JP7359275B1 - 化粧シートおよび化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】艶消層による接触物の削り取りを抑制しつつ、良好な艶消効果を有する化粧シートを提供する。【解決手段】化粧シート10は、基材層1と、上記基材層の一方の面に配置された装飾層2と、上記装飾層の上記基材層とは反対側の面に配置された艶消層3と、を有し、上記艶消層の上記装飾層とは反対側の表面S1が、皺構造を有する表面形状を備え、JIS B0601:2013に規定される、上記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が10000mm-1以下であり、ISO 25178-2:2012に規定される、上記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、化粧シートおよび化粧材に関する。
化粧材に用いられる化粧シートには、例えば意匠性の向上を目的として、艶消性が求められる場合がある。例えば、特許文献1には、基材シートの片面に絵柄層および隠蔽層を有し、もう一方の面に艶調整層(マット層、グロス層)を有する化粧シートが開示されている。また、特許文献1には、マット層に、球形状アルミナおよび炭酸カルシウム等の艶消剤(マット剤)を添加することが開示されている。
特開2000-062081号公報
例えば床材用の化粧材には、ヒールマークが付着しないことが望まれている。ヒールマークとは、典型的には、ゴム底靴で歩行した際に、床材にゴム跡(すり跡)が残ることをいう。ヒールマークは、化粧シートの艶消層がゴム底と接触した際に、艶消層によってゴム底の一部が削り取られることで形成される。ヒールマークは、通常の洗浄では落ちにくく、美観を損ねる要因になる。そのため、ヒールマークの発生を抑制すること、より広義には、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制することが望まれている。
特許文献1のように、マット層に艶消剤(マット剤)を添加すると、艶消性が得られるものの、マット剤は硬質であるため、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りが生じやすい。一方、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制するために、マット剤の添加量を減らすと、良好な艶消性を得ることが難しい。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制しつつ、良好な艶消効果を有する化粧シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、基材層と、上記基材層の一方の面に配置された装飾層と、上記装飾層の上記基材層とは反対側の面に配置された艶消層と、を有する化粧シートであって、上記艶消層の上記装飾層とは反対側の表面が、皺構造を有する表面形状を備え、JIS B0601:2013に規定される、上記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が10000mm-1以下であり、ISO 25178-2:2012に規定される、上記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である、化粧シートを提供する。
本開示においては、被着体と、上記被着体の面に配置された化粧シートと、を有する化粧材であって、上記化粧シートが、上述した化粧シートである、化粧材を提供する。
本開示においては、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制しつつ、良好な艶消効果が得られる化粧シートを提供できるという効果を奏する。
本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートの艶消層表面の顕微鏡画像の一例である。 本開示におけるSpc(突起部頂点の算術平均曲率)およびSku(クルトシス)を説明する説明図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧材を例示する概略断面図である。
下記に、図面を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、本開示は、多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定されるべきではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表す場合があるが、これはあくまで一例であり、限定して解釈されるべきではない。
本明細書において、ある部材の上に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」又は「面側に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。
また、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されない。例えば、「シート」は、「板」又は「フィルム」と呼ばれる部材も含む。
以下、本開示における化粧シートおよび化粧材について、詳細に説明する。
A.化粧シート
本開示における化粧シートは、基材層と、上記基材層の一方の面に配置された装飾層と、上記装飾層の上記基材層とは反対側の面に配置された艶消層と、を有する化粧シートであって、上記艶消層の上記装飾層とは反対側の表面が、皺構造を有する表面形状を備え、JIS B0601:2013に規定される、上記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が10000mm-1以下であり、ISO 25178-2:2012に規定される、上記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である。
図1は、本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。図2は、本開示における化粧シートの艶消層表面の顕微鏡画像である。図1に示す化粧シート10は、基材層1と、基材層1の一方の面に配置された装飾層2と、装飾層2の基材層1とは反対側の面に配置された艶消層3と、を有する。図1および図2に示すように、艶消層3の表面S1は、皺構造を有する表面形状を備える。本開示においては、JIS B0601:2013に規定される、皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)、および、ISO 25178-2:2012に規定される、皺構造のSku(クルトシス)が、所定の範囲にある。
本開示における化粧シートによれば、艶消層が特定の皺構造を有するため、艶消層と空気との屈折率差界面での光拡散効果により、光反射を抑制することができる。これにより、良好な艶消効果が得られる。また、皺構造のSpcおよびSkuが特定の範囲にあることから、良好な艶消効果を発揮しつつ、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制することができる。
上述したように、マット層に艶消剤(マット剤)を添加すると、艶消性が得られるものの、マット剤は硬質であるため、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りが生じやすい。一方、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制するために、マット剤の添加量を減らすと、良好な艶消性を得ることが難しい。これに対して、本開示においては、艶消層が特定の皺構造を有するため、マット剤を添加しない場合またはマット剤の使用量を低減した場合であっても、良好な艶消性が得られる。また、艶消層が特定の皺構造を有するため、マット剤の使用量を低減またはゼロにでき、マット剤に起因する接触物の削り取りを抑制できる。
さらに、艶消層が皺構造を有する場合であっても、皺構造の性状によっては、良好な艶消効果を発揮できない場合や、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制できない場合がある。これに対して、本開示においては、皺構造のSpcおよびSkuが特定の範囲にあることから、良好な艶消効果を発揮しつつ、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制できる。また、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制することで、例えばヒールマークの発生を抑制することができ、化粧シートの美観を維持できる。
後述するように、Spc(突起部頂点の算術平均曲率)が小さいほど、突起部は丸みを帯びており、平面に近づくため、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制できる。また、Sku(クルトシス)が小さいほど、平均面からの高さ分布の尖りの度合いが小さくなるため、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制できる。また、Spc(突起部頂点の算術平均曲率)およびSku(クルトシス)の両方を規定することにより、良好な艶消効果と、接触物の削り取り抑制効果とを両立できる。
SpcおよびSkuの関係について、場合を分けて説明する。ここで、凸部底部の半径(凸部の裾野部分の幅)をrとする。例えば、Spc≦10000mm-1であり、かつ、Sku>3.5の場合を想定する(ケース1)。ケース1では、凸部の頂部(突起部頂点)の曲率は小さいが(頂部は丸みを帯びているが)、凸部全体に対して凸部先端側が尖った形状に該当する。そのため、図3(a)に示すように、rが非常に大きくなる(凸部の裾野部分が非常に広くなる)。その結果、単位面積当たりの凸部の数が少なくなり、良好な艶消効果が得られにくい。また、凸部全体に対して凸部先端側が尖っているため、接触物の削り取りが発生しやすい。なお、図3(a)は、理解を容易にするため、誇張して記載しており、凸部の形状は図3(a)に示す形状に限定されない。この点は、後述する図3(b)および図3(c)についても同様である。
次に、Spc>10000mm-1であり、かつ、Sku≦3.5の場合を想定する(ケース2)。ケース2では、凸部の頂部の曲率が大きく(頂部が尖っており)、かつ、凸部全体に対して凸部先端側が尖っていない形状、すなわち、凸部の高さ分布が上部に偏った形状に該当する。そのため、図3(b)に示すように、凸部の頂部が底部によって強固に保持されることによって、Spcの影響(凸部の頂部が尖っている影響)が顕著に現れ、接触物の削り取りが発生しやすい。次に、Spc>10000mm-1であり、かつ、Sku>3.5の場合を想定する(ケース3)。ケース3では、凸部の頂部の曲率が大きく(頂部が尖っており)、凸部全体に対して凸部先端側が尖った形状に該当する。そのため、図3(c)に示すように、ケース1に該当する図3(a)に比べて、rが小さくなり(凸部の裾野部分が狭くなり)、単位面積当たりの凸部の数が多くなるため、良好な艶消効果が得られやすい。その反面、凸部が尖っているため、接触物の削り取りが顕著に発生する。これに対して、Spc≦10000mm-1であり、かつ、Sku≦3.5の場合、凸部の頂部の曲率が小さく(頂部が丸みを帯びており)、凸部全体に対して凸部先端側が尖っていない形状に該当するため、例えばケース1に比べて、rが小さくなる(凸部の裾野部分が狭くなる)。その結果、単位面積当たりの凸部の数が多くなり、良好な艶消効果が得られやすい。また、凸部が尖っていないため、接触物の削り取りも発生しにくい。すなわち、良好な艶消効果と、接触物の削り取り抑制効果とを両立できる。
以下、本開示における化粧シートの各構成について説明する。
1.艶消層
本開示において、艶消層の装飾層とは反対側の表面は、皺構造を有する表面形状を備える。
(1)表面形状
本開示における艶消層が有する表面形状は、皺構造を有する。
(i)皺構造の形状
皺構造は、不規則な皺による凹凸形状を有することが好ましい。不規則な皺は、複数の突起部により形成する複数の凸部と、複数の突起部により囲まれて形成する凹部と、を有することが好ましい。また、突起部は、線条の突起部を有することが好ましい。
なお、本明細書において、「線条の突起部」とは、突起部の長さと幅との比(長さ/幅)が3以上であることを意味し、この比は、5以上であってもよく、10以上であってもよい。突起部の長さおよび幅の決定方法は後述の通りである。以下、線条の突起部を線条突起部と称する場合がある。
皺構造の具体的な態様としては、例えば図2に示される態様が挙げられる。図2には、艶消層3における皺構造として、平面視において不規則な皺を有していること;不規則な皺が、湾曲した複数の線条突起部により形成する複数の凸部4と、複数の線条突起部(複数の凸部4)により囲まれて形成する凹部5とを有すること;湾曲した複数の凸部4の少なくとも一部が、各々蛇行する線条突起部により形成され、蛇行する線条突起部に囲まれるようにして蛇行する凹部5が形成していること;も示されている。艶消層は、図2に示されるような不規則な皺により構成される皺構造を有することで、艶消効果が向上する。
ここで、「湾曲」とは、平面視において、連続する線条の凸部4の延在方向が一方側から他方側に反転している部分を1箇所以上有することを意味する。以下、連続する線条の凸部4の延在方向が一方側から他方側に反転している部分を、反転部分と称する場合がある。反転部分の一例としては、例えば線条の凸部4の平面視形状の幅を無視したとき(幅を0とみなしたとき)に連続曲線で近似される場合に、変曲点を有する形態が挙げられる。また、反転部分の他の例としては、線条の凸部4の平面視形状の幅を無視したときに直線で近似される場合に、V字型の折線又は三角形の一頂点を挟む二辺で近似される部分を有する形態が挙げられる。
また、「蛇行」とは、平面視において、反転部分を2箇所以上有し、線条の凸部4をその延在方向に進んだときに、互いに隣接する2箇所の反転部分において、交互に線条の凸部4の延在方向が逆向きに反転する部分を有することを意味する。例えば、線条の凸部4の平面視形状の幅を無視したときに連続曲線で近似される場合に、ローマ字「S」で近似される部分を有する形態が挙げられる。また、例えば、線条の凸部4の平面視形状の幅を無視したときに直線で近似される場合に、ローマ字「W」で近似される部分を有する形態が挙げられる。
本明細書において、「不規則」とは、一定の法則を有する形状、また一定の法則をもって配列される、いわゆるパターン化している、とはいえないことを意味する。不規則ではない形状(規則的な形状)の典型的な例としては、例えば、円柱形状の単位レンズをその長手方向と直行する方向に複数個が互いに隣接して配列した、いわゆるレンチキュラーレンズのように、特定の方向に一定の周期性をもって配列した形状が挙げられる。よって、本開示において、艶消層の表面形状を形成する皺構造が有し得る不規則な皺は、一つの突起部の形状自体が、周期性等の一定の法則をもって形成される形状ではなく、不規則であること;複数の突起部により形成する複数の凸部の形状が、一定の法則をもって形成および配列されるものではなく、不規則であること;このような複数の突起部により囲まれた凹部の形状も不規則であること;を包含する。
表面形状を形成する皺構造において、一つの突起部(一つの凸部)の形状自体、複数の突起部(複数の凸部)の各々の形状およびその配列、複数の突起部により囲まれた凹部の形状のいずれかが不規則であれば、艶消層の表面が特定の表面形状となりやすい。これと同様の理由により、いずれもが不規則であることがより好ましい。
上述したように、艶消層の表面は、皺構造を有し、実質的には凹凸形状を有する。凹凸形状における凸部および凹部は、凹凸形状における高さ分布の中間値を基準とし、当該中間値を超える高さの領域を凸部、当該中間値以下の高さの領域を凹部と定義する。例えば、艶消層の表面の高さと1:1に対応する濃度を有する画像の濃度差(すなわち明度差)を利用して、濃度分布画像で最も濃い部分を階調255とし、濃度分布画像で最も薄い部分を階調0として、階調0~255について、階調0~127を凹部、階調128~255を凸部と、二値化処理して区分すればよい。なお、この場合、高さの中間値に対する濃度の中間値は127となる。
また、例えば図2にも示されるように、皺構造は、不規則ながらもある程度の均質性をもった複数の突起部により形成される複数の凸部と、凸部により囲まれた凹部と、を有することが好ましい。よって、図2に示される凸部(突起部)において、凸部の幅が極端に変化する形状や、凸部の高さが極端に変化する形状は、艶消効果を得るにあたり好ましい態様とはいえない。皺構造を構成する皺の形状、すなわち、凸部(突起部)および凹部の形状について、艶消効果を向上させる上で有効となり得る具体的な態様について、以下説明する。
凹部の形状は、断面視において、鋭角状でもよく、半円状又は半楕円状であってもよく、これらの組合せであってもよい。また、凹部の形状は、断面視において、一つの凸部が一部に凹部を有する形状であってもよい。
一方、凸部の形状は、断面視において、幅の広狭はあるものの、半円又は半楕円の形状を有することができる。
凸部の高さ(突起部の高さ)は、例えば0.5μm以上であり、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。また、凸部の高さは、例えば、10μm以下程度である。また、凸部の幅は、例えば0.1μm以上であり、0.3μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。また、凸部の幅は、例えば10μm以下であり、4μm以下であってもよく、3μm以下であってもよい。凸部の高さおよび幅が上記範囲内であると、凹部との関係で、艶消効果が向上する。
凹部の深さは、例えば0.5μm以上であり、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。また、凹部の深さは、例えば10μm以下程度である。また、凹部の幅は、例えば0.1μm以上であり、0.2μm以上であってもよく、0.3μm以上であってもよい。また、凹部の幅は、例えば10μm以下であり、3μm以下であってもよく、2μm以下であってもよい。凹部の深さおよび幅が上記範囲内であると、凸部との関係で、艶消効果が向上する。
凸部の頂から凹部の底までの距離(凸部と凹部との高低差)は、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、4μm以上であってもよい。また、上記距離は、例えば20μm以下であり、8μm以下であってもよく、7μm以下であってもよい。上記距離が上記範囲内であると、艶消効果が向上する。
ここで、凸部の寸法は、艶消層の表面について、任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における任意の10の凸部(突起部)、すなわち合計100の凸部の平均値である。また、図2に示されるように、1の凸部(突起部)において、凸部の幅は同じではなく広狭があるため、1の凸部(突起部)の幅は、1の凸部(突起部)における任意の5箇所の幅の平均値とする。1の凸部(突起部)の高さについても同様とする。
また、凹部の寸法は、上記の凸部の寸法と同様に決定する。
凸部の占有割合は、例えば15%以上であり、20%以上であってもよく、30%以上であってもよい。また、凸部の占有割合は、例えば80%以下であり、70%以下であってもよく、60%以下であってもよい。凸部の占有割合が上記範囲内であると、凸部に囲まれる凹部の占有割合との関係で、艶消層の表面が特定の表面形状となりやすく、艶消効果が向上する。
ここで、凸部の占有割合は、艶消層の任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における凸部の占有割合の平均値である。
凸部および凹部は、略同一方向および略同一幅の箇所を有していてもよいが、当該箇所の長さは短いことが好ましい。上記長さが短いと、艶消層の表面が特定の表面形状となりやすく、艶消効果が向上する。具体的には、略同一方向および略同一幅の凸部および凹部が連続する長さは、例えば95μm以下であり、80μm以下であってもよく、70μm以下であってもよい。また、上記長さは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。上記長さが上記範囲内であると、皺がより不規則となるため、艶消効果が向上する。
ここで、艶消層の任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における任意の10の凸部および凹部(すなわち合計100の凸部および凹部)について、その80%以上が上記の条件を満たすものであることが好ましい。上記割合は、85%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。
なお、本明細書における「略同一」の「略」は、概ね同じであることを意味し、枝分かれすることなく、略同一方向は±3°以内をいい、略同一幅は±5%以内をいう。
また、100μm四方の領域における凸部(突起部)の数は、例えば10以上であり、20以上であってもよく、30以上であってもよい。上記の凸部の数は、例えば200以下であり、100以下であってもよく、70以下であってもよい。上記の凸部の数が上記範囲内であると、艶消層の表面が特定の表面形状となりやすく、艶消効果が向上する。
ここで、100μm四方の領域における凸部の数は、艶消層の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における凸部の数の平均値である。
艶消層の表面は、少なくともその一部に皺構造を有することが好ましく、全面にわたって皺構造を有することがより好ましい。
(ii)皺構造の表面性状
皺構造は、以下の表面性状を有することが好ましい。皺構造の表面性状は、艶消層に用いられる材料の種類、艶消層の厚さ、後述する照射処理の条件を調整することにより、制御される。
(a)Spc(突起部頂点の算術平均曲率)
JIS B0601:2013に規定される、皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)は、通常、10000mm-1以下である。上記Spc(突起部頂点の算術平均曲率)は、9000mm-1以下であってもよく、8000mm-1以下であってもよい。一方、上記Spc(突起部頂点の算術平均曲率)は、例えば、1000mm-1以上であり、1200mm-1以上であってもよい。Spcが小さすぎると、良好な艶消効果が得られない場合がある。
Spc(突起部頂点の算術平均曲率)は、JIS B0601:2013に規定される三次元表面性状パラメータの一つであり、基準領域に含まれる形体画像で山(凸部)と分類された箇所の山頂(突起部頂点)の曲率半径の算術平均値から求められる、山頂の先端部の平均曲率(平均的な鋭さ)である。このためSpc(突起部頂点の算術平均曲率)は、半径(mm)の逆数(mm-1)となる。
Spc(突起部頂点の算術平均曲率)の値が大きいほど、山頂(凸部)の先端部の曲率は大きくなる(その逆数の曲率半径は小さく、先端部の形状は鋭くなる)。一方、Spc(突起部頂点の算術平均曲率)の値が小さいほど、突起部頂点の曲率は小さくなる(その逆数の曲率半径は大きく、先端部の形状は鈍くなる)。つまり、Spc(突起部頂点の算術平均曲率)が小さいほど、突起部は丸みを帯びており、平面に近づくため、化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを抑制できる。
なお、本明細書におけるSpc(突起部頂点の算術平均曲率)の測定にあたり、カットオフ値は0.8mmである。また、本明細書において、Spc(突起部頂点の算術平均曲率)は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
(b)Sku(クルトシス)
ISO25178-2:2012に規定される、皺構造のSku(クルトシス)は、通常、3.5以下である。上記Sku(クルトシス)は、3.3以下であってもよく、3.1以下であってもよい。一方、上記Sku(クルトシス)は、例えば、1.5以上であり、2.0以上であってもよい。Skuが小さすぎると、良好な艶消効果が得られない場合がある。
Sku(クルトシス)は、ISO25178-2:2012に規定される三次元表面性状パラメータの一つであり、平均面からの高さ分布の尖りの度合いを示す指標である。Skuが3である場合は表面形状が平均面に対して対称(正規分布)であり、Skuが3を超えると高さ分布が尖った形状を有し、Skuが3未満となると高さ分布がつぶれる形状を有する傾向にあると把握できるという測定値である。
なお、本明細書におけるSku(クルトシス)の測定にあたり、カットオフ値は0.8mmである。また、本明細書において、Sku(クルトシス)は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
(c)Rz(最大高さ)
JIS B0601:2013に規定される、皺構造のRz(最大高さ)は、例えば12.5μm以下であり、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよい。一方、上記Rz(最大高さ)は、例えば3μm以上であり、3.2μm以上であってもよく、3.5μm以上であってもよい。
Rz(最大高さ)は、輪郭曲線の山及び高さパラメータの一つであり、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も高い山の高さと最も深い谷の深さとの和である。Rz(最大高さ)の数値が大きいほど、谷(凹部)からみて、形状の大きい(高い)凸部が存在し、そのような凸部が多く存在する傾向があることを示す指標となる。
なお、本明細書におけるRz(最大高さ)の測定にあたり、カットオフ値は0.8mmである。また、本明細書において、Rz(最大高さ)は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
(d)Ra(算術平均粗さ)
JIS B0601:2013に規定される、皺構造のRa(算術平均粗さ)は、例えば2μm以下であり、1.5μm以下であってもよく、1.2μm以下であってもよい。一方、上記Ra(算術平均粗さ)は、例えば0.1μm以上であり、0.5μm以上であってもよく、0.7μm以上であってもよい。
Ra(算術平均粗さ)は、輪郭曲線の高さ方向のパラメータの一つであり、基準長さにおける輪郭曲線において、平均面からの高低差の平均値である。Ra(算術平均粗さ)の数値が小さいほど、皺構造における凸部、これに応じて形成する凹部の高低差がより小さくなり、より滑らかで均一な形状となる傾向があることを示す指標である。
なお、本明細書におけるRa(算術平均粗さ)の測定にあたり、カットオフ値は0.8mmである。また、本明細書において、上記Ra(算術平均粗さ)は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
(e)RSm(曲線要素の平均長さ)
JIS B0601:2013に規定される、皺構造のRSm(曲線要素の平均長さ)は、例えば50μm以下であり、45μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。一方、上記RSm(曲線要素の平均長さ)は、例えば10μm以上であり、15μm以上であってもよい。
RSm(曲線要素の平均長さ)は、輪郭曲線の横方向のパラメータであり、基準長さにおける輪郭曲線要素の長さの平均である。RSmが小さいほど、基準長さに含まれる凸部が多くなる。このため、RSmが小さい表面形状は、突起部頂点が密に存在するため、艶消効果が大きくなる。
なお、本明細書におけるRSm(曲線要素の平均長さ)の測定にあたり、カットオフ値は0.8mmである。また、本明細書において、RSm(曲線要素の平均長さ)は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
(f)Sa(算術平均高さ)
JIS B0601:2013に規定される、皺構造のSa(算術平均高さ)は、例えば2μm以下であり、1.5μm以下であってもよく、1μm以下であってもよい。一方、上記Sa(算術平均高さ)は、例えば0.1μm以上であり、0.5μm以上であってもよい。Sa(算術平均高さ)は、皺構造の全面における起伏の状態を示す指標となる。
(g)Ssk(スキューネス)
ISO 25178-2:2012に規定される、皺構造のSsk(スキューネス)は、例えば1.5μm以下であり、1.0μm以下であってもよい。一方、上記Ssk(スキューネス)は、例えば0.01μm以上であり、0.05μm以上であってもよい。
Ssk(スキューネス)は、平均面からの高さ分布の偏りの度合いを示す指標である。Sskが0である場合は表面形状が平均面に対して対称(正規分布)であり、Sskが0を超えると表面形状が平均面に対して下側、すなわち高さが低い側に偏りがあり、凸部の頂部近傍が鋭く細くなる傾向にあると把握できる測定値である。一方、Sskが0未満となると平均面に対して表面形状が上側、すなわち高さが高い側に偏っていて、凸部の頂部近傍が鈍く太くなる傾向にあると把握できる測定値である。
(2)艶消層の物性
本開示における化粧シートは、特定の表面形状を備える艶消層を有することにより、良好な艶消効果が得られる。艶消効果によって、光沢を視認しにくくなり、低艶感が得られる。
艶消層の表面形状の60°グロス値は、例えば10.0以下であり、7.5以下であってもよく、5.0以下であってもよく、4.0以下であってもよく、3.6以下であってもよい。
ここで、艶消層の表面形状の60°グロス値は、JIS K5600-4-7:1999に準拠して測定した60°鏡面光沢度のことであり、例えばグロスメータを用いて測定することができる。艶消層の表面形状の60°グロス値は、任意の10箇所における測定値の平均値である。
艶消層の内部ヘイズは、例えば4.0%以下であり、3.6%以下であってもよい。一方、艶消層の内部ヘイズの下限は、特に限定されないが、実質的に0%以上であることが好ましい。なお、「実質的に」とは、測定誤差を考慮してということを意味する。
ここで、艶消層の内部ヘイズは、JIS K7136:2000に準拠して測定することができる。艶消層の内部ヘイズを測定するに際しては、例えば、艶消層の特定の表面形状を有する表面に透明層を配置すること等により、凹凸形状を埋めて平坦にする。これにより、表面形状起因のヘイズの影響をなくすことができる。また、艶消層の内部ヘイズを測定するに際しては、化粧シートを構成する艶消層のみを別途用意する。
(3)艶消層の材料
艶消層は、樹脂組成物の硬化物を含有することが好ましい。艶消層を樹脂組成物の硬化物で構成することにより、特定の表面形状を有する艶消層を形成しやすい。
艶消層の形成に用いられる樹脂組成物としては、硬化することにより硬化物となる樹脂を含む組成物であればよい。樹脂組成物は、艶消層の形成方法に応じて適宜選択される。樹脂組成物は、電離放射線による硬化により、特定の表面形状を形成可能な組成物であることが好ましい。
(i)樹脂
樹脂組成物に含まれる樹脂は、電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。特定の表面形状を形成しやすいからである。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線硬化性官能基を有する樹脂のことであり、電離放射線硬化性官能基は電離放射線の照射によって架橋硬化する基である。電離放射線硬化性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクロイル基を示す。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを示す。
また、電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合及び/又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)または電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、電子線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂が好ましい。艶消層の内部ヘイズを減少させることができる。また、皺形成安定剤による皺の形成を安定させて、安定的に艶消効果を向上させることができる。
電離放射線硬化性樹脂は、具体的には、従来、電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ電離放射線硬化性官能基として、少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は、例えば、2以上8以下であり、2以上6以下であってもよい。また、上記官能基数であると、皺構造が得られやすくなる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、または複数種を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーは単独で、または複数種を組み合わせて用いることができ、二種以上の重合性モノマーを組み合わせて用いることが好ましい。二種以上の重合性モノマーを組み合わせて用いることで、特定の表面形状が得られやすい。
二種以上の重合性モノマーを組み合わせて用いる場合、単官能モノマーと多官能モノマーとの組合せ、二種以上の多官能モノマーの組合せが好ましく、多官能モノマーと多官能モノマーとの組合せがより好ましい。
多官能モノマーを用いる場合、官能基数は、2以上が好ましい。また、官能基数は、8以下であってもよく、6以下であってもよく、4以下であってもよい。
単官能モノマーと多官能モノマーとを組み合わせて用いる場合、多官能モノマーの官能基数は、3以下であることが好ましい。また、この場合、単官能モノマーおよび多官能モノマーは、(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
また、二種以上の多官能モノマーを用いる場合、官能基数2のモノマーと、官能基数3のモノマーと、を組み合わせることが好ましい。また、この場合、多官能モノマーは、(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ電離放射線硬化性官能基として、少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、および、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーが挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましい。
重合性オリゴマーは、単独で、または複数種を組み合わせて用いることができ、一種の重合性オリゴマーを単独で用いることが好ましい。
重合性オリゴマーの官能基数は、例えば、2以上8以下であり、2以上6以下であってもよく、2以上4以下であってもよい。
重合性オリゴマーの重量平均分子量は、例えば、2,500以上7,500以下であり、3,000以上7,000以下であってもよく、3,500以上6,000以下であってもよい。
ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
樹脂としては、重合性オリゴマーと重合性モノマーとを組み合わせて用いることが好ましい。この場合、重合性オリゴマーは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましく、多官能性ウレタンアクリレートオリゴマーであることがより好ましい。また、重合性モノマーは、多官能の重合性モノマーであることが好ましく、多官能性(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましく、多官能アクリレートモノマーであることがさらに好ましい。皺の形成を安定させて、安定的に艶消効果を向上させ、および艶消層の内部ヘイズを減少させ、さらに加工特性、耐擦傷性および耐候性等の表面特性を向上させることもできる。
重合性オリゴマーと重合性モノマーとを組み合わせて用いる場合には、重合性オリゴマーと重合性モノマーとの合計100質量部に対する重合性オリゴマーの含有量は、例えば25質量部以上であり、30質量部以上であってもよく、35質量部以上であってもよい。また、上記の重合性オリゴマーの含有量は、例えば90質量部以下であり、80質量部以下であってもよく、70質量部以下であってもよい。
また、重合性オリゴマーを組み合わせて用いることもでき、官能基数の異なる二種の重合性オリゴマーを組み合わせて用いることが好ましい。この場合、重合性オリゴマーの全量100質量部に対する官能基数のより大きい重合性オリゴマーの含有量は、例えば50質量部以上であり、55質量部以上であってもよく、60質量部以上であってもよく、65質量部以上であってもよい。
(ii)他の成分
(a)皺形成安定剤
本開示における艶消層は、皺形成安定剤を含んでもよく、含まなくてもよい。
艶消層が皺形成安定剤を含まない場合には、内部ヘイズを確実に低減することができる。
一方、艶消層が皺形成安定剤を含む場合には、艶消層の表面に皺を安定的に形成することができる。なお、皺形成安定剤を用いなくても艶消層に皺構造を形成することはできるが、皺形成安定剤を用いることで、形成された皺構造が安定化され、安定的な艶消効果、そして艶消層の全面にわたり皺が安定して形成することによる面状態の均一性を付与することができる。この場合、内部ヘイズを低減するためには、艶消層中の樹脂と皺形成安定剤との屈折率差を同程度とすること、および、皺形成安定剤の真球度を高くすること、の少なくとも一方または両方を行うことが好ましい。
なお、「皺形成安定」とは、皺の形状および皺の幾何学的特性値(個々の突起部の長さ、幅、および長さと幅の比)、および皺の表面性状(Ra、RSm、Spc等)について、その面内分布(分散σ)が、皺形成安定剤を添加することにより、無添加の場合に比べて、収束することを意味する。これにより、後述する表面形状の60°グロス値の面内分布(分散σ)も収束することとなる。皺形成安定剤は、光を拡散して、光反射の抑制および艶消を行うものではなく、皺構造を安定化させるために添加するものである。
よって、従来技術におけるいわゆる「マット剤」と、本開示における「皺形成安定剤」とは、例えその構成物質、平均粒径が同じまたは類似であった場合においても、両者の光反射抑制および艶消の機構(作用)、光反射抑制および艶消を発現させるための構造、ならびに使用量と、表面の艶(グロス値)の程度との関係において異なるものとなる。
従来技術において、光反射抑制や艶消のために用いられてきたマット剤は、物理的な形状に起因する光拡散効果により、それ自体が艶消効果を発現するものである。具体的には、一般にマット剤と称される粒子は、一般に粒子と周囲の樹脂および空気との屈折率差を有し、その粒子の輪郭形状に対応した光線の反射および屈折性界面による光拡散効果により、艶消効果を発現する。このため、艶消層にマット剤を用いてしまうと、外光(入射光)がマット剤により拡散してしまい、コントラストが低下してしまう。
一方、皺形成安定剤は、粒子それ自体による光線の反射および屈折による光拡散が艶消効果を発現するのではなく、皺形成安定剤に起因して艶消層の表面における皺の形成を安定させることで、かかる表面と空気との屈折率差界面での光拡散効果により、化粧シートに安定的に艶消効果を付与するというものである。よって、本開示で用いられる皺形成安定剤は、それ自体が艶消効果を発現するマット剤とは、(仮に、両者の構成物質、平均粒径が同じまたは類似であったとしても、)両者の光反射抑制および艶消の機構(作用)、光反射抑制および艶消を発現させるための構造等は異なる。
さらに、「皺形成安定剤」と「マット剤」とは、含有量と表面の艶(グロス値)との関係においても異なる。同じ物質Aを皺形成開始剤AW(W:皺,wrincle)として用い、これを特定量Cで含有させて表面に皺を形成させた場合の表面の60°グロス値G60° AW(C)は、同物質Aを単なるマット剤AMとして用い、これを特定量Cで含有させるも表面に皺が形成しない場合の表面の60°グロス値G60° AM(C)よりも明らかに低下する。すなわち、以下の関係式が成立する。
60° AW(C)<G60° AM(C)
皺形成安定剤としては、マット剤ではなく、具体的には、平均粒径が艶消層の厚さの100%以下および30μm以下のいずれか小さい方を上限とするものであれば、特に制限なく用いることができる。
ここで、皺形成安定剤等の粒子の平均粒径とは、艶消層の厚さ方向の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧3.0kV、拡大倍率5万倍の条件で観察し、無作為に選択した100個の粒子の非凝集体について測定した粒径の平均値(算術平均径)である。なお、粒径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだときに、その2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離を測定した値である。
皺形成安定剤としては、例えば有機粒子、無機粒子を用いることができる。有機粒子を構成する有機物としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル-スチレン共重合体樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル樹脂、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂およびポリエステル系樹脂が挙げられる。樹脂と皺形成安定剤の屈折率差を小さくし、艶消層の内部ヘイズを減少させるためには、有機粒子を用いることが好ましい。無機粒子を構成する無機物としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケートおよび硫酸バリウムが挙げられる。中でも、透明性に優れるシリカが好ましい。艶消層の強度を向上させるためには、無機粒子を用いることが好ましい。
皺形成安定剤の形状としては、特に限定されないが、例えば、球形、多面体、鱗片状、不定形が挙げられる。艶消層の内部ヘイズを減少させるためには、球状が好ましい。球状であることにより、皺形成安定剤による反射光の拡散が抑えられ、コントラストの低下が生じにくくなると考えられるからである。
艶消層の内部ヘイズを減少させるためには、皺形成安定剤の真球度は、例えば10%以下であり、8%以下であってもよく、5%以下であってもよい。皺形成安定剤の真球度の下限値は、特に限定されないが、入手容易性から、例えば0.1%以上であり、0.5%以上であってもよい。
ここで、「真球度」とは、任意に選んだ10個の粒子の、各粒子の外形の真円からのずれの程度を平均した値である。具体的には、各粒子の電子顕微鏡写真による、各粒子の表面に接する最小の外接円(最小外接円)の半径に対する、最小外接円と粒子表面の各点との半径方向の距離の最大値の割合(%)をいう。
皺形成安定剤として、シリカを用いる場合には、窒素吸着法によるBET法による比表面積は小さい方が好ましい。光拡散が抑えられるためである。比表面積は、例えば、50m/g以上800m/g以下であり、100m/g以上500m/g以下であってもよい。
同様に、光拡散が抑えられるため、吸油量が小さい方が好ましい。吸油量は、例えば700ml/100g以下であり、600ml/100g以下であってもよい。ここで、吸油量は、JIS K6217-4「オイル吸収量の求め方」に記載の方法により決定する。
皺形成安定剤の表面は光拡散を抑えるために、有機化合物により被覆されていてもよい。艶消効果のため、ならびに艶消層の内部ヘイズを減少させるため、平均粒径が艶消層の厚さの100%以下および30μm以下のいずれか小さい方を上限とする皺形成安定剤について、その平均粒径により区別される二種の皺形成安定剤の少なくともいずれかを用いることが好ましい。二種の皺形成安定剤は、具体的には、平均粒径が1μm以上、かつ艶消層の厚さの100%以下および30μm以下のいずれか小さい方を上限とする第1の皺形成安定剤、および、平均粒径が1μm未満である第2の皺形成安定剤である。二種の皺形成安定剤の少なくともいずれかを用いれば、皺の形成が安定し、安定的に優れた艶消効果が得られる。
第1の皺形成安定剤の平均粒径は、1μm以上、かつ艶消層の厚さの100%以下および30μm以下のいずれか小さい方を上限とする。安定的に艶消効果を向上させ、艶消層の内部ヘイズを減少させることができるため、第1の皺形成安定剤の平均粒径は、例えば1.3μm以上であり、1.5μm以上であってもよく、1.8μm以上であってもよい。また、第1の皺形成安定剤の平均粒径は、艶消層の厚さに対しては、例えば、艶消層の厚さの90%以下であり、艶消層の厚さの80%以下であってもよく、艶消層の厚さの70%以下であってもよい。また、第1の皺形成安定剤の平均粒径は、絶対値については、例えば20μm以下であり、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよく、7μm以下であってもよい。第1の皺形成安定剤の平均粒径は、艶消層の厚さに対する上限と絶対値の上限とを任意に組み合わせた場合のいずれか小さい方とすればよい。例えば、艶消層の厚さの90%以下および20μm以下のいずれか小さい方を上限としてもよく、艶消層の厚さの90%以下および10μm以下のいずれか小さい方を上限としてもよい。なお、艶消層の厚さについては後述する。
また、第2の皺形成安定剤の平均粒径は、1μm未満である。皺の形成を安定させて、安定的に艶消効果を向上させ、艶消層の内部ヘイズを減少させるため、第2の皺形成安定剤の平均粒径は、例えば1nm以上であり、3nm以上であってもよく、5nm以上であってもよい。また、第2の皺形成安定剤の平均粒径は、例えば900nm以下であり、700nm以下であってもよく、500nm以下であってもよい。平均粒径が可視光付近またはそれ以下であると、可視光に対する艶消層の内部ヘイズが減少するため好ましい。
皺形成安定剤による皺の形成を安定させて、安定的に艶消効果を向上させ、艶消層の内部ヘイズを減少させるためには、皺形成安定剤(第1の皺形成安定剤と第2の皺形成安定剤とを併用する場合はこれらの合計含有量)の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば0.5質量部以上であり、0.75質量部以上であってもよく、1.0質量部以上であってもよく、1.2質量部以上であってもよい。また、上記の皺形成安定剤の含有量の上限は、安定的な艶消効果の向上、また艶消層の内部ヘイズを減少させるためには、特に限定されないが、例えば樹脂組成物の塗布性、また効率的に艶消効果を向上させるため、樹脂100質量部に対して、例えば25.0質量部以下であり、15.0質量部以下であってもよく、10.0質量部以下であってもよく、7.5質量部以下であってもよく、6.0質量部以下であってもよい。
第1の皺形成安定剤と第2の皺形成安定剤とを併用する場合、第1の皺形成安定剤および第2の皺形成安定剤の各々の含有量としては、合計の含有量が上記範囲内であれば特に限定されない。第2の皺形成安定剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば0.1質量部以上であり、0.5質量部以上であってもよく、1.0質量部以上であってもよい。また、第2の皺形成安定剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば10.0質量部以下であり、7.5質量部以下であってもよく、5.0質量部以下であってもよく、3.5質量部以下であってもよい。また、第1の皺形成安定剤と第2の皺形成安定剤との配合割合としては、これらの合計量を100質量部とした場合の第1の皺形成安定剤の配合量が、例えば0.0質量部以上、0.95質量部以下であってもよく、0.10質量部以上、0.90質量部以下であってもよく、0.20質量部以上、0.80質量部以下であってもよく、0.30質量部以上、0.70質量部以下であってもよい。
皺形成安定剤としては、上述のように、有機粒子、無機粒子を用いることができるが、これらの粒子の種類自体は、従来、マット剤としても用いられるものを含むものともいえる。マット剤が、物理的な形状に起因する光拡散効果により、それ自体が艶消効果を発現するためには、多く使用する必要がある。しかし、本開示においては、上述のように少量の含有量としても、すなわち物理的な形状に起因する光拡散効果により、それ自体が艶消効果を発現するために必要な含有量より少ない含有量としても、マット剤により得られる効果に比べて極めて優れた艶消効果が得られている。よって、本開示にける化粧シートは、実質的にマット剤を含まないにも関わらず、表面に皺が安定して形成することにより、マット剤を用いた場合に比べてより優れた低艶感が安定的に得られ、艶消層の内部ヘイズを減少させることができる、といえる。
(b)光重合開始剤および光重合促進剤
樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合、樹脂組成物は、光重合開始剤および光重合促進剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものである。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば0.1質量部以上であり、0.3質量部以上であってもよく、0.5質量部以上であってもよい。また、光重合開始剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば5質量部以下であり、3質量部以下であってもよく、1.5質量部以下であってもよく、1.0質量部以下であってもよい。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、効率的に光重合開始剤を使用する効果が得られる。また、光重合促進剤の含有量は、上記の光重合開始剤と同様である。
(c)耐候剤
艶消層は、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含む。これにより、艶消層に耐候性を付与することができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ピペリジニルセバケート系光安定剤等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。また、紫外線吸収剤または光安定剤は、分子中に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有していてもよい。紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤は、単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば0.1質量部以上であり、1.0質量部以上であってもよく、2.0質量部以上であってもよく、3.0質量部以上であってもよい。また、紫外線吸収剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば10.0質量部以下であり、8.0質量部以下であってもよく、7.0質量部以下であってもよく、6.0質量部以下であってもよい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であると、効率的に紫外線吸収剤を使用する効果が得られる。また、光安定剤の含有量は、上記の紫外線吸収剤と同様である。
(4)艶消層
艶消層の厚さは、特定の表面形状を形成することができる厚さであれば特に限定されないが、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、4μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、艶消層の厚さは、例えば300μm以下であり、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。艶消層の厚さが上記範囲内であると、表面形状が特定の表面形状となりやすい。
ここで、艶消層の厚さは、化粧シートの断面について、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像から20箇所の厚さを測定し、20箇所の値の平均値とする。なお、SEMの加速電圧は3kV、倍率は厚さに応じて設定とする。また、他の層の厚さについても同様である。
本開示における艶消層は、後述する基材層に対して、部分的に配置されていてもよく、全面に配置されていてもよい。中でも、艶消層は、基材層の全面に配置されていることが好ましい。
(5)艶消層の形成方法
艶消層の形成方法は、装飾層の基材層とは反対側の面に、樹脂組成物を塗布して塗布層を形成する塗布層形成工程と、電離放射線による照射処理により塗布層を硬化させて、特定の表面形状を有する艶消層を形成する艶消層形成工程とを有することが好ましい。
(i)塗布層形成工程
塗布層形成工程において、樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方法が挙げられる。
塗布層の厚さは、艶消層の厚さと同様とすることができる。
また、樹脂組成物が溶剤を含有する場合、樹脂組成物の塗布後に、溶剤を乾燥させてもよい。
(ii)艶消層形成工程
艶消層形成工程では、上記塗布層を、電離放射線による照射処理により硬化させて、特定の表面形状を有する艶消層を形成する。
照射処理としては、少なくとも以下(1)および(2)の照射処理をこの順に行うことが好ましい。
(1)100nm以上200nm未満の第1の波長光の照射処理
(2)電子線および200nm以上400nm以下の第2の波長光の少なくとも一方での照射処理
上記(1)および(2)の照射処理を行うことで、表面形状が特定の表面形状となりやすく、さらに耐傷性が向上しやすくなる。
少なくとも上記(1)および(2)の照射処理により照射を行うことで、特定の表面形状が得られやすくなる機構についての詳細は不明であるが、以下の機構によるものと推察される。
まず、上記(1)の低波長(短波長)の紫外線による照射処理を行うと、紫外線のエネルギーが表面部分のみに浸透し、それより下層にはエネルギーが到達しないことにより、塗布層の表面部分だけが硬化をはじめることから、表面だけが硬化収縮を生じることで、皺構造が形成するものと考えられる。このように、皺構造の形成は、低波長(短波長)の紫外線の照射により、塗布層の表面からの一定の厚さ方向のみが硬化した状態において生じていると考えられる。
続いて、上記(2)の電子線および高波長(長波長)の200nm以上400nm以下の紫外線の少なくとも一方による照射処理を行うことで、塗布層の表面において形成した皺構造が保持された状態で、硬化の進行が遅い表面近傍部分から深さ方向に離れた深奥部分への硬化を促進させることができる。
上記(1)の照射処理によっても、塗布層は全厚さにわたり硬化物となり、艶消層となり得るが、上記(2)の照射処理をさらに組み合わせることで、硬化状態が向上する。その結果、艶消層の表面に皺構造が発現し、特定の表面形状が得られやすくなると考えられる。さらに、全厚さにわたり硬化物となる、また硬化状態が向上することで、耐傷性も向上すると考えられる。
上記(1)の照射処理において採用される、100nm以上200nm未満の第1の波長光としては、例えば、Ar、Kr、Xe、Ne等の希ガス、F、Cl、I、Br等のハロゲンによる希ガスのハロゲン化物ガス、又はこれらの混合ガスの放電によって形成される励起状態の2量体、すなわちエキシマ(excimer)からの紫外線波長域の光を含む「エキシマ光」が好ましい。エキシマ光の波長および光源となるエキシマとしては、例えばArのエキシマから輻射される波長126nmの光(以下、「126nm(Ar)」のように略称する。)、146nm(Kr)、157nm(F)、172nm(Xe)、193nm(ArF)等の波長光を好ましく採用することができる。エキシマ光としては、自然放出光、誘導放出によるコヒーレンス(可干渉性)の高いレーザ光のいずれも用いることができるが、通常自然放出光を用いれば十分である。なお、これらの光(紫外線)を放射する放電ランプは、「エキシマランプ」とも称されている。
エキシマ光は波長ピークが単一であり、また通常の紫外線(例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプから放射される紫外線)と比べて波長の半値幅が狭いことが特徴として挙げられる。このようなエキシマ光を用いることで、皺構造を発現させやすくなる。
上記と同様の理由から、第1の波長光の波長は、例えば120nm以上であり、140nm以上であってもよく、150nm以上であってもよく、155nm以上であってもよい。また、第1の波長光の波長は、通常、200nm未満であり、172nm(Xe)であることが好ましい。このように、皺構造を発現させやすくするためには、より低波長(短波長)の波長光を用いることが好ましく、低波長(短波長)の紫外線(波長:280nm以下)のうち、200nm未満の領域の低波長(短波長)の紫外線が好ましい。
第1の波長光の積算光量は、例えば1mJ/cm以上であり、2mJ/cm以上であってもよく、5mJ/cm以上であってもよい。また、第1の波長光の積算光量の上限は、特に限定されない。第1の波長光の照射に必要な灯数を低減し、また生産効率の向上等の生産性を考慮すると、第1の波長光の積算光量は、例えば1,000mJ/cm以下であり、300mJ/cm以下であってもよく、100mJ/cm以下であってもよく、10mJ/cm以下であってもよい。
紫外線照度は、例えば1mW/cm以上であり、5mW/cm以上であってもよく、10mW/cm以上であってもよい。また、紫外線照度は、例えば10W/cm以下であり、3W/cm以下であってもよく、1W/cm以下であってもよい。特に生産性を考慮すると、紫外線照度は、500mW/cm以下が好ましく、300mW/cm以下がより好ましく、150mW/cm以下がさらに好ましい。
また、第1の波長光を照射する際の酸素濃度は、より低いことが好ましく、例えば1,000ppm以下であり、750ppm以下であってもよく、500ppm以下であってもよく、300ppm以下であってもよい。
艶消層形成工程では、上記(1)の100nm以上200nm未満の第1の波長光での照射処理の後、上記(2)電子線および200nm以上400nm以下の第2の波長光の少なくとも一方での照射処理を行うことが好ましい。
上記(2)の照射処理で採用される電子線の照射条件としては、樹脂組成物が硬化すれば特に限定されない。電子線の加速電圧は、例えば10kV以上であり、30kV以上であってもよく、50kVであってもよく、75kV以上であってもよい。また、電子線の加速電圧は、例えば300kV以下であり、250kV以下であってもよく、200kV以下であってもよい。電子線の加速電圧が上記範囲内であると、皺構造の形状をそのまま保持したまま硬化物となりやすくなる。また、耐傷性が向上する。また、上記と同様の理由により、電子線の照射線量は、例えば5kGy以上であり、10kGy以上であってもよく、15kGy以上であってもよい。また、電子線の照射線量は、例えば150kGy以下であり、125kGy以下であってもよく、100kGy以下であってもよい。
電子線源としては、上記照射条件を発揮し得るものであれば特に限定されず、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、また直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
上記(2)の照射処理で採用される200nm以上400nm以下の第2の波長光は、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯を光源とする紫外線照射装置を用いて照射することができる。また、200nm以上400nm以下のエキシマ光、例えば222nm(KrCl)、247nm(KrF)、308nm(XeCl)等の波長光を用いてもよい。
上記(2)の照射処理で採用される第2の波長光の波長は、例えば、330nm以上、390nm以下である。第2の波長光の波長が上記範囲内であると、皺構造の形状をそのまま保持しやすくなる。また、耐傷性も向上する。上記と同様の理由により、紫外線照射装置の出力は、例えば50W/cm以上であり、100W/cm以上であってもよい。また、紫外線照射装置の出力は、例えば300W/cm以下であり、200W/cm以下であってもよい。また、照射速度は、例えば1r/min以上であり、3r/min以上であってもよい。また、照射速度は、例えば50r/min以下であり、10r/min以下であってもよい。
また、上記(1)および(2)の照射処理の前に、(3)予備硬化のための照射処理を行ってもよい。上記(3)の予備硬化のための照射処理により塗布層を全体的に予備硬化しておくことで、樹脂組成物に適度な粘性を付与することとなる。そのため、上記(1)の照射処理により形成した皺構造のダレが抑制され、皺構造の保持をより良好な状態とすることができる。
上記(3)の予備硬化のための照射処理において採用される電離放射線の波長光は、例えば320nm超の波長光であり、320nm超400nm以下の波長光であってもよく、385nm以上400nm以下の波長光であってもよい。上記(3)の照射処理において、上記波長光(紫外線)を用いることで、塗布層の全体的な予備硬化を効率的に行うことができる。
上記(3)の照射処理における紫外線照度は、例えば0.01W/cm以上であり、0.1W/cm以上であってもよく、0.3W/cm以上であってもよい。また、紫外線照度は、例えば5W/cm以下であり、3W/cm以下であってもよく、2W/cm以下であってもよい。紫外線照度が上記範囲内であると、塗布層が完全に硬化することなく、塗布層の全体的な予備硬化を効率的に行うことができる。
上記(3)の照射処理で採用される波長光は、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯、LEDライトを光源とする紫外線照射装置を用いて照射することができる。
以上のようにして、特定の表面形状を備える艶消層が得られる。
2.基材層
本開示における化粧シートは、基材層を有する。基材層は、艶消層を支持する部材である。基材層の一方の面に艶消層が配置されていることで、艶消層を容易に形成することができる。また、化粧シートが基材層を有することで、機械的強度、後加工適性、意匠性等の各種性能が向上するので、シートとしての使用性が向上する。
基材層は、特に限定されず、例えば、樹脂基材、ガラス基材、金属基材、繊維基材が挙げられる。基材層の種類は、化粧シートの用途に応じて適宜選択される。
樹脂基材に用いられる樹脂としては、例えば、各種の合成樹脂、各種の天然樹脂が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が挙げられる。化粧シートの製造適性、取扱い適性、後加工適性を考慮すると、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、各種オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂;ナイロン6、ナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂;三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。
天然樹脂としては、例えば、天然ゴム、松脂、琥珀が挙げられる。
また、硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。
金属基材に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム又はジュラルミン等のアルミニウム合金;鉄又は炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金;銅又は真鍮、青銅等の銅合金;金、銀、クロム、ニッケル、コバルト、錫、チタニウムが挙げられる。金属基材は、表面にめっき皮膜又は陽極酸化皮膜を有していてもよい。
繊維基材に用いられる繊維質材料としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、和紙、チタン紙、リンター紙、硫酸紙、パラフィン紙、パーチメント紙、グラシン紙、壁紙用裏打紙、板紙、石膏ボード用原紙等の紙;ポリエステル樹脂繊維、アクリル樹脂繊維、絹、木綿、麻等のタンパク質又はセルロース系の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維からなる織布又は不織布挙げられる。繊維基材には、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の各種樹脂が添加されていてもよい。繊維基材が紙基材である場合、紙基材の繊維間の強度、又は紙基材と他の基材との層間強度を向上させることができる。また、毛羽立ちを抑制できる。樹脂の添加方法としては、抄造後に樹脂を含浸させてもよく、抄造時に樹脂を内填させてもよい。樹脂を添加した紙基材としては、例えば紙間強化紙、樹脂含浸紙が挙げられる。
繊維基材の場合、繊維基材の艶消層側の面に、透過防止用層樹脂層が配置されていることが好ましい。浸透防止用樹脂層に用いられる樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂を挙げることができる。透過防止用層樹脂層は、塗工等の方法により形成することができる。
基材層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。樹脂基材の場合、添加剤としては、例えば、無機充填剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤が挙げられる。各種添加剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。添加剤の含有量は、表面特性、加工特性を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、要求特性に応じて適宜設定できる。
耐候性を向上させるため、上記添加剤の中でも、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を用いることが好ましい。紫外線吸収剤、光安定剤としては、上記艶消層に用いられるものと同様とすることができる。
基材層は、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。積層体の場合、基材層は、同じ種類の基材を2層以上有していてもよく、異なる種類の基材を2層以上有していてもよい。
本開示において、基材層は、後述の装飾層を兼ねることができる。
基材層は、透明であってもよく、不透明であってもよい。基材層が不透明である場合には、基材層が装飾層になり得る。
また、基材層は着色されていてもよい。基材層が着色されている場合には、基材層が装飾層になり得る。着色の態様には特に限定されず、透明着色であってもよく、不透明着色(隠蔽着色)であってもよく、これらは任意に選択できる。
基材層が着色されている場合、着色剤を含有することができる。着色剤としては、例えば、チタン白等の白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、ニッケル-アゾ錯体、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。例えば、化粧シートを積層する被着体の表面色相がばらついている場合に、表面色相を隠蔽し、装飾層の色調の安定性を向上させたい場合は、白色顔料等の無機顔料を用いればよい。
基材層は、基材層に接する層との密着性、例えば装飾層との密着性、接着層との密着性を高めるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、化学的表面処理が挙げられる。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法が挙げられる。これらの表面処理は、基材層の種類に応じて適宜選択されるが、表面処理の効果および操作性を考慮すると、一般にはコロナ放電処理が好ましい。
また、基材層が積層体である場合、隣接する各層の接着性を向上させるために、各層間に、接着層又はプライマー層が配置されていてもよい。
基材層の厚さは、特に限定されず、基材層の材料に応じて適宜選択される。樹脂を含有する基材層の場合、基材層の厚さは、例えば、10μm以上300μm以下であり、20μm以上200μm以下であってもよく、40μm以上100μm以下であってもよい。また、基材層が紙基材である場合、坪量は、例えば、20g/m以上150g/m以下であり、30g/m以上100g/m以下であってもよい。
3.装飾層
本開示における化粧シートは、基材層の一方の面に、装飾層を有する。装飾層により、化粧シートに意匠を付与することができる。装飾層は、艶消層の特定の表面形状を有する表面とは反対の面側に配置されていればよく、例えば、装飾層は基材層と艶消層との間に配置されていてもよく、また後述するように化粧シートが透明性樹脂層を有する場合は、装飾層は基材層と透明性樹脂層との間に配置されていてもよい。
装飾層としては、例えば、着色層であってもよく、絵柄層であってもよく、金属層であってもよい。また、装飾層は、着色層と絵柄層とを有していてもよい。
着色層は、化粧シートの全面に配置された、いわゆるベタ着色層であってもよい。着色層は、バインダー樹脂と着色剤とを含有することができる。着色層は、塗布法により形成することができる。
絵柄層の絵柄(模様)としては、特に限定されず、例えば、木材板表面の年輪や導管溝等の木目柄;大理石、花崗岩等の石板表面の石目柄;布帛表面の布目柄;皮革表面の皮シボ柄;幾何学模様;文字;図形;これらの組み合わせが挙げられる。
絵柄層は、例えば、バインダー樹脂と着色剤とを含有する。絵柄層は、印刷法により形成することができる。
着色層および絵柄層に用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられる。また、1液硬化型樹脂、イソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型樹脂のように、種々の樹脂を用いることができる。
着色層および絵柄層に用いられる着色剤としては、例えば、顔料、染料が挙げられる。中でも、着色剤は、隠蔽性および耐候性に優れる顔料であることが好ましい。顔料については、上記基材層に用いられる顔料と同様とすることができる。着色剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、例えば、5質量部以上90質量部以下であり、15質量部以上80質量部以下であってもよく、30質量部以上70質量部以下であってもよい。
着色層および絵柄層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、体質顔料、安定剤、可塑剤、硬化剤、触媒等の添加剤を含有してもよい。
金属層に用いられる金属材料としては、例えば、アルミニウム、クロム、錫、インジウムが挙げられる。金属層は、蒸着法により形成することができる。
装飾層の厚さは、所望の意匠および装飾層の種類に応じて適宜選択される。装飾層が着色層および絵柄層の少なくともいずれかを有する場合、被着体の地色を隠蔽し、かつ意匠性を向上させることを考慮すると、装飾層の厚さは、例えば、0.5μm以上20μm以下であり、1μm以上10μm以下であってもよく、2μm以上5μm以下であってもよい。
4.他の層
本開示における化粧シートは、図1に示すように、基材層1、装飾層2および艶消層3を少なくとも有する。一方、本開示における化粧シートは、これらの層に加えて、他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば、透明性樹脂層、接着層、セパレータ層、プライマー層が挙げられる。例えば図4に示す化粧シート10は、基材層1、装飾層2および艶消層3に加えて、透明性樹脂層6、接着層7およびセパレータ層8を有する。
(1)透明性樹脂層
本開示における化粧シートは、艶消層と装飾層との間に透明性樹脂層を有していてもよい。透明性樹脂層により、化粧シートの強度を高めることができる。
透明性樹脂層は、装飾層を視認できる程度に透明であればよく、無色透明の他、着色透明および半透明であってもよい。
透明性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」とも称する。)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。加工適性を考慮すると、中でも、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂が好ましい。樹脂は、単独で、又は2種以上を用いてもよい。
透明性樹脂層は、必要に応じて、添加剤を含む。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤が挙げられる。耐候剤としては、既述のものから適宜選択して用いればよい。
透明性樹脂層の厚さは、加工適性を考慮すると、例えば20μm以上150μm以下であり、40μm以上120μm以下であってもよく、60μm以上100μm以下であってもよい。
透明性樹脂層の形成方法としては、例えば、樹脂組成物を塗布する方法、樹脂フィルムをドライラミネートにより積層する方法が挙げられる。
(2)接着層
本開示における化粧シートは、基材層の装飾層とは反対の面側に、接着層を有していてもよい。接着層は、例えば、化粧シートを被着体に貼付するための部材である。
接着層は、透明であってもよく、不透明であってもよい。
接着層に用いられる接着剤としては、例えば、硬化型接着剤、感圧型接着剤が挙げられる。具体例としては、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤が挙げられる。また、接着層として、OCA(Optically Clear Adhesive)又はOCR(Optically Clear Resin)を用いることもできる。
接着層の厚さは、効率よく所望の接着力を得る観点から、例えば、5μm以上100μm以下であり、10μm以上75μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよい。
接着層の形成方法としては、例えば、接着剤組成物を塗布する方法、接着フィルムをドライラミネートにより積層する方法が挙げられる。
(3)プライマー層
本開示における化粧シートは、化粧シートを構成する複数の層の層間密着性を向上させるために、プライマー層を有してもよい。プライマー層は、艶消層と基材層との間の任意の層間に配置されてもよい。また、化粧シートが透明性樹脂層を有する場合、プライマー層は透明性樹脂層と艶消層との間に配置されてもよい。
プライマー層は、主としてバインダー樹脂から構成され、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂が挙げられる。これらは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、バインダー樹脂としては、上記の樹脂に、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の硬化剤を添加し、架橋硬化させる樹脂であってもよい。例えば、アクリルポリオール樹脂等のポリオール系樹脂をイソシアネート系硬化剤で架橋硬化させる樹脂が好ましく、アクリルポリオール樹脂をイソシアネート系硬化剤で架橋硬化させる樹脂がより好ましい。
プライマー層の厚さは、例えば0.5μm以上であり、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。また、プライマー層の厚さは、例えば10μm以下であり、8μm以下であってもよく、6μm以下であってもよい。
プライマー層の形成方法としては、樹脂組成物を塗布し、必要に応じて、乾燥、硬化する方法が挙げられる。
(4)セパレータ層
本開示における化粧シートは、接着層の基材層とは反対側の面に、セパレータ層を有していてもよい。セパレータ層は、接着層を保護する部材であり、化粧シートを被着体に貼付する際には剥離される。セパレータ層としては、従来公知のものを使用することができる。
B.化粧材
本開示における化粧材は、被着体と、上記被着体の一方の面に配置された化粧シートと、を有する。
図5は、本開示における化粧材を例示する概略断面図である。図5に示す化粧材100は、被着体20と、被着体20の面に配置された化粧シート10と、を有する。基材層1を基準にして、艶消層3は、被着体20とは反対側に配置されている。
本開示によれば、上述した化粧シートを用いることで、艶消層による接触物の削り取りを抑制しつつ、良好な艶消効果を有する化粧材となる。
1.被着体
被着体の形状は、特に限定されないが、例えば、平板、曲面板等の板状、;円柱、多角柱等の立体形状;シート状が挙げられる。被着体は、木質部材であってもよい。木質部材としては、例えば、木質繊維板が挙げられる。木質繊維板としては、例えば、木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)が挙げられる。木質部材の材料としては、例えば、杉、檜、松、ラワン等の木材が挙げられる。
被着体は、金属部材であってもよい。金属部材に用いられる金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、これら金属の1種以上を含む合金が挙げられる。また、被着体は、ガラス、陶磁器等のセラミックス部材であってもよく、石膏、セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、珪酸カルシウム等の非セラミックス部材であってもよい。
被着体は、樹脂部材であってもよい。樹脂部材に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴムが挙げられる。
2.化粧シート
本開示における化粧シートについては、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.化粧材
本開示における化粧材の用途は、特に限定されないが、例えば、壁、天井、床、屋根、軒天井、柵、門扉等の建築部材;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材;箪笥、棚、机等の一般家具;食卓、流し台等の厨房家具;台所、トイレ、風呂場、洗面台等の水廻りで用いられる各種家具;家電、OA機器等のキャビネット等の表面化粧板;車両の内装又は外装用部材が挙げられる。また、本開示における化粧材は、床用部材または壁用部材であることが好ましい。化粧シートの艶消層による接触物の削り取りを効果的に抑制できるからである。また、本開示における化粧材は、屋外で使用される部材(外装用部材)であってもよく、屋内で使用される部材(内装用部材)であってもよい。
また、本開示においては、表面に艶消層を有する化粧材であって、上記艶消層の表面が、皺構造を有する表面形状を備え、JIS B0601:2013に規定される、上記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が10000mm-1以下であり、ISO 25178-2:2012に規定される、上記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である、化粧材を提供することもできる。艶消層および皺構造の詳細については、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様である。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(艶消層形成用組成物の調製)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(3官能オリゴマー)を30質量部、3官能アクリレートモノマー(3官能モノマー)を30質量部、および、2官能アクリレートモノマー(2官能モノマー)を40質量部の割合で混合し、混合物を得た。得られた混合物に、皺形成安定剤(シリカ粒子、平均粒径:3μm、比表面積100m/g、吸油率:40ml/100g)を3質量部添加し、光重合開始剤(ベンゾフェノン系)を0.8質量部添加し、艶消層形成用組成物を得た。
(化粧シートの作製)
基材層(紙)上に、装飾層を形成した。次いで、装飾層上に、アクリル樹脂およびウレタン樹脂を含む組成物を塗布し、厚さ2μmのプライマー層を形成した。プライマー層上に、艶消層形成用組成物を、乾燥時塗布量15g/mで塗布し、塗布層を形成した。塗布層に対して、LEDから構成されるUV照射装置を用いて紫外線を照射して(LED-UV照射、波長395nm、最大照度0.6W/cm、積算光量30~100mJ/cm)、予備硬化を行った。次いで、エキシマ光照射装置を用いて紫外線を照射した(エキシマ照射、波長172nm(Xe)、紫外線出力密度30mW/cm、積算光量5~100mJ/cm、窒素雰囲気)。さらに、電子線を照射して(加速電圧100~150kV、照射線量30~100kGy)、艶消層を形成し、化粧シートを得た。
[実施例2]
艶消層形成用組成物の乾燥時塗布量を5g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[実施例3]
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(3官能オリゴマー)を40質量部、3官能アクリレートモノマー(3官能モノマー)を30質量部、および、2官能アクリレートモノマー(2官能モノマー)を30質量部の割合で混合し、混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例1]
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(3官能オリゴマー)を20質量部、2官能アクリレートモノマー(2官能モノマー)を40質量部、および、単官能アクリレートモノマー(単官能モノマー)を40質量部の割合で混合し、混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例2]
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(3官能オリゴマー)を80質量部、および、2官能アクリレートモノマー(2官能モノマー)を20質量部の割合で混合し、混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例3]
実施例1で作製した艶消層形成用組成物に対して、マット剤(シリカ粒子、平均粒径:8μm)を15質量部添加し、艶消層形成用組成物を得た。得られた艶消層形成用組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[評価]
(顕微鏡観察)
実施例1~3で得られた化粧シートの艶消層の表面を、光学顕微鏡で観察した。その結果、実施例1~3で得られた化粧シートは、艶消層の表面に皺構造を有することが確認された。
(皺構造の測定)
実施例1~3および比較例1~3で得られた化粧シートに対して、皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)およびSku(クルトシス)を測定した。測定は、化粧シートの皺構造の任意箇所の長方形(1024μm×768μm)について、形状解析レーザ顕微鏡(「VK-X150(制御部)/VK-X160(測定部)」、株式会社キーエンス製)を用い、対物レンズ:50倍、レーザ波長:658nm、測定モード:表面形状モード、測定ピッチ:0.13μm、測定品質:高速モードで測定した。また、カットオフ値は0.8mmとした。その結果を表1に示す。
(ヒールマーク試験)
実施例1~3および比較例1~3で得られた化粧シートに対して、ヒールマーク試験を行った。具体的には、5cm×5cm×5cmの立法体のゴム片(JIS S 5050の6.2(表底及びかかと用材料)に規定するゴム製かかとの材質に適合する、カーボンブラック配合の黒色ゴム、質量140g~160g)を用い、ゴム片の角部にて、200gの荷重をかけ、サンプル(化粧シート)に押し当てて10cm移動させた。この時のゴム跡の残り方を以下の基準にて評価した。
A:まったくゴム片の跡がつかなかった(20人が視認評価し、ゴム片跡を見つけられなかった人が16人以上である)
B:薄いゴム片跡がついた(20人が視認評価し、ゴム片跡を見つけられなかった人が10人以上15人以下である)
C:ゴム片跡がついた(20人が視認評価し、ゴム片跡を見つけられなかった人が9人以下である)
その結果を表1に示す。
(60°グロス値)
実施例1~3および比較例1~3で得られた化粧シートの皺構造に対して、グロスメータ(BYKガードナー社製「マイクログロス」)を用いて、JIS K5600-4-7に準拠して60°鏡面光沢度を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1~3では、ヒールマーク試験の結果が良好であり、60°グロス値も低かった。これに対して、比較例1では、60°グロス値が高く、良好な艶消性が得られなかった。また、比較例2、3では、ヒールマーク試験において良好な結果が得られなかった。このように、SpcおよびSkuを所定の範囲に調整することで、良好な艶消効果と、接触物の削り取り抑制効果とを両立できた。
このように、本開示においては、例えば、以下の発明が提供される。
[1]
基材層と、上記基材層の一方の面に配置された装飾層と、上記装飾層の上記基材層とは反対側の面に配置された艶消層と、を有する化粧シートであって、
上記艶消層の装飾層とは反対側の表面が、皺構造を有する表面形状を備え、
JIS B0601:2013に規定される、上記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が10000mm-1以下であり、ISO 25178-2:2012に規定される、上記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である、化粧シート。
[2]
上記Spcが1000mm-1以上である、[1]に記載の化粧シート。
[3]
上記Skuが1.5以上である、[1]または[2]に記載の化粧シート。
[4]
上記皺構造は、不規則な皺による凹凸形状を有する構造であり、上記不規則な皺は、複数の突起部により形成する複数の凸部と、上記複数の突起部により囲まれて形成する凹部と、を有する、[1]から[3]までのいずれかに記載の化粧シート。
[5]
上記表面形状の60°グロス値が、10.0以下である、[1]から[4]までのいずれかに記載の化粧シート。
[6]
上記艶消層と上記装飾層との間に、透明性樹脂層が配置されている、[1]から[5]までのいずれかに記載の化粧シート。
[7]
上記基材層の上記装飾層とは反対の面側に、接着層が配置されている、[1]から[6]までのいずれかに記載の化粧シート。
[8]
被着体と、上記被着体の面に配置された化粧シートと、を有する化粧材であって、上記化粧シートが、[1]から[7]までのいずれかに記載の化粧シートである、化粧材。
[9]
上記化粧材は、床用部材である、[8]に記載の化粧材。
1…基材層
2…装飾層
3…艶消層
4…凸部
5…凹部
6…透明性樹脂層
7…接着層
8…セパレータ層
10…化粧シート
100…化粧材

Claims (8)

  1. 基材層と、前記基材層の一方の面に配置された装飾層と、前記装飾層の前記基材層とは反対側の面に配置された艶消層と、を有する化粧シートであって、
    前記艶消層の前記装飾層とは反対側の表面が、皺構造を有する表面形状を備え、
    前記皺構造は、不規則な皺による凹凸形状を有する構造であり、前記不規則な皺は、複数の突起部により形成する複数の凸部と、前記複数の突起部により囲まれて形成する凹部と、を有し、
    JIS B0601:2013に規定される、前記皺構造のSpc(突起部頂点の算術平均曲率)が1200mm -1 以上10000mm-1以下であり、
    ISO 25178-2:2012に規定される、前記皺構造のSku(クルトシス)が3.5以下である、化粧シート。
  2. 前記Spcが3713mm-1以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記Skuが1.5以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  4. 前記表面形状の60°グロス値が、10.0以下である、請求項1に記載の化粧シート。
  5. 前記艶消層と前記装飾層との間に、透明性樹脂層が配置されている、請求項1に記載の化粧シート。
  6. 前記基材層の前記装飾層とは反対の面側に、接着層が配置されている、請求項1に記載の化粧シート。
  7. 被着体と、前記被着体の面に配置された化粧シートと、を有する化粧材であって、
    前記化粧シートが、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の化粧シートである、化粧材。
  8. 前記化粧材は、床用部材である、請求項7に記載の化粧材。
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