JP2018053334A - メッキ部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な製造プロセスにより、所定パターン以外でのメッキ膜の生成を抑制し、所定パターンのみにメッキ膜を形成できるメッキ部品の製造方法を提供する。【解決手段】メッキ部品の製造方法であって、金属を固定する化合物を含む熱可塑性樹脂を射出成形して、樹脂基材を得ることと、前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射することと、前記加熱又は光照射した前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、金属塩を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、無電解メッキ液を接触させて、前記加熱又は光照射した一部分に無電解メッキ膜を形成することとを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、表面に選択的にメッキ膜が形成されたメッキ部品の製造方法に関する。
近年、射出成形体等の表面に電気回路を形成する立体回路成形部品は、MID(Molded Interconnect Device)と呼称され、その応用範囲が急速に広まっている。MIDは、小型で複雑形状の成形体の表面に回路を形成できるため、電子部品の軽薄短小のトレンドに合致している。例えば、スマートフォンの筐体の表面にアンテナ等を形成した小型部品は中国で大量生産されている。また、自動車分野でもセンサーや照明部品へのMIDの適用が欧州を中心に活発に検討されている。また、自動車には、現在、大量のケーブルハーネス(ワイヤーハーネス)が使用されている。このケーブルハーネスをMIDに置き換えることにより、軽量化と組み立て工程数削減によるコストダウンが期待できる。
樹脂成形体等の絶縁性基材の表面に配線パターン(電気回路)を形成する方法として、例えば、以下に説明する方法が提案されている。まず、基材の表面全体に金属層を形成する。次に、形成した金属層をフォトレジストでパターニングし、その後、エッチングにより配線パターン以外の部分の金属層を除去する。これにより、基材表面に残された金属層によって配線パターンを形成できる。
また、フォトレジストを使用しない配線パターン(電気回路)の形成方法としては、LDS(Laser Direct Structuring)法が実用化されている(例えば、非特許文献1、特許文献1)。LDS法では、まず、銅錯体を熱可塑性樹脂に練り込んで射出成形し、該銅錯体を含有した成形体表面にレーザー描画を行う。レーザー光照射により銅錯体が金属化して無電解銅メッキの触媒活性が発現し、レーザー描画部のメッキが可能となる。LDS法は、複雑な形状の射出成形体の表面に回路を形成する立体回路成形部品(MID)の製造が可能であり、スマートフォンや自動車の製造において普及している。
LDS法のように触媒を成形体中に練り込む方法とは異なる方法も提案されている。特許文献2には、レーザー光照射によって基材の表面を部分的に粗化し、金属イオンからなる無電解メッキ触媒をレーザー照射部分に吸着させてから還元し、レーザー照射部分のみに無電解メッキ膜を形成する方法が開示されている。
また、無電解メッキ触媒を樹脂成形体等の表面に付与する場合、主には、キャタリスト・アクセレレータ法と、センシタイザー・アクチベーティング法との2種類の手法が用いられる。キャタリスト・アクセレレータ法では、パラジウムスズコロイドを基材に吸着させた後(キャタリスト)、濃硫酸等でパラジウムイオンを還元する(アクセレレータ)。センシタイザー・アクチベーティング法では、還元剤であるスズコロイドを基材に吸着させた後(センシタイザー)、基材を塩化パラジウム溶液に浸漬して(アクチベーティング)、パラジウムイオンを還元および析出させる。センシタイザー・アクチベーティング法は、センシタイザー浴の寿命が短いため量産性が低いという課題があり、工業的には、キャタリスト・アクセレレータ法が採用されることが多い。
欧州特許第1274288号公報 特許第5022501号公報
ウォルフガング・ジョン、「生産コストを削減する3次元コンポーネント」、Industrial Laser Solutions Japan、株式会社イーエクスプレス、2011年9月号、p.18‐22
しかし、特許文献1で提案されているLDS法は、専用樹脂の開発が必要となり、樹脂材料のコストが大幅に増大する問題があった。そして多量の銅錯体を樹脂に練り込むことにより樹脂が着色するため、透明樹脂に適用することは困難であった。また、シート状の薄肉成形体等に適用する場合、専用樹脂を用いる必要があるため少量多品種の量産が困難であった。また、LDS法を自動車のケーブルハーネスの代替部品等の大型部品の製造に適用しようとすると、次のような問題が生じる。まず、消費する専用樹脂材料が多くなるため、コストが上昇する。そして、レーザー装置を大型化する必要があり、量産において問題となる。
また、特許文献2では、特殊な樹脂材料を用いずに成形体表面を選択的にメッキすることが検討されている。しかし、レーザー描画のみにより、描画部とそれ以外の部分との成形体の表面特性に明確なコントラストをつけることは難しく、特許文献2の方法により、安定に選択的なメッキを行うことは困難だと推測される。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、簡易な製造プロセスにより所定パターン以外での無電解メッキ膜の生成を抑制し、所定パターンのみに無電解メッキ膜を形成できるメッキ部品の製造方法を提供する。
本発明に従えば、金属を固定する化合物を含む熱可塑性樹脂を射出成形して、樹脂基材を得ることと、前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射することと、前記加熱又は光照射した前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、金属塩を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、無電解メッキ液を接触させて、前記加熱又は光照射した一部分に無電解メッキ膜を形成することとを含むメッキ部品の製造方法が提供される。
前記金属を固定する化合物が、還元性化合物であってもよく、次亜燐酸カルシウム及び次亜燐酸ナトリウムの少なくとも一方であってもよい。
前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射する前に、前記樹脂基材の表面に触媒失活剤を付与することを更に含んでもよい。また、前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射することが、レーザー光を用いて前記樹脂基材表面にレーザー描画することであってもよい。
本発明のメッキ部品の製造方法は、簡易な製造プロセスにより所定パターン以外での無電解メッキ膜の生成を抑制し、所定パターンのみに無電解メッキ膜を形成できる。
図1は、第1の実施形態で製造するメッキ部品の製造方法を示すフローチャートである。 図2(a)〜(c)は、第1の実施形態で製造するメッキ部品の製造方法を説明する図である。 図3は、第2の実施形態で製造するメッキ部品の製造方法を示すフローチャートである。 図4(a)〜(c)は、第2の実施形態で製造するメッキ部品の製造方法を説明する図である。 図5は、実施例7で樹脂ペレットの製造に用いた製造装置である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態として、図1に示すフローチャートに従ってメッキ部品の製造方法について説明する。本実施形態のメッキ部品は、表面に選択的にメッキ膜が形成された樹脂基材である。
(1)樹脂基材の射出成形
<樹脂基材>
まず、金属を固定する化合物を含む熱可塑性樹脂を射出成形して、樹脂基材10を得る(図1のステップS1、図2(a))。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド10T、ポリアミド11T、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド9T・6T共重合体等の芳香族ポリアミド(芳香族ナイロン)を用いることができる。ポリアミド以外の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート(PC)、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン、アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等を用いることができる。
特に、ハンダリフロー耐性を要求されるメッキ部品を製造する場合には、耐熱性と成形性を兼ね備えた熱可塑性樹脂として、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド10T、ポリアミド11T、ポリアミドMXD6(PAMXD6)等の芳香族ポリアミド及びこれらを含む共重合体が好ましい。そして、寸法安定性や剛性向上の観点から、これらの熱可塑性樹脂は、ガラスフィラーやミネラルフィラー等の無機フィラーが充填されてもよい。具体的には、ソルベイ アドバンスト ポリマーズ製のアモデル、クラレ製のジェネスタ、東洋紡製のバイロアミド、三菱エンプラ東洋紡製のレニー等を用いることができる。また、メッキ部品にハンダリフロー耐性が要求されない場合には、汎用エンプラであるABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂とPCとのポリマーアロイ(ABS/PC)等を用いることができる。また、メッキ部品として、高周波用アンテナを製造する場合には、高周波用アンテナに適した電気特性を有する熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマーが好ましい。また、市販の熱可塑性樹脂を用いる場合、後工程のレーザー光照射工程においてレーザー光を吸収して熱を発生し易いように、黒色グレードとして市販されている黒色の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
また、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)を用いた場合、疎水性の高い樹脂は基材の最表面を覆い易いため、金属を固定する化合物は基材の表面に露出し難い。これにより、最表面よりも内部の方が、金属を固定する化合物の含有量が多い(含有濃度が高い)樹脂基材を得ることができる。
尚、以上説明した熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において、「金属を固定する化合物」とは、金属を吸着又は還元する性質を有する化合物であり、例えば、金属イオンを還元して不溶化して固定する還元性化合物、金属イオンを吸着(トラップ)する性質を有するアミド基又はアミン基を有する化合物(以下、「アミド基等含有化合物」と記す)、等が挙げられる。本実施形態において、金属を固定する化合物は、後述する無電解メッキ触媒付与工程において、無電解メッキ触媒として機能する金属をトラップすることができる。また、熱可塑性樹脂として疎水性の高い樹脂を用いた場合には、アミド基等含有化合物や水溶性の還元剤等の金属を固定する化合物は、金属イオンを吸着する効果だけでなく、親水性基として樹脂基材と無電解メッキ液との親和性を高める効果も奏する。
還元性化合物としては、成形プロセスで熱分解しない無機化合物が好ましい。このような還元性化合物としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウムが挙げられ、次亜燐酸カルシウム及び次亜燐酸ナトリウムが好ましく、次亜燐酸カルシウムがより好ましい。これらの還元性化合物は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
アミド基等含有化合物としては、アミド基又はアミン基を含有する化合物であれば特に限定されない。但し、熱可塑性樹脂がアミド基を含む樹脂である場合には、熱可塑性樹脂に混合するアミド基等含有化合物は、その単位重量当たりのアミド基含有量が、熱可塑性樹脂の単位重量当たりのアミド基含有量より多い方が好ましい。同様に、熱可塑性樹脂がアミン基を含む樹脂である場合には、熱可塑性樹脂に混合するアミド基等含有化合物は、その単位重量当たりのアミン基含有量が、熱可塑性樹脂の単位重量当たりのアミン基含有量より多い方が好ましい。
アミド基等含有化合物のうち、アミド基を有する化合物としては、例えば、尿素、アセトアミド、プロピオンアミド、メタクリルアミド及びニコチンアミド等の1級アミド;N‐メチルアセトアミド、N‐メチルプロピオンアミド、N‐エチルアセトアミド、2‐アセトアミドエタノール及び1,3‐ジメチル尿素等の2級アミド;2‐ピロリドン、2‐ピペリドン、ε‐カプロラクタム、ω‐ヘプタラクタム、5‐メチル‐2‐ピロリドン、グリシン無水物、グルタルイミド、2,4‐ピペリジンジオン、ヒダントイン、3‐モルホリノン、2‐イミダゾリジノン、イソシアヌル酸及びバルビツル酸等の環状2級アミド;N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジメチルプロピオンアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド、1‐アセチルピロリジン、1‐アセチルピペリジン、N‐メチルアセトアニリド及び4‐アセチルモルホリン等の3級アミド;1‐メチル‐2‐ピロリドン、N‐メチル‐ε‐カプロラクタム、1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐2‐ピロリドン、N‐ビニル‐ε‐カプロラクタム及び1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン等の環状3級アミドを用いることができる。中でも、ε‐カプロラクタムが好ましい。アミド基等含有化合物のうち、アミン基を有する化合物としては、ポリエチレンイミン等を用いることができる。尚、これらのアミド基等含有化合物は、単独で用いても、二種類以上を混合して用いてもよい
金属を固定する化合物としては、アミド基を有する化合物、アミン基を有する化合物、還元性化合物をそれぞれ、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
樹脂基材中の金属を固定する化合物の含有量は、金属化合物を吸着又は還元する能力と、樹脂基材の機械強度の両立の観点から、例えば、0.01重量%〜50重量%であり、好ましくは、0.1重量%〜10重量%である。
本実施形態の樹脂基材は、必要に応じて、更にその他の汎用の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、後工程のレーザー光照射工程において、レーザー光を吸収して熱を発生し易くする光吸収剤が挙げられる。光吸収剤としては、カーボン等のフィラー;シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジイモニウム化合物、アゾ化合物等の光吸収色素が挙げられる。
<樹脂基材の製造方法>
樹脂基材10を射出成形する方法は特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂と、金属を固定する化合物とを混合して可塑化溶融し、直接、所望の形状の樹脂基材を成形してもよい。または、まず、金属を固定する化合物と第1の熱可塑性樹脂とを含む樹脂ペレットを製造し、製造した樹脂ペレットを第2の熱可塑性樹脂に混合して射出成形し、第1及び第2の熱可塑性樹脂と、金属を固定する化合物とを含む樹脂基材を得てもよい。ここで、第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂は、同一の種類の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。
本実施形態において、金属を固定する化合物を含む樹脂ペレットは、マスターバッチに相当し、樹脂基材の主成分である第2の熱可塑性樹脂は、マスターバッチが配合されるベース樹脂に相当する。マスターバッチとは、染料、顔料、その他の添加剤等の機能性材料を高濃度に含有した樹脂ペレットであり、機能性材料を含有しないベース樹脂に混合され、ベース樹脂と共に成形される。
金属を固定する化合物を含む樹脂ペレットの製造方法は、特に限定されず、任意の方法を用いることができる。例えば、金属を固定する化合物及び第1の熱可塑性樹脂を押出成形した後、成形物を裁断して樹脂ペレットを製造する。金属を固定する化合物及び第1の熱可塑性樹脂は、混合(ドライブレンド)してから押出成形機の可塑化シリンダ内に導入してもよいし、先に可塑化シリンダ内で第1の熱可塑性樹脂を可塑化溶融しておき、後から金属を固定する化合物を可塑化シリンダ内に導入して溶融樹脂に混合してもよい。後から金属を固定する化合物を溶融樹脂に混合する場合、金属を固定する化合物を直接、溶融樹脂に混合してもよいし、金属を固定する化合物を溶媒に溶解又は分散した溶液を溶融樹脂に混合してもよい。
樹脂ペレットの製造において、金属を固定する化合物を含む溶液を溶融樹脂に混合する場合、可塑化シリンダ内の圧力は、熱可塑性樹脂が溶融する高温状態であっても、溶液が液体状体を維持できる高圧力に保つことが好ましい。これにより、樹脂ペレット内の金属を固定する化合物の粒子径を微細化できる。このような樹脂ペレットを用いて製造した樹脂基材は、金属を固定する化合物が凝集せずに均一に基材内に分布する。このため、無電解メッキ触媒の吸着量が増加し、無電解メッキの反応性が向上する。これにより、金属を固定する化合物の使用量を削減することができる。更に、樹脂ペレットの製造において、溶融樹脂と金属を固定する化合物を含む溶液とを十分に混合した後、急減圧等することにより、押出成形する前に、溶融樹脂から溶液の溶媒を除去することが好ましい。
また、本実施形態の樹脂ペレットは、高圧容器を用いたバッチ処理により製造してもよい。例えば、金属を固定する化合物が加圧二酸化炭素等の高圧流体に可溶である場合、原料樹脂ペレット(第1の熱可塑性樹脂)と金属を固定する化合物とが内部に配置された高圧容器内に、加圧流体を導入して密閉し、所定時間の間、高圧容器内を高圧に保持する。高圧容器内では、加圧流体に溶解した金属を固定する化合物が、加圧流体と共に原料ペレットに浸透し、これにより、金属を固定する化合物を含む樹脂ペレットが製造される。
(2)樹脂基材の加熱又は光照射
次に、樹脂基材10の一部分を加熱又は光照射する(図1のステップS2)。加熱又は光照射することにより、図2(b)に示すように、基材10の表面には、加熱又は光照射した部分10aと、加熱又は光照射していない部分10bが形成される。
光を照射する方法は、特に限定されず、例えば、レーザー光を樹脂基材10の表面に所定パターンに従って照射する方法(レーザー描画)や、光を照射しない部分をマスクした後に、樹脂基材10の表面全体に光を照射する方法等が挙げられる。樹脂基材10の表面の一部分に光を照射することにより、光が熱に変換され、樹脂基材10の表面は加熱されると推測される。また、樹脂基材10の表面に光を照射せずに樹脂基材10の表面を加熱する方法としては、凸部によりパターンが形成された簡易金型等で樹脂基材10の表面を直接、熱プレスする方法が挙げられる。作業の簡便性及び加熱部分の選択性に優れていること、更に、パターンの変更及び微細化が容易であることから、レーザー描画により樹脂基材10を加熱することが好ましい。
レーザー光は、例えば、COレーザー、YVOレーザー、YAGレーザー等のレーザー装置を用いて照射でき、これらのレーザー装置は、樹脂基材10に用いる熱可塑性樹脂の種類に応じて、適宜選択できる。
本実施形態では、樹脂基材10にレーザー描画を行う。以下、図2(b)に示す、加熱又は光照射した部分10aを「レーザー描画部分10a」と、加熱又は光照射していない部分10bを「非レーザー描画部分10b」と記載する。レーザー描画部分10aは、レーザー光により、樹脂基材10の表面近傍が分解、蒸発等して除去される。これにより、レーザー描画部分10aは、レーザー光照射により粗化される。一方、非レーザー描画部分10bの表面は、粗化されない。
レーザー光照射により、レーザー描画部分10aの表面は粗化されて比表面積が増加し、レーザー光照射前は基材の内部に存在していた金属を固定する化合物が基材表面に露出する。これにより、基材表面に露出する金属を固定する化合物の量が増加する。したがって、非レーザー描画部分10bと比較して、レーザー描画部分10aには、その表面により多くの金属を固定する化合物が存在する。このように、より多くの金属を固定する化合物が表面に存在することで、後述する無電解メッキ触媒付与工程(図1のステップS3)において、レーザー描画部分10aには選択的に無電解メッキ触媒が付与され、更に後述する無電解メッキ工程(図1のステップS4)において、レーザー描画部分10aに無電解メッキ膜85が選択的に形成される。
尚、樹脂基材10の材料の種類や樹脂基材中の金属を固定する化合物の含有量によっては、無電解メッキ触媒付与工程(図1のステップS3)において、非レーザー描画部分10bに、少量の金属イオンが吸着する場合もある。しかし、このような場合であっても、レーザー描画部分10aには、非レーザー描画部分10bと比較して、より多くの金属を固定する化合物が存在するため、より多くの金属イオンが吸着し、レーザー描画部分10aと非レーザー描画部分10bとには、金属イオンの吸着量の差が生じる。このため、例えば、無電解メッキ触媒付与工程(図1のステップS3)及び無電解メッキ工程(図1のステップS4)の条件を調整すること等により、レーザー描画部分10aのみに選択的に無電解メッキ膜を形成することが可能である。
更に、本実施形態では、レーザー描画工程(図1のステップS2)の前に、樹脂基材10を洗浄する工程を設けてもよい。樹脂基材10の洗浄は、金属を固定する化合物を溶解する液体を用いて行う。樹脂基材10を洗浄することで、基材表面に存在する金属を固定する化合物を除去することができる。これにより、非レーザー描画部分10bの無電解メッキ触媒の吸着を更に抑制できる。その結果、レーザー描画部分10aに選択的に無電解メッキ膜を形成できるので、無電解メッキ膜が形成される部分(レーザー描画部分10a)と形成されない部分(非レーザー描画部分10b)とのコントラストを更に上げることができる。
(3)無電解メッキ触媒の付与
次に、樹脂基材10のレーザー描画部分10aを含む領域に金属塩を含む無電解メッキ触媒液を接触させる(図1のステップS3)。
無電解メッキ触媒液が含有する金属塩は、無電解触媒能を有する金属の塩であれば任意のものを用いることができ、例えば、Pd、Pt、Cu、Ni等の塩が挙げられる。レーザー描画部分10aへの吸着し易さという観点から、塩化パラジウムが好ましい。
無電解メッキ触媒液中の金属塩の濃度は、無電解メッキ触媒液の温度、無電解メッキ触媒液と樹脂基材との接触時間等の条件に基づき、適宜調整できるが、例えば、0.05mg/L〜100g/L、好ましくは、1mg/L〜20g/L、より好ましくは、5mg/L〜10g/Lである。金属塩の濃度が上記範囲より低いと、樹脂基材への金属塩の吸着量にムラができ、メッキ膜の欠陥ができる虞がある。また、金属塩の濃度が上記範囲を超えると、レーザー描画部分10a以外への触媒の付着によるメッキ膜析出の虞がある。
金属塩を溶解させる無電解メッキ触媒液の溶媒としては、特に限定されず、金属塩の種類に応じて選択でき、例えば、水;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、エチルメチルケトン等の有機溶媒;これらの混合溶媒が挙げられる。更に、金属塩の溶解度を上げるために、塩酸、硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウムなどを加えて、液体のpHを調整していてもよい。例えば、無電解メッキ触媒液が塩酸を含む場合、無電解メッキ触媒液中の塩酸の濃度は、例えば、0.1〜12Nであり、0.1〜5Nが好ましく、1.0〜4.0Nがより好ましい。また、樹脂基材が炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等の酸に溶解可能なミネラルを含む場合、無電解メッキ触媒液に酸を用いることで、樹脂基材中のミネラルを溶解して樹脂基材表面に凹凸が形成され、金属塩の樹脂基材への吸着を促進できる。
無電解メッキ触媒液は、金属塩及び溶媒のみから構成されても良いし、必要に応じて、汎用の添加剤を含んでもよい。無電解メッキ触媒液は、例えば、界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤を含有することで無電解メッキ触媒液の表面張力が低下し、樹脂基材表面への濡れ性が向上して、金属塩が樹脂基材表面に吸着し易くなる。界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤等、汎用の界面活性剤を使用できる。
無電解メッキ触媒液は、金属塩と、溶媒と、更に必要に応じて汎用の添加剤等を混合して調製してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、センシタイザー・アクチベーティング法に用いる触媒化処理剤(アクチベータ)を用いることができる。通常のセンシタイザー・アクチベーティング法では、Pd2+を含む触媒化処理剤(アクチベータ)を用いる処理(アクチベーティング)の前に、Sn2+を含む感応性付与剤(センシタイザー)を用いたセンシタイザー処理が必要であるが、本実施形態ではセンシタイザー処理は不要である。このため、本実施形態の無電解メッキ触媒付与方法は、センシタイザー・アクチベーティング法よりも製造コストを削減でき、スループットを向上できる。
樹脂基材10に無電解メッキ触媒液を接触させる方法は任意であり、目的に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、無電解メッキ触媒液に樹脂基材10全体を浸漬させてもよいし、樹脂基材10の一部分のみを無電解メッキ触媒液と接触させてもよい。
樹脂基材に無電解メッキ触媒液を接触させる時間は、例えば、5秒〜30分が好ましい。5秒未満であると、樹脂基材10への金属塩の吸着量にムラができる虞がある。また、30分を超えると、樹脂基材10へ浸透した無電解メッキ触媒液による樹脂基材の劣化や、レーザー描画部分10a以外への触媒の付着によるメッキ膜析出の虞がある。無電解メッキ触媒液の温度は、樹脂基材材料の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、20℃〜90℃である。
樹脂基材10に無電解メッキ触媒液を接触させることにより、レーザー描画部分10aに金属塩由来の金属イオンが吸着する。そして、その金属イオンは、後工程の無電解メッキ工程(図1のステップS4)において、無電解メッキ触媒として機能する。このメカニズムは、以下のように推測される。
一般に、無電解メッキ触媒となるパラジウム等の金属イオンは、そのままでは樹脂表面に吸着し難い。そのため、汎用の無電解メッキ触媒付与方法であるセンシタイザー・アクチベーティング法やキャタリスト・アクセレレータ法では、まず、樹脂基材表面を粗化し、更に、パラジウムイオンを還元して酸化数0(ゼロ)の金属パラジウムとして基材に吸着させている。ここで、本実施形態の非レーザー描画部分10bは、粗化されていないため、無電解メッキ触媒液中の金属イオンが吸着し難い。一方で、レーザー描画部分10aは粗化されており、且つ、多くの金属を固定する化合物が露出しているため、金属イオンが吸着し易い。これにより、本実施形態では、樹脂基材10のレーザー描画部分10aに、選択的に無電解メッキ触媒として機能する金属塩由来の金属イオンを付与できる。
更に、通常、無電解メッキ触媒は、酸化数0(ゼロ)の金属状態において触媒活性を示す。このため、従来から知られている汎用の無電解メッキ触媒付与方法であるセンシタイザー・アクチベーティング法及びキャタリスト・アクセレレータ法のどちらの方法においても、パラジウムを樹脂基材に吸着させつつ還元している。したがって、従来は、金属状態でない塩化パラジウム(パラジウムイオン)を基材に付与しても触媒活性を発現せず、無電解メッキ触媒として使用することは困難であった。しかし、本実施形態では、レーザー描画部分10aに吸着する金属イオンは、別途、還元工程を用いなくとも、後工程の無電解メッキ工程(図1のステップS4)において、無電解メッキ触媒として機能する。これは、レーザー描画部分10aに吸着した金属イオンが、無電解メッキ工程において、無電解メッキ液中に含まれる還元剤により還元され、無電解メッキ触媒能を発揮するためと推測される。また、金属を固定する化合物が還元性化合物である場合には、金属を固定する化合物によっても金属イオンは還元される。したがって、本実施形態では、無電解メッキ工程前の無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元処理を省略できる。これにより、製造コストを削減でき、スループットを向上できる。
(4)無電解メッキ
次に、無電解メッキ触媒液を接触させた樹脂基材10のレーザー描画部分10aを含む領域に、無電解メッキ液を接触させる(図1のステップS4)。上述のように、樹脂基材10のレーザー描画部分10aには、選択的に無電解メッキ触媒が付与されている。このような状態の樹脂基材10に無電解メッキ液を接触させることで、図2(c)に示すように、レーザー描画部分10aに無電解メッキ膜85が形成され、メッキ部品100が得られる。
無電解メッキ液としては、目的に応じて任意の汎用の無電解メッキ液を使用しできるが、触媒活性が高く液が安定であるという点から、無電解銅メッキ液、無電解ニッケルメッキ液、無電解ニッケルリンメッキ液が好ましい。
無電解メッキ液の温度、無電解メッキ時間(樹脂基材10に無電解メッキ液を接触させる時間)は、無電解メッキ液及びポリマーの種類等に応じて適宜決定できる。例えば、無電解メッキ液の温度は、50℃〜80℃であり、無電解メッキ時間は、1分〜1時間である。
無電解メッキ膜85上には、メッキ部品100の用途及び意匠性向上等の目的から、更に異なる種類の無電解メッキ膜を複数層形成してもよいし、電解メッキにより電解メッキ膜を形成してもよい。また、無電解メッキ膜85が形成された樹脂基材10は、無電解メッキ後にアニール処理を施してもよいし、室温で放置して自然乾燥してもよい。また、アニール処理や自然乾燥を行わず、連続して電解メッキ膜を形成する等の次の工程を行ってもよい。
[第2の実施形態]
本実施形態では、図3に示すように、樹脂基材の加熱又は光照射工程(レーザー描画工程)(図3のステップS2)の前に、樹脂基材10の表面に触媒失活剤を付与する(図3のステップS11)。それ以外は、第1の実施形態と同様の方法により、メッキ部品を製造する。
触媒失活剤付与工程(図3のステップS11)について説明する。触媒失活剤としては、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することを妨げ、結果として、無電解メッキの反応を抑制する物質であれば、任意の物質を用いることができる。触媒失活剤は、無電解メッキ触媒と直接反応して無電解メッキ触媒を被毒するか、又は無電解メッキ触媒と直接反応せずとも、触媒付与工程のいずれかの段階において、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することを妨げると推測される。このような触媒失活剤としては、例えば、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)等のメッキ触媒毒となる重金属及びその化合物、ヨウ素及びその化合物、過酸化物等の酸化剤等が挙げられる。これらの触媒失活剤は、例えば、特許第5902853号公報に開示される方法により、樹脂基材10への付与できる。
また、図4(a)に示すように、触媒失活剤を含む触媒活性妨害層12(以下、適宜、単に「妨害層」と記載する)を樹脂基材10の表面に形成することにより、触媒失活剤を樹脂基材10の表面に付与してもよい。例えば、触媒失活剤として、触媒活性を妨害する樹脂を用いてもよい。樹脂である触媒失活剤は、妨害層12として樹脂基材10上に付与できる。樹脂である触媒失活剤としては、側鎖にアミド基及びジチオカルバメート基を有するポリマーが好ましい。側鎖のアミド基及びジチオカルバメート基が無電解メッキ触媒となる金属イオンに作用し、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することを妨げると推測される。
妨害層12の厚みは、例えば、5000nm以下が好ましく、1000nm以下がより好ましく、300nm以下が更により好ましい。一方で、無電解メッキ触媒の触媒活性を妨害する観点からは、例えば、10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上が更により好ましい。
樹脂基材10の表面に妨害層12を形成する方法は、特に限定されない。例えば、溶媒に樹脂である触媒失活剤を溶解させた樹脂溶液を調製し、樹脂溶液を樹脂基材10に接触させて妨害層12を形成してもよい。樹脂溶液を樹脂基材10に接触させる方法としては、樹脂溶液を樹脂基材10に塗布してもよいし、樹脂溶液に樹脂基材10を浸漬してもよい。具体的な形成方法としては、ディップコート、スクリーンコート、スプレーコート等が挙げられる。中でも、樹脂溶液に樹脂基材10を浸漬する方法(ディップコート)が好ましい。
次に、図3に示すように、第1の実施形態と同様の以下の工程を行う。まず、触媒失活剤が付与させた樹脂基材10の一部分を加熱又は光照射する(図3のステップS2)。本実施形態では、第1の実施形態と同様にレーザー描画を行う。レーザー描画により、図4(b)に示すように、樹脂基材10の表面には、レーザー描画部分10aと、非レーザー描画部分10bが形成される。レーザー描画部分10aでは、触媒失活剤は除去されるか、変性又は変質して触媒失活剤として作用しなくなる。また、第1の実施形態と同様に、レーザー描画部分10aは粗化され、基材表面に露出する金属を固定する化合物の量が増加する。
次に、レーザー描画した樹脂基材10のレーザー描画部分10aを含む領域に、金属塩を含む無電解メッキ触媒液を接触させる(図3のステップS3)。無電解メッキ触媒液を接触させることにより、レーザー描画部分10aに金属塩由来の金属イオンが吸着する。そして、無電解メッキ触媒液を接触させた樹脂基材10のレーザー描画部分10aを含む領域に、無電解メッキ液を接触させる(図3のステップS4)。これにより、図4(c)に示すように、レーザー描画部分10aに無電解メッキ膜85が形成され、メッキ部品200が得られる。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、樹脂基材10のレーザー描画部分10aのみに選択的に無電解メッキ膜85が形成される。また、本実施形態では、非レーザー描画部分10bに残存する触媒失活剤(図4に示す妨害層12)により、非レーザー描画部分10bにおけるメッキ膜の形成をより確実に抑制できる。これにより、例えば、無電解メッキ触媒液を接触させることにより(図3のステップS3)、非レーザー描画部分10bに、少量の金属イオンが吸着した場合であっても、樹脂基材10の表面において、無電解メッキ膜が形成される部分と形成されない部分とのコントラストをより明確にできる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例及び比較例により制限されない。
[実施例1]
本実施例では、まず、金属を固定する化合物と、第1の熱可塑性樹脂とを含む樹脂ペレットを製造し、次に製造した樹脂ペレットと、第2の熱可塑性樹脂とを混合して射出成形して樹脂基材を得た。そして、得られた樹脂基材の表面の一部分にメッキ膜を形成して、本実施例のメッキ部品を製造した。
本実施例では、金属を固定する化合物として還元性化合物(無機フィラー)である次亜リン酸カルシウム(和光純薬製、粉状)を用い、第1の熱可塑性樹脂としてポリアミド6T(PA6T)(ソルベイ アドバンスト ポリマーズ製、アモデルAS−1566HS、黒色グレード)を用いた。第2の熱可塑性樹脂としても、第1の熱可塑性樹脂と同様のポリアミド6T(PA6T)を用いた。
(1)樹脂ペレットの製造
樹脂ペレット中の次亜リン酸カルシウムの含有量が10重量%となるように、ポリアミド6T(PA6T)(第1の熱可塑性樹脂)のペレットと、次亜リン酸カルシウムとを均一に混合して、押出成形機(井元製作所製、IMC‐1A6C型)を用いて押出成形し、続いて、押出成形物をペレタイザーに通して、樹脂ペレットを製造した。スクリュ温度は340℃とした。
(2)樹脂基材の射出成形
樹脂基材中の次亜リン酸カルシウムの含有量が1重量%となるように、ポリアミド6T(第2の熱可塑性樹脂)のペレットと、先に製造した樹脂ペレットとを混合(ドライブレンド)し、射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−300H)を用いて、4cm×6cm×0.2cmの板状体(樹脂基材)に射出成形した。
(3)レーザー描画
樹脂基材に、レーザー描画装置(キーエンス製、MD−V9929WA、YVOレーザー、波長1064nm)を用いて、所定のパターンに沿ってレーザー光を照射した。レーザー描画は、描画速度600mm/sec、周波数50kHz、パワー80%で行った。本実施例でレーザー描画したパターンは、以下の2種類のパターンである。

パターン(I):2cm×3cmの長方形のパターン。0.1μm間隔ピッチの直線で塗り潰すようにレーザー描画した。
パターン(II):ピッチ500μm、線幅200μm、長さ4cmの複数の直線からなるパターン(即ち、パターンのライン・アンド・スペース(L/S)は、200μm/300μm)
(4)無電解メッキ触媒の付与
塩化パラジウムを50ppm含有し、塩酸の濃度が2.0Nである無電解メッキ触媒液を調製した。無電解メッキ触媒液の温度を30℃に調整し、樹脂基材を無電解メッキ触媒液に1分間浸漬した。浸漬後、樹脂基材を無電解メッキ触媒液から取り出して純水で洗浄した。
(5)無電解メッキ
析出レートの高い無電解銅メッキ液(奥野製薬製、OPCカッパーNCA)の温度を60℃に調整し、無電解メッキ触媒を付与した樹脂基材を20分間浸漬して、樹脂基材表面に無電解銅メッキ膜を2μm成長させた。その後、樹脂基材を無電解メッキ液から取り出して、十分に水洗した。以上説明した製造方法により、本実施例のメッキ部品を得た。
[実施例2]
本実施例では、レーザー描画の前に樹脂基材上に触媒失活剤としてヨウ素を付与した。それ以外は実施例1と同様の方法により、メッキ部品を製造した。
(1)樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の成形
実施例1と同様の方法により、樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の射出成形を行い、樹脂基材を得た。
(2)触媒失活剤の付与
以下の手順で、ヨウ素濃度1.5重量%、ヨウ化カリウム濃度6重量%、水とエタノール混合溶液を溶媒とするヨウ素溶液を調製した。まず、水194.5gにヨウ化カリウム(和光純薬製試薬)18.0gを溶解し、ヨウ化カリウム水溶液を調製した。次に、調製したヨウ化カリウム水溶液に、ヨウ素(和光純薬製試薬)4.5gを加え、攪拌して完全に溶解させた。更にエタノール(和光純薬製試薬)83.0gを加え、ヨウ素溶液を得た。
調製したヨウ素溶液を300ccのトールビーカーに入れ、樹脂基材をヨウ素溶液に浸漬し、室温で10分間放置した。その後、樹脂基材をヨウ素溶液から取り出し、十分に水洗した後、エアーブローで基材についた水滴を除去した。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、触媒失活剤を付与した樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(II)のレーザー描画を行った。
(4)無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキ
実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒の付与及び無電解銅メッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[実施例3]
本実施例では、レーザー描画の前に樹脂基材上に触媒失活剤としてヨウ素を付与し、無電解メッキとして無電解ニッケルリンメッキを行った。それ以外は実施例1と同様の方法により、メッキ部品を製造した。
(1)樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の成形
実施例1と同様の方法により、樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の射出成形を行い、樹脂基材を得た。
(2)触媒失活剤の付与
実施例2と同様の方法により、樹脂基材に触媒失活剤(ヨウ素)の付与を行った。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、触媒失活剤を付与した樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。
(4)無電解メッキ触媒の付与
実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒の付与を行った。
(5)無電解メッキ
ニッケルリンメッキ液(奥野製薬工業社製、トップニコロンRCH)の温度を90℃に調整し、無電解メッキ触媒を付与した樹脂基材を20分間浸漬して、樹脂基材表面にニッケルリンメッキ膜を2μm成長させた。その後、樹脂基材を無電解メッキ液から取り出して、十分に水洗した。以上説明した製造方法により、本実施例のメッキ部品を得た。
[比較例1]
本比較例では、金属を固定する化合物を含まない樹脂基材を製造したこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂基材に対して各処理を行った。
(1)樹脂基材の射出成形
次亜リン酸カルシウムを含有する樹脂ペレットを用いずに、ポリアミド6Tのペレットのみを用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、樹脂基材の射出成形を行い、樹脂基材を得た。
(2)レーザー描画、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキ
実施例1と同様の方法により、樹脂基材に対して、レーザー描画、無電解メッキ触媒の付与及び無電解銅メッキを行った。
[比較例2]
本比較例では、金属を固定する化合物を含まない樹脂基材を製造し、レーザー描画の前に樹脂基材上に触媒失活剤としてヨウ素を付与し、無電解メッキとして無電解ニッケルリンメッキを行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂基材に対して各処理を行った。即ち、本比較例は、金属を固定する化合物を含まない樹脂基材を製造したこと以外は、実施例3と同様の方法により、樹脂基材に対して各処理を行った。
(1)樹脂基材の射出成形
次亜リン酸カルシウムを含有する樹脂ペレットを用いずに、ポリアミド6Tのペレットのみを用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、樹脂基材の射出成形を行い、樹脂基材を得た。
(2)触媒失活剤の付与
実施例2と同様の方法により、樹脂基材に触媒失活剤(ヨウ素)の付与を行った。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、触媒失活剤を付与した樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。
(4)無電解メッキ触媒の付与
実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒の付与を行った。
(5)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行った。
[実施例4]
本実施例では、第1及び第2の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いた。また、樹脂基材の無電解メッキ触媒液への浸漬時間を実施例1と比較して長くし、無電解メッキとして無電解ニッケルリンメッキを行った。それ以外は実施例1と同様の方法により、メッキ部品を製造した。
(1)樹脂ペレットの製造
ポリアミド6T(PA6T)に代えて、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)(帝人株式会社製、1040G、黒色)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂ペレットを製造した。但し、押出成形におけるスクリュ温度は350℃とした。
(2)樹脂基材の射出成形
第2の熱可塑性樹脂として、ポリアミド6T(PA6T)に代えて、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)(帝人株式会社製、1040G、黒色)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂基材を得た。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(4)無電解メッキ触媒の付与
樹脂基材の無電解メッキ触媒液への浸漬時間を15分とした以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(5)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[実施例5]
本実施例では、レーザー描画の前に樹脂基材上に触媒失活剤としてポリマーを付与したこと以外は、実施例4と同様の方法により、メッキ部品を製造した。
(1)樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の射出成形
実施例4と同様の方法により、樹脂ペレットを製造して基材成形を行い、実施例4と同等の樹脂基材を得た。
(2)触媒失活剤の付与
本実施例では、触媒失活剤であるポリマーを含む触媒活性妨害層を樹脂基材の表面に形成した。ポリマーとしては、下記式(1)で表される、側鎖にアミド基及びジチオカルバメート基を有するハイパーブランチ型ポリマーAを用いた。
Figure 2018053334
(a)ポリマーAの合成
下記式(2)で表される、市販のハイパーブランチポリマー(ポリマーB)にアミド基を導入して、式(1)で表されるポリマーAを合成した。
Figure 2018053334
まず、式(2)で表されるハイパーブランチポリマー(日産化学工業製、ハイパーテック HPS−200)(1.3g、ジチオカルバメート基:4.9mmol)、N‐イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(1.10g、9.8mmol)、α,α’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(81mg、0.49mmol)、脱水テトラヒドロフラン(THF)(10mL)をシュレンク管へ加え、凍結脱気を3回行った。その後、オイルバスを用いて70℃で一晩(18時間)撹拌して反応させ、反応終了後、氷水によって冷却し、THFで適度に希釈した。次に、ヘキサン中で再沈殿させ、得られた固体の生成物を60℃で一晩真空乾燥させた。生成物のNMR(核磁気共鳴)測定及びIR(赤外吸収スペクトル)測定を行った。この結果、式(2)で表される市販のハイパーブランチポリマーにアミド基が導入されて、式(1)で表されるポリマーAの生成が確認できた。次に、生成物の分子量をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定した。用いた化合物の分子量は、数平均分子量(Mn)=9,946、重量平均分子量(Mw)=24,792であり、ハイパーブランチ構造独特の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)とが大きく異なった値であった。ポリマーAの収率は、92%であった。
(b)触媒活性妨害層の形成
合成した式(1)で表されるポリマーAをメチルエチルケトンに溶解して、ポリマー濃度0.5重量%のポリマー溶液を調製した。成形した樹脂基材を調製したポリマー溶液に室温で10秒間浸漬し、その後、85℃乾燥機中で5分間乾燥した。これにより、樹脂基材表面に触媒活性妨害層が形成された。
触媒活性妨害層の膜厚を以下に説明する方法により測定した。まず、本実施例と同一の条件で樹脂層を形成した膜厚測定用試料を作製した。膜厚測定用試料の樹脂層の一部を金属製スパチュラで傷をつけて基材を露出させ、レーザー顕微鏡(キーエンス製、VK−9710)で樹脂層表面と露出した基材表面との段差を測定し、この測定値を触媒活性妨害層の膜厚とした。触媒活性妨害層の膜厚は、約70nmであった。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、触媒失活剤を付与した樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(II)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(4)無電解メッキ触媒の付与
実施例4と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(5)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[実施例6]
本実施例では、レーザー描画の前に樹脂基材の洗浄を行い、樹脂基材の最も表面に存在する金属を固定する化合物を除去した。それ以外は、実施例4と同様の方法により、メッキ部品を製造した。
(1)樹脂ペレットの製造及び樹脂基材の射出成形
実施例4と同様の方法により、樹脂ペレットを製造して基材成形を行い、実施例4と同等の樹脂基材を得た。
(2)基材の洗浄
30℃に調整した1Nの塩酸に、成形した樹脂基材を20分間浸漬した。その後、樹脂基材を塩酸から取り出し、純水で3回洗浄し、純水洗浄後、乾燥させた。これにより、樹脂基材の最表面に存在する次亜リン酸カルシウムを除去した。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、洗浄した樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(II)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(4)無電解メッキ触媒の付与
実施例4と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(5)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[実施例7]
本実施例では、まず、図5に示す製造装置1000を用いて、以下に説明する方法により、金属を固定する化合物と、第1の熱可塑性樹脂とを含む樹脂ペレットを製造し、次に製造した樹脂ペレットと、第2の熱可塑性樹脂とを混合して射出成形して樹脂基材を得た。そして、得られた樹脂基材の表面の一部分にメッキ膜を形成して、本実施例のメッキ部品を製造した。
本実施例では、金属を固定する化合物として還元性化合物(無機フィラー)である次亜リン酸カルシウム(和光純薬製、粉状)を用い、第1の熱可塑性樹脂としてガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)(帝人株式会社製、1040G、黒色)を用いた。第2の熱可塑性樹脂としても、第1の樹脂可塑性樹脂と同様のガラス繊維強化PPSを用いた。
(1)樹脂ペレットの製造装置
まず、本実施例で樹脂ペレットの製造に用いた製造装置1000について説明する。図5に示すように、製造装置1000は、可塑化シリンダ210を有する押出成形機300と、次亜リン酸カルシウムの溶解溶液(溶液A)を可塑化シリンダ210に供給する溶解溶液(溶液A)供給機構150と、制御装置(不図示)を備える。制御装置は、押出成形機300と、溶液A供給機構150との動作を制御する。
(a)押出成形機
図5に示す押出成形機300は、可塑化シリンダ210と、可塑化シリンダ210の先端に設けられるダイ29と、可塑化シリンダ210内に回転自在に配設されたスクリュ20と、可塑化シリンダ210内に配置される上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2と、可塑化シリンダ210に接続する真空ポンプPを備える。可塑化シリンダ210の上部側面には、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化シリンダ210に供給するための樹脂供給口201、溶液Aを可塑化シリンダ210内に導入するための導入口202、及び必要に応じて可塑化シリンダ210内からガス化した溶液Aの溶媒を排気するためのベント203が形成されている。これらの樹脂供給口201、及び導入口202にはそれぞれ、樹脂供給用ホッパ211、及び導入バルブ212が配設されており、ベント203には、真空ポンプPが接続されている。また導入バルブ212は、押出成形機300の外に設けられる溶液A供給機構150と接続される。可塑化シリンダ210の外壁面には、バンドヒータ(不図示)が配設されており、これにより可塑化シリンダ210が加熱されて、熱可塑性樹脂が可塑化される。
このような構造の押出成形機300では、樹脂供給口201から可塑化シリンダ210内に熱可塑性樹脂が供給され、熱可塑性樹脂がバンドヒータ(不図示)によって可塑化されて溶融樹脂となり、スクリュ20が回転することにより下流に送られる。そして、導入口202近傍まで送られた溶融樹脂は、導入された溶液Aを高圧下、接触混練される。次いで、溶液Aと接触混練された溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、ガス化した溶液Aの溶媒が溶融樹脂から分離し、ベント203から排気される。そして、さらに前方に送られた溶融樹脂は、ダイ29から押し出される。これにより、可塑化シリンダ210内では、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化して溶融樹脂とする可塑化ゾーン21、溶融樹脂と導入口202から導入される溶液Aを高圧下、接触混練する高圧混練ゾーン22、及び溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、溶融樹脂から分離された溶液Aの溶媒をベント203から排気する減圧ゾーン23が形成される。
(b)溶液A供給機構
次に、図に示す溶液A供給機構150について説明する。溶液A供給機構150は、背圧弁250を介して押出成形機300の導入バルブ212に接続しており、溶液Aを成形機300に供給する。溶液A供給機構150は、溶液Aの収容容器13と、収容容器13から溶液Aを吸引後、所定の圧力に昇圧し、更に流量一定で液送可能な2つのシリンジポンプ14、15とから構成される。
溶液A供給機構150は、流量制御及び圧力制御が可能なシリンジポンプ14、15を有するので、流量及び圧力を所定量に制御した溶液A及を押出成形機300へ液送できる。押出成形機300の可塑化シリンダ210へ導入される溶液Aの圧力は、背圧弁250の設定圧力により調整される。溶液A供給機構150において、一方のポンプ(例えば、シリンジポンプ14)が液送している際に、他方のポンプ(シリンジポンプ15)が溶液を吸引加圧して待機する。液送している一方のポンプ(シリンジポンプ14)内の加圧した溶液が空になったタイミングで、ポンプを切り替え、今度は、他方のポンプ(シリンジポンプ15)により液送を開始する。これにより連続で圧力と流量を一定にして、溶液A供給機構150から押出成形機300へ溶液Aを液送する(供給する)ことが可能となり、押出成形機300は次亜リン酸カルシウムを微分散した押出成形品を連続成形できる。
(2)樹脂ペレットの製造
以上説明した図5に示す製造装置1000を用いて、金属を固定する化合物(次亜リン酸カルシウム)と、第1の熱可塑性樹脂(PPS)とを含有する樹脂ペレットを製造した。まず、次亜リン酸カルシウムを水に溶解して、次亜リン酸カルシウムが6重量%の水溶液(溶液A)を調製し、収容容器13に収容した。そして、溶液A供給機構150において、溶液Aをシリンジポンプ14により吸引後、昇圧した。溶液Aを昇圧後、シリンジポンプ14を圧力制御から流量制御に切り替え、溶液Aを所定の流量比となるように流動させた。これにより、溶液Aで導入バルブ212までの系を加圧した。
一方、押出成形機300において、バンドヒータ(不図示)により、可塑化ゾーン21を340℃、高圧混練ゾーン22を320℃、減圧ゾーン23を300℃に調整した。そして、押出成形機300において、図示しないフィーダースクリュにより投入量を制御しながら、樹脂供給用ホッパ211から第1の熱可塑性樹脂を供給し、スクリュ20を回転させた。これにより、該熱可塑性樹脂を加熱、混練し、溶融樹脂とした。スクリュ20を回転することにより、溶融樹脂を可塑化ゾーン21から高圧混練ゾーン22に流動させた。シール機構S1、S2の間に配置される高圧混練ゾーン22において、溶液Aが導入される前の溶融樹脂の圧力を14±1MPaに調整した。
次に、導入バルブ212を開放して、シリンジポンプ14より、溶液Aを高圧混練ゾーン22に一定流量で導入した。導入圧力は、背圧弁250により、15MPaに調整した。溶液Aの流量は、15mL/分とした。スクリュ20を回転することにより、高圧混練ゾーン22において、溶融樹脂に溶液A混合した。本導入バルブ212直下に設けた圧力センサ(不図示)のモニターした可塑化シリンダ210の内部の圧力は、流体の導入後は、9.0±1.5MPaと安定であった。更に、スクリュ20を回転することにより、高圧混練ゾーン22を9.0±1.5MPaに保持した状態で、溶融樹脂を減圧ゾーン23へ流動させた。減圧ゾーン23は大気圧に設定し、減圧ゾーン23へ流動した溶液A中の水をガス化させて分離した。ガス化した溶媒は、真空ポンプPにより吸引されてベント203から可塑化シリンダ210の外部へ排出され、真空ポンプPに接続する回収容器に回収された。スクリュ20を回転することにより、溶融樹脂を更に下流へ流動させ、その後、可塑化シリンダ210の先端に設けられたダイ29から紐状に押し出し、紐状の成形体を得た。
得られた紐状の押出成形物を図示しない水槽を通過させ、その後、図示しないストランドカット装置にて連続的に切断し樹脂ペレットを製造した。本実施例においては、可塑化スクリュ20の回転数は、100rpmとし、ダイ29からの溶融樹脂の吐出量は、3kg/hrとした。溶液A(次亜リン酸カルシウムの6重量%水溶液、比重1.1g/cm)を15mL/分で溶融樹脂に供給したことから、樹脂ペレット中の次亜リン酸カルシウムの含有量の設定値は、約2重量%である。
本実施例で製造した樹脂ペレットの断面をSEMにて観察した。樹脂ペレット内の次亜リン酸カルシウムの粒子径は、1μm以下と微細であり、原料粉末の1/10〜1/100以下の大きさ(粒子径)に微細化されていることがわかった。この原因は、高圧混練ゾーン22の圧力を溶液Aが液体状体を維持できる高圧力に保ち、次亜リン酸カルシウムの溶解状態を維持した溶液Aと、溶融樹脂とを混合して樹脂ペレットを製造したためだと推測される。
(3)樹脂基材の射出成形
樹脂基材中の次亜リン酸カルシウムの含有量が0.3重量%となるように、PPSのペレットと、先に製造した樹脂ペレットとを混合(ドライブレンド)し、射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−300H)を用いて、4cm×6cm×0.2cmの板状体(樹脂基材)に射出成形した。
(4)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(5)無電解メッキ触媒の付与
実施例4と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(6)無電解メッキ
実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解銅メッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[比較例3]
本比較例では、金属を固定する化合物を含まない樹脂基材を製造したこと以外は、実施例4と同様の方法により、樹脂基材に対して各処理を行った。
(1)樹脂基材の射出成形
次亜リン酸カルシウムを含有する樹脂ペレットを用いずに、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のペレットのみを用いたこと以外は実施例4と同様の方法により、樹脂基材の射出成形を行い、樹脂基材を得た。
(2)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(3)無電解メッキ触媒の付与
実施例4と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(4)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行った。
[実施例8]
本実施例では、まず、高圧容器を用いたバッチ処理により、金属を固定する化合物と、第1の熱可塑性樹脂とを含む樹脂ペレットを製造した。次に、製造した樹脂ペレットと、第2の熱可塑性樹脂とを混合して射出成形して樹脂基材を得た。そして、得られた樹脂基材の表面の一部分にメッキ膜を形成して、本実施例のメッキ部品を製造した。
本実施例では、金属を固定する化合物としてε‐カプロラクタムを用い、第1の熱可塑性樹脂としてポリアミド6T(PA6T)(ソルベイ アドバンスト ポリマーズ製、アモデルAS−1566HS、黒色グレード)を用い、第2の熱可塑性樹脂として、ポリアミド6T/ポリフェニレンサルファイドアロイ樹脂(PA6T/PPSアロイ樹脂)(DIC製、FZ−2640 BLACK)を用いた。
(1)樹脂ペレットの製造
本実施例では、高圧容器を用いたバッチ処理により樹脂ペレットを製造した。まず、高圧容器の内部に、ポリアミド6Tのペレット(原料ペレット、第1の熱可塑性樹脂)と、ε‐カプロラクタムを収容した。ポリアミド6T(原料ペレット)に対する、ε‐カプロラクタムの割合は、30重量%とした。
高圧容器を100℃に昇温した後、シリンジポンプを用いて、高圧容器内へ15MPaの加圧二酸化炭素を導入した。導入後、高圧容器内部を2時間、加圧状態に保持した。その後、高圧容器内部の加圧二酸化炭素を容器外に排気して減圧し、樹脂ペレットを高圧容器から取り出した。
樹脂ペレット中のε‐カプロラクタムの含有量は分析困難であった。しかし、バッチ処理した樹脂ペレットを無電解メッキ触媒液である塩化パラジウム溶液に浸漬し、次に無電解メッキ液と接触させると、樹脂ペレットに直接、無電解メッキ膜が生成した。この結果から、原料ペレットに、金属を固定する化合物であるε‐カプロラクタムが浸透したと判断した。樹脂ペレットにε‐カプロラクタムが浸透したことで、樹脂ペレットへの無電解メッキ触媒(パラジウムイオン)の吸着率が向上し、無電解メッキが可能になったと推測される。
(2)樹脂基材の射出成形
PA6T/PPSアロイ樹脂70重量%と、先に製造した樹脂ペレット30重量%とを混合(ドライブレンド)し、射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−300H)を用いて、4cm×6cm×0.2cmの板状体(樹脂基材)に射出成形した。
(3)レーザー描画
実施例1と同様の方法により、樹脂基材にYVOレーザーを用いて、パターン(I)のレーザー描画を行った。但し、描画速度は500mm/sec、周波数は100kHzとした。
(4)無電解メッキ触媒の付与
樹脂基材の無電解メッキ触媒液への浸漬時間を15分とした以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂基材に無電解メッキ触媒を付与した。
(5)無電解メッキ
実施例3と同様の方法により、樹脂基材に無電解ニッケルリンメッキを行い、本実施例のメッキ部品を得た。
[評価]
実施例1〜8及び比較例1〜3で製造したメッキ部品について、以下の評価を行った。
(1)メッキ析出性及びメッキ選択性
実施例1〜8及び比較例1〜3で製造したメッキ部品において、レーザー描画したパターン(I)を目視で、パターン(II)を光学顕微鏡で観察して、以下の評価基準に従ってメッキ析出性とメッキ選択性を評価した。結果を表1に示す。
<メッキ析出性の評価基準>
○:レーザー描画部分にメッキ膜が成長している。
△:レーザー描画部分の一部にメッキ膜が成長していない部分がある。
×:レーザー描画部分にメッキ膜が成長していない。
<メッキ選択性の評価基準>
○:レーザー描画部分のみにメッキ膜が成長している。
△:レーザー描画部分以外にも一部メッキ膜が成長している。
×:メッキ膜が基材全体に成長している、又はメッキ膜が基材表面に成長していない。
(2)厚膜メッキを形成した場合のメッキ選択性
本評価は、実施例1、2、5及び6で製造したメッキ部品に対して行った。実施例1、2、5及び6で製造したメッキ部品において、それぞれの無電解メッキ膜の厚みを更に厚くするために、それぞれの実施例の無電解メッキ工程で用いたものと同様の無電解メッキ液に、メッキ部品を1時間浸漬した。浸漬後、メッキ部品を無電解メッキ液から取り出し、十分に水洗した。水洗後、レーザー描画したパターン(II)を光学顕微鏡にて観察して、上述のメッキ選択性の評価基準に従ってメッキ選択性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018053334
表1に示すように、実施例1〜8で製造したメッキ部品は、レーザー描画パターン(I)及び/又は(II)において、メッキ析出性及びメッキ選択性が共に良好であり、無電解メッキ膜が形成される部分(レーザー描画部分)と形成されない部分(非レーザー描画部分)とのコントラストが明確であった。
また、厚膜メッキを形成した場合のメッキ選択性の評価において、実施例1で製造したメッキ部品を無電解メッキ液に1時間浸漬したところ、レーザー描画パターン(II)の描画線と描画線の間の領域、即ち、レーザー描画部分以外にも一部メッキ膜が成長した(厚膜メッキを形成した場合のメッキ選択性:△)。実施例1のメッキ部品における非レーザー描画部分は、金属を固定する化合物(次亜リン酸カルシウム)の量が少なく、無電解メッキ可能な量のパラジウムイオンは吸着し難いが、物理吸着によりわずかなパラジウムイオンが吸着したと推測される。そして、周辺部で無電解メッキ反応が活発に進行している場合、低濃度の触媒量でもメッキ反応が進行することが一般に知られている。このため、実施例1のレーザー描画パターン(II)の非レーザー描画部分では、無電解メッキ液との長時間(1時間)の接触により、無電解メッキ膜が生成したものと推測される。
一方、実施例2、5及び6で製造したメッキ部品は、無電解メッキ液に1時間浸漬しても、レーザー描画部分以外にはメッキ膜が成長しなかった(厚膜メッキを形成した場合のメッキ選択性:○)。即ち、実施例2、5及び6では、微細なパターン(II)において、無電解メッキ膜が形成される部分(レーザー描画部分)と形成されない部分(非レーザー描画部分)とのコントラストが明確なまま、無電解メッキ膜を厚膜化することができた。この理由は、以下のように推測される。実施例2、5及び6のメッキ部品における非レーザー描画部分にも、実施例1の場合と同様に、物理吸着によりわずかにパラジウムイオンが吸着したと推測される。しかし、実施例2及び5の非レーザー描画部分では、触媒失活剤(ヨウ素、ポリマーA)により、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することが妨げられ、無電解メッキ液に1時間浸漬しても、メッキ反応が進行しなかったと推測される。また、実施例6では、レーザー描画前に樹脂基材を洗浄することにより、樹脂基材の最表面に存在する金属を固定する化合物(次亜リン酸カルシウム)を除去した。これにより、実施例6の非レーザー描画部分に無電解メッキ触媒が吸着できず、樹脂基材を無電解メッキ液に1時間浸漬しても、非レーザー描画部分では、メッキ反応が進行しなかったと推測される。尚、実施例6のレーザー描画部分には、レーザー描画前は基材の内部に存在していた金属を固定する化合物が基材表面に露出しているため、無電解メッキ膜が成長したと推測される。
また、実施例7では、同じ熱可塑性樹脂(PPS)及び金属を固定する化合物(次亜リン酸カルシウム)を用いた実施例4と比較して、より少ない、樹脂基材中の次亜リン酸カルシウムの含有量で、無電解メッキ膜を形成することができた。この理由は、以下のように推測される。実施例7では、高圧混練ゾーン22の圧力を溶液Aが液体状体を維持できる高圧力に保ち、次亜リン酸カルシウムの溶解状態を維持した溶液Aと、溶融樹脂とを混合して樹脂ペレットを製造した。これにより、樹脂ペレット内の次亜リン酸カルシウムの粒子径は、1μm以下と微細であった。この樹脂ペレットを用いて製造した、実施例7の樹脂基材では、次亜リン酸カルシウムは凝集せずに均一に基材内に分布したと推測される。これにより、実施例7の樹脂基材は、次亜リン酸カルシウムの含有量が少なくとも、十分な量の無電解メッキ触媒を吸着することができ、無電解メッキの反応性が向上したと推測される。
実施例1〜8に対して、金属を固定する化合物を含まない比較例1〜3では、基材表面に全くメッキ膜が形成されず、メッキ析出性及びメッキ選択性が共に不良であった。これは、樹脂基材が金属を固定する化合物を含まないため、レーザー描画部分であっても、無電解メッキ可能な量のパラジウムイオンが吸着しなかったためだと推測される。
本発明のメッキ部品の製造方法によれば、簡易な製造プロセスにより、所定パターン以外でのメッキ膜の生成を抑制し、所定パターンのみにメッキ膜を形成できる。したがって、本発明は、電気回路を有する電子部品や、三次元回路部品(MID:Molded Interconnect Device)の製造に利用できる。
10 樹脂基材
10a 加熱又は光照射した部分(レーザー描画部分)
10b 加熱又は光照射していない部分(非レーザー描画部分)
12 触媒活性妨害層
100、200 メッキ部品
13 収容容器
14、15 シリンジポンプ
20 スクリュ
21 可塑化ゾーン
22 高圧混練ゾーン
23 減圧ゾーン
29 ダイ
150 溶解溶液(溶液A)供給機構
300 押出成形機
201 樹脂供給口
202 導入口
203 ベント
210 可塑化シリンダ
211 樹脂供給用ホッパ
212 導入バルブ
250 背圧弁
1000 製造装置
S1 上流側シール機構
S2 下流側シール機構
P 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 金属を固定する化合物を含む熱可塑性樹脂を射出成形して、樹脂基材を得ることと、
    前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射することと、
    前記加熱又は光照射した前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、金属塩を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、
    前記無電解メッキ触媒液を接触させた前記樹脂基材の表面の一部分を含む領域に、無電解メッキ液を接触させて、前記加熱又は光照射した一部分に無電解メッキ膜を形成することとを含むメッキ部品の製造方法。
  2. 前記金属を固定する化合物が、還元性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のメッキ部品の製造方法。
  3. 前記還元性化合物が、次亜燐酸カルシウム及び次亜燐酸ナトリウムの少なくとも一方であることを特徴とする請求項2に記載のメッキ部品の製造方法。
  4. 前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射する前に、前記樹脂基材の表面に触媒失活剤を付与することを更に含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
  5. 前記樹脂基材の表面の一部分を加熱又は光照射することが、レーザー光を用いて前記樹脂基材表面にレーザー描画することであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
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