JP2021155572A - レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法 - Google Patents

レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法 Download PDF

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【課題】 メッキ成長速度が速く、かつ、曲げ強さに優れた樹脂成形品を提供可能な、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法の提供。【解決手段】 ポリアミド樹脂100質量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30質量部、無機還元性リン酸塩0.1〜10.0質量部、および、無機繊維10〜150質量部を含む、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法に関する。
近年、スマートフォンを含む携帯電話の開発に伴い、携帯電話の内部にアンテナを製造する方法が種々検討されている。特に、携帯電話に3次元設計ができるアンテナを製造する方法が求められている。このような3次元アンテナを形成する技術の1つとして、レーザーダイレクトストラクチャリング(以下、「LDS」ということがある)技術が注目されている。LDS技術は、例えば、LDS添加剤を含む樹脂成形品の表面にレーザーを照射して活性化させ、前記活性化させた部分に金属を適用することによってメッキを形成する技術である。この技術の特徴は、接着剤などを使わずに、樹脂成形品の表面に直接にアンテナ等の金属構造体を製造できる点にある。かかるLDS技術は、例えば、特許文献1に開示されている。具体的には、特許文献1には、(A)示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)波長450nmにおける反射率が25%以上であるレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤2〜30重量部、(C)酸化チタン30〜150重量部、および、(D)リン系難燃剤5.5重量部以上を含む、熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
特開2015−025127号公報
ここで、LDS技術の利用が広がるにつれ、メッキの成長速度が速いことが求められるようになっている。しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、メッキ成長速度が速くても、曲げ強さが劣る場合があることが分かった。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、メッキ成長速度が速く、かつ、曲げ強さに優れた樹脂成形品を提供可能な、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリアミド樹脂に、無機還元性リン酸塩を所定量配合することにより、上記課題は解決された。具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアミド樹脂100質量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30質量部、無機還元性リン酸塩0.1〜10.0質量部、および、無機繊維10〜150質量部を含む、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<2>前記無機繊維がガラス繊維を含む、<1>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<3>前記無機還元性リン酸塩が、亜リン酸塩および次亜リン酸塩の少なくとも1種を含む、<1>または<2>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<4>前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、銅、アンチモン、錫、アルミニウムおよび亜鉛の少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<5>前記ポリアミド樹脂が半芳香族ポリアミド樹脂を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<6>前記ポリアミド樹脂の少なくとも1種が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<7>前記無機亜リン酸塩を前記ポリアミド樹脂100質量部に対し、1.0〜6.0質量部含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<8>さらに、タルクを、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤100質量部に対し、0.1〜200質量部含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<9>前記無機繊維を前記ポリアミド樹脂100質量部に対し、20〜80質量部含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
<10><1>〜<9>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物から成形される樹脂成形品。
<11>前記樹脂成形品の表面にメッキを有する、<10>に記載の樹脂成形品。
<12>前記メッキがアンテナとしての性能を保有する、<11>に記載の樹脂成形品。
<13>携帯電子機器部品である、<10>〜<12>のいずれか1つに記載の樹脂成形品。
<14><1>〜<9>のいずれか1つに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキを形成することを含む、メッキ付樹脂成形品の製造方法。
<15>前記メッキが銅メッキである、<14>に記載のメッキ付樹脂成形品の製造方法。
<16><14>または<15>に記載のメッキ付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
本発明により、メッキ成長速度が速く、かつ、曲げ強さに優れた樹脂成形品を提供可能な、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物、樹脂成形品、メッキ付樹脂成形品の製造方法およびアンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法を提供可能になった。
樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本実施形態のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物(以下、「本実施形態の樹脂組成物」ということがある)は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30質量部、無機還元性リン酸塩0.1〜10.0質量部、および、無機繊維10〜150質量部を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、メッキ成長速度が速く、かつ、曲げ強さに優れた樹脂成形品が得られる。メッキ成長速度が速いと、生産性が向上する傾向にある。さらに、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ等の機械的強度にも優れた樹脂組成物が得られる。また、メッキ引き剥がし強度にも優れた成形品が得られる。メッキ引き剥がし強度とは、メッキを剥がすときに求められる強度をいい、高いほど、樹脂成形品とメッキが強度に密着していることを意味する。このメカニズムは、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が効率よく還元され、レーザー余剰エネルギーによる樹脂基材の炭化を抑制できたためであると推測される。
以下、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
<ポリアミド樹脂>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂を含む。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、その種類を特に定めるものではなく、公知のポリアミド樹脂を用いることができる。例えば、ポリアミド樹脂としては、特開2011−132550号公報の段落0011〜0013の記載を参酌することができる。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、半芳香族ポリアミド樹脂を含むことが好ましい。例えば、本実施形態の樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂の90質量%以上が半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましい。ここで、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の20〜80モル%が芳香環を含む構成単位であることをいう。このような半芳香族ポリアミド樹脂を用いることにより、得られる樹脂成形品の機械的強度を高くすることができる。半芳香族ポリアミド樹脂としては、テレフタル酸系ポリアミド樹脂(ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T)、後述するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂などが例示される。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、少なくとも1種が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来することが好ましい。以下、このようなポリアミド樹脂を、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂ということがある。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジアミン由来の構成単位は、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは85モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、さらに一層好ましくは95モル%以上がキシリレンジアミンに由来する。キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来の構成単位は、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、炭素数が4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種または2種以上を混合して使用できるが、これらの中でもポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸またはセバシン酸がより好ましく、アジピン酸がさらに好ましい。
上記炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といったナフタレンジカルボン酸の異性体等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
本実施形態におけるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位の0〜100モル%がパラキシリレンジアミンに由来し、100〜0モル%がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がセバシン酸および/またはアジピン酸に由来するものが好ましい。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のより好ましい一実施形態として、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上)がパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がセバシン酸に由来するものが例示される。
また、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のより好ましい他の一実施形態として、ジアミン由来の構成単位の30〜90モル%(好ましくは60〜70モル%)がメタキシリレンジアミンに由来し、70〜10モル%(好ましくは40〜30モル%)がパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がセバシン酸に由来するポリアミド樹脂が例示される。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のより好ましい他の一実施形態として、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上)がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がアジピン酸に由来するものが例示される。
なお、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を主成分として構成されるが、これら以外の構成単位を完全に排除するものではなく、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類由来の構成単位を含んでいてもよいことは言うまでもない。ここで主成分とは、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を構成する構成単位のうち、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計数が全構成単位のうち最も多いことをいう。本実施形態では、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂における、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計は、全構成単位の90%以上を占めることが好ましく、95%以上を占めることがより好ましい。
ポリアミド樹脂の融点は、150〜350℃であることが好ましく、180〜330℃であることがより好ましく、200〜300℃であることがさらに好ましい。
融点は、示差走査熱量に従い、JIS K7121およびK7122に準じて測定できる。
ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)の下限が、6,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、15,000以上であることが一層好ましく、20,000以上であることがより一層好ましく、22,000以上であることがさらに一層好ましい。上記Mnの上限は、35,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、28,000以下がさらに好ましく、26,000以下が一層好ましい。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
本実施形態の樹脂組成物におけるポリアミド樹脂の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、55質量%以上であることが一層好ましく、60質量%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、樹脂成形品とメッキの接触面積がより大きくなり、メッキの密着性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂組成物におけるポリアミド樹脂の含有量は、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましく、75質量%以下であることが一層好ましく、70質量%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、樹脂成形品の機械的強度がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量が本実施形態の樹脂組成物の5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが一層好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、特に、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂がポリアミド樹脂の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましい。
<レーザーダイレクトストラクチャリング(LDS)添加剤>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30質量部を含む。このような構成とすることにより、メッキ性に優れた樹脂組成物が得られる。
本実施形態におけるLDS添加剤は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を10質量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程として無電解メッキ浴に浸漬した際にレーザー照射部のみ選択的にメッキを形成できる化合物をいう。本実施形態で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品は、LDS添加剤として市販されているものの他、本実施形態におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。LDS添加剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いるLDS添加剤の第一の実施形態は、銅およびクロムを含む化合物である。第一の実施形態のLDS添加剤としては、銅を10〜30質量%含むことが好ましい。また、クロムを15〜50質量%含むことが好ましい。第一の実施形態におけるLDS添加剤は、銅およびクロムを含む酸化物であることが好ましい。
銅およびクロムの含有形態としては、スピネル構造が好ましい。スピネル構造とは、複酸化物でAB24型の化合物(AとBは金属元素)にみられる代表的結晶構造型の1つである。
第一の実施形態のLDS添加剤は、銅およびクロムの他に、他の金属を微量含んでいてもよい。他の金属としては、アンチモン、錫、鉛、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、銀、ビスマス、ヒ素、マンガン、マグネシウムおよびカルシウムなどが例示され、マンガンが好ましい。これら金属は酸化物として存在していてもよい。
第一の実施形態のLDS添加剤の好ましい一例は、銅クロム酸化物以外の金属酸化物の含有量が10質量%以下であるLDS添加剤である。
本実施形態で用いるLDS添加剤の第二の実施形態は、アンチモンおよびリンの少なくとも1種と、錫とを含む酸化物、好ましくはアンチモンと錫とを含む酸化物である。
第二の実施形態のLDS添加剤は、錫の含有量がリンおよびアンチモンの含有量よりも多いものがより好ましく、錫とリンとアンチモンの合計量に対する錫の量が、80質量%以上であることがさらに好ましい。
特に、第二の実施形態のLDS添加剤としては、アンチモンと錫とを含む酸化物が好ましく、錫の含有量がアンチモンの含有量よりも多い酸化物がより好ましく、錫とアンチモンの合計量に対する錫の量が、80質量%以上である酸化物がさらに好ましい。
より具体的には、第二の実施形態のLDS添加剤としては、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、リン酸化物がドープされた酸化錫が挙げられ、アンチモンがドープされた酸化錫および酸化アンチモンがドープされた酸化錫が好ましく、酸化アンチモンがドープされた酸化錫がより好ましい。例えば、リンと酸化錫とを含むLDS添加剤において、リンの含有量は、1〜20質量%であることが挙げられる。また、アンチモンと酸化錫とを含むLDS添加剤において、アンチモンの含有量は、1〜20質量%であることが好ましい。また、リンとアンチモンと酸化錫とを含むLDS添加剤において、リンの含有量は、0.5〜10質量%、アンチモンの含有量は、0.5〜10質量%であることが好ましい。
本実施形態で用いるLDS添加剤の第三の実施形態は、少なくとも2種の金属を含み、かつ、抵抗率が5×103Ω・cm以下の導電性酸化物を含むことが好ましい。導電性酸化物の抵抗率は、8×102Ω・cm以下がより好ましく、7×102Ω・cm以下がさらに好ましく、5×102Ω・cm以下が一層好ましい。下限については特に制限はないが、例えば、1×101Ω・cm以上であってもよく、さらには、1×102Ω・cm以上であってもよい。
本実施形態における導電性酸化物の抵抗率は、通常、粉末抵抗率をいい、導電性酸化物の微粉末10gを、内面にテフロン(登録商標)加工を施した内径25mmの円筒内へ装入して100kgf/cm2に加圧し(充填率20%)、横河電機社製の「3223型」テスターで測定することができる。
第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、抵抗率が5×103Ω・cm以下の導電性酸化物を含んでいれば特に制限されないが、少なくとも2種の金属を含むことが好ましく、具体的には、周期表のn族(nは3〜16の整数)の金属とn+1族の金属を含むことが好ましい。nは10〜13の整数がより好ましく、12または13がさらに好ましい。
第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、LDS添加剤中における、周期表のn族(nは3〜16の整数)の金属の含有量とn+1族の金属の含有量の合計を100モル%としたとき、一方の金属の含有量が15モル%以下であることが好ましく、12モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。下限については特に制限はないが、0.0001モル%以上が好ましい。2種以上の金属の含有量をこのような範囲とすることで、メッキ性を向上させることができる。本実施形態では特に、n+1族の金属がドープされたn族の金属酸化物が好ましい。
さらに、第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、LDS添加剤中に含まれる金属成分の98質量%以上が、上記周期表のn族の金属の含有量とn+1族の金属で構成されることが好ましい。
周期表のn族の金属としては、例えば、3族(スカンジウム、イットリウム)、4族(チタン、ジルコニウムなど)、5族(バナジウム、ニオブなど)、6族(クロム、モリブテンなど)、7族(マンガンなど)、8族(鉄、ルテニウムなど)、9族(コバルト、ロジウム、イリジウムなど)、10族(ニッケル、パラジウム、白金)、11族(銅、銀、金など)、12族(亜鉛、カドミウムなど)、13族(アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、14族(ゲルマニウム、錫など)、15族(ヒ素、アンチモンなど)、16族(セレン、テルルなど)が挙げられる。中でも、12族(n=12)の金属が好ましく、亜鉛がより好ましい。
周期表のn+1族の金属としては、例えば、4族(チタン、ジルコニウムなど)、5族(バナジウム、ニオブなど)、6族(クロム、モリブテンなど)、7族(マンガンなど)、8族(鉄、ルテニウムなど)、9族(コバルト、ロジウム、イリジウムなど)、10族(ニッケル、パラジウム、白金)、11族(銅、銀、金など)、12族(亜鉛、カドミウムなど)、13族(アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、14族(ゲルマニウム、錫など)、15族(ヒ素、アンチモンなど)、16族(セレン、テルルなど)が挙げられる。中でも、13族(n+1=13)の金属が好ましく、アルミニウムまたはガリウムがより好ましく、アルミニウムがさらに好ましい。
第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、導電性金属酸化物以外の金属を含有していてもよい。導電性酸化物以外の金属としては、アンチモン、チタン、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、銀、ビスマス、ヒ素、マンガン、クロム、マグネシウム、カルシウムなどが例示される。これら金属は酸化物として存在していてもよい。これら金属の含有量は、LDS添加剤に対してそれぞれ0.01質量%以下が好ましい。
上記の中でも、本実施形態では、LDS添加剤が、銅、アンチモン、錫、アルミニウムおよび亜鉛の少なくとも1種を含むことが好ましく、銅を含むことがより好ましい。従って、第一の実施形態のLDS添加剤がより好ましい。
本実施形態で用いるLDS添加剤の数平均粒子径は、0.01〜100μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましく、0.05〜15μmであることがさらに好ましい。このような数平均粒子径とすることにより、メッキの表面をより均一にすることができる。
本実施形態の樹脂組成物におけるLDS添加剤の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、1質量部以上であり、2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、6質量部以上であることが一層好ましく、7質量部以上であることがより一層好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物におけるLDS添加剤の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、30質量部以下であり、25質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることがさらに好ましく、12質量部以下であることが一層好ましく、10質量部以下であることがより一層好ましい。LDS添加剤の含有量を上記範囲にすることによって、得られる樹脂成形品のメッキ性をより良好にすることができる。また、後述するように、タルクと組み合わせることにより、少ない含有量でメッキを形成することが可能になる。
本実施形態の樹脂組成物は、LDS添加剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<無機還元性リン酸塩>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、無機還元性リン酸塩0.1〜10.0質量部含む。このような構成とすることにより、高い曲げ弾性率を維持しつつ、メッキ引き剥がし速度を高くすることが可能になる。
無機還元性リン酸塩とは、少なくとも1種の金属を含む金属酸化物を還元する無機リン酸の塩をいい、亜リン酸塩および次亜リン酸塩の少なくとも1種が好ましく、亜リン酸の塩がより好ましい。
塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウムが例示され、ナトリウム、アルミニウムおよびカルシウムが好ましい。
無機還元性リン酸塩の具体例としては、亜リン酸鉄、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸鉄、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が例示され、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸ナトリウムが好ましく、亜リン酸アルミニウムがより好ましい。これらの無機還元性リン酸塩は、水和物であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物における無機還元性リン酸塩の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上であり、0.5質量部以上であることが好ましく、0.8質量部以上であることがより好ましく、1.0質量部以上であることがさらに好ましく、1.2質量部以上であることが一層好ましく、1.5質量部以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤である金属酸化物の還元がより効果的に進行する傾向にあり、メッキ性が向上する。
また、本実施形態の樹脂組成物における無機還元性リン酸塩の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、10.0質量部以下であり、8.0質量部以下であることが好ましく、6.0質量部以下であることがより好ましく、4.0質量部以下であることがさらに好ましく、3.0質量部以下であることが一層好ましく、2.5質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、樹脂成形品の物性低下をより効果的に抑制できる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、無機還元性リン酸塩を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における無機還元性リン酸塩の含有量は、LDS添加剤100質量部に対し、8質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、メッキ剥がし強度およびメッキ成長速度がより向上する傾向にある。また、本実施形態の樹脂組成物における無機還元性リン酸塩の含有量は、LDS添加剤100質量部に対し、80質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましく、30質量部以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、曲げ強度、メッキ剥がし強度およびメッキ成長速度がより向上する傾向にある。
<無機繊維>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、無機繊維10〜150質量部を含む。このような構成とすることにより、機械的強度に優れた樹脂成形品が得られる。
無機繊維としては、炭素繊維およびガラス繊維が例示され、ガラス繊維を含むことが好ましい。
本実施形態における無機繊維とは、繊維状の無機材料を意味し、より具体的には、1,000〜10,000本の無機繊維を集束し、所定の長さにカットされたチョップド形状が好ましい。
本実施形態における無機繊維は、数平均繊維長が0.5〜10mmのものが好ましく、1〜5mmのものがより好ましい。このような数平均繊維長の無機繊維を用いることにより、機械的強度をより向上させることができる。数平均繊維長は光学顕微鏡の観察で得られる画像に対して、繊維長を測定する対象の無機繊維をランダムに抽出してその長辺を測定し、得られた測定値から数平均繊維長を算出する。観察の倍率は20倍とし、測定本数は1,000本以上として行う。概ね、カット長に相当する。
また、無機繊維の断面は、円形、楕円形、長円形、長方形、長方形の両短辺に半円を合わせた形状、まゆ型等いずれの形状であってもよいが、円形が好ましい。ここでの円形は、数学的な意味での円形に加え、本実施形態の技術分野において通常円形と称されるものを含む趣旨である。
無機繊維の数平均繊維径は、下限が、4.0μm以上であることが好ましく、4.5μm以上であることがより好ましく、5.0μm以上であることがさらに好ましい。無機繊維の数平均繊維径の上限は、15.0μm以下であることが好ましく、12.0μm以下であることがより好ましい。このような範囲の数平均繊維径を有する無機繊維を用いることにより、湿熱をした後にもメッキ性により優れた樹脂成形品が得られる。さらに、樹脂成形品を長期間保存した場合や、長期間にわたって熱処理した場合にも、高いメッキ性を維持できる。なお、無機繊維の数平均繊維径は、電子顕微鏡の観察で得られる画像に対して、繊維径を測定する対象のガラス繊維をランダムに抽出し、中央部に近いところで繊維径を測定し、得られた測定値から算出する。観察の倍率は1,000倍とし、測定本数は1,000本以上として行う。円形以外の断面を有するガラス繊維の数平均繊維径は、断面の面積と同じ面積の円に換算したときの数平均繊維径とする。
次に、本実施形態で好ましく用いられるガラス繊維について説明する。
ガラス繊維は、一般的に供給されるEガラス(Electricalglass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)、Dガラス、および耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸して得られる繊維が用いられるが、ガラス繊維にできるものであれば使用可能であり、特に限定されない。本実施形態では、Eガラスを含むことが好ましい。
本実施形態で用いるガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の付着量は、ガラス繊維の0.01〜1質量%であることが好ましい。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
ガラス繊維は市販品として入手できる。市販品としては、例えば、日本電気硝子社製、T286H、T756H、T289H、オーウェンスコーニング社製、DEFT2A、PPG社製、HP3540、日東紡社製、CSG3PA820等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における無機繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、10質量部以上であり、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、35質量部以上であることがさらに好ましく、40質量部以上であることが一層好ましく、45質量部以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、樹脂成形品の機械的強度がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物における無機繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、150質量部以下であり、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることが一層好ましく、50質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、樹脂成形品とメッキの接触面積が大きくなり、メッキの密着性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、無機繊維を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<タルク>
本実施形態の樹脂組成物は、さらに、タルクを含んでいてもよい。タルクを含むことによって寸法安定性、製品外観を良好にすることができ、また、よりメッキ成長速度を早くすることができる。さらに、タルクを含むことにより、LDS添加剤の含有量を減らしても、樹脂成形品のメッキ性を良好にすることができる。タルクは、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン類およびオルガノポリシロキサン類から選択される化合物の少なくとも1種で表面処理されたものを用いてもよい。この場合、タルクにおけるシロキサン化合物の付着量は、タルクの0.1〜5質量%であることが好ましい。
タルクの数平均粒子径は1〜50μmであることが好ましく、2〜25μmであることがより好ましい。タルクは、通常、鱗片状であるが、最も長い部分の長さを平均粒子径とする。タルクの数平均粒子径は、電子顕微鏡の観察で得られる画像に対して、粒子径を測定する対象のタルクをランダムに抽出し粒子径を測定し、得られた測定値から算出する。観察の倍率は1,000倍とし、測定数は1,000個以上として行う。
本実施形態の樹脂組成物におけるタルクの含有量は、配合する場合、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物における、タルクの含有量は、LDS添加剤100質量部に対し、0.1〜200質量部であることが好ましく、1〜150質量部であることがより好ましく、10〜50質量部であることがさらに好ましく、10〜30質量部であることが一層好ましい。また、タルクがシロキサン化合物で表面処理されている場合には、シロキサン化合物で表面処理されたタルクの含有量が、上記範囲内であることが好ましい。
<離型剤>
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤をさらに含有していてもよい。離型剤は、主に、樹脂組成物の成形時の生産性を向上させるために使用されるものである。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸アミド系、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
離型剤の詳細は、特開2016−196563号公報の段落0037〜0042の記載および特開2016−078318号公報の段落0048〜0058の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
離型剤の含有量は、配合する場合、樹脂組成物に対して、下限は、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、また、上限は、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。このような範囲とすることによって、射出成形等の金型成形をする場合などに、離型性を良好にすることができ、また、金型汚染を効果的に抑制することができる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の樹脂組成物は、上記の他、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、光安定剤、熱安定剤、アルカリ、エラストマー、酸化チタン、酸化防止剤、耐加水分解性改良剤、艶消剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、分散剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、着色剤等が例示される。これらの詳細は、特許第4894982号公報の段落0130〜0155の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。これらの成分は、合計で、樹脂組成物の20質量%以下であることが好ましい。これらの成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法としては、任意の方法が採用される。
例えば、ポリアミド樹脂、無機繊維、LDS添加剤等をV型ブレンダー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調製した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、予め、無機繊維以外の成分等を、十分混合後、ベント付き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、そのペレットと強化フィラーを混合後、ベント付き押出機で溶融混練りする方法が挙げられる。
さらに、無機繊維以外の成分等を、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調製しておき、それをベント付き二軸押出機の第一シュートより供給し、無機繊維は押出機途中の第二シュートより供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられる。
押出機の混練ゾーンのスクリュー構成は、混練を促進するエレメントを上流側に、昇圧能力のあるエレメントを下流側に配置されることが好ましい。
混練を促進するエレメントとしては、順送りニーディングディスクエレメント、直交ニーディングディスクエレメント、幅広ニーディングディスクエレメント、および順送りミキシングスクリューエレメント等が挙げられる。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常180〜360℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、ストランド切れ等押出不良の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。混練り時や、後工程の成形時の分解を抑制するため、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
<樹脂成形品>
本実施形態は、また、本実施形態の樹脂組成物から成形される樹脂成形品を開示する。
本実施形態の樹脂組成物は、厚み4mmに成形したときの、ISO178に準拠した曲げ強さが170MPa以上であることが好ましく、180MPa以上であることがさらに好ましく、190MPa以上であることが一層好ましい。上記曲げ強度の上限は、特に定めるものではないが、例えば、270MPa以下、さらには260MPa以下、特には250MPa以下が実際的である。
本実施形態の樹脂組成物は、厚み4mmに成形したときの、ISO178に準拠した曲げ弾性率が8.0GPa以上であることが好ましく、9.0GPa以上であることがさらに好ましく、9.5GPa以上であることが一層好ましい。上記曲げ弾性率の上限は、特に定めるものではないが、例えば、15GPa以下、さらには14GPa以下、特には13GPa以下が実際的である。
本実施形態の樹脂組成物は、厚み4mmに成形したときの、ISO179規格に準拠したノッチ付シャルピー衝撃強さが2.5kJ/m2以上であることが好ましい。上記ノッチ付シャルピー衝撃強さの上限は、特に定めるものではないが、例えば、10kJ/m2以下、さらには9kJ/m2以下、特には7kJ/m2以下が実際的である。
本実施形態の樹脂組成物は、メッキ引き剥がし強さが、0.9N/mm以上であることが好ましく、1.0N/mm以上であることがより好ましく、1.1N/mm以上であることがさらに好ましい。前記メッキ引き剥がし強さの上限は、例えば、2.0N/mm以下が実際的である。
上記曲げ強さ、曲げ弾性率、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ、および、メッキ引き剥がし強さは、それぞれ、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本実施形態における、樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
本実施形態の樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品は、樹脂成形品の表面にメッキを有する、メッキ付樹脂成形品として好ましく用いられる。本実施形態の樹脂成形品におけるメッキはアンテナとしての性能を保有する態様が好ましい。
<メッキ付き樹脂成形品の製造方法>
次に、本実施形態の樹脂組成物から形成される樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキを形成することを含む、メッキ付樹脂成形品の製造方法について開示する。
図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1では、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。また、得られるメッキ付き樹脂成形品は、最終製品に限らず、各種部品も含む趣旨である。
再び図1に戻り、樹脂成形品1にレーザー2を照射する。ここでのレーザーとは、特に定めるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YAGレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmであり、より好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として、銅、ニッケル、銀、金、およびパラジウムの1種以上からなるメッキ液(特に、無電解のメッキ液)が好ましく、銅、ニッケル、銀、および金の1種以上からなるメッキ液(特に、無電解のメッキ液)がより好ましく、銅を含むメッキ液(特に、無電解のメッキ液)がさらに好ましい。すなわち、本実施形態におけるメッキは、金属成分が、上記金属の少なくとも1種からなることが好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ5が形成される。
本実施形態の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を有するメッキ(回路)を形成することができる。メッキは、形成したメッキ(回路)の腐食や劣化を抑えるために、例えば無電解メッキを実施した後にニッケル、金でさらに保護することもできる。また、同様に無電解メッキ後に電解メッキを用い、必要な膜厚を短時間で形成することもできる。
また、上記メッキ付樹脂成形品の製造方法は、上記メッキ付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法として好ましく用いられる。
本実施形態の樹脂組成物から得られる樹脂成形品は、例えば、コネクタ、スイッチ、リレー、導電回路等の電子部品(特に、携帯電子機器部品)などの種々の用途に用いることができる。
その他、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2011−219620号公報、特開2011−195820号公報、特開2011−178873号公報、特開2011−168705号公報、特開2011−148267号公報の記載を参酌することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
<原料>
<<ポリアミド樹脂>>
PXD10:パラキシリレンジアミンとセバシン酸から構成されたポリアミド樹脂、特開2019−073736号公報の段落0079の記載に従って合成した。
MP10:パラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンとセバシン酸から構成されたポリアミド樹脂、特開2018−119043号公報の段落0071の記載に従って合成した。
MP6:メタキシリレンジアミンとアジピン酸から構成されたポリアミド樹脂、特開2018−119043号公報の段落0072の記載に従って合成した。
<<LDS添加剤>>
Black1G:Shephard社製、銅クロム酸化物
CP−5C:Keeling & Walker社製、アンチモンドープ酸化錫
23−KT:ハクスイテック社製、アルミドープ酸化亜鉛
<<無機還元性リン酸塩>>
亜リン酸アルミニウム:太平洋化学産業社製、APA−100
次亜リン酸ナトリウム・一水和物:富士フイルム和光純薬工業社製
次亜リン酸カルシウム:富士フイルム和光純薬工業社製
<<無機繊維>>
T756H:ガラス繊維、日本電気硝子社製、チョップドストランド、Eガラス、数平均繊維径10μm
T275H:ガラス繊維、日本電気硝子社製、チョップドストランド、Eガラス、数平均繊維径10μm
<<タルク>>
MW(ミクロンホワイト)5000S:林化成社製、数平均粒子径5μm
<<離型剤>>
WH255:共栄社化学社製、脂肪酸アマイドワックス
実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例4
<コンパウンド>
後述する表1または2に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、ガラス繊維をサイドフィードしてペレットを作製した。二軸押出機の温度設定は、300℃とした。表1および表2における各成分は質量比で示している。
<曲げ強さおよび曲げ弾性率>
上記の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度300℃、金型温度130℃、成形サイクル50秒の条件で、ISO引張り試験片(4mm厚)を射出成形した。
ISO178に準拠して、23℃の温度で曲げ強さ(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:GPa)を測定した。
<シャルピー衝撃強さ>
上記の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度300℃、金型温度130℃、成形サイクル50秒の条件で、ISO引張り試験片(4mm厚)を射出成形した。
ISO179規格に従い、23℃の温度でシャルピー衝撃強さ(ノッチ有り)の測定を行った。
単位は、kJ/m2で示した。
<メッキ剥がし強度>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度300℃、金型温度130℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形し、60mm×60mm×2mm厚さのプレートを成形した。
得られたプレートについて、波長1064nmのYAGレーザーを、出力10W、速度80m/s、周波数3μsで照射した。試験片を硫酸にて脱脂後、キザイ社製、THPアルカリアクチおよびTHPアルカリアクセで処理し、キザイ社製SELカッパーにて銅メッキ処理を行った。得られた銅メッキパターンを、90度剥離試験により、20mm/分の速さで10mm引き剥がした際の検出荷重から積分平均値を算出した。測定には、インストロン社製、ロードセル2kNを用いた。
単位は、N/mmで示した。
<メッキ成長速度>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度300℃、金型温度130℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形し、60mm×60mm×2mm厚さのプレートを成形した。
得られたプレートについて、波長1064nmのYAGレーザーを、出力10W、速度80m/s、周波数3μsで照射した。試験片を硫酸にて脱脂後、キザイ社製、THPアルカリアクチおよびTHPアルカリアクセで処理し、キザイ社製SELカッパーにて銅メッキ処理を行った。得られた銅メッキパターンの膜厚を、ヤマト科学(株)製、蛍光X線式膜厚計FT110を用いて測定した。メッキ厚みは任意の測定箇所3ヶ所の平均値から算出した。各実施例および比較例の膜厚について、比較例1の膜厚を1.0としたときのとの比でした。膜厚が厚いほど、成長速度が速いと言える。
上記結果を下記表1および表2に示す。
Figure 2021155572
Figure 2021155572
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物から形成される樹脂成形品は、メッキ成長速度が速く、かつ、曲げ強さに優れていた。さらに、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ等の機械的強度にも優れていた。また、メッキ引き剥がし強度にも優れていた。
これに対し、無機リン酸塩を配合しない場合(比較例1〜3)、メッキ成長速度が遅かった。また、メッキ引き剥がし強度も劣っていた。一方、無機リン酸塩の配合量が多い場合(比較例4)、曲げ強さが低かった。さらに、メッキ引き剥がし強度も低く、はがれやすかった。
1 樹脂成形品
2 レーザー
3 レーザーが照射された部分
4 メッキ液
5 メッキ

Claims (16)

  1. ポリアミド樹脂100質量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤1〜30質量部、無機還元性リン酸塩0.1〜10.0質量部、および、無機繊維10〜150質量部を含む、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記無機繊維がガラス繊維を含む、請求項1に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記無機還元性リン酸塩が、亜リン酸塩および次亜リン酸塩の少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、銅、アンチモン、錫、アルミニウムおよび亜鉛の少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド樹脂が半芳香族ポリアミド樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド樹脂の少なくとも1種が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記無機亜リン酸塩を前記ポリアミド樹脂100質量部に対し、1.0〜6.0質量部含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  8. さらに、タルクを、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤100質量部に対し、0.1〜200質量部含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記無機繊維を前記ポリアミド樹脂100質量部に対し、20〜80質量部含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物から成形される樹脂成形品。
  11. 前記樹脂成形品の表面にメッキを有する、請求項10に記載の樹脂成形品。
  12. 前記メッキがアンテナとしての性能を保有する、請求項11に記載の樹脂成形品。
  13. 携帯電子機器部品である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキを形成することを含む、メッキ付樹脂成形品の製造方法。
  15. 前記メッキが銅メッキである、請求項14に記載のメッキ付樹脂成形品の製造方法。
  16. 請求項14または15に記載のメッキ付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
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