JP2018059059A - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱性に優れ、かつ高い屈折率を有する硬化物を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物を提供する。【解決手段】本発明の硬化性組成物は、下記式(1)で表される多官能性(メタ)アクリレートと、下記式(2)で表される単官能性(メタ)アクリレートとを含んでいる。(式中、各環Zは縮合多環式アレーン環、各R1及び各R2は置換基、各R3及びR6はアルキレン基、各R4及びR5は水素原子又はメチル基、R7はアルキル基、Arはアレーン環、Xは酸素原子又は硫黄原子、各kは0〜4の整数、各mは0以上の整数、各n及びpは1以上の整数、qは0以上の整数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートと、特定の単官能性(メタ)アクリレートとを含み、取扱性に優れ、高い屈折率を有する硬化物を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物に関する。
9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートは、光学的特性(高屈折率、低複屈折)、機械的特性、耐熱性などの種々の特性に優れている。そのため、前記多官能性(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物は、光学用オーバーコート剤、光学フィルム(反射防止フィルムなどのディスプレイ用フィルムなど)、レンズなどの光学材料として有効に利用されている。近年、光学材料の高機能化又は高付加価値化や、さらなる用途展開などに伴い、より高い屈折率を有する硬化性材料が求められており、開発が進められている。
例えば、特開2009−173648号公報(特許文献1)には、9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートが、高屈折率、高硬度、高耐熱性などの優れた特性を有する硬化物を形成できることが開示されている。この文献の実施例では、9,9−ビス[6−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンを主成分とする粘稠体などが調製されている。
しかし、9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格の結晶性が高いためか、前記多官能性(メタ)アクリレートは、常温で白色粉末状の固体であり、硬化性組成物の形態では取扱いが困難であった。
硬化性組成物の取扱性を改善する方法として、溶媒や反応性希釈剤などの希釈剤を添加する方法が知られている。反応性希釈剤は、硬化物の形成において、溶媒を除去する工程が不要で、使用用途なども広く、好適に用いられることが多い。例えば、国際公開第2013/022065号(特許文献2)には、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する特定の多官能性(メタ)アクリレートと、芳香族(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物が、ハンドリング性、屈折率及び耐スクラッチ性をバランスよく向上できることなどが開示されている。この文献の実施例では、9,9−ビス[アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシフェニル]フルオレンと、フェノキシエチルアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート及び/又はo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレートなどの単官能性アクリレートとを含む硬化性組成物などが調製されている。
また、特開2015−199952号公報(特許文献3)には、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する特定の多官能性(メタ)アクリレートと、アリール基を有する特定の単官能性(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物が、ハンドリング性、屈折率及び耐スクラッチ性をバランスよく向上できることが開示されている。この文献の実施例では、9,9−ビス[アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン骨格を有する多官能性アクリレートと、2−(2−ナフトキシ)エチルアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート及び/又はo−フェニルフェノキシエチルアクリレートなどの単官能性アクリレートとを含む硬化性組成物などが調製されている。
しかし、特許文献2及び3記載の硬化性組成物では、屈折率が低く、近年の高い要求特性に対応するには、さらなる改善が求められている。
また、特許文献2には、高屈折率化のために、アリールアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートなどの反応性希釈剤を用いることも記載されている。このような反応性希釈剤では、剛直な多環式芳香族炭化水素環のためか、硬化物における柔軟性が十分ではない場合があり、柔軟性が重要な用途への使用は制限される。そのため、高い屈折率及び取扱性に加えて、硬化物における高い柔軟性又は強靭性(又は高い耐久性)をバランスよく実現できる硬化性組成物の調製は非常に困難であった。
特開2009−173648号公報(特許請求の範囲、実施例、[0033]) 国際公開第2013/022065号(請求項13、実施例、[0113][0115]) 特開2015−199952号公報(請求項8、実施例、[0106])
従って、本発明の目的は、溶媒を含まなくても、取扱性に優れ、かつ高い屈折率を有する硬化物を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、縮合多環式芳香族炭化水素環、環集合多環式芳香族炭化水素環などの多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいても、高い屈折率と柔軟性又は強靭性(又は高い耐久性)とを両立する硬化性組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートと、特定の単官能性(メタ)アクリレートとを組み合わせると、高い屈折率を有するにも拘らず、取扱性にも優れることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の硬化性組成物は、下記式(1)で表される第1の多官能性(メタ)アクリレートと、下記式(2)で表される第1の単官能性(メタ)アクリレートとを含んでいる。
Figure 2018059059
(式中、各環Zはそれぞれ縮合多環式アレーン環、各R及び各Rはそれぞれ置換基、各Rはそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各Rはそれぞれ水素原子又はメチル基、各kはそれぞれ0〜4の整数、各mはそれぞれ0以上の整数、各nはそれぞれ1以上の整数を示す)。
Figure 2018059059
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、Xは酸素原子又は硫黄原子、Rはアルキル基、Arはアレーン環、pは1以上の整数、qは0以上の整数を示す)。
前記式(1)において、各環Zはそれぞれ同一又は異なる縮合多環式C10−14アレーン環、各Rはそれぞれ同一又は異なってアルキル基又はアリール基、各RはそれぞれC2−4直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各kは0、各mはそれぞれ0〜2程度の整数、各nはそれぞれ1〜10程度の整数であってもよい。
前記第1の単官能性(メタ)アクリレートは、前記式(2)において、Arが縮合多環式アレーン環である第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)、及び、前記式(2)において、Arが環集合アレーン環である第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)から選択された少なくとも1種を含んでいてもよく、特に、第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)を少なくとも含んでいてもよい。また、前記第1の単官能性(メタ)アクリレートは、第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)に加えて、さらに、第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)、及び、前記式(2)において、Arが単環式アレーン環である第1の単環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(C)から選択された少なくとも1種を含んでいてもよい。
前記式(2)において、Rは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、Xは酸素原子、pは1〜4程度の整数、qは0であってもよい。
前記硬化性組成物は、さらに、下記式(3)で表される第2の多官能性(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
Figure 2018059059
(式中、各Rはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、2つのRは互いに結合して、アルキル基を有してもよい炭化水素環を形成してもよく、各Rはそれぞれアルキル基又はアリール基、各R10はそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各R11はそれぞれ水素原子又はメチル基、rは0又は1、各sはそれぞれ0〜4の整数、各tはそれぞれ0以上の整数、各uはそれぞれ0又は1を示す)。
前記式(3)において、各Rはそれぞれ水素原子又はC1−4アルキル基、各R10はそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、rは1、各sは0、各tはそれぞれ0〜5程度の整数であってもよい。
第1の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、10〜120重量部程度であってもよい。また、第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)及び第1の単環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(C)の総量の割合は、第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、1〜100重量部程度であってもよい。さらに、第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第1の単官能性(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、5〜30重量部程度であってもよい。
硬化性組成物は、さらに、下記式(4)で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
Figure 2018059059
(式中、Arはアレーン環、R12は水素原子又は非重合性置換基を示し、R、R、R、R、k、m及びnは、前記式(1)に同じ。)
前記式(4)において、R12は下記式(5)で表される基であってもよい。
Figure 2018059059
(式中、R、R、m及びnは、前記式(1)に同じであり、Arは、前記式(4)に同じ。)
第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第2の単官能性(メタ)アクリレートの総量100重量部に対して、例えば、1〜25重量部程度であってもよい。
前記硬化性組成物は、さらに、重合開始剤を含んでいてもよい。また、本発明は、前記硬化性組成物が硬化した硬化物も包含する。
本発明では、9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートと、特定の単官能性(メタ)アクリレートとを組み合わせるため、取扱性に優れるだけでなく、高い屈折率を有する硬化物を形成可能な硬化性組成物を形成できる。また、硬化性組成物は、縮合多環式芳香族炭化水素環、環集合多環式芳香族炭化水素環などの多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいても、高い屈折率と高い柔軟性(強靱性又は耐久性)とを両立した硬化物を形成できる。
[第1の多官能性(メタ)アクリレート]
本発明の硬化性組成物は、下記式(1)で表される第1の多官能性(メタ)アクリレートを含んでいる。
Figure 2018059059
(式中、各環Zはそれぞれ縮合多環式アレーン環、各R及び各Rはそれぞれ置換基、各Rはそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各Rはそれぞれ水素原子又はメチル基、各kはそれぞれ0〜4の整数、各mはそれぞれ0以上の整数、各nはそれぞれ1以上の整数を示す)。
前記式(1)において、環Zで表される縮合多環式アレーン環(縮合多環式芳香族炭化水素環)としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレン環などの縮合二環式C10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。フルオレンの9−位に結合する2つの環Zは、同一又は異なっていてもよく、通常、同一であることが多い。好ましい環Zとしては、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C10−16アレーン環(好ましくは縮合多環式C10−14アレーン環)が挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。
なお、フルオレンの9−位に結合する環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Zがナフタレン環の場合、フルオレンの9−位に結合する環Zに対応する基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基などであってもよい。
前記式(1)において、置換基Rとしては、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基など)など]、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などが挙げられる。これらの基Rのうち、アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(特に、メチル基などのC1−3アルキル基))、シアノ基、ハロゲン原子が好ましく、特にアルキル基が好ましい。
基Rの置換数kは、0〜4の整数であり、例えば、0〜3程度の整数、好ましくは0〜2程度の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0である。なお、各置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、フルオレン骨格を形成する2つのベンゼン環に置換する基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、kが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの置換位置は、特に制限されず、例えば、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、3−位及び7−位など)であってもよい。
前記式(1)において、置換基Rとしては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭化水素基{例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基など);アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6−12アリール基など];アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)など}、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−10アルキルチオなど)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロヘキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など)、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基[例えば、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など)、ビス(アルキルカルボニル)アミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのビス(C1−4アルキル−カルボニル)アミノ基など)など]などが例示できる。
これらの基Rのうち、代表的には、ハロゲン原子、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基)、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基Rとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6−14アリール基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)、特に、アルキル基(特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基など)が挙げられる。
基Rの置換数mは、0以上の整数であればよく、環Zの種類に応じて適宜選択できる。例えば、0〜8程度の整数であってもよく、好ましくは0〜4(例えば、0〜3)程度の整数、さらに好ましくは0〜2程度の整数(例えば、0又は1)、特に0であってもよい。なお、各置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、異なる環Zに置換する基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、置換数mが2以上である場合、同一の環Zに置換する2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。基Rの置換位置は、特に制限されず、後述する基[−(OR−OC(=O)−CR=CH](単に(メタ)アクリロイル基含有基という場合がある)の置換位置以外の位置に置換していればよい。
前記式(1)において、基Rには、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が含まれる。直鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状C2−6アルキレン基(好ましくは直鎖状C2−4アルキレン基、さらに好ましくは直鎖状C2−3アルキレン基、特にエチレン基)が例示でき、分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基などの分岐鎖状C3−6アルキレン基(好ましくは分岐鎖状C3−4アルキレン基、特にプロピレン基)などが挙げられる。これらの基Rのうち、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基など)、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−3アルキレン基(特にエチレン基)であってもよい。なお、異なる環Zに置換したそれぞれの(メタ)アクリロイル基含有基において、基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
オキシアルキレン基(OR)の繰り返し数nは、1以上の整数(例えば、1〜20程度の整数)の範囲から選択でき、例えば、1〜15(例えば、1〜10)程度の整数、好ましくは1〜8(例えば、2〜7)程度の整数、さらに好ましくは1〜6(例えば、3〜5)程度の整数、特に1〜4程度の整数(特に、1)であってもよい。ハンドリング性、耐スクラッチ性(又は柔軟性)などが重要な用途では、nは、例えば、5〜10(例えば、6〜9)程度の整数、好ましくは7〜8程度の整数であってもよい。nが大きすぎると、屈折率が低下するおそれがある。また、各nは、互いに同一又は異なっていてもよい。(メタ)アクリロイル基含有基において、繰り返し数nが2以上である場合、2以上の基Rの種類は、互いに異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
なお、本明細書中において、特に断りのない限り、「オキシアルキレン基の繰り返し数」(及び後述する「オキシアルキレン基の合計数(合計付加数)」)とは、化合物1分子中におけるオキシアルキレン基の数(整数)、及び化合物の分子集合体におけるオキシアルキレン基の個数の平均値(相加平均値又は算術平均値)[すなわち、平均付加モル数]の双方を含む意味に用いる。そのため、繰り返し数nは、前記式(1)で表される化合物の分子集合体における平均値(相加平均又は算術平均)であってもよく、その範囲は、前記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。
また、前記式(1)において、2つの繰り返し数nの合計数は、前記式(1)で表される化合物1分子中のオキシアルキレン基の合計数(合計付加数)を意味し、単に2nという場合がある。2nは、例えば、0〜30程度の整数の範囲から選択でき、例えば、1〜25(例えば、2〜20)程度の整数、好ましくは3〜18(例えば、4〜16)程度の整数、さらに好ましくは5〜14(例えば、6〜12)程度の整数、特に7〜11(例えば、8〜10)程度の整数であってもよく、通常、1〜2程度の整数(特に、1)であってもよい。ハンドリング性、耐スクラッチ性(又は柔軟性)などが重要な用途では、前記2nは、例えば、10〜20(例えば、12〜18)程度の整数、好ましくは13〜17(例えば、14〜16)程度の整数であってもよい。また、2nは前記のように整数であってもよいが、前記式(1)で表される化合物の分子集合体における平均付加モル数であってもよく、その範囲は、例えば、前記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。2nの値が小さすぎると、硬化性組成物の粘度が上昇し易く、取扱性が低下するおそれがある。しかし、本発明では、反応性希釈剤である第1の単官能性(メタ)アクリレートを多量に混合しても、高い屈折率を保持できるため、比較的2nの値が小さくても、有効に取扱性を向上(粘度を低下)できる。2nの値が大きすぎると、硬化物の単位量(例えば、単位重量)当たりの9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格含有量(例えば、含有モル数)が低下するため、前記骨格に由来する高屈折率、高耐熱性などの優れた特性が低下するおそれがある。なお、2nは、慣用の方法で測定することができ、例えば、前記式(1)で表される化合物の調製において、原料となる9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を有するヒドロキシ化合物の量と、反応で消費されるアルキレンオキシド(アルキレンカーボネート又はハロアルカノール)の量との割合から、相加平均又は算術平均の値として算出する方法(例えば、国際公開第2013/022065号記載の方法など)などにより測定できる。
前記式(1)において、基Rは水素原子又はメチル基のいずれであってもよいが、水素原子であるのが好ましい。2つの基Rは、互いに異なっていてもよく、通常、同一である。
(メタ)アクリロイル基含有基の置換位置は特に制限されず、環Zの適当な位置に置換でき、例えば、環Zがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8−位のいずれかに置換している場合が多く、例えば、フルオレンの9−位に対してナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係(特に2,6−位の関係)で(メタ)アクリロイル基含有基が置換している場合が多い。
前記式(1)で表される第1の多官能性(メタ)アクリレートとして、代表的には、各環Zがナフタレン環であるフルオレン類、9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン類などが挙げられる。なお、前記フルオレン類は、前記式(1)において、k及び/又はmが1以上である化合物も含む意味に用いる。また、本明細書及び特許請求の範囲において、「(ポリ)アルコキシ」とは、アルコキシ基及びポリアルコキシ基の双方を含む意味に用いる。
9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン類としては、前記式(1)において、各環Zがナフタレン環、各nが1〜10(好ましくは1〜6)である化合物、例えば、9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン{例えば、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシナフチル]フルオレンなど}などが挙げられる。
これらの第1の多官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。好ましい第1の多官能性(メタ)アクリレートとしては、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(モノ乃至へプタ)C2−4アルコキシナフチル]フルオレンなどが挙げられる。また、これらの第1の多官能性(メタ)アクリレートは、市販品を使用してもよく、慣用の方法(例えば、国際公開第2013/022065号記載の方法など)により調製してもよい。
[第1の単官能性(メタ)アクリレート]
本発明の硬化性組成物は、下記式(2)で表される第1の単官能性(メタ)アクリレートを含むことにより、第1の多官能性(メタ)アクリレートの高い屈折率を保持しつつ、有効に取扱性を向上(又は粘度を低減)でき、例えば、プリズムシートなどの用途に好適に利用できる。
Figure 2018059059
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、Xは酸素原子又は硫黄原子、Rはアルキル基、Arはアレーン環、pは1以上の整数、qは0以上の整数を示す)。
前記式(2)において、基Rは水素原子又はメチル基であり、水素原子であるのが好ましい。
また、基Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基であり、前記式(1)のRの項に記載のアルキレン基と好ましい態様も含めて同様であってもよい。基(RO)の繰り返し数pは、例えば、1〜30(例えば、2〜25)程度の整数の範囲から選択でき、例えば、1〜20(例えば、3〜15)程度の整数、好ましくは1〜12(例えば、4〜10)程度の整数、さらに好ましくは1〜8(例えば、5〜6)程度の整数、特に1〜4程度の整数(例えば、1〜3程度の整数、特に1)であってもよい。なお、繰り返し数pは、平均値(平均付加モル数)であってもよく、その範囲は、上記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。繰り返し数pが大きすぎると、硬化物の屈折率が低下するおそれがある。なお、pが2以上である場合、2以上の基Rの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。
前記式(2)において、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、硬化物における高い耐光性が重要な用途では、酸素原子であるのが好ましく、硬化物の高い屈折率や柔軟性が重要な用途では、硫黄原子であるのが好ましい。光学材料として用いる場合、通常、酸素原子であることが多い。
前記式(2)において、環Arで表されるアレーン環(芳香族炭化水素環)としては、ベンゼン環などの単環式アレーン環(単環式芳香族炭化水素環);多環式アレーン環{例えば、縮合多環式アレーン環(縮合多環式芳香族炭化水素環)[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、インデン、ナフタレンなどのC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−14縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合二乃至四環式炭化水素環など];環集合アレーン環(環集合炭化水素環)[ビフェニル環、テルフェニル環、ビナフチル環などのビ又はテルC6−10アレーン環など]など}などが挙げられる。好ましい環Arとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6−14アレーン環が挙げられ、高屈折率の観点からは、ナフタレン環、ビフェニル環などのC8−12多環式アレーン環が特に好ましく、高い取扱性の観点からは、ベンゼン環が特に好ましい。
前記式(2)において、環Arに対する基[−X−(RO)−CO−CR=CH]の結合位置は特に制限されず、例えば、環Arがベンゼン環である場合には、1〜6−位のうち、いずれかの位置に結合していればよく、環Arがナフタレン環である場合には、1−位、2−位のうち、いずれかの位置に結合していればよいが、2−位に結合しているのが好ましい。また、環Arがビフェニル環である場合には、2−位、3−位、及び4−位(又は2’−位、3’−位、及び4’−位)のうち、いずれかの位置に結合していればよいが、2−位(又は2’−位)に結合しているのが好ましい。
前記式(2)において、基Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−12アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−9アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)などが挙げられる。基Rの置換数qは0以上の整数であればよく、環Arの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4程度の整数、好ましくは0〜2程度の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0であってもよい。なお、qが2以上である場合、2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの置換位置は特に制限されず、基[−X−(RO)−CO−CR=CH]の置換位置以外の位置に置換していればよい。
第1の単官能性(メタ)アクリレートは、例えば、前記式(2)において、環Arが縮合多環式アレーン環である第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)[単に、希釈剤成分(A)という場合がある];環Arが環集合アレーン環である第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)[単に、希釈剤成分(B)という場合がある];環Arが単環式アレーン環である第1の単環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(C)[単に、希釈剤成分(C)という場合がある]に大別できる。
代表的な希釈剤成分(A)としては、例えば、(A1)前記式(2)において、Xが酸素原子、qが0、環Arが縮合多環式アレーン環である縮合多環式アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート類{例えば、(A1-1)前記式(2)において、pが1である縮合多環式アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(2−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(1−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの縮合多環式C10−14アリールオキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど];(A1-2)前記式(2)において、pが2以上(例えば、2〜20、好ましくは2〜15程度)である縮合多環式アリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(2−(2−ナフトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(1−ナフトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−ナフトキシ)プロポキシ]プロピル(メタ)アクリレートなどの縮合多環式C10−14アリールオキシ(モノ乃至ノナデカ)C2−4アルコキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど]など};(A2)前記式(2)において、Xが硫黄原子、qが0、環Arが縮合多環式アレーン環である縮合多環式アリールチオアルキル(メタ)アクリレート類[例えば、前記(A1-1)及び(A1-2)で例示した化合物に対応して、式(2)におけるXが硫黄原子である化合物など]などが挙げられる。
これらの希釈剤成分(A)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの希釈剤成分(A)のうち、(A1-1)縮合多環式アリールオキシアルキル(メタ)アクリレートなどの(A1)縮合多環式アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート類、なかでも、2−(2−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどの縮合多環式C10−14アリールオキシC2−3アルキル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
代表的な希釈剤成分(B)としては、例えば、(B1)前記式(2)において、Xが酸素原子、qが0、環Arが環集合アレーン環である環集合アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート類{例えば、(B1-1)前記式(2)において、pが1である環集合アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(m−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(p−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの環集合C12−20アリールオキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど];(B1-2)前記式(2)において、pが2以上(例えば、2〜20、好ましくは2〜15程度)である環集合アリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(2−(o−フェニルフェノキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(m−フェニルフェノキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(p−フェニルフェノキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(o−フェニルフェノキシ)プロポキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの環集合C12−20アリールオキシ(モノ乃至ノナデカ)C2−4アルコキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど]など};(B2)前記式(2)において、Xが硫黄原子、qが0、環Arが環集合アレーン環である環集合アリールチオアルキル(メタ)アクリレート類[例えば、前記(B1-1)及び(B1-2)で例示した化合物に対応して、式(2)におけるXが硫黄原子である化合物など]などが挙げられる。
これらの希釈剤成分(B)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの希釈剤成分(B)のうち、(B1-1)環集合アリールオキシアルキル(メタ)アクリレートなどの(B1)縮合多環式アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート類、なかでも、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレートなどの環集合C12−20アリールオキシC2−3アルキル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
代表的な希釈剤成分(C)としては、例えば、(C1)前記式(2)において、Xが酸素原子、qが0、環Arが単環式アレーン環であるフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類{例えば、(C1-1)前記式(2)において、pが1であるフェノキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど];(C1-2)前記式(2)において、pが2以上(例えば、2〜20、好ましくは2〜15程度)であるフェノキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(2−フェノキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−フェノキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシ(モノ乃至ノナデカ)C2−4アルコキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど]など};(C2)前記式(2)において、Xが硫黄原子、qが0、環Arが単環式アレーン環であるフェニルチオアルキル(メタ)アクリレート類{例えば、(C2-1)式(2)において、pが1であるフェニルチオアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)プロピル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど];(C2-2)前記式(2)において、pが2以上(例えば、2〜20、好ましくは2〜15程度)であるフェニルチオ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(2−(フェニルチオ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(フェニルチオ)プロポキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオ(モノ乃至ノナデカ)C2−4アルコキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど]など}などが挙げられる。
これらの希釈剤成分(C)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの希釈剤成分(C)のうち、(C1-1)フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、(C2-1)フェニルチオアルキル(メタ)アクリレートなどが好ましく、なかでも、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシC2−3アルキル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオC2−3アルキル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
なお、これらの前記式(2)で表される化合物は、市販品を使用してもよく、公知の方法、例えば、環Arに対応するフェノール類(又はチオフェノール類)のアルキレンオキシド(アルキレンカーボネート又はハロアルカノール)付加体を、エステル化触媒(p−トルエンスルホン酸、硫酸など)、重合禁止剤(4−メトキシフェノール、ヒドロキノンなど)、及び必要に応じて溶媒(トルエンなど)の存在下、(メタ)アクリル酸と反応させる方法などにより調製できる。
これらの第1の単官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第1の単官能性(メタ)アクリレートのうち、取扱性の観点からは、希釈剤成分(C)を含むのが好ましく、高屈折率の観点からは、希釈剤成分(A)及び希釈剤成分(B)から選択された少なくとも1種[特に、少なくとも希釈剤成分(A)]を含むのが好ましい。
本発明の硬化性組成物では、第1の多官能性(メタ)アクリレートのみならず、希釈剤成分(A)及び/又は希釈剤成分(B)などの剛直な縮合多環式又は環集合多環式芳香族骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいても、得られる硬化物の硬度は意外にも低いため、高い屈折率と柔軟性とを両立できる。しかも、希釈剤成分(A)及び希釈剤成分(B)は、第1の多官能性(メタ)アクリレートの高い結晶性の要因となるπ−π相互作用を弱め易いためか、硬化性組成物の取扱性をも向上できる。
希釈剤成分(A)及び希釈剤成分(B)の総量の割合は、第1の単官能性(メタ)アクリレート全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%)、好ましくは50重量%以上(例えば、70〜99重量%)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、90〜95重量%)程度であってもよく、実質的に100重量%程度であってもよい。希釈剤成分(A)及び(B)の総量の割合が少なすぎると、屈折率が向上できないおそれがある。
希釈剤成分(A)及び希釈剤成分(B)の双方を含む場合、希釈剤成分(B)の割合は、希釈剤成分(A)100重量部に対して、例えば、1〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、5〜80重量部(例えば、10〜60重量部)、好ましくは15〜50重量部(例えば、20〜45重量部)、さらに好ましくは25〜40重量部(例えば、30〜35重量部)程度であってもよい。希釈剤成分(B)の割合が多すぎると、硬度を十分に低減できないおそれがある。
高い屈折率と取扱性とを両立し易い観点から、第1の単官能性(メタ)アクリレートは、少なくとも希釈剤成分(A)を含むのが好ましい。第1の単官能性(メタ)アクリレートが、希釈剤成分(A)を含む態様において、さらに、希釈剤成分(B)及び希釈剤成分(C)から選択された少なくとも1種[特に、少なくとも希釈剤成分(B)]を含んでいてもよい。意外なことに、希釈剤成分(A)と、希釈剤成分(B)及び/又は(C)とを組み合わせると、各希釈剤成分を単独で用いる態様と比較して、同一組成比の硬化性組成物から得られる硬化物の硬度を低減(柔軟性を向上)できる場合がある。前記同一組成比とは、第1の多官能性(メタ)アクリレートと第1の単官能性(メタ)アクリレートとの割合が等しいことを意味する。
希釈剤成分(B)及び希釈剤成分(C)の総量の割合は、希釈剤成分(A)100重量部に対して、例えば、1〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、5〜80重量部(例えば、10〜60重量部)、好ましくは15〜50重量部(例えば、20〜45重量部)、さらに好ましくは25〜40重量部(例えば、30〜35重量部)程度であってもよい。希釈剤成分(B)及び(C)の総量の割合が多すぎると、硬度を十分に低減できないおそれがある。
なお、第1の単官能性(メタ)アクリレートが希釈剤成分(B)及び希釈剤成分(C)の双方を含む場合、希釈剤成分(C)の割合は、希釈剤成分(B)100重量部に対して、例えば、1〜500重量部程度の範囲から選択でき、例えば、10〜450重量部(例えば、30〜400重量部)、好ましくは50〜380重量部(例えば、70〜350重量部)、さらに好ましくは80〜330重量部(例えば、90〜320重量部)程度であってもよい。希釈剤成分(C)の割合が多すぎると、屈折率が低下するおそれがある。
第1の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、硬化性組成物に含まれる単官能性(メタ)アクリレート全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%)、好ましくは50重量%以上(例えば、70〜99重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、90〜95重量%)程度であってもよく、実質的に100重量%であってもよい。
また、第1の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、例えば、1〜300重量部(例えば、10〜200重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、15〜150重量部(例えば、20〜120重量部)、好ましくは25〜100重量部(例えば、30〜90重量部)、さらに好ましくは35〜80重量部(例えば、40〜70重量部)程度であってもよく、通常、45〜110重量部(例えば、50〜100重量部)、好ましくは60〜90重量部(例えば、70〜80重量部)程度であってもよい。単官能性(メタ)アクリレートの割合が多すぎると、硬化物における屈折率が低下するおそれがある。しかし、本発明の硬化性組成物は、反応性希釈剤としての第1の単官能性(メタ)アクリレートを、比較的多量に含んでいても、屈折率の低下を有効に抑制できる。また、第1の単官能性(メタ)アクリレートの割合が少なすぎると、取扱性を向上(粘度を低減)できないおそれがある。
[第2の多官能性(メタ)アクリレート]
本発明の硬化性組成物は、さらに、第2の多官能性(メタ)アクリレートとして、下記式(3)で表される化合物を含んでいてもよい。このような化合物を含むことにより、硬化物における屈折率の低下を抑制しつつ、柔軟性(強靭性又は耐久性)を付与でき、コーティング剤(ハードコート剤など)などの用途に好適に利用できる。
Figure 2018059059
(式中、各Rはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、2つのRは互いに結合して、アルキル基を有してもよい炭化水素環を形成してもよく、各Rはそれぞれアルキル基又はアリール基、各R10はそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各R11はそれぞれ水素原子又はメチル基、rは0又は1、各sはそれぞれ0〜4の整数、各tはそれぞれ0以上の整数、各uはそれぞれ0又は1を示す)。
前記式(3)において、基Rのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(特にメチル基)などであってもよい。基Rのアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6−10アリール基(特にフェニル基)などであってもよい。各基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、2つの基Rが互いに結合して形成してもよい炭化水素環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのC5−8シクロアルカン環などであってもよい。炭化水素環に置換していてもよいアルキル基としては、例えば、上記基Rのアルキル基の項に例示したアルキル基などが挙げられ、好ましい態様も含めて同様であってもよい。炭化水素環に置換するアルキル基の置換数及び置換位置は特に制限されない。前記置換数は、例えば、0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0であってもよい。前記置換位置は、炭化水素環がシクロヘキサン環である場合、例えば、3−位〜5−位のいずれかの位置に置換していてもよい。なお、置換数rは0又は1のいずれであってもよいが、通常、1であることが多い。
基Rは、基Rの項において例示したアルキル基、アリール基などが挙げられ、好ましい態様を含めて同様であってもよい。基Rの置換数sは、0〜4の整数であり、例えば、0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0であってもよい。また、異なるベンゼン環に置換する基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、sが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。Rの置換位置は特に制限されず、ベンゼン環のいずれの位置(2−位、3−位など)に置換していてもよい。
基R10で表される直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基としては、前記式(1)の基Rの項において例示した直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基などが挙げられ、好ましい態様も含めて同様である。なお、異なる基[−O−(R10O)−(CHCH(OH)CH−OC(=O)−CR11=CH]における基R10の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、オキシアルキレン基(OR10)の繰り返し数tは、例えば、例えば、0〜30程度の整数の範囲から選択でき、例えば、0〜20(例えば、1〜10)程度の整数、好ましくは0〜8(例えば、1〜6)程度の整数、さらに好ましくは0〜4(例えば、1〜3)程度の整数、特に0〜2(例えば、1〜2)程度の整数であってもよい。なお、繰り返し数tは、平均値(平均付加モル数)であってもよく、その範囲は、上記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。なお、tが2以上である場合、2以上の基R10の種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。
各tの合計数[オキシアルキレン基の合計数(合計付加数)、単に2tという場合がある。]は、例えば、0〜30(例えば、2〜20)程度の整数、好ましくは0〜16(例えば、2〜10)程度の整数、さらに好ましくは0〜8(例えば、2〜6)程度の整数、特に0〜4(例えば、2〜4)程度の整数であってもよい。2tは平均値(平均付加モル数)であってもよく、その範囲は、前記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。2t(又は繰り返し数t)が大きすぎると、硬化物の屈折率が低下するおそれがある。
uは0又は1のいずれであってもよく、取扱性や柔軟性の観点からは、0であるのが好ましい。各uは、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
基R11は、水素原子又はメチル基のいずれであってもよいが、水素原子であるのが好ましい。各基R11は、互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(3)で表される第2の多官能性(メタ)アクリレートのうち、代表的には、(d)前記式(3)において、uが0である化合物、すなわち、ビ又はビスフェノール類(あるいはそのアルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート;(e)前記式(3)において、uが1である化合物、すなわち、ビ又はビスフェノール類(あるいはそのアルキレンオキシド付加体)のジ[エポキシ(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
前記化合物(d)及び(e)において、具体的なビ又はビスフェノール類としては、例えば、(i)前記式(3)において、rが0に対応するp,p’−ビフェノールなどのビフェノール類;(ii)前記式(3)において、rが1、各基Rがそれぞれ水素原子又はアルキル基、各sが0に対応するビスフェノール類、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−6アルカンなど;(iii)前記式(3)において、rが1、各基Rがそれぞれ水素原子又はアルキル基、各sが1、各基Rがアルキル基に対応するビスフェノール類、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン(ビスフェノールG)などのビス(C1−6アルキル−ヒドロキシフェニル)C1−6アルカンなど;(iv)前記式(3)において、rが1、各基Rのうちの少なくとも一方がアリール基、各sが0に対応するビスフェノール類、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ジフェニルメタン(ビスフェノールBP)などのビス(ヒドロキシフェニル)−(モノ又はジ)C6−10アリール−C1−6アルカンなど;(v)前記式(3)において、rが1、2つの基Rが互いに結合して、アルキル基を有してもよい炭化水素環を形成し、各sが0に対応するビスフェノール類、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)などのビス(ヒドロキシフェニル)C4−10シクロアルカンなどが挙げられる。
前記化合物(d)及び(e)において、具体的なアルキレンオキシドとしては、前記式(3)におけるオキシアルキレン基(R10O)に対応するアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのC2−6アルキレンオキシド、好ましくはC2−4アルキレンオキシド、さらに好ましくはC2−3アルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)などが挙げられる。また、アルキレンオキシドの付加数(又は平均付加モル数)は、前記オキシアルキレン基の合計数2tの範囲に対応し、好ましい態様も含めて同様であってもよい。
これらの第2の多官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第2の多官能性(メタ)アクリレートのうち、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−6アルカン(又はそのビスフェノール類1モルに対して、C2−4アルキレンオキシドが2〜10モル付加した付加体)のジ(メタ)アクリレート又はジ[エポキシ(メタ)アクリレート]が好ましく、なかでも、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−3アルカン(又はそのビスフェノール類1モルに対して、C2−3アルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)が2〜6モル付加した付加体)のジ(メタ)アクリレート又はジ[エポキシ(メタ)アクリレート]が特に好ましい。これらの第2の多官能性(メタ)アクリレートは、市販品などを使用してもよい。
また、第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第1の単官能性(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部(例えば、0.5〜80重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、1〜50重量部(例えば、3〜40重量部)、 好ましくは5〜30重量部(例えば、
8〜25重量部)、さらに好ましくは10〜20重量部(例えば、10〜15重量部)程度であってもよい。第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合が多すぎると、屈折率や取扱性が低下するおそれがある。
第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第2の多官能性(メタ)アクリレートの合計量の割合は、硬化性組成物に含まれる多官能性(メタ)アクリレート全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%)、好ましくは50重量%以上(例えば、70〜99重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、90〜95重量%)程度であってもよく、実質的に100重量%であってもよい。
また、第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部(例えば、1〜30重量部)、好ましくは5〜25重量部(例えば、10〜20重量部)、さらに好ましくは12〜18重量部(例えば、14〜17重量部)程度であってもよい。第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合が多すぎると、屈折率や取扱性が低下するおそれがある。
[第2の単官能性(メタ)アクリレート]
本発明の硬化性組成物は、さらに、第2の単官能性(メタ)アクリレートとして、下記式(4)で表される化合物を含んでいてもよい。
Figure 2018059059
(式中、Arはアレーン環、R12は水素原子又は非重合性置換基を示し、R、R、R、R、k、m及びnは、好ましい態様も含めて前記式(1)に同じ)。
前記式(4)において、Arで表されるアレーン環としては、例えば、前記式(2)の環Arの項で例示したアレーン環と同様のものが挙げられる。これらの環Arのうち、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6−14アレーン環が好ましく、なかでも、高屈折率の観点から、ナフタレン環、ビフェニル環などのC8−14多環式アレーン環(特に、ナフタレン環)であってもよい。
(メタ)アクリロイル基含有基の置換位置は特に制限されず、環Arの適当な位置に置換でき、環Arがベンゼン環である場合には、フルオレン環の9−位に置換するフェニル基の2〜6−位(例えば、3〜5位、好ましくは4−位)のいずれかに置換していればよい。環Arがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8−位のいずれかに置換している場合が多く、例えば、フルオレン環の9−位に対してナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係(特に2,6−位の関係)で(メタ)アクリロイル基含有基が置換している場合が多い。環Arがビフェニル環である場合、フルオレン環の9−位に対してビフェニル環の3−位又は4−位(特に、3−位)が置換していることが多く、例えば、フルオレン環の9−位にビフェニリル基の3−位が置換し、(メタ)アクリロイル基含有基が前記ビフェニリル基の6−位などに置換する場合が多い。
基Rの置換位置は、特に制限されず、環Arにおいて、フルオレン環の9−位及び(メタ)アクリロイル基含有基の置換位置以外の位置に置換していればよい。
12で表される非重合性置換基(非ラジカル重合性置換基)は、エチレン性不飽和結合を有さない基であればよく、例えば、前記式(1)においてRとして例示した基と同様の基、下記式(5)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール基などが挙げられる。
Figure 2018059059
(式中、R、R、m及びnは、前記式(1)に好ましい態様も含めて同じであり、Arは、前記式(4)に好ましい態様も含めて同じ。)
前記式(5)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール基において、ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ基の置換位置は、前記式(4)における(メタ)アクリロイル基含有基と同様の置換位置が挙げられる。また、基Rの置換位置は特に制限されず、環Arにおいて、フルオレン環の9−位及びヒドロキシ(ポリ)アルコキシ基の置換位置以外の位置に置換していればよい。
好ましいR12としては、水素原子、炭化水素基[例えば、アルキル基(C1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(C5−10シクロアルキル基など)、アリール基(C6−12アリール基など)、アラルキル基(C6−12アリールC1−6アルキル基など)など]、アルコキシ基、前記式(5)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール基などが挙げられ、なかでも、前記式(5)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール基が好ましい。
代表的な前記式(4)で表される化合物としては、例えば、下記式(4a)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018059059
(式中、Ar、R、R、R、R、k、m及びnは、好ましい態様を含めて前記式(4)に同じ。)
前記式(4a)において、Ar、R、R、R、k及びmは、それぞれ互いに異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。また、nは互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(4a)で表される化合物として具体的には、例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン類{例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレンなど);9,9−ビス[アルキル−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[3−メチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ジメチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(モノ又はジ)C1−4アルキル−ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレンなど);9,9−ビス[アリール−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[3−フェニル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[C6−10アリール−ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレンなど)など};9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン類{例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシナフチル]フルオレンなど}などのジヒドロキシ化合物(前記式(4a)において、(メタ)アクリロイル基を水素原子に置き換えた化合物)のモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの式(4)(又は式(4a))で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの式(4)(又は式(4a))で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートのうち、高屈折率及び調達容易性の観点から、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン類のモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記式(4)(例えば、前記式(4a))で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートは、慣用の方法により合成してもよく、通常、前記式(1)で表される第1の多官能性(メタ)アクリレートを調製する際の副生成物として合成されてもよい。第1の多官能性(メタ)アクリレートと、前記式(4)(例えば、前記式(4a))で表される化合物との単離操作は、困難(煩雑又は非実際的)であることが多いため、前記第1の多官能性(メタ)アクリレートを調製後、前記式(4)(例えば、前記式(4a))で表される化合物を精製により除去することなく、硬化性組成物中に添加してもよい。硬化性組成物が、式(4)(例えば、式(4a))で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートを含むと、屈折率を低下させることなくハンドリング性や耐スクラッチ性を向上できる。
第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、高性能(又は高速)液体クロマトグラフィー(HPLC)における面積割合で、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第2の単官能性(メタ)アクリレートの総量に対して、例えば、1〜30%(例えば、3〜20%)、好ましくは4〜15%(例えば、4〜12%)、さらに好ましくは4.5〜10%(例えば、5〜8%)程度であってもよい。なお、前記面積割合は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第2の単官能性(メタ)アクリレートの総量100重量部に対して、例えば、0.1〜30重量部(例えば、1〜25重量部)、好ましくは2〜20重量部(例えば、3〜15重量部)、さらに好ましくは4〜12重量部(例えば、5〜10重量部)程度であってもよく、通常、3.5〜8重量部(例えば、4.5〜6重量部)程度であってもよい。第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合が少なすぎると、ハンドリング性が低下するおそれがある。
第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、第1の単官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部(例えば、0.5〜50重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、1〜40重量部(例えば、2〜30重量部)、好ましくは3〜25重量部(例えば、4〜20重量部)、さらに好ましくは5〜15重量部(例えば、5〜10重量部)程度であってもよく、例えば、8〜40重量部(例えば、10〜35重量部)、好ましくは15〜30重量部(例えば、20〜25重量部)程度であってもよい。
第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合は、単官能性(メタ)アクリレート全体に対して、例えば、0.1〜100重量%(例えば、1〜50重量%)程度の範囲から選択でき、例えば、2〜40重量%(例えば、3〜30重量%)、好ましくは4〜20重量%(例えば、5〜15重量%)程度であってもよく、例えば、10〜30重量%(例えば、15〜25重量%)程度であってもよい。
[他の成分]
(他の重合性成分)
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、さらに、他の重合性成分(又はモノマー成分)を含んでいてもよい。他の重合性成分としては、エチレン性不飽和結合を1又は複数含有する化合物であれば特に制限されず、α−オレフィン系モノマー(例えば、エチレン、プロピレンなど)、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)、(メタ)アクリル酸などであってもよいが、通常、後述する第3の単官能性(メタ)アクリレート、第3の多官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
第3の単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、脂肪族単官能性(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのC1−20アルキル(メタ)アクリレートなど];脂環族単官能性(メタ)アクリレート[例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのC5−10シクロアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレートなど];芳香族単官能性(メタ)アクリレート(ただし、第1及び第2の単官能性(メタ)アクリレートを含まない。)[例えば、フェニル(メタ)アクリレートなどのC6−12アリール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのC7−13アラルキル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体のモノ(メタ)アクリレートなどのビスフェノール類(又はそのアルキレンオキシド付加体)のモノ(メタ)アクリレート、9−(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレンなどのフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートなど];硫黄原子を含有する単官能性(メタ)アクリレート(ただし、第1及び第2の単官能性(メタ)アクリレートを含まない。)[例えば、メチルチオ(メタ)アクリレートなどのC1−6アルキルチオ(メタ)アクリレート、フェニルチオ(メタ)アクリレートなどのC6−10アリールチオ(メタ)アクリレート、ベンジルチオ(メタ)アクリレートなどのC6−10アリールC1−6アルキルチオ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。これらの第3の単官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
第3の多官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのC2−10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの前記式(1)において、環Zがベンゼン環又はビフェニル環である化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのポリオールのポリ(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート(ただし、第2の多官能性(メタ)アクリレートを含まない。);ポリエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの第3の多官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの他の重合性成分(例えば、第3の単官能性(メタ)アクリレート及び第3の多官能性(メタ)アクリレートなどの合計量)の割合は、第1の多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、例えば、0〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部程度であってもよい。
(重合開始剤)
硬化性組成物は、重合性成分(又はモノマー成分)の他に、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤は熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)であってもよく、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物[例えば、ジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシドなど)、ジアシルパーオキシド類(例えば、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなど)、過酸(又は過酸エステル)類(例えば、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、過酢酸tert−ブチルなど)、ケトンパーオキシド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類など]、アゾ化合物[例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)などのアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物など]などが例示できる。これらの熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなど)、アミノアセトフェノン類{例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1など}、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2−メチルアントラキノンなど)、チオキサントン類(例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなど)、ケタール類(例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノンなど)、キサントン類などが例示できる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤(熱及び/又は光重合開始剤)の割合は、重合性成分の総量100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部(例えば、1〜8重量部)、さらに好ましくは2〜5重量部程度であってもよい。
光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、例えば、第3級アミン類{例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル[例えば、p−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルなど]、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミル[例えば、p−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど]などのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのジアルキルアミノベンゾフェノンなど}などの慣用の光増感剤などが挙げられる。これらの光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
光増感剤の割合は、前記重合開始剤100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜100重量部程度であってもよい。
(溶媒)
また、硬化性組成物は、取扱性を向上できるため、実質的に溶媒を含んでいなくてもよいが、必要に応じて、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に限定されず、例えば、炭化水素類(例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など);ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど);エーテル類(例えば、ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類など);ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのジアルキルケトン類、シクロヘキサノンなどの環状ケトン類など);エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類など);グリコールエーテルアセテート類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類など);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど);アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど);ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用することもできる。
溶媒の割合は、重合性成分の総量100重量部に対して、1〜5000重量部、好ましくは100〜1000重量部、さらに好ましくは200〜500重量部程度であってもよい。
(他の添加剤)
さらに、硬化性組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、界面活性剤、可塑剤、硬化剤、重合禁止剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
添加剤の割合は、重合性成分の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度であってもよい。
[硬化性組成物及び硬化物]
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー(又は活性エネルギー線)を付与することで容易に硬化し、硬化物を生成する。前記活性エネルギーは、熱エネルギー及び/又は光エネルギー(例えば、紫外線、X線など)が有用である。
熱エネルギーを利用して加熱処理する場合、加熱温度としては、例えば、50〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃程度であってもよい。
また、光エネルギー(例えば、紫外線など)を利用して光照射する場合、光照射エネルギー量は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、50〜10000mJ/cm、好ましくは70〜8000mJ/cm、さらに好ましくは100〜5000mJ/cm(例えば、500〜3000mJ/cm)程度であってもよい。
硬化物の形状は、特に制限されず、三次元構造の硬化物(例えば、レンズ、管状の硬化物など)であってもよく、二次元構造の硬化物(又は硬化膜)(例えば、フィルム、シートなど)、一次元構造の硬化物(例えば、線状、棒状などの硬化物)であってもよい。
硬化物の製造方法は、特に限定されず、例えば、三次元構造又は一次元構造の硬化物の製造方法としては、硬化物の形状に応じて、前記硬化性組成物を成形又は所定の型内に注型(注入)した後、硬化処理(加熱及び/又は光照射)して製造してもよい。また、二次元構造の硬化物の製造方法としては、例えば、前記硬化性組成物を基材又は基板[例えば、金属(例えば、アルミニウムなど)、セラミックス(例えば、酸化チタン、ガラス、石英など)などの無機材料、プラスチック(例えば、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など)などの有機材料、木材などの多孔質体など]に塗布してフィルム状の塗膜(又は薄膜)を形成させた後、硬化処理を施すことで製造してもよい。
本発明の硬化性組成物は、第1の多官能性(メタ)アクリレートと、第1の単官能性(メタ)アクリレートとを含むため、高い屈折率を有するにも拘らず、固体状ではなく、少なくとも粘稠体状(又は液体状)の形態を有し、取扱性に優れている。
硬化性組成物の粘度(温度25℃)は、例えば、0.01〜500Pa・s(例えば、0.05〜400Pa・s)程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜300Pa・s(例えば、0.3〜200Pa・s)、好ましくは0.5〜100Pa・s(例えば、0.8〜50Pa・s)、さらに好ましくは1〜10Pa・s(例えば、3〜5Pa・s)程度であってもよく、例えば、2〜20Pa・s(例えば、3〜8Pa・s)程度であってもよい。なお、粘度は、後述する実施例に記載の方法などにより測定できる。
硬化前の硬化性組成物の屈折率(硬化前屈折率)(温度25℃、波長589nm)は、例えば、1.55〜1.7(例えば、1.57〜1.65、又は1.58〜1.6)程度の範囲から選択でき、例えば、1.57〜1.67(例えば、1.58〜1.66)、好ましくは1.59〜1.65、さらに好ましくは1.6〜1.64程度であってもよい。なお、屈折率は、後述する実施例に記載の方法などにより測定できる。
また、本発明の硬化物は、取扱性が高い(又は粘度が低い)ためか、硬化性にも優れている。硬化性組成物は、通常、硬化により屈折率が向上する傾向があり、重合性成分100重量部に対して、光重合開始剤3重量部を混合した硬化性組成物を調製し、UV照射(500mJ/cm)により硬化した硬化物(例えば、後述する実施例の項に記載の方法で硬化した硬化物など)の屈折率(温度25℃、波長589nm)は、例えば、1.55〜1.7程度の範囲から選択でき、例えば、1.6〜1.68、好ましくは1.61〜1.67、さらに好ましくは1.62〜1.66程度であってもよい。
さらに、本発明の硬化物は、剛直な多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいるにも拘らず、意外にも硬度が低い。前記条件により硬化した硬化物の鉛筆硬度は、例えば、5B〜3H(例えば、4B〜2H)、好ましくは3B〜H(例えば、2B〜F)、さらに好ましくはB〜HB程度であってもよい。なお、鉛筆硬度は、後述する実施例に記載の方法などにより測定できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、各種評価方法及び使用した原料を下記に示す。
(粘度)
25℃における粘度を、TV−22形粘度計(コーンプレートタイプ、東機産業(株)製「TVE−22L」)を用い、測定粘度に応じたオプションロータ(01:1゜34’×R24、07:3゜×R7.7)を選択し、回転数0.5〜20rpmで測定した。
(屈折率)
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽60−C3>)を用いて、温度25℃、589nmでの屈折率を測定した。
なお、比較例3は白色粉体であったため、濃度の異なる複数のトルエン溶液を調製して、各溶液の屈折率を測定した。得られた結果を横軸:濃度、縦軸:屈折率としたグラフ上にプロットして、最小二乗法により近似直線を算出し、この近似直線における濃度100%の値を比較例3の屈折率とした。
(硬度)
調製した硬化物を表面性測定器(新東科学(株)製「HEIDON−14DR」)に設置し、各種鉛筆を硬化物に対して角度45°、荷重750gで押しつけ、速度1mm/秒で硬化物上を移動させた。試験後、硬化物上の傷の有無を目視にて確認することにより、鉛筆硬度を測定した。
(硬化性)
調製した硬化物表面の触感から、以下の基準で硬化性を評価した。
○:硬化物表面にタック性(粘着性)がない
×:硬化物表面にタック性(粘着性)がある。
(耐スクラッチ性)
表面性測定器(新東科学(株)製「HEIDON−14DR」)を用いて、スチールウール♯0000を鉛筆硬度計の先端に装着し、硬化物(50mm×15mm×2mm)に荷重250gを垂直負荷させ、速度1mm/sで硬化物上を移動させ、傷の有無を目視にて確認した。この操作を5つの硬化物について行い、以下の基準で耐スクラッチ性を評価した。
○:すべての硬化物に傷が付かない
△:1つでも傷付く硬化物があるが、傷付いた硬化物はいずれも回復性が確認できる
×:1つでも傷付く硬化物があり、傷付いた硬化物の中に回復性が確認できないものがある。
(HPLC)
(株)日立ハイテクノロジーズ製「L−2000」を用いて、以下の条件にて高性能(又は高速)液体クロマトグラフィー(HPLC)を測定して、面積割合(又はLC純度)及びアクリル化反応率を算出した。
カラム Imtakt Cadenza 3μmCD−CL18 3.0×250mm
ガードカラム Imtakt GCCDOS
アセトニトリル/蒸留水=70/30(関東化学、LCグレード)、流量0.5ml/分
検出器 L−2420形UV−VIS検出器(Dランプ、254nm)。
(固形分濃度)
ハロゲン水分計(メトラー・トレド(株)製「HG53」)を用いて、200℃での揮発残分を固形分として測定した。
(原料)
BPEFA:大阪ガスケミカル(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
BNEFA:9,9−ビス[6−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(後述する合成例1により調製)
BNEF−1A:9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)のモノアクリレート(BNEFAの合成時に副生)
BNEF−xEOA:BNEF−xEO{BNEF 1モルに対して、xモルのエチレンオキシド(EO)が付加した付加体}のジアクリレート(後述する合成例3〜9により調製)
BNEF−xEO−1A:BNEF−xEOのモノアクリレート(対応するBNEF−xEOAの合成時に副生)
POA:共栄社化学(株)製「ライトアクリレートPO−A」、2−フェノキシエチルアクリレート
NEOA:2−(2−ナフトキシ)エチルアクリレート(後述する合成例2により調製)
OPPEOA:日本化薬(株)製、o−フェニルフェノキシエチルアクリレート
PTEA:Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd製、2−(フェニルチオ)エチルアクリレート
エポキシエステル3000A:共栄社化学(株)製、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物
FA−324A:日立化成工業(株)製、ビスフェノールA 1モルに対して、エチレンオキシドが平均値で4モル付加した付加体のジアクリレート
イルガキュア184:BASFジャパン(株)製、光重合開始剤。
(合成例1)BNEFAの合成
ディーンスタークを付けた500mL三口フラスコに、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)43.5g(0.08mol)、アクリル酸45.4g(0.63mol)、2−メトキシフェノール0.17g(0.0014mol)及びトルエン79gを加えた。系内を窒素置換し、60℃まで昇温して、前記成分を溶解させた後、p−トルエンスルホン酸一水和物3.84g(0.020mol)を添加した。再度窒素置換後、115℃まで昇温して、4時間還流脱水させた。
得られた溶液をトルエン281g及び20重量%食塩水で洗浄後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液と20重量%食塩水で中和させ、水層がpH10以上であることを確認した。その後、有機層に500ppmの2−メトキシフェノールを添加し、溶液を均一化させた。この溶液を20重量%食塩水で2回、蒸留水で2回洗浄し、水層がpH7であることを確認した。有機層をセライトろ過した濾液を濃縮後、減圧乾燥して、BNEFAを含む粉末状の白色固体を得た(収量47g、収率90%)。なお、得られたBNEFA混合物(第1の多官能性アクリレート混合物)をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEFAの面積割合は87.5%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−1Aの面積割合は4.9%であった。
(合成例2)NEOAの合成
ディーンスタークを付けた500mL三口フラスコに、2−(2−ナフチルオキシ)エタノール(NEO)49.4g(0.26mol)、アクリル酸24.6g(0.34mol)、4−メトキシフェノール0.56g(0.0046mol)及びトルエン256gを加えた。系内を窒素置換し、60℃まで昇温して、前記成分を溶解させた後、p−トルエンスルホン酸一水和物6.24g(0.033mol)を添加した。再度窒素置換後、115℃まで昇温して、3時間還流脱水した。
得られた溶液を20重量%食塩水で洗浄後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液と20重量%食塩水で中和し、水層がpH10以上であることを確認した。その後、有機層に500ppmの4−メトキシフェノールを添加し、溶液を均一化した。この溶液を20重量%食塩水で2回、蒸留水で3回洗浄し、水層がpH7であることを確認した後、有機層を濃縮し、セライト濾過を行った。濾過後、濾液を濃縮乾燥し、粉末状の白色固体であるNEOAを得た。得られたNEOAの屈折率(25℃、589nm)は1.59であった。
(比較例1〜3及び実施例1〜6)
表1に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、粘度及び屈折率(硬化前)を測定した。
調製した各硬化性組成物(重合性成分)100重量部に対して、光重合開始剤3重量部を添加し、加熱溶融して混合した。得られたそれぞれの硬化性組成物を、TAC(酢酸セルロース)フィルム上に、アプリケーターを使用して膜厚200μmに塗布し、UV照射(500mJ/cm)を1回行って硬化物を作製した。得られたそれぞれの硬化物は、いずれも膜厚約100μmのフィルム状であり、この硬化物について、屈折率、鉛筆硬度及び硬化性を測定した。
硬化性組成物の組成及び評価結果を表1に示す。なお、表1において、合成例で得られた1A体を含む第1の多官能性アクリレート混合物も、単に「第1の多官能性アクリレート」と表記する。また、表1中の( )内の数字は、重量部を意味する(以下、表2〜7も同じ)。
Figure 2018059059
表1から明らかなように、比較例に比べて、実施例では、高い屈折率と取扱性(又は低粘度)とを両立でき、硬化性も良好であった。特に、実施例1及び2では、固体同士を混合しているにもかかわらず、得られた硬化性組成物は粘稠体になり、意外にも取扱性を向上できた。なお、光学材料分野において、硬化後屈折率0.01の違いは、有意な差であると評価される。また、実施例1〜6では、比較例2と比べて、多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいても、硬度が同等又は低く、高い屈折率、取扱性及び柔軟性とをバランスよく向上できた。特に、実施例1〜2及び5〜6では、ベンゼン骨格に比べて、より剛直なナフタレン骨格やビフェニル骨格を有する第1の単官能性(メタ)アクリレートを含むにもかかわらず、実施例3及び4と比較して、意外にも硬度が低かった。
(実施例7〜15)
表2に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、比較例1〜3及び実施例1〜6と同様の方法により、硬化性組成物の粘度及び屈折率(硬化前)、硬化物の屈折率、鉛筆硬度及び硬化性を測定した。硬化性組成物の組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 2018059059
表2から明らかなように、いずれの実施例でも高い屈折率と取扱性とを両立でき、硬化性も良好であった。また、比較例2と比べて、多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいるにもかかわらず、硬度が低く、高い屈折率、取扱性及び柔軟性とをバランスよく向上できた。
さらに、NEOAと、OPPEOA又はPOAとを組み合わせた実施例8及び10では、第1の多官能性及び単官能性(メタ)アクリレートの組成比が等しく、かつ単一の第1の単官能性(メタ)アクリレートを含む実施例2,4及び6に比べて、意外にも硬度を低減できた。
(実施例16〜19)
表3に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、比較例1〜3及び実施例1〜6と同様の方法により、硬化性組成物の粘度及び屈折率(硬化前)、硬化物の屈折率)、鉛筆硬度及び硬化性を測定した。硬化性組成物の組成及び評価結果を表3に示す。
Figure 2018059059
表3から明らかなように、いずれの実施例でも高い屈折率と取扱性とを両立でき、硬化性も良好であった。また、比較例2と比べて、多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいるにもかかわらず、硬度が低く、高い屈折率、取扱性及び柔軟性とをバランスよく向上できた。さらに、POAを含む実施例3及び4と比べて、実施例16〜19では、粘度の増加や屈折率の低下を抑えつつ、硬度をより低減できた。
(合成例3)BNEF−10.3EOAの合成
特開2001−139651号公報の実施例1に記載のエチレンオキシド付加物の調製方法に準じて、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF、大阪ガスケミカル(株)製)1モルに対して、エチレンオキシド(EO)10モルを使用して、BNEFのエチレンオキシド付加体を調製した。得られた生成物の水酸基価113mgKOH/gから、BNEF 1モルに対して、EOが10.3モル付加した化合物BNEF−10.3EOであることが分かった。
ディーンスタークを付けた500mL三口フラスコに、BNEF−10.3EO 77.8g(0.07mol)、アクリル酸13.7g(0.19mol)、2−メトキシフェノール0.16g(0.0013mol)及びトルエン86g加えた。系内を窒素置換し、60℃まで昇温させ、前記成分を溶解させた後、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7g(0.009mol)を添加し、再度窒素置換後、115℃まで昇温させ、4時間還流脱水させて冷却した。得られた溶液にトルエン254g、及び20重量%食塩水を添加して洗浄した後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液及び20重量%食塩水で中和し、水層がpH10以上であることを確認した。有機層に500ppmの2−メトキシフェノールを添加し、溶液を均一化した後、20重量%食塩水で2回洗浄、蒸留水で2回洗浄し、水層がpH7であることを確認した。その後、有機層を濃縮し、セライトでろ過した後、濃縮乾燥し、BNEF−10.3EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−10.3EOAの面積割合は88.2%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−10.3EO−1Aの面積割合は8.3%であった。
(合成例4)BNEF−11.1EOAの合成
合成例3において、EOの使用量を12.0モルとした以外は、合成例3と同様にして、BNEFのEO付加体を調製した。得られた生成物の水酸基価109mgKOH/gから、BNEF1モルに対して、11.1モルのEOが付加した化合物BNEF−11.1EOであることが分かった。
ディーンスタークを付けた500mL三口フラスコに、BNEF−11.1EO 75.2g(0.07mol)、アクリル酸13.2g(0.18mol)、2−メトキシフェノール0.15g(0.0012mol)及びトルエン102g加えた。系内を窒素置換し、60℃まで昇温させ、前記成分を溶解させた後、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7g(0.009mol)を添加し、再度窒素置換後、115℃まで昇温させ、4時間還流脱水させて冷却した。得られた溶液にトルエン245g、及び20重量%食塩水を添加して洗浄した後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液及び20重量%食塩水で中和し、水層がpH10以上であることを確認した。有機層に500ppmの2−メトキシフェノールを添加し、溶液を均一化した後、20重量%食塩水で2回洗浄、蒸留水で2回洗浄し、水層がpH7であることを確認した。その後、有機層を濃縮し、セライトでろ過した後、濃縮乾燥し、BNEF−11.1EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−11.1EOAの面積割合は82.6%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−11.1EO−1Aの面積割合は13.6%であった。
(合成例5)BNEF−11.1EOAの合成
合成例4において、アクリル酸の使用量を0.20molとした以外は、合成例4と同様にして、BNEF−11.1EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−11.1EOAの面積割合は89.0%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−11.1EO−1Aの面積割合は7.8%であった。
(合成例6)BNEF−13.0EOAの合成
合成例3において、EOの使用量を13.0モルとした以外は、合成例3と同様にして、BNEFのEO付加体を調製した。得られた生成物の水酸基価101mgKOH/gから、BNEF1モルに対して、13.0モルのEOが付加した化合物BNEF−13.0EOであることが分かった。
ディーンスタークを付けた500mL三口フラスコに、BNEF−13.0EO 77.7g(0.07mol)、アクリル酸13.1g(0.18mol)、2−メトキシフェノール0.15g(0.0012mol)及びトルエン102g加えた。系内を窒素置換し、60℃まで昇温させ、前記成分を溶解させた後、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7g(0.009mol)を添加し、再度窒素置換後、115℃まで昇温させ、4時間還流脱水させて冷却した。得られた溶液にトルエン243g、及び20重量%食塩水を添加して洗浄した後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液と20重量%食塩水で中和し、水層がpH10以上であることを確認した。有機層に500ppmの2−メトキシフェノールを添加し、溶液を均一化した後、20重量%食塩水で2回洗浄、蒸留水で2回洗浄し、水層がpH7であることを確認した。その後、有機層を濃縮し、セライトでろ過した後、濃縮乾燥し、BNEF−13.0EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−13.0EOAの面積割合は78.6%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−13.0EO−1Aの面積割合は17.7%であった。
(合成例7)BNEF−13.0EOAの合成
合成例6において、アクリル酸の使用量を0.20molとした以外は、合成例6と同様にして、BNEF−13.0EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−13.0EOAの面積割合は86.3%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−13.0EO−1Aの面積割合は10.1%であった。
(合成例8)BNEF−13.0EOAの合成
合成例6において、アクリル酸の使用量を0.22molとした以外は、合成例6と同様にして、BNEF−13.0EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−13.0EOAの面積割合は90.7%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−13.0EO−1Aの面積割合は5.8%であった。
(合成例9)BNEF−13.0EOAの合成
合成例6において、アクリル酸の使用量を0.25molとした以外は、合成例6と同様にして、BNEF−13.0EOAを含む第1の多官能性アクリレート混合物を得た。得られた第1の多官能性アクリレート混合物をHPLCで分析したところ、ジアクリレート体(2A体)であるBNEF−13.0EOAの面積割合は92.8%、モノアクリレート体(1A体)であるBNEF−13.0EO−1Aの面積割合は4.0%であった。
合成例3〜9で得られたBNEF−xEOA混合物を用いて、比較例1〜3及び実施例1〜6記載の方法と同様の方法により硬化物を調製した。評価結果を表4に示す。なお、2A体及び1A体の割合は、HPLC分析による面積割合である。
Figure 2018059059
(実施例20〜22)
表5に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、比較例1〜3及び実施例1〜6記載の方法と同様の方法により、硬化物を調製した。硬化性組成物の組成及び評価結果を表5に示す。
Figure 2018059059
表5から明らかなように、いずれの実施例でも高い屈折率と取扱性とを両立でき、耐スクラッチ性(柔軟性)及び硬化性も良好であった。また、実施例20及び22では、実施例21と比べて、多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいるにもかかわらず、同等の耐スクラッチ性を示し、高い屈折率、取扱性及び柔軟性とをバランスよく向上できた。
(実施例23〜25)
表6に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、比較例1〜3及び実施例1〜6記載の方法と同様の方法により、硬化物を調製した。硬化性組成物の組成及び評価結果を表6に示す。
Figure 2018059059
表6から明らかなように、いずれの実施例でも高い屈折率と取扱性とを両立でき、耐スクラッチ性(柔軟性)及び硬化性も良好であった。また、実施例24では、実施例25と比べて、多環式芳香族炭化水素環骨格を有する(メタ)アクリレートを多量に含んでいるにもかかわらず、同等の耐スクラッチ性を示し、高い屈折率、取扱性及び柔軟性とをバランスよく向上できた。
(実施例26〜29)
表7に示す割合で、各重合性成分を混合して、硬化性組成物を調製し、比較例1〜3及び実施例1〜6記載の方法と同様の方法により、硬化物を調製した。硬化性組成物の組成及び評価結果を表7に示す。
Figure 2018059059
表7から明らかなように、いずれの実施例でも高い屈折率と取扱性とを両立でき、硬化性も良好であった。
本発明の硬化性組成物は、低粘度、高屈折率などの特性に優れているため、種々の用途に利用できる。例えば、インク材料、発光材料(例えば、有機EL用発光材料など)、有機半導体、黒鉛化前駆体、ガス分離膜(例えば、COガス分離膜など)、コート剤(例えば、LED(発光ダイオード)用素子のコート剤などの光学用オーバーコート剤又はハードコート剤など)、レンズ[例えば、ピックアップレンズ(例えば、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップレンズなど)、マイクロレンズ(例えば、液晶プロジェクター用マイクロレンズなど)、眼鏡レンズなど]、偏光膜(例えば、液晶ディスプレイ用偏光膜など)、反射防止フィルム(又は反射防止膜、例えば、表示デバイス用反射防止フィルムなど)、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム[例えば、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルムなど)など]、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどに好適に使用できる。特に、本発明の硬化性組成物は、光学材料用途に好適に利用でき、このような光学材料の形状としては、例えば、フィルム状(又はシート状)、板状、レンズ状、管状などが挙げられる。

Claims (16)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018059059
    (式中、各環Zはそれぞれ縮合多環式アレーン環、各R及び各Rはそれぞれ置換基、各Rはそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各Rはそれぞれ水素原子又はメチル基、各kはそれぞれ0〜4の整数、各mはそれぞれ0以上の整数、各nはそれぞれ1以上の整数を示す。)
    で表される第1の多官能性(メタ)アクリレートと、下記式(2)
    Figure 2018059059
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、Xは酸素原子又は硫黄原子、Rはアルキル基、Arはアレーン環、pは1以上の整数、qは0以上の整数を示す。)
    で表される第1の単官能性(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物。
  2. 式(1)において、各環Zがそれぞれ同一又は異なる縮合多環式C10−14アレーン環、各Rがそれぞれ同一又は異なってアルキル基又はアリール基、各RがそれぞれC2−4直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各kが0、各mがそれぞれ0〜2の整数、各nがそれぞれ1〜10の整数である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 第1の単官能性(メタ)アクリレートが、式(2)において、Arが縮合多環式アレーン環である第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)、及び、式(2)において、Arが環集合アレーン環である第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)から選択された少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 第1の単官能性(メタ)アクリレートが、第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)を少なくとも含む請求項3記載の硬化性組成物。
  5. 第1の単官能性(メタ)アクリレートが、さらに、第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)、及び、請求項1記載の式(2)において、Arが単環式アレーン環である第1の単環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(C)から選択された少なくとも1種を含む請求項4記載の硬化性組成物。
  6. 式(2)において、Rが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、Xが酸素原子、pが1〜4の整数、qが0である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. さらに、下記式(3)
    Figure 2018059059
    (式中、各Rはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、2つのRは互いに結合して、アルキル基を有してもよい炭化水素環を形成してもよく、各Rはそれぞれアルキル基又はアリール基、各R10はそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、各R11はそれぞれ水素原子又はメチル基、rは0又は1、各sはそれぞれ0〜4の整数、各tはそれぞれ0以上の整数、各uはそれぞれ0又は1を示す。)
    で表される第2の多官能性(メタ)アクリレートを含む請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 式(3)において、各Rがそれぞれ水素原子又はC1−4アルキル基、各R10がそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、rが1、各sが0、各tがそれぞれ0〜5の整数である請求項7記載の硬化性組成物。
  9. 第1の単官能性(メタ)アクリレートの割合が、第1の多官能性(メタ)アクリレート100重量部に対して、10〜120重量部である請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 第1の環集合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(B)及び第1の単環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(C)の総量の割合が、第1の縮合多環式芳香族単官能性(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、1〜100重量部である請求項5〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  11. 第2の多官能性(メタ)アクリレートの割合が、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第1の単官能性(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、5〜30重量部である請求項7〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。
  12. さらに、下記式(4)
    Figure 2018059059
    (式中、Arはアレーン環、R12は水素原子又は非重合性置換基を示し、R、R、R、R、k、m及びnは、請求項1記載の式(1)に同じ。)
    で表される第2の単官能性(メタ)アクリレートを含む請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性組成物。
  13. 式(4)において、R12が下記式(5)
    Figure 2018059059
    (式中、R、R、m及びnは、請求項1記載の式(1)に同じであり、Arは、請求項12記載の式(4)に同じ。)
    で表される基である請求項12記載の硬化性組成物。
  14. 第2の単官能性(メタ)アクリレートの割合が、第1の多官能性(メタ)アクリレート及び第2の単官能性(メタ)アクリレートの総量100重量部に対して、1〜25重量部である請求項12又は13記載の硬化性組成物。
  15. さらに、重合開始剤を含む請求項1〜14のいずれかに記載の硬化性組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の硬化性組成物が硬化した硬化物。
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