JP2021054045A - 化粧シート、及び、化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】奥行感や、輝度感といった優れた意匠効果を付与することができる化粧シートを提供する。【解決手段】本発明の化粧シートは、少なくとも、基材、絵柄層、第一光輝性層、及び、透明性樹脂層をこの順に有する化粧シートであって、上記化粧シートは、表面に凸形状を備え、上記凸形状は、ISO 25178−2:2012で規定されるスキューネス(Ssk)、及び、クルトシス(Sku)が下記式を満たすことを特徴とする。Ssk≧0SKu≧3【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート、及び、化粧材に関する。
建材、家具、家電製品等において、使用する部材を加飾したい場合には、意匠が施された化粧シートを貼着した化粧材が一般的に用いられている。
近年、化粧シートの意匠に対する要望が高まっており、大理石に代表される石目模様に関しては特にその要望が高い。このような化粧シートの意匠について、より高い意匠効果を付与するために、パール顔料を用いて形成した意匠層を設ける手法が検討されている。
例えば、特許文献1には、基材層の上に、複数種類のパール顔料を使用したパール柄層、透明樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、上記パール柄層は、第1パール顔料及びメジウムを含む第1パール柄層と、第2パール顔料及びメジウムを含む第2パール柄層とが積層されてなり、上記第1パール柄層は、インキの集合からなり、その網点の面積の比率が0%より大きく70%以下となっており、上記第2パール柄層は、インキの集合からなり、その網点の面積の比率は0%より大きく40%以下であり、第1パール柄層よりも単位面積当たりの塗布量が多い化粧シートが開示されている。
例えば、特許文献2には、基体樹脂層と、絵柄印刷層と、マット樹脂層と、パール意匠層と、を備えるパール意匠壁紙である。基体樹脂層は、基材の上に形成されている。絵柄印刷層は、上記基体樹脂層の上に形成され、且つ絵柄が印刷されている。マット樹脂層は、上記絵柄印刷層の上に形成され、且つ艶消しされた層である。パール意匠層は、上記基体樹脂層の上に上記絵柄印刷層と同一の平面で形成され、且つパール顔料を含有するパール意匠化粧用シートが開示されている。
特開2018−43427号公報 特開2018−122575号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2に記載の化粧シートでは、近年要求される奥行感や、輝度感といった意匠効果を充分に発揮できるとは言い難く、より優れた意匠効果を付与することができる化粧シートが求められていた。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、奥行感や、輝度感といった優れた意匠効果を付与することができる化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するため鋭意検討し、少なくとも、基材、絵柄層、第一光輝性層、及び、透明性樹脂層をこの順に有する化粧シートの表面形状に着目した。
そこで本発明者らはさらに鋭意検討したところ、化粧シートの表面に、スキューネス(Ssk)が特定の範囲であり、かつ、クルトシス(Sku)が特定の範囲である凸部を形成することにより、従来の化粧シートよりも、奥行感や、輝度感といった意匠効果をより発揮することができる化粧シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の化粧シートは、少なくとも、基材、絵柄層、第一光輝性層、及び、透明性樹脂層をこの順に有する化粧シートであって、上記化粧シートは、表面に凸形状を備え、上記凸形状は、ISO 25178−2:2012で規定されるスキューネス(Ssk)、及び、クルトシス(Sku)が下記式を満たすことを特徴とする。
Ssk≧0
SKu≧3
本発明の化粧シートは、絵柄層が、隠蔽層と、図柄層とを有することが好ましい。
また、上記第一光輝性層の面積は、上記絵柄層の面積に対して、30%以上80%以下であることが好ましい。
また、平面視した場合に、第一光輝性層の輪郭部が、絵柄層の明度の高い領域に接触又は近接することが好ましい。
また、上記隠蔽層と上記図柄層との間に、第二光輝性層を有することが好ましい。
また、平面視した場合に、上記第二光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度の高い領域に接触又は近接することが好ましい。
また、上記化粧シートの上記透明性樹脂層を有する側の面は、JIS Z 8741:1997に準拠する方法により測定される60°鏡面光沢度が、5以上50以下であることが好ましい。
また、本発明は、被着材上に上記の化粧シートを備えることを特徴とする化粧材でもある。
本発明は、奥行感や、輝度感といった優れた意匠効果を付与することができる化粧シート及び化粧材を提供することができる。
本発明の化粧シートの好ましい一例を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧シートの別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧シートの別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。 図4(a)及び図4(b)は、本発明の化粧シートの好ましい一例において、第一光輝性層又は第二光輝性層と、絵柄層の明度が高い領域との位置関係を模式的に示す上面図である。 本発明の化粧材の好ましい一例を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧材の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。
<化粧シート>
本発明の化粧シートは、少なくとも、基材、絵柄層、第一光輝性層、及び、透明性樹脂層をこの順に有する化粧シートであって、上記化粧シートは、表面に凸形状を備え、上記凸形状は、ISO25178−2:2012で規定されるスキューネス(Ssk)、及び、クルトシス(Sku)が下記式を満たすことを特徴とする。
Ssk≧0
SKu≧3
図1は、本発明の化粧シートの好ましい一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の化粧シート100は、少なくとも、基材10、絵柄層20(隠蔽層21、図柄層22)、第一光輝性層30、及び、透明性樹脂層50をこの順に有しており、表面に凸形状を備える。
第一光輝性層30と、透明接着剤層50との間には、接着剤層40等が設けられていてもよい。
また、図2は、本発明の化粧シートの別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、本発明の化粧シート100は、少なくとも、基材10、絵柄層20(隠蔽層21、図柄層22)、第一光輝性層30、接着剤層40及び、透明性樹脂層50をこの順に有しており、透明性樹脂層50を有する側に凸形状を有しており、隠蔽層21と、図柄層22との間に、第二光輝性層60を有することが好ましい。
また、図3は本発明の化粧シートの別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図3に示す化粧シート100では、表面に更にプライマー層70、表面保護層80を有し、更に表面保護層80の表面に凸形状を備える。
また、図5及び6は本発明の化粧材の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図5及び6に示す化粧材200では、化粧シート100の基材10を有する面にプライマー90、接着剤110を介し、被着材120が接するように積層されている。
以下、本発明の化粧シートの各構成について説明する。
なお、以下の記載において、「〜」で表される数値範囲の下限上限は「以上以下」を意味する(例えば、α〜βならば、α以上β以下である)。
(化粧シートの凸形状)
本発明の化粧シートは、透明性樹脂層を有する側の面に凸形状を有し、上記凸形状は、ISO25178−2:2012で規定されるスキューネス(Ssk)、及び、クルトシス(Sku)が下記式を満たす。
Ssk≧0
SKu≧3
本発明の化粧シートは、表面にこのような凸形状を備えるので、拡散反射が低減され、奥行感や、輝度感といった意匠効果を発揮することができると考えられる。また、このような凸形状を備えることにより、化粧シートの耐汚染性を好適に向上することもできる。
上記スキューネス(Ssk)は、0.1以上であることがより好ましく、0.2以上であることが更に好ましい。
上記クルトシス(Sku)は、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることが更に好ましい。
なお、「化粧シート表面に凸形状を備える」とは、透明性樹脂層が化粧シートの最表面にある場合には、透明性樹脂層の第一光輝性層を有する側と反対側の表面に凸形状を備えることを意味し、透明性樹脂層の第一光輝性層を備える側と反対側に表面保護層等を有する場合には、表面保護層等の表面(すなわち、最表面)に凸形状を備えることを意味する。
上記スキューネス(Ssk)及びクルトシス(Sku)は、例えば、形状解析レーザ顕微鏡(測定部「VK−X1050」、台座「VK−D1」、コントローラ「VK−X1000」(KEYENCE社製))を用いて、以下の測定条件により測定、解析をすることにより得ることができる。
<測定条件>
明るさ調整:オート
倍率:5
視野範囲:2749μm×2061μm
フォーカス:オート
Lフィルター:0.8
解析ソフト:VK−X1000シリーズ マルチファイル解析アプリケーション(KEYENCE社製)
本発明の化粧シートの上記透明性樹脂層を有する側の面に有する凸形状は、奥行感や、輝度感といった意匠効果を好適に発揮する観点や、耐汚染性を好適に付与する観点から、以下のパラメータを充足することが好ましい。
ISO25178−2 2012に準拠するSaが、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが更に好ましい。また、上記Saが、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
ISO25178−2 2012に準拠するSzが、70μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、90μm以上であることが更に好ましい。また、上記Szが、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。
ISO25178−2 2012に準拠するSpcが、250(1/mm)以上であることが好ましく、270(1/mm)以上であることがより好ましく、300(1/mm)以上であることが更に好ましい。また、上記Spcが、1500(1/mm)以下であることが好ましく、1400(1/mm)以下であることがより好ましい。
上記Sa、Sz及びSpcは、例えば、形状解析レーザ顕微鏡(測定部「VK−X1050」、台座「VK−D1」、コントローラ「VK−X1000」(KEYENCE社製))を用いて、以下の測定条件により測定、解析をすることにより得ることができる。
<測定条件>
明るさ調整:オート
倍率:5
視野範囲:2749μm×2061μm
フォーカス:オート
カットオフ:λc=0.8
解析ソフト:VK−X1000シリーズ マルチファイル解析アプリケーション(KEYENCE社製)
上記凸形状を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、熱によるエンボス加工、賦形シートによって凹凸形状を転写させる方法等が挙げられる。
上記エンボス加工としては、例えば、周知の枚葉、又は、輪転式のエンボス機によるエンボス加工を施す方法が挙げられる。
(基材)
本発明の化粧シートは、基材を有する。
上記基材としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体,ホモポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体,プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、又は、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等の熱可塑性エステル系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系熱可塑性樹脂、又は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム等の非ジエン系ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、絵柄層の印刷適性に優れ、安価である点で、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。
上記基材は、着色されていてもよい。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色剤(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
上記基材には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
上記基材の厚みは、特に限定されないが、40μm〜200μm 以下程度が好ましい。
上記基材は、単層又は多層のいずれで構成されていてもよい。
(絵柄層)
本発明の化粧シートは、絵柄層を有する。
上記絵柄層は、本発明の化粧シートに装飾性を付与する層であり、例えば、均一に着色が施された隠蔽層(ベタ印刷層)でもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して既知の印刷することにより形成される図柄層であってもよい。
本発明の化粧シートは、意匠の奥行感及び輝度感を好適に付与する観点から、上記絵柄層が、隠蔽層と図柄層とを有することが好ましい。
上記隠蔽層は、上述した基材が着色していたり色ムラがあったりする場合に、意図した色彩を与えて表面の色を整えることができる層である。
上記隠蔽層は、例えば、着色ベタ層である。上記着色ベタ層は、例えば、不透明色のベタ層である。
上記隠蔽層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散した着色剤とを含有する。
上記バインダー樹脂としては、塩素系樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等が挙げられる。塩素系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。バインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、チタン白(酸化チタン)、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料等が挙げられる。着色剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記隠蔽層は、例えば、印刷層である。
印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。絵柄層を構成する模様は、通常の黄色、赤色、青色及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成することができる他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成することができる。
上記隠蔽層の形成に使用される隠蔽層用インキ組成物(塗工液)は、例えば、溶剤と、着色剤、バインダー樹脂等の固形分との混合物である。上記隠蔽層用インキ組成物は、その他の成分として、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を含んでもよい。
上記溶剤としては、着色剤の分散性、バインダー樹脂の溶解性等を考慮して適宜選択することができる。
上記溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記隠蔽層の厚さは、上記隠蔽層に求められる隠蔽性、三次元成形性等を考慮して適宜調整することができる。上記隠蔽層の厚さは、通常1μm以上1mm以下、好ましくは2μm以上0.1mm以下、さらに好ましくは2μm以上50μm以下である。
上記図柄層は、化粧シートに所望の模様を付与する層である。
上記図柄層を構成する模様としては、例えば、年輪断面の春材領域及び秋材領域、導管部等から構成される木目模様、レザー(皮シボ)模様、大理石、花崗岩、砂岩等の石材表面の石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様、風景、キャラクター等が挙げられる。
その中でも、特に石目柄模様が本発明の効果を好適に発揮することができる。
上記図柄層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散した着色剤とを含有する。
上記バインダー樹脂及び着色剤は、上述した隠蔽層と同様のものを適宜選択して用いることができる。
上記図柄層は、例えば、印刷層である。印刷法に関する説明は上記隠蔽層と同様の方法を適宜選択して用いることができる。上記図柄層の形成に使用される図柄層用インキ組成物(塗工液)は、例えば、溶剤と、着色剤、バインダー樹脂等の固形分との混合物である。
上記図柄層用インキ組成物は、その他の成分として、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を含んでもよい。上記溶剤としては、上記隠蔽層用インキ組成物と同様のものを適宜選択して用いることができる。上記溶剤は最終的に揮発するため、上記図柄層は、主として、着色剤、バインダー樹脂等の固形分により形成される。
上記図柄層の厚さは、上記図柄層に求められる装飾性、化粧シートの三次元成形性等を考慮して適宜調整することができる。上記図柄層の厚さは、通常1μm以上1mm以下、好ましくは2μm以上0.1mm以下、さらに好ましくは2μm以上50μm以下である。
(第一光輝性層)
本発明の化粧シートは、第一光輝性層を有する。
上記第一光輝性層は、化粧シートの奥行感や、輝度感といった意匠効果を好適に付与することを目的として形成される層である。
上記第一光輝性層は、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
上記光輝性顔料としては、パール顔料及び金属顔料等が挙げられる。なかでも、上記パール顔料は、上記第一光輝性層の光透過率が低下することを抑制することができるため、上記絵柄層の視認性を損なわないため好ましい。
上記パール顔料としては、真珠光沢を付与し得る顔料であり、例えば、母体粒子の表面を金属酸化物で被覆したものが挙げられる。母体粒子としては、雲母等の鱗片状粒子が好ましい。金属酸化物としては、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム及びセリウム等金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、1種単独でもよいし、2種類以上であってもよい。
上記パール顔料の具体例としては、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、紺青−酸化鉄被覆雲母チタン、酸化クロム被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成マイカ等の酸化物被覆雲母;酸化チタン被覆ガラス粉末、酸化鉄被覆ガラス粉末等の酸化物被覆ガラス粉末;酸化チタン被覆アルミニウム粉末等の酸化物被覆金属粒子;塩基性炭酸鉛、砒酸水素鉛、酸化塩化ビスマス等の鱗片状箔片;魚鱗粉、貝殻片、真珠片等が挙げられる。
上記金属顔料としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、錫、亜鉛、銅、ニッケル、金粉及び銀等の金属、これらの金属の合金等からなる顔料が挙げられる。上記金属顔料は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記光輝性顔料の平均粒子径は、優れた意匠効果を付与する観点から、例えばグラビア印刷を用いて第一光輝性層を形成する場合には、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
同様の観点から、[光輝性顔料の平均粒子径/第一光輝性層の厚み]の比は、0.01〜15であることが好ましく、0.5〜10であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる値である。
上記バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化型樹脂組成物の硬化物等が挙げられ、耐久性の観点から硬化型樹脂組成物の硬化物が好ましい。
上記硬化型樹脂組成物の硬化物としては、熱硬化型樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物が挙げられる。層間密着性の観点からは、熱硬化型樹脂組成物の硬化物が好ましい。
上記第一光輝性層に用いられる熱硬化型樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物、アミノアルキッド樹脂組成物、メラミン樹脂組成物、グアナミン樹脂組成物、尿素樹脂組成物及び熱硬化型アクリル樹脂組成物等が挙げられる。これら熱硬化型樹脂組成物は、各樹脂を構成するモノマー及び/又はプレポリマーと、必要に応じて添加する硬化剤等が挙げられる。
上記第一光輝性層に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物としては、後述する表面保護層の電離放射線硬化型樹脂組成物と同様のものを用いることができる。
上記第一光輝性層中における上記光輝性顔料の含有量は、上記バインダー樹脂100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、50〜80質量部であることがより好ましい。
上記光輝性顔料の含有量を10質量部以上とすることにより、艶感を充分に付与することができ、90質量部以下とすることにより、後述する絵柄層の視認性が損なわれることを抑制できる。
同様の観点から、上記第一光輝性層の厚みは、1〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
上記第一光輝性層は、付与したい意匠によって任意のパターンを形成することができる。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様、風景、キャラクター等が挙げられる。
また、上記任意のパターンは、意匠効果をより高めるために濃淡を有することが好ましい。濃淡は、網点の大小や網点の厚みから形成してもよいが、網点の粗密から形成すること(網点の大きさは均一として網点の密度で濃淡を形成すること)が好ましい。
その中でも、特に石目柄模様が本発明の効果を好適に発揮することができる。
上記第一光輝性層は、例えば、上記光輝性顔料及び上記バインダー樹脂を含む塗布液を、グラビア印刷等の汎用の印刷手段で形成することができる。なお、上記第一光輝性層の濃淡を網点の粗密から形成する場合、印刷版の網点をFM(frequency modulation)スクリーンによって形成すればよい。
上記第一光輝性層の面積は、上記絵柄層により形成された意匠の奥行感及び輝度感を好適に付与する観点から、上記絵柄層の面積に対して、30%以上80%以下であることが好ましく、40%以上70%以下であることがより好ましい。
ここで、上記「第一光輝性層の面積」は、上記絵柄層(上記隠蔽層)の塗工面積に対する第一光輝性層の面積を意味する。
なお、上記第一光輝性層は、上記絵柄層に対して所定の面積で形成されるものであり、上記絵柄層(隠蔽層)と同等の面積以上で形成される場合には、上記第一光輝性層とはしない。
上記「第一光輝性層の面積」は、例えば、化粧シートの表面について、公知の画像処理をして、上記第一光輝性層と上記隠蔽層とを区分けして、各々の面積を求め、「第一光輝性層の面積/隠蔽層の面積」により求めることができる。
本発明の化粧シートは、平面視した場合に、上記第一光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度が高い領域に接触又は近接することが好ましい。
本発明の化粧シートがこのような構成を有することにより、極めて優れた奥行感と輝度感を得ることができる。
図4(a)は、本発明の化粧シートの好ましい一例において、第一光輝性層と、絵柄層の明度が高い領域との位置関係を模式的に示す上面図である。
図4(a)に示すように、第一光輝性層30は、絵柄層の明度が高い領域(例えば、隠蔽層21)と接触又は近接していることが好ましい。
ここで、上記絵柄層の「明度が高い領域」とは、図柄層が形成された領域との明度の差ΔLが1以上高い領域を意味する。
上記明度Lとは、CIE(国際照明委員会)で規格化され、JIS Z8781−4:2013で採用されている表色系(L、a、b色空間)における「L」を意味する。
上記明度の測定方法としては、例えば、色彩色差計(コニカミノルタジャパン株式会社製 CR−400)を使用して、化粧シートの透明性樹脂層を有する側の表面へ入射角10度(表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、明度が高い領域の明度(L)と、図柄層の明度(L)とを全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定する。
上記測定した数値を下記式に代入することにより算出することができる。
ΔL=L−L
また、上記「第一光輝性層の輪郭部」とは、第一光輝性層が形成された領域の外周を描く形状を意味する。第一光輝性層とは絵柄層と比較して明度が1.5以上となる領域であり、上記「第一光輝性層の輪郭部」は、目視にて認識することもできる。
なお、明度の測定方法としては上述の方法を用いて、第一光輝性層が形成された領域の明度と、隣接する絵柄層が形成された領域の明度とを測定すればよい。
上記「接触」とは、本発明の化粧シートを上面(積層方向)から見た場合(平面視した場合)、上記第一光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度が高い領域の輪郭部とが接する状態であってもよいし、上記第一光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度が高い領域と重なる状態であってもよい。
また、上記「近接」とは、本発明の化粧シートを上面から見た場合(平面視した場合)、上記第一光輝性層の輪郭部と、上記絵柄層の明度が高い領域との最短距離が300μm以下である状態を意味する。
上記「近接」の場合において、上記第一光輝性層の輪郭部と、上記絵柄層の明度が高い領域との最短距離は、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。
なお、上記「最短距離」は、例えば、上記明度の測定方法により、絵柄層の明度を測定し、絵柄層の明度が高い領域を確認する。次いで、上記第一光輝性層が形成された領域の輪郭部を目視にて確認する。上記第一光輝性層が形成された領域の輪郭部と、上記絵柄層の明度が高い領域との最短距離をノギスにて測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
本発明の化粧シートでは、上記絵柄層の明度が高い領域の少なくとも一部が、上記第一光輝性層の輪郭部と接触又は近接することが好ましい。
上記絵柄層の明度が高い領域の外周の30%以上が上記第一光輝性層の輪郭部と接触又は近接することがより好ましく、40%以上が上記第一光輝性層の輪郭部と接触又は近接することが更に好ましい。
上記絵柄層の明度が高い領域の外周のうち、上記第一光輝性層の輪郭部と接触又は近接している割合は、例えば、上記第一光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度が高い領域に接触又は近接する部分を含むように化粧シートの10cm(正方形)の領域を任意に選択し、上記絵柄層の明度が高い領域の外周の全体に対して、上記第一光輝性層の輪郭部と接触又は近接している上記絵柄層の明度が高い領域の外周の割合を求めることで得ることができる。
(第二光輝性層)
本発明の化粧シートは、上記絵柄層により形成された意匠の奥行感及び輝度感を好適に付与する観点から、上記隠蔽層と上記図柄層との間に、第二光輝性層を有することが好ましい。
上記第二光輝性層は、上述した第一光輝性層と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。
上記第二光輝性層の厚みは、1〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
上記第二光輝性層の面積は、上記絵柄層により形成された意匠の奥行感及び輝度感を好適に付与する観点から、上記絵柄層の面積に対して、30%以上80%以下であることが好ましく、40%以上70%以下であることがより好ましい。
上記「第二光輝性層の面積」は、上述した第一光輝性層の面積と同様の方法により、測定することができる。
本発明の化粧シートが、第二光輝性層を有する場合には、上記隠蔽層を形成し、次いで第二光輝性層を形成し、その後、上記図柄層を形成することが好ましい。
本発明の化粧シートは、平面視した場合に、上記第二光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度の高い領域に接触又は近接することが好ましい。
本発明の化粧シートがこのような構成を有することにより、極めて優れた奥行感と輝度感を得ることができる。
図4(b)は、本発明の化粧シートの好ましい一例において、第一光輝性層と、絵柄層の明度が高い領域との位置関係を模式的に示す上面図である。
図4(b)に示すように、第二光輝性層60は、絵柄層の明度が高い領域(例えば、隠蔽層21)と接触又は近接していることが好ましい。
また、上記「第二光輝性層の輪郭部」とは、第一光輝性層の輪郭部と同様に、第二光輝性層が形成された領域の外周を描く形状を意味する。第二光輝性層とは絵柄層と比較して明度が1.5以上となる領域であり、上記「第二光輝性層の輪郭部」は、目視にて認識することもできる。
なお、明度の測定方法としては上述の方法を用いて、第二光輝性層が形成された領域の明度と、隣接する絵柄層が形成された領域の明度とを測定すればよい。
上記「接触」及び「近接」は、上記第一光輝性層での記載と同様の意味である。
上記第二光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度の高い領域に近接する場合、上記第二光輝性層の輪郭部と、上記絵柄層の明度が高い領域の輪郭部との最短距離は、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。
上記「最短距離」は、上述した第一光輝性層の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域との最短距離の測定方法と同様の方法により測定し、算出することができる。
本発明の化粧シートでは、上記絵柄層の明度が高い領域の少なくとも一部が、上記第二光輝性層の輪郭部と接触又は近接することが好ましい。
上記絵柄層の明度が高い領域の外周の30%以上が上記第二光輝性層の輪郭部と接触又は近接することがより好ましく、40%以上が上記第二光輝性層の輪郭部と接触又は近接することが更に好ましい。
上記絵柄層の明度が高い領域の外周のうち、上記第二光輝性層の輪郭部と接触又は近接している割合は、例えば、上記第二光輝性層の輪郭部が、上記絵柄層の明度が高い領域に接触又は近接する部分を含むように化粧シートの10cm(正方形)の領域を任意に選択し、上記絵柄層の明度が高い領域の外周の全体に対して、上記第二光輝性層の輪郭部と接触又は近接している上記絵柄層の明度が高い領域の外周の割合を求めることで得ることができる。
(透明性樹脂層)
本発明の化粧シートは、透明性樹脂層を有する。
上記透明性樹脂層としては、上記絵柄層を可視できれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含み、材質は限定されないが、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、又は、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等の熱可塑性エステル系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系熱可塑性樹脂、又は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アイオノマー、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、エンボス加工適性に優れ、安価である点で、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。
上記透明性樹脂層の厚みは、30μm以上150μm以下であることが好ましく、40μm以上120μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下が更に好ましい。
本発明の化粧シートは、2層の透明性樹脂層を有していてもよい。2層の透明性樹脂層を有する場合、上記第一光輝性層に積層される側の透明性樹脂層の厚みは、奥行き感等の意匠効果を好適に付与するのに充分な凸形状を形成する観点から、40μm以上120μm以下が好ましく、50μm以上100μm以下がより好ましい。
また、上記第一光輝性層に積層される側と反対側の透明性樹脂層の厚みは、40μm以上120μm以下が好ましく、50μm以上100μm以下がより好ましい。
なお、後述するエンボス加工が施される透明性樹脂層の厚みは、穴開きを防止する観点から、エンボスロールの最大高さSzよりも大きくすることが好ましい。
上記透明性樹脂層は、着色されていてもよい。この場合は、上記熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、上述した絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
上記透明性樹脂層には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
2層の透明性樹脂層を有する場合、透明性接着剤層を介して積層されていても良いし、熱ラミネート方式により積層されていても良いが、接着剤が不要となり、接着剤の劣化による剥離等の問題が生じないことから、熱ラミネート方式により積層されていることが好ましい。
上記熱ラミネート方式としては、Tダイを用いた溶融共押出し法等の公知の方法を用いることができる。
(その他)
本発明の化粧シートは、耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与する観点から、上記透明性樹脂層の上記第一光輝性層に積層される側と反対側に表面保護層を有することが好ましい。
上記表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましく、高い表面硬度、生産性、耐候性等の観点から、電離放射線硬化型樹脂がより好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。
例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート(例えば、2官能のエーテル系ウレタンオリゴマー、多官能のウレタンオリゴマー等)、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
上記紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、例えば、190〜380nm程度である。
上記電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。
上記電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば充分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
上記光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
上記光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
上記電離放射線硬化型樹脂で上記表面保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液を含む、表面保護層用コーティング剤をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布する方法が挙げられる。
上記熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化型樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
上記熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法は、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥及び硬化させる方法が挙げられる。
上記表面保護層の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
上記表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、タルク、ガラス繊維等が挙げられる。
上記無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜80質量部程度である。
また、本発明の化粧シートは、層間密着性を付与する観点から、上述した各層間にプライマー層を有していてもよい。
上記プライマー層としては、公知のプライマー剤を塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等が挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
上記プライマー層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
また、本発明の化粧シートは、耐傷性、耐衝撃性を付与する観点から、上記基材の最下層(上記透明性樹脂層が積層される側と反対側)にバッカー層を有してもよい。
上記バッカー層としては、特開2014−188941号公報等に開示された公知のバッカー層を適宜選択して用いることができる。
(60°鏡面光沢度)
本発明の化粧シートは、上記透明性樹脂層を有する側の面のJIS Z 8741:1997に準拠する方法により測定される60°鏡面光沢度が、5以上50以下であることが好ましい。
このような60°鏡面光沢度の範囲を満足することにより、意匠の輝度感を好適に発揮することができる。
上記60°鏡面光沢度は、10以上40以下であることがより好ましい。
上記60°鏡面光沢度は、例えば、携帯用光沢計GMX−102(村上色彩技術研究所社製)を用い、化粧シートの透明性樹脂層を有する側の面の任意の5点を測定し、その平均値を求めることで得ることができる。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法としては、例えば、加熱溶融法や熱ラミネート法、そして水系接着剤や感熱接着剤、感圧接着剤の他、ホットメルト接着剤等を用いて透明性接着剤層を形成し、該透明性接着剤層を介して、上述した各層を積層させる方法等が挙げられる。
なかでも、上記透明性樹脂層の上記第一光輝性層が積層される側の面に接着剤を塗布して接着剤層を形成する工程、及び、上記接着剤層を介して、上記透明性樹脂層と上記第一光輝性層とを貼り合わせる工程を有することが好ましい。
上記透明性樹脂層では、上記第一光輝性層を積層する側の反対側面に有する凸形状を賦形する際に、エンボス加工等を施して凸形状を形成するが、エンボス加工を施した面側の凸形状に追従して、エンボス加工を施した面と反対側の面(上記第一光輝性層を有する側の面)にも多少の凹凸形状が賦形されてしまう。このような場合には、上記透明性樹脂層に形成された上記第一光輝性層が積層される側の凹凸形状に空気が入り込む、いわゆるエアガミの発生し、意匠効果が低下することがある。
上記透明性樹脂層の上記第一光輝性層を有する側の面に接着剤層を形成する工程を有することにより、上記透明性樹脂層の第一光輝性層を有する側の凹凸形状の凹部にも接着剤層を入り込ますことができ、上述したエアガミの発生を防止し、意匠効果の低下を抑制することができる。
本発明の化粧シートの厚みとしては特に限定されず、例えば、50μm以上が好ましく、100μm以上20mm以下であることがより好ましい。
<化粧材>
本発明は、上述した本発明の化粧シートを備えることを特徴とする化粧材でもある。
本発明の化粧材としては、本発明の化粧シートの基材を有する面が接するように、支持体上に積層されている構成等が挙げられる。
(支持体)
上記支持体としては特に限定されず、各種の紙類、プラスチックフィルム、木材等の木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラスチックフィルムの複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
上記紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。
さらには、事務分野や通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布や不織布も基材として使用することができる。各種繊維としてはガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、アクリル繊維、若しくはビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
なお、上記紙類等支持体が多孔質基材の場合、多孔質基材に熱硬化型樹脂を含浸させる場合には、従来より公知の熱硬化型樹脂を広く使用することができる。熱硬化型樹脂として、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
このように、上記紙類に熱硬化型樹脂を含浸して、更に硬化させて得られた層を熱硬化型樹脂層ともいう。
上記熱硬化型樹脂層を含侵させる方法としては、上記の熱硬化型樹脂を、多孔質基材のおもて側、裏側、のいずれか若しくは両方から供給することにより行うことができる。この方法は特に限定されず、例えば、熱硬化型樹脂を入れた浴槽に多孔質基材の離型層が形成されている面又はその反対の面から浸漬させる方法;キスコーター、コンマコーター等のコーターにより熱硬化型樹脂を多孔性基材の離型層が形成されている面、その反対の面、又はこれらの両面に塗布する方法;スプレー装置、シャワー装置等により熱硬化型樹脂を多孔性基材の離型層が形成されている面、その反対の面、又はこれらの両面に吹き付ける方法、等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムを構成する樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、耐水性等の各種物性、印刷適性、成形加工適性、価格等の観点からポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、或いはアクリル樹脂が好ましい。
上記支持体の厚みは特に制限はないが、支持体がプラスチックフィルムの場合、20〜200μmが好ましく、40〜160μmがより好ましく、40〜100μmが更に好ましい。
上記支持体が紙類の場合、坪量は、通常20〜150g/mが好ましく、30〜100g/mがより好ましい。
上記支持体の形状は平板状のものに限られず、立体形状等の特殊形状であってもよい。
上記支持体上には、支持体上に設けられる層との密着性を向上させるために、片面又は両面に、物理的処理又は化学的表面処理等の易接着処理を行ってもよい。
(フェノール樹脂含浸紙)
上記化粧材は、必要に応じて、フェノール樹脂含浸紙が積層されていてもよい。
上記フェノール樹脂含浸紙は、多孔質基材の、耐摩耗層及び離型層が形成されている側とは反対側の面に積層するとよい。
上記フェノール樹脂含浸紙とは、一般に、コア紙として坪量150〜250g/m程度のクラフト紙にフェノール樹脂を含浸率45〜60%程度となるように含浸し、100〜140℃程度で乾燥させることにより製造された紙である。フェノール樹脂含浸紙には、市販品を使用することができる。フェノール樹脂含浸紙を積層する際には、必要に応じて、多孔質基材の裏面にコロナ放電処理を施したり、上述したプライマー層を塗布したりしてもよい。
(被着材)
本発明の化粧材は、本発明の化粧シートの基材を有する面が接するように、被着材上に積層されている構成であってもよい。
上記被着材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)、HDF(高密度繊維板)等の木質板;石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板;パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板;陶器、磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス板;鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗布鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板;ポリオレフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネート板、ポリ塩化ビニル樹脂板等の熱可塑性樹脂板;フェノール樹脂板、尿素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化型樹脂板;フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化したいわゆるFRP板等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、これらの2種以上を積層した複合基板として用いてもよい。
なお、上記被着材の厚みは特に限定されない。
上記被着材への積層方法としては特に限定されるものではなく、例えば、上述したプライマー層を介して積層したり、接着剤を介して積層したりする手段等が挙げられる。
上記接着剤としては、上記被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ウレタン、アクリル、ウレタン・アクリル(共重合体も含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
本発明の化粧シートは、奥行感や、輝度感といった優れた意匠効果を付与することができる。
本発明の化粧シートを備える化粧材は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;窓枠、扉、手すり等の建具;家具;家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア等の外装材として好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって限定されるものではない。
(実施例1)
両面にコロナ放電処理を施した基材(60μm厚、着色ポリプロピレンシート)を準備し、その一方の面にウレタン−硝化綿混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加するインキを塗布して2μm厚さの裏面プライマー層を形成し、他方の面にアクリルウレタン系樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート8質量部、酸化チタン70量部を添加するインキを塗布して2μm厚さの隠蔽層(ベタ印刷層)を形成した。
次いで、上記隠蔽層上にアクリルウレタン系樹脂に着色顔料を添加したインキを塗布して
1μm厚さの図柄層(石目模様)を形成した。
次いで、上記隠蔽層上に、アクリルウレタン系樹脂100質量部に光輝性顔料として平均粒子径10μm(粒径分布5〜25μm)の酸化チタン被覆雲母パール顔料を38質量部添加したインキを塗布して1μm厚さの第一光輝性層を形成した。
なお、第一光輝性層の面積は隠蔽層の塗布面積に対して、52%となるようにした。
次いで、アクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート11重量部を添加したインキを塗布して2μm厚さの接着剤層を形成し、
該接着剤層上に、Tダイ押出機でポリプロピレン樹脂を加熱溶融押出しして80μm厚さの透明性樹脂層を形成すると共に、該透明樹脂層上にアクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート6重量部を添加したインキを塗布して2μm厚さのプライマー層を形成し、次いで該プライマー層上に、アクリレート系電子線硬化型樹脂をグラビアコート法により固形分が5g/mとなるように塗布・乾燥した後、酸素濃度200ppm、加速電圧165KeV、5Mradの条件で電子線を照射して電子線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成し、さらに該表面保護層側からエンボス加工を施して下記表1のパラメータとなるように石目模様調の凸模様を形成し、化粧シートを作製した。
(実施例2)
実施例1の隠蔽層と図柄層との間にアクリルウレタン系樹脂100質量部に光輝性顔料として平均粒子径10μm(粒径分布5〜25μm)の酸化チタン被覆雲母パール顔料を38質量部添加したインキを塗布して1μm厚さの第二光輝性層を形成した以外は実施例1と同様の手法で化粧シートを作製した。
(実施例3、4、比較例1〜3)
凸形状が表1のパラメータとなるように調整した以外は実施例1と同様の手法で化粧シートを作製した。
(比較例4)
実施例2の構成から第一光輝性層を除外し、その代わりに第二光輝性層をアクリルウレタン系樹脂100質量部に光輝性顔料として平均粒子径10μm(粒径分布5〜25μm)の酸化チタン被覆雲母パール顔料を38質量部添加したインキを塗布して1μm厚さとし、更に凸形状が表1のパラメータとなるように調整した以外は実施例2と同様の手法で化粧シートを作製した。
(比較例5)
実施例1と同様にして隠蔽層を及び図柄層を形成した後、上記隠蔽層上に、アクリルウレタン系樹脂100質量部に光輝性顔料として平均粒子径10μm(粒径分布5〜25μm)の酸化チタン被覆雲母パール顔料を38質量部添加したインキを塗布して1μm厚さの層(厚さ2μm、隠蔽層の面積に対して100%の面積)を形成した。
上記以外は、実施例1と同様の手法で化粧シートを作製した。
なお、本明細書に記載のように、上記酸化チタン被覆雲母パール顔料を含有する層は、隠蔽層と同等の面積(隠蔽層の面積に対して100%の面積)で形成されているため、第一光輝性層には該当しない。
(実施例5)
実施例1の第一光輝性層の隠蔽層の塗布面積に対して、75%とし、かつ、第一光輝性層の輪郭部が絵柄層の明度の高い領域に接する(すなわち、第一光輝性層の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域の輪郭部との最短距離が0μm)ように第一光輝性層を形成したこと以外は同様にして化粧シートを作製した。
(実施例6)
第一光輝性層の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域との最短距離が100μmとなるように第一光輝性層を形成したこと以外は実施例5と同様にして化粧シートを作製した。
(実施例7)
第一光輝性層の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域との最短距離が300μmとなるように第一光輝性層を形成したこと以外は実施例5と同様にして化粧シートを作製した。
(化粧シートの凸形状の測定)
<スキューネス(Ssk)及びクルトシス(Sku)の測定>
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートについて、形状解析レーザ顕微鏡(測定部『VK−X1050』、台座『VK−D1』、コントローラ『VK−X1000』(KEYENCE社製))を用いて、以下の測定条件によりSsk、Skuの測定、解析を行った。その結果を表1及び2に示した。
明るさ調整:オート
倍率:5
視野範囲:2749μm×2061μm
フォーカス:オート
Lフィルター:0.8
解析ソフト:VK−X1000シリーズ マルチファイル解析アプリケーション(KEYENCE社製)
<算術平均高さ(Sa)、最大高さ(Sz)及び山頂点の算術平均高さ(Spc)の測定>
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートについて、形状解析レーザ顕微鏡(測定部『VK−X1050』、台座『VK−D1』、コントローラ『VK−X1000』(KEYENCE社製))を用いて、以下の測定条件によりSa(μm)、Sz(μm)、Spc(1/mm)の測定、解析を行った。その結果を表1及び2に示した。
明るさ調整:オート
倍率:5
視野範囲:2749μm×2061μm
フォーカス:オート
カットオフ:λc=0.8
解析ソフト:VK−X1000シリーズ マルチファイル解析アプリケーション(KEYENCE社製)
(60°鏡面光沢度の測定)
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートについて、携帯用光沢計GMX−102(村上色彩技術研究所社製)を用い、60°鏡面光沢度を測定した。なお、化粧シートの透明性樹脂層を有する側の面の任意の5点を測定し、その平均値を求めた。その結果を表1及び2に示した。
(パール顔料の平均粒子径)
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートを作製する際に用いたパール顔料について、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50を平均粒子径とした。
(意匠効果の評価)
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートについて、下記手法及び基準に基づいて評価を行った。
演色AA昼光色D6500K光源(パナソニック社製)下にて、透明性樹脂層を有する側から、化粧シート全体を目視にて確認し、以下の基準で意匠効果を判断した。その結果を表1及び2に示した。
++:奥行感と輝度感が充分に感じられるもの。
+ :奥行感と輝度感が感じられるもの。
− :奥行感と輝度感があまり感じられないもの。
(耐汚染性評価)
実施例1〜7、比較例1〜5の化粧シートについて、表面(透明性樹脂層を有する側)を油性マジック(製品名:寺西化学工業株式会社製マジックインキ)で汚染したのち4時間自然乾燥した。
その後、エタノールを含ませた布で軽く拭き取った際の汚染状態について、以下の基準で判断した。その結果を表1及び2に示した。
++:汚染物質が非常に容易に除去でき、化粧シート表面に残存しないもの。
+ :汚染物質が除去でき、化粧シート表面に残存しないもの。
− :汚染物質が化粧シート表面に残存するもの。
(第一光輝性層の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域との最短距離)
実施例5〜7の化粧シートについて、明細書に記載の明度の測定方法により、絵柄層の明度を測定し、絵柄層の明度が高い領域を確認した。次いで、第一光輝性層が形成された領域の輪郭部を目視にて確認した。
その後、第一光輝性層が形成された領域の輪郭部と、絵柄層の明度が高い領域との最短距離をノギスにて測定し、その平均値を算出した。その結果を表2に示した。
(発色感)
実施例5〜7の化粧シートにおいて、下記手法及び基準に基づいて評価を行った。
演色AA昼光色D6500K光源(パナソニック社製)下にて、透明性樹脂層を有する側から、化粧シート全体を目視にて確認し、以下の基準で意匠効果を判断した。その結果を表2に示した。
++:絵柄層と第一高輝性層とのコントラストが確認され、更に、第一高輝性層の発色が非常に高いと感じられるもの。
+ :絵柄層と第一高輝性層のコントラストが確認され、更に、第一高輝性層の発色が特に高いと感じられるもの。
Figure 2021054045
Figure 2021054045
実施例の化粧シートでは、奥行感や、輝度感といった意匠効果を充分に付与でき、また、耐汚染性評価にも優れることが確認された。
特に、第一光輝性層及び第二光輝性層を有する実施例2の化粧シートでは、意匠効果において特に優れていることが確認された。
一方で、凸形状のスキューネス(Ssk)が小さすぎる比較例1及び2の化粧シートでは、意匠効果において劣っており、凸形状のクルトシス(Sku)が小さすぎる比較例3の化粧シートでは、意匠効果及び耐汚染性評価が劣っていた。また、第二光輝性層有しているが、第一光輝性層を有さない比較例4の化粧シート、第一光輝性層及び第二光輝性層を有さない比較例5の化粧シートでは、意匠効果において劣っていた。
また、第一光輝性層の輪郭部が、絵柄層の明度の高い領域に接触する実施例5は、発色性が特に優れていた。また、第一光輝性層の輪郭部が、絵柄層の明度の高い領域に近接する実施例6及び7も、発色性が優れていた。
本発明によれば、奥行感や、輝度感といった優れた意匠効果を付与することができる化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートを用いた本発明の化粧材は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;窓枠、扉、手すり等の建具;家具;家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア等の外装材として好適に用いることができる。
10 基材
20 絵柄層
21 隠蔽層
22 図柄層
30 第一光輝性層
40、110 接着剤層
50 透明性樹脂層
60 第二光輝性層
70、90 プライマー層
80 表面保護層
100 化粧シート
120 被着材
200 化粧材

Claims (8)

  1. 少なくとも、基材、絵柄層、第一光輝性層、及び、透明性樹脂層をこの順に有する化粧シートであって、
    前記化粧シートは、表面に凸形状を備え、
    前記凸形状は、ISO25178−2:2012で規定されるスキューネス(Ssk)、及び、クルトシス(Sku)が下記式を満たす
    ことを特徴とする化粧シート。
    Ssk≧0
    SKu≧3
  2. 前記絵柄層は、隠蔽層と、図柄層とを有する請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第一光輝性層の面積は、前記絵柄層の面積に対して、30%以上80%以下である請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 平面視した場合に、前記第一光輝性層の輪郭部が、前記絵柄層の明度の高い領域に接触又は近接する請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記隠蔽層と前記図柄層との間に、第二光輝性層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 平面視した場合に、前記第二光輝性層の輪郭部が、前記絵柄層の明度の高い領域に接触又は近接する請求項5に記載の化粧シート。
  7. 前記化粧シートの前記透明性樹脂層を有する側の面は、JIS Z 8741:1997に準拠する方法により測定される60°鏡面光沢度が、5以上50以下である請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 被着材上に請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シートを備えることを特徴とする化粧材。

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