JP2009173648A - フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレート - Google Patents
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract
Description
この文献には、前記式(1)で示される化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに(メタ)アクリル酸クロリドを反応させた化合物、又は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたのち、(メタ)アクリル酸を反応させた化合物が記載されている。
そして、この文献には、上記フルオレン骨格を有する化合物[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシ)ナフチルフルオレン類]を熱硬化性又は光硬化性アクリル系樹脂原料として用いることができると記載されており、このようなアクリル系樹脂としては、前記式で表される化合物と、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸低級エステルなど)との反応生成物(多官能性(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート)などが挙げられると記載されている。
前記式(1)において、Zはナフタレン環などであってもよく、R2はC2−4アルキレン基(エチレン基、プロピレン基など)であってもよく、mは1〜4程度であってもよい。
特に、前記式(1)で表される化合物は、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンであってもよい。
また、本発明には、前記化合物(前記混合化合物を含む)を含む樹脂組成物(例えば、前記化合物および重合開始剤を含む樹脂組成物、前記化合物、他の多官能性(メタ)アクリレートおよび重合開始剤を含む樹脂組成物など)も含まれる。
上記式(1)において、環Zで表される縮合多環式芳香族炭化水素環としては、縮合二環式炭化水素環(例えば、インデン環、ナフタレン環などのC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式炭化水素環などが挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられ、特にナフタレン環が好ましい。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
なお、上記式(1A)において、n1およびn2は、それぞれ、前記nに対応しており、n1は、0〜3であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、特に0である。また、n2は、0〜3(例えば、1〜3)であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、特に0である。なお、n1およびn2は、それぞれのナフタレン環において、同一又は異なる数であってもよく、また、異なるナフタレン環において同一又は異なる数であってもよい。また、置換基R4は、前記と同じであり、同一のナフタレン環及び異なるナフタレン環においてそれぞれ、同一又は異なる置換基であってもよい。
前記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、下記式(2)で表される化合物と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体とを反応させることにより製造できる。
上記式(2)で表される化合物としては、前記式(1)で表される化合物に対応する化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(2)において環Zがナフタレン環である化合物などが挙げられる。
(方法(1))
方法(1)において、前記式(2A)で表される化合物としては、前記式(2)で表される化合物に対応する化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン]、9,9−ビス(ポリヒドロキシナフチル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシナフチル)フルオレン]などが含まれる。
方法(2)において、前記式(2B)で表される化合物としては、9−フルオレノンなどのフルオレノン類が挙げられる。なお、反応に使用する式(2B)で表される化合物(フルオレノン類)の純度は、特に限定されないが、通常、95重量%以上、好ましくは99重量%以上であってもよい。
上記式において、2p個のR5のうち、水素原子と(メタ)アクリロイル基との個数割合は、例えば、1/0.3〜0.5/1、好ましくは1/0.5〜0.8/1、さらに好ましくは1/0.7〜1/1程度であってもよい。代表的な前記式(3)で表される化合物には、pが1であり、2つのR5の一方が(メタ)アクリロイル基、他方が水素原子である化合物などが含まれる。
本発明の化合物(前記式(1)で表される化合物又は前記方法により得られる化合物)(前記混合物(又は混合化合物)を含む。以下同じ)は、フルオレン骨格(詳細には9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格)を有しており、高耐熱性、高屈折率、低線膨張性などのフルオレン骨格特有の特性を有している。しかも、このようなフルオレン骨格を有しているにもかかわらず、低粘度でありハンドリング性に優れている。
東ソー(株)製、逆相カラム(ODS−80TM)を使用し、254nmにて、水/アセトニトリル(重量比)=30/70で30分、その後、水/アセトニトリル(重量比)=0/100で30分で純度を測定した。
1H−NMRスペクトルは、内標準としてテトラメチルシランを用い、溶媒としてCDCl3を用いて、JEOL GTX−400分光計によって記録した。
(FD−MS)
電界脱離式マススペクトル(日本電子製JMS−700)にて、加速電圧8kV、対抗電圧2kV、エミッタ電流0−40mAにて測定した。
多波長アッベ屈折計(アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽 60−C3使用>)を用い、25度を保持し、589nmでの屈折率を測定した。
TV−22形粘度計(コーンプレートタイプ、東機産業製、TVE−22L)を用い、低粘度用の標準ロータ(01:1゜34’×R24)にて、1.0〜20rpm(粘度によって変える)にて、25℃での粘度を測定した。
色差濁度測定器(日本電色工業製、COH−300A)を用い、試験管(マルエム製、A−24(24×200)、直口)又は10×10mm石英セルにアクリレートを入れて測定した。
色差濁度測定器(日本電色工業製、COH−300A)を用い、試験管(マルエム製、A−24(24×200)、直口)又は10×10mm石英セルにアクリレートを入れて測定した。
色差濁度測定器(日本電色工業製、COH−300A)を用い、試験管(マルエム製、A−24(24×200)、直口)又は10×10mm石英セルにアクリレートを入れて測定した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に作製した硬化膜を鉛筆硬度計(HEIDON−14:新東科学(株)製)に設置し、各種鉛筆を1kgの加重をかけつつ45度の角度で押しつけ、25mm/分の速度で硬化膜上を移動させ、硬化膜に生じた傷の有無を目視にて確認することにより、鉛筆硬度を測定した。
10Lのセパラブルフラスコに、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン(BNF、大阪ガスケミカル(株)製)450g(1.0mol)、エチレンカーボネート881g(10mol)および溶媒としてのジエチレングリコール1500g(17mol)を入れ、触媒として1−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)10gを添加した後に、100℃に加熱して5時間反応させた。反応終了後、イソプロピルアルコール5000mlを加えて10℃まで冷却することにより、白色粉末61gを得た。得られた白色粉末を分析した結果、HPLCによる純度95.7%で原料として用いたBNF1モルに対して2モルのオキシエチレン基(エトキシ基)が付加した目的化合物(下記式で表される化合物、FD−MSにより測定された分子量=530(ピーク)、BNF−EOという)が得られた。
合成例1において、エチレンカーボネート881gに代えて、プロピレンカーボネート1029gを用いた以外は合成例1と同様に合成した結果、白色粉末420gを得た。得られた白色粉末を分析した結果、HPLCによる純度86.3%で原料として用いたBNF1モルに対して2モルのオキシプロピレン基(プロポキシ基)が付加した目的化合物(下記式で表される化合物、BNF−POという)が得られた(BNF1モルに対して3モルのオキシプロピレン基が付加した化合物が8.7%、BNF1モルに対して1モルのオキシプロピレン基が付加した化合物が4.3%)。
合成例1で得られた化合物74.4g(0.138mol)、アクリル酸(東京化成工業(株)製)25.9g(0.359mol)、p−トルエンスルホン酸(キシダ化学(株)製)3.28g(0.017mol)、トルエン135g(1.463mol)、及びメトキノン(キシダ化学(株)製)0.3g(0.002mol)を仕込み、100℃〜115℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、20%食塩水で洗浄を行った。洗浄後、トルエンを除去し、粘稠物を得た。さらに、得られた粘稠物の1H−NMR分析を行った結果、目的とするジアクリレート(下記式)であることを確認した。
4.3ppm(t,4H)、4.5ppm(t,4H)、5.8ppm(d,2H)、6.2ppm(t,2H)、6.4ppm(d,2H)、7.1−7.7ppm(m,18H)、7.9ppm(d,2H)。
合成例2で得られた化合物78.2g(0.138mol)、アクリル酸(東京化成工業(株)製)25.9g(0.359mol)、p−トルエンスルホン酸(キシダ化学(株)製)3.28g(0.017mol)、トルエン135g(1.463mol)、及びメトキノン(キシダ化学(株)製)0.3g(0.002mol)を仕込み、100℃〜115℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、20%食塩水で洗浄を行った。洗浄後、トルエンを除去し、粘稠物を得た。さらに、得られた粘稠物の1H−NMR分析を行った結果、目的とするジアクリレート(下記式)であることを確認した。
4.1〜4.5ppm(m,4H)、4.8〜5.3ppm(m,1.5H)、5.8ppm(d,1.6H)、6.2ppm(m、1.6H)、6.4ppm(d、1.4H)、7.1−7.7ppm(m,19H)、7.9ppm(d,2H)。
実施例1で得られた粘稠物100重量部を120℃に加熱して溶媒を除去した後に、常温まで温度を下げ、3重量部の光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャルティケミカルズ社製)を加えて均一に溶解させた後、常温でセルローストリアセテートフィルム(TAC100:富士フィルム(株)製)上又はポリエチレンテレフタレートフィルム(テトロン100HL98W:富士フィルム(株)製)上(鉛筆硬度の測定の場合)に塗布し、250μmアプリケーター(太佑機材(株)製)にて均一化した(約100μm)。その後、UV照射機(H015−L31:アイグラフィックス(株)製)を用いて、500mJ/cm2でフィルムに光照射し、硬化膜を作製した。
実施例3において、実施例1で得られた粘稠物に代えて実施例2で得られた粘稠物を使用したこと以外は、実施例3と同様にして硬化膜を作製し、各種物性を測定したところ、屈折率(25℃)は1.642、鉛筆硬度は3H、ガラス転移温度(Tg)は300℃を越えていた。
10Lのセパラブルフラスコに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン(BOPPF、大阪ガスケミカル(株)製)502g(1mol)、エチレンカーボネート881g(10mol)、溶媒としてのジエチレングリコール1500g(17mol)を入れ、触媒として1−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)10gを添加した後に、100℃に加熱して5時間反応させた。反応終了後、イソプロピルアルコール5000mlを加えて10℃まで冷却することにより、白色粉末460gを得た。得られた白色粉末を分析した結果、HPLCによる純度94.1%で、原料として用いたBOPPF1モルに対して2モルのオキシエチレン基が付加した目的化合物(下記式で表される化合物、BOPPF−EOという)が得られた。
3.7−3.8ppm(m,6H)、4.0ppm(t、4H)、6.8−7.6ppm(m,22H)、7.8ppm(d,2H)。
合成例2で得られた化合物59.1g(0.1mol)、アクリル酸(東京化成工業(株)製)18.7g(0.26mol)、p−トルエンスルホン酸(キシダ化学(株)製)2.38g(0.013mol)、トルエン98g(1.1mol)、及びメトキノン(キシダ化学(株)製)0.22g(0.002mol)を仕込み、110℃〜115℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、20%食塩水で洗浄を行った。洗浄後、トルエンを除去し、固体を得た。さらに、得られた固体の1H−NMR分析を行った結果、目的とするジアクリレート(下記式)であることを確認した。
2.3ppm(s、3H)、4.2ppm(t,4H)、4.4ppm(t、4H)、5.8ppm(d、2H)、6.1ppm(t、2H)、6.3ppm(t、2H)、6.8−7.6ppm(m,26H)、7.8ppm(d,2H)。
比較例1で得られた固体を用いて、実施例3と同様の硬化膜の作製を試みたが、120℃まで加熱しても溶融しなかった。そのため、比較例1で得られた固体を、さらに130℃まで加熱したが、結晶性が高いためか、溶融せず、フィルムに塗布することができなかった。
実施例3において、実施例1で得られた粘稠物に代えて、BPEFA(大阪ガスケミカル(株)製,9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンを主成分とするフルオレン骨格含有(メタ)アクリレート、高粘稠物)を使用して、実施例3と同様にして硬化膜を作製しようとしたが、BPEFAは極めて高粘度(25℃で10万mPa・s以上)であり、常温ではフィルムに塗布することができなかった。そのため、BPEFA100重量部を120℃に加熱して溶媒を除去した後に、80℃まで温度を下げて3重量部の光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャルティケミカルズ社製)を加えて均一に溶解させた後、塗布したこと以外は、実施例3と同様にして硬化膜を作成した。なお、BPEFAは80℃の加熱においてようやく塗布可能なレベルに達したのに対した。
Claims (10)
- 式(1)において、Zがナフタレン環であり、R2がC2−4アルキレン基であり、mが1〜4である請求項1記載の化合物。
- 式(1)において、pが1〜3である請求項1又は2に記載の化合物。
- 式(1)において、R2が分岐C3−4アルキレン基である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
- 9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
- 9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシ分岐C3−4アルコキシナフチル)フルオレンである請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物および重合開始剤を含む樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の硬化物。
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