JP2018080263A - インクジェットインクセット、プリント物の製造方法およびプリント物 - Google Patents

インクジェットインクセット、プリント物の製造方法およびプリント物 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の黄色色材を含むことにより、耐候性の優れたプリント物が得られるのみでなく、耐熱性にも優れたインクジェットインクセット、耐熱性および耐候性の優れたインクジェット画像の形成されたプリント物およびプリント物の製造方法を提供する。
【解決手段】顔料と、バインダー樹脂と、分散剤と、溶剤とを含み、前記顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、インクジェットインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインクセット、プリント物の製造方法およびプリント物に関する。より詳細には、本発明は、特定の黄色色材を含んでおり、耐熱性が優れ、かつ、耐候性の優れたプリント物が得られるインクジェットインクセットに関する。また、本発明は、耐熱性および耐候性の優れたインクジェット画像の形成されたプリント物およびプリント物の製造方法に関する。
近年、耐候性の優れたプリント物を作製するためのインクジェットインクを含むインクジェットインクセットが種々開発されている。たとえば、特許文献1には、黄色系顔料としてFe23/H2Oといった含水酸化鉄を用いた紫外線硬化型のイエローインクが開示されている。同様に、特許文献2には、無機顔料を用いた紫外線硬化型インクジェット用インクが開示されている。
また、インクジェット方式にて画像を形成する場合、ノズルの乾燥を防止するために、インクは、高沸点の溶剤が配合されることがある。
特開2009−149719号公報 特開2008−81594号公報
特許文献1および特許文献2に記載のインクは、いずれも紫外線硬化型インクジェット用のインクであり、インクジェット方式にて画像が形成された後、紫外線が照射されることにより硬化される。一方、水系や溶剤系のインクは、紫外線硬化型のインクとは異なり、画像が形成された後、高温にて乾燥される。この際、上記した高沸点の溶剤を除去するために、インクは、たとえば150〜400℃程度の高温に曝される。この場合、インクに含まれる顔料の種類によっては、得られた画像が乾燥時に変色するという問題がある。顔料のうち、黄色色材は、変色により赤みがかることが多い。
特許文献1および特許文献2に記載のインクは、いずれも紫外線硬化型インクであるため、こうした高温での乾燥が考慮されておらず、耐熱性に関して改善の余地がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、特定の黄色色材を含むことにより、耐候性の優れたプリント物が得られるのみでなく、耐熱性にも優れたインクジェットインクセットを提供することを目的とする。また、本発明は、耐熱性および耐候性の優れたインクジェット画像の形成されたプリント物およびプリント物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のインクジェットインクセット、プリント物の製造方法およびプリント物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)顔料と、バインダー樹脂と、分散剤と、溶剤とを含み、前記顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、インクジェットインクセット。
このような構成によれば、顔料は、黄色色材としてC.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。このような黄色色材は、耐熱性が優れており、インクジェット方式で画像が形成された後に高温で乾燥される場合であっても、変色しにくい。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩が再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、耐候性が優れる。
(2)前記黄色色材は、平均粒子径が110〜400nmである、(1)記載のインクジェットインクセット。
このような構成によれば、黄色色材は、より耐熱性が優れる。
(3)前記顔料は、赤色色材としてC.I.Pigment Red 101、232からなる群から選択される少なくともいずれか1つと、青色色材としてC.I.Pigment Blue 28、36からなる群から選択される少なくともいずれか1つと、黒色色材としてC.I.Pigment Black 7、26、27、28、29からなる群から選択される少なくともいずれか1つとを含む、(1)または(2)記載のインクジェットインクセット。
このような構成によれば、インクセットは、黄色色材のみでなく、赤色色材、青色色材および黒色色材に関しても耐熱性が優れる。そのため、得られるプリント物は、黄色系の色彩だけでなく、他の色彩に関しても変色しにくく、所望の色彩がより再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、より耐候性が優れる。
(4)前記分散剤は、塩基価が50mgKOH/g以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェットインクセット。
このような構成によれば、分散剤は、インクジェット方式で画像が形成された後に高温で乾燥される場合であっても、変色しにくい。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩がより再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、より耐候性が優れる。
(5)前記バインダー樹脂は、フッ素樹脂である、(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェットインクセット。
このような構成によれば、インクジェットインクセットは、さらに耐熱性が優れる。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩がさらに再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、さらに耐候性が優れる。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェットインクセットを用いて、インクジェット方式により基材に付与する印刷工程と、前記基材を乾燥させる乾燥工程とを含む、プリント物の製造方法。
このような構成によれば、インクジェットインクセットは、顔料中に、黄色色材としてC.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。このような黄色色材は、耐熱性が優れており、乾燥工程において変色しにくい。そのため、所望の色彩が再現されたプリント物が得られる。また、このようなインクセットを用いて製造されたプリント物は、耐候性が優れる。
(7)基材と、前記基材上に形成された印刷層とを含み、前記印刷層は、顔料と、バインダー樹脂と、分散剤とを含み、前記顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、プリント物。
このような構成によれば、プリント物は、印刷層中に、黄色色材としてC.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む顔料が含まれている。このような黄色色材は、耐熱性が優れており、プリント物が形成される際の乾燥によって変色されにくい。そのため、プリント物は、所望の色彩が再現されている。また、このようなプリント物は、耐候性が優れる。
本発明によれば、特定の黄色色材を含むことにより、耐候性の優れたプリント物が得られるのみでなく、耐熱性にも優れたインクジェットインクセットを提供することができる。また、本発明によれば、耐熱性および耐候性の優れたインクジェット画像の形成されたプリント物およびプリント物の製造方法を提供することができる。
<インクジェットインクセット>
本発明の一実施形態のインクジェットインクセット(以下、インクセットともいう)は、顔料と、バインダー樹脂と、分散剤と、溶剤とを含む。顔料は、黄色色材を含む。黄色色材は、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。以下、それぞれについて説明する。なお、本実施形態において、顔料は、特定の顔料を含む黄色色材を含んでいればよく、他の色材の配合の有無および種類は特に限定されない。そのため、本実施形態で例示されるインクセットは、顔料として黄色色材のみを含んでいる場合(すなわち、イエローインクのみであり、他の色のインクを含んでいない場合)であっても、本発明でいうインクセットに含まれる。
(顔料)
・黄色色材
黄色色材は、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。これらの顔料を含む黄色色材は、耐熱性が優れており、インクジェット方式で画像が形成された後に高温で乾燥される場合であっても、変色しにくい。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩が再現されやすい。また、これらの顔料を含む黄色色材を用いて得られるプリント物は、耐候性が優れる。
なお、C.I.Pigment Yellow 42以外の上記黄色色材は、C.I.Pigment Yellow 42と同様に金属被覆が施されたものであってもよい。本実施形態において、金属被覆に用いられる金属の種類は、黄色色材に耐熱性を付与し得る金属であればよく特に限定されない。また、本実施形態において用いられる金属は、各種金属単体、金属酸化物、金属の複合体、金属と金属化合物との複合体、金属合金等であってもよい。金属単体は、金、銀、銅、アルミニウム、白金、鉛、インジウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、スズ、亜鉛、チタン、コバルト、鉄の単体等が例示される。金属酸化物は、酸価インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、酸化アンチモンスズ、酸化亜鉛スズ、チタニア、三酸化二ニオブ、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、酸価セリウム等が例示される。これらの中でも、金属は、入手が容易であり、取り扱い易く、耐熱性の改善効果が得られやすい点から、アルミナであることが好ましい。
金属被覆の程度(たとえば被覆面積、被覆量等)は、付与すべき耐熱性等に応じて適宜調整され得る。たとえば、被覆面積に関して、金属被覆は、黄色色材の少なくとも一部の表面に対して施されていればよく、全面に対して施されることが好ましい。また、被覆量に関して、金属被覆は、黄色色材に対し、金属(たとえばアルミニウム)換算で0.1〜20.0質量%となるよう施され得る。金属被覆は、黄色色材の少なくとも一部の表面に対して施されていればよく、全面に対して施されることが好ましい。
黄色色材の表面に金属被覆を施す方法は特に限定されない。一例を挙げると、金属被覆は、黄色色材を含む懸濁液のpHを10以上または4以下に調整し、次いで、金属化合物(たとえばアルミニウム化合物)を添加、攪拌した後、pHを5〜9の範囲に調整する方法により実施し得る。
また、顔料は、インクセットの耐熱性および得られるプリント物の耐候性が低下しない程度に、黄色色材として、上記以外の他の顔料が含まれてもよい。そのような黄色色材としては、有機顔料は、C.I.Pigment Yellow 74、128、138、150、151、154、155、213などが例示され、無機顔料は、C.I.Pigment Yellow 42、184などが例示される。
黄色色材中、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つは、インク中に0.1質量%以上となるよう配合されることが好ましく、2質量%以上となるよう配合されることがより好ましい。
・黄色色材以外の色材
顔料は、黄色以外の色材として、各種顔料からなる色材を含んでもよい。このような顔料は、各種無機顔料または有機顔料が例示される。無機顔料は、酸化物類、複合酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類等が例示される。有機顔料は、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類等が例示される。これらは併用されてもよい。また、これらはいずれも上記と同様の金属被覆が適宜行われてもよい。
より具体的には、顔料は、赤色色材としてC.I.Pigment Red 101、232、233、235、236からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。これらの中でも、顔料は、耐熱性や発色性が優れる点から、赤色色材としてC.I.Pigment Red 101、232からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
赤色色材中、C.I.Pigment Red 101、232からなる群から選択される少なくともいずれか1つは、インク中に0.5質量%以上となるよう配合されることが好ましく、2質量%以上となるよう配合されることがより好ましい。
また、顔料は、青色色材としてC.I.Pigment Blue 28、36、36:1、72、73、74からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。これらの中でも、顔料は、耐熱性や発色性が優れる点から、青色色材としてC.I.Pigment Blue 28、36からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
青色色材中、C.I.Pigment Blue 28、36からなる群から選択される少なくともいずれか1つは、インク中に0.5質量%以上となるよう配合されることが好ましく、2質量%以上となるよう配合されることがより好ましい。
さらに、顔料は、耐熱性が優れる点から、黒色色材としてC.I.Pigment Black 7、11、26、27、28、29、31からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。これらの中でも、顔料は、耐熱性や発色性が優れる点から、黒色色材としてC.I.Pigment Black 7、26、27、28、29からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
黒色色材中、C.I.Pigment Black 7、26、27、28、29からなる群から選択される少なくともいずれか1つは、インク中に0.5質量%以上となるよう配合されることが好ましく、2質量%以上となるよう配合されることがより好ましい。
他の色材として、C.I.Pigment Red 101、232からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む赤色色材と、C.I.Pigment Blue 28、36からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む青色色材と、C.I.Pigment Black 7、26、27、28、29からなる群から選択される少なくともいずれか1つと含む黒色色材とが含まれる場合、得られるインクセットは、黄色色材のみでなく、赤色色材、青色色材および黒色色材に関しても耐熱性が優れる。そのため、得られるプリント物は、黄色系の色彩だけでなく、他の色彩に関しても変色しにくく、所望の色彩がより再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、より耐候性が優れる。
本実施形態のインクセットのそれぞれのインクに使用される顔料の平均粒子径は、110nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。また、顔料の平均粒子径は、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。顔料の平均粒子径が110nm未満である場合、乾燥時において高温に曝されることにより、顔料が変色しやすい傾向がある。一方、顔料の平均粒子径が400nmを超える場合、インクジェットプリント時におけるインクの吐出安定性が低下しやすい傾向がある。なお、本実施形態において、平均粒子径は、Malvern Instruments社製のゼータサイザーナノシリーズを用いて、動的光散乱法により測定され得る。
なお、本実施形態において、黄色色材以外の色材が含まれる場合、それぞれの色材を構成する顔料の平均粒子径は同程度であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、上記のとおり、黄色色材は、高温に曝されることにより変色しやすい。そのため、インクセットは、少なくとも黄色色材を構成する顔料の平均粒子径のみが上記範囲内に調整されていることが好ましく、黄色色材を構成する顔料に加えて、黄色色材以外のいくつかの色材(たとえば赤色色材)を構成する顔料の平均粒子径も上記範囲内となるよう調整されていることがより好ましい。
インクセットを構成するそれぞれのインク中における顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、顔料の含有量は、インクセットを構成する各種インク(たとえばイエローインク)中、0.5質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、顔料の含有量は、インク中、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が0.5質量%未満である場合、充分な着色が施されない傾向がある。一方、顔料の含有量が30質量%を超える場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、たとえば、インクの粘度の調整、得られるプリント物の硬度の調整や形状を制御するために含有される。
バインダー樹脂の種類は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、およびこれらの共重合樹脂等が例示される。バインダー樹脂は、膜強度、粘度、インクジェットインクの残部粘度、顔料の分散安定性、熱安定性、非着色性、耐水性、耐薬品性を考慮し、適宜選択され得る。バインダー樹脂は、併用されてもよい。
これらの中でも、バインダー樹脂は耐熱性および耐候性に優れているという観点から、フッ素樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂であることが好ましく、より耐熱性の優れたインクが得られ、かつ、得られるプリント物の耐候性がより優れる観点から、フッ素樹脂であることが好ましい。
・フッ素樹脂
フッ素樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、フッ素樹脂は、各種含フッ素モノマーと、ビニルモノマーとの共重合体であることが好ましい。また、フッ素樹脂は、ビニルモノマーの中でも、ビニルエーテルモノマーとの共重合体であることがより好ましい。さらに、フッ素樹脂は、後述するフルオロエチレンと、ビニルエーテルモノマーとの共重合体であることがより好ましい。
含フッ素モノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が例示される。これらの中でも、後述するビニルモノマーとの共重合体からなるフッ素樹脂を含むインクにより、優れた耐候性を示すプリント物が得られる点から、含フッ素モノマーは、フルオロエチレンであることが好ましく、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンであることがより好ましい。
ビニルモノマーは、非イオン性モノエチレン不飽和モノマー、二官能性ビニルモノマー等が例示される。非イオン性モノエチレン不飽和モノマーは、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル等が例示される。(メタ)アクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が例示される。二官能性ビニルモノマーは、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が例示される。
ビニルエーテルは、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が例示される。
含フッ素モノマーと、ビニルモノマーとの共重合割合は特に限定されない。一例を挙げると、共重合割合は、含フッ素モノマー:ビニルモノマー=3〜1:1〜2(重量比)である。共重合割合がこのような範囲内である場合、このようなフッ素樹脂を含むインクを含むインクセットを用いることにより得られるプリント物は、優れた耐候性を示しやすい。なお、重合方法は特に限定されない。一例を挙げると、重合方法は、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等である。
得られるフッ素樹脂は、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。これらの中でも、フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの交互共重合体であることが好ましい。このようなフッ素樹脂を含むインクを含むインクセットによれば、耐候性がさらに優れるプリント物が得られやすい。そのため、このようなインクセットが用いられることにより、得られるプリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩が保持され得る。なお、本実施形態において、「交互共重合体」とは、フルオロエチレン単位と、ビニルモノマー単位との結合が、フルオロエチレン単位とフルオロエチレン単位との結合、および、ビニルモノマー単位とビニルモノマー単位との結合の合計よりも、はるかに多く含まれる共重合体を意味する。具体的には、本実施形態の交互共重合体は、フルオロエチレン単位と、ビニルモノマー単位との結合を、90〜100モル%含むことが好ましい。なお、本実施形態において、交互共重合体は、少数のランダム結合部分やブロック結合部分を含んでいてもよい。また、上記結合は、たとえば1H NMR測定および29Si NMR測定等により区別し得る。また、交互共重合性の分析方法については、たとえば、Journal of Applied Polymer Science, Vol. 106, 1007-1013 (2007)等を参照し得る。
フッ素樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されない。一例を挙げると、Mwは、5000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましい。Mwは、50000以下であることが好ましく、40000以下であることがより好ましい。Mwが上記範囲内である場合、フッ素樹脂は、溶剤に溶解しやすい。また、得られるインクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。Mwが5000未満である場合、得られるプリント物は、ベタツキが生じやすく、ブロッキング防止性が低下する傾向がある。一方、Mwが50000を超える場合、フッ素樹脂の溶解性が低下したり、インクジェットプリント時におけるインクの吐出安定性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、Mwおよび後述する数平均分子量(Mn)は、たとえばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値であり、高速GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用いて測定し得る。
・アクリル樹脂
アクリル樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル樹脂は、アクリル酸エステル(アクリレート)またはメタクリル酸エステル(メタクリレート)の重合体が例示される。より具体的には、アクリル樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ基含有アクリル酸エステル類;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ基含有メタクリル酸エステル類などの重合体が例示される。これらは併用されてもよい。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されない。一例を挙げると、Mwは、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。Mwは、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましい。Mwが上記範囲内である場合、このようなアクリル樹脂を含むインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。
・塩化ビニル樹脂
塩化ビニル樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルと、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、マレイン酸、ビニルアルコール等の他のモノマーとの共重合体等が例示される。これらの中でも、塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルおよび酢酸ビニルに由来する構成単位を含む共重合体(塩酢ビ共重合体)であることが好ましい。
塩酢ビ共重合体は、たとえば懸濁重合によって得ることができる。塩酢ビ共重合体は、塩化ビニル単位を70〜90質量%含有することが好ましい。上記範囲であれば、塩酢ビ共重合体は、インク中に安定して溶解するため長期の保存安定性が優れる。また、得られるインクは、吐出安定性が優れる。
塩酢ビ共重合体は、塩化ビニル単位および酢酸ビニル単位のほかに、必要に応じて、その他の構成単位を備えていてもよい。一例を挙げると、その他の構成単位は、カルボン酸単位、ビニルアルコール単位、ヒドロキシアルキルアクリレート単位等が例示される。これらの中でも、その他の構成単位は、ビニルアルコール単位であることが好ましい。
塩化ビニル樹脂の数平均分子量(Mn)は特に限定されない。一例を挙げると、塩化ビニル樹脂のMnは、10000以上であることが好ましく、12000以上であることがより好ましい。また、Mnは、50000以下であることが好ましく、42000以下であることがより好ましい。なお、Mnは、GPCによって測定することが可能であり、ポリスチレン換算とした相対値として求めることができる。
・シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、シリコーン樹脂は、メチル系ストレートシリコーンレジン(ポリジメチルシロキサン)、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン(メチル基の一部をフェニル基に置換したポリジメチルシロキサン)、アクリル樹脂変性シリコーンレジン、ポリエステル樹脂変性シリコーンレジン、エポキシ樹脂変性シリコーンレジン、アルキッド樹脂変性シリコーンレジンおよびゴム系のシリコーンレジン等が例示される。これらは併用されてもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂は、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、アクリル樹脂変性シリコーンレジンが好ましい。
シリコーン樹脂は、有機溶媒等に溶解されたものであってもよい。有機溶媒は、キシレン、トルエン等が例示される。
シリコーン樹脂の数平均分子量(Mn)は特に限定されない。一例を挙げると、シリコーン樹脂のMnは、10000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましい。また、Mnは、5000000以下であることが好ましく、3000000以下であることがより好ましい。なお、Mnは、GPCによって測定することが可能であり、ポリスチレン換算とした相対値として求めることができる。
バインダー樹脂全体の説明に戻り、バインダー樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂は、固形分換算で、インクセットを構成するインク中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、バインダー樹脂は、インク中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量が1質量%未満である場合、バインダーとしての所望の性能が得られにくく、基材への密着性などが低下する傾向がある。一方、バインダー樹脂の含有量が40質量%を超える場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
中でも、バインダー樹脂としてフッ素樹脂が含まれる場合には、フッ素樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、固形分換算で、フッ素樹脂は、インクセットを構成するインク中、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、フッ素樹脂は、インク中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。フッ素樹脂の含有量が2質量%以上である場合、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる傾向がある。一方、フッ素樹脂の含有量が40質量%を超える場合、インクセットを構成するインクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
(分散剤)
分散剤は、顔料を分散させるために含有される。分散剤は特に限定されない。一例を挙げると、分散剤は、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子分散剤等が例示される。これらは併用されてもよい。
アニオン系界面活性剤は、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩およびこれらの置換誘導体等が例示される。
ノニオン系界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーおよびこれらの置換誘導体等が例示される。
高分子分散剤は、酸価と塩基価を両方持ち、かつ、酸価が塩基価より大きいものが、より安定な分散特性が得られる観点から好ましい。一例を挙げると、高分子分散剤は、味の素ファインテクノ(株)製のPBシリーズ、川研ファインケミカル(株)製のヒノアクトシリーズ、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパースシリーズ、楠本化成(株)製のDISPARLONシリーズ、BASFジャパン(株)製のEfka(登録商標)シリーズ等が例示される。
これらの中でも、本実施形態の分散剤は、塩基価が50mgKOH/g以下であるものが好ましく、40mgKOH/g以下であるものがより好ましい。分散剤の塩基価が50mgKOH/g以下である場合、分散剤は、インクジェット方式で画像が形成された後に高温で乾燥される場合であっても、変色しにくい。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩がより再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、より耐候性が優れる。なお、本実施形態において、塩基価は、試料1g中に含まれる塩基性成分を中和するのに要する塩酸または過塩素酸と当量の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数を表し、JIS K 2501記載の電位差滴定法により算出することができる。
分散剤の含有量は、分散すべき顔料の種類および含有量によって適宜決定される。一例を挙げると、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、150質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましい。分散剤の含有量が5質量部未満である場合、顔料が分散されにくい傾向がある。一方、分散剤の含有量が150質量部を超える場合、原料コストが上がったり、顔料の分散が阻害される傾向がある。
(溶剤)
溶剤は、インクセットを構成するインクにおいて、バインダー樹脂を溶解するための液体成分である。溶剤の種類は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、水、グリコールエーテル系溶剤、アセテート系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、芳香族系溶剤等である。これらは併用されてもよい。本実施形態の溶剤は、これらの中でも、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤は、いずれも低粘度であり、かつ、比較的沸点が高い。そのため、これらを溶剤として含むインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。
グリコールエーテル系溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が例示される。
アセテート系溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−エトキシブチルアセテート、3−メチル−3−プロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−イソプロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−n−ブトキシエチルアセテート、3−メチル−3−イソブトキシシブチルアセテート、3−メチル−3−sec−ブトキシシブチルアセテート、3−メチル−3−tert−ブトキシシブチルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート等が例示される。
本実施形態の溶剤は、沸点が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。また、溶剤は、沸点が300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましい。沸点が上記範囲内である場合、得られるインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。また、インクによれば、滲みの少ない鮮明なプリント物が形成されやすい。溶剤の沸点が150℃未満である場合、インクがヘッドノズル付近で乾燥しやすくなり、吐出安定性が低下する傾向がある。一方、溶剤の沸点が300℃を超える場合、インクは乾燥しにくくなり、プリント物の形成時における乾燥工程に時間がかかりやすい。また、得られるプリント物は、画像が滲みやすい。
溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、インクセットを構成するインク中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、溶剤は、インク中、99質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。溶剤の含有量が50質量%未満である場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。一方、溶剤の含有量が99質量%を超える場合、インク中に添加できるバインダー樹脂の割合が低くなり、所望の性能が得られにくい傾向がある。
(任意成分)
本実施形態のインクセットを構成するインクは、上記した成分のほかに、適宜任意成分が含有されてもよい。任意成分は、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、浸透剤、還元防止剤、レベリング剤、pH調整剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤および光安定剤等が例示される。
インクセット全体の説明に戻り、インクセットを構成するインクの粘度は特に限定されない。インクの粘度は、30℃において、5mPa・s以上であることが好ましく、6mPa・s以上であることがより好ましい。また、インクの粘度は、30℃において、30mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましい。粘度が上記範囲内である場合、インクは、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。粘度が5mPa・s未満である場合、インクは、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。一方、粘度が30mPa・sを超える場合、インクは、ヘッドノズルからインクを上手く吐出させることができず、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。なお、本実施形態において、粘度は、B型粘度計(東機産業(株)製、TVB−20LT)を用いて測定することができる。
なお、粘度を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、粘度は、使用するバインダー樹脂の添加量や使用する溶剤の種類や添加量で調整され得る。粘度は、必要に応じて増粘剤等の粘度調整剤を使用して調整されてもよい。
インクセットを構成するインクの表面張力は特に限定されない。インクの表面張力は、25℃において、20dyne/cm以上であることが好ましく、22dyne/cm以上であることがより好ましい。また、インクの表面張力は、25℃において、40dyne/cm以下であることが好ましく、38dyne/cm以下であることがより好ましい。表面張力が上記範囲内である場合、インクは、吐出安定性が優れる。表面張力が20dyne/cm未満である場合、インクは、濡れ性が良くなり過ぎて、滲みやすくなる傾向がある。一方、表面張力が40dyne/cmを超える場合、基材表面においてインクが弾かれやすく、得られるプリント物は、不鮮明になる傾向がある。なお、本実施形態において、表面張力は、静的表面張力計(プレート法)(協和界面科学(株)製、CBVP−A3)を用いて測定することができる。
なお、表面張力を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、表面張力は、アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の表面調整剤を添加することにより調整され得る。
本実施形態のインクセットを構成するインクを調製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、インクは、使用する材料を混合し、さらにその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミルまたはビーズミルなどの分散機を使って分散させ、その後、濾過を行うことで調製し得る。
以上、本実施形態のインクセットは、黄色色材としてC.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。このような黄色色材は、耐熱性が優れており、インクジェット方式で画像が形成された後に高温で乾燥される場合であっても、変色しにくい。そのため、得られるプリント物は、所望の色彩が再現されやすい。また、このようなインクセットを用いて形成されたプリント物は、耐候性が優れる。
<プリント物の製造方法>
本発明の一実施形態のプリント物の製造方法は、上記したインクセットを用いて、インクジェット方式により基材に付与する印刷工程と、基材を乾燥させる乾燥工程とを主に含む。乾燥の結果、画像が形成されたプリント物が作製される。
インクジェット記録方式によりインクセットを構成するインクを基材に付与する方式は特に限定されない。このような方式は、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式等の連続方式、ピエゾ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式等のオン・デマンド方式等が例示される。
本実施形態のプリント物の製造方法によれば、上記した特定の黄色色材を含む顔料を含むインクセットが使用される。このような黄色色材は、耐熱性が優れており、乾燥工程において高温に曝される場合であっても、変色しにくい。
インクが付与される基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、鋼板、アルミ、ステンレス等の金属板、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル等のプラスチック板またはフィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラス等である。これらの基材は、プリント前に、前処理剤により処理されることが好ましい。前処理剤は、フッ素系塗料、シリコーン系塗料、アクリルシリコン系塗料、アクリル系塗料、エポキシ系塗料、ウレタン系塗料等が例示される。これら前処理剤を基材に付与する方法は、スプレー法、ロールコーター法、カーテンフローコーター法、ハケ塗り法、ヘラ塗り法、浸漬法、インクジェット法等が例示される。また、基材は、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維やアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維等またはこれらの複合繊維からなる布帛等であってもよい。これらは、用途に応じて適宜選定され得る。基材が布帛である場合、布帛は、プリント前に、前処理剤により処理されることが好ましい。前処理剤は、水溶性ポリマー、非水溶性不活性有機化合物、難燃剤、紫外線吸収剤、還元防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、ヒドロトロープ剤、消泡剤、浸透剤、ミクロポーラス形成剤等が例示される。これら前処理剤を布帛に付与する方法は、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法等が例示される。
インクが付与された基材は、次いで、乾燥される。乾燥条件は特に限定されない。一例を挙げると、乾燥温度は、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、乾燥温度は、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましく、300℃以下であることがさらに好ましい。乾燥時間は、1分以上であることが好ましく、2分以上であることがより好ましく、3分以上であることがさらに好ましい。また、乾燥時間は、60分以下であることが好ましく、30分以下であることがより好ましく、10分以下であることがさらに好ましい。このような乾燥により、インク中の顔料が変色等を起こしにくく、かつ、溶剤が取り除かれ得る。乾燥は、インクの滲みを防止するために、インクが基材に付与された同時もしくは直後に行われることが好ましい。
得られるプリント物は、基材と、基材上に形成された印刷層とが形成されたプリント物である。印刷層は、顔料と、バインダー樹脂と、分散剤とが含まれており、顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含んでいる。このようなプリント物は、上記した黄色色材を含むインクセットが使用されているため、耐熱性が優れる。また、得られるプリント物は、耐候性が優れており、長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。さらに、本実施形態のプリント物の製造方法によれば、耐熱性の高い黄色色材が使用され得るため、溶剤として高沸点の溶剤が使用され得る。その結果、インクジェット装置のノズルの乾燥が防がれ、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
使用した原料を以下に示す。
(顔料)
黄色色材1:C.I.Pigment Brown 24(NF−5480 日研(株)製)
黄色色材2:C.I.Pigment Yellow 48(42−557A 東罐マテリアル・テクノロジー(株)製)
黄色色材3:C.I.Pigment Yellow 53(NF−5850 日研(株)製)
黄色色材4:C.I.Pigment Yellow 119(NF−6800 日研(株)製)
黄色色材5:C.I.Pigment Yellow 161(42−542A 東罐マテリアル・テクノロジー(株)製)
黄色色材6:C.I.Pigment Yellow 189(42−540A 東罐マテリアル・テクノロジー(株)製)
黄色色材7:アルミナが被覆されたC.I.Pigment Yellow 42(TSY−1H、戸田工業(株)製)
黄色色材8:C.I.Pigment Yellow 42(TSY−1 戸田工業(株)製)
黄色色材9:C.I.Pigment Yellow 184(SicopalL1100 BASFジャパン(株)製)
赤色色材1:C.I.Pigment Red 101(160ED 戸田工業(株)製)
赤色色材2:C.I.Pigment Red 232(GC−25 日研(株)製)
青色色材1:C.I.Pigment Blue 28(NF−2800 日研(株)製)
青色色材2:C.I.Pigment Blue 36(NF−2500 日研(株)製)
黒色色材1:C.I.Pigment Black 7(NIPEX35 エボニック ジャパン(株)製)
黒色色材2:C.I.Pigment Black 26(NF−100 日研(株)製)
黒色色材3:C.I.Pigment Black 27(NF−710 日研(株)製)
黒色色材4:C.I.Pigment Black 28(NF−800 日研(株)製)
黒色色材5:C.I.Pigment Black 29(NF−100 日研(株)製)
(バインダー樹脂)
フッ素樹脂:LF−200F:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、Mw:20000
アクリル樹脂:BR−105:三菱レイヨン(株)製、Mw:50000
(分散剤)
ソルスパース33000:高分子分散剤、塩基価41.6mgKOH/g、日本ルーブリゾール(株)製
ソルスパース36000:高分子分散剤、塩基価0mgKOH/g、日本ルーブリゾール(株)製
(溶剤)
MTEM:テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:275℃、東邦化学工業(株)製
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:189℃、日本乳化剤(株)製
<分散体の調製>
分散体の調製方法を以下に示す。
(イエローインクY1)
10質量部の黄色色材1と、12質量部のバインダー樹脂(LF−200F)と、2質量部の分散剤(ソルスパース33000)と、12質量部の溶剤(MTEM)および64質量部の溶剤(DEDG)とを、ミキサーにて混合、ろ過することにより、イエローインクY1を調製した。得られたインク中に分散した顔料(黄色色材)の平均粒子径は240nmであった。
(イエローインクY2〜Y12、マゼンタインクR1〜R2、シアンインクB1〜B3、ブラックインクBk1〜Bk5)
表1に記載の成分および配合量に変更し、適宜混合条件を調整することにより平均粒子径を調整した以外は、イエローインクY1と同様に、イエローインクY2〜Y12、マゼンタインクR1〜R2、シアンインクB1〜B3、ブラックインクBk1〜Bk5を調製した。
Figure 2018080263
物性値の測定方法を以下に示す。
(平均粒子径)
作製したインクをシクロヘキサノンで10000倍に希釈し、Malvern Instruments社製のゼータサイザーナノSを用いて、動的光散乱法により平均粒子径を測定した。
(塩基価)
分散剤1g中に含まれる塩基性成分を中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数を表し、JIS K 2501記載の電位差滴定法という方法により測定した。
(Mw、Mn)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値であり、本実施例においては高速GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用いて測定した。
(実施例1〜17、比較例1〜2)
以下の表2に示されるそれぞれのインクの組み合わせに従って、インクセットを作製した。得られたインクセットを用いて、以下のインクジェット条件にて基材(クロメート処理されたアルミ鋼板に、フッ素塗料(ボンフロン(登録商標)#1000SR上塗り、AGCコーテック(株))を、エアスプレーを用いて150g/m2(ウェット塗布量)となるよう塗布し、その後200℃環境下で3分間乾燥を行ったもの)に対し、インクジェットプリントを行った。得られたインクジェット画像に対し、以下の乾燥条件にて乾燥処理を行い、プリント物を作製した。
Figure 2018080263
<インクジェット条件>
インクジェット記録装置:ピエゾ方式
ノズル径:40μm
インク液滴サイズ:30pl
駆動電圧:70V
周波数:12kHz
解像度:400×800dpi
基材温度:60℃(加温)
印刷柄:各単色ベタ柄
<乾燥条件>
加熱乾燥(240℃環境下、3分間)
実施例1〜17および比較例1〜2により得られたインクセットおよびプリント物について、以下の評価方法および評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。なお、用いたインクそれぞれに関しても以下の評価方法および評価基準に基づいてインクおよびプリント物の物性を評価した。結果を表1に示す。
<耐熱性>
プリント物に対して、240℃環境下で3分間加熱した後の色差を測定した。(色差測定方法)
後述する耐光性試験において実施するプリント物の超促進耐候試験を行う前と、試験を行った後のΔEを色差とした。色差は分光測色計(コニカミノルタ(株)製、CM−3700)を用いて、測定した。
(評価基準)
○:色差がΔE≦2であった
△:色差が2<ΔE≦3であった
×:色差がΔE>3であった
<耐候性>
プリント物に対して、スーパーUVテスター(岩崎電気(株)製、SUV−W161)を用いて、超促進耐候試験として紫外線照射6時間(UV条件100mW/cm2、温度63℃、湿度50%)実施後、次いでシャワー30秒の後、なりゆきで結露2時間実施を1サイクルとし、合計600時間実施した後の色差を測定した。
(色差測定方法)
プリント物の超促進耐候試験前に対する試験後のΔEを色差とした。色差は分光測色計(コニカミノルタ(株)製、CM−3700)を用いて、測定した。
(評価基準)
○:色差がΔE≦3であった
△:色差が3<ΔE≦5であった
×:色差がΔE>5であった
<吐出安定性>
60分間連続で吐出した際と、吐出後に静置した後のノズルの詰まりを確認した。
(評価基準)
○:ノズルの詰まりが発生しなかった
△:連続吐出時または10分静置後にノズルの詰まりが発生しなかった
×:連続吐出時および10分静置後にノズルの詰まりが発生した
表2に示されるように、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189のいずれかを含む黄色色材を用いた実施例1〜17のインクセットは、吐出安定性が優れており、かつ、これらを用いて得られたプリント物は、いずれも耐熱性、耐候性が優れていた。
一方、上記以外の黄色色材を用いた比較例1のインクセットは、耐熱性および耐候性が劣った。また、イエローインクY12は、耐熱性が劣った(表1参照)。そのため、このようなイエローインクY12を含む比較例2のインクセットは、他の色材に関しては耐熱性の良好なものを用いたにもかかわらず、耐熱性がそれほど良好ではなかった。

Claims (7)

  1. 顔料と、バインダー樹脂と、分散剤と、溶剤とを含み、
    前記顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、インクジェットインクセット。
  2. 前記黄色色材は、平均粒子径が110〜400nmである、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  3. 前記顔料は、
    赤色色材としてC.I.Pigment Red 101、232からなる群から選択される少なくともいずれか1つと、
    青色色材としてC.I.Pigment Blue 28、36からなる群から選択される少なくともいずれか1つと、
    黒色色材としてC.I.Pigment Black 7、26、27、28、29からなる群から選択される少なくともいずれか1つとを含む、請求項1または2記載のインクジェットインクセット。
  4. 前記分散剤は、塩基価が50mgKOH/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
  5. 前記バインダー樹脂は、フッ素樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインクセットを用いて、インクジェット方式により基材に付与する印刷工程と、
    前記基材を乾燥させる乾燥工程とを含む、プリント物の製造方法。
  7. 基材と、前記基材上に形成された印刷層とを含み、
    前記印刷層は、顔料と、バインダー樹脂と、分散剤とを含み、
    前記顔料は、黄色色材として、C.I.Pigment Brown 24、金属被覆されたC.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 48、53、119、161、189からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、プリント物。
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