化粧シート3用の着色基材シート31上に、絵柄印刷層33、透明熱可塑性樹脂層34がこの順に積層されて形成されている。また、少なくとも透明熱可塑性樹脂層34に、表面の艶の調整と立体感の付与とを行うために、エンボス凹部が形成されている。更に、艶調整層35が積層される。
エンボス凹部を形成するためのエンボス加工は、透明熱可塑性樹脂層34に直接施されても良く、あるいは艶調整層35が積層された後に、施されてあっても良い。
更に、着色基材シート31の少なくとも裏面側には表面活性化処理が施されており、該表面活性化処理された面にプライマー層32を設けてある。エンボス凹部を有する化粧シート3の厚さは、耐候性能、及び折り曲げ加工による白化の抑制等を考慮すると、50μm以上200μm以下が好ましい。
エンボス化粧シート3用の着色基材シート31は、熱可塑性樹脂を含んでなる基材シートである。熱可塑性樹脂としては、種々の樹脂を用いることができる。但し、塩化ビニル樹脂を除く樹脂としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。特に、無公害性、価格、性能及び着色の容易さ等を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。より具体的には、結晶性ポリオレフィン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーによれば、ハードセグメントと言われているオレフィン系樹脂の中にソフトセグメントとして水素添加ブタジエン等のゴムが含まれているため、従来のポリオレフィン系樹脂に無い柔軟性を得ることができる。さらに、無公害性、価格性、顔料添加による着色の容易性でも優れたものを得ることができる。
なお、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系樹脂の他にスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等があるが、スチレン系樹脂は構造からくる着色の困難さ、ウレタン系樹脂は耐候性の悪さ、ポリエステル系樹脂はフィルムの硬さからくる加工性の悪さから、着色基材シート31として用いる樹脂としては適さない。
上記以外では、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ABS、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ポリ乳酸、紙等も用いてもよく、また、これらを組み合わせて用いてもよい。
上述の着色基材シート31は、先に記述したように、少なくとも片面(裏面)側には、プライマー層を設ける際の、表面活性化処理が施されることが望ましい。
表面活性化処理の例としては、コロナ放電処理、フレーム処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザ処理、オゾン酸処理、機械的処理などの各種処理方法を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、着色基材シート31は、必ずしも基材シートそのものを着色する必要はなく、着色層が設けられてあっても良いが、基材シートそのものを着色する場合には、着色方法としては、顔料を分散助剤や界面活性剤で処理した微粉末状の着色剤を使用するドライカラー法、樹脂と高濃度の顔料とを溶融混連して予備分散したマスターバッチペレットを作製し、押出しホッパー内で着色のされていない通常の樹脂とドライブレンドするマスターバッチ法等を用いることができ、特に限定されるものではない。
顔料の種類も、特に限定されるものではないが、耐候性、耐熱性等を考慮すると、酸化チタン、群青、カドミウム顔料、酸化鉄等の無機顔料が望ましい。また、有機顔料でも、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等は使用することができる。顔料の色や配合比率は、隠蔽の度合いや意匠性等を鑑みて、任意に決められるものであり、特に限定されるものではない。
また、エンボス化粧シート3用の着色基材シート31の厚さは、汎用的に用いられることを考慮すると、10μm以上100μm以下が好ましい。
エンボス化粧シート3用の絵柄印刷層33は、着色基材シート2上に印刷により形成され、意匠性を付与するための絵柄を付加する層である。
絵柄印刷層33の絵柄や用いるインキ、印刷方法等については、凸部を有する化粧シート2で述べた絵柄印刷層23と同様に、いずれも採用することが可能である。
透明熱可塑性樹脂層34は、必ずしも単一の層によって形成されている必要はなく、複数層からなるシート状の層であっても良い。透明熱可塑性樹脂層は、絵柄印刷層33の絵柄が透けて見える、透明な熱可塑性樹脂から形成される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、環境面を考慮すると、塩化ビニル樹脂以外の種々の樹脂が可能である。透明熱可塑性樹脂層34を複数の層から構成する場合には、各層の樹脂の組み合わせは、目的とする特性により、様々な組合せが可能である。層の数としては、4層以上も可能だが、押出し機の構造が複雑化し、作業の煩雑さが大きくなるため、3層までが好ましい。
透明熱可塑性樹脂層34に用いられる樹脂の具体的な例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン12、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、変性アクリル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリウレタンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
尚、透明熱可塑性樹脂層34を構成する樹脂としては、樹脂価格や溶融時の流動性、各種耐性などを考慮して、ポリエチレン類やポリプロピレン類などを特に好ましく用いることができる。
また、透明熱可塑性樹脂層34には、紫外線吸収剤と光安定剤のいずれか、あるいはその複合を添加することができる。
透明熱可塑性樹脂層34に添加する紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系等から適宜選定することができる。
また、透明熱可塑性樹脂層34に添加する光安定剤には、アミン型、あるいはアミノエーテル型等から適宜選定することができる。
上記以外では、例えば、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]−プロピオネート、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等やこれらの混合物、つまり、1種、または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。
また、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等を用いることができる。
さらに、ブロッキング防止剤としては、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミド等の有機系ブロッキング防止剤等を用いることができる。また、透明熱可塑性樹脂層34の厚さは、10μm以上100μm以下が好適であると言える。
また、前記絵柄印刷層33と透明熱可塑性樹脂層34との間に、接着層ほかの機能層が設けられてあっても良い。
接着剤層は、絵柄印刷層33と透明熱可塑性樹脂層34とを接着する接着剤を含んでなる層である。接着剤としては、絵柄印刷層33を構成する印刷インキと透明熱可塑性樹脂層34を構成する樹脂との組み合わせに応じて、ウレタン系、アクリル系、及びポリエステル系等の各種樹脂から適宜選択することができる。
エンボス凹部を有する化粧シート3の艶調整層35としては、表面の保護や艶の調整としての役割を果たす樹脂組成物であれば、いずれも用いることができるが、中でも熱硬化型樹脂あるいは電離放射線硬化型樹脂、またはその複合物からなることが望ましい。
そのような樹脂組成物の具体例としては、ポリウレタン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、尿素系樹脂、ビニル基を有するモノマーやオリゴマーなど
を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、樹脂組成物の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。
更には、樹脂組成物の硬化法についても、一液タイプ、二液タイプ、紫外線硬化法や電子線硬化法など適宜選択して用いることができる。
中でも、イソシアネートを用いた熱硬化型のものは、作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好ましいと言える。
イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イロホロジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選定して用いることができる。
艶調整層35には、艶調整剤として、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等を適宜添加することができ、これらの材料は、耐摩擦性付与の効果も期待することができる。
また、艶調整層35には、紫外線吸収剤と光安定剤のいずれか、またはその複合したものを添加することができ、紫外線吸収剤としては、先に示したベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系などの各種有機系紫外線吸収剤の他、酸化亜鉛などに代表される無機系紫外線吸収剤や、無機系または有機系紫外線吸収剤ベシクルなどが、用いられてあっても良い。
光安定剤としては、先に示したアミン型光安定剤、またはアミノエーテル型光安定剤を用いることが好適である。
また、艶調整層35に対して、各種機能を付与するために、抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤を任意に添加することができる。
エンボス化粧シート3のプライマー層32は、前述の通り、着色基材シート31の裏面に、表面活性化処理を施された上から、設けられることが望ましい。
プライマー層32としては、前述の凸部を有する化粧シート2のプライマー層22と同様に任意の材料を用いることが可能である。
以上のようにして得られるエンボス化粧シート3において、エンボス凹部36を形成する手段としては、着色基材シート31上に、印刷によって絵柄印刷層33を形成し、続いて接着層を設けた後、絵柄印刷層33上に溶融した透明熱可塑性樹脂を含む層を多層押出し機などから押出して、それと同時にエンボスロールならびに加圧ロールによって、エンボス加工とラミネート加工を同時に行う方法などがある。
また、絵柄印刷層33を設けた着色基材シート31と透明熱可塑性樹脂層とをラミネートした後、艶調整層35を設け、その後に艶調整層を含めてエンボスロールによるエンボス加工が施されても良い。
(化粧板)
上述のようにして得られる各化粧シート2,3を化粧板用の支持体15に貼りあわせることにより、化粧板1を得ることができる。
支持体15には、金属系支持体や木質系支持体等の各種材料のものがある。
金属系支持体としては、金属板や、芯材である樹脂表面にアルミニウムを設けた3層構成からなるアルミ樹脂複合板などを挙げることができる。金属板としては、アルミニウム、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ステンレス及びチタン等が使用される。
また、樹脂材としては、ポリエチレン単体、あるいはポリエチレンに無機材を添加したもの等が使用される。
また、木質系支持体としては、例えば、中密度繊維板(MDF)や合板、パーチクルボード等が使用される。
上述のような支持体15に対し、化粧シートを貼り合わせる手法としては、支持体15と化粧シートとの間に接着剤層を設け、貼り合わせることが一般的である。
接着剤としては、公知の接着剤であれば、いずれも使用することが可能であり、例えば、反応性ホットメルト系の接着剤などを使用することができる。特に、反応性ホットメルト系の接着剤のうち、2液タイプのポリウレタンの接着剤を用いることが好ましい。
また、接着剤層には、紫外線吸収剤や光安定剤などが添加されてあっても良く、接着剤層の厚みとしては、5μm〜50μm程度が適当であると言える。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明するが、本発明は必ずしも実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例2)
着色基材シート21として、厚さ60μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、絵柄印刷層23として、木目調の絵柄をウレタン樹脂系インキにより、グラビア印刷した。
絵柄印刷層23の乾燥後、この表面に艶調整層24として、反応型シリコーン樹脂と適量の紫外線開始剤、および艶を低く調整するためのシリカ粉末を添加した紫外線硬化型樹脂を、乾燥後の塗布量が10g/mとなるように塗工した。
電離放射線硬化型樹脂からなる凸部25として、前記絵柄印刷層23と同調する印刷版を用いて、凸部の高さが30μmとなるように、紫外線硬化型樹脂100重量部に対して、粒径5μmのウレタンビーズ30重量部、シリコーンオイル20重量部を添加したインキを用いて、盛上げ印刷により、凸部を形成して、実施例1の凸部を有する化粧シートを得た。
実施例2は、凸部25の版深と面積を変化させることにより「ざらつき」や「滑らかさ」に差をつけた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の凸部を有する化粧シートを得た。
また、凸部形成用印刷版の版深等をそれぞれ調整することにより、比較例1ならびに比
較例2の凸部を有する化粧シートをそれぞれ同様に作製した。
比較例1の凸部を有する化粧シートは、凸部の高さを20μmとし、比較例2の凸部を有する化粧シートでは、凸部の高さを30μmとなるように調整した。また、凸部の面積を変化させることにより、「ざらつき」や「滑らかさ」に差をつけた。
(実施例3、比較例3 )
ポリオレフィン系無機充填シート60μm(リケンテクノス(株)製)を着色基材シート31として用い、この着色基材シート31上に、グラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄印刷層33を形成した。続いて、この絵柄印刷層33上に、ウレタン樹脂系接着剤を塗布し温風乾燥で接着剤層を形成した。
続いて、この接着剤層上に、溶融したポリエチレン樹脂をエクストルーダーよりTダイで押し出して、透明熱可塑性樹脂層34を形成した。
また、同時に、導管エンボス版とゴムロールとによって、着色基材シート31、絵柄印刷層33、接着層及び透明熱可塑性樹脂層34の積層体をニップして、エンボス加工とラミネートとを同時に行った。ここで、透明熱可塑性樹脂層34の厚さは、90μm程度とした。
次に、得られたエンボス面に表面処理を施した後、艶調整層35として、ウレタン系樹脂に硬化剤を添加したものに、艶調整用のシリカ粉末およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を添加したものを、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗工し、艶調整層35を得た。
更に、着色基材シート31の裏面に表面活性化処理を施した後、この面上にポリオール樹脂に、シリカおよびイソシアネートを加えたものを、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が1g/mとなるように塗工し、プライマー層32を得た。
以上の手順により、実施例3のエンボス化粧シート3を得た。ここで、エンボス部36の深さは、80μmであった。
また、導管エンボス版を調整することにより、比較例3のエンボス化粧シートを同様に作製した。
比較例3のエンボス化粧シートにおけるエンボス部の深さは30μmであった。
(比較例4〜比較例7)
実際の天然木の手触り感と比較するためのサンプルとして、比較例4としてオーク天然木を用意し、比較例5としてオーク天然木のうづくり仕上げ品を用意し、比較例6としてオーク塗装仕上げをそれぞれ用意した。
また、天然木を用いた比較対象として、比較例7では、チェリー厚塗装仕上げ天然木を用意した。
<評価方法>
上述の実施例、ならびに比較例で準備した各化粧シートに対して、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック(株)製)を用いて、風合い計測を実施した。KES−SEの摩擦子には、指先の感覚を模したセンサ(ピアノ線)を使用した。
これにより、摩擦係数の平均値(MIU値)、ならびに摩擦係数の平均値偏差から平均摩擦係数の変動(MMD値)を求めるとともに、実際に人の手によって化粧シートの表面に触れた際の感触について官能試験を実施した。
(評価結果)
評価結果を以下の表1に示す。
比較例4〜6のオーク天然木を基準として、人による感触評価を実施したところ、実施例1、実施例2、及び実施例3では、木質感を得ることができたが、比較例1ならびに比較例3では、あまり凹凸感を感じることができず、木質感は得られなかった。
特に比較例1では、凸部の高さが不十分であったなどの原因からMIU(摩擦係数の平均値)も小さく、MMD(摩擦係数の変動)も小さいことから、「さらさら」で「なめらか」な感触となった。比較例3では、MIUは良好であったが、MMDが小さく、木質感が得られなかった。
また、比較例2では、凸部の高さが十分にあり、凹凸感は十分に感じることができたが、MMDの値が大きいことから、「ざらざら」とした感触となり、木質感は得られなかった。
また、参考として、比較例7において、厚塗装仕上げ天然木についても評価を実施したが、木質表面に塗装が施されていることもあり、塗装の材料に起因して「しっとり」感が高く、全体的に「なめらか」な感触となり、木質感が乏しいものとなった。
また、比較例6については、塗装は施されているものの、比較例7とは木材が異なることもあり、ざらつき感が得られ、木質感を得ることができた。
以上のように、MIU値ならびにMMD値を適正の値とする領域で化粧シートを作製することにより、人の手による感触においても天然木と同等の風合いを感じることのできる化粧シートを提供することが可能となる。
1 … 化粧板
11 … 基材シート
12 … 絵柄印刷層
13 … 艶調整層
14 … 化粧シート
15 … 支持体
16 … 凹凸構造
2 … 凸部を有する化粧シート
21 … 着色基材シート
22 … プライマー層
23 … 絵柄印刷層
24 … 艶調整層
25 … 凸部
3 … エンボス化粧シート
31 … 着色基材シート
32 … プライマー層
33 … 絵柄印刷層
34 … 透明熱可塑性樹脂層
35 … 艶調整層
36 … エンボス部

Claims (4)

  1. 少なくとも絵柄印刷層と、艶調整層とを有し、且つ少なくとも一部に凹凸構造を有する化粧シートであって、
    前記化粧シートの表面が、自動化表面試験機(KES−SE)によるMIU(摩擦係数)が0.11〜0.15であり、且つMMD(摩擦係数の変動)が0.010〜0.035であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記化粧シートが、少なくとも絵柄印刷層と、艶調整層と、表面に前記絵柄印刷と同調した電離放射線硬化型樹脂からなる凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記化粧シートが、少なくとも絵柄印刷層と、透明熱可塑性樹脂層と、艶調整層と、を有し、少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にエンボス凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の化粧シートと、
    前記化粧シートが少なくとも一方の面に張り合わされた支持体と、を備えたことを特徴とする化粧板。
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