JP2003014121A - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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JP2003014121A JP2001199885A JP2001199885A JP2003014121A JP 2003014121 A JP2003014121 A JP 2003014121A JP 2001199885 A JP2001199885 A JP 2001199885A JP 2001199885 A JP2001199885 A JP 2001199885A JP 2003014121 A JP2003014121 A JP 2003014121A
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勝明 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダライナの内周面との初期なじみ性、
耐スカッフ性および耐摩耗性に優れたピストンリングを
提供する。 【解決手段】 少なくとも外周摺動面6に硬質炭素積層
皮膜2が形成されたピストンリング10であって、その
硬質炭素積層皮膜2は、外周摺動面6の表面に形成され
た少なくともSiを含有する初期なじみ性および耐スカ
ッフ性に優れた第1硬質炭素皮膜11と、その第1硬質
炭素皮膜11下に形成された少なくともWまたはW、N
iを含有する耐摩耗性に優れた第2硬質炭素皮膜12と
からなるピストンリングにより、上記課題を解決する。
このとき、第2硬質炭素皮膜12をピストンリングの上
下面8、9に更に形成したり、更に内周面7をも加えた
ピストンリングの全周に形成することもできる。また、
第1硬質炭素皮膜を必要に応じて第2硬質炭素皮膜上に
形成してもよい。また、こうした各硬質炭素皮膜には、
下地皮膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリングに
関し、更に詳しくは、シリンダライナの内周面との初期
なじみ性、耐スカッフ性および耐摩耗性に優れたピスト
ンリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関の軽量化と高出力化に伴
い、ピストンリングにも耐摩耗性や耐スカッフ性等のさ
らなる向上が要求されている。
【0003】こうした中、ピストンリングの外周摺動面
や上下面には、従来よりCrめっき皮膜や窒化処理層等
が形成され、耐摩耗性の向上や耐スカッフ性の改善が図
られている。また、近年においては、PVD(物理的蒸
着)法で作製されたCrN(窒化クロム)やTiN(窒
化チタン)等の硬質皮膜を採用することにより、上記の
要求に対応している。特に、ピストンリングの外周摺動
面はシリンダライナの内周面に摺動接触することから、
特に優れた耐摩耗性が要求され、上述したCrめっき皮
膜、窒化層またはPVD法で作製された硬質皮膜等が好
ましく形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ンリングの外周摺動面に形成されたCrめっき皮膜、窒
化層またはPVD法で作製された硬質皮膜等は、シリン
ダライナの内周面と摺動接触する初期段階においてなじ
み性が十分でなく、シリンダライナの内周面との間で焼
き付きを起こしてスカッフが発生するという問題があ
る。
【0005】こうした問題に対し、特開平11−172
413号公報には、単一層からなる硬質炭素皮膜(ダイ
ヤモンドライクカーボンともいう。)をピストンリング
の外周摺動面に形成することにより、初期なじみ性の改
善と、耐スカッフ性および耐摩耗性の向上を図ることが
提案されている。
【0006】本発明は、上記課題を解決することができ
る他の手段を提供するものであって、シリンダライナの
内周面との初期なじみ性、耐スカッフ性および耐摩耗性
に優れたピストンリングを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも外周摺動面に硬質炭素積層皮膜が形成さ
れたピストンリングであって、該硬質炭素積層皮膜は、
該外周摺動面の表面に形成された少なくともSiを含有
する第1硬質炭素皮膜と、該第1硬質炭素皮膜下に形成
された少なくともWまたはW、Niを含有する第2硬質
炭素皮膜とからなることに特徴を有する。
【0008】この発明によれば、少なくともSiを含有
する第1硬質炭素皮膜と、その第1硬質炭素皮膜下に形
成された少なくともWまたは、W及びNiを含有する第
2硬質炭素皮膜とからなる硬質炭素積層皮膜が、ピスト
ンリングの少なくとも外周摺動面に形成されているの
で、第1硬質炭素皮膜により初期なじみ性および耐スカ
ッフ性の向上を図ることができ、第2硬質炭素皮膜によ
り耐摩耗性の向上を図ることができる。本発明のピスト
ンリングは、作用の異なる2つの硬質炭素皮膜を積層し
たので、従来の単一層からなる硬質炭素皮膜に比べて積
層する各硬質炭素皮膜の個々の特性を最適なものに調整
し易いという利点があり、初期なじみ性、耐スカッフ性
および耐摩耗性をより一層向上させることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のピストンリングにおいて、前記第2硬質炭素皮膜が、
ピストンリングの上面および下面に更に連続して形成さ
れていることに特徴を有する。また、請求項3に記載の
発明は、請求項1に記載のピストンリングにおいて、前
記第2硬質炭素皮膜が、ピストンリングの上面、下面お
よび内周面に更に連続して形成されていることに特徴を
有する。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、耐摩耗性
に優れた第2硬質炭素皮膜がピストンリングの上面およ
び下面に更に連続して形成されているので、ピストンリ
ング溝内の側面とピストンリングの上下面との間のAl
凝着現象を抑制することができると共に、耐摩耗性の改
善を図ることができる。また、請求項3に記載の発明に
よれば、ピストンリングの全ての面に耐摩耗性に優れた
第2硬質炭素皮膜が連続して形成されているので、使用
中における第2硬質炭素皮膜のクラック及び/又は欠け
を発生させる起点が少なく、第2硬質炭素皮膜の耐剥離
性を向上させて長期間優れた耐摩耗性を維持することが
できる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2または
請求項3に記載のピストンリングにおいて、前記第1硬
質炭素皮膜は、前記第2硬質炭素皮膜が形成されたピス
トンリングの上面および下面の何れか一以上の面または
ピストンリングの上面、下面および内周面の何れか一以
上の面に形成されていることに特徴を有する。
【0012】この発明によれば、耐スカッフ性に優れた
第1硬質炭素皮膜は、耐摩耗性に優れた第2硬質炭素皮
膜が形成された上下面、内周面の何れか一以上の面に形
成されているので、その第1硬質炭素皮膜の形成面にお
ける初期なじみ性と耐スカッフ性をより一層向上させる
ことができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れかに記載のピストンリングにおいて、前記
第1硬質炭素皮膜は、含有するSiの比率が、表面側か
ら第2硬質炭素皮膜側に向かって連続的又は段階的に増
加することに特徴を有する。
【0014】この発明によれば、含有するSiの比率が
表面側から第2硬質炭素皮膜側に向かって連続的又は段
階的に増加する第1硬質炭素皮膜を有するので、第2硬
質炭素皮膜側のSiの比率が高い部分は、第2硬質炭素
皮膜との密着性が高くなる。その結果、第1硬質炭素皮
膜の耐剥離性を向上させることができ、第1硬質炭素皮
膜に基づく耐スカッフ性をより一層向上させることがで
きる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れかに記載のピストンリングにおいて、前記
ピストンリングの少なくとも外周摺動面には、スパッタ
リング皮膜、イオンプレーティング皮膜、クロムめっき
皮膜および窒化層から選択された何れかが下地皮膜また
は下地層として形成されていることに特徴を有する。
【0016】この発明によれば、ピストンリングの少な
くとも外周摺動面には、硬くて靱性のあるスパッタリン
グ皮膜、イオンプレーティング皮膜、クロムめっき皮膜
および窒化層から選択された何れかが下地皮膜として形
成されているので、外周摺動面の耐摩耗性をより一層向
上させることができる。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6の何れかに記載のピストンリングにおいて、前記
ピストンリングの少なくとも外周摺動面には、少なくと
もCrを含有する下地層が形成されていることに特徴を
有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のピストンリングに
ついて図面を参照しつつ説明する。
【0019】本発明のピストンリング10は、図1〜図
3に示すように、少なくとも外周摺動面6に硬質炭素積
層皮膜2が形成されている。そして、本発明の特徴とす
るところは、その硬質炭素積層皮膜2が、外周摺動面6
の表面に形成された少なくともSiを含有する第1硬質
炭素皮膜11と、その第1硬質炭素皮膜11下に形成さ
れた少なくともWまたはW、Niを含有する第2硬質炭
素皮膜12とからなることにある。こうした構成からな
る本発明のピストンリングは、第1硬質炭素皮膜11に
より初期なじみ性および耐スカッフ性の向上を図ること
ができ、第2硬質炭素皮膜12により耐摩耗性の向上を
図ることができる。
【0020】本発明のピストンリング10は、ピストン
に形成されたピストンリング溝に装着され、ピストンの
上下運動(往復運動に同じ。)によってシリンダライナ
の内周面を摺動接触しながら上下運動する摺動部材であ
る。本発明のピストンリング10は、トップリング、セ
カンドリング、オイルリングの何れかであってもまたは
それらの全てであってもよい。
【0021】ピストンリング10は、従来より使用され
ている材質からなるものであればよく特に限定されな
い。したがって、いかなる材質からなるピストンリング
10に対しても本発明を適用でき、従来より好ましく用
いられている例えばステンレススチール材、鋳物材、鋳
鋼材、鋼材等にも適用できる。なお、本発明のピストン
リング10は、アルミニウム合金製のピストンに装着さ
れるピストンリングとして好ましく用いられ、また、鋳
鉄、ボロン鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム合金等からなるシ
リンダライナに対するピストンリングとして好ましく用
いられ、本発明の所期の目的を達成することができる。
【0022】硬質炭素積層皮膜2は、その表面には初期
なじみ性および耐スカッフ性に優れた第1硬質炭素皮膜
11を有し、その第1硬質炭素皮膜11の下にはその第
1硬質炭素皮膜が摩耗した後に現れる耐摩耗性に優れた
第2硬質炭素皮膜12を有する。
【0023】先ず、第1硬質炭素皮膜について説明す
る。
【0024】第1硬質炭素皮膜11は、硬質炭素積層皮
膜2における表面層を構成し、少なくともSi(ケイ
素)を含有するSi−C系の硬質炭素皮膜である。Si
を含有する第1硬質炭素皮膜11は、摺動接触時の初期
なじみ性と耐スカッフ性に優れ、ピストンリング10の
外周摺動面とシリンダライナの内周面との焼き付き等を
防止することができる。こうした特徴を有する第1硬質
炭素皮膜11は、後述する第2硬質炭素皮膜12に比べ
て耐摩耗性については若干落ちるものの、厚さの下限値
を0.1μmとすることによって、初期なじみ性を著し
く改善することができ、優れた耐スカッフ性を発揮する
ことができる。なお、第1硬質炭素皮膜11の好ましい
厚さの範囲は、1〜30μmであり、更に好ましくは5
〜15μmである。こうした範囲内に第1硬質炭素皮膜
の厚さを設定することによって、初期なじみ性を著しく
改善することができ、優れた耐スカッフ性を発揮するこ
とができる。
【0025】第1硬質炭素皮膜11の組成については特
に限定されないが、Si:50〜70wt%好ましくは
55〜65wt%、C:残部、その他不可避不純物から
なることが好ましい。こうした第1硬質炭素皮膜11中
に含有するSiは、金属Siとして含まれていても、S
iCとして含まれていても、または、金属SiおよびS
iCとして含まれていてもよい。
【0026】また、第1硬質炭素皮膜11は、その下に
後述する第2硬質炭素皮膜12を必ず有するので、第1
硬質炭素皮膜11と第2硬質炭素皮膜12とが高い密着
性をもって積層されていることが望ましい。こうした要
求を満たすため、本発明においては、第1硬質炭素皮膜
11中のSi含有比率を、表面側から第2硬質炭素皮膜
側に向かって連続的又は段階的に増加するように傾斜さ
せて形成することが好ましい。そうすることにより、少
なくともWまたはW、Niを含有する第2硬質炭素皮膜
12近傍の第1硬質炭素皮膜11のSi含有比率を高く
して、第1硬質炭素皮膜12と第2硬質炭素皮膜12と
の密着性を向上させることができる。その結果、耐スカ
ッフ性に優れた第1硬質炭素皮膜を密着性よく第2硬質
炭素皮膜上に設けることができるので、ピストンリング
にの外周摺動面6における初期なじみ性および耐スカッ
フ性を顕著に向上させることができる。
【0027】図4は、第1硬質炭素皮膜11が含有する
Siの含有比率を膜厚方向に傾斜させた態様を示してい
る。図4に示すように、Siの含有比率が表面側から第
2硬質炭素皮膜側に向かって高くなるように曲線状に変
化させたり、直線状に変化させることができる。このと
き、第2硬質炭素皮膜12に接する部分の第1硬質炭素
皮膜11のSiの含有比率を高くし、およそ70〜10
0重量%であることが好ましい。Si含有比率をこうし
た範囲内とすることにより、第2硬質炭素皮膜12との
密着性がより向上する。なお、最外周側の第1硬質炭素
皮膜11のSi含有比率は低くなり、およそ0〜70重
量%となる。
【0028】次に、第2硬質炭素皮膜について説明す
る。
【0029】第2硬質炭素皮膜12は、外周摺動面6に
形成された硬質炭素積層皮膜2における下層、すなわち
硬質炭素積層皮膜2における第1硬質炭素皮膜11の下
層を構成するものである。
【0030】この第2硬質炭素皮膜12は、少なくとも
W(タングステン)を含有するW−C系の硬質炭素皮膜
または、更にNiを含有するW−Ni−C系の硬質炭素
皮膜である。こうした第2硬質炭素皮膜12は、金属W
及び/又はWCを含有しているので、極めて耐摩耗性に
優れている。さらに、第2硬質炭素皮膜12が含有する
Wの作用により、膜厚形成能が向上し厚膜化が可能とな
る。その結果、生産性のよい耐摩耗性皮膜を形成できる
という利点がある。
【0031】なお、Niは第2硬質炭素皮膜形成用Wタ
ーゲット中に含有されている場合が多く、第2硬質炭素
皮膜12中に含有されやすい元素である。Niを含有す
る第2硬質炭素皮膜形成用Wターゲットはコスト削減の
観点から有利である。
【0032】第2硬質炭素皮膜12の厚さは、2〜50
μmであることが好ましく3〜20μmであることがさ
らに好ましい。こうした範囲内の厚さを有する第2硬質
炭素皮膜12は、優れた耐摩耗性を発揮することができ
る。第2硬質炭素皮膜12の厚さが2μm未満では、膜
厚が薄いので、摩耗が僅かながら進行した際にピストン
リングの外周摺動面の耐摩耗性を十分担保できないこと
がある。一方、第2硬質炭素皮膜12の厚さが50μm
を超えると、摺動接触中に剥離することがある。
【0033】第2硬質炭素皮膜12の組成については特
に限定されないが、W−C系の第2硬質炭素皮膜12の
場合には、W:50〜85wt%好ましくは60〜80
wt%、C:残部、その他不可避不純物であることが、
上述した優れた作用効果の観点から好ましい。また、W
−Ni−C系の第2硬質炭素皮膜12の場合には、W:
55〜85wt%好ましくは60〜80wt%、Ni:
3〜10wt%好ましくは5〜8wt%、C:残部、そ
の他不可避不純物であることが、上述した優れた作用効
果の観点から好ましい。
【0034】さらに、後述するように、第2硬質炭素皮
膜12は、反応性スパッタリング法またはプラズマCV
D法等により成膜されるが、成膜中にガス流量を変化さ
せ、母材1側から表面側に向かって第2硬質炭素皮膜の
成分組成を連続的または段階的に徐々に変化させること
もできる。こうした手段により、厚さ方向の第2硬質炭
素皮膜の耐摩耗性を徐々に変化させることができる。
【0035】以上説明したように、本発明のピストンリ
ング10においては、こうした硬質炭素積層皮膜2が外
周摺動面6に形成されているので、先ず、表面に形成さ
れた第1硬質炭素皮膜11の作用により、シリンダライ
ナの内周面に摺動接触する外周摺動面6の初期なじみ性
が改善されると共に耐スカッフ性が向上する。次いで、
シリンダライナの内周面との摺動接触が進行すると、そ
の第1硬質炭素皮膜11が徐々に摩耗し、その第1硬質
炭素皮膜11の下に形成された第2硬質炭素皮膜12が
現れる。現れた第2硬質炭素皮膜12は、耐摩耗性に優
れるので、外周摺動面の摩耗が抑制され、良好な摺動接
触を長期間継続させることができる。
【0036】次に、外周摺動面以外の面について説明す
る。
【0037】本発明のピストンリングは、図1(a)〜
(c)に示すように、少なくとも外周摺動面6に硬質炭
素積層皮膜2を有するものであるが、必ずしも外周摺動
面6にのみ硬質炭素積層皮膜2が形成されている必要は
ない。したがって、外周摺動面以外の面、すなわち、ピ
ストンリングの上面8、下面9、内周面7の何れか一以
上の面またはその全ての面に硬質炭素積層皮膜2を形成
することができる。
【0038】図1(b)に示すように、硬質炭素積層皮
膜2がピストンリング10の外周摺動面6、上面8およ
び下面9に連続して形成される場合には、シリンダライ
ナの内周面とピストンリングの外周摺動面6との間およ
びピストンリング溝内の側面とピストンリングの上下面
8、9との間の初期なじみ性、耐スカッフ性および耐摩
耗性の向上を図ることができると共に、ピストンリング
溝内の側面とピストンリングの上下面8、9との間のA
l凝着現象を抑制することができる。
【0039】図1(c)に示すように、硬質炭素積層皮
膜2がピストンリング10の外周摺動面6、上面8、下
面9および内周面7に連続して形成される場合には、シ
リンダライナの内周面とピストンリングの外周摺動面6
との間およびピストンリング溝内の側面とピストンリン
グの上下面8、9との間の初期なじみ性、耐スカッフ性
および耐摩耗性の向上を図ることができると共に、ピス
トンリング溝内の側面とピストンリングの上下面8、9
との間のAl凝着現象を抑制することができる。しか
も、ピストンリングの全周全てに硬質炭素積層皮膜2が
連続して形成されているので、使用中における硬質炭素
積層皮膜2のクラック及び/又は欠けを発生させる起点
が少なく、硬質炭素積層皮膜2の耐剥離性を向上させる
ことができる。その結果、ピストンリングを長期間使用
した場合であっても、優れた耐摩耗性を発揮することが
できる。
【0040】上述の場合において、ピストンリング10
の上面8および下面9に形成される硬質炭素積層皮膜2
の厚さは、1.5〜80μmであることが好ましい。こ
の硬質炭素積層皮膜2のうち、耐スカッフ性に優れた第
1硬質炭素皮膜11の厚さは少なくとも0.5μmが好
ましく、耐摩耗性に優れた第2硬質炭素皮膜12の厚さ
は少なくとも1.0μmが好ましい。ピストンリング1
0の上面8および下面9に形成される硬質炭素積層皮膜
2の厚さを1.5〜80μmとしたのは、ピストンリン
グ溝との間の耐Al凝着性、耐摩耗性および耐スカッフ
性、および製造上の観点によるものである。具体的に
は、上面8および下面9に形成される硬質炭素積層皮膜
2の厚さが1.5μm未満では、結果的に第2硬質炭素
皮膜12の膜厚が薄くなり、ピストンリング溝の側面と
の間で耐摩耗性の向上が図れないことがある。一方、上
面8および下面9に形成される硬質炭素積層皮膜2の厚
さが80μmを超えると、形成された硬質炭素積層皮膜
2に剥離が発生し、十分な耐摩耗性を発揮できないこと
がある。
【0041】上述の場合において、ピストンリング10
の内周面7に形成される硬質炭素積層皮膜2の厚さは、
0.015μm以上であることが好ましい。この硬質炭
素積層皮膜2のうち、第1硬質炭素皮膜11の厚さは少
なくとも0.005μmであればよく、第2硬質炭素積
層皮膜12の厚さは少なくとも0.010μmであれば
よい。0.015μm以上の硬質炭素積層皮膜2を内周
面7に形成したピストンリング10は、硬質炭素積層皮
膜2の耐剥離性を向上させることができる。また、内周
面7に形成される硬質炭素積層皮膜2の厚さは、後述の
ように、成膜時に隣接するピストンリング間の隙間を大
きくすることによって厚くすることができるので、外周
摺動面6や上下面8、9の厚さとの差を適宜調整でき
る。
【0042】また、本発明のピストンリング10は、図
2(a)(b)に示すように、上述の第2硬質炭素皮膜
12を、ピストンリングの上面8および下面9にも、さ
らには内周面7にも連続して形成することが好ましい。
【0043】図2(a)に示すように、耐摩耗性に優れ
た第2硬質炭素皮膜12を単一層としてピストンリング
10の上面8および下面9に更に連続して形成する場合
には、ピストンリング溝内の側面とピストンリングの上
下面8、9との間のAl凝着現象を抑制することができ
る。さらに、ピストンリング溝内の側面とピストンリン
グの上下面8、9との間の耐摩耗性の改善を図ることが
できる。
【0044】図2(b)に示すように、耐摩耗性に優れ
た第2硬質炭素皮膜12をピストンリングの全ての面に
単一層として連続して形成する場合には、使用中におけ
る第2硬質炭素皮膜のクラック及び/又は欠けを発生さ
せる起点が少なく、第2硬質炭素皮膜の耐剥離性を向上
させて長期間優れた耐摩耗性を維持することができる。
【0045】なお、本発明のピストンリングをオイルリ
ングのサイドレールとして使用する場合には、耐摩耗性
に優れる第2硬質炭素皮膜12または必要に応じて第1
硬質炭素皮膜をさらに形成してなる硬質炭素積層皮膜2
を、上下面に形成することなく、内周面7に形成しても
よい。このように構成することにより、外周摺動面6と
内周面7に優れた耐摩耗性または、優れた耐スカッフ性
と耐摩耗性を付与することができる。
【0046】また、本発明のピストンリング10は、図
2(c)に示すように、耐摩耗性に優れた第2硬質炭素
皮膜12をピストンリングの全ての面に単一層として連
続して形成し、第1硬質炭素皮膜11を外周摺動面6以
外の上面8および下面9にも更に連続して形成して積層
させてもよい。すなわち、第1硬質炭素皮膜11を、第
2硬質炭素皮膜12が更に連続して形成されたピストン
リングの上面8および下面9の何れか一以上の面または
ピストンリングの上面8、下面9および内周面7の何れ
か一以上の面に形成して、部分的に積層させてもよい。
第1硬質炭素皮膜11を、耐摩耗性に優れた第2硬質炭
素皮膜12が更に連続して形成された上下面8、9、内
周面7の何れか一以上の面に形成することにより、その
積層部分は上述した硬質炭素積層皮膜2を構成し、その
第1硬質炭素皮膜形成面における初期なじみ性と耐スカ
ッフ性さらには耐摩耗性をより一層向上させることがで
きる。
【0047】外周摺動面以外の面に第2硬質炭素皮膜等
を形成した場合における第2硬質炭素皮膜12の厚さ
は、ピストンリング10の上下面8、9については、1
〜30μmであることが好ましい。ピストンリング10
の上面8および下面9に形成される第2硬質炭素皮膜1
2の厚さを1〜30μmとしたのは、ピストンリング溝
との間の耐Al凝着性、耐摩耗性および耐スカッフ性、
および製造上の観点によるものである。
【0048】また、ピストンリング10の内周面7に形
成される第2硬質炭素皮膜12の厚さについては、耐摩
耗性の観点から少なくとも0.01μm以上であること
が好ましく、より好ましくは0.3〜27μmの範囲内
である。0.3μm以上の第2硬質炭素皮膜12を内周
面7に形成したピストンリング10は、第2硬質炭素皮
膜12の耐剥離性を向上させることができる。また、内
周面7に形成される第2硬質炭素皮膜12の厚さは、後
述のように、成膜時に隣接するピストンリングの隙間が
大きくなるように配置することによって厚くすることが
できるので、外周摺動面6や上下面8、9の厚さとの差
を適宜調整できる。
【0049】また、そうした第2硬質炭素皮膜上に必要
に応じて形成する第1硬質炭素皮膜の厚さは、初期なじ
み性と耐スカッフ性の観点から、0.005μm以上で
あればよく、好ましくは0.15〜14μmである。
【0050】次に、硬質炭素積層皮膜等の成膜方法およ
びその厚さの調整方法について説明する。
【0051】上述した第1硬質炭素皮膜11および第2
硬質炭素皮膜12は、反応性イオンプレーティング法や
反応性スパッタリング法等のいわゆるPVD法によって
形成することができる。また、プラズマCVD法等のC
VD法によっても形成することができる。さらに、PV
D法とCVD法との組合せによっても形成することがで
きる。こうしたPVD法やCVD法は、ワークの形状要
因に基づいて、ワークの各部で厚さの差が生じることが
あり、特に、本発明のピストンリング10のように、例
えば反応性イオンプレーティング装置や反応性スパッタ
リング装置のチャンバー内の治具に取り付けられて成膜
されるワークにあっては、外周摺動面6が最も厚くなり
やすく、上面8と下面9が続き、内周面7が最も薄くな
りやすい。そうした厚さの差は、ピストンリングの母材
1を治具に取り付ける際に、隣接するピストンリングの
母材1との隙間を調整することによってコントロールす
ることができ、例えば、その隙間を大きくすることによ
って各々の面の厚さの差を小さくでき、隙間を小さくす
ることによって各々の面の厚さの差を大きくすることが
できる。なお、本発明においては、外周摺動面6におけ
る硬質炭素積層皮膜2の厚さを100(指数)としたと
きに、上面8及び下面9における硬質炭素積層皮膜2ま
たは第2硬質炭素皮膜12の厚さを50〜100(指
数)とすることが好ましく、また、内周面7における硬
質炭素積層皮膜2または第2硬質炭素皮膜12の厚さを
0.5〜49(指数)とすることが好ましい。
【0052】さらに、本発明のピストンリング10にお
いては、硬質炭素積層皮膜2または第2硬質炭素皮膜を
内周面7に形成することにより、ピストンリング10の
摺動時におけるオイル焼けに基づくすすの付着の問題を
解決することができるという利点がある。すなわち、従
来においては、ピストンリングとピストンリング溝との
間で起こるオイル焼けによって発生したすすが、ピスト
ンリングの下面9および内周面7に付着または凝着し
て、ピストンリングを拘束してしまうことがあった。こ
うしたことは、ピストンリングとピストンリング溝との
間にすすがたまりやすい矩形形状のピストンリングの場
合に顕著であり、ハーフキーストンリングや、ディーゼ
ルエンジンに好ましく採用されているフルキーストンリ
ングの場合であっても同様な傾向を示した。こうしたす
すの付着の問題に対して、本発明のピストンリング10
は、全周、特にこうしたすすの問題が起こる下面9およ
び内周面7に硬質炭素積層皮膜2または第2硬質炭素皮
膜12を形成することができるので、すすが付きにく
く、たとえ付着したとしても容易に砕くことができ、す
すを排除し易くなる。その結果、すすの付着を防止する
ことができ、ピストンリングが拘束されるのを防ぐこと
ができるという顕著な効果を有している。
【0053】次に、下地皮膜または下地層について説明
する。
【0054】図3(a)〜(e)に示すように、本発明
のピストンリング10の少なくとも外周摺動面6には、
スパッタリング皮膜、イオンプレーティング皮膜、クロ
ムめっき皮膜および窒化層から選択された何れかを下地
皮膜または下地層(以下、下地皮膜または下地層を、
「下地皮膜3」という。)として形成することができ
る。
【0055】下地皮膜3は、外周摺動面6のみに形成し
ても、外周摺動面6、上面8および下面9に形成して
も、外周摺動面6、内周面7、上面8および下面9の全
周に形成してもよく、適宜必要に応じて設けることがで
きる。
【0056】スパッタリング皮膜、イオンプレーティン
グ皮膜、クロムめっき皮膜および窒化層から選択された
何れかの下地皮膜3は、上述した硬質炭素積層皮膜2ま
たは第2硬質炭素皮膜12の下地皮膜として形成するこ
とが好ましいが、それらの硬質炭素積層皮膜2または第
2硬質炭素皮膜12が形成されていない面(例えば、内
周面7、上面8および下面9の何れかの面)においては
表面皮膜として形成することもできる。
【0057】好ましい下地皮膜3は、イオンプレーティ
ング法で形成されるイオンプレーティング皮膜であり、
特に、CrN、Cr2N、TiN、Cr−O−N、Cr
−B−N等の硬質皮膜であることが好ましい。イオンプ
レーティング皮膜は、硬くて靱性があるので、摺動面と
して作用するピストンリング10の外周摺動面6の耐摩
耗性を更に向上させることができる。なお、イオンプレ
ーティング法の代わりに反応性スパッタリング法等の薄
膜形成法によって形成された下地皮膜3であってもよ
い。こうした下地皮膜3の厚さは、5〜50μm程度で
あることが好ましい。
【0058】クロムめっき皮膜および窒化層の形成手段
についても特に限定されない。窒化層においては、イオ
ン窒化層でも、ガス窒化層でもよく、その形成手段には
特に限定されない。
【0059】なお、ピストンリング10の少なくとも外
周摺動面6に形成される下地層としては、少なくともC
rを含有するものであることが好ましい。硬質炭素積層
皮膜2または硬質炭素皮膜12の下地層として少なくと
もCrを含有する皮膜を形成することで、下地のピスト
ンリング母材1と硬質炭素積層皮膜2または硬質炭素皮
膜12との密着性を向上させることができる。この少な
くともCrを含有する下地層は、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法またはCrめっき法により形成す
るのが望ましい。
【0060】次に、本発明のピストンリングを製造する
方法の一例について説明する。
【0061】先ず、第2硬質炭素皮膜12を形成する。
ピストンリング母材1を反応性スパッタリング装置のチ
ャンバー内の取付治具にセットし、そのチャンバー内を
真空引きする。その後、取付治具を回転させつつアルゴ
ン等の不活性ガスを導入し、イオンボンバードメントに
よってピストンリング母材1の表面を清浄化する。その
後、先ず、Crターゲットをイオン化したアルゴン等で
スパッタリングし、チャンバー内の蒸発したCr原子を
ピストンリング母材1上に析出させ、次いで、炭素源で
あるメタン等の炭化水素ガスをチャンバー内に導入し、
WおよびNiが含まれている金属ターゲットをイオン化
したアルゴン等でスパッタリングし、チャンバー内の炭
素原子と蒸発した金属原子とが結合してピストンリング
母材1上に少なくともWおよびNiを含む皮膜として析
出させ、耐摩耗性に優れた第2硬質炭素皮膜12を形成
する。WおよびNiの含有比率は、それらの元素の蒸発
速度および反応性ガスの圧力等を調整することによって
制御される。この場合において、第2硬質炭素皮膜12
を形成しない面にはマスキング等の処理を施す。
【0062】次に、第1硬質炭素皮膜11を形成する。
第2硬質炭素皮膜12が形成されたピストンリングをプ
ラズマCVD装置のチャンバー内の取付治具にセット
し、そのチャンバー内を真空引きする。その後、取付治
具を回転させつつアルゴン等の不活性ガスを導入し、イ
オンボンバードメントによって第2硬質炭素皮膜が形成
されたピストンリングの表面を清浄化する。その後、炭
素源であるメタン等の炭化水素ガスをチャンバー内に導
入し、Siが含まれているシランガス等を導入して、プ
ラズマで活性化し、チャンバー内の炭素原子と蒸発した
金属原子とが結合してピストンリング上に少なくともS
iを含む皮膜として析出させ、耐スカッフ性に優れた第
1硬質炭素皮膜11を形成する。Siの含有比率は、S
i元素を含む反応性ガスの圧力等を調整することによっ
て制御される。
【0063】なお、スパッタリング皮膜、イオンプレー
ティング皮膜、クロムめっき皮膜および窒化層の何れか
を下地皮膜3として有するピストンリング10は、そう
した下地皮膜3を予めスパッタリング装置、イオンプレ
ーティング装置、クロムめっき装置、窒化装置等によっ
て形成し、その後、上述の反応性スパッタリング装置等
に供して硬質炭素皮膜を形成して製造される。
【0064】
【実施例】以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明を
更に詳しく説明する。
【0065】(実施例1〜8)17Crステンレス鋼製
のピストンリング母材1を作製し、その母材1上の少な
くとも外周摺動面6に硬質炭素積層皮膜2を、反応性イ
オンプレーティング装置により形成した。外周摺動面6
以外の面には、硬質炭素積層皮膜2または第2硬質炭素
皮膜12を任意に形成し、さらに必要に応じて第1硬質
炭素皮膜11を任意に形成した。下地皮膜3を有したピ
ストンリングとする場合には、予め、クロムめっき皮
膜、窒化処理層、イオンプレーティング皮膜の何れかを
形成した。各硬質炭素皮膜および各下地皮膜3の形成条
件を以下に示す。
【0066】硬質炭素皮膜:第2硬質炭素皮膜12はW
−Ni−C系とし、ターゲットおよび炭素含有ガス圧な
どの反応条件を制御することによって、W:75wt
%、Ni:8wt%、C:残部、および不可避不純物か
らなる組成とした。第1硬質炭素皮膜11はSi−C系
とし、ターゲットおよび炭素含有ガス圧などの反応条件
を制御することによって、Si:61wt%、C:残
部、および不可避不純物からなる組成とした。外周摺動
面6には第1硬質炭素皮膜11および第2硬質炭素皮膜
12からなる硬質炭素積層皮膜2が少なくとも形成され
ているように各実施例を構成した。
【0067】クロムめっき皮膜:フッ化クロム浴中での
電解めっきにより、厚さ150μmのクロムめっき皮膜
を形成した。その後、クロムめっき皮膜の表面を研削加
工し、研磨ペーパーを用いた表面研磨を行い、粗さ1μ
mRzとなるとように調整した。最終的な皮膜厚さを1
20μmとした。形成されたクロムめっき皮膜のビッカ
ース硬さはHv900であった。
【0068】窒化処理層:ガス窒化法により窒化層を形
成した。アンモニア分解ガス雰囲気中で590℃×6時
間保持し、さらに、540℃×2時間保持して、厚さ1
00μmのガス窒化層を形成した。その後、窒化層の表
面を研削加工し、研磨ペーパーを用いた表面研磨を行
い、粗さ1μmRzとなるとように調整した。最終的な
皮膜厚さを70μmとした。形成された窒化層のビッカ
ース硬さはHv1100であった。
【0069】イオンプレーティング皮膜:イオンプレー
ティング法により、主に{200}に配向した厚さ30
μmのCrN皮膜を形成した。その後、イオンプレーテ
ィング皮膜の表面を研削加工し、研磨ペーパーを用いた
表面研磨を行い、粗さ1μmRzとなるとように調整し
た。最終的な皮膜厚さを20μmとした。形成されたイ
オンプレーティング皮膜のビッカース硬さはHv150
0であった。
【0070】作製した実施例1〜8の構成を表1に示し
た。
【0071】(比較例1)17Crステンレス鋼製のピ
ストンリング母材1を作製し、その母材1の全周に窒化
層を上記実施例と同じ方法により形成した。外周摺動面
6には、厚さ30μmのイオンプレーティング皮膜を形
成した。窒化層およびイオンプレーティング皮膜の形成
条件は上記実施例と同様にした。こうして比較例1のピ
ストンリングを作製した。作製した比較例1の構成を表
1に示した。
【0072】(比較例2)17Crステンレス鋼製のピ
ストンリング母材1を作製し、その母材1の上面および
下面に窒化層を上記実施例と同じ方法により形成した。
さらに、上面および下面には、厚さ10μmの硬質炭素
積層皮膜2を形成した。窒化層および硬質炭素積層皮膜
2の形成条件は上記実施例と同様にした。こうして比較
例2のピストンリングを作製した。作製した比較例2の
構成を表1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】(摩耗試験)摩耗試験は、アムスラー型摩
耗試験機を使用し、試験片のほぼ半分を油に浸漬し、相
手材を接触させ、荷重を負荷して行った。試験片として
は、アムスラー試験片を用いた。このアムスラー試験片
は、実施例1〜8および比較例1のピストンリングと同
様の処理を施したものを使用した。各試験片を用いて摩
耗試験を行い、耐摩耗性の評価を行った。試験条件は、
潤滑油:クリセフH8(1号スピンドル油相当品)、油
温:80℃、周速:1m/秒(478rpm)、荷重:
150kgf、試験時間:7時間の条件下で、ボロン鋳
鉄を相手材として行った。このボロン鋳鉄からなる相手
材は、所定に形状に研削加工した後、研削砥石の細かさ
を変えて順次表面研削を行い、最終的に2μmRzとな
るように調整した。摩耗量の測定は、粗さ計による段差
プロファイルで摩耗量(μm)を測定して評価した。
【0075】耐摩耗性は、比較例1に対応する試験片の
摩耗量と実施例1〜8に対応する各試験片の摩耗量とを
それらの相対比として比較し、比較例1に対応する試験
片の結果に対する摩耗指数として評価した。従って、各
試験片の摩耗指数が100より小さいほど摩耗量が少な
いことを表す。実施例1〜8に対応する各試験片は、比
較例1に対応する試験片よりも僅かに摩耗指数が悪い
が、比較例1に対応する試験片の結果とほぼ同等であ
り、大きな問題が発生することはない。結果を表2に示
した。
【0076】(スカッフ試験)スカッフ試験は、アムス
ラー型摩耗試験機を使用し、試験片に潤滑油を付着さ
せ、スカッフ発生まで荷重を負荷させて行った。試験片
としては、アムスラー試験片を用いた。このアムスラー
試験片は、実施例1〜8および比較例1のピストンリン
グと同様の処理を施したものを使用した。各試験片を用
いてスカッフ試験を行い、耐スカッフ性の評価を行っ
た。試験条件は、潤滑油:クリセフH8(1号スピンド
ル油相当品)、周速:1m/秒(478rpm)の条件
下で、ボロン鋳鉄を相手材として行った。このボロン鋳
鉄も上述の方法により最終的に2μmRzとなるように
調整した。
【0077】耐スカッフ性は、比較例1に対応する試験
片のスカッフ発生荷重を100とし、実施例1〜8に対
応する各試験片のスカッフ発生荷重を比較例1に対応す
る試験片の結果に対する耐スカッフ指数として比較し
た。従って、実施例1〜8に対応する各試験片の耐スカ
ッフ指数が100より大きいほど、スカッフ発生荷重が
大きくなり、比較例1に対応する試験片よりも耐スカッ
フ性に優れることとなる。実施例1〜8に対応する各試
験片の耐スカッフ指数は、200であり、比較例1に対
応する試験片よりも著しく耐スカッフ性に優れていた。
結果を表2に示した。
【0078】(耐剥離性試験)耐剥離性の試験は、NP
R式衝撃試験装置(特公昭36−19046号、めっき
密着度の定量的試験装置)の改良試験機を使用し、表面
に1回当たり43.1mJ(4.4kgf・mm)の衝
撃エネルギーを加え、剥離発生までの回数で評価した。
試験片としては、上述の実施例1〜3、5および比較例
2のピストンリングを使用した。各試験片を用いて耐剥
離性試験を行い、耐剥離性の評価を行った。剥離の有無
は、表面を15倍に拡大して観察し、評価した。図5
は、測定に使用したNPR式衝撃試験装置を示す。な
お、図5において、21はピストンリング、22は圧
子、23は当て金である。
【0079】耐剥離性は、比較例2の試験片の剥離発生
回数を100とし、実施例1〜3、5の試験片の剥離発
生回数を比較例2の結果に対する耐剥離性指数として比
較した。従って、実施例1〜3、5の試験片の耐剥離性
指数が100よりも大きくなると、比較例2の試験片よ
りも多い回数で剥離が発生することとなるので、耐剥離
性に優れることとなる。実施例1〜3、5の耐剥離指数
は、105〜110であり、比較例2のピストンリング
に比べ、耐剥離性に優れていた。結果を表2に示した。
【0080】
【表2】
【0081】(評価)実施例1〜8のピストンリング
は、比較例1のピストンリングに比べ、その何れも耐摩
耗性はほぼ同等であったが耐スカッフ性に優れ、比較例
2のピストンリングに比べ、耐剥離性に優れていた。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のピストン
リングによれば、外周摺動面の表面に形成された少なく
ともSiを含有する初期なじみ性および耐スカッフ性に
優れた第1硬質炭素皮膜と、その第1硬質炭素皮膜下に
形成された少なくともWまたはW及びNiを含有する耐
摩耗性に優れた第2硬質炭素皮膜とからなる硬質炭素積
層皮膜が、ピストンリングの外周摺動面に少なくとも形
成されているので、第1硬質炭素皮膜により初期なじみ
性の改善と耐スカッフ性の向上を図ることができ、第2
硬質炭素皮膜により耐摩耗性の向上を図ることができ
る。本発明のピストンリングは、作用の異なる2つの硬
質炭素皮膜を積層したので、従来の単一層からなる硬質
炭素皮膜に比べて、積層する各硬質炭素皮膜の個々の特
性を最適なものに調整し易いという利点があり、摺動時
の初期なじみ性、耐スカッフ性および耐摩耗性をより一
層向上させることができる。
【0083】こうした本発明のピストンリングは、今後
開発が予想される高出力、高温高負荷のエンジンにも十
分に使用することができ、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンリングの例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のピストンリングの他の例を示す断面図
である。
【図3】下地皮膜または下地層が形成された本発明のピ
ストンリングの他の例を示す断面図である。
【図4】第1硬質炭素皮膜のSi含有比率を傾斜させた
態様の例である。
【図5】NPR式衝撃試験装置の改良試験機である。
【符号の説明】
1 母材 2 硬質炭素積層皮膜 3 下地皮膜(下地層) 6 外周面 7 内周面 8 上面 9 下面 10 ピストンリング 11 第1硬質炭素皮膜 12 第2硬質炭素皮膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 5/00 F02F 5/00 F (72)発明者 井口 邦浩 埼玉県さいたま市本町西5−2−6 日本 ピストンリング株式会社与野工場内 Fターム(参考) 3J044 AA02 AA04 BB06 BB15 BB20 BB21 BB28 BB29 BB35 BC06 BC07 DA09 4K029 AA02 BA34 BB02 BC02 BD04 CA04 CA06 FA07 4K030 BA27 BB13 CA02 DA02 FA01 HA04 LA23 4K044 AA03 BA02 BA18 BA19 BB03 BB04 BC01 BC05 CA12 CA13 CA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外周摺動面に硬質炭素積層皮
    膜が形成されたピストンリングであって、該硬質炭素積
    層皮膜は、該外周摺動面の表面に形成された少なくとも
    Siを含有する第1硬質炭素皮膜と、該第1硬質炭素皮
    膜下に形成された少なくともWまたはW、Niを含有す
    る第2硬質炭素皮膜とが積層されていることを特徴とす
    るピストンリング。
  2. 【請求項2】 前記第2硬質炭素皮膜が、ピストンリン
    グの上面および下面に更に連続して形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のピストンリング。
  3. 【請求項3】 前記第2硬質炭素皮膜が、ピストンリン
    グの上面、下面および内周面に更に連続して形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のピストンリン
    グ。
  4. 【請求項4】 前記第1硬質炭素皮膜は、前記第2硬質
    炭素皮膜が形成されたピストンリングの上面および下面
    の何れか一以上の面またはピストンリングの上面、下面
    および内周面の何れか一以上の面に形成されていること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載のピストン
    リング。
  5. 【請求項5】 前記第1硬質炭素皮膜は、含有するSi
    の比率が、表面側から第2硬質炭素皮膜側に向かって連
    続的又は段階的に増加することを特徴とする請求項1乃
    至請求項4の何れかに記載のピストンリング。
  6. 【請求項6】 前記ピストンリングの少なくとも外周摺
    動面には、スパッタリング皮膜、イオンプレーティング
    皮膜、クロムめっき皮膜および窒化層から選択された何
    れかが下地皮膜または下地層として形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のピ
    ストンリング。
  7. 【請求項7】 前記ピストンリングの少なくとも外周摺
    動面には、少なくともCrを含有する下地層が形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか
    に記載のピストンリング。
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