JP2018076873A5 - 内燃機関用のライナー - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関用のライナーに関する。
より具体的には、本発明は、内燃機関用のライナー又は類似形状の対象物の処理に関し、摩擦損失を減少させることを目的とする。本発明は、特に自動車分野への有利な用途を見出すが、それに限定されるものではない。
ほとんどの金属の摩擦係数を低減するためにリングにおけるDLC(ダイヤモンド状炭素)タイプのコーティングの使用が完全に当業者に知られている。このようなものは、例えば、摩擦が約30から40%のエンジン損失を生成し得る内燃機関のリング、ピストン、ライナーアセンブリに当て嵌まる。
運動学的見地から、リングがライナーより大きい摩耗に晒されることが思い起こされるべきである。実際に、リングの点は、ピストンの回帰周期においてライナーに対して永久的に接触する一方で、ライナーの点は、短時間にわたってリングに接触する。
実際に、ライナーの摩耗が受け入れ可能でなくなる以外に、DLC層の大きな厚さによってリングに大きな粗さが生成され、堆積後に修正される必要が生じる。リングがDLCコーティングに不利に影響を与え得る高温に達することも見られ得る。
示されるように、ライナーの場合において摩耗がより小さくなるので、それは、摩耗を低下させることを試みるためにライナーの内部表面のレベルにおいて作用するように提供され得る。
この目的のために、従来技術の教示によれば、エンジンライナーは、考慮される機械的な接触部に潤滑剤を維持する機能を有する中空パターンを生成することを含む最終的な動作を経る。このような最終的な動作は、“ホーニング仕上げ”と称され、直接的にライナーに適用されるか、ライナーの内側に付けられた厚いコーティングに適用される。例えば、このタイプの解決方法は、熱投射によって形成された厚い堆積物でその内側が覆われ、次いでホーニング仕上げ段階に晒されるライナーに関する欧州特許第0716151号の教示から明らかであり、それは、10μmの堆積厚さまで除去する。
従って、ライナーのレベルにおける摩擦を低下し、ジャミングリスクを制限することを試みるために使用される解決方法が全て、例えばリング及びライナーの間における考慮される機械的接触部に潤滑剤を維持するために隆起した領域を生成することが必要なホーニング仕上げ段階を必要とすることは従来技術から明らかである。
このような解決方法は、ライナー壁に大量のオイルを必要とする。電力の一部が膜剪断において損失する。
本発明が解決しようとする課題は、ライナー壁のオイルの量を最小化し、油膜剪断において損失する力を低下させるためにライナー内のホーニング仕上げを抑えることである。
これらの特徴は、例えば研磨され、DLCでコーティングされた、全体的に滑らかなライナーの使用が、ライナーに対するピストンリングの摩擦による損失を大幅に低下させ、間接的にエンジンのCO2排出を低下させることをもたらす。低粗度の使用もリング摩耗を低下させることができ、従って、エンジンの寿命中に高性能のレベルを維持することができる(圧縮又はオイル消費率)。最後に、ライナーの内側のDLCコーティングの使用は、最終的なホーニング仕上げ段階及びそれによってもたらされる欠点を排除することができる。
堆積前のライナー表面の粗度Raは、0.06μm未満であり、有利には0.04μm未満である。
エンジンライナーは、低粗度を得るために研磨作用に晒されることができる金属タイプの材料で作られる。限定的ではないが、ライナーは、アルミニウム合金、鋼、ステンレス鋼等で作られる。
前記ライナーがその直径より大きい長さを有するとき、特別に適応された方法、又は、前記ライナーの長さがその直径の大きさ未満又はその直径の大きさ程度であるとき、より一般的な方法を実施することによって、DLCコーティングは、ライナーの内側に付けられる。例えば、DLCコーティングは、周知の方式でイオンエッチング段階及び実際の堆積に相当する段階を含む真空堆積技術を用いてライナーの内側に付けられる。
イオンエッチングは、巨大イオンを用いてスパッタリングすることを含む。表面原子は放出され、それによって堆積物の付着に不利に影響する表面酸化物が除去される。表面酸化物のエッチングは、表面状態に何らの修正ももたらさない。堆積は、DLCコーティングを形成するために部品の表面に凝結するアセチレン、メタン等の炭化水素を割ることを含む。DLCの結合を可能にするために、ライナーを形成する材料に結合する堆積部を形成し、DLCがそこに結合することを可能にする副層が予め使用される。この副層は、PVD技術又はPACVD技術を用いて堆積され得る。ライナー又はその等価物の内側の処理に関連する困難性は、プラズマの均一性及び得られる処理に関係する。プラズマは、ライナーの分極によって、又はその形状、すなわちその直径に対するその長さに従って、ライナーの内側又は外側に配置される補助的なプラズマ源から生成され得る。
本発明は、本発明の特徴に従って完全に研磨されたライナーの内側及び従来技術によるホーニング仕上げ動作を経るライナーの内側にDLCコーティングを付けることを考慮して、種々の実施例及び実施形態を用いて以下にさらに検討される。
第1の実施形態において、72mmの直径及び150mmの長さを有する2つの鋼のエンジンライナーは、DLCでコーティングされている。ライナーの一方の内部表面は、Raが0.02μm未満になるように、本発明に従って化学機械的研磨タイプの技術によって予め研磨されている。第2のエンジンライナーは、従来技術に従って行われるようなホーニング仕上げ動作に晒されている。この第2のライナーのRaは、0.25μmであり、それは、負のRSkを有する。負のRSk値は、ホーニング仕上げ溝の存在を示す。
洗浄後、ライナーは、真空容器に配置されている。ポンピング中、真空チャンバー及びライナーは、200℃において放射加熱によって通常脱気される。真空が1×10−5mbar程度の圧力に達したとき、アルゴンは、1Paの圧力を得るように真空チャンバーに導入され、ライナーは、イオンエッチングを行うために−500Vの高い負の値に設定され、コーティングの結合を促進するために鋼を覆う自然酸化物を除去することができる。エッチング後、ライナーの内側に配される、30mmの直径を有する円筒型マグネトロンカソードを用いて、各々のライナーの内側でタングステンカーバードタイプの堆積が行われている。この堆積に使用されるターゲットは、タングステンカーバイドで作られる。カソードに適用される出力密度は、5W/cm2程度である。タングステンカーバイド堆積中、堆積物の構造がタングステンカーバイドからタングステンを含む非晶質炭素マトリクスに変化するように、アセチレンが、増加する流量で導入されている。最後に、DLCタイプのカーボン層は、アセチレン雰囲気において0.9Paの圧力でその部分を−450Vの電圧までもっていくことによって堆積される。
これらの操作は、HF1からHF3で示されるロックウェル押し込みによる結合で特徴付けられる、各ライナーの内側にあるDLCタイプの堆積物をもたらす。カロテストによって決定される堆積物の厚さは、副層が0.7μmの厚さを有し、DLCが2.5μmの厚さを有することを示す。
第2の承認された実施形態において、72mmの直径及び150mmの長さを有する2つの鋼のエンジンライナーは、DLCがコーティングされている。本発明による第1のライナーの内部表面は、バフ研磨タイプの技術によって予め研磨され、Raが0.04μm未満になるように、研磨剤ペーストが浸透された織物のディスクがライナーの内側で回転する。第2のエンジンライナーは、従来技術に従って行われるようなホーニング仕上げ動作に晒され、そのRaは、0.25μmである。
洗浄後、ライナーは、真空容器に配置されている。ポンピング中、真空チャンバー及びライナーは、200℃において放射加熱によって通常脱気される。真空が1×10−5mbar程度の圧力に達したとき、アルゴンは、1Paの圧力を得るように真空チャンバーに導入され、ライナーは、イオンエッチングを行うために−500Vの高い負の値に設定され、コーティングの結合を促進するために鋼を覆う自然酸化物を除去することができる。エッチング後、ライナーの内側に配される、30mmの直径を有する円筒型マグネトロンカソードを用いて、各々のライナーの内側でタングステンカーバイドタイプの堆積が行われている。この実施例において、円筒型のマグネトロンカソードは、炭化クロムで被覆され、5W/cm2の出力密度がターゲットに適用される。炭化クロムの堆積中、堆積物の構造が炭化クロムからクロムを含む非晶質炭素マトリクスに変化するように、アセチレンが、増加する流量で導入されている。最後に、DLCタイプのカーボン層は、アセチレン雰囲気において0.9Paの圧力でその部分を−450Vの電圧までもっていくことによって堆積される。
これらの操作は、HF1からHF3で示されるロックウェル押し込みによる結合で特徴付けられる、各ライナーの内側にあるDLCタイプの堆積物をもたらす。カロテストによって決定される堆積物の厚さは、副層が0.8μmの厚さを有し、DLCが2.7μmの厚さを有することを示す。
第3の承認された実施形態において、86mmの直径及び150mmの長さを有する2つの鋼のエンジンライナーは、DLCがコーティングされている。第1のライナーの内部表面は、Raが0.03μm未満になるように、電解析出タイプの技術によって予め研磨されている。第2のエンジンライナーは、従来技術に従って行われるようなホーニング仕上げ動作に晒され、それは、0.25μmのRaを与える。
これらの操作は、HF1からHF3で示されるロックウェル押し込みによる結合で特徴付けられる、各ライナーの内側にあるDLCタイプの堆積物をもたらす。カロテストによって決定される堆積物の厚さは、副層が0.8μmの厚さを有し、DLCが2.7μmの厚さを有することを示す。
第4の承認された実施形態において、92mmの内径及び88mmの長さを有する2つの鋼のエンジンライナーは、DLCがコーティングされている。第1のライナーの内部表面は、0.03μm未満の粗度さを与えるように織物研磨にさらされている。その内径に対するライナーの長さによって、より一般的な堆積技術を使用することが可能になる。すなわちプラズマ源をライナーの外側に配置することである。第2のエンジンライナーは、従来技術に従って行われるようなホーニング仕上げ動作に晒され、そのRaは、0.25μmである。
これらのライナーが洗浄された後、それらは、惑星運動に従って装置の内側でライナーがそれ自体回転することを可能にする機械的なアセンブリに位置合わせされ、それは、処理がライナーの二端から浸透することを可能にする。200℃における加熱による真空装置の脱気後に、ライナーは、0.3Paの圧力でアルゴン雰囲気中においてエッチングされる。エッチングは、装置の壁部に対してライナーを−150Vまでもっていくことによって行われる。アルゴンプラズマは、350Wの出力において、ECRマイクロ波システムで生成される。エッチングに続いて、そこに適用される5W/cm2の出力密度を有するクロムターゲットを備えた平面型マグネトロンカソードで形成される、0.1から0.2μmの範囲の厚さを有する薄いクロム層の堆積が行われる。次いで、タングステンカーバイド層は、1.5μmの厚さを得るために平面型マグネトロンカソードのスパッタリングによって形成される。これを実現するために、第2のカソードは、そこに適用される5W/cm2の出力密度を有するタングステンカーバイドターゲットを備える。次いで、アセチレンは、DLCと結合することができる層を得るために、増加する流量で導入されている。最後に、DLCは、2.2μmの厚さを得るように、アセチレン雰囲気において1Paの圧力でそのライナーを−500Vまで分極することによって堆積される。
これらの操作は、HF1からHF2で示されるロックウェル押し込みによる結合で特徴付けられる、ライナーの内側にあるDLCタイプの堆積物をもたらす。カロテストによって決定される堆積物の厚さは、副層が1.7μm(0.2+1.5)の厚さを有し、DLCが2.2μmの厚さを有することを示す。
第5の実施形態において、自動車競技用の、92mmの直径及び80mmの長さを有する2つの鋼のエンジンライナーは、DLCがコーティングされている。ライナーの一方の内部表面は、Raが0.06μm未満であるように、化学機械的研磨タイプの技術によって予め研磨されている。第2のエンジンライナーは、従来技術に従って行われるようなホーニング仕上げ動作に晒され、そのRaは、0.25μmである。
洗浄後、ライナーは、真空容器に配置されている。ポンピング中、真空チャンバー及びライナーは、200℃において放射加熱によって通常脱気される。真空が1×10−5mbar程度の圧力に達したとき、アルゴンは、0.3Paの圧力を得るように真空チャンバーに導入され、ライナーは、イオンエッチングを行うために装置の壁に位置合わせされるマイクロ波源によって生成されるプラズマ中で−150Vの高い負の値に設定され、コーティングの結合を促進するために鋼を覆う自然酸化物を除去することができる。この処理にわたって、ライナーは、種々のプラズマ源に晒されるように惑星運動に従って装置に位置する。エッチング後、堆積装置の壁の平面型マグネトロンカソードを用いることによって、タングステンカーバイドタイプの堆積がライナーの内側に行われている。平面的なターゲットは、タングステンカーバイドで形成され、5W/cm2の出力密度が堆積を行うために適用される。タングステンカーバイドの堆積中、堆積物の構造がタングステンカーバイドからタングステンを含む非晶質炭素マトリクスに変化するように、アセチレンが、増加する流量で導入されている。最後に、DLCタイプのカーボン層は、アセチレン雰囲気において0.4Paの圧力でその部分を−380Vの電圧までもっていくことによって堆積される。プラズマは、装置壁に位置するマイクロ波源によって生成される。
これらの操作は、HF1からHF2で示されるロックウェル押し込みによる結合で特徴付けられる、各ライナーの内側にあるDLCタイプの堆積物をもたらす。カロテストによって決定される堆積物の厚さは、副層が1.7μmの厚さを有し、DLCが2.5μmの厚さを有することを示す。
種々の処理の後、10mmの幅のストリップは、コーティングを摩擦学的に特徴づけるためにライナーの長さに従って切断されている。
これらの試験に関して、交流線形摩擦計が使用されている。CrN堆積物又はDLCコーティングによってコーティングされた鋼ボールは、種々のライナー部分の摩擦試験を行うために使用されている。堆積物の厚さが、リング上に堆積される層の代表的な15μmであることを除いて、ボールは、PVD(マグネトロンカソードスパッタリング)によってCrNで通常コーティングされている。同様に、DLCコーティングを有する鋼ボールのコーティングは、1μmの厚さを有する純粋なCrのPVD副層、及びそれに続いて、鋼表面から引き離されるので、漸進的に炭素リッチである3μmの厚さを有するタングステンカーバイドを含むPVD層を含む。最後に、DLC層は、PECVDによって形成されており、その厚さは6μmであり、10μmの総コーティング厚を与える。0.02μmの初期Raを有する、研磨された平面的な参照部材は、ボールに対して同時にDLCでコーティングされている。堆積後、この平面的な参照部材の粗度は、0.08μmになる。この粗度は、コーティング厚さによってもたらされる。
5−N負荷がボールに適用され、それは、540MPaの初期平均接触圧力をもたらす。ボールは、ライナー部分に対して平均速度35mm/sの交互のスライド動作を有する。この速度は、カムによって得られる正弦曲線則に従って変化する。移動長さは、10mmである。これらの試験において、SAE5W30タイプのエンジンオイルの滴が接触部に導入される。この試験は、110℃において行われる。15000回転後に、ボールの摩耗及びライナー部分の摩耗に加えて摩擦係数が計られる。ボールの摩擦は、摩擦マークの直径の測定によって定量化される一方で、ライナーの部分の摩耗は、摩擦マークにわたって形状測定器によって定量化される。選択されるパラメータは全て、限定的な負荷において動作することを可能にするものであり、高い中立点及び低い中立点の近くで加えられる負荷に対応する。この負荷は、接触する部品の摩擦損失及び摩耗の大きな部分の原因となる。
試験番号1において、通常の方法に従って形成されたライナーの前面にある窒化クロムでコーティングされたリングの接触の限定的な負荷における挙動が再現される。摩擦係数が全ての試験の中で最も高いものであることが見られ得る。CrNコーティングされたボールは摩耗せず、摩擦直径は、初期接触面積に対応する。ボールの試験はまた、ボールの耐摩耗膜の形成によって生じる色付けを示す。
試験番号2において、DLCがコーティングされたリングの挙動が再現される。DLCコーティングは、摩擦係数を低下させることができる。ボール上で摩耗は測定され得ない。しかしながら、摩耗は、ライナーにおいて観察され得る。この摩耗は、おそらくその粗度と組み合わされてボールの堆積物の硬度によって生じる。
(DLCコーティングされ、研磨されたライナー/DLCコーティングされたボール(試験6))
この構成において、摩擦係数は、特に低く(0.06)、コーティングされたボールの摩耗は、無視できるほどである。この実施例は、エンジンにおける使用に従うものである。
この構成において、摩擦係数は、特に低く(0.06)、コーティングされたボールの摩耗は、無視できるほどである。この実施例は、エンジンにおける使用に従うものである。
(DLCコーティングされ、研磨されたライナー/CrNコーティングされたボール(試験3、5、8、10及び12))
この構成において、摩擦係数は、約0.10から0.11の範囲であり、そのためDLCコーティングがないときに得られるものより低い。窒化クロムの摩耗は、無視できるほどである。耐摩耗性のオイル添加剤が窒化クロムと反応し、耐摩耗膜を形成することも見られ得る。この一連の試験は、本発明に従うものである。
この構成において、摩擦係数は、約0.10から0.11の範囲であり、そのためDLCコーティングがないときに得られるものより低い。窒化クロムの摩耗は、無視できるほどである。耐摩耗性のオイル添加剤が窒化クロムと反応し、耐摩耗膜を形成することも見られ得る。この一連の試験は、本発明に従うものである。
(ホーニング仕上げタイプの表面状態を有するDLCコーティングされたライナー/DLCコーティングされたボール(試験7))
この構成において、ライナーの表面状態は、DLCコーティングを使用しないライナーで定義されるように維持される。試験6のように相手がDLCであるが、摩擦係数は、顕著により高い(0.09)。ボール上のDLC堆積物が大きく(180μm)擦り減っていることも見られ得る。この構成は、本発明に従わないものである。DLCコーティングの存在に関連するライナーの粗度は、リングを表すライナーの相手の大きな摩耗をもたらしている。
この構成において、ライナーの表面状態は、DLCコーティングを使用しないライナーで定義されるように維持される。試験6のように相手がDLCであるが、摩擦係数は、顕著により高い(0.09)。ボール上のDLC堆積物が大きく(180μm)擦り減っていることも見られ得る。この構成は、本発明に従わないものである。DLCコーティングの存在に関連するライナーの粗度は、リングを表すライナーの相手の大きな摩耗をもたらしている。
(ホーニング仕上げタイプの表面状態を有するDLCコーティングされたライナー/CrNコーティングされたボール(試験4、9、11及び13))
この構成において、ライナーの表面状態は、DLCコーティングを使用しないライナーで定義されるように維持される。摩擦係数は、約0.11から0.12の範囲である。この値は、試験3、5、8、10及び12におけるものより若干大きい。しかしながら、215から240μmの範囲の相対的に大きい摩耗は、CrNコーティングされたボールで見られ得る。この構成は、本発明に従わないものである。DLCコーティングの存在に関連するライナーの粗度は、ライナーの相手の過剰の摩耗をもたらしている。
この構成において、ライナーの表面状態は、DLCコーティングを使用しないライナーで定義されるように維持される。摩擦係数は、約0.11から0.12の範囲である。この値は、試験3、5、8、10及び12におけるものより若干大きい。しかしながら、215から240μmの範囲の相対的に大きい摩耗は、CrNコーティングされたボールで見られ得る。この構成は、本発明に従わないものである。DLCコーティングの存在に関連するライナーの粗度は、ライナーの相手の過剰の摩耗をもたらしている。
利点は、発明の詳細な説明から容易に集められ得、ライナーの内側でのホーニング仕上げ操作を研磨操作及びDLCコーティングで置き換えることによって、リング摩耗を最小化することができ、摩擦損失を低下させることができ、そのため、特に自動車分野における燃焼機関の場合にCO2排出を低下させることが可能であることが特に明確に示され、思い起こされるべきである。
Claims (6)
- 内燃機関用のライナーであって、
前記ライナーが、
金属材料で作られ、0.02〜0.06μmの表面粗度Raを有する内部表面と、
前記内部表面上に形成される副層と、
前記副層上に最終層として形成されるDLCコーティングと、
を含み、
前記副層が、0.7μmから1.7μmの厚さを有し、
前記DLCコーティングが、イオンエッチング段階及び実際の堆積に相当する段階を含む真空堆積技術によって前記副層に付けられ、
前記堆積が、前記DLCコーティングを形成するために前記副層の表面に凝結する炭化水素を割ることを含むことを特徴とする、内燃機関用のライナー。 - 前記コーティングの厚さが10μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載のライナー。
- 前記コーティングの厚さが7μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載のライナー。
- 前記コーティングの厚さが4μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のライナー。
- それが、低粗度を得るために研磨動作に晒されることができる金属タイプの材料で作られることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載のライナー。
- 前記粗度Raの値が0.04μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載のライナー。
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