WO2022209516A1 - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

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Abstract

化粧シートは、基材と、基材に重ねられた表面保護層と、基材および表面保護層の間に位置する盛上部と、を含む。盛上部は、表面保護層の第1領域に対面する。盛上部は、第1バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上である第1粒子と、を含む。表面保護層は、第2バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上20μm以下である第2粒子と、を含む。盛上部の平均厚みは20μm以上である。表面保護層の平均厚みは3μm以上15μm以下である。

Description

化粧シート及び化粧材
 本開示は、化粧シート及び化粧材に関する。
 各種の部材に、装飾を目的として化粧シートが貼り合わせられる。各種の部材として、建築物の壁の表面;床、天井等の室内空間表面;腰壁、廻縁、鴨居等の造作部材の表面;建築物の外壁、屋根、戸袋、軒天井等の室外表面;柵、塀等の屋外構造物表面;窓枠、扉枠、扉、間仕切等の建具の室内表面又は室外部分の表面;箪笥、戸棚等の家具の表面;自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物の内部表面又は外部表面;各種家電製品、事務用機器等の表面などが例示される。
 化粧シートは、基本的な構成として、基材、意匠層、及び表面保護層をこの順で有する。この化粧シートは、触感に乏しい。この化粧シートは、突板等の天然木材の触感を再現できない。近年、化粧シートから得られる触感の改善が提案されている(例えば、特許文献1(JP2019-217740A)及び特許文献2(WO2020/196377A))。
 特許文献1に記載された化粧シートは、エンボス加工により形成された凹凸表面を有する。凹凸表面が、触感を付与する。しかし、凹凸形状により得られる触感は、木目等の自然物の触感を十分に再現できない。
 特許文献2に開示された化粧シートは、基材、意匠層、盛上部及び表面保護層をこの順で有する。化粧シートは、その表面に、該盛上部に対応した凸状部を有する。特許文献2の化粧シートは、盛上部に対応した凸状部により、所定の触感を付与できる。しかし、特許文献2の化粧シートにおいて、十分な触感は凸状部のみから得られる。結果として、木目等の自然物の触感が十分に再現され得ない。
 本開示は、触感に優れた化粧シートの提供を目的とする。
 本開示の一実施の形態による第1の化粧シートは、
 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 JIS B0601:2013にて規定された最大高さRzは、前記表面保護層の前記第1領域において25μm以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において18μm以上であり、
 ISO25178-2:2012にて規定されたスキューネスSskは、前記表面保護層の前記第1領域において0より大きく、前記表面保護層の前記第2領域において0より大きく、
 ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記表面保護層の前記第1領域において10.0以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において4.0以上である。
 本開示の一実施の形態による第2の化粧シートは、
 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 前記表面保護層は、第2バインダー樹脂および第2粒子を含み、
 前記表面保護層の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より小さく、
 前記盛上部の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より大きい。
 本開示の一実施の形態による第3の化粧シートは、
 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 前記盛上部は、第1バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上である第1粒子と、を含み、
 前記表面保護層は、第2バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上20μm以下である第2粒子と、を含み、
 前記盛上部の平均厚みは20μm以上であり、
 前記表面保護層の平均厚みは3μm以上15μm以下である。
 本開示の一実施の形態による化粧材は、
 本開示の一実施の形態による第1~第3の化粧シートのいずれかと、
 前記化粧シートを支持する支持材と、を備える。
 本開示によれば、触感に優れた化粧シートを提供することができる。
本開示の一実施形態を説明する図であって、化粧材および化粧シートの一例を示す模式断面図である。 図1に対応する図であって、化粧材および化粧シートの他の例を示す模式断面図である。 図1又は図2の化粧材および化粧シートを示す平面図である。
 以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
 方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3を示している。矢印の先端側が、各方向の第1側となる。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、図1及び図2に示すように、円の中に×を設けた記号により示した。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を、図3に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。図示された例において、第3方向D3は、化粧シート20の法線方向である。第3方向は、化粧シート20を構成する構成要素が積層された積層方向である。図示された平坦な化粧シート20は、第1方向Dおよび第2方向D2に広がっている。第1方向Dおよび第2方向D2は、第3方向D3に直交している。第1方向Dおよび第2方向D2は、互いに直交している。
〔化粧シートおよび化粧材〕
 化粧シート20は、基材30と、基材30上に位置する第1領域61及び第2領域62を含む表面保護層60と、基材30と表面保護層60の第1領域61との間に位置する盛上部55と、を含む。基材30、盛上部55及び表面保護層60は、第3方向に重ねられている。盛上部55は、第1領域61のみに対面している。盛上部55は、第2領域62に対面していない。第2領域62は、第1方向D1及び第2方向D2の少なくとも一方に第1領域61からずれている。表面保護層60は、化粧シート20の表面20Aを構成している。
 第1態様の化粧シート20として、表面保護層60によって構成される化粧シート20の表面20Aでの最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuを次のように調節してもよい。最大高さRzは、JIS B0601:2013にて規定されている。スキューネスSsk及びクルトシスSkuは、ISO25178-2:2012にて規定されている。
・第1領域61での最大高さRzA:25μm以上
・第2領域62での最大高さRzB:18μm以上
・第1領域61でのスキューネスSskA:0より大きい
・第2領域62でのスキューネスSskB:0より大きい
・第1領域61でのクルトシスSkuA:10.0以上
・第2領域62でのクルトシスSkuB:4.0以上
 以上のように表面20Aでの最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuを調節することにより、盛上部55上となる第1領域61において、化粧シート20は、高くて細かく且つ鋭い山部又は凸部を含んだ凹凸面を有する。盛上部55が形成されていない領域上となる第2領域62においても、化粧シート20は、高くて細かく且つ鋭い山部又は凸部を含んだ凹凸面を有する。したがって、化粧シート20の全域から強い触感が付与される。加えて、第1領域61は、第2領域62と比較して、より大きな最大高さRz及びより大きなクルトシスSkuを有する。したがって、第1領域61は、第2領域62と比較して、より高くてより鋭い山部又は凸部を含むことになる。すなわち、第1領域61から得られる触感は、第2領域62から得られる触感と異なる。第2領域62よりも第1領域61からより強い触感が得られる。また、第1領域61では、盛上部55によって、第2領域62よりも全体的に隆起していることが知覚される。これにともない、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違がより明確に知覚される。このような第1領域61及び第2領域62を組合せることにより、化粧シート20を触った使用者に、複雑で強い触感を付与できる。すなわち、種々の触感を強調して付与できる。化粧シート20は、豊かな触感表現により、自然物の触感を高精度に再現した触感を付与できる。化粧シート20の人工的な印象を弱めて、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 第2態様の化粧シート20として、盛上部55及び表面保護層60を次のように構成してもよい。表面保護層60は、第2バインダー樹脂66及び第2粒子67を含んでもよい。表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTB(μm)は、第2粒子67の平均粒子径である第2平均粒子径DB(μm)より小さくてもよい。盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTAは、第2平均粒子径DB(μm)より大きくてもよい。
 以上の構成において、表面保護層60の第2平均厚みTBは、第2粒子67の第2平均粒子径DBより小さい。したがって、表面保護層60において、第2粒子67が第2バインダー樹脂66から突出し得る。これにより、表面保護層60によって構成される化粧シート20の表面20Aの全領域において、化粧シート20を触った使用者に対して強い触感を付与できる。盛上部55の第1平均厚みTAが第2粒子67の第2平均粒子径DBより大きい。したがって、第2領域62と比較して第1領域61が全体的に隆起していることが知覚される。このような第1領域及び第2領域を組合せることにより、化粧シート20を触った使用者に、複雑で強い触感を付与できる。すなわち、種々の触感を強調して付与できる。化粧シート20は、豊かな触感表現により、自然物の触感を高精度に再現した触感を付与できる。化粧シート20の人工的な印象を弱めて、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 第2態様の化粧シート20において、盛上部55は、第1バインダー樹脂56及び第1粒子57を含んでもよい。第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAを、盛上部55の第1平均厚みTAの0.7以上1.3倍以下としてもよい。
 盛上部55は第1バインダー樹脂56及び第1粒子57を含むことによって、盛上部55は凹凸面を有する。第1領域61において、表面保護層60は、凹凸面である盛上部55上に位置している。このため、表面保護層60は、第1領域61において第2領域62よりも強い凹凸面を有し得る。特に、第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAを、盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTAの0.7倍以上1.3倍以下とすることにより、第1領域61は、第2領域62と比較して、適度により高くて適度により鋭い山部または凸部を含むことになる。第1領域61は、第2領域62と比較して、よりも大きな最大高さRz及びより大きなクルトシスSkuを有し得る。第1領域61において、第2領域62より、より強い触感が付与される。さらに第1領域61は、第2領域62と比較して隆起している。これらにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違がより明確に知覚される。第1領域61及び第2領域62を組合せることにより、化粧シート20を触った使用者に、複雑で強い触感を付与できる。すなわち、種々の触感を強調して付与できる。化粧シート20は、豊かな触感表現により、自然物の触感を高精度に再現した触感を付与できる。化粧シート20の人工的な印象を弱めて、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 第2態様の化粧シート20において、JIS B0601:2013に規定された表面保護層60の最大高さRzを18μm以上としてもよい。第1領域61だけでなく第2領域からも強い触感が得られるようになる。化粧シート20の表面20Aの全領域から、強い触感が得られ得る。
 第2態様の化粧シート20において、JIS B0601:2013に規定された表面保護層60の最大高さRzを、第1領域61において第2領域62よりも大きくしてもよい。第1領域61において、第2領域62より、より強い触感が付与される。さらに第1領域61は、第2領域62と比較して隆起している。これらにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違がより明確に知覚される。
 図1及び図2に示すように、化粧材100は、支持材15および化粧シート20を含んでもよい。支持材15は、化粧シート20の被着体である。支持材15は、化粧シート20を用いて意匠性を付与される。支持材15として、杉、檜、松、ラワン等の各種木材からなる木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)、集成材等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる樹脂部材等が例示される。
 化粧シート20は、基材30及び表面保護層60以外の層を含んでもよい。化粧シート20は、意匠層40を含んでもよい。意匠層40は、第3方向D3において、基材30及び表面保護層60の間に位置してもよい。意匠層40は、第3方向D3において、基材30及び盛上部55の間に位置してもよい。図3に示された化粧シート20において、意匠層40は木の表面の模様を有する。この化粧シート20は木の表面を表現してもよい。化粧シート20によって表現される木は、特に制限されない。化粧シート20によって表現される木は、杉、檜、胡桃、松及び桜等でもよい。化粧シート20は、木の木肌を表現してもよい。図3に示すように、化粧シート20は、木の断面を表現してもよい。
 図1に示すように、化粧シート20はプライマー層45を含んでもよい。プライマー層45は、第3方向D3において、盛上部55及び表面保護層60と、基材30との間に位置してもよい。プライマー層45は、第3方向D3において、盛上部55及び表面保護層60と、意匠層40との間に位置してもよい。プライマー層45は、盛上部55及び表面保護層60と意匠層40や基材30との密着性を改善してもよい。
 以下、化粧シート20の各構成要素について更に詳述する。
<基材>
 基材は、フィルム、シート及び板等の平板状でもよい。フィルム、シート及び板は、相対的に厚みの薄いものから順にフィルム、シート及び板と呼称されることが多い。本明細書において、特に断りのない限り、これら3者を区別しない。
 基材の材料として、樹脂、金属、非金属無機材料、繊維質材料及び木質系材料等が例示される。基材の材料は、用途に応じて適宜選択され得る。
 基材は単層でもよい。基材は、上記材料からなる層を2層以上を、積層して含んでもよい。基材が2以上の層の積層体である場合、異種材料の層を2層以上積層し、各層の材料の有する諸性能を互いに補完してもよい。2層以上積層してなる基材の例として、以下のA~Jが例示される。
(A)樹脂と木質系材料との積層
(B)樹脂と金属との積層
(C)樹脂と繊維質材料との積層
(D)樹脂と非金属無機材料との積層
(E)樹脂1と樹脂2との積層
(F)金属と木質系材料との積層
(G)金属と非金属無機材料との積層
(H)金属と繊維質材料との積層
(I)金属1と金属2との積層
(J)非金属無機材料と繊維質材料との積層
 上記Eにおいて、樹脂1と樹脂2とは互いに別種の樹脂でもよい。例えば、樹脂1がオレフィン樹脂でもよく、樹脂2がアクリル樹脂でもよい。上記Hにおいて、金属1と金属2とは互いに別種の金属でもよい。例えば、金属1が銅でもよく、金属2がクロムでもよい。
 基材が上記A~Jのような積層体である場合は、積層体の各構成層の層間に、接着力を強化するための層(接着剤層等)を有してもよい。
 基材に用いる樹脂として、各種の合成樹脂又は天然樹脂が例示される。合成樹脂として、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。
 熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、各種オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合、エチレン-ビニルアルコール共重合、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリイミド樹脂等が例示される。硬化性樹脂組成物として、後述する盛上部55で例示する熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物が例示される。天然樹脂として、天然ゴム、松脂及び琥珀等が例示される。
 基材に用いられる金属として、例えば、アルミニウム又はジュラルミン等のアルミニウムを含む合金、鉄又は炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄を含む合金、銅又は真鍮、青銅等の銅を含む合金、金、銀、クロム、ニッケル、コバルト、錫、チタニウム等が例示される。金属基材は、これらの金属がめっきされためっき層を含んでもよい。
 基材に用いられる非金属無機材料として、セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、石膏、珪酸カルシウム、木片セメント等の非セラミック系窯業系材料、陶磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミック系窯業系材料、石灰岩、大理石、花崗岩、安山岩等の天然石等が例示される。
 基材に用いられる繊維質材料として、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、和紙、チタン紙、リンター紙、硫酸紙、パラフィン紙、パーチメント紙、グラシン紙、壁紙用裏打紙、板紙及び石膏ボード用原紙等の紙;絹、木綿、麻、ポリエステル樹脂繊維、アクリル樹脂繊維、硝子繊維、炭素繊維等の繊維からなる織布又は不織布;が例示される。紙は、紙基材の繊維間強度を上げたり、紙基材の毛羽立ちを防止したりするために、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加されてもよい。樹脂を添加した紙としては、例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等が例示される。繊維質材料層に樹脂層を積層したとして基材として、壁紙用裏打紙の表面に、塩化ビニル樹脂層、オレフィン樹脂層、アクリル樹脂層等の樹脂層を積層した壁紙原反等が例示される。
 基材は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。基材の材料が樹脂である場合、添加剤として、炭酸カルシウム、クレーなどの無機充填剤、水酸化マグネシウムなどの難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が例示される。添加剤の含有量は、加工特性等を阻害しない範囲であれば特に制限されず、要求特性等に応じて適宜設定され得る。
 基材の形状及び寸法は、特に制限されない。基材の形状及び寸法は、用途及び所望の諸性能と加工適性に応じて適宜選択され得る。基材が、フィルム、シート及び板の平板状である場合、基材の厚みは特に制限はない。基材の厚みは、一般的には、製造加工適性、機械的強度、使用取扱性、及び経済性の観点から、10μm以上10cm以下程度でもよい。基材の厚みは、20μm以上300μm以下でもよい。基材の厚みは、1mm以上2cm以下でもよい。
 基材は、化粧材を構成する他層との密着性の向上のため、基材の片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施されてもよい。酸化法として、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法等が例示される。凹凸化法として、サンドブラスト法、溶剤処理法等が例示される。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択される。コロナ放電処理法は、表面処理の効果及び操作性等の面において優れる。
<盛上部および盛上層>
 化粧シート20は、基材30と表面保護層60との間に盛上層50を含む。盛上層50は、上述の盛上部55を含む。盛上層50は、互いから離間した複数の盛上部55を含んでもよい。図1に示すように、盛上層50は、基材30上の一部の領域に配置されている。盛上部55は、表面保護層60の第1領域61に対面する領域に位置している。盛上部55は、表面保護層60の第2領域62に対面する領域に位置していない。
 基材上の全部の領域に盛上部55が設けられている場合、化粧シート20の全領域から同一の触感が付与される。このため、自然物の触感を十分に再現できない。基材30上の一部の領域のみに盛上部55を配置することにより、盛上部55上となる表面保護層60の第1領域61から得られる触感と、盛上部55が設けられていない領域上となる表面保護層60の第2領域62から得られる触感との相違により、自然物から得られる触感を再現し、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 また、盛上部55が基材30の一部分上に位置することにより、表面保護層60の第1領域61が第2領域62より隆起していることを、視覚及び触覚のいずれを通じても知覚できる。この点からも、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 基材の全面積に対する盛上部55が位置する領域の面積割合は、5%以上90%以下でもよく、10%以上80%以下でもよく、15%以上70%以下でもよい。このような盛上部55の面積割合によれば、第1領域61から得られる触感及び第2領域62から得られる触感の相違を強調できる。
 盛上部が設けられている領域の面積割合は、次のようにして測定され得る。まず、1m×1mの大きさの化粧シートに対して、任意の箇所から30cm×30cmの試験片を3片切り出す。次に、試験片の各々について画像解析を行い、盛上部が設けられている領域の面積割合を算出する。3片の試験片での面積割合の測定値の平均値として、面積割合が特定される。化粧シート大きさが1m×1mではない場合、上記1m×1mの大きさに対する試験片の大きさ30cm×30cmとする場合における化粧シートに対する試験片の面積割合と同じ面積割合を有するように、試験片の大きさを決定する。
 盛上部55の形状は特に制限されない。例えば、盛上部55は、小さい突起が集合した平面視において網点状の突起群を含んでもよい。盛上部55は、突起よりも大きい平面視で楕円状の部分を含んでもよい。突起よりも大きい楕円状部分は、盛上部形成用の樹脂組成物を印刷して盛上部55を形成する際に、該樹脂組成物を当初から楕円状の領域に印刷してもよい。多数の小さい突起を印刷し、該樹脂組成物がレベリングすることで繋がり、結果として突起よりも大きい楕円状部分となってもよい。
 突起群を含む盛上部55は、より繊細な触感を付与できる。突起群を含む盛上部55は、優れた意匠性を発揮し得る。突起群がレベリングして繋がった盛上部55は、平面視において、楕円形状や不規則な形状を有しやすい。突起群がレベリングにより繋がることにより作製された盛上部55は、木目模様等の自然物の質感をより忠実に再現でき、高い意匠性を有する。
 例えば、図3に示すように、化粧シート20が、天然木材板の意匠外観、より具体的には「木目模様」を再現する場合、盛上部55により、天然木材板の導管溝、年輪模様、節の触感を再現できる。以下の(a)の如く、盛上部55によって天然木材板の導管溝の触感を再現できる。(a)の場合に(a1)又は(a2)を選択できる。(b)の如く、盛上部55によって年輪模様の触感を再現できる。(b)の場合に(b1)又は(b2)を選択できる。(c)の如く、盛上部55によって節の触感を再現できる。(c)の場合に(c1)又は(c2)を選択できる。(a1)、(a2)、(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)は、表面触感を再現すべき木材の種類(例えば、杉材、欅材、等の別)、木材の表面仕上げの種類(鉋掛け、燒成炭化処理、浮造り処理等の別)、化粧シートの使用者の嗜好等に応じて適宜選択され得る。(a)、(b)及び(c)の二以上を組合せてもよい。
(a)盛上部55により、天然木材板の導管溝の触感を再現する。
 (a1)平面視において、天然木材板における導管溝の領域乃至はその近傍領域に、盛上部55を形成する。より具体的には、個々の導管溝の内部の一部又は全部、個々の導管溝の周辺の一部又は全部、或いは個々の導管溝の内部の一部又は全部及びその周辺の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
 (a2)平面視において、天然木材板における導管溝以外の領域、すなわち導管溝が不在の領域の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
(b)盛上部55により、天然木材板の年輪模様の触感を再現する。
 (b1)平面視において、天然木材板における年輪模様中の早材部33Aの領域乃至はその近傍領域に、盛上部55を形成する。より具体的には、個々の早材部33Aの内部の一部又は全部、個々の早材部33Aの周辺の一部又は全部、或いは個々の早材部33Aの内部の一部又は全部及びその周辺の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
 (b2)平面視において、天然木材板における年輪模様中の晩材部33Bの領域乃至はその近傍領域に、盛上部55を形成する。より具体的には、個々の晩材部33Bの内部の一部又は全部、個々の晩材部33Bの周辺の一部又は全部、或いは個々の晩材部33Bの内部の一部又は全部及びその周辺の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
(c)盛上部55により、天然木材板の節33Cの触感を再現する。
 (c1)平面視において、天然木材板における節33Cの領域乃至はその近傍領域に、盛上部55を形成する。より具体的には、個々の節33Cの内部の一部又は全部、個々の節33Cの周辺の一部又は全部、或いは個々の節33Cの内部の一部又は全部及びその周辺の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
 (c2)平面視において、天然木材板における節33C以外の領域、すなわち節33Cが不在の領域の一部又は全部に、盛上部55を形成してもよい。
 上述したように、盛上部55は、第1バインダー樹脂56及び第1粒子57を含んでもよい。第1バインダー樹脂56は、第1粒子57を保持する。
《第1バインダー樹脂》
 盛上部55の第1バインダー樹脂56として、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐擦傷性に優れる。この点において、第1バインダー樹脂56は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでもよい。第1バインダー樹脂56の全量に対する硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、50質量%以上でもよく、70質量%以上でもよく、90質量%以上でもよく、100質量%以上でもよい。
 熱可塑性樹脂として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂等が例示される。
 硬化性樹脂組成物の硬化物として、熱硬化性樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐傷性及び耐汚染性の両方において優れる。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、紫外線吸収剤と併用しやすい。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐傷性及び耐汚染性の両方において優れる。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、経年での性能維持においても優れる。
 熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が例示される。熱硬化性樹脂組成物には、これら熱硬化性樹脂に加えて、必要に応じて硬化剤及び硬化触媒等が添加されてもよい。
 熱硬化性樹脂組成物として、主剤をポリオール系樹脂、硬化剤をイソシアネート系化合物とした2液硬化の組成物が例示される。ポリオール系樹脂として、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール等が例示される。
 電離放射線硬化性樹脂組成物は、電子線硬化性樹脂組成物及び紫外線硬化性樹脂組成物が例示される。電子線硬化性樹脂組成物は、重合開始剤が不要のため臭気が少ない、着色しにくいといった点において優れる。盛上部55が後述する紫外線吸収剤を含有する場合、電子線硬化性樹脂組成物は、盛上部55の架橋密度を高くでき、耐擦傷性及び耐汚染性において優れる。
 電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基は、電離放射線の照射によって架橋硬化する基である。電離放射線硬化性官能基として、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基が例示される。電離放射線硬化性官能基として、エポキシ基または及びオキセタニル基も例示される。
 本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味する。電離放射線として、紫外線(UV)又は電子線(EB)が例示される。電離放射として、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も例示される。
 電離放射線硬化性化合物は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマー(「重合性プレポリマー」と呼称されることもある)の中から適宜選択されてもよい。
 電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物でもよい。電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物でもよい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物は、モノマー及びオリゴマーのいずれでもよい。
 多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等が例示される。3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が例示される。多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとして、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が例示される。
 ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
 好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
 上記電離放射線硬化性樹脂は、1種を単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
 電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含んでもよい。光重合開始剤は、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上でもよい。光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができる。光重合促進剤は、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上でもよい。
《第1粒子》
 盛上部55は、第1粒子57を含んでもよい。第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAは、所望とする触感を考慮して、決定され得る。第1粒子57の第1平均粒子径DAは、10μm以上でもよい。第1粒子57の第1平均粒子径DAが10μm以上とすることにより、盛上部55が配置された領域、すなわち第1領域61から得られる触感を強調でき、化粧シートから得られる触感を十分改善できる。第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAは、15μm以上でもく、20μm以上でもよく、25μm以上でもよい。
 第1粒子57の第1平均粒子径DAに上限を設定することにより、第1粒子57の盛上部55からの脱落を抑制できる。第1粒子57の第1平均粒子径DAに上限を設定することにより、第1粒子57による極端に大きな凸部の発生を抑制でき、自然物の触感を精度良く再現できる。これらを踏まえて、第1粒子57の第1平均粒子径DAは、50μm以下でもよく、40μm以下でもよく、35μm以下でもよい。
 第1粒子57及び後述する第2粒子67の粒子径(μm)は、化粧シートの縦断面における、粒子の最大幅、すなわち最大長とする。第1粒子57及び第2粒子67の粒子径(μm)は、図1に示すように、化粧シートの法線方向D3に沿った断面における、粒子57,67の最大幅、すなわち最大長とする。粒子57,67の平均粒子径(μm)は、化粧シートの法線方向に直交する方向に沿って500μm以上1500μm以下の長さを有する三十の断面領域を拡大観察し、各断面領域において最も大きい一つの粒子の粒子径を測定し、測定された三十の粒子の粒子径の平均値(μm)として特定される。
 第1粒子57として、樹脂粒子及び無機粒子が例示される。樹脂粒子は、平均粒子径を大きくでき、結果として強い触感を付与できる。第1粒子57の形状は、特に限定されない。第1粒子57の形状は、好ましくは球形である。第1粒子57の形状は、不定形でもよい。
 第1粒子57としての樹脂粒子は、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等の樹脂の一種以上を含んでもよい。好ましくは、第1粒子57はポリメチルメタクリレート粒子である。第1粒子57としての無機粒子は、後述する第2粒子67で例示する無機粒子でもよい。
 第1粒子57の含有量は、100質量部の第1バインダー樹脂56に対して、5質量部以上70質量部以下でもよく、10質量部以上60質量部以下でもよく、20質量部以上50質量部以下でもよい。100質量部の第1バインダー樹脂56に対する第1粒子57の含有量を5質量部以上とすることにより、強い触感を付与できる。100質量部の第1バインダー樹脂56に対する第1粒子57の含有量を70質量部以下とすることにより、盛上部55の強度低下を抑制できる。
《厚み》
 盛上部55の厚みは、所望とする触感を考慮して、決定され得る。盛上部55の平均厚みは、20μm以上でもよい。盛上部55の平均厚みを20μm以上とすることにより、触覚および視覚を通じて、盛上部55に対面する第1領域61の隆起を知覚しやすくなる。盛上部55の平均厚みを20μm以上とすることにより、第1粒子57の第1バインダー樹脂56からの脱落を抑制できる。盛上部55の平均厚みは、22μm以上でもよく、25μm以上でもよく、27μm以上でもよい。
 盛上部55の平均厚みに上限を設定することにより、盛上部55に起因した第1領域61の隆起を適度にできる。これにより、触感が強すぎて不自然となることを抑制できる。この点を踏まえ、盛上部55の平均厚みは、60μm以下でもよく、50μm以下でもよい。盛上部55の平均厚みTAの測定方法については、表面保護層60の平均厚みTBの測定方法とともに、後述する。
 第1粒子の平均粒子径である第1平均粒子径DA(μm)の盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTA(μm)に対する比の値、すなわち「第1粒子57の平均粒子径/盛上部55の平均厚み」は、0.7以上1.3以下でもよく、0.8以上1.2以下でもよく、0.9以上1.1以下でもよい。「第1粒子57の平均粒子径/盛上部55の平均厚み」を0.7以上とすることにより、化粧シート20から強い触感が付与される。「粒子αの平均粒子径/盛上げインキ層の平均厚み」を1.3以下とすることにより、第1バインダー樹脂56が第1バインダー樹脂56から脱落することを抑制できる。
 盛上部55は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、及びレベリング剤等が例示される。
 盛上部55は、例えば、盛上部用組成物を基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化することにより作製され得る。盛上部用組成物は、第1バインダー樹脂56及び第1粒子57、更に必要に応じて添加する溶剤等を含んでもよい。
<表面保護層>
 表面保護層60は、盛上部55に第3方向D3に対面する第1領域61と、盛上部55に対面しない第2領域62と、を含んでいる。盛上部55は、第1領域61のみに対面している。第1領域61及び第2領域62は、基材30上に位置している。第3方向D3への投影において、第1領域61及び第2領域62は基材30と重なる。
 化粧シート20は、盛上部55及び表面保護層60の組合せにより、盛上部55に対面する第1領域61において表面保護層60から得られる触感と、盛上部55に対面しない第2領域62において表面保護層60から得られる触感との相違を知覚可能にできる。触感の相違により、化粧シート20を触った使用者に、複雑な触感を付与できる。すなわち、種々の触感を付与できる。化粧シート20は、豊かな触感表現により、自然物の触感を高精度に再現した触感を付与できる。化粧シート20の人工的な印象を弱めて、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 表面保護層60は、盛上部55に対面する領域の少なくとも一部と、盛上部55に対面しない領域の少なくとも一部と、に位置していてもよい。表面保護層60は、盛上部55に対面する領域の全域と、盛上部55に対面しない領域の全域と、に位置していてもよい。表面保護層60は、第3方向D3において、基材30の全域に対面してもよい。すなわち、表面保護層60は、化粧シート20の全領域に配置されていてもよい。化粧シート20の全面に表面保護層60を配置することにより、上述した触感の相違による効果がより顕著となる。化粧シート20の全領域に表面保護層60を配置することにより、化粧シート20の耐擦傷性が向上する。
 表面保護層60は、第2バインダー樹脂66及び第2粒子67を含んでもよい。第2バインダー樹脂66は第2粒子67を保持する。
《第2バインダー樹脂》
 表面保護層60の第2バインダー樹脂66として、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐擦傷性に優れる。この点において、第2バインダー樹脂66は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでもよい。第2バインダー樹脂66の全量に対する硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、50質量%以上でもよく、70質量%以上でもよく、90質量%以上でもよく、100質量%でもよい。
 第2バインダー樹脂66に用いられる熱可塑性樹脂は、盛上部55の第1バインダー樹脂56で例示した熱可塑性樹脂でもよい。
 硬化性樹脂組成物の硬化物として、熱硬化性樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が例示される。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐傷性及び耐汚染性の両方において優れる。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、紫外線吸収剤と併用しやすい。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐傷性及び耐汚染性の両方において優れる。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、経年での性能維持においても優れる。
 第2バインダー樹脂66に用いられる熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、盛上部55の第1バインダー樹脂56で例示した熱硬化性樹脂組成物の硬化物でもよい。第2バインダー樹脂66に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、盛上部55の第1バインダー樹脂56で例示した電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物でもよい。
《第2粒子》
 表面保護層60は、第2粒子67を含んでもよい。第2粒子67の平均粒子径である第2平均粒子径DBは、所望とする触感を考慮して、決定され得る。第2粒子67の第2平均粒子径DBは、10μm以上でもよい。第2粒子67の第2平均粒子径DBは、10μm以上20μm以下でもよい。第2粒子67の第2平均粒子径DBを10μm以上とすることによって、表面保護層60から得られる触感を強調できる。これにより、化粧シート20から得られる触感が十分改善される。第2粒子67の第2平均粒子径DBを20μm以下にすることによって、盛上部55に対面する第1領域61で得られる触感と、盛上部55に対面しない第2領域62で得られる触感との相違が顕著となる。結果として、化粧シート20は、自然物の触感を十分再現できる。第2粒子67の第2平均粒子径DBを20μm以下とすることにより、第2粒子67の第2バインダー樹脂66からの脱落を抑制できる。
 第2粒子67の第2平均粒子径DBは、10μm以上20μm以下でもよく、11μm以上18μm以下でもよく、12μm以上17μm以下でもよい。
 第2粒子67の第2平均粒子径DBを第1粒子57の第1平均粒子径DAより小さくしてもよい。すなわち、「第2平均粒子径DB<第1平均粒子径DA」の関係を満たすようにしてもよい。前記関係を満たすことにより、上述した第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違を強調でき、自然物から得られる触感を化粧シートによって十分再現できる。「第1粒子57の第1平均粒子径DA-第2粒子67の第2平均粒子径DB」は、5μm以上でもよく、10μm以上でもよく、12μm以上でもよい。「第1粒子57の第1平均粒子径DA-第2粒子67の第2平均粒子径DB」に上限を設定することにより、上述した触感の相違を適度にできる。これにより、自然物から得られる触感を高精度に再現できる。この観点から、「第1粒子57の第1平均粒子径DA-第2粒子67の第2平均粒子径DB」は、40μm以下でもよく、30μm以下でもよく、20μm以下でもよい。
 第2粒子67として、樹脂粒子及び無機粒子が例示される。無機粒子は、化粧シート20の艶を低減できる。化粧シート20の艶を抑制することによって、化粧シート20の質感が、不自然さを抑制し、自然物の質感を再現できる。第2粒子67の形状は、特に限定されない。第2粒子67の形状は、好ましくは球形である。第2粒子67の形状は、不定形でもよい。
 第2粒子67に用いられる樹脂粒子は、第1粒子57で例示した有機粒子でもよい。第2粒子67に用いられる無機粒子は、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等の無機物の一種以上を含んでもよい。好ましくは、第2粒子67はシリカである。
 第2粒子67の含有量は、100質量部の第2バインダー樹脂66に対して、5質量部以上70質量部以下でもよく、10質量部以上60質量部以下でもよく、20質量部以上50質量部以下でもよい。100質量部の第2バインダー樹脂66に対する第2粒子67の含有量を5質量部以上とすることにより、触感を良好にしやすく、さらには、化粧シート20の艶を抑制できる。100質量部の第2バインダー樹脂66に対する第2粒子67の含有量を70質量部以下とすることにより、表面保護層60の強度低下を抑制できる。
《厚み》
 表面保護層60の厚みは、所望とする触感を考慮して、決定され得る。表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTBは、3μm以上15μm以下でもよい。表面保護層60の第2平均厚みTBを3μm以上とすることによって、第2粒子67の第2バインダー樹脂66からの脱落を抑制できる。これにより、優れた耐擦傷性を化粧シート20に付与できる。第2平均厚みTBを15μm以下とすることにより、盛上部55の隆起を化粧シート20の表面に維持できる。これにより、化粧シート20は複雑で強い触感を付与できる。以上の効果を踏まえて、表面保護層の平均厚みは、4μm以上13μm以下でもよく、5μm以上12μm以下でもよく、6μm以上10μm以下でもよく、7μm以上10μm以下でもよい。
 本実施の形態の化粧シート20において、表面保護層60の第2平均厚みTBと、盛上部55の第1平均厚みTAとを、次のように調節してもよい。盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTA(μm)に対する表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTB(μm)の比の値、すなわち「表面保護層60の第2平均厚みTB/盛上部55の第1平均厚みTA」は、0.15以上0.75以下でもよく、0.20以上0.65以下でもよく、0.25以上0.55以下でもよく、0.25以上0.50未満でもよい。「表面保護層60の第2平均厚みTB/盛上部55の第1平均厚みTA」を以上の数値範囲に調節することによって、盛上部に対面する第1領域61から得られる化粧シート20の触感と、盛上部55に対面しない第2領域62から得られる化粧シート20の触感との相違が適度となる。
 本実施の形態の化粧シート20において、表面保護層60の第2平均厚みDBと、第2粒子67の第2平均粒子径DBとを、次のように調節してもよい。表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTB(μm)に対する第2粒子67の平均粒子径である第2平均粒子径DB(μm)の比の値、すなわち「第2粒子67の第2平均粒子径DB/表面保護層60の第2平均厚みTB」は、1.3以上2.5以下でもよく、1.4以上2.3以下でもよく、1.5以上2.1以下でもよい。「第2粒子67の第2平均粒子径DB/表面保護層60の第2平均厚みTB」を1.3以上とすることにより、表面保護層60から得られる触感を十分強調できる。「粒子βの平均粒子径/表面保護層の平均厚み」を2.5以下とすることにより、第2粒子67の第2バインダー樹脂66からの脱落を抑制できる。
 測定対象となる各部分の平均厚みは、下記(X1)~(X3)のステップで特定される。
(X1)化粧シートの法線方向に沿った断面領域であって、法線方向に直交する方向に沿った幅が500μm以上1500μm以下となる化粧シート20の断面領域を観察する。この断面領域において、測定対象となる部分の厚みを、化粧シートの幅方向に沿って25μmおきに測定する。例えば500μmの幅の断面領域について、20箇所の厚みが測定される。
(X2)更に9視野の断面領域について、上記(X1)の厚み測定を実施する。
(X3)10視野の断面領域において測定された全厚み測定値の算術平均値を、対象となる部分の平均厚み(μm)とする。
 表面保護層60の平均厚みTB及び盛上部55の平均厚みTAについては、表面保護層60及び盛上部55の境界が明瞭とならないことも想定されるので、次のように特定される。
 表面保護層60の平均厚みTBについては、上記(X1)~(X3)に従って第2領域62において測定された表面保護層60の厚みの値から、特定される。
 盛上部55の平均厚みTAについては、次の手順で特定される。まず、上記(X1)~(X3)に従って第1領域61における盛上部55及び表面保護層の合計の平均厚みを特定する。次に、第2領域62における測定値によって表面保護層60の平均厚みTBを特定する。盛上部55及び表面保護層60の合計の平均厚みと、表面保護層60の平均厚みTBとの差を、盛上部55の平均厚みTAとして特定する。
 表面保護層60は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、及びレベリング剤等が例示される。
 表面保護層60は、例えば、表面保護層用組成物を、盛上部55を形成した基材30上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化することにより作製され得る。表面保護層用組成物は、表面保護層を構成する材料(バインダー樹脂、粒子β等)、必要に応じて添加する溶剤等を含む。
<その他の層>
 化粧シート20は、基材30、盛上部55及び表面保護層60以外の層を含んでもよい。その他の層として、意匠層40、プライマー層45及び接着剤層等が例示される。
《意匠層》
 図1に示すように、化粧シート20は、意匠性を向上させるために、意匠層40を含んでもよい。意匠層40は、意匠を有している。意匠層40は装飾層である。意匠層40の耐候性を高める観点から、意匠層40は基材30の近くに配置されてもよい。意匠層40は、第3方向D3において、基材30と盛上部55との間、及び、基材30上の盛上部55と同一面上の少なくとも何れかに位置してもよい。基材30と盛上部55との間に後述するプライマー層45が位置する場合、意匠層40は、第3方向D3において、基材30とプライマー層45との間に位置してもよい。意匠層40は化粧シート20の全領域に位置してもよく、化粧シート20の一部領域のみに位置してもよい。
 意匠層40として、単色インキを一様に塗ってなる着色層;インキを模様として印刷してなる絵柄層;金属薄膜;等が例示される。意匠層40は、着色層、絵柄層及び金属薄膜等の二以上を含んでもよい。意匠層40により表現される絵柄(模様)として、木材板表面の年輪や導管溝等の木目模様;大理石、花崗岩等の石板表面の石目模様;布帛表面の布目模様;皮革表面の皮シボ模様;目地溝を含むタイル貼り模様;目地溝を含む煉瓦積模様;砂目模様;梨地模様;互いに平行な方向に伸びる凹條部及び凸條部を複数配列させてなる模様(いわゆる「万線状凹凸模様」又は「光線彫模様」);幾何学模様、文字、図形、水玉及び花柄等の抽象柄模様;等が例示される。
 化粧シートは、意匠層40として絵柄層を含んでもよい。絵柄層及び盛上部55により木目柄を表示してもよい。この例によれば、視覚および触覚の相互作用により、自然物を高精度に再現できる。
 着色層及び絵柄層に用いられる組成物は、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合したインキでもよい。着色層及び絵柄層に用いられるバインダー樹脂は、特に制限されない。このバインダー樹脂として、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が例示される。また、1液硬化型樹脂、イソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型樹脂など、種々のタイプの樹脂を、着色層及び絵柄層に用いられるバインダー樹脂に適用できる。
 着色剤は、特に制限されない。着色材として、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料;等が例示される。
 着色剤の含有量は、特に制限されない。着色材の含有量は、装飾層の絵柄、色合い及び濃度、並びに着色剤の材料等に応じて調節されてもよい。着色剤の含有量は、一例として、例えば着色層及び絵柄層を構成する樹脂100質量部に対して、20質量部以上500質量部以下でもよく、50質量部以上300質量部以下でもよく、70質量部以上200質量部以下でもよい。
 着色層及び絵柄層は、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を含んでもよい。着色層及び絵柄層の厚みは、所望の絵柄に応じて適宜選択され得る。着色層及び絵柄層の厚みは、支持材15の地色を隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から選択されてもよい。着色層及び絵柄層の厚みは、0.5μm以上20μm以下でもよく、1μm以上10μm以下でもよく、2μm以上5μm以下でもよい。
 金属薄膜として、金、銀、銅、錫、鉄、ニッケル、クロム、コバルト等の金属元素単体の薄膜;前記金属元素の二種以上を含む合金の薄膜;等が例示される。合金として、真鍮、青銅、ステンレス鋼等が例示される。金属薄膜の膜厚は、0.1μm~1μm程度でもよい。
《プライマー層》
 化粧シート20は、密着性の向上を目的として、プライマー層45を含んでもよい。プライマー層は45、基材30と盛上部55との間の全領域に位置してもよい。図1に示すように、化粧シート20が意匠層40を含む場合には、プライマー層45は、第3方向D3において、意匠層40と盛上部55との間の全領域に位置してもよい。
 プライマー層45は、主としてバインダー樹脂から構成され、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含んでもよい。バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が例示される。バインダー樹脂は、これらを単独で含んでもよく、複数種を含んでもよい。バインダー樹脂は、これら樹脂に、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の硬化剤を添加し、架橋硬化したものでもよい。バインダー樹脂は、アクリルポリオール樹脂等のポリオール系樹脂をイソシアネート系硬化剤で架橋硬化したものでもよく、アクリルポリオール樹脂をイソシアネート系硬化剤で架橋硬化したものでもよい。
 プライマー層45は、耐候性を向上する目的から、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含んでもよい。プライマー層45は、汎用の紫外線吸収剤及び光安定剤を含んでもよい。
 プライマー層45の厚みは、0.01μm以上10μm以下でもよく、0.7μm以上8μm以下でもよく、1.0μm以上6μm以下でもよい。
《接着剤層》
 化粧シート20及び化粧材100は、第3方向D3における基材30と支持材15との間に接着剤層を含んでもよい。
 接着剤層に用いられる接着剤は、特に限定されない。接着剤層に用いられる接着剤は、公知の接着剤でもよい。接着剤層に用いられる接着剤は、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤でもよい。接着剤に用いられる樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等でもよい。接着剤に用いられる樹脂は、これらを単独で含んでもよく、複数種を含んでもよい。接着剤に用いられる樹脂は、イソシアネート化合物等を硬化剤とする二液硬化型のポリウレタン系接着剤や、ポリエステル系接着剤でもよい。接着剤層に、粘着剤が用いられてもよい。粘着剤として、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤が適宜選択され得る。
 接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して作製され得る。接着剤層の厚みは、特に制限はない。接着剤層の厚みは、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下でもよく、5μm以上50μm以下でもよく、10μm以上30μm以下でもよい。
<表面形状>
 上述したように、表面保護層60によって構成される化粧シート20の表面20Aでの最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuを次のように調節してもよい。
   ・第1領域61での最大高さRzA:25μm以上
   ・第2領域62での最大高さRzB:18μm以上
   ・第1領域61でのスキューネスSskA:0より大きい
   ・第2領域62でのスキューネスSskB:0より大きい
   ・第1領域61でのクルトシスSkuA:10.0以上
   ・第2領域62でのクルトシスSkuB:4.0以上
 本件発明者らが鋭意検討したところ、以上の表面特性を有する表面20Aを含むことによって、化粧シート20は、第1領域61及び第2領域62の両方において、高くて細かく且つ鋭い山部を含んだ凹凸面を有する。したがって、表面保護層60の全域から強い触感が付与される。加えて、第1領域61は、第2領域62と比較して、より大きな最大高さRz及びより大きなクルトシスSkuを有する。したがって、第1領域61は、第2領域62と比較して、より高くてより鋭い山部又は凸部を含むことになり、より強い触感が付与される。加えて、盛上部55によって第1領域61が第2領域62より隆起していることが、触感により知覚される。第1領域61及び第2領域62の組合せによれば、化粧シート20を触った使用者に、複雑で強い触感を付与できる。すなわち、種々の触感を強調して付与できる。化粧シート20は、豊かな触感表現により、自然物の触感を高精度に再現した触感を付与できる。化粧シート20の人工的な印象を弱めて、化粧シート20に自然な風合いを創出できる。
 なお、このような表面特性を有する表面20Aは、一例として、上述してきた構成の化粧シート20によって付与され得る。この化粧シート20において、表面保護層60が第2バインダー樹脂66及び第2粒子67を含む。表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTB(μm)は、第2粒子67の平均粒子径である第2平均粒子径DB(μm)より小さい。盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTAは、第2平均粒子径DB(μm)より大きい。
 この化粧シートにおいて、盛上部55が第1バインダー樹脂56及び第1粒子57を含んでもよい。第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAは、盛上部55の第1平均厚みTAの0.7以上1.3倍以下でもよい。この構成によれば、盛上部55が第1バインダー樹脂56及び第1粒子57を含むことによって、盛上部55は凹凸面を有する。第1領域61において、表面保護層60は、凹凸面である盛上部55上に位置している。このため、第2領域62よりも強い凹凸面を第1領域61に付与することができる。特に、第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DAを、盛上部55の第1平均厚みTAの0.7倍以上1.3倍以下とすることにより、第1領域61は、第2領域62と比較して、適度により高くて適度により鋭い山を含むことになる。すなわち、第1領域61は、第2領域62と比較して、よりも大きな最大高さRz及びより大きなクルトシスSkuを有し得る。
 この化粧シート20において、JIS B0601:2013に規定された表面保護層60の最大高さRzを、第1領域61において第2領域62よりも大きくしてもよい。第1領域61において、第2領域62より、より強い触感が付与される。さらに第1領域61は、第2領域62と比較して隆起している。これらにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違がより明確に知覚される。
 また、次の構成を有する化粧シート20によっても、上述の表面特性が実現され得る。この化粧シート20において、盛上部55は、第1バインダー樹脂56と、平均粒子径DAが10μm以上である第1粒子57と、を含む。表面保護層60は、第2バインダー樹脂66と、平均粒子径が10μm以上20μm以下である第2粒子67と、を含む。盛上部55の平均厚みTAは20μm以上である。表面保護層60の平均厚みTBは3μm以上15μm以下である。
 以下において、化粧シート20の表面20Aでの最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuについて、順に説明する。
<最大高さRz>
 最大高さRzは、JIS B0601:2013に規定された輪郭曲線の最大高さである。最大高さRzAは、第1領域61となる表面20Aでの測定値である。最大高さRzBは、第2領域62となる表面20Aでの測定値である。本明細書で言及する最大高さRzの測定において、カットオフ値は0.8mmとする。
 盛上部55に対面する第1領域61での表面20Aの最大高さRzAを25μmとしてもよい。最大高さRzAを25μm以上とすることにより、化粧シート20に触れた使用者は、第1領域61から強い触感を付与され得る。第1領域61での最大高さRzAは、30μm以上でもよく、35μm以上でもよく、40μm以上でもよい。これらの例によれば、第1領域61から得られる触感をより強調できる。
 第1領域61での最大高さRzAの上限を設けてもよい。最大高さRzAに上限を設けることにより、極端に大きな山部又は凸部の形成の抑制できる。これにより、不自然な触感を抑制して、自然物の触感を再生可能となる。これらのことから、第1領域での最大高さRzAを、60μm以下としてもよく、55μm以下としてもよく、50μm以下としてもよい。
 盛上部55に対面しない第2領域62での表面20Aの最大高さRzBを18μm以上としてもよい。最大高さRzBを18μm以上とすることにより、化粧シート20に触れた使用者は、第2領域62から強い触感を付与され得る。第2領域62の最大高さRzBは、19μm以上でもよく、20μm以上でもよい。これらの例によれば、第2領域62から得られる触感をより強調できる。
 第2領域62での最大高さRzBに上限を設けてもよい。最大高さRzBに上限を設けることにより、第1領域61の最大高さRzA及び第2領域62の最大高さRzBの差を十分に確保できる。これにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違が十分に知覚可能となる。このため、第2領域62での最大高さRzBは、29μm以下でもよく、26μm以下でもよく、24μm以下でもよい。
 第2領域62での最大高さRzBを第1領域61での最大高さRzAより小さくしてもよい。すなわち「RzB<RzA」としてもよい。この関係を満たすことにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違が大きくなる。これにより、化粧シート20は、自然物を触った際に得られる触感をより高精度に再現できる。このような作用効果を期待する上で、「RzA-RzB」の値は、2μm以上でもよく、4μm以上でもよく、6μm以上でもよい。
 「RzA-RzB」の値に上限を設けることにより、第1領域61から得られる触感と第2領域62から得られる触感との相違を適度とできる。これにより、不自然な触感を抑制して、自然物の触感を再生可能となる。この観点から、「RzA-RzB」は、20μm以下でもよく、15μm以下でもよく、10μm以下でよい。
<スキューネスSsk>
 スキューネスSskは、ISO25178-2:2012に規定されている。スキューネスSskAは、第1領域61となる表面20Aでの測定値である。スキューネスSskBは、第2領域62となる表面20Aでの測定値である。第1領域61でのスキューネスSskAを0より大きくしてもよい。第2領域62でのスキューネスSskBを0より大きくしてもよい。
 スキューネスSskは、ISOで規定される三次元表面性状パラメータの一つである。スキューネスSskは、平均面からの高さ分布の偏りの度合いを示す指標である。スキューネスSskが0である場合、表面形状が高さ平均面に対して対称となる。正規分布に沿った表面形状について、スキューネスSskは0となる。スキューネスSskが0より大きくなると、表面形状が高さ平均面に対して下側に偏る。すなわち、山部または凸部の頂部近傍が鋭く細い場合、スキューネスSskは0より大きい。言い換えると、谷部または凹部の開口部近傍が太く開いている場合、スキューネスSskは0より大きい。スキューネスSskが0未満になると、表面形状が高さ平均面に対して上側に偏る。すなわち、山部または凸部の頂部近傍が太い場合、スキューネスSskは0より小さい。言い換えると、谷部または凹部の開口部近傍が細く開いている場合、スキューネスSskは0より小さい。
 第1領域61でのスキューネスSskAが0より大きいことによって、触感をより強くできる。第1領域61でのスキューネスSskAは、0.5以上でもよく、1.0以上でもよく、2.0以上でもよい。第1領域61でのスキューネスSskAの上限は、特に制限されない。強度の観点から、第1領域61でのスキューネスSskAは、4.0以下でもよく、3.0以下でもよい。
 第2領域62でのスキューネスSskBが0より大きいことによって、触感をより強くできる。第1領域61でのスキューネスSskBは、0.2以上でもよく、0.5以上でもよく、0.8以上でもよい。第2領域62でのスキューネスSskBの上限は、特に制限されない。強度の観点から、第2領域62でのスキューネスSskBは、3.0以下でもよく、2.0以下でもよい。
<クルトシスSku>
 クルトシスSkuは、ISO25178-2:2012に規定されている。クルトシスSkuAは、第1領域61となる表面20Aでの測定値である。クルトシスSkuBは、第2領域62となる表面20Aでの測定値である。第1領域61でのクルトシスSkuAを10.0以上としてもよい。第2領域62でのクルトシスSkuBを4.0以上としてもよい。
 クルトシスSkuは、ISOにて規定される三次元表面性状パラメータの一つである。クルトシスSkuは、平均面からの高さ分布の尖りの度合いを示す指標である。クルトシスSkuが3となる場合、高さ分布は正規分布のプロファイルを有する。クルトシスSkuが3より大きいと、高さ分布が尖った形状を有する。クルトシスSkuが3より小さいと、高さ分布がつぶれる形状を有する。
 第1領域61でのクルトシスSkuAを10.0以上とすることにより、触感をより強くできる。第1領域61でのクルトシスSkuAは、12.0以上でもよく、14.0以上でもよい。クルトシスSkuAの上限は、特に制限されない。クルトシスSkuAは、20.0以下でもよく、より好ましくは18.0以下でもよい。
 第2領域62でのクルトシスSkuBを4.0以上とすることにより、触感をより強くできる。第2領域62でのクルトシスSkuBは、4.6以上でもよく、4.7以上でもよく、4.9以上でもよい。第2領域62でのクルトシスSkuBの上限は、特に制限されない。第2領域62でのクルトシスSkuBは、10.0以下でもよく、8.0以下でもよく、6.5以下でもよい。
 最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuは、上述したように、盛上部55の平均厚みである第1平均厚みTA、表面保護層60の平均厚みである第2平均厚みTB、第1粒子57の平均粒子径である第1平均粒子径DA、第2粒子67の平均粒子径である第2平均粒子径DB、盛上部55における第1粒子57の含有量、及び、表面保護層60における第2粒子67の含有量等によって、調節できる。最大高さRzA、最大高さRzB、スキューネスSskA、スキューネスSskB、クルトシスSkuA及びクルトシスSkuBを上述した範囲に調節するには、上述した、第1平均厚みTA、第1平均粒子径DA、第2平均厚みTB及び第2平均粒子径DBを上述した数値範囲に設定することが有効である。
 本明細書において、最大高さRzA、最大高さRzB、スキューネスSskA、スキューネスSskB、クルトシスSkuA及びクルトシスSkuBは、それぞれ、20箇所の測定値の平均値とする。
 最大高さRz、スキューネスSsk及びクルトシスSkuは、化粧シート20の表面形状の任意の箇所の長方形領域について、形状解析レーザ顕微鏡を用いて測定できる。長方形領域の大きさは、1402μm×1051μm程度としてもよい。任意の20箇所の領域の表面形状を測定し、20箇所の平均値として、最大高さRzA、最大高さRzB、スキューネスSskA、スキューネスSskB、クルトシスSkuA及びクルトシスSkuBを特定できる。測定条件は適宜調整することができ、例えば実施例に記載の条件にて測定できる。
<用途>
 本開示の化粧材100及び化粧シート20は、各種用途に用いられ得る。具体的な用途として、下記(1)~(9)が例示される。
(1)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の壁、床、天井等の内装部分の表面材。
(2)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の外壁、屋根、軒天井、戸袋等の外装部分の表面材。
(3)窓、窓枠、扉、扉枠等の建具の表面材(内装部分又は外装部分);建具の付随備品(取っ手等)の表面材;建具の治具の表面材。
(4)手すり、腰壁、廻り縁、敷居、鴨井、笠木の造作部材の表面材。
(5)塀、門扉、物干台の柱や手すり等の屋外(外装)部分の表面材。
(6)箪笥、机、椅子、食器棚、厨房の流し台等の家具の表面材;家具の付随備品(取っ手等)の表面材;家具の治具の表面材。
(7)テレビジョン受像機、ラジオ受信機、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、扇風機、空調機等の各種家電製品の筐体等の表面材;家電製品の付随備品(取っ手、スイッチ、タッチパネル等)の表面材;家電製品の治具の表面材。
(8)電子複写機、ファクシミリ、プリンタ、パーソナルコンピュータ等の各種電算機器等のOA機器の表面材;銀行、郵便局等の金融機関のATM装置の各種OA機器類の筐体の表面材;各種OA機器類の付随備品(キーボード鍵盤、タッチパネル等)の表面材;各種OA機器類の治具の表面材。
(9)自動車、鉄道車両等の車輛、船舶、航空機等の乗物の内装又は外装部分(壁、床、天井、手すり、支柱、操作盤、レバー、ハンドル、舵輪等の操縦機器類)の表面材。
 本開示の一実施の形態は、以下の[1]~[20]に関する。
[1] 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 JIS B0601:2013にて規定された最大高さRzは、前記表面保護層の前記第1領域において25μm以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において18μm以上であり、
 ISO25178-2:2012にて規定されたスキューネスSskは、前記表面保護層の前記第1領域において0より大きく、前記表面保護層の前記第2領域において0より大きく、
 ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記表面保護層の前記第1領域において10.0以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において4.0以上である、化粧シート。
[2] 前記盛上部は、第1バインダー樹脂および第1粒子を含み、
 前記表面保護層は、第2バインダー樹脂および第2粒子を含む、[1]に記載の化粧シート。
[3] 前記表面保護層の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より小さく、
 前記盛上部の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より大きい、[2]に記載の化粧シート。
[4] 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 前記表面保護層は、第2バインダー樹脂および第2粒子を含み、
 前記表面保護層の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より小さく、
 前記盛上部の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より大きい、化粧シート。
[5] 前記盛上部は、第1バインダー樹脂および第1粒子を含み、
 前記第1粒子の平均粒子径は、前記盛上部の平均厚みの0.7倍以上1.3倍以下である、[3]又は[4]に記載の化粧シート。
[6] JIS B0601:2013に規定された前記表面保護層の最大高さRzは、18μm以上である、[4]又は[5]に記載の化粧シート。
[7] JIS B0601:2013に規定された前記表面保護層の最大高さRzは、前記第1領域において前記第2領域よりも大きい、[4]~[6]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[8] 基材と、
 前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
 前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
 前記盛上部は、第1バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上である第1粒子と、を含み、
 前記表面保護層は、第2バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上20μm以下である第2粒子と、を含み、
 前記盛上部の平均厚みは20μm以上であり、
 前記表面保護層の平均厚みは3μm以上15μm以下である、化粧シート。
[9] 前記第1粒子の平均粒子径は10μm以上50μm以下である、[2]~[8]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[10] 前記盛上部の平均厚みは20μm以上60μm以下である、[2]~[9]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[11] 前記第2粒子の平均粒子径は前記第1粒子の平均粒子径より小さい、[2]~[10]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[12] JIS B0601:2013に規定された最大高さRzは、前記第1領域において25μm以上である、[4]~[11]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[13] JIS B0601:2013に規定された最大高さRzは、前記第2領域において18μm以上である、[4]~[12]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[14] ISO25178-2:2012に規定されたスキューネスSskは、前記第1領域において0より大きい、[4]~[13]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[15] ISO25178-2:2012に規定されたスキューネスSskは、前記第2領域において0より大きい、[4]~[14]のいずれかに記載の化粧シート。
[16] ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記第1領域において10.0以上である、[4]~[15]のいずれかに記載の化粧シート。
[17] ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記第2領域において4.0以上である、[4]~[15]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[18] 前記基材と前記表面保護層との間に位置する意匠層を備える、[1]~[17]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[19] 前記意匠層は木目柄を表示する、[18]に記載の化粧シート。
[20] [1]~[19]のいずれか一項に記載の化粧シートと、
 前記化粧シートを支持する支持材と、を備える、化粧材。
 本開示を実施例により更に詳細に説明する。本開示は以下の実施例に限定されない。
1.測定及び評価
 以下のように、実施例及び比較例の化粧シートの測定及び評価を行った。なお、各測定及び評価時の雰囲気は、温度23±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。また、各測定及び評価の開始前に、対象サンプルを前記雰囲気に30分以上晒してから測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
1-1.触感
 実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、20人の被験者が触感を評価した。20人の被験者は、20歳台、30歳台、40歳台及び50歳台がそれぞれ5名とした。各被験者が、利き手の人差し指の腹で化粧シートの表面を触り、触感が優れているか否かについて評価した。触感の評価基準は、「凹凸を強く感じるか否か」及び「第1領域及び第2領域の間で触感が相違し、自然に感じるか否か」とした。表1に、集計した触感の評価を下記の基準で分類した結果を示す。実施例1~5の化粧シートから強い触感が得られた。特に実施例1~4の化粧シートでは、盛上部に対面した第1領域で得られた触感が、盛上部に対面しない第2領域で得られた触感よりも強調されていることを知覚できた。
 A:触感が優れていると答えた人が20人中18人以上であった。
 B:触感が優れていると答えた人が20人中15人以上17人以下であった。
 C:触感が優れていると答えた人が20人中11人以上14人以下であった。
 D:触感が優れていると答えた人が20人中10人以下であった。
1-2.低艶感
 実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、20人の被験者が艶を評価した。20人の被験者は、20歳台、30歳台、40歳台及び50歳台がそれぞれ5名とした。各被験者が、化粧シートの表面を目視で観察し、艶が十分抑制されているか否かとした。評価は外光を遮った室内の蛍光灯照明下で行った。表1に、集計した艶の評価を下記の基準で分類した結果を示す。
 A:艶が低いと答えた人が20人中18人以上であった。
 B:艶が低いと答えた人が20人中15人以上17人以下であった。
 C:艶が低いと答えた人が20人中11人以上14人以下であった。
 D:艶が低いと答えた人が20人中10人以下であった。
1-3.表面形状
 実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、盛上部上となる第1領域、及び、盛に対面しない第2領域の表面形状を測定した。測定項目は、「JIS B0601:2013に規定される輪郭曲線の最大高さ(Rz)」、「ISO25178-2:2012に規定されるスキューネス(Ssk)」、「ISO25178-2:2012に規定されるクルトシス(Sku)」とした。
 測定装置は、形状解析レーザ顕微鏡(「VK-X1000(制御部)/VK-X1050(測定部)」、株式会社キーエンス製)とした。測定条件は、下記の通りとした。最大高さRzを算出する際のカットオフ値は0.8mmとした。1回の測定を行う際の測定領域は1402μm×1051μmとした。測定を20回行い、20回の測定による20測定値の平均値を、各実施例及び比較例のRzA、RzB、SskA、SskB、SkuA及びSkuBの値とした。
<測定条件>
対物レンズ:10倍、レーザ波長:661nm、測定モード:表面形状モード、測定ピッチ:1.6μm、測定品質:高速モード
2.化粧材の作製
[実施例1]
 建材用着色原紙(「CHPS45(型番)」、坪量:45g/m、天間特殊紙株式会社製)を基材とした。前記基材の易接着処理された面に、樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布して厚さ5μm着色層を形成した。樹脂組成物は、アクリル樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂をバインダーとして含み、且つ、着色剤としてチタン白、弁柄、黄鉛を含んでいた。次いで、前記着色層上に硝化綿をバインダーとし、弁柄を主成分とする着色剤を含む樹脂組成物を用いて、木目模様の絵柄層を形成した。前記木目模様は、導管溝の模様とした。前記着色層及び前記絵柄層により、基材上に意匠層が形成された。
 次いで、意匠層上の全面に、プライマー層用組成物を塗布、乾燥し、厚み5μmのプライマー層を形成した。プライマー層用組成物は、二液硬化性樹脂(主剤:アクリルポリオール、硬化剤;ヘキサメチレンジイソシアネート)を含んでいた。
 次いで、プライマー層上の一部の領域に、下記処方の盛上部用組成物1を、グラビア印刷法により塗布、乾燥し、盛上部を形成した。盛上部を形成した箇所は、前記絵柄層を形成した箇所と略一致させた。前記絵柄層及び前記盛上部により木目柄が形成された。盛上部は、第1バインダー樹脂と、第1平均粒子径DAが30μmである第2粒子と、を含んでいた。盛上部の第1平均厚みTAは30μmであった。
 次いで、盛上部が配置された領域、及び、盛上部が配置されていない領域の全部を覆うように、下記処方の表面保護層用組成物1を、ロールコート法により塗布し、電子線(加圧電圧:175KeV、5Mrad(50kGy))を照射した。電子線の照射により、未硬化樹脂層が硬化し、表面保護層が形成された。その後、70℃で24時間の加熱養生を行い、実施例1の化粧シートが得られた。表面保護層は、第2バインダー樹脂と、第2平均粒子径DBが15μmである第2粒子と、を含んでいた。表面保護層の第2平均厚みTBは8μmであった。
<盛上部用組成物1>
・二液硬化性樹脂:100質量部
(主剤:アクリルポリオール、硬化剤;ヘキサメチレンジイソシアネート)
・樹脂粒子:25質量部
(球形ポリメチルメタクリレート粒子)
・溶剤:適量
<表面保護層用組成物1>
・電子線硬化性多官能アクリレート樹脂:100質量部
・無機粒子:25質量部
(球形シリカ粒子)
[実施例2]
 実施例1と同様にして、実施例2の化粧シートを作製した。ただし、表面保護層用組成物1の使用量を、実施例1から変更して、実施例2の化粧シートを作製した。
 実施例2に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは30μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは30μmであった。実施例2に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは7μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは15μmであった。
[実施例3]
 実施例1と同様にして、実施例3の化粧シートを作製した。ただし、表面保護層用組成物1の使用量、及び表面保護層用組成物1に含まれる第2粒子の粒子径を、実施例1から変更して、実施例3の化粧シートを作製した。
 実施例3に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは30μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは30μmであった。実施例3に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは7μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは12μmであった。
[実施例4]
 実施例1と同様にして、実施例4の化粧シートを作製した。ただし、表面保護層用組成物1の使用量を、実施例1から変更して、実施例4の化粧シートを作製した。
 実施例4に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは30μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは30μmであった。実施例4に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは10μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは15μmであった。
[実施例5]
 実施例1と同様にして、実施例5の化粧シートを作製した。ただし、表面保護層用組成物1の使用量、及び表面保護層用組成物1に含まれる第2粒子の粒子径を、実施例1から変更して、実施例5の化粧シートを作製した。
 実施例5に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは30μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは30μmであった。実施例5に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは4μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは12μmであった。
[比較例1]
 実施例1と同様にして、比較例1の化粧シートを作製した。ただし、盛上部用組成物1の使用量、盛上部用組成物1に含まれる第1粒子、表面保護層用組成物1の使用量、及び表面保護層用組成物1に含まれる第2粒子を実施例1から変更して、比較例1の化粧シートを作製した。
 比較例1に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは10μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは12μmであった。比較例1に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは4μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは5μmであった。
[比較例2]
 実施例1と同様にして、比較例2の化粧シートを作製した。ただし、表面保護層用組成物1の使用量、及び表面保護層用組成物1に含まれる第2粒子を、実施例1から変更して、比較例2の化粧シートを作製した。
 比較例2に係る化粧シートにおいて、盛上部の第1平均厚みTAは30μmであり、第1粒子の第1平均粒子径DAは30μmであった。比較例2に係る化粧シートにおいて、表面保護層の第2平均厚みTBは4μmであり、第2粒子の第2平均粒子径DBは5μmであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
100:化粧材、20:化粧シート、20A:表面、30:基材、40:意匠層、45:プライマー層、50:盛上層、55:盛上部、56:第1バインダー樹脂、57:第1粒子、60:表面保護層、61:第1領域、62:第2領域、66:第2バインダー樹脂、67:第2粒子、D1:第1方向D1、D2:第2方向D1、D3:第3方向D1

Claims (20)

  1.  基材と、
     前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
     前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
     JIS B0601:2013にて規定された最大高さRzは、前記表面保護層の前記第1領域において25μm以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において18μm以上であり、
     ISO25178-2:2012にて規定されたスキューネスSskは、前記表面保護層の前記第1領域において0より大きく、前記表面保護層の前記第2領域において0より大きく、
     ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記表面保護層の前記第1領域において10.0以上であり、前記表面保護層の前記第2領域において4.0以上である、化粧シート。
  2.  前記盛上部は、第1バインダー樹脂および第1粒子を含み、
     前記表面保護層は、第2バインダー樹脂および第2粒子を含む、請求項1に記載の化粧シート。
  3.  前記表面保護層の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より小さく、
     前記盛上部の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より大きい、請求項2に記載の化粧シート。
  4.  基材と、
     前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
     前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
     前記表面保護層は、第2バインダー樹脂および第2粒子を含み、
     前記表面保護層の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より小さく、
     前記盛上部の平均厚みは、前記第2粒子の平均粒子径より大きい、化粧シート。
  5.  前記盛上部は、第1バインダー樹脂および第1粒子を含み、
     前記第1粒子の平均粒子径は、前記盛上部の平均厚みの0.7倍以上1.3倍以下である、請求項3又は4に記載の化粧シート。
  6.  JIS B0601:2013に規定された前記表面保護層の最大高さRzは、18μm以上である、請求項4又は5に記載の化粧シート。
  7.  JIS B0601:2013に規定された前記表面保護層の最大高さRzは、前記第1領域において前記第2領域よりも大きい、請求項4~6のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8.  基材と、
     前記基材上に位置する第1領域および第2領域を含む表面保護層と、
     前記基材と前記表面保護層の前記第1領域との間に位置する盛上部と、を備え、
     前記盛上部は、第1バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上である第1粒子と、を含み、
     前記表面保護層は、第2バインダー樹脂と、平均粒子径が10μm以上20μm以下である第2粒子と、を含み、
     前記盛上部の平均厚みは20μm以上であり、
     前記表面保護層の平均厚みは3μm以上15μm以下である、化粧シート。
  9.  前記第1粒子の平均粒子径は10μm以上50μm以下である、請求項2、3、5及び8のいずれか一項に記載の化粧シート。
  10.  前記盛上部の平均厚みは20μm以上60μm以下である、請求項2~9のいずれか一項に記載の化粧シート。
  11.  前記第2粒子の平均粒子径は前記第1粒子の平均粒子径より小さい、請求項2、3、5、8及び9のいずれか一項に記載の化粧シート。
  12.  JIS B0601:2013に規定された最大高さRzは、前記第1領域において25μm以上である、請求項4~11のいずれか一項に記載の化粧シート。
  13.  JIS B0601:2013に規定された最大高さRzは、前記第2領域において18μm以上である、請求項4~12のいずれか一項に記載の化粧シート。
  14.  ISO25178-2:2012に規定されたスキューネスSskは、前記第1領域において0より大きい、請求項4~13のいずれか一項に記載の化粧シート。
  15.  ISO25178-2:2012に規定されたスキューネスSskは、前記第2領域において0より大きい、請求項4~14のいずれかに記載の化粧シート。
  16.  ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記第1領域において10.0以上である、請求項4~15のいずれかに記載の化粧シート。
  17.  ISO25178-2:2012に規定されたクルトシスSkuは、前記第2領域において4.0以上である、請求項4~15のいずれか一項に記載の化粧シート。
  18.  前記基材と前記表面保護層との間に位置する意匠層を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の化粧シート。
  19.  前記意匠層は木目柄を表示する、請求項18に記載の化粧シート。
  20.  請求項1~19のいずれか一項に記載の化粧シートと、
     前記化粧シートを支持する支持材と、を備える、化粧材。
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