JP2018108098A - オーラル製品 - Google Patents

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    • A24B15/28Treatment of tobacco products or tobacco substitutes by chemical substances
    • A24B15/30Treatment of tobacco products or tobacco substitutes by chemical substances by organic substances

Abstract

【課題】満足な触感および/または香味感を提供することができるオーラル製品を提供する。【解決手段】オーラル製品110は、口腔中に全体的に受け入れ可能であるボディを含む。ボディは、口内で可溶性のポリマーマトリックス、口内で可溶性のポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、および口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散したニコチンまたはその誘導体を含む。オーラル製品は、ボディが口腔内に受け入れられ、唾液に曝された際に、ニコチンまたはその誘導体をボディから放出するように適合されている。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体として本明細書に組み入れられる、2012年1月20日に出願された米国特許仮出願第61/588,890号の優先権の恩典を主張する。
技術分野
本文献は、口内で可溶性のポリマー、セルロース系繊維、およびニコチンを含むオーラル製品に関する。
背景
タバコは、成人タバコ消費者によって多様な形で嗜まれることができる。発煙タバコは、燃やし、その煙霧質を味わう、または吸い込むものである(たとえば、紙巻きタバコ、葉巻またはパイプで)。無煙タバコ製品は、燃やすものではなく、噛みタバコ、湿り無煙タバコ、スヌースおよびドライスナッフを含む。噛みタバコとは、一般的には大きなパウチ様パッケージの中にパッケージングされ、プラグまたはツイストの中で使用される、粗く粉砕したタバコ葉である。湿り無煙タバコとは、ばらの形態またはパウチ形態で提供される、より小さく粉砕した湿りタバコであり、一般的に、丸い缶の中にパッケージングされ、成人タバコ消費者の頬と歯茎との間に配置されるひとつまみ分として、またはパウチ形態で使用される。スヌースとは、熱処理された無煙タバコである。ドライスナッフは、口に入れられる、または鼻で使用される、細かく挽いたタバコである。
今や、ますます多くの政府が、レストランおよび交通機関のような公共の場における喫煙に規制を実施している。米国のような一部の国においては、一部の職場にも公共的な規制が適用されている。無煙製品もまた、特定の政府または職場によって禁じられることがある。
経頬的システム、たとえばニコチン含有チューインガムおよび経皮的ニコチン送達システムが当技術分野において周知である。しかし、これらのシステムは、一部の成人タバコ消費者にとって、適したタバコ様の体感を一貫して提供するわけではない。
概要
本明細書は、満足な触感および/または香味感を提供するオーラル製品を記載する。オーラル製品は、成人消費者の口腔中に少なくとも部分的に受け入れ可能であるボディを含む。いくつかの態様において、ボディは、口内で可溶性のポリマーマトリックス、ポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、およびボディが口腔内に受け入れられ、唾液に曝された際に放出されるようにボディ中に分散したニコチンまたはその誘導体を含む。
オーラル製品は、タバコ様香味感および好ましい触感を提供することができる。オーラル製品の他の態様は、他の添加物、たとえば香味料、甘味料、ビタミン、ミネラル、治療剤、栄養補助食品、精力剤、無痛化剤、着色剤、アミノ酸、ケメステティック剤(chemsthetic agent)、抗酸化剤、食品用乳化剤、pH調整剤、植物性薬剤(botanicals)、歯ホワイトニング剤、および/または非ニコチンアルカロイド類(たとえばカフェイン)を含むことができる。添加物の組み合わせ(たとえば甘味料、香味料、およびニコチン)を組み合わせて、好ましい触感および香味感を提供することができる。
これらおよび他の態様それぞれは、場合によっては、以下の特徴の一つまたは複数を含むことができる。いくつかの態様において、オーラル製品のボディは、口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む。オーラル製品はまた、口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した可塑剤を含むことができる。たとえば、可塑剤は、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、トリグリセリド類、またはそれらの組み合わせであってよい。オーラル製品はまた、ボディ中に分散した甘味料を含むことができる。甘味料は、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、またはそれらの組み合わせであってよい。
特定の態様のオーラル製品はタバコ植物組織を実質的に含まない。オーラル製品に加えられるニコチンは、合成ニコチンまたはタバコ由来のニコチンのいずれかであってよい。いくつかの態様において、オーラル製品はニコチン0.1mg〜6mgを含む。ニコチンに加えて、またはニコチンに代えて、オーラル製品は、ミネラル、ビタミン、補助食品、栄養補助食品、精力剤、無痛化剤、アミノ酸、ケメステティック剤、抗酸化剤、植物性薬剤、歯ホワイトニング剤、治療剤、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物を含むことができる。ニコチンおよび/または他の添加物は、セルロース系繊維およびポリマーマトリックス中に吸収されることができる。
オーラル製品のボディは、セルロース系繊維を少なくとも10重量%有することができる。セルロース系繊維は植物組織由来であってよい。いくつかの態様において、セルロース系繊維はセルロースを含む。セルロース系繊維はさらにリグニンおよび/または脂質を含むことができる。セルロース系繊維は非タバコセルロース系繊維であってよい。たとえば、セルロース系繊維は、テンサイ繊維、ウッドパルプ繊維、綿繊維、ふすま繊維、柑橘パルプ繊維、草繊維、ヤナギ繊維、ポプラ繊維、およびそれらの組み合わせから選択することができる。非タバコセルロース系繊維はまた、使用の前に化学的に処理されてもよい。たとえば、セルロース系繊維は、CMC、HPMC、HPC、または他の処理されたセルロース系材料であってよい。
オーラル製品は香味料を含むことができる。香味料は天然または人工であってよい。香味料は、甘草、ウィンターグリーン、チェリーおよびベリータイプ香味料、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolens)、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、和種ハッカ、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属の種のハッカ油、ココア、およびそれらの組み合わせから選択することができる。合成香味料を使用することもできる。特定の態様においては、香味料の組み合わせを組み合わせてタバコ香味を模倣することができる。香味料の特定の組み合わせは、特定の国、たとえば米国において一般に安全と認められる(「GRAS」)香味料から選択することができる。香味料はまた、カプセル封入された香味料としてオーラル製品に含まれることもできる。
オーラル製品のボディは多様な異なる形状を有することができ、そのいくつかは、円板形、盾形、長方形、および正方形を含む。特定の態様にしたがって、ボディは、5mm〜25mmの長さまたは幅および1mm〜10mmの厚さを有することができる。
オーラル製品のボディは圧縮性かつ弾力性であってよい。いくつかの態様において、ボディは、95%未満、90%未満、85%未満、または80%未満の250N圧縮率を有する。いくつかの態様において、ボディは45%〜90%の250N圧縮率を有する。オーラル製品のボディは99%未満の425N圧縮率を有することができる。たとえば、ボディは60%〜98%の425N圧縮率を有することができる。ボディはまた、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも75%の弾性率を有することができる。たとえば、ボディは75%〜90%の弾性率を有することができる。
特定の態様において、オーラル製品はコーティングされたスティックである。スティック上のコーティングは、口内で可溶性のポリマー、ポリマー中のセルロース系繊維、およびポリマー/繊維マトリックス中に分散したニコチンまたはその誘導体を含むことができる。スティックは木の棒であってよい。
概して、本明細書に記載される主題の別の局面は、オーラル製品を製造し、使用する方法である。オーラル製品を製造する方法は、セルロース系繊維および/またはその中に分散した一つまたは複数の添加物を有する口内で可溶性のポリマーを押出し成形する操作を含むことができる。
[本発明1001]
口腔中に全体的に受け入れ可能であるボディを含むオーラル製品であって、該ボディが、
口内で可溶性のポリマーマトリックス、
該口内で可溶性のポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、および
該ボディが該口腔内に少なくとも部分的に受け入れられ唾液に曝された際に該ボディから放出されるように該口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した、ニコチンまたはその誘導体
を含む、オーラル製品。
[本発明1002]
スティック、および
該スティック上のコーティング
を含むオーラル製品であって、該コーティングが、
口内で可溶性のポリマーマトリックス、
該口内で可溶性のポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、および
該コーティングが該口腔内に少なくとも部分的に受け入れられ唾液に曝された際に該コーティングから放出されるように該口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した、ニコチンまたはその誘導体
を含む、オーラル製品。
[本発明1003]
口内で可溶性のポリマーマトリックスがデンプンを含む、本発明1001または1002のオーラル製品。
[本発明1004]
口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した可塑剤をさらに含む、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1005]
可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、トリグリセリド類、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1004のオーラル製品。
[本発明1006]
口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した甘味料をさらに含む、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1007]
甘味料が、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1006のオーラル製品。
[本発明1008]
ニコチンがタバコ由来のニコチンである、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1009]
ニコチンが合成ニコチンである、本発明1001〜1007のいずれかのオーラル製品。
[本発明1010]
タバコ植物組織を実質的に含まない、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1011]
ミネラル、ビタミン、補助食品、栄養補助食品、精力剤、無痛化剤、アミノ酸、ケメステティック剤(chemsthetic agent)、抗酸化剤、植物性薬剤(botanicals)、歯ホワイトニング剤、治療剤、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含むオーラル製品であって、
ボディが成人消費者の口の中に保持された際に該添加物が放出されるように、該ボディまたはセルロース系繊維中に該添加物が分散している、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1012]
成人消費者の口の中に配置された際に放出されるように口内で可溶性のポリマーマトリックスまたはセルロース系繊維中に分散した、香味料
をさらに含む、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1013]
香味料が、甘草、ウィンターグリーン、チェリーおよびベリータイプ香味料、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolens)、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、和種ハッカ、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属の種由来のハッカ油、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1012のオーラル製品。
[本発明1014]
ボディが盾形である、本発明1001および1003〜1013のいずれかのオーラル製品。
[本発明1015]
ボディが5mm〜25mmの直径および1mm〜10mmの厚さを有する、本発明1014のオーラル製品。
[本発明1016]
口内で可溶性のポリマーマトリックスがセルロース系繊維を少なくとも10重量%含む、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1017]
コーティングがセルロース系繊維を少なくとも10重量%含む、本発明1002のオーラル製品。
[本発明1018]
セルロース系繊維が非タバコセルロース系繊維である、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1019]
セルロース系繊維が、テンサイ繊維、ウッドパルプ繊維、綿繊維、ふすま繊維、柑橘パルプ繊維、草繊維、ヤナギ繊維、およびポプラ繊維である、本発明1018のオーラル製品。
[本発明1020]
ボディが、口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む、本発明1001のオーラル繊維。
[本発明1021]
コーティングが、口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む、本発明1002のオーラル製品。
[本発明1022]
ニコチン0.1mg〜6mgを含む、前記本発明のいずれかのオーラル製品。
[本発明1023]
ボディが95%未満の250N圧縮率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1024]
ボディが80%未満の250N圧縮率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1025]
ボディが45%〜90%の250N圧縮率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1026]
ボディが99%未満の425N圧縮率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1027]
ボディが60%〜98%の425N圧縮率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1028]
ボディが少なくとも20%の弾性率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1029]
ボディが少なくとも70%の弾性率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1030]
ボディが75%〜90%の弾性率を有する、本発明1001のオーラル製品。
[本発明1031]
分散したセルロース系繊維を中に有する口内で可溶性のポリマーを押出し成形する工程、および
該押出し成形工程の最中または後でニコチンまたはその誘導体を該口内で可溶性のポリマー内に分散させる工程
を含む、オーラル製品を形成する方法。
[本発明1032]
口内で可溶性のポリマーとセルロース系繊維との押出し成形された混合物を、成人消費者の口腔中に少なくとも部分的に受け入れられるようなサイズの個々のオーラル製品へと切断する工程をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1033]
押出し成形された混合物を長さ2cm〜10cmの細長いロッドへと切断する工程をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1034]
口内で可溶性のポリマーと、セルロース系繊維と、ニコチンまたはその誘導体とのスラリーを形成する工程、
該スラリーをスティックに塗布する工程、および
該スティックに塗布された該スラリーを乾燥させて、コーティングされたスティックを形成する工程
を含む、オーラル製品を形成する方法。
[本発明1035]
スティックが木の棒である、本発明1034の方法。
本明細書に記載される主題の一つまたは複数の態様の詳細は添付図面および以下の詳細な説明に述べられる。主題の他の特徴、局面および利点は、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
一対のオーラル製品の斜視図である。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 オーラル製品の例示的形状を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 ロッド、スティックまたはチューブ構造を有するオーラル製品を示す。 コーティングされたスティックを示す。
詳細な説明
本明細書に記載されるオーラル製品は、口内で可溶性のポリマーマトリックス、セルロース系繊維、および一つまたは複数の添加物を含む。一つまたは複数の添加物は、オーラル製品が口腔内に受け入れられ唾液に曝された際にオーラル製品から放出されるように、口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散していることができる。本明細書に記載されるオーラル製品は、好ましい添加物放出プロフィールおよび触感を提供することができる。
適した口内で可溶性のポリマーは、成人消費者の口の中に配置された際に可溶性であり、かつ非毒性である任意のポリマーを含む。本明細書において使用される語「口内で可溶性の」とは、ポリマーが、口腔内かつ正常な人体温(たとえば華氏約98.6度)で4時間の期間、唾液に曝されると、有意な分解を受けることをいう。いくつかの態様において、口内で可溶性のポリマーは、口腔内で崩壊し、正常な人体温で1時間未満、30分未満、10分未満、5分未満、または1分未満の期間、唾液に曝される。適したポリマーは、セルロース系(たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびメチルセルロース(MC))、天然ポリマー(たとえばデンプンおよび加工デンプン、コンニャク、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、および小麦グルテン)、海藻由来のポリマー(たとえばカラゲナン(カッパ、イオタ、およびラムダ)、アルギネート、およびプロピレングリコールアルギネート)、微生物由来のポリマー(たとえばキサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、およびゲラン)、抽出物(たとえばローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン(たとえば低メトキシおよびアミド化)、アガー、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、およびキトサン)、浸出物(たとえばアカシア(アラビア)ガムおよびシェラック)および合成ポリマー(たとえばポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコール)を含む。他の有用な口内で可溶性のポリマーが当技術分野において公知である。たとえば、Krochta et al. Food Technology, 1997, 51:61-74、Glicksman Food Hydrocolloids CRC 1982、Krochta Edible Coatings and Films to Improve Food Quality Technomic 1994、Industrial Gums Academic 1993、Nussinovitch Water-Soluble Polymer Applications in Foods Blackwell Science 2003を参照されたい。
一つまたは複数の添加物がオーラル製品に含まれ、オーラル製品が口腔中に配置された際にオーラル製品から放出されるように適合されている。いくつかの態様において、オーラル製品はニコチンを含む。オーラル製品は、特定のタバコ製品の香味プロフィールおよび触感を模倣するために、ニコチン、甘味料、および香味料の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、ニコチン含有オーラル製品は、タバコ植物組織を実質的に含まないことができる。本明細書において使用される語「タバコ植物組織」とは、タバコ属のメンバーの加工されたまたは未加工のセルロース質部分(たとえば葉、茎)をいい、タバコの抽出物(たとえばタバコ由来のニコチン)を含まない。たとえば、オーラル製品は、未加工のまたは加工されたタバコから抽出される一つまたは複数の感覚刺激性成分を含むことができるが、タバコ植物組織を実質的に含まない。
添加物、甘味料、および香味料に加えて、オーラル製品はまた、繊維、充填剤、可塑剤、および/または加工助剤を含むことができる。繊維は、オーラル製品が崩壊する前でさえ、添加物、甘味料、および/または香味料へのアクセスを提供するのに役立つことができる。繊維は、添加物、甘味料、および/または香味料が口内で可溶性のポリマーマトリックスから浸出するための通路を提供することができる。繊維・ポリマーマトリックスは、一つまたは複数の添加物を吸収し、一つまたは複数の添加物がオーラル製品から放出されるための経路を提供することができる。繊維・ポリマーマトリックスは多孔性であってよい。いくつかの態様において、繊維・ポリマーマトリックスは、40ミクロン〜60ミクロンの孔径を有する複数の細孔および1ミクロン〜10ミクロンの孔径を有する複数の細孔を有することができる。使用中、唾液が繊維・ポリマーマトリックス中に吸収されて、添加物、甘味料、および/または香味料を放出することができる。そして、吸収された唾液はポリマーマトリックスを内側からさらに崩壊させ、それにより、マトリックス中の添加物へのさらなるアクセスを提供することができる。そのうえ、繊維は、膨潤すると、マトリックスへの増大したアクセスをさらに提供することができる。また、オーラル製品の力学的作用(たとえば咀嚼)が、ポリマーマトリックスの崩壊と、添加物、甘味料、および/または香味料の放出とを促進することができる。
また、口内で可溶性のポリマーマトリックスに充填剤を含めて、オーラル製品のテキスチャおよび柔軟性を変化させることもできる。口内で可溶性のポリマーマトリックスはまた、オーラル製品の軟らかさを増すことができる可塑剤を含むことができる。また、加工助剤をオーラル製品中に含め、成形加工を容易にするために使用することもできる。
オーラル製品の形状およびパッケージング
図1はオーラル製品110の例を示す。オーラル製品110は円板形を有する。たとえば、オーラル製品110は約12mmの直径および約2.5mmの厚さを有することができる。
次に図2A〜2Nを参照すると、オーラル製品110は、任意の所望の形状に成形することができる。たとえば図2A〜2Lを参照すると、オーラル製品110A〜Lは、口腔内への改善された口内配置、改善されたパッケージング特性、またはその両方を促進する形状に形成することができる。いくつかの状況において、オーラル製品110A〜Lは、(A)楕円形オーラル製品110A;(B)細長い楕円形オーラル製品110B;(C)半円形オーラル製品110C;(D)正方形または長方形オーラル製品110D;(E)フットボール形オーラル製品110E;(F)細長い長方形オーラル製品110F;(G)ブーメラン形オーラル製品110G;(H)角を丸めた長方形オーラル製品110H;(I)涙またはコンマ形オーラル製品110I;(J)蝶ネクタイ形オーラル製品110J;(K)ピーナッツ形オーラル製品110K;および(L)盾形オーラル製品であるように構成することができる。代替として、オーラル製品は、斜めに切断された物品(たとえばくさび)が製造される(たとえば、図2Mに示す製品110Mを参照)、または半球形が製造されるように異なる厚さまたは寸法性を有することができる。いくつかの態様において、オーラル製品は盾形を有する。
香味料を、口内で可溶性のポリマーマトリックス内に含めることに加えて、またはそれに代えて、オーラル製品110の外部に含めることもできる。たとえば、たとえば図2Nを参照すると、オーラル製品110Nのいくつかの態様は、香味ストリップ116を備えることができる。
図2Oを参照すると、オーラル製品110の特定の態様は、デザイン(たとえばロゴ、画像など)をエンボス加工またはスタンプ加工され得る。たとえば、オーラル製品110Oは、商標、製品名、または任意のタイプの画像をはじめとする任意のタイプのデザイン117をエンボス加工またはスタンプ加工され得る。デザイン117は、オーラル製品中に直接、製品110Oの外部に沿って配設される状態で形成することができる。デザイン117はまた、塗布された溶解性フィルム116を有する態様の中にエンボス加工またはスタンプ加工することもできる。
いくつかの態様において、オーラル製品110または製品110A〜Oは、不透明、実質的に透明、または半透明であり得る可食性または溶解性フィルムでラッピングまたはコーティングすることができる。溶解性フィルムは、オーラル製品110が口腔中に配置された際に容易に放散することができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は、口の中で安定な材料でコーティングすることができる。例示的なコーティング材料は、蜜ろう、ゼラチン、アセチル化モノグリセリド、デンプン(たとえば天然ジャガイモデンプン、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化ジャガイモデンプン)、ゼイン、シェラック、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの組み合わせを含む。たとえば、コーティングは、ゼラチンとメチルセルロースとの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、コーティング材料は可塑剤を含むことができる。いくつかの場合、コーティングは、着色剤、香味料、および/または上記添加物の一つまたは複数を含むことができる。たとえば、コーティングは、初期ニコチンバーストをユーザに提供するためのニコチンを含むことができる。いくつかの場合、口の中で安定なポリマー120のマトリックスは、コーティングの接着を改善するための粗面を有することができる。いくつかの場合、コーティングは、光沢のあるまたはやや光沢のある外観、平滑面、および/または魅力的な美観(たとえばきれいな色)を提供することができる。いくつかの態様において、コーティング(たとえば蜜ろう、ゼイン、アセチル化モノグリセリド、および/またはヒドロキシプロピル化ジャガイモデンプンコーティング)は軟らかな口当たりを提供することができる。いくつかの態様において、コーティング(たとえばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、および/またはゼラチンコーティング)は、硬い外部コーティングを提供することができる。
一つまたは複数のオーラル製品110は、多様な従来的および非従来的やり方でパッケージングすることができる。たとえば、複数のオーラル製品110を、ふたを有する容器の中にパッケージングすることができる。他の態様においては、複数のオーラル製品110を積み重ね、紙、プラスチック、および/またはアルミ箔チューブの中にパッケージングすることができる。パッケージングは、子供には扱えないふたを有することができる。
オーラル製品110はまた、さらなる要素を含むことができる。いくつかの態様においては、ニコチンまたはその誘導体を含む口内で可溶性のポリマーマトリックスをロッド、チューブ、またはスティックに取り付けることができる。たとえば、図3A〜3Jは、口内で可溶性のポリマーマトリックス先端に取り付けられたチューブを示す。図3Aは、先端ピース310およびチューブピース320を有するオーラル製品の態様を示す。先端ピース310は、繊維および/または一つもしくは複数の添加物を中に有する口内で可溶性のポリマーマトリックスを含むことができる。先端ピース310は、口腔中に少なくとも部分的に受け入れられるためのサイズおよび形状を有することができる。チューブピース320は任意の従来のポリマーで作製することができる。使用中、チューブピース320は、先端ピース310のためのホルダとして機能し得る。チューブピース320および先端ピース310は、図3Bに示すようなスナップ嵌め取り付け機構330によって取り付けることができる。
チューブピース320は再使用可能であってよい。たとえば、複数の先端ピース310を一つのチューブピース320とパッケージングすることができ、ユーザは、最初の先端ピースを使用したのち、先端ピース310を交換することができる。他の態様において、チューブピース320は使い捨てであってよい。いくつかの態様において、チューブピース320はチューブ内に香味料を含むことができる。香味料は、空気がチューブ320を通って引き込まれる際に放出されるように適合することができる。たとえば、図3Cは、香味リボン322を含むチューブを示す。図3Dは、香味ストリップ324および複数の香味ビーズ326を含むチューブ320を示す。図3Eは、香味ビーズ326の圧縮塊328を含むチューブ320を示す。いくつかの態様において、チューブの内側は、チューブの中に引き込まれた空気の流れパターンを変化させるように適合された構造を有することができる。たとえば、図3Fは、チューブの中に引き込まれた空気の流れパターンを変化させるように適合された一連の段および狭窄340を有するチューブ320Fを示す。図3Fはまた、代替の接続機構330Fを示す。
図3Gは、リコーダー様形状を有する態様を示す。図示するように、先端ピース310Gが成形チューブピース320に接続されている。たとえば、リコーダー形の先端310Gは、セルロース系繊維、ニコチン、一つまたは複数の甘味料、および一つまたは複数の香味料を含む、口内で可溶性のポリマーマトリックスで構成することができる。図示するように、先端ピース310Gは、成人の口腔内に少なくとも部分的に受け入れられるようなサイズおよび形状を有する。
図3Hは、再使用可能なプラスチックパーツ312および口内で可溶性のポリマーマトリックスパーツ315を含むプラスチックのリコーダー形先端310Hを有する同様な形状のオーラル製品を示す。図3Iおよび3Jは、代替の形状の先端ピース310Iおよび310Jを有する態様を示す。図3Iは、テーパ状のチューブ320Iを有する態様を示す。図3Jは、チューブピース320Jの先端ではない末端に通気孔を有する態様を示す。
いくつかの態様において、それぞれが同じタイプの取り付け機構を有する異なるチューブおよびロッドおよび/または異なる先端のシステムまたはキットを一緒にパッケージングすることができる。図3A〜3Jに示す先端およびチューブまたはロッドの各組み合わせを有する態様が考えられる。
図4は、コーティングされたスティック130を示す。スティックは、2cm〜10cmの長さおよび0.5mm〜5mmの直径を有する木の棒であってよい。特定の態様においては、スティックの一端が、口内で可溶性のポリマー、セルロース系繊維、およびニコチンのマトリックスでコーティングされている。いくつかの態様においては、スティックの少なくとも50%がコーティングされている。他の態様においては、スティック全体がコーティングされている。
オーラル製品の性質
オーラル製品110は、好ましい触感(たとえば口当たり)を提供することができる。オーラル製品110はまた、加工、輸送、取り扱い、および場合によっては使用の間、その形状を保持することができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は、成人消費者が口の中で製品に作用を加えることを可能にする弾性を有することができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は、少なくともいくらかの形状記憶性を有し、したがって、口腔中、歯と歯の間で圧搾されたのち、形状が戻ることができる。口腔内でのオーラル製品110の受動が、口内で可溶性のポリマーマトリックス内の添加物、甘味料、および/または香味料の放出を加速することができる。
使用中、オーラル製品110は、唾液をポリマー・繊維マトリックスの中に吸収することができる。唾液は、ポリマー・繊維マトリックスを膨潤させることができ、それがさらに、ポリマー・繊維マトリックスの様々な部分へのアクセスを高めることができる。製品が口の中で作用を受ける際に、唾液はポリマー・繊維マトリックスの様々な部分にアクセスすることができる。オーラル製品110は、瞬時に著しい永久的な塑性変形を生じさせることなく、口の中で作用を受けることができる。製品が作用を受け、崩壊し始めると、製品はより柔軟になり、さらなる添加物が口腔中に放出可能になり得る。製品が使用される際に、製品は、はじめに重さおよび体積を増すことができ、その後崩壊する。
オーラル製品の性質を特徴づける一つの方法は、製品の圧縮率および弾性率を計測することによる方法である。圧縮率は、サンプルを特定の力の標準化プローブで圧縮したときのサンプルの厚さの減少の割合として計算することができる。本明細書において使用される語「250N圧縮試験」とは、サンプルを平坦な静止面上に配置し、直径10mmの球形先端を有するプローブを用いて250Nの力で二回、間に30秒の保持時間をとりながら圧縮するサンプルの試験をいう。「250N圧縮率」とは、250N圧縮試験中のサンプルの厚さの最大減少量である。たとえば、厚さ3mmのサンプルが二回の圧縮のいずれかの間で1.5mmの最小厚さまで圧縮されるならば、そのサンプルは50%の250N圧縮率を有するとされる。本明細書において使用される語「425N圧縮試験」とは、サンプルを平坦な静止面上に配置し、直径10mmの球形先端を有するプローブを用いて425Nの力で二回、間に30秒の保持時間をとりながら圧縮するサンプルの試験をいう。比較として、通常の人の噛む力は一般に400〜500Nである。
いくつかの態様において、オーラル製品110は95%未満の250N圧縮率を有する。特定の態様において、オーラル製品110は、90%未満、85%未満、または80%未満の250N圧縮率を有する。特定の態様において、オーラル製品110は、少なくとも10%、少なくとも25%、または少なくとも40%の250N圧縮率を有する。たとえば、オーラル製品は45%〜80%の250N圧縮率を有することができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は99%未満の425N圧縮率を有する。特定の態様において、オーラル製品110は、98%未満、97%未満、または96%未満の425N圧縮率を有する。特定の態様において、オーラル製品110は、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、または少なくとも60%の425N圧縮率を有する。たとえば、オーラル製品は65%〜98%の425N圧縮率を有することができる。
サンプルの弾性率は、サンプルが圧縮された後の復元率を計測することによって計測することができる。本明細書において使用される語「弾性率」とは、直径10mmの球形先端を有するプローブを使用する425N圧縮試験によって圧縮されたのち、30秒の復元時間中のサンプルの厚さ復元の割合をいう。たとえば、サンプルが、元々の厚さ3.0mmから厚さ2.0mmまで圧縮されたのち、30秒で2.5mmまで復元するならば、そのサンプルの弾性率は50%となる。いくつかの態様において、オーラル製品110は少なくとも20%の弾性率を有する。特定の態様において、オーラル製品110は、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%の弾性率を有する。特定の態様において、弾性率は、95%未満、90%未満、または87%未満である。たとえば、オーラル製品は75%〜90%の弾性率を有することができる。
オーラル製品110に使用される具体的な材料および以下に述べる加工技術がオーラル製品の圧縮率および弾性率に影響することができる。異なる材料が異なる圧縮性および弾力性を有することに加えて、気泡もしくは通路または様々な充填剤および/または繊維の配合もまた、オーラル製品の弾性および柔軟性に影響し得る。加えて、添加物が放出されるにつれ、オーラル製品110全体の材料特性が変化することができる。いくつかの態様においては、使用中、繊維および/または充填剤が溶解または崩壊し、それにより、使用中、オーラル製品110の材料特性を変化させることができる。
オーラル製品110は多様な色を有することができる。いくつかの態様において、オーラル製品110はオフホワイト色を有する。他の態様においては、成形工程の前または最中に天然および合成の着色剤を口内で可溶性のポリマーに加えて、所定の色を有するオーラル製品110を形成することもできる。カプセル封入された香味料を押出し成形工程中に加えると、オーラル製品内に斑、模様、または点を作り出すことができる。
ポリマー
口内で可溶性のポリマーは、多様な異なる生体適合性および溶解性ポリマーであってよい。いくつかの態様において、口内で可溶性のポリマーは、一般に安全と認められるポリマーである。適したポリマーは、セルロース系(たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびメチルセルロース(MC))、天然ポリマー(たとえばデンプンおよび加工デンプン、コンニャク、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、および小麦グルテン)、海藻由来のポリマー(たとえばカラゲナン(カッパ、イオタ、およびラムダ)、アルギネートおよびプロピレングリコールアルギネート)、微生物由来のポリマー(たとえばキサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、およびゲラン)、抽出物(たとえばローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン(たとえば低メトキシおよびアミド化)、アガー、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、およびキトサン)、浸出物(たとえばアカシア(アラビア)ガムおよびシェラック)および合成ポリマー(たとえばポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコール)を含む。他の有用な口内で可溶性のポリマーが当技術分野において公知である。たとえば、Krochta et al. Food Technology, 1997, 51:61-74、Glicksman Food Hydrocolloids CRC 1982、Krochta Edible Coatings and Films to Improve Food Quality Technomic 1994、Industrial Gums Academic 1993、Nussinovitch Water-Soluble Polymer Applications in Foods Blackwell Science 2003を参照されたい。
口内で可溶性のポリマーは、オーラル製品110の口内で可溶性のポリマーマトリックスを形成する。いくつかの態様において、オーラル製品は、一つまたは複数の口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む。特定の態様において、オーラル製品は、一つまたは複数の口内で可溶性のポリマーを、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%含む。特定の態様において、オーラル製品は一つまたは複数の口内で可溶性のポリマーを10〜90重量%含む。いくつかの態様にしたがって、オーラル製品は口内で可溶性のポリマーを40〜80重量%含む。オーラル製品のいくつかの態様はポリマーを55〜70重量%有する。
特定の態様による口内で可溶性のポリマーは、ASTM試験法D790またはISO178にしたがって23℃で試験された場合、少なくとも5MPaの曲げ弾性率を有する。いくつかの態様において、曲げ弾性率は少なくとも10MPaである。たとえば、曲げ弾性率は10MPa〜30MPaであってよい。いくつかの態様において、口内で可溶性のポリマーは、50デュロメータ以下のショアー硬さ、200℃/10kgで3g/10分のメルトフローインデックス、10MPa以上の引張り強さ(ISO37を使用)および100%未満の極限伸び(ISO37を使用)を有することができる。
添加物
多様な添加物をオーラル製品110に含めることができる。添加物は、アルカロイド類(たとえばニコチンまたはカフェイン)、ミネラル、ビタミン、補助食品、栄養補助食品、精力剤、無痛化剤、着色剤、アミノ酸、ケメステティック剤、抗酸化剤、食品用乳化剤、pH調整剤、植物性薬剤(たとえば緑茶)、歯ホワイトニング剤(たとえばSHRIMP)、治療剤、甘味料、香味料、およびそれらの組み合わせを含むことができる。特定の態様において、添加物はニコチン、甘味料、および香味料を含む。ニコチン、甘味料、および香味料の特定の組み合わせにより、オーラル製品は、特定のタバコ製品に類似した香味プロフィールおよび触感を提供し得る。
ニコチン
オーラル製品内のニコチンは、タバコ由来のニコチン、合成ニコチン、またはそれらの組み合わせであってよい。特定の態様において、オーラル製品はニコチン0.1mg〜6.0mgを含む。これらの態様のいくつかにおいて、オーラル製品はニコチン1.0mg〜3.0mgを含む。
タバコ由来のニコチンは、ニコチン以外の一つまたは複数の他のタバコ感覚刺激性成分を含む。タバコ由来のニコチンは、生のタバコ(たとえば緑色の葉)および/または加工されたタバコから抽出することができる。加工されたタバコは、発酵および非発酵タバコ、暗色気干葉、暗色火干葉、バーレー種、鉄管乾燥種、および葉巻のフィラーまたはラッパー、ならびに全摘葉処理からの製品を含むことができる。タバコはまた、米国特許出願公開公報第2004/0118422号または第2005/0178398号に記載されているように、加熱、発酵、および/または低温殺菌工程によってコンディショニングすることができる。発酵は一般に、高い初期水分含量、発熱、および10〜20%の乾燥重量損失を特徴とする。たとえば、米国特許第4,528,993号、第4,660,577号、第4,848,373号、および第5,372,149号を参照されたい。ニコチンおよび他の感覚刺激性成分を抽出する前にタバコを加工することにより、タバコ由来のニコチンは、好ましい体感を提供する成分を含み得る。
タバコ由来のニコチンは、乾燥および発酵タバコを水または別の溶剤(たとえばエタノール)と混合したのち、不溶性タバコ物質を除去することによって得ることができる。タバコ抽出物をさらに濃縮または精製してもよい。いくつかの態様において、選択したタバコ成分を除去することができる。ニコチンはまた、米国特許第2,162,738号、第3,139,436号、第3,396,735号、第4,153,063号、第4,448,208号、および第5,487,792号に記載されている方法でタバコから抽出することもできる。
ニコチンはまた、タバコ由来であろうと合成であろうと、販売元から購入することもできる。他の態様において、オーラル製品はニコチンの誘導体(たとえばニコチンの塩)を含むことができる。
抗酸化剤
オーラル製品110はまた、一つまたは複数の抗酸化剤を含むことができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は、ニコチンと抗酸化剤との組み合わせを含むことができる。抗酸化剤は、抗酸化剤を含まないオーラル製品に比べた場合、ニコチンからニコチンN-オキシドへの転換を有意に減らすことができる。いくつかの場合、オーラル製品は、抗酸化剤0.01〜5.00重量%、抗酸化剤0.05〜1.0重量%、抗酸化剤0.10〜0.75重量%、または抗酸化剤0.15〜0.5重量%を含むことができる。抗酸化剤の適した例は、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCエステル)、BHT、アスコルビン酸(ビタミンC)、およびアスコルビン酸ナトリウム(ビタミンC塩)を含む。いくつかの態様において、クエン酸モノステロール、トコフェロール類、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンE、またはそれらの誘導体を、抗酸化剤として使用することができる。たとえば、パルミチン酸アスコルビルが、表Iに一覧する調合における抗酸化剤であってよい。抗酸化剤は、ポリマーの押出し成形工程中または押出し成形工程後(たとえば押出し成形後の香味付け工程中)に、ポリマー(たとえばポリウレタン)に配合することができる。
いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で2週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.50%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で2週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.20%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で4週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.70%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で4週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.30%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.80%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.40%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.30%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で8週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.85%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で8週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.50%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で10週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.85%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で10週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.55%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で12週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.95%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を25℃および相対湿度65%で12週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.60%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で2週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.0%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で2週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.5%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で4週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.4%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で4週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.8%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.6%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.2%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で6週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの0.9%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で8週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.7%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で8週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.4%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で8週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.1%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で10週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.8%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で10週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.3%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で10週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.2%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で12週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.8%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で12週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.7%未満の転換率を有することができる。いくつかの場合、オーラル製品110は、オーラル製品110を40℃および相対湿度75%で12週間ねかせたのち、ニコチンからニコチンN-オキシドへの1.5%未満の転換率を有することができる。抗酸化剤の存在はまた、他のタバコ由来の不純物、たとえばコチニンおよびミオスミンの形成を減らし得る。
甘味料
多様な合成および/または天然甘味料を、添加物としてオーラル製品110に使用することができる。適した天然甘味料は、糖、たとえば単糖類、二糖類、および/または、多糖類および/または二つ以上の糖の混合物を含む。いくつかの態様にしたがって、オーラル製品110は、以下の一つまたは複数を含む:スクロースもしくはテーブルシュガー;ハチミツもしくはスクロースを含まない低分子量糖の混合物;グルコースもしくはブドウ糖もしくはトウモロコシ糖もしくはデキストロース;糖蜜;トウモロコシ甘味料;コーンシロップもしくはグルコースシロップ;フルクトースもしくは果糖;ラクトースもしくは乳糖;マルトースもしくは麦芽糖もしくはマルトビオース;モロコシシロップ;マンニトールもしくはマンナ糖;ソルビトールもしくはD-ソルビットもしくはD-ソビトール;果汁濃縮物;および/またはこれらの成分の一つもしくは複数の混合物もしくはブレンド。オーラル製品110はまた、非栄養性甘味料を含んでもよい。適した非栄養性甘味料は、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、またはアセスルファムカリウムを含む。
香味料
オーラル製品110は、場合によっては、一つまたは複数の香味料を含むことができる。香味料は天然または人工であってよい。たとえば、適した香味料は、ウィンターグリーン、チェリーおよびベリータイプ香味料、様々なリキュールおよび酒類(たとえばドランブイ、バーボン、スコッチおよびウイスキー)、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、和種ハッカ、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、リカリッシュ、およびハッカ属の種のハッカ油、ならびにカプセル封入された香味を含む。オーラル製品110の特定の態様において有用なハッカ油は、スペアミントおよびペパーミントを含む。合成香味料を使用することもできる。特定の態様においては、香味料の組み合わせを組み合わせてタバコ香味を模倣することができる。香味料の特定の組み合わせは、特定の国、たとえば米国において一般に安全と認められる(「GRAS」)香味料から選択することができる。香味料はまた、カプセル封入された香味料としてオーラル製品に含めることもできる。
いくつかの態様において、オーラル製品110中の香味料は合計で20重量%未満に制限される。いくつかの態様において、オーラル製品110中の香味料は合計で10重量%未満に制限される。たとえば、特定の香味料は約1重量%〜5重量%の量でオーラル製品110に含めることができる。
他の添加物
オーラル製品110は、場合によっては、他の添加物を含んでもよい。たとえば、これらの添加物は、非ニコチンアルカロイド類(たとえばカフェイン)、食物性ミネラル、ビタミン、補助食品、治療剤、および充填剤を含むことができる。
特定の態様にしたがって、オーラル製品110はカフェインを含む。カフェイン含有オーラル製品は、合成カフェインおよび/またはコーヒー豆抽出カフェインを含むことができる。いくつかの態様において、カフェイン含有オーラル製品はコーヒー香味および甘味料を含む。いくつかの態様にしたがって、オーラル製品はカフェイン10〜200mgを含むことができる。オーラル製品110はまた、ビタミン、食物性ミネラル、他の補助食品、および/または治療剤を含むことができる。たとえば、適したビタミンは、ビタミンA、B1、B2、B6、C、D2、D3、E、F、K、およびPを含む。たとえば、オーラル製品110は、ニコチンまたはカフェインと共にまたは伴わずに、Cビタミンを含むことができる。適した食物性ミネラルは、カルシウム(炭酸塩、クエン酸塩などとして)またはマグネシウム(酸化物などとして)、クロム(通常はピコリン酸塩として)および鉄(ビスグリシン酸塩として)を含む。一つまたは複数の食物性ミネラルを、他の添加物の使用の有無を問わず、オーラル製品に含めることができる。また、他の補助食品および/または治療剤を添加物として含めることができる。
オーラル製品110はまた、充填剤、たとえばデンプン、二リン酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、マンニトールおよび微結晶セルロース、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、粘土、シリカ、ガラス粒子、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクおよびステアリン酸塩(たとえばMgまたはK)およびろう(たとえばモノステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸プロピレングリコールおよびアセチル化モノグリセリド類)、安定剤(たとえばアスコルビン酸およびクエン酸モノステロール、BHTまたはBHA)、崩壊剤(たとえばデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、架橋PVP)、pH安定剤または防腐剤を含むことができる。いくつかの態様において、オーラル製品110中の充填剤の量は合計で10重量%未満に制限される。いくつかの態様において、オーラル製品110中の充填剤の量は合計で5重量%未満に制限される。いくつかの態様において、充填剤は口の中で安定である。他の態様において、充填剤は、使用中に溶解または崩壊することができ、それにより、使用中により柔軟性になるオーラル製品を生じさせることができる。
繊維
オーラル製品は、口内で可溶性のポリマーマトリックス内に繊維を含むことができる。繊維は、押出し成形工程の前または最中に、口内で可溶性のポリマーと混合することができる。繊維は、オーラル製品が口腔中に受け入れられ、唾液に曝された際に、口内で可溶性のポリマーマトリックス内の特定の添加物が口腔中に放出されることを可能にする通路を口内で可溶性のポリマーマトリックス中に提供する。添加物は、繊維・ポリマーマトリックス中に吸収されることができる、および/または繊維を介してアクセス可能なポケットを口内で可溶性のポリマーマトリックス内に形成することができる。オーラル製品110はまた、繊維に隣接して形成された通路を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、水溶性添加物が繊維によって吸い上げられ得るように親水性である。いくつかの態様において、繊維は溶解して通路を残すことができる。
繊維はセルロース系繊維であってよい。セルロース系繊維は植物組織由来であってよい。セルロース系繊維の適した供給源は、ウッドパルプ、綿、テンサイ、ふすま、柑橘パルプ繊維、スイッチグラスおよび他の草、ヤナギ属(ヤナギ)、茶、およびポプラ属(ポプラ)を含む。いくつかの態様において、セルロース系繊維は、様々な天然の香味、甘味料、または有効成分を含む植物組織であってよい。いくつかの態様において、オーラル製品110は、添加物としてのニコチン(場合によっては、さらなる甘味料および香味とともに)および非タバコセルロース系繊維を含むことができ、したがって、タバコ植物組織を実質的に含まないことが可能である。
いくつかの代替態様において、セルロース系繊維はタバコ植物組織由来であってよい。たとえば、オーラル製品は、吸尽処理された(exhausted)タバコ繊維を口内で可溶性のポリマーマトリックス内に含むことができる。本明細書において使用される「吸尽処理されたタバコ植物組織」とは、タバコのニコチンの少なくとも10%を除去するように処理されたタバコ植物組織である。いくつかの態様において、吸尽処理されたタバコ植物組織は、ニコチンの少なくとも25%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%を除去するように処理することができる。たとえば、タバコ植物組織を水または別の溶剤で洗浄してニコチンを除去することができる。
セルロース系繊維は多様な寸法を有することができる。繊維の寸法(量に加えて)は、添加物の放出特性に影響し得る。たとえば、セルロース系繊維は親水性であってよく、したがって、水溶性添加物(たとえばニコチン)は、繊維・ポリマーマトリックス中に優先的に吸収され得る。特定の態様において、セルロース系繊維は、200マイクロメートル未満の平均繊維サイズを有するように処理することができる。特定の態様において、繊維は75〜125マイクロメートルである。他の態様において、繊維は、75マイクロメートル以下のサイズを有するように処理される。例示的な平均サイズは、1〜1000.mu.mの範囲、たとえば約800、500、250、100、80、75、50、25、20、15、10、8、6、5、3、2、もしくは1マイクロメートルまたはそれ未満である。
オーラル製品110はまた、可溶性繊維を含むことができる。可溶性繊維は、オーラル製品110が口腔中に受け入れられて唾液に曝された際に、口内で可溶性のポリマーマトリックスよりも速く溶解するように適合されることができる。いくつかの態様において、可溶性繊維はマルトデキストリンを含むことができる。マルトデキストリンはトウモロコシ由来であってよい。たとえば、可溶性食物繊維をオーラル製品110に含めることができる。可溶性繊維は、添加物がオーラル製品110から放出されるための通路を提供するために、単独で使用することもでき、またはセルロース系繊維とともに使用することもできる。可溶性繊維が溶解するにつれ、オーラル製品110はより可撓性になり得、さらなる通路が開通してさらなる添加物貯留分の放出を可能にし得る。適した可溶性繊維はオオバコ繊維を含む。他の態様において、繊維は部分的に可溶性であってよい。たとえば、テンサイ繊維は使用中に部分的に溶解することができる。
いくつかの態様において、オーラル製品110は、可溶性繊維と不溶性繊維との組み合わせを含むことができる。可溶性繊維と不溶性繊維との比が、オーラル製品110のテキスチャの軟らかさに影響し得る。可溶性繊維と不溶性繊維との比はまた、オーラル製品110の圧縮率にも影響し得る。いくつかの態様において、可溶性繊維と不溶性繊維との比は1:60〜60:1である。いくつかの態様において、可溶性繊維と不溶性繊維との比は、1:50よりも大きい、1:40よりも大きい、1:30よりも大きい、1:20よりも大きい、1:10よりも大きい、または1:5よりも大きい。いくつかの態様において、可溶性繊維と不溶性繊維との比は、1:1未満、1:2未満、1:5未満、1:10未満、1:20未満、または1:30未満である。いくつかの場合において、可溶性繊維と不溶性繊維との混合物を有するオーラル製品は、60%〜98%、65%〜95%、70%〜90%、または80%〜89%の250N圧縮率を有することができる。
可溶性繊維を含めることにより、オーラル製品の圧縮率を高めることができ、それはまた、成人タバコ消費者によって、より軟らかな口当たりとして感じられることができる。可溶性および不溶性の吸尽処理されたタバコ繊維は、事前に混合し、一つのフィーダを介して工程に加えることができる。別々の繊維フィーダを使用して所望の比を作り出すこともできる。いくつかの場合、可溶性繊維約1〜3%および不溶性繊維約25〜35%の包含が70%〜90%の250N圧縮率を生じさせることができる。
可塑剤
オーラル製品110はまた、一つまたは複数の可塑剤を含むことができる。可塑剤は、最終的なオーラル製品を軟化させ、ひいてはその可撓性を高めることができる。可塑剤は、ポリマー鎖の間に自らを埋め込み、ポリマー鎖を離間させ(「自由体積」を増し)、ひいてはプラスチックのガラス転移温度を有意に下げ、プラスチックをより軟らかにすることによって作用する。適した可塑剤は、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、および中鎖トリグリセリド類を含む。いくつかの態様において、可塑剤はフタレートを含むことができる。ポリカルボン酸と中鎖長の直鎖状または分岐鎖状脂肪族アルコール類とのエステルを、可塑剤として使用することもできる。そのうえ、可塑剤は、以下に記載する押出し成形工程を容易にすることができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は可塑剤を20重量%まで含むことができる。いくつかの態様において、オーラル製品110は可塑剤を0.5〜10重量%含み、オーラル製品110は可塑剤を1〜8重量%または2〜4重量%含むことができる。たとえば、ポリウレタンポリマーマトリックスを含むオーラル製品はプロピレングリコールを約3〜6.5重量%含む。
成形法
オーラル製品110は、口内で可溶性のポリマー(たとえばデンプン)を、繊維(たとえばセルロース系繊維)および/または添加物(たとえばニコチン)とともに押出し成形して、繊維および/または添加物を含む口内で可溶性のポリマーマトリックスのロッドを形成することによって製造することができる。このロッドを個々のオーラル製品110へと切断する。
押出し成形に加えて、オーラル製品を製造し、成形する方法が数多くある。いくつかの態様において、押出し成形し、切断したピースを圧縮型に入れて、最終的なオーラル製品造形物を形成することができる。他の態様において、オーラル製品110は、射出成形、圧縮成形、または射出圧縮成形することができる。また、ポリマー、繊維、および/または添加物のブロックを形成し、所望の形状に機械加工することもできる。
図4に示すようなコーティングされたスティック状オーラル製品は、口内で可溶性のポリマー、セルロース系繊維、ニコチン、および一つまたは複数のさらなる添加物のスラリーを形成し、スラリーをスティックに塗布し、コーティングを乾燥させることによって製造することができる。スラリーは、材料を一つまたは複数の溶剤(たとえば水、エタノール)とともに混合することによって作ることができる。スラリーは、手作業で、または機械によって、スティックをスラリーに浸漬することによって、スティックに塗布することができる。浸漬処理は、複数回の浸漬を、間に部分的乾燥工程をはさみながら含むことができる。一つまたは複数の層を塗布して、厚さ0.1mm〜2mmのコーティングをスティック上に得ることができる。そして、コーティングされたスティックを硬化チャンバ中で乾燥させて所望の乾燥の度合いを得ることができる。複数のコーティングされたスティックを長方形のパッケージ中に一緒にパッケージングすることができる。
他の態様
本明細書においていくつかの異なる局面に関連して本発明を説明したが、様々な局面の前記説明は、本発明を例示するものであり、特許請求の範囲によって定義される発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。他の局面、利点、および変形は、以下の特許請求項の範囲内である。
開示されるものは、開示された方法および組成物のために使用することができる、開示された方法および組成物とともに使用することができる、開示された方法および組成物の調製において使用することができる、または開示された方法および組成物の産物である、方法および組成物である。これらおよび他の物質が本明細書に開示され、これらの方法および組成物の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示されるということが理解されよう。すなわち、これらの組成物および方法の各様々な個々のおよび集合的な組み合わせおよび置換への具体的言及が明示的に開示されていないとしても、それぞれは本明細書において具体的に考慮され、記載されている。たとえば、特定の物質組成または特定の方法が開示され、記載され、多数の組成物または方法が述べられているならば、別段指示されない限り、それらの組成物および方法の各組み合わせおよび置換が具体的に考慮されている。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせが同じく具体的に考慮され、開示されている。

Claims (35)

  1. 口腔中に全体的に受け入れ可能であるボディを含むオーラル製品であって、該ボディが、
    口内で可溶性のポリマーマトリックス、
    該口内で可溶性のポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、および
    該ボディが該口腔内に少なくとも部分的に受け入れられ唾液に曝された際に該ボディから放出されるように該口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した、ニコチンまたはその誘導体
    を含む、オーラル製品。
  2. スティック、および
    該スティック上のコーティング
    を含むオーラル製品であって、該コーティングが、
    口内で可溶性のポリマーマトリックス、
    該口内で可溶性のポリマーマトリックスに埋め込まれたセルロース系繊維、および
    該コーティングが該口腔内に少なくとも部分的に受け入れられ唾液に曝された際に該コーティングから放出されるように該口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した、ニコチンまたはその誘導体
    を含む、オーラル製品。
  3. 口内で可溶性のポリマーマトリックスがデンプンを含む、請求項1または2記載のオーラル製品。
  4. 口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した可塑剤をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  5. 可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、トリグリセリド類、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4記載のオーラル製品。
  6. 口内で可溶性のポリマーマトリックス中に分散した甘味料をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  7. 甘味料が、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項6記載のオーラル製品。
  8. ニコチンがタバコ由来のニコチンである、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  9. ニコチンが合成ニコチンである、請求項1〜7のいずれか一項記載のオーラル製品。
  10. タバコ植物組織を実質的に含まない、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  11. ミネラル、ビタミン、補助食品、栄養補助食品、精力剤、無痛化剤、アミノ酸、ケメステティック剤(chemsthetic agent)、抗酸化剤、植物性薬剤(botanicals)、歯ホワイトニング剤、治療剤、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含むオーラル製品であって、
    ボディが成人消費者の口の中に保持された際に該添加物が放出されるように、該ボディまたはセルロース系繊維中に該添加物が分散している、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  12. 成人消費者の口の中に配置された際に放出されるように口内で可溶性のポリマーマトリックスまたはセルロース系繊維中に分散した、香味料
    をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  13. 香味料が、甘草、ウィンターグリーン、チェリーおよびベリータイプ香味料、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolens)、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、和種ハッカ、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属の種由来のハッカ油、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12記載のオーラル製品。
  14. ボディが盾形である、請求項1および3〜13のいずれか一項記載のオーラル製品。
  15. ボディが5mm〜25mmの直径および1mm〜10mmの厚さを有する、請求項14記載のオーラル製品。
  16. 口内で可溶性のポリマーマトリックスがセルロース系繊維を少なくとも10重量%含む、請求項1記載のオーラル製品。
  17. コーティングがセルロース系繊維を少なくとも10重量%含む、請求項2記載のオーラル製品。
  18. セルロース系繊維が非タバコセルロース系繊維である、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  19. セルロース系繊維が、テンサイ繊維、ウッドパルプ繊維、綿繊維、ふすま繊維、柑橘パルプ繊維、草繊維、ヤナギ繊維、およびポプラ繊維である、請求項18記載のオーラル製品。
  20. ボディが、口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む、請求項1記載のオーラル繊維。
  21. コーティングが、口内で可溶性のポリマーを少なくとも10重量%含む、請求項2記載のオーラル製品。
  22. ニコチン0.1mg〜6mgを含む、前記請求項のいずれか一項記載のオーラル製品。
  23. ボディが95%未満の250N圧縮率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  24. ボディが80%未満の250N圧縮率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  25. ボディが45%〜90%の250N圧縮率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  26. ボディが99%未満の425N圧縮率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  27. ボディが60%〜98%の425N圧縮率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  28. ボディが少なくとも20%の弾性率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  29. ボディが少なくとも70%の弾性率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  30. ボディが75%〜90%の弾性率を有する、請求項1記載のオーラル製品。
  31. 分散したセルロース系繊維を中に有する口内で可溶性のポリマーを押出し成形する工程、および
    該押出し成形工程の最中または後でニコチンまたはその誘導体を該口内で可溶性のポリマー内に分散させる工程
    を含む、オーラル製品を形成する方法。
  32. 口内で可溶性のポリマーとセルロース系繊維との押出し成形された混合物を、成人消費者の口腔中に少なくとも部分的に受け入れられるようなサイズの個々のオーラル製品へと切断する工程をさらに含む、請求項31記載の方法。
  33. 押出し成形された混合物を長さ2cm〜10cmの細長いロッドへと切断する工程をさらに含む、請求項31記載の方法。
  34. 口内で可溶性のポリマーと、セルロース系繊維と、ニコチンまたはその誘導体とのスラリーを形成する工程、
    該スラリーをスティックに塗布する工程、および
    該スティックに塗布された該スラリーを乾燥させて、コーティングされたスティックを形成する工程
    を含む、オーラル製品を形成する方法。
  35. スティックが木の棒である、請求項34記載の方法。
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