JP2018087345A - セルロースエーテルのエステルの製造方法 - Google Patents

セルロースエーテルのエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反応生成混合物からの沈殿を防ぐセルロースエーテルのエステルの製造方法の提供。
【解決手段】反応生成混合物からヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを沈殿させる方法であって、前記反応生成混合物は、(c)脂肪族カルボン酸及び(d)エステル化触媒の存在下で、(a)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、(b)無水酢酸及び無水コハク酸と反応させて得られ、前記反応生成混合物は、3〜60質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、20〜90質量%の脂肪族カルボン酸、5〜50質量%のエステル化触媒、及び0.1〜30質量%の微量成分を含み、前記方法は、反応生成混合物を水に接触させ、水と反応生成混合物との組合せを、少なくとも800s-1のせん断速度に供する工程を含む方法。
【選択図】図7A

Description

本発明は、改良された反応生成混合物からセルロースエーテルのエステルを回収する方法に関する。
セルロースエーテルのエステルと、セルロースエーテルのエステルの用途、及び製造方法とは、当該分野において一般的に知られている。セルロースエーテルのエステルの製造方法の1つは、米国特許第3,435,027号に記載されている。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(HPMCA)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)は、製薬の剤形に有用である。HPMCASは、腸溶性のポリマーとして、製薬の剤形に有用である。腸溶性のポリマーは、胃の酸性環境において、未変性のまま残っているものである。そのようなポリマーでコートされた剤形は、酸性環境化における不活性化、又は分解から薬を保護し、又は薬による胃に対する刺激を防ぐ。
HPMCAS、HPMCA、又はHPMCPのような、セルロースエーテルのエステルの従来の製造方法において、生成物の沈殿を起こさせるため、並びに、不純物を希釈及び除去するために、反応生成混合物に冷水が注がれる。しかしながら、この方法を適用すると、非常に広い範囲で粒子間の凝集が生じるため、微粉、又は細粒の形で、HPMCAS、及びHPMCAは得られない。粒子間の凝集で、粒子間への水の侵入が妨げられることで、酢酸、酢酸ナトリウム、コハク酸、フタル酸、未反応のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びその他のような不純物を、効果的に除去することが困難になる。さらに、粒状製品を得るには、製品の付加的なミル又は粉砕が必要である。
米国特許第4,226,981号では、エステル化触媒として酢酸ナトリウムのようなアルカリカルボン酸と、反応触媒として酢酸との存在下で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、無水コハク酸、及び無水酢酸とエステル化することによって、HPMCASのようなセルロースエーテルのエステルの混合物を製造する方法が開示されている。エステル化反応が完了した後、大量の水、具体的には10倍の体積の水が、反応生成混合物に加えられることで、反応生成物が沈殿する。沈殿した生成物が、不純物を除去するための水による完全な洗浄に供され、乾燥されれば、粉状又は粒状の混合エステルが製造される。
国際特許出願WO2005/115330号では、HPMCAS、及びHPMCAのポリマーが、代替品相当の特定の組合せと共に開示されている。HPMCAS、及びHPMCAのポリマーは、疎水性の薬である固形の非結晶性分散体を成形するのに役立つ。それらポリマーは、ある使用環境において、分散体中に多量の薬を含ませることを可能にし、さらに、保管に際し同質性を保ち、一方で、溶解された薬の濃度を高める。HPMCAS、及びHPMCAは、米国特許第4,226,981号に開示されるように、類似の方法で製造される。一度反応が完了すると、大量の水が反応生成混合物に加えられ、HPMCAS、又はHPMCAが沈殿する。1つの実施例として、10gのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、1.2gの無水コハク酸、及び41.4gの無水酢酸と、100mLの氷酢酸中で、10.1gの酢酸ナトリウムの存在下で反応され、HPMCASを含むその反応生成混合物は、700mLの水を用いてクエンチされ、HPMCASが沈殿する。他の実施例では、5gのHPMCが、1.53gの無水酢酸と、50mL(51.3g)の氷酢酸中で、5.07gの酢酸ナトリウムの存在下で反応され、HPMCAを含むその反応生成混合物は、塩化ナトリウムで飽和された800mLの水を用いてクエンチされ、HPMCAが沈殿する。その沈殿した生成物は、水を用いて洗浄することにより、不純物が除去される。
欧州特許出願EP0219426号では、HPMCP、又はHPMCASの製造方法が開示され、その方法の1つでは、100質量部のHPMC、80質量部の酢酸ナトリウム、及び300質量部の酢酸がそれぞれ、120質量部の無水フタル酸、又は、25質量部の無水コハク酸、及び38質量部の無水酢酸の組合せと反応される。その後、1200質量部の水が、その反応生成混合物に加えられ、その混合物中で形成される沈殿物が、ろ過により集められ、酸性を呈さなくなるまで水を用いて繰り返し洗浄される。あいにく、HPMCAS、HPMCA、及びHPMCPのような、セルロースエーテルのエステルは、酢酸のような脂肪族カルボン酸、及び酢酸ナトリウムのようなカルボン酸アルカリ金属塩の存在下で、高い粘性を示す傾向がある。反応生成混合物からHPMCAS、HPMCA、及びHPMCPを沈殿させるため、多量の水を使用することさえ、それらのポリマーにおける粘性の問題を、必ずしも解決するものでない。しばしば生成される、HPMCAS、HPMCA、又はHPMCPの塊、又は固い固形物は、その後の洗浄、及び乾燥工程の間において扱いづらい。乾燥工程後、しばしば得られる、ポリマーの粗大な固形生成物は、やや硬く、凝集しており、塊として存在している。最終生産品である粉砕物として得るには非常に困難である。
米国特許出願公開US2004/0152886号では、粒子間に存在するフタル酸、及び酢酸のような不純物が、水と接触でき、除去されるように、HPMCP粒子の凝集を防ぐことの必要性を言及している。US2004/0152886号では、後処理工程として流動化溶媒の付加し、それを、スプレーノズルを通して水の中に噴霧することによって、反応生成混合物の流動性を増加させることを提言している。あいにく、この浄化方法は、スプレーノズルが要求され、確実な噴霧を可能にするために高圧力のポンプが必要とされるため、極めて複雑である。この反応生成混合物は、スプレーノズルの目詰まりを引き起こす傾向が高い。
従って、本発明の目的は、沈殿した後のエステル化されたセルロースエーテル粒子の多くの凝集を、スプレーノズルを通して反応生成混合物を噴霧する必要なく防ぐことができる、セルロースエーテルのエステルの製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、エステル化されたセルロースエーテル粒子の多くの凝集を、エステル化されたセルロースエーテルを洗浄する間、その洗浄性を改良することで防ぐことができる、セルロースエーテルのエステルの製造方法を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、スプレーノズルを通して反応生成混合物を噴霧する必要なく、非粘性の微粉化されたセルロースエーテルのエステルが得られる、セルロースエーテルのエステルの製造方法を提供することである。
驚くべきことに、エステル化されたセルロースエーテルを含む反応生成混合物が水と接触され、水と、反応生成混合物との混合物が、少なくとも800s−1のせん断速度に供されるとき、i)沈殿の間、又は後の、エステル化されたセルロースエーテルの粒子の多くの凝集を防ぐことができ、ii)エステル化されたセルロースエーテルの洗浄の間、エステル化されたセルロースエーテルの粒子の多くの凝集を防ぐことができ、それによって洗浄性が改良され、iii)非粘着性の微細に粉末化されたセルロースエーテルのエステルを得ることができる、ことが見出された。
従って、本発明の1つの態様は、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルの(b)脂肪族モノカルボン酸無水物と、又はジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物と、又は脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−若しくは−トリカルボン酸無水物の組合せとの反応から得られる反応生成混合物から、エステル化されたセルロースエーテルを沈殿する工程であり、反応生成混合物を水と接触させ、水と、反応生成混合物との混合物を、少なくとも800s−1のせん断速度に供するステップを含む工程を含む。
本発明の別の態様は、セルロースエーテルのエステルの製造方法であり、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルが、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物と、又はジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物と、又は脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応され、エステル化されたセルロースエーテルが、反応生成混合物を水と接触させ、水と、反応生成混合物との混合物が、少なくとも800s−1のせん断速度に供されるステップを含む工程において、反応生成混合物から沈殿される。
図1Aは、低いせん断速度を適用する第一の比較の方法において、反応混合物を水と接触させることによる、氷酢酸、及び酢酸ナトリウムの存在下でHPMCを無水コハク酸、及び無水酢酸と反応させて得られる実施例1に記載される第一の反応混合物からの、HPMCAS沈殿物を示す図である。当該HPMCASの沈殿物は、粘着性の塊を形成した。 図1Bは、沈殿の後、第一の比較の方法により得られる撹拌翼に固着している粘着性のHPMCASを示す図である。 図1Cは、水中で再懸濁の後、低いせん断速度を適用しているHPMCAS生成物を示す図である。当該HPMCASは、粘着性の塊を形成したままである。 図1Dは、低いせん断速度を適用している水中で沈殿と再懸濁に利用された最初の水の除去後も得られる、撹拌翼に固着している粘着性のHPMCASを示す図である。 図1Eは、水中で再懸濁し、水から分離した後、第一の比較の方法により得られる粘着性のHPMCASを示す図である。 図2Aは、高いせん断速度での発明の方法において、水中に反応混合物を移動することによる、実施例1に記載される同じ反応混合物からのHPMCASの沈殿物を示す図である。当該HPMCASは、微細に分散した沈殿物を形成した。 図2Bは、高いせん断速度を適用している水中で再懸濁した後の、HPMCAS生成物を示す図である。撹拌を完了させた後、HPMCASの微細な沈殿物が形成された。 図2Cは、水中に再懸濁し、水から分離した後、発明の方法により得られる粒状の非粘着性のHPMCASのフィルターケーキを示す図である。 図3Aは、低いせん断速度を適用する第二の比較の方法において、反応混合物を水と接触させることによる、氷酢酸、及び酢酸ナトリウムの存在下でHPMCを無水コハク酸、及び無水酢酸と反応させることにより得られる実施例2に記載される第二の反応混合物からの、HPMCASの沈殿物を示す図である。粘着性のHPMCASが、スターラーにくっついて形成された。 図3Bは、低いせん断速度を適用している水中で再懸濁した後の、HPMCAS生成物を示す図である。当該HPMCASは、1つの粘着性の塊を形成した。 図3Cは、水中で再懸濁し、水から分離した後の、第二の比較の方法によって得られるHPMCASの粘着性の塊を示す図である。 図4Aは、高いせん断速度での発明の方法において、水中に反応混合物を移動することによる、実施例2に記載される同じ反応混合物からのHPMCASの沈殿物を示す図である。当該HPMCASは、微細に分散した沈殿物を形成した。 図4Bは、高いせん断速度を適用している水中で再懸濁した後の、HPMCAS生成物を示す図である。撹拌を完了させた後、微細なHPMCASの沈殿物が形成された。 図4Cは、水中に再懸濁し、水から分離した後の、発明の方法により得られる粒状の非粘着性のHPMCASのフィルターケーキを示す図である。 図5Aは、図7Aに図示される発明の方法において、沈殿容器内で、反応混合物を水と接触させることによる、氷酢酸、及び酢酸ナトリウムの存在下でHPMCを無水コハク酸、及び無水酢酸と反応させることにより得られる実施例3に記載される第三の反応混合物からの、HPMCASの沈殿物を示す図である。当該HPMCASは、沈殿容器内に、細かく分散された沈殿物を形成した。 図5Bは、図5Aに図示される微細に分散した沈殿物から液層を除去した後の、HPMCASを示す図である。 図5Cは、懸濁液からの製造物を、分離、及び単離後、続いて洗浄及びろ過することによって得られる、白色の粒状の非粘着性のHPMCASを示す図である。 図6Aは、低いせん断速度を適用する、第三の比較の方法において、反応混合物を水と接触させることによる、実施例3に記載される同じ反応混合物からのHPMCASの沈殿物を示す図である。当該HPMCAS沈殿物は、粘着性の塊を形成した。 図6Bは、追加の水を用いて洗浄、及び液体成分からの分離後の、図6Aに示すものと同じHPMCASを示す図である。当該HPMCASは、なお粘着性の塊を形成した。 図7Aは、本発明の方法の実施形態に関するフローチャートを示す図である。 図7Bは、本発明の方法の実施形態に関するフローチャートを示す図である。 図7Cは、本発明の方法の実施形態に関するフローチャートを示す図である。 図7Dは、本発明の方法の実施形態に関するフローチャートを示す図である。
本発明の方法によれば、エステル化されたセルロースエーテルは、さらに下で説明するように、(c)脂肪族カルボン酸、及び、任意で(d)カルボン酸アルカリ金属塩の存在下で、(a)セルロースエーテルを(b)脂肪族モノカルボン酸無水物と、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物と、又は脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物組合せと反応させて得られる、反応生成混合物からの沈殿物である。
エステル化反応に出発物質として使用されるセルロースエーテル(a)は、好ましくはアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。ヒドロキシアルコキシ基は、典型的には、ヒドロキシメトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、及び/又はヒドロキシプロポキシ基である。ヒドロキシエトキシ基、及び/又はヒドロキシプロポキシ基が、好ましい。好ましくは、単一種のヒドロキシアルコキシ基、より好ましくはヒドロキシプロポキシ基がセルロースエーテルに含まれる。アルコキシ基は、典型的にはメトキシ、エトキシ、及び/又は、プロポキシ基である。メトキシ基が好ましい。先に示したセルロースエーテルを例示すると、メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースである。セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがより好ましい。
本発明の方法において、出発物質として使用されるセルロースエーテルは、ASTM D2363−79(2006年再認可)に従い、20℃で、2質量%水溶液として測定される粘度が、好ましくは2.4〜200mPa・sであり、好ましくは2〜100mPa・s、より好ましくは2.5〜50mPa・s、特に好ましくは3〜30mPa・sである。
無水グルコース単位に対して、メトキシ基のようなアルコキシ基に置換されたヒドロキシル基の平均数は、アルコキシ基の置換度(DS)として表される。上記のDSの定義において、「アルコキシ基に置換されたヒドロキシル基」との用語は、セルロース骨格の炭素原子に直接結合される、アルキル化されたヒドロキシル基だけではなく、セルロース骨格に結合されるヒドロキシアルコキシ置換基のアルキル化されたヒドロキシル基も含む。セルロースエーテルは、DSmethoxylが1.1〜2.1、より好ましくは1.75〜2.05、及びMShydroxypropoxylが0.05〜1.1、より好ましくは0.15〜0.4である、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが最もこのましい。DSmethoxyl、及びMShydroxypropoxylは、米国薬局方、及び国民医薬品集、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)に従って求められる。
セルロースエーテル(a)は、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物と、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物と、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応される。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、無水酢酸、酪酸無水物、及びプロピオン酸無水物からなる群から選択される。好ましいジカルボン酸無水物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、及び無水フタル酸からなる群から選択される。好ましいトリカルボン酸無水物は、無水トリメリット酸である。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、単独で用いることができ;又は好ましいジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物は、単独で用いることができ;又は好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、好ましいジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物と組み合わせて用いることができる。
上記のセルロースエーテル、脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−又はトリカルボン酸無水物からの、エステル化されたセルロースエーテルの生成物は、以下のものが特に好ましい:
i)HPMC−XY、及びHPMC−X(式中、HPMCがヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、XがA(酢酸塩)、又は、XがB(酪酸塩)若しくはXがPr(プロピオン酸塩)及びYがS(コハク酸塩)、YがP(フタル酸塩)、YがM(マレイン酸塩)若しくはYがT(トリメリット酸塩)である。)例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリッテート(HPMCAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレート(HPMCAM)、若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS);又は、
ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPCAS)、ヒドロキシブチルメチルセルロースプロピネートサクシネート(HBMCPrS)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースプロピオネートサクシネート(HEHPCPrS);及びメチルセルロースアセテートサクシネート(MCAS)。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)は最も好ましいエステル化されたセルロースエーテルである。
セルロースエーテルのエステル化は公知の方法で行うことができ、例えば、米国特許第3,435,027号、米国特許第4,226,981号、国際特許出願WO2005/115330号、又は欧州特許出願EP0219426号に記載される通りである。セルロースエーテルのエステル化は、酢酸、プロピオン酸、又は酪酸のような、反応媒体としての(c)脂肪族カルボン酸中で行われる。反応媒体は、ジクロロメタン、又はジクロロメチルエーテルのようなハロゲン化されたC−C誘導体のように、室温で液体であり、セルロースエーテルと反応しない、少量の他の溶媒、又は希釈剤を含んでいてもよいが、反応媒体の総質量における脂肪族カルボン酸の量は、通常50%以上、好ましくは少なくとも75%、及び、より好ましくは少なくとも90%とすべきである。反応媒体は脂肪族カルボン酸からなるものが最も好ましい。エステル化反応は、通常、100質量部のセルロースエーテルに対して、100〜2,000質量部の反応媒体である脂肪族カルボン酸の存在下で行われる。
エステル化反応は、通常、(d)エステル化触媒の存在下で、好ましくは、酢酸ナトリウム、又は酢酸カリウムのようなカルボン酸アルカリ金属塩の存在下で、行われる。カルボン酸アルカリ金属塩の量は、好ましくは、100質量部のセルロースエーテルに対して、20〜200質量部のカルボン酸アルカリ金属塩である。もし、脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−又はトリ−カルボン酸無水物がセルロースエーテルのエステル化に用いられるのであれば、2つの無水物は、同時に、又は別々に順次、反応容器中に導入されてもよい。反応容器中に導入される、それぞれの無水物の量は、最終生成物で得られる所望のエステル化度によって決定され、通常は、エステル化による、無水グルコース単位における所望のモル置換度の化学量論量の1〜10倍である。混合物は、通常、60〜110℃、好ましくは70〜100℃で、反応完了までの十分な時間、すなわち、典型的には2〜25時間、より典型的には2〜8時間加熱される。出発物質としてのセルロースエーテルは、必ずしも、脂肪族カルボン酸に溶けないが、とりわけ、セルロースエーテルの置換度が相対的に小さい場合は、脂肪族カルボン酸に分散、又は脂肪族カルボン酸により膨張され得るのみである。エステル化反応は、分散、又は膨張したセルロースエーテルでも行うことができ、エステル化反応が進行する際、通常、反応下のセルロースエーテルは反応媒体に溶解し、最終的に均質な溶液を得る。
得られた反応生成混合物は、エステル化されたセルロースエーテル、反応媒体として用いられる脂肪族カルボン酸、カルボン酸アルカリ金属塩のような、典型的には反応触媒、脂肪族モノカルボン酸、及び/又はジ−若しくはトリ−カルボン酸のような、典型的には残余の量である1以上のエステル化された物質及び副生成物、を含む。得られた反応生成混合物は、通常、3〜60質量%のエステル化されたセルロースエーテル、20〜90質量%の脂肪族カルボン酸、5〜50質量%の、カルボン酸アルカリ金属塩のような反応触媒、並びに、0.1〜30質量%の、脂肪族モノカルボン酸、及び/又はジ−若しくはトリ−カルボン酸である未反応の無水物のような微量成分を含む。
本発明の方法における、前述の反応生成混合物は水と接触され、水、及び反応生成混合物の混合物は、少なくとも800s−1、好ましくは少なくとも1500s−1、より好ましくは少なくとも3000s−1、最も好ましくは少なくとも8000s−1のせん断速度に供される。当該せん断速度は、通常、600,000s−1まで、及び典型的には500,000s−1まで、より典型的には100,000s−1まで、並びに、最も典型的には50,000s−1までである。本発明の方法において、そのようなせん断速度を適用することは、沈殿の際に、非粘着性で、微細な粒子径を有するセルロースエーテルのエステルを得るのと、反応生成混合物から分離するのとに有用である。
前記せん断速度は、ローターステーターミキサー、又はホモジナイザーとしても知られる高せん断ミキサー、高せん断ミル、又は高せん断ポンプのような高せん断装置で得ることができる。高せん断装置は、共通して、ステーター、又は筐体のような、「ステーショナリー」とも呼ばれる、せん断装置の固定部品と組み合わせたローターを含む。ステーショナリーは、ローターとの間に僅かな隙間を作り、この隙間に、材料に対する高せん断域を形成する。ステーショナリーは、一種のせん断の振動を引き起こし、乱流エネルギーを増加させるため、単独、又は複数の、開き、隙間、又は歯状の並びを含んでよい。
混合の度合い、又は完璧さの1つの計量には、高先端速度を有する混合装置により生じさせるせん断力がある。ある流体のエリアが、付近のエリアに比べて異なる速度で移動する時、流体はせん断を受ける。ローターの先端速度は、次式:
先端速度=ローターの回転数×ローターの円周
によれば、回転により生じる運動エネルギーの度合いである。
せん断速度は、ローターと、共通してステーター、又は筐体と呼ばれる、せん断装置の固定部品との間の隙間距離の逆相関を基にする。高せん断装置がステーターを備えていない場合、沈殿容器の内壁がステーターとしての機能を果たす。
せん断速度=先端速度/(ローターの外径と、ステーショナリーとの間の隙間距離)
本発明の方法は、少なくとも4m/s、好ましくは少なくとも8m/s、及びより好ましくは少なくとも15m/sの先端速度で運転するせん断装置で行われるのが好ましい。先端速度は通常、320m/sまでであり、典型的には280m/sまで、及びより典型的には30m/sまでである。
さらなるせん断は、ローターの外径での流体の先端速度と、ローターの中心での速度との速度差により引き起こされる。
高せん断装置は、高せん断ミキサーとも呼ばれ、コロイドミル、歯状装置、アキシアル放電、及びラジアル放電ローターステーターミキサーのような、異なる形状の装置を含む(Atiemo−Obeng,V.A. and Calabrese,R.V. ,2004.“Rotor−stator mixing devices” in Handbook of Industrial Mixing: Science and Practice,E.L. Paul,V.A. Atiemo−Obeng and S.M. Kresta,John Wiley&Sons,Hoboken,New Jersey,USA.)。高せん断装置は、連続的な処理、又はバッチ処理に使用できる。
水と、エステル化されたセルロースエーテル、及び脂肪族カルボン酸を含む前述の反応生成混合物は、別々の流体流として、又はまとめられた流体流として、高せん断装置に供給させることができる。エステル化されたセルロースエーテル、及び脂肪族カルボン酸を含む反応生成混合物は、通常、60〜110℃の温度である。反応生成混合物を事前に冷却することなく、水と接触させることができる。水の温度は、好ましくは1〜90℃、より好ましくは5〜40℃である。
好ましくは、反応生成混合物は、エステル反応に用いられるセルロースエーテルの質量部に対して、5〜400質量部、より好ましくは8〜300質量部、最も好ましくは10〜100質量部、及びとりわけ12〜50質量部の量の水と接触させる。
質量比[水/脂肪族カルボン酸]は、通常、300/1まで、好ましくは200/1まで、より好ましくは100/1まで、及び最も好ましくは30/1までである。通常は、質量比[水/脂肪族カルボン酸]は、少なくとも3/1、典型的には少なくとも6/1、より典型的には少なくとも10/1である。
質量比[水/(水を除く反応生成混合物)]は、通常、10/1.0まで、好ましくは5.0/1.0まで、より好ましくは3.0/1.0までである。質量比[水/(水を除く反応生成混合物)]は、通常、少なくとも1.0/1.0、好ましくは少なくとも1.4/1.0、より好ましくは少なくとも2.0/1.0である。あるいは、本発明の沈殿工程に使用される、好ましい水の量は、質量比[水/エステル化されたセルロースエーテルを製造するために使用される出発物質]で表され、具体的には質量比[水/((a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジ−又はトリ−カルボン酸無水物、(c)脂肪族カルボン酸、並びに(d)エステル化触媒の総質量)]である。この質量比は、好ましくは[1.0/1.0]〜[10.0/1.0]、より好ましくは[1.4/1.0]〜[5.0/1.0]、最も好ましくは[2.0/1.0]〜[3.0/1.0]である。
図7Aは、本発明の沈殿工程の好ましい実施形態を表すフローチャートであるが、本発明の沈殿工程はこれに限定されない。反応物質(a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又はこれらの組合せ、(c)脂肪族カルボン酸、及び典型的には(d)エステル化触媒、好ましくはカルボン酸アルカリ金属塩は、まとめて、又は別々に、注入口導管(9)を通って、反応容器(1)に供給される。隔てられた沈殿容器(2)には水(3)が満たされる。沈殿容器(2)は、中心撹拌機(7)、及び高せん断装置(4)が導入された再循環ループ(8)を備える。水は、再循環ループ(8)を通って循環し、高せん断装置(4)の排出口導管(5)を通って、沈殿容器(2)に戻される。エステル化されたセルロースエーテルの沈殿のために、反応生成混合物は、反応容器(1)から、転送パイプ(6)を通って、再循環ループ(8)中で連続して流れる水の中に供給される。反応生成混合物と、水との混合物は、高せん断装置(4)で高せん断に供され、そこを通過し、高せん断装置(4)の排出口導管(5)を通って、沈殿容器(2)に運ばれる。すべての反応生成混合物が沈殿容器(2)に運ばれた後、任意に、追加の水が沈殿容器に、好ましくは沈殿容器の内容物を中心撹拌機(7)を用いて撹拌しながら、加えられる。沈殿された懸濁液は、高せん断装置(4)を用いて、再循環ループ(8)に再循環される。
好ましくは、図7Aに図示される工程で利用される高せん断装置(4)は、インライン高せん断装置である。インライン高せん断装置では、通常、ミキシングヘッドは、一端に注入口、及び他端又は当該装置の円周上に排出口を備える封止部を貫通して筐体内に含まれる。エステル化されたセルロースエーテル、及び水は、好ましくは、連続的な流れの中でミキシングヘッドに引き込まれる。平衡混合は、典型的には、水と、エステル化されたセルロースエーテルを含む反応生成混合物との混合物が、インライン高せん断装置を一回以上通過することによって、達成される。ローターステーターミキサー、高せん断ミル、又は高せん断ポンプのような高せん断装置のベンダーとして知られているのは、Herbst Maschinenfabrik GmbH、ドイツ(モデルシリーズHI)、Charles Ross & Son Company、アメリカ合衆国(モデルシリーズ400DL,100LCI,100,HSD,700)、IKA GmbH & Co.KG、ドイツ(モデルシリーズUltra−Turrax,UTL,DR,MK,colloid mills MK),Scott Turbon Mixer Inc.、アメリカ合衆国(モデルシリーズL−HSM,HSM,IL,HSP,Scott top,bottom、and floor mounted mixers),FrymaKoruma AG,スイス(モデルシリーズDIL)、及びBWS Technology、ドイツ(?)(モデルシリーズSupraton and Reflector)である。有用な高せん断装置の具体例は、米国特許出願2011/0091360号に開示される。
懸濁液は沈殿容器(2)から、排出口パイプ(図示せず)を通って除去され、分散されたセルロースエーテルのエステルは、続いて、遠心分離、又は濾過のような公知の方法か、沈殿後のデカンテーションによって、混合物の残渣から分離される。回収されたセルロースエーテルのエステルは、不純物を除去するために水で洗浄されてもよく、粉末状で、エステル化されたセルロースエーテルを得るために乾燥されてもよい。
図7Bでは、図7Aに図示される沈殿工程における変更を図示する。図7Aに図示される沈殿工程のように、反応物質(a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又はこれらの組合せ、(c)脂肪族カルボン酸、及び典型的には(d)エステル化触媒、好ましくはカルボン酸アルカリ金属塩は、まとめて、又は別々に注入口導管(9)を通して反応容器(1)へ供給される。エステル化されたセルロースエーテルの沈殿のために、反応生成混合物は、反応容器(1)から、転送パイプ(6)を通って高せん断装置(4)へ供給される。水は、沈殿容器から再利用されないが、水導管(10)を通って高せん断装置(4)に連続的に供給される。水、及び反応生成混合物の混合流は、高せん断装置(4)の排出口導管(5)を通って、沈殿容器(図示せず)に供給される。
図7Cは、本発明の沈殿工程の別の実施形態に関するフローチャートを表す。反応物質(a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又はこれらの組合せ、(c)脂肪族カルボン酸、及び典型的には(d)エステル化触媒、好ましくはカルボン酸アルカリ金属塩は、まとめて、又は別々に注入口導管(17)を通って反応容器(11)に供給され、及びそこから転送パイプ(16)を通って、水(13)が満たされた、隔てられた沈殿容器(12)に供給される。沈殿容器(12)は、高せん断装置(14)、好ましくは回転軸に高せん断ミキサーを備える。懸濁液は、沈殿容器(12)から除去され、さらに、図7Aに関して記載されるように処理される。
図7Dは、本発明の沈殿工程のさらに別の実施形態に関するフローチャートを表す。反応物質(a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又はこれらの組合せ、(c)脂肪族カルボン酸、及び典型的には(d)エステル化触媒、好ましくはカルボン酸アルカリ金属塩は、まとめて、又は別々に、注入口導管(22)を通って反応容器(21)に供給される。反応容器(21)は高せん断装置(24)、好ましくは回転軸に高せん断ミキサーを備える。エステル化反応中の、反応混合物のせん断速度は重要ではない。本発明の1つの実施形態において、エステル化反応中のせん断速度は、800s−1未満であり、エステル化されたセルロースエーテルの沈殿の間、せん断速度は少なくとも800s−1まで増加される。本発明の別の実施形態において、せん断速度は、エステル化反応中、すでに800s−1以上である。エステル化反応の完了後、水は水注入管(23)を通って反応容器(21)に供給され、高せん断装置(24)は、少なくとも800s−1のせん断速度を与えられる速度で運転されるように設定される。
本発明の実施形態は、以下の実施例で詳細に説明される。
特に断らない限り、すべての部、及びパーセントは質量基準である。
実施例1
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)を含む反応生成混合物の製造
250.0gの氷酢酸、60.0gの無水酢酸、51.67g(乾燥成分96.82%)のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、20.0gの無水コハク酸、及び50.0gの酢酸ナトリウム(非含水)は、内径147mmのガラス反応器に導入され、外径120mmのMIG(商標)撹拌機(2枚刃軸流羽根車、EKATO社,Schopfheim,ドイツ)を使用して、強力に混合した。HPMCは、20℃で2%水溶液として測定される粘度が約3.1mPa・sであり、米国薬局方、及び国民医薬品集、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)に従って求められる、メトキシ基置換度DS(methoxyl)が1.92、及びヒドロキシプロポキシ基の置換度MS(hydroxypropoxyl)が0.26であった。混合物は、85℃で加熱され、3時間の撹拌により強力に混合され、エステル化された。米国特許第4,226,981号のサンプルNo.4、実施例1に記載の通りに、反応は実施された。
比較例の方法によるHPMCASの沈殿
米国特許第4,226,981号のサンプルNo.4、実施例1に記載の通りに、沈殿は実施された。エステル化後、反応生成物を沈殿させるため、約10倍の量の蒸留水が加熱された反応生成混合物に3分以内に加えられた。水を加えている間、ガラス反応器内の内容物は、150rpm、及び0.9m/sの先端速度で動作する、前述のMIG(商標)撹拌機(外刃の直径120mm)を使用して、撹拌された。結果として、断速度は35s−1だった。
図1Aに示すように、HPMCAS沈殿物は、粘着性の塊を形成した。撹拌は、沈殿物の外見に大きな変化なく、約3分間続けられた。撹拌が終了した後、HPMCASの塊は撹拌機に固着し続けた(図1B)。
分離による、沈殿に使用された水の排出、及び、MIG(商標)撹拌機を使用して150rpmで撹拌しながら3.7Lの水への再懸濁後もなお、粘着性の生成物が得られ(図1C)、図1Dに示すように、撹拌機に固着する。水から再懸濁された生成物の分離、及び単離の後、図1Eに示すように、HPMCASのかなり粘着性の塊が単離された。50〜55℃の乾燥で粘着性の外見は変わらなかった。
本発明によるHPMCASの沈殿
実施例1の加熱された反応生成混合物は、転送される反応生成混合物の量の約10倍の量の蒸留水で満たされた、直径170mmの5リッターのガラスビーカーに、3分間に亘って、連続的に加えられた。加熱された反応生成混合物を加えている間、5200rpm、及び先端速度9.8m/sで動作する、Ultra−Turrax撹拌機S50−G45(ローター直径36mm、内部ステーター直径38mm)を使用して、ガラスビーカーの内容物を撹拌した。結果として、せん断速度は9800s−1だった。
図2Aに示すように、HPMCASは微細に分散された沈殿物を形成した。分離による、沈殿に利用された水の排出、及び3.7Lの水への再懸濁後、生成物の懸濁液は、5200rpm、及び先端速度9.8m/sで動作する、Ultra−Turrax撹拌機S50−G45を使用して再び撹拌された。結果として、せん断速度は9800s−1だった。
撹拌が終了した後、図2Bに示されるように、HPMCASの微細な沈殿物が、粘着性の態様を示さず、形成された。水からの、再懸濁された生成物の分離、及び単離後、良好な流動性を示し、粘着性の塊が形成されることなく、微細な粒子として水に分散可能である、図2Cに示すような、白色の粒状であり、非粘着性のHPMCASフィルターケーキが得られた。HPMCASは50〜55℃で10時間乾燥され、微粒子径である、非粘着性の生成物が得られた。
実施例2
HPMCASを含む反応生成混合物の製造
314.7gの氷酢酸が、MIG(商標)撹拌機を備え、85℃に調整されたオイルバスに設置されるガラス反応器に導入された。31.1gの実施例1と同じHPMC、及び30.32gの酢酸ナトリウム(非含水)が加えられ、溶解される。一度、HPMCの完全な溶解がなされると、3.55gの無水コハク酸の添加、及び2.5時間の反応がなされ、124.09gの無水酢酸の添加、及び追加の21時間の反応がなされた。その反応は、HPMCASポリマーの合成が概ね記載される、国際特許出願WO2005/115330号、51頁で述べられている通りに行われた。
比較例の方法によるHPMCASの沈殿
実施例2の加熱された反応生成混合物は、2.1Lの蒸留水が満たされた、直径170mmの5リッターのガラスビーカーに、連続的に3分間に亘って加えられた。加熱された反応生成混合物を加えている間、150rpm、及び先端速度0.9m/sで動作する、実施例1に記載されるものと同じMIG(商標)撹拌機を使用して、ガラスビーカーの内容物を撹拌した。結果として、せん断速度は19s−1だった。
撹拌が終了した後、約3分後に、図3Aに示すように、HPMCASの1つの粘着性の大きな塊が、撹拌機に固着して形成された。
分離による、沈殿に使用された水の排出、及び前述のMIG(商標)撹拌機を使用して150rpmで撹拌しながら2.1Lの水への再懸濁後もなお、撹拌機に固着した、粘着性の製造物が得られた。分離による、沈殿に使用された水の排出、及びMIG(商標)撹拌機を使用して2.1Lの水への再懸濁後、図3Bに示すように、粘着具合と、粘着性の大きな塊の態様とは変わらなかった。
水からの、製造物の分離、及び単離後、水に容易に分散することができない、図3Cに示すような、製造物の粘着性の大きな塊が得られた。50〜55℃の乾燥で粘着性の外見は変わらなかった。
本発明によるHPMCASの沈殿
加熱された、実施例2の反応生成混合物は、2.1Lの蒸留水が満たされた直径170mmの5リッターのガラスビーカーに、3分間に亘って、連続的に加えられた。加熱された反応生成混合物を加えている間、5200rpm、及び先端速度9.8m/sで動作する、実施例1で述べたものと同じUltra−Turrax攪拌機を使用して、ガラスビーカーの内容物を撹拌した。結果として、せん断速度は9800s−1だった。図4Aに示すように、HPMCASは微細に分散された沈殿物を形成した。
分離による、沈殿に使用された水の排出、及び2.1Lの水への再懸濁後、製造物の懸濁液は、5200rpm、及び先端速度9.8m/sで動作する、Ultra−Turrax撹拌機S50−G45を使用して再び撹拌された。結果として、せん断速度は9800s−1だった。
撹拌が終了した後、図4Bに示すように、HPMCASの微細な沈殿物が、粘着性の態様を示さず、形成された。
水からの、再懸濁された製造物の分離、及び単離後、良好な流動性を示し、粘着性の塊が形成されることなく微細な粒子として水に分散可能である、図4Cに示すような、白色の粒状であり、非粘着性のHPMCASフィルターケーキが得られた。HPMCASは、50〜55℃で、10時間乾燥され、微粒子径である、非粘着性の製造物が得られた。
実施例3
HPMCASを含む反応生成混合物の製造
123kgの氷酢酸、32kgの無水酢酸、23.4kg(乾燥成分97.5%)の実施例に記載の同じHPMC、1.7kgの無水コハク酸、及び25kgの酢酸ナトリウム(非含水)は、400Lの水平プラウシェアミキサーに導入され、プラウシェア、及び備え付けのチョッパー(図示せず)を用いて、強力に混合された。混合物は、85℃に加熱され、3.5時間、85℃で強力に混合されて、エステル化された。
本発明によるHPMCASの沈殿
反応生成混合物の製造、及び沈殿工程は、図7Aに図示される通り実施される。氷酢酸、無水酢酸、HPMC、無水コハク酸、及び酢酸ナトリウムは、上記の通り、注入口導管(9)を通って、反応容器(1)に、供給された。容積1mの分離沈殿容器(2)は、500Lの水(3)が充てんされた。沈殿容器(2)は、中心撹拌機(7)、及び高せん断装置(4)が搭載される再循環ループ(8)、が備えられた。中心撹拌機(7)は、約75rpm回転速度(先端速度2.4m/sに対応する)で撹拌した。高せん断装置(4)は、2900rpm、及び先端速度14.9m/sで、動作された。約30,000s−1のせん断速度という結果となった。水は、再循環ループ(8)を通って循環され、約15〜20m/hの再循環流量で、高せん断装置(4)の排出口(5)を通って、沈殿容器(2)に戻された。
HPMCAS製造物の沈殿のために、前述の反応生成混合物は、反応容器(1)から、約15l/hの流量で転送パイプ(6)を通って、再循環ループ(8)中で、約15〜20m/hで連続して流れる水の中に供給された。反応生成混合物と、水との混合物は、高せん断装置(4)で高せん断に供され、そこを通過し、高せん断装置(4)の排出口導管(5)を通って、沈殿容器(2)に運ばれた。すべての反応生成混合物が沈殿容器(2)に運ばれた後、中心撹拌機(7)を用いて撹拌され、高せん断装置(4)を使用して、沈殿された懸濁液を再循環させながら、沈殿容器は追加の400Lの水で満たされた。
図5Aは、沈殿容器(2)中の得られた懸濁液と、それに含まれる微細に分散されたHPMCASを図示する。図5Bは、沈殿容器(2)中の懸濁液の液相をデカンテーションした後における、分散特性のある製造物を図示する。沈殿後、微細に分散されたHPMCASを含む懸濁液は、沈殿容器(2)から除去され、約10mの水を用いた、沈殿された製造物の洗浄、及び濾過により、沈殿された製造物が懸濁液から分離された。
懸濁液からの、洗浄された製造物の分離、及び単離後、良好な流動性を示し、粘着性の塊が形成されることなく微細な粒子として水に分散可能である、図5Cに示すような、白色の粒状の非粘着性のHPMCASフィルターケーキが得られた。HPMCASは、50〜55℃で10時間乾燥され、微粒子径である、非粘着性の製造物が得られた。
比較例の方法によるHPMCASの沈殿
上記の通りエステル化した後、反応生成混合物の約2倍の体積に対応する量の水を、加熱された反応生成混合物に加え、反応生成物が沈殿された。水を加えている間、反応器の内容物は、150rpm、及び先端速度0.9m/sで動作する、前述MIG(商標)撹拌機(外刃の直径120mm)を使用して、撹拌された。結果として、せん断速度は35s−1だった。
図6Aに示すように、HPMCAS沈殿物が、粘着性の塊を形成した。
HPMCASが液体成分から除去され、反応生成混合物のもとの体積の2倍に対応する量の、追加の水で洗浄された後、水に容易に分散できない、図6Bに示すような、製造物の粘着性の大きな塊が得られた。50〜55℃の乾燥で、粘着性の外見は変わらなかった。
HPMCASが液体成分から除去され、反応生成混合物のもとの体積の2倍に対応する量の、追加の水で洗浄された後、水に容易に分散できない、図6Bに示すような、製造物の粘着性の大きな塊が得られた。50〜55℃の乾燥で、粘着性の外見は変わらなかった。
本開示は以下も包含する。
[1] 反応生成混合物からエステル化されたセルロースエーテルを沈殿させる方法であって、
前記反応生成混合物は、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させて得られ、
前記方法は、反応生成混合物を水に接触させ、水と反応生成混合物との組合せを、少なくとも800s −1 のせん断速度に供する工程を含む方法。
[2] 前記反応生成混合物が、(c)脂肪族カルボン酸と、(d)アルカリ金属カルボン酸塩との組合せの存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させて得られた、上記態様1に記載の方法。
[3] 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも1500s −1 のせん断速度に供される、上記態様1、又は2に記載の方法。
[4] 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも3000s −1 のせん断速度に供される、上記態様3に記載の方法。
[5] 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも8000s −1 のせん断速度に供される、上記態様3に記載の方法。
[6] せん断が、せん断装置において、少なくとも4m/sの先端速度で行われる、上記態様1〜5の何れか1項に記載の方法。
[7] せん断が、せん断装置において、少なくとも8m/sの先端速度で行われる、上記態様6に記載の方法。
[8] 前記反応生成混合物が、セルロースエーテルの質量部に対して、12〜50質量部の水と接触される、上記態様1〜7の何れか1項に記載の方法。
[9] 前記反応生成混合物が、1.0/1.0〜5.0/1.0の質量比(水/水を除く反応生成混合物)で水と接触される、上記態様1〜8の何れか1項に記載の方法。
[10] 前記反応生成混合物が、3/1〜30/1の質量比(水/脂肪族カルボン酸)で水と接触される、上記態様1〜9の何れか1項に記載の方法。
[11] 前記反応生成混合物が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、又はヒドロキシアルキル−アルキルセルロースを、単独で、又は無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水トリメリット酸からなる群より選択される、ジ−若しくはトリカルボン酸無水物と組み合わせて、無水酢酸、無水酪酸、及び無水プロピオン酸からなる群より選択される脂肪族モノカルボン酸無水物と反応させて得られる、上記態様1〜10の何れか1項に記載の方法。
[12] 前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、上記態様1〜11の何れか1項に記載の方法。
[13] 上記態様1〜12の何れか1項に記載の方法に従って、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させ、前記エステル化されたセルロースエーテルが、前記反応生成混合物を水と接触させることにより前記反応生成混合物から沈殿される、セルロースエーテルのエステルの製造方法。
[14] セルロースエーテルの混合されたエステルが、(c)脂肪族カルボン酸と、(d)カルボン酸アルカリ金属塩との組合せの存在下で製造され、前記エステル化反応の後、前記セルロースエーテルの前記混合されたエステルが、前記反応生成混合物と水とを、1.4/1.0〜5.0/1.0の質量比[水/((a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジ−又はトリカルボン酸無水物、(c)脂肪族カルボン酸、並びに(d)エステル化触媒の合計質量)]で接触させることにより、前記反応生成混合物から沈殿される工程を含む、上記態様13に記載の方法。

Claims (14)

  1. 反応生成混合物からエステル化されたセルロースエーテルを沈殿させる方法であって、
    前記反応生成混合物は、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させて得られ、
    前記方法は、反応生成混合物を水に接触させ、水と反応生成混合物との組合せを、少なくとも800s−1のせん断速度に供する工程を含む方法。
  2. 前記反応生成混合物が、(c)脂肪族カルボン酸と、(d)アルカリ金属カルボン酸塩との組合せの存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させて得られた、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも1500s−1のせん断速度に供される、請求項1、又は2に記載の方法。
  4. 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも3000s−1のせん断速度に供される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記水と反応生成混合物との組合せが、少なくとも8000s−1のせん断速度に供される、請求項3に記載の方法。
  6. せん断が、せん断装置において、少なくとも4m/sの先端速度で行われる、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. せん断が、せん断装置において、少なくとも8m/sの先端速度で行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記反応生成混合物が、セルロースエーテルの質量部に対して、12〜50質量部の水と接触される、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記反応生成混合物が、1.0/1.0〜5.0/1.0の質量比(水/水を除く反応生成混合物)で水と接触される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記反応生成混合物が、3/1〜30/1の質量比(水/脂肪族カルボン酸)で水と接触される、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記反応生成混合物が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、又はヒドロキシアルキル−アルキルセルロースを、単独で、又は無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水トリメリット酸からなる群より選択される、ジ−若しくはトリカルボン酸無水物と組み合わせて、無水酢酸、無水酪酸、及び無水プロピオン酸からなる群より選択される脂肪族モノカルボン酸無水物と反応させて得られる、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の方法に従って、(c)脂肪族カルボン酸の存在下で、(a)セルロースエーテルを、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、若しくは、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物、又は、脂肪族モノカルボン酸無水物、及び、ジ−若しくはトリ−カルボン酸無水物の組合せと反応させ、前記エステル化されたセルロースエーテルが、前記反応生成混合物を水と接触させることにより前記反応生成混合物から沈殿される、セルロースエーテルのエステルの製造方法。
  14. セルロースエーテルの混合されたエステルが、(c)脂肪族カルボン酸と、(d)カルボン酸アルカリ金属塩との組合せの存在下で製造され、前記エステル化反応の後、前記セルロースエーテルの前記混合されたエステルが、前記反応生成混合物と水とを、1.4/1.0〜5.0/1.0の質量比[水/((a)セルロースエーテル、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジ−又はトリカルボン酸無水物、(c)脂肪族カルボン酸、並びに(d)エステル化触媒の合計質量)]で接触させることにより、前記反応生成混合物から沈殿される工程を含む、請求項13に記載の方法。
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