JP2018052465A - ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】周期的に振動振幅に変化が生じるうなり振動を効果的に吸収することができるユニットスイング式駆動ユニットの支持構造を提供する
【解決手段】ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造27は、第1ピボット軸87で車体12に連結され、第2ピボット軸88で駆動ユニット25に搖動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアーム89a、89bに中間軸を設け、車体12にリンクアーム89a、89bをラバーブッシュ114で弾性支持するとともに、第1ピボット軸87の両端に、車体12とリンクアーム89a、89bとを剛に当接可能な当接部材116を配置した。
【選択図】図6

Description

本発明は、ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造に関する。
特許文献1はエンジンと伝動装置と車輪とを一体化したユニットスイング式駆動ユニットの水平リンク式懸架装置を開示する。この懸架装置は、車体フレームと駆動ユニットの前部とで、第1ピボット軸回りで揺動自在に車体フレームに連結され、第2ピボット軸回りで揺動自在に駆動ユニットに連結されるリンクアームを備える。リンクアームは、オレオリンクと称される中間軸回りで回転自在にV字状に交差する前リンクおよび後リンクで形成される。
特開平2−162186号公報
前リンクには第1ピボット軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合される。後リンクには第2ピボット軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合される。さらに中間軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合されている。前リンクおよび後リンクは中間軸回りでダンパーの撓みの範囲で近づいたり遠ざかったりし、駆動ユニットの走行時に発生する振動を吸収する。しかしながら、駆動ユニットの回転振動により発生する周期的に振動振幅が変化するうなり振動は全く考慮されていない。
本発明は、駆動ユニットのエンジンおよび伝動装置の回転部の質量のアンバランスに起因する周期的に振動振幅に変化が生じるうなり振動を効果的に吸収することができるユニットスイング式駆動ユニットの支持構造を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、エンジンとベルコン自動変速装置と車輪とを備える駆動ユニットを車体に上下に揺動可能に懸架してなるユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、第1ピボット軸で前記車体に連結され、第2ピボット軸で前記駆動ユニットに搖動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアームを設け、前記車体に前記リンクアームをラバーブッシュで弾性支持するとともに、前記第1ピボット軸の両端に、前記車体と前記リンクアームとを剛に当接可能な当接部材を配置したユニットスイング式駆動ユニットの支持構造が提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記当接部材は、車体側ブラケットと第1ピボット軸外筒の端面の間に設けられて、前記車体側ブラケットおよび前記第1ピボット軸外筒に当接するワッシャー部材である。
第3側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記当接部材は、前記ラバーブッシュと径方向に所定の隙間を有し前記ラバーブッシュの収縮が所定以上になると当接して前記ラバーブッシュの変形を止める軸受け機能付きブッシュである。
第4側面によれば、第1〜第3側面のいずれかの構成に加えて、前記ラバーブッシュは、環状で、中央の孔と外筒との間に周方向に延びる肉抜き孔を有し、該肉抜き孔の弾性軸を、前輪のキャスター軸線に直交する方向に配設した。
第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれかの構成に加えて、前記リンクアームに中間軸を設け、前記中間軸にニードルベアリングを組み込んだことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
第6側面によれば、第5側面の構成に加えて、ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造は、前記左右のリンクアームと前記第1ピボット軸との間で前記リンクアームを補強する補強部材を備える。
第7側面によれば、第5または第6側面の構成に加えて、前記左右のリンクアームのエンジン側リンクの下面にエンジン側取り付け部下方に延びるガード部を一体的に設けた。
第8側面によれば、第5〜第7側面のいずれかの構成に加えて、前記左右のリンクアームの間に空間を形成し、前記エンジンの補機を通した。
第1側面によれば、左右および上下挙動を前後方向の振動に変換し、うなり振動の最大振幅を縮小し、前後方向の振動を伝達し易くしてうなり振動の振幅を縮小することで、エンジン駆動系により発生する周期的な振動の山谷からなるうなり振動を抑制し均一化することができ、乗り心地を高めることができる。
第2側面によれば、第1ピボット軸外筒の端面に設けたワッシャー部材により、駆動ユニットの左右振動を前後の振動に変換してうなり振動の最小振幅を引き上げ、うなり振動を抑えることができる。
第3側面によれば、所定以上になると当接してラバーブッシュの変形を止める軸受け機能付きブッシュとしたことで、左右方向のねじりを押せて、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最小振幅を上げることができ、うなり振動を抑えることができる。
第4側面によれば、肉抜き孔の弾性軸を、前輪のキャスター軸線に直交する方向に配設したので、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最大振幅を縮小することができ、うなり振動を抑えることができる。
第5側面によれば、中間軸に設けたニードルベアリングにより中間軸回りに揺動自在としたので、うなり振動の最大振幅を縮小し、うなり振動を抑えることができる。
第6側面によれば、左右のリンクアームと第1ピボット軸との間に補強部材でリンクアームを補強したので、中間軸を左右独立にしてもリンクのねじり剛性を向上できる。
第7側面によれば、エンジン側リンクの下面にエンジン側取り付け部下方に延びるガード部を一体的に設けたので、エンジン側リンクの補強にも役立つ。
第8側面によれば、左右のリンクアームの間に空間を形成し、エンジンの補機を通したので、エンジンを前傾させリンクと近接してもレイアウトの自由度が向上する。
鞍乗り型車両の一実施形態に係るスクーター型自動二輪車を概略的に示す側面図である。 図1の2−2線に沿った水平断面図である。 支持構造を概略的に示す自動二輪車の拡大側面図である。 下方から観察される支持構造の平面図である。 中間軸の構造を概略的に示す拡大断面図である。 第1実施形態に係る支持構造を概略的に示す断面図である。 第2実施形態に係る支持構造を概略的に示す断面図である。 図5に対応し、他の実施形態に係る中間軸の構造を概略的に示す拡大断面図である。 ラバーブッシュの弾性軸と前輪のキャスター軸線との関係を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、以下の説明では、前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向をいう。
図1は鞍乗り型車両の一実施形態に係るスクーター型自動二輪車を概略的に示す。自動二輪車11は車体フレーム12および車体カバー13を備える。車体フレーム12は、その前端のヘッドパイプ14と、前端でヘッドパイプ14に結合されるメインフレーム15と、メインフレーム15の後部に結合されて車幅方向に延びるクロスパイプ16と、該クロスパイプ16の両端部に前端部がそれぞれ接続されて車両前後方向に延びる左右一対のリアフレーム17とを備える。ヘッドパイプ14には、水平軸回りに回転自在に前輪WFを支持するフロントフォーク18と棒状の操向ハンドル19とが操向可能に支持される。
車体カバー13は車体フレーム12に装着される。車体カバー13にはリアフレーム17の上方で乗員シート21が搭載される。車体カバー13は、ヘッドパイプ14を前方から覆うフロントカバー22と、フロントカバー22から連続するレッグシールド23と、レッグシールド23の下端から連続して、乗員シート21および前輪WFの間でメインフレーム15の上方に配置されるステップフロア24とを備える。
リアフレーム17の下方の空間にはユニットスイング式の駆動ユニット25が配置される。駆動ユニット25は、リアフレーム17の前端に結合されるブラケット26に、支持構造27を介して上下方向に揺動自在に連結される。駆動ユニット25の後端には水平軸回りで回転自在に後輪WRが支持される。支持構造27およびブラケット26から離れた位置でリアフレーム17と駆動ユニット25との間には、リアクッションユニット28が、後輪WRの接地点Aより後方にリアクッションユニット28のクッション軸Bの延長戦が位置するように配設される。駆動ユニット25は、空冷式単気筒のエンジン29と、エンジン29および後輪WRに接続されて、エンジン29の出力を後輪WRに伝達する伝動装置31とを備える。エンジン29のエンジン本体29aに伝動装置31の伝動ケース31aが結合される。
エンジン29のエンジン本体29aは、回転軸線回りで回転自在にクランクシャフト32を支持するクランクケース33と、クランクケース33に結合されるシリンダーブロック34と、シリンダーブロック34に結合されるシリンダーヘッド35と、シリンダーヘッド35に結合されるヘッドカバー36とを備える。シリンダーヘッド35には吸気装置37および排気装置38が接続される。吸気装置37は、伝動ケース31aに支持されるエアクリーナー39と、エアクリーナー39およびシリンダーヘッド35の間に配置されるスロットルボディ41とを備える。シリンダーヘッド35の上部側壁には燃料噴射弁42が取り付けられる。排気装置38は、シリンダーヘッド35の下部側壁からエンジン本体29aの下方を通って後方に延びる排気管43と、排気管43の下流端に接続されてクランクケース33に連結される排気マフラーMF(図1参照)とを備える。
図2に示されるように、シリンダーブロック34にはシリンダーボア44が区画される。シリンダーボア44にはシリンダー軸線Cに沿ってスライド自在にピストン45が嵌め込まれる。シリンダー軸線Cはわずかに前上がりに傾斜する。ピストン45にクランクシャフト32は連結される。クランクシャフト32の回転軸線Xisは車幅方向に向けられる。
シリンダーヘッド35には燃焼室46が区画される。燃焼室46はシリンダーボア44から連続する。ピストン45はシリンダーヘッド35に向き合ってシリンダーヘッド35との間に燃焼室46を仕切る。燃焼室46には吸気装置37を経て混合気が導入される。燃焼室46内の排ガスは排気装置38を経て排出される。
クランクケース33は第1ケース半体33aおよび第2ケース半体33bに分割される。第1ケース半体33aおよび第2ケース半体33bは協働でクランク室47を区画する。クランク室47にクランクシャフト32のクランクが収容される。第1ケース半体33aは回転自在にクランクシャフト32を支持する軸受け48aを有する一方で、第2ケース半体33bは回転自在にクランクシャフト32を支持する軸受け48bを有する。
クランクケース33には発電機49が結合される。発電機49は、クランクケース33の第1ケース半体33aを貫通して第1ケース半体33aから突き出るクランクシャフト32に固定される筒形のローター51と、ローター51に囲まれてクランクシャフト32周りに配置されるステーター52とを備える。ステーター52は第1ケース半体33aに締結される支持板53に固定される。ローター51とステーター52との相対回転に応じて発電機49は電流を生成する。
第1ケース半体33aには、発電機49を囲む筒状の発電機カバー54が結合される。発電機カバー54の開放端に空気導入口54aが区画される。空気導入口54aにはラジエーター55が配置される。ローター51の外面には冷却ファン56が結合される。クランクシャフト32の回転に応じて冷却ファン56は回転し、ラジエーター55に冷却風は流通する。
伝動装置31は、伝動ケース31a内に収容されて、クランクシャフト32から伝達される回転動力を無段階に変速する電子制御Vベルト式無段変速機いわゆるベルコン自動変速装置(以下「変速機」という)57と、伝動ケース31a内に収容されて、変速機57の回転動力を減速して後輪WRの車軸58に伝達する減速ギア機構59とを備える。後輪WRは伝動ケース31aと支持アーム61との間に配置される。支持アーム61はクランクケース33から連続して車両後方に向かって延びる。支持アーム61に前述の排気マフラーは取り付けられる。後輪WRの車軸58は軸心回りに回転自在に伝動ケース31aおよび支持アーム61に両持ち支持される。
伝動ケース31aは、クランクケース33の第2ケース半体33bから連続するケース主体62と、ケース主体62に締結されて、ケース主体62との間に変速機室63を区画するケースカバー64と、ケース主体62に締結されて、ケース主体62との間にギア室65を区画するギアカバー66とを備える。変速機室63には変速機57が収容される。ギア室65には減速ギア機構59が収容される。ケース主体62およびケースカバー64は協働でミッションケースを構成する。
変速機57は、変速機室63内に配置されて、駆動軸としてのクランクシャフト32に取り付けられる駆動プーリー67と、変速機室63内に配置されて、変速機室63からギア室65に突き出る従動軸68に取り付けられる従動プーリー69とを備える。駆動プーリー67および従動プーリー69には途切れなく連続するVベルト71が巻き掛けられる。後述されるように、アクチュエーターユニット72の働きで駆動プーリー67ではベルト巻き掛け径は可変に電子制御される。後述されるように、駆動プーリー67のベルト巻き掛け径の変化に応じて従動プーリー69のベルト巻き掛け径は変化する。
駆動プーリー67は、クランクシャフト32に固定される固定シーブ73と、固定シーブ73に向き合わせられながらクランクシャフト32の軸方向に移動可能にクランクシャフト32に支持される可動シーブ74とを備える。可動シーブ74はクランクケース33の第2ケース半体33bと固定シーブ73との間に配置される。固定シーブ73および可動シーブ74の間にVベルト71は巻き掛けられる。可動シーブ74は、クランクシャフト32を受け入れる可動シーブボス74aを有する。可動シーブボス74aは、Vベルト71を受け止めるシーブ体からクランクケース24の第2ケース半体33bに向かって延びる。変速機57は、第1シフト機構75aと、前述のアクチュエーターユニット72を含む第2シフト機構75bとを備える。第1シフト機構75aおよび第2シフト機構75bの働きに応じて、可動シーブ74の軸方向移動は実現され、Vベルト71の巻き掛け半径は変化する。
従動プーリー69は、従動軸68に同軸の円筒形を有し、同軸に従動軸68に装着される内筒76と、従動軸68に同軸の円筒形を有し、同軸に内筒76に装着される外筒77とを備える。内筒76は従動軸68に相対回転自在に支持される。外筒77は内筒76に相対回転自在かつ軸方向相対変位自在に支持される。内筒76に固定シーブ78は同軸に固定される。外筒77に可動シーブ79は同軸に固定される。可動シーブ79は固定シーブ78に向き合わせられ、外筒77および内筒76の軸方向相対変位に応じて可動シーブ79は固定シーブ78に近づいたり固定シーブ78から遠ざかったりする。固定シーブ78および可動シーブ79の間にVベルト71が巻き掛けられる。
従動軸68には遠心クラッチ81が装着される。遠心クラッチ81は内筒76に固定されるクラッチプレート81aを備える。クラッチプレート81aと可動シーブ79との間には弦巻ばね82が配置される。弦巻ばね82は固定シーブ78に向かって可動シーブ79を押し付ける弾性力を発揮する。駆動プーリー67でVベルト71の巻き掛け半径が増大すると、従動プーリー69では弦巻ばね82の弾性力に抗して可動シーブ79は固定シーブ78から遠ざかりVベルト71の巻き掛け半径は減少する。
遠心クラッチ81は従動軸68に固定されるアウタープレート81bを備える。アウタープレート81bはクラッチプレート81aに向き合わせられる。クラッチプレート81aが回転すると、遠心力の働きでクラッチプレート81aにアウタープレート81bは結合される。こうして従動プーリー69の回転は従動軸68に伝達される。エンジン回転数が設定回転数を超えると、遠心クラッチ81は動力伝達状態を確立する。
減速ギア機構59は、ギア室65に突き出る従動軸68に固定されるドライブギア83と、後輪WRの車軸58に固定されるファイナルギア84と、ドライブギア83およびファイナルギア84の間に配置されるアイドルギア85a、85bとを備える。アイドルギア85a、85bは共通の中継軸86に固定される。アイドルギア85aにドライブギア83が噛み合い、アイドルギア85bにファイナルギア84が噛み合う。こうして従動軸68の回転は減速されて後輪WRの車軸58に伝達される。
図3に示されるように、支持構造27は、第1ピボット軸87で車体フレーム12のクロスパイプ16に連結され、第1ピボット軸87に平行な第2ピボット軸88で駆動ユニット25に揺動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアーム89a、89bを備える。リンクアーム89a、89bには中間軸91が設けられる。第1ピボット軸87の軸心および第2ピボット軸88の軸心は後輪WRの車軸58に平行に延びる。中間軸91の軸心は第1ピボット軸87の軸心および第2ピボット軸88の軸心に平行に位置する。
リンクアーム89a、89bは、第1ピボット軸87の軸心回りで揺動可能に車体側ブラケット26に連結される前リンク92と、中間軸91回りで回転自在に前リンク92に連結され、第2ピボット軸88回りで回転自在にエンジン側ブラケット93に連結される後リンク94とを有する。前リンク92の前端には第1ピボット軸外筒95が結合される。前リンク92は第1ピボット軸外筒95に例えば溶接されればよい。第1ピボット軸87は第1ピボット軸外筒95を貫通する。後リンク94の後端には第2ピボット軸外筒96が結合される。後リンク94は第2ピボット軸外筒96に例えば溶接されればよい。第2ピボット軸88は第2ピボット軸外筒96を貫通する。中間軸91の軸心Cmは、第1ピボット軸87の軸心を含む水平面H1、および、第2ピボット軸88の軸心を含む水平面H2よりも低い位置(地面に近い位置)に配置される。
第1ピボット軸外筒95には、クロスパイプ16の周方向に第1方向に延びる第1回転ストッパー97aと、クロスパイプ16の周方向に第1方向に反対向きの第2方向に延びる第2回転ストッパー97bとが固着される。第1回転ストッパー97aはクロスパイプ16の円筒面に倣って広がる部分円筒形状の接触面98を有する。第1回転ストッパー97aはクロスパイプ16上の台座に接触面98で面で接触する。同様に、第2回転ストッパー97bはクロスパイプ16の円筒面に倣って広がる部分円筒形状の接触面99を有する。第2回転ストッパー97bはクロスパイプ16上の台座に接触面99で面で接触する。第1回転ストッパー97aおよび第2回転ストッパー97bは第1ピボット軸87回りで第1ピボット軸外筒95の回転を防止する。
左右のリンクアーム89a(89b)の後リンク94には後リンク94の下面からエンジン側ブラケット93の下方に向かって延びるガード部101が一体的に設けられる。ガード部101は、例えば排気管43の下端に接する仮想水平面H3よりも地面に向かって延びればよい。ガード部101の働きで排気管43と地面との接触は回避されることができる。
図4に示されるように、第1ピボット軸外筒95はボルト102およびナット103で車体側ブラケット26に締結される。第1ピボット軸外筒95は車体側ブラケット26同士の間に配置される。ボルト102にナット103が締め付けられてボルト102の軸部は車体側ブラケット26に固定される。ここでは、ボルト102の軸部は第1ピボット軸87として機能する。
第2ピボット軸外筒96はボルト104およびナット105でエンジン側ブラケット93に締結される。第2ピボット軸外筒96はエンジン側ブラケット93同士の間に配置される。ボルト104にナット105が締め付けられてボルト104の軸部はエンジン側ブラケット93に固定される。ボルト104の軸部は第2ピボット軸88として機能する。
前リンク92の後端には円筒体106が固定される。円筒体106の軸心は第1ピボット軸87に平行に設置される。後リンク94の前端には円筒体106を挟む板片107が形成される。ボルト108にナット109が締め付けられると、板片107に円筒体106は軸心回りに回転自在に連結される。ボルト108の軸部は中間軸91として機能する。
左右のリンクアーム89a、89bと第1ピボット軸87との間には補強部材111が左右に配置される。補強部材111は、第1ピボット軸87の軸心に平行に外側から内側に向かって前リンク92を貫通し、内端で第1ピボット軸外筒95の外周に結合される。補強部材111の内端は第1ピボット軸外筒95に溶接される。補強部材111の外端は個々に左右のリンクアーム89a、89bに溶接される。補強部材111は支持構造27の剛性を高める。左右のリンクアーム89a、89bの間には空間が形成される。左右のリンクアーム89a、89bの間に排気管43は通される。
図5に示されるように、板片107同士の間で前リンク92の円筒体106の内側にカラー112が挿入される。ボルト108の軸部はカラー112を貫通する。カラー112の外周には管ブッシュ113が装着される。管ブッシュ113はカラー112を囲む。こうして前リンク92の円筒体106とカラー112との間に管ブッシュ113は挟まれる。円筒体106の端面に板片107は剛に当接する。したがって、ボルト108の軸心回りで円筒体106の回転は許容されるものの、ボルト108の軸部に対して円筒体106の軸方向滑りや捻れは防止される。管ブッシュ113の働きでボルト108の軸心に直交する仮想平面に沿ってボルト108の軸部に対して相対的に円筒体106の動きは許容される。
図6に示されるように、第1実施形態に係る支持構造27は、第1ピボット軸87回りで車体フレーム12と第1ピボット軸外筒95との間に挟まれるラバーブッシュ114を備える。ラバーブッシュ114は第1ピボット軸87の両端に装着される。個々のラバーブッシュ114は2つのリンクアーム89a、89bよりも車幅方向に外側に位置する。ラバーブッシュ114は所定の弾性を有する。こうしてリンクアーム89a、89bは車体フレーム12にラバーブッシュ114で弾性支持される。
支持構造27は、第2ピボット軸88回りで駆動ユニット25と第2ピボット軸外筒96との間に挟まれる管ブッシュ115を備える。管ブッシュ115はエンジン側ブラケット93内で第2ピボット軸88に装着される。管ブッシュ115は所定の弾性を有する。こうしてリンクアーム89a、89bは駆動ユニット25に管ブッシュ115で弾性支持される。
支持構造27は、第1ピボット軸87の両端に配置されて、第1ピボット軸87の軸心に直交する面で車体側ブラケット26および第1ピボット軸外筒95を剛に受け止める当接部材116を備える。ここでは、当接部材116は、車体側ブラケット26と第1ピボット軸外筒95の端面との間に微小隙間を介して軸方向に浮動状態で第1ピボット軸87上に挿入されて、車体側ブラケット26および第1ピボット軸外筒95に当接可能な樹脂製ワッシャー部材117で構成される。
ワッシャー部材117と第1ピボット軸外筒95およびラバーブッシュ114との間には軸方向に所定の隙間118が区画される。隙間118は、ラバーブッシュ114の径方向の潰れに応じてラバーブッシュ114の軸方向の変形が所定以上になると第1ピボット軸外筒95およびワッシャー部材117が相互に当接する大きさに設定される。したがって、第1ピボット軸87に対して第1ピボット軸外筒95が相対的に変位してラバーブッシュ114の収縮が所定以上になると、ラバーブッシュ114の変形は止められる。
次に本実施形態の動作を説明する。エンジン29が作動すると、クランクシャフト32は回転する。クランクシャフト32の回転は駆動プーリー67から従動プーリー69に伝達される。遠心クラッチ81が接続されると、駆動力は車軸58に伝達される。後輪WRは回転駆動される。
ここで、可動プーリー67で固定シーブ74に可動シーブ74が近づくと、Vベルト71はクランクシャフト32の回転軸線から遠ざかる。駆動プーリー67から従動プーリー69への駆動力の伝達比は連続的に変化していく。駆動プーリー67から従動プーリー69へのトルク伝達比が1付近になると、エンジン本体29aの一次振動すなわちクランクシャフト32が1回転するときに発生する振動と、このエンジン本体29aの一次振動の方向と伝動装置31側の従動軸68側の例えば遠心クラッチ81のアウタープレート81bや従動プーリー69の回転部の質量のアンバランスに基づく振動とが同一方向に発生すると、大きな振動が同期的に発生し、うなり振動が発生する。エンジン29のシリンダー軸線Cと従動プーリー69の回転面とは図2のように車両の幅方向に偏倚していることから、車体に対してねじるようなうなり振動が発生する。
このとき、支持構造27では、車体側のブラケット26およびリンクアーム89a、89b側の第1ピボット軸外筒95にワッシャー部材117が剛に当接することから、リンクアーム89a、89bの移動方向は拘束され、駆動ユニット25の左右および上下挙動は前後方向の振動に変換される。加えて、車体側のブラケット26にリンクアーム89a、89bは弾性支持されることから、前後方向の振動が伝達されやすくなり、うなり振動の最大振幅は縮小し、エンジン駆動系のうなり振動は抑制され、乗り心地は高められる。
図7に示されるように、第2実施形態に係る支持構造27aは、第1ピボット軸87回りで車体フレーム12と第1ピボット軸外筒95との間に挟まれるラバーブッシュ121を備える。ラバーブッシュ121は第1ピボット軸87の両端に装着される。個々のラバーブッシュ121は2つのリンクアーム89a、89bよりも車幅方向に外側に位置する。ラバーブッシュ121は所定の弾性を有する。ラバーブッシュ121は、少なくとも外端に、第1ピボット軸外筒95の内径よりも小さい外径を有する小径部121aを有する。小径部121aの外端に隣接して第1ピボット軸87には延長カラー122が装着される。延長カラー122の外径は小径部の外径よりも小さく設定される。
第1ピボット軸外筒95の外端には軸受け機能付きブッシュ123が嵌め込まれる。ブッシュ123は、第1ピボット軸外筒95に圧入される本体123aと、本体123aの外端に一体に形成されて径方向に広がるフランジ123bとを備える。フランジ123bは第1ピボット軸外筒95の外端に接触する。本体123aには第1ピボット軸外筒95と同軸に貫通孔124が区画される。本体123aの内端から貫通孔124には少なくとも部分的にラバーブッシュ121の小径部121aが嵌め入れられる。本体123aと延長カラー122との間には径方向に所定の隙間gが区画される。ラバーブッシュ121の収縮が所定以上になると、ブッシュ123は延長カラー122に当接してラバーブッシュ121の変形を止める。その他の構成は前述の支持構造27と同様である。
エンジン29の作動中に車両にうなり震動が発生すると、左右方向のねじりが発生する。ラバーブッシュ121の収縮が所定以上になると、ブッシュ123は延長カラー122に当接してラバーブッシュ121の変形を止めるので、左右方向のねじりを押さえ、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最小振幅を上げることができ、うなり振動を抑えることができる。
図8に示されるように、中間軸91にはニードルベアリング126が組み込まれてもよい。ニードルベアリング126は、ボルト108の軸部に結合される内筒126aと、前リンク92に結合される外筒126bと、内筒126aおよび外筒126bの間に挟まれる複数のニードル127とを備える。ボルト108の軸部は内筒126aに嵌め入れられる。ニードル127の軸心はボルト108の軸心と平行に配置される。こうしてニードルベアリング126により前リンク92および後リンク94は中間軸91回りに相対回転するので、うなり振動の最大振幅を縮小し、うなり振動を抑えることができる。
図9に示されるように、ラバーブッシュ114には、第1ピボット軸外筒95に同軸に貫通孔128が区画される。貫通孔128に第1ピボット軸87のボルト102は貫通する。貫通孔128と第1ピボット軸外筒95との間でラバーブッシュ114には周方向に延びる肉抜き孔129が区画される。肉抜き孔129の弾性軸131は、前輪WFのキャスター軸線132に直交する方向に配置される。弾性軸131の設定にあたって、周方向に肉抜き孔129同士の間には剛性部133が区画される。こうして肉抜き孔129の弾性軸131は前輪WFのキャスター軸線132に直交する方向に配置されたので、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最大振幅を縮小することができ、うなり振動を抑えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ユニットスイング式駆動ユニット25の支持構造27は、第1ピボット軸87の軸心回りで揺動可能に車体(車体フレーム12)に連結される前リンク92と、第1ピボット軸87の軸心に平行な軸心を有する中間軸91回りで回転自在に前リンク92に連結され、第1ピボット軸87の軸心に平行な軸心を有する第2ピボット軸88回りで回転自在に駆動ユニット25に連結される後リンク94と、第1ピボット軸87回りで車体(車体フレーム12)および前リンク92の間に挟まれるラバーブッシュ114、121と、第1ピボット軸87の両端に配置されて、第1ピボット軸87の軸心に直交する面で車体フレーム12および前リンク92を剛に受ける当接部材116とを備える。
12…車体(車体フレーム)、25…ユニットスイング式駆動ユニット、26…(車体側)ブラケット、27…支持構造、27a…支持構造、29…エンジン、43…補機(排気管)、57…ベルコン自動変速装置(電子制御Vベルト式無段変速機)、87…第1ピボット軸、88…第2ピボット軸、89a…(左)リンクアーム、89b…(右)リンクアーム、91…中間軸、94…(エンジン側)後リンク、95…第1ピボット軸外筒、101…ガード部、111…補強部材、114…ラバーブッシュ、116…当接部材、117…ワッシャー部材、121…ラバーブッシュ、123…軸受け機能付きブッシュ、126…ニードルベアリング、128…貫通孔、129…肉抜き孔、131…弾性軸、132…キャスター軸線、WF…前輪、WR…車輪(後輪)。
本発明は、ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造に関する。
特許文献1はエンジンと伝動装置と車輪とを一体化したユニットスイング式駆動ユニットの水平リンク式懸架装置を開示する。この懸架装置は、車体フレームと駆動ユニットの前部とで、第1ピボット軸回りで揺動自在に車体フレームに連結され、第2ピボット軸回りで揺動自在に駆動ユニットに連結されるリンクアームを備える。リンクアームは、オレオリンクと称される中間軸回りで回転自在にV字状に交差する前リンクおよび後リンクで形成される。
特開平2−162186号公報
前リンクには第1ピボット軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合される。後リンクには第2ピボット軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合される。さらに中間軸回りで回転方向に撓みを許容するダンパーが結合されている。前リンクおよび後リンクは中間軸回りでダンパーの撓みの範囲で近づいたり遠ざかったりし、駆動ユニットの走行時に発生する振動を吸収する。しかしながら、駆動ユニットの回転振動により発生する周期的に振動振幅が変化するうなり振動は全く考慮されていない。
本発明は、駆動ユニットのエンジンおよび伝動装置の回転部の質量のアンバランスに起因する周期的に振動振幅に変化が生じるうなり振動を効果的に吸収することができるユニットスイング式駆動ユニットの支持構造を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、エンジンとベルコン自動変速装置と車輪とを備える駆動ユニットを車体に上下に揺動可能に懸架してなるユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、第1ピボット軸で前記車体に連結され、第2ピボット軸で前記駆動ユニットに搖動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアームを設け、前記車体に前記リンクアームをラバーブッシュで弾性支持するとともに、前記第1ピボット軸の両端に、前記車体と前記リンクアームとを剛に当接可能な当接部材を配置したユニットスイング式駆動ユニットの支持構造が提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記当接部材は、車体側ブラケットと第1ピボット軸外筒の端面の間に設けられて、前記車体側ブラケットおよび前記第1ピボット軸外筒に当接するワッシャー部材である。
第3側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記当接部材は、前記ラバーブッシュと径方向に所定の隙間を有し前記ラバーブッシュの収縮が所定以上になると当接して前記ラバーブッシュの変形を止める軸受け機能付きブッシュである。
第4側面によれば、第1〜第3側面のいずれかの構成に加えて、前記ラバーブッシュは、環状で、中央の孔と外筒との間に周方向に延びる肉抜き孔を有し、該肉抜き孔の弾性軸を、前輪のキャスター軸線に直交する方向に配設した。
第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれかの構成に加えて、前記リンクアームに中間軸を設け、前記中間軸にニードルベアリングを組み込んだことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
第6側面によれば、第5側面の構成に加えて、ユニットスイング式駆動ユニットの支持構造は、前記左右のリンクアームと前記第1ピボット軸との間で前記リンクアームを補強する補強部材を備える。
第7側面によれば、第5または第6側面の構成に加えて、前記左右のリンクアームのエンジン側リンクの下面にエンジン側取り付け部下方に延びるガード部を一体的に設けた。
第8側面によれば、第5〜第7側面のいずれかの構成に加えて、前記左右のリンクアームの間に空間を形成し、前記エンジンの補機を通した。
第1側面によれば、左右および上下挙動を前後方向の振動に変換し、うなり振動の最大振幅を縮小し、前後方向の振動を伝達し易くしてうなり振動の振幅を縮小することで、エンジン駆動系により発生する周期的な振動の山谷からなるうなり振動を抑制し均一化することができ、乗り心地を高めることができる。
第2側面によれば、第1ピボット軸外筒の端面に設けたワッシャー部材により、駆動ユニットの左右振動を前後の振動に変換してうなり振動の最小振幅を引き上げ、うなり振動を抑えることができる。
第3側面によれば、収縮が所定以上になると当接してラバーブッシュの変形を止める軸受け機能付きブッシュとしたことで、左右方向のねじりを押さえて、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最小振幅を上げることができ、うなり振動を抑えることができる。
第4側面によれば、肉抜き孔の弾性軸を、前輪のキャスター軸線に直交する方向に配設したので、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最大振幅を縮小することができ、うなり振動を抑えることができる。
第5側面によれば、中間軸に設けたニードルベアリングにより中間軸回りに揺動自在としたので、うなり振動の最大振幅を縮小し、うなり振動を抑えることができる。
第6側面によれば、左右のリンクアームと第1ピボット軸との間に補強部材でリンクアームを補強したので、中間軸を左右独立にしてもリンクのねじり剛性を向上できる。
第7側面によれば、エンジン側リンクの下面にエンジン側取り付け部下方に延びるガード部を一体的に設けたので、エンジン側リンクの補強にも役立つ。
第8側面によれば、左右のリンクアームの間に空間を形成し、エンジンの補機を通したので、エンジンを前傾させリンクと近接してもレイアウトの自由度が向上する。
鞍乗り型車両の一実施形態に係るスクーター型自動二輪車を概略的に示す側面図である。 図1の2−2線に沿った水平断面図である。 支持構造を概略的に示す自動二輪車の拡大側面図である。 下方から観察される支持構造の平面図である。 中間軸の構造を概略的に示す拡大断面図である。 第1実施形態に係る支持構造を概略的に示す断面図である。 第2実施形態に係る支持構造を概略的に示す断面図である。 図5に対応し、他の実施形態に係る中間軸の構造を概略的に示す拡大断面図である。 ラバーブッシュの弾性軸と前輪のキャスター軸線との関係を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向をいう。
図1は鞍乗り型車両の一実施形態に係るスクーター型自動二輪車を概略的に示す。自動二輪車11は車体フレーム12および車体カバー13を備える。車体フレーム12は、その前端のヘッドパイプ14と、前端でヘッドパイプ14に結合されるメインフレーム15と、メインフレーム15の後部に結合されて車幅方向に延びるクロスパイプ16と、該クロスパイプ16の両端部に前端部がそれぞれ接続されて車両前後方向に延びる左右一対のリアフレーム17とを備える。ヘッドパイプ14には、水平軸回りに回転自在に前輪WFを支持するフロントフォーク18と棒状の操向ハンドル19とが操向可能に支持される。
車体カバー13は車体フレーム12に装着される。車体カバー13にはリアフレーム17の上方で乗員シート21が搭載される。車体カバー13は、ヘッドパイプ14を前方から覆うフロントカバー22と、フロントカバー22から連続するレッグシールド23と、レッグシールド23の下端から連続して、乗員シート21および前輪WFの間でメインフレーム15の上方に配置されるステップフロア24とを備える。
リアフレーム17の下方の空間にはユニットスイング式の駆動ユニット25が配置される。駆動ユニット25は、リアフレーム17の前端に結合されるブラケット26に、支持構造27を介して上下方向に揺動自在に連結される。駆動ユニット25の後端には水平軸回りで回転自在に後輪WRが支持される。支持構造27およびブラケット26から離れた位置でリアフレーム17と駆動ユニット25との間には、リアクッションユニット28が、後輪WRの接地点Aより後方にリアクッションユニット28のクッション軸Bの延長が位置するように配設される。駆動ユニット25は、空冷式単気筒のエンジン29と、エンジン29および後輪WRに接続されて、エンジン29の出力を後輪WRに伝達する伝動装置31とを備える。エンジン29のエンジン本体29aに伝動装置31の伝動ケース31aが結合される。
エンジン29のエンジン本体29aは、回転軸線回りで回転自在にクランクシャフト32を支持するクランクケース33と、クランクケース33に結合されるシリンダーブロック34と、シリンダーブロック34に結合されるシリンダーヘッド35と、シリンダーヘッド35に結合されるヘッドカバー36とを備える。シリンダーヘッド35には吸気装置37および排気装置38が接続される。吸気装置37は、伝動ケース31aに支持されるエアクリーナー39と、エアクリーナー39およびシリンダーヘッド35の間に配置されるスロットルボディ41とを備える。シリンダーヘッド35の上部側壁には燃料噴射弁42が取り付けられる。排気装置38は、シリンダーヘッド35の下部側壁からエンジン本体29aの下方を通って後方に延びる排気管43と、排気管43の下流端に接続されてクランクケース33に連結される排気マフラーMF(図1参照)とを備える。
図2に示されるように、シリンダーブロック34にはシリンダーボア44が区画される。シリンダーボア44にはシリンダー軸線Cに沿ってスライド自在にピストン45が嵌め込まれる。シリンダー軸線Cはわずかに前上がりに傾斜する。ピストン45にクランクシャフト32は連結される。クランクシャフト32の回転軸線Xisは車幅方向に向けられる。
シリンダーヘッド35には燃焼室46が区画される。燃焼室46はシリンダーボア44から連続する。ピストン45はシリンダーヘッド35に向き合ってシリンダーヘッド35との間に燃焼室46を仕切る。燃焼室46には吸気装置37を経て混合気が導入される。燃焼室46内の排ガスは排気装置38を経て排出される。
クランクケース33は第1ケース半体33aおよび第2ケース半体33bに分割される。第1ケース半体33aおよび第2ケース半体33bは協働でクランク室47を区画する。クランク室47にクランクシャフト32のクランクが収容される。第1ケース半体33aは回転自在にクランクシャフト32を支持する軸受け48aを有する一方で、第2ケース半体33bは回転自在にクランクシャフト32を支持する軸受け48bを有する。
クランクケース33には発電機49が結合される。発電機49は、クランクケース33の第1ケース半体33aを貫通して第1ケース半体33aから突き出るクランクシャフト32に固定される筒形のローター51と、ローター51に囲まれてクランクシャフト32周りに配置されるステーター52とを備える。ステーター52は第1ケース半体33aに締結される支持板53に固定される。ローター51とステーター52との相対回転に応じて発電機49は電流を生成する。
第1ケース半体33aには、発電機49を囲む筒状の発電機カバー54が結合される。発電機カバー54の開放端に空気導入口54aが区画される。空気導入口54aにはラジエーター55が配置される。ローター51の外面には冷却ファン56が結合される。クランクシャフト32の回転に応じて冷却ファン56は回転し、ラジエーター55に冷却風は流通する。
伝動装置31は、伝動ケース31a内に収容されて、クランクシャフト32から伝達される回転動力を無段階に変速する電子制御Vベルト式無段変速機いわゆるベルコン自動変速装置(以下「変速機」という)57と、伝動ケース31a内に収容されて、変速機57の回転動力を減速して後輪WRの車軸58に伝達する減速ギア機構59とを備える。後輪WRは伝動ケース31aと支持アーム61との間に配置される。支持アーム61はクランクケース33から連続して車両後方に向かって延びる。支持アーム61に前述の排気マフラーMFは取り付けられる。後輪WRの車軸58は軸心回りに回転自在に伝動ケース31aおよび支持アーム61に両持ち支持される。
伝動ケース31aは、クランクケース33の第2ケース半体33bから連続するケース主体62と、ケース主体62に締結されて、ケース主体62との間に変速機室63を区画するケースカバー64と、ケース主体62に締結されて、ケース主体62との間にギア室65を区画するギアカバー66とを備える。変速機室63には変速機57が収容される。ギア室65には減速ギア機構59が収容される。ケース主体62およびケースカバー64は協働でミッションケースを構成する。
変速機57は、変速機室63内に配置されて、駆動軸としてのクランクシャフト32に取り付けられる駆動プーリー67と、変速機室63内に配置されて、変速機室63からギア室65に突き出る従動軸68に取り付けられる従動プーリー69とを備える。駆動プーリー67および従動プーリー69には途切れなく連続するVベルト71が巻き掛けられる。後述されるように、アクチュエーターユニット72の働きで駆動プーリー67ではベルト巻き掛け径は可変に電子制御される。後述されるように、駆動プーリー67のベルト巻き掛け径の変化に応じて従動プーリー69のベルト巻き掛け径は変化する。
駆動プーリー67は、クランクシャフト32に固定される固定シーブ73と、固定シーブ73に向き合わせられながらクランクシャフト32の軸方向に移動可能にクランクシャフト32に支持される可動シーブ74とを備える。可動シーブ74はクランクケース33の第2ケース半体33bと固定シーブ73との間に配置される。固定シーブ73および可動シーブ74の間にVベルト71は巻き掛けられる。可動シーブ74は、クランクシャフト32を受け入れる可動シーブボス74aを有する。可動シーブボス74aは、Vベルト71を受け止めるシーブ体からクランクケース33の第2ケース半体33bに向かって延びる。変速機57は、第1シフト機構75aと、前述のアクチュエーターユニット72を含む第2シフト機構75bとを備える。第1シフト機構75aおよび第2シフト機構75bの働きに応じて、可動シーブ74の軸方向移動は実現され、Vベルト71の巻き掛け半径は変化する。
従動プーリー69は、従動軸68に同軸の円筒形を有し、同軸に従動軸68に装着される内筒76と、従動軸68に同軸の円筒形を有し、同軸に内筒76に装着される外筒77とを備える。内筒76は従動軸68に相対回転自在に支持される。外筒77は内筒76に相対回転自在かつ軸方向相対変位自在に支持される。内筒76に固定シーブ78は同軸に固定される。外筒77に可動シーブ79は同軸に固定される。可動シーブ79は固定シーブ78に向き合わせられ、外筒77および内筒76の軸方向相対変位に応じて可動シーブ79は固定シーブ78に近づいたり固定シーブ78から遠ざかったりする。固定シーブ78および可動シーブ79の間にVベルト71が巻き掛けられる。
従動軸68には遠心クラッチ81が装着される。遠心クラッチ81は内筒76に固定されるクラッチプレート81aを備える。クラッチプレート81aと可動シーブ79との間には弦巻ばね82が配置される。弦巻ばね82は固定シーブ78に向かって可動シーブ79を押し付ける弾性力を発揮する。駆動プーリー67でVベルト71の巻き掛け半径が増大すると、従動プーリー69では弦巻ばね82の弾性力に抗して可動シーブ79は固定シーブ78から遠ざかりVベルト71の巻き掛け半径は減少する。
遠心クラッチ81は従動軸68に固定されるアウタープレート81bを備える。アウタープレート81bはクラッチプレート81aに向き合わせられる。クラッチプレート81aが回転すると、遠心力の働きでクラッチプレート81aにアウタープレート81bは結合される。こうして従動プーリー69の回転は従動軸68に伝達される。エンジン回転数が設定回転数を超えると、遠心クラッチ81は動力伝達状態を確立する。
減速ギア機構59は、ギア室65に突き出る従動軸68に固定されるドライブギア83と、後輪WRの車軸58に固定されるファイナルギア84と、ドライブギア83およびファイナルギア84の間に配置されるアイドルギア85a、85bとを備える。アイドルギア85a、85bは共通の中継軸86に固定される。アイドルギア85aにドライブギア83が噛み合い、アイドルギア85bにファイナルギア84が噛み合う。こうして従動軸68の回転は減速されて後輪WRの車軸58に伝達される。
図3に示されるように、支持構造27は、第1ピボット軸87で車体フレーム12のクロスパイプ16に連結され、第1ピボット軸87に平行な第2ピボット軸88で駆動ユニット25に揺動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアーム89a、89bを備える。リンクアーム89a、89bには中間軸91が設けられる。第1ピボット軸87の軸心および第2ピボット軸88の軸心は後輪WRの車軸58に平行に延びる。中間軸91の軸心は第1ピボット軸87の軸心および第2ピボット軸88の軸心に平行に位置する。
リンクアーム89a、89bは、第1ピボット軸87の軸心回りで揺動可能に車体側ブラケット26に連結される前リンク92と、中間軸91回りで回転自在に前リンク92に連結され、第2ピボット軸88回りで回転自在にエンジン側ブラケット93に連結される後リンク94とを有する。前リンク92の前端には第1ピボット軸外筒95が結合される。前リンク92は第1ピボット軸外筒95に例えば溶接されればよい。第1ピボット軸87は第1ピボット軸外筒95を貫通する。後リンク94の後端には第2ピボット軸外筒96が結合される。後リンク94は第2ピボット軸外筒96に例えば溶接されればよい。第2ピボット軸88は第2ピボット軸外筒96を貫通する。中間軸91の軸心Cmは、第1ピボット軸87の軸心を含む水平面H1、および、第2ピボット軸88の軸心を含む水平面H2よりも低い位置(地面に近い位置)に配置される。
第1ピボット軸外筒95には、クロスパイプ16の周方向に第1方向に延びる第1回転ストッパー97aと、クロスパイプ16の周方向に第1方向に反対向きの第2方向に延びる第2回転ストッパー97bとが固着される。第1回転ストッパー97aはクロスパイプ16の円筒面に倣って広がる部分円筒形状の接触面98を有する。第1回転ストッパー97aはクロスパイプ16上の台座に接触面98で面で接触する。同様に、第2回転ストッパー97bはクロスパイプ16の円筒面に倣って広がる部分円筒形状の接触面99を有する。第2回転ストッパー97bはクロスパイプ16上の台座に接触面99で面で接触する。第1回転ストッパー97aおよび第2回転ストッパー97bは第1ピボット軸87回りで第1ピボット軸外筒95の回転を防止する。
左右のリンクアーム89a(89b)の後リンク94には後リンク94の下面からエンジン側ブラケット93の下方に向かって延びるガード部101が一体的に設けられる。ガード部101は、例えば排気管43の下端に接する仮想水平面H3よりも地面に向かって延びればよい。ガード部101の働きで排気管43と地面との接触は回避されることができる。
図4に示されるように、第1ピボット軸外筒95はボルト102およびナット103で車体側ブラケット26に締結される。第1ピボット軸外筒95は車体側ブラケット26同士の間に配置される。ボルト102にナット103が締め付けられてボルト102の軸部は車体側ブラケット26に固定される。ここでは、ボルト102の軸部は第1ピボット軸87として機能する。
第2ピボット軸外筒96はボルト104およびナット105でエンジン側ブラケット93に締結される。第2ピボット軸外筒96はエンジン側ブラケット93同士の間に配置される。ボルト104にナット105が締め付けられてボルト104の軸部はエンジン側ブラケット93に固定される。ボルト104の軸部は第2ピボット軸88として機能する。
前リンク92の後端には円筒体106が固定される。円筒体106の軸心は第1ピボット軸87に平行に設置される。後リンク94の前端には円筒体106を挟む板片107が形成される。ボルト108にナット109が締め付けられると、板片107に円筒体106は軸心回りに回転自在に連結される。ボルト108の軸部は中間軸91として機能する。
左右のリンクアーム89a、89bと第1ピボット軸87との間には補強部材111が左右に配置される。補強部材111は、第1ピボット軸87の軸心に平行に外側から内側に向かって前リンク92を貫通し、内端で第1ピボット軸外筒95の外周に結合される。補強部材111の内端は第1ピボット軸外筒95に溶接される。補強部材111の外端は個々に左右のリンクアーム89a、89bに溶接される。補強部材111は支持構造27の剛性を高める。左右のリンクアーム89a、89bの間には空間が形成される。左右のリンクアーム89a、89bの間に排気管43は通される。
図5に示されるように、板片107同士の間で前リンク92の円筒体106の内側にカラー112が挿入される。ボルト108の軸部はカラー112を貫通する。カラー112の外周には管ブッシュ113が装着される。管ブッシュ113はカラー112を囲む。こうして前リンク92の円筒体106とカラー112との間に管ブッシュ113は挟まれる。円筒体106の端面に板片107は剛に当接する。したがって、ボルト108の軸心回りで円筒体106の回転は許容されるものの、ボルト108の軸部に対して円筒体106の軸方向滑りや捻れは防止される。管ブッシュ113の働きでボルト108の軸心に直交する仮想平面に沿ってボルト108の軸部に対して相対的に円筒体106の動きは許容される。
図6に示されるように、第1実施形態に係る支持構造27は、第1ピボット軸87回りで車体フレーム12と第1ピボット軸外筒95との間に挟まれるラバーブッシュ114を備える。ラバーブッシュ114は第1ピボット軸87の両端に装着される。個々のラバーブッシュ114は2つのリンクアーム89a、89bよりも車幅方向に外側に位置する。ラバーブッシュ114は所定の弾性を有する。こうしてリンクアーム89a、89bは車体フレーム12にラバーブッシュ114で弾性支持される。
支持構造27は、第2ピボット軸88回りで駆動ユニット25と第2ピボット軸外筒96との間に挟まれる管ブッシュ115を備える。管ブッシュ115はエンジン側ブラケット93内で第2ピボット軸88に装着される。管ブッシュ115は所定の弾性を有する。こうしてリンクアーム89a、89bは駆動ユニット25に管ブッシュ115で弾性支持される。
支持構造27は、第1ピボット軸87の両端に配置されて、第1ピボット軸87の軸心に直交する面で車体側ブラケット26および第1ピボット軸外筒95を剛に受け止める当接部材116を備える。ここでは、当接部材116は、車体側ブラケット26と第1ピボット軸外筒95の端面との間に微小隙間を介して軸方向に浮動状態で第1ピボット軸87上に挿入されて、車体側ブラケット26および第1ピボット軸外筒95に当接可能な樹脂製ワッシャー部材117で構成される。
ワッシャー部材117と第1ピボット軸外筒95およびラバーブッシュ114との間には軸方向に所定の隙間118が区画される。隙間118は、ラバーブッシュ114の径方向の潰れに応じてラバーブッシュ114の軸方向の変形が所定以上になると第1ピボット軸外筒95およびワッシャー部材117が相互に当接する大きさに設定される。したがって、第1ピボット軸87に対して第1ピボット軸外筒95が相対的に変位してラバーブッシュ114の収縮が所定以上になると、ラバーブッシュ114の変形は止められる。
次に本実施形態の動作を説明する。エンジン29が作動すると、クランクシャフト32は回転する。クランクシャフト32の回転は駆動プーリー67から従動プーリー69に伝達される。遠心クラッチ81が接続されると、駆動力は車軸58に伝達される。後輪WRは回転駆動される。
ここで、駆動プーリー67で固定シーブ73に可動シーブ74が近づくと、Vベルト71はクランクシャフト32の回転軸線から遠ざかる。駆動プーリー67から従動プーリー69への駆動力の伝達比は連続的に変化していく。駆動プーリー67から従動プーリー69へのトルク伝達比が1付近になると、エンジン本体29aの一次振動すなわちクランクシャフト32が1回転するときに発生する振動と、このエンジン本体29aの一次振動の方向と伝動装置31側の従動軸68側の例えば遠心クラッチ81のアウタープレート81bや従動プーリー69の回転部の質量のアンバランスに基づく振動とが同一方向に発生すると、大きな振動が同期的に発生し、うなり振動が発生する。エンジン29のシリンダー軸線Cと従動プーリー69の回転面とは図2のように車両の幅方向に偏倚していることから、車体に対してねじるようなうなり振動が発生する。
このとき、支持構造27では、車体側のブラケット26およびリンクアーム89a、89b側の第1ピボット軸外筒95にワッシャー部材117が剛に当接することから、リンクアーム89a、89bの移動方向は拘束され、駆動ユニット25の左右および上下挙動は前後方向の振動に変換される。加えて、車体側のブラケット26にリンクアーム89a、89bは弾性支持されることから、前後方向の振動が伝達されやすくなり、うなり振動の最大振幅は縮小し、エンジン駆動系のうなり振動は抑制され、乗り心地は高められる。
図7に示されるように、第2実施形態に係る支持構造27aは、第1ピボット軸87回りで車体フレーム12と第1ピボット軸外筒95との間に挟まれるラバーブッシュ121を備える。ラバーブッシュ121は第1ピボット軸87の両端に装着される。個々のラバーブッシュ121は2つのリンクアーム89a、89bよりも車幅方向に外側に位置する。ラバーブッシュ121は所定の弾性を有する。ラバーブッシュ121は、少なくとも外端に、第1ピボット軸外筒95の内径よりも小さい外径を有する小径部121aを有する。小径部121aの外端に隣接して第1ピボット軸87には延長カラー122が装着される。延長カラー122の外径は小径部121aの外径よりも小さく設定される。
第1ピボット軸外筒95の外端には軸受け機能付きブッシュ123が嵌め込まれる。ブッシュ123は、第1ピボット軸外筒95に圧入される本体123aと、本体123aの外端に一体に形成されて径方向に広がるフランジ123bとを備える。フランジ123bは第1ピボット軸外筒95の外端に接触する。本体123aには第1ピボット軸外筒95と同軸に貫通孔124が区画される。本体123aの内端から貫通孔124には少なくとも部分的にラバーブッシュ121の小径部121aが嵌め入れられる。本体123aと延長カラー122との間には径方向に所定の隙間gが区画される。ラバーブッシュ121の収縮が所定以上になると、ブッシュ123は延長カラー122に当接してラバーブッシュ121の変形を止める。その他の構成は前述の支持構造27と同様である。
エンジン29の作動中に車両にうなり動が発生すると、左右方向のねじりが発生する。ラバーブッシュ121の収縮が所定以上になると、ブッシュ123は延長カラー122に当接してラバーブッシュ121の変形を止めるので、左右方向のねじりを押さえ、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最小振幅を上げることができ、うなり振動を抑えることができる。
図8に示されるように、中間軸91にはニードルベアリング126が組み込まれてもよい。ニードルベアリング126は、ボルト108の軸部に結合される内筒126aと、前リンク92に結合される外筒126bと、内筒126aおよび外筒126bの間に挟まれる複数のニードル127とを備える。ボルト108の軸部は内筒126aに嵌め入れられる。ニードル127の軸心はボルト108の軸心と平行に配置される。こうしてニードルベアリング126により前リンク92および後リンク94は中間軸91回りに相対回転するので、うなり振動の最大振幅を縮小し、うなり振動を抑えることができる。
図9に示されるように、ラバーブッシュ114には、第1ピボット軸外筒95に同軸に貫通孔128が区画される。貫通孔128に第1ピボット軸87のボルト102は貫通する。貫通孔128と第1ピボット軸外筒95との間でラバーブッシュ114には周方向に延びる肉抜き孔129が区画される。肉抜き孔129の弾性軸131は、前輪WFのキャスター軸線132に直交する方向に配置される。弾性軸131の設定にあたって、周方向に肉抜き孔129同士の間には剛性部133が区画される。こうして肉抜き孔129の弾性軸131は前輪WFのキャスター軸線132に直交する方向に配置されたので、走行安定性を向上でき、かつ、うなり振動の最大振幅を縮小することができ、うなり振動を抑えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ユニットスイング式駆動ユニット25の支持構造27は、第1ピボット軸87の軸心回りで揺動可能に車体(車体フレーム12)に連結される前リンク92と、第1ピボット軸87の軸心に平行な軸心を有する中間軸91回りで回転自在に前リンク92に連結され、第1ピボット軸87の軸心に平行な軸心を有する第2ピボット軸88回りで回転自在に駆動ユニット25に連結される後リンク94と、第1ピボット軸87回りで車体(車体フレーム12)および前リンク92の間に挟まれるラバーブッシュ114、121と、第1ピボット軸87の両端に配置されて、第1ピボット軸87の軸心に直交する面で車体フレーム12および前リンク92を剛に受ける当接部材116とを備える。
12…車体(車体フレーム)、25…ユニットスイング式駆動ユニット、26…(車体側)ブラケット、27…支持構造、27a…支持構造、29…エンジン、43…補機(排気管)、57…ベルコン自動変速装置(電子制御Vベルト式無段変速機)、87…第1ピボット軸、88…第2ピボット軸、89a…(左)リンクアーム、89b…(右)リンクアーム、91…中間軸、94…(エンジン側)後リンク、95…第1ピボット軸外筒、101…ガード部、111…補強部材、114…ラバーブッシュ、116…当接部材、117…ワッシャー部材、121…ラバーブッシュ、123…軸受け機能付きブッシュ、126…ニードルベアリング、128…貫通孔、129…肉抜き孔、131…弾性軸、132…キャスター軸線、WF…前輪、WR…車輪(後輪)。

Claims (8)

  1. エンジン(29)とベルコン自動変速装置(57)と車輪(WR)とを備える駆動ユニット(25)を車体(12)に上下に揺動可能に懸架してなるユニットスイング式駆動ユニット(25)の支持構造において、
    第1ピボット軸(87)で前記車体(12)に連結され、第2ピボット軸(88)で前記駆動ユニット(25)に搖動可能に枢支されて左右方向に離間するリンクアーム(89a、89b)を設け、
    前記車体(12)に前記リンクアーム(89a、89b)をラバーブッシュ(114、121)で弾性支持するとともに、
    前記第1ピボット軸(87)の両端に、前記車体(12)と前記リンクアーム(89a、89b)とを剛に当接可能な当接部材(116)を配置した
    ことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  2. 請求項1に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記当接部材(116)は、車体側ブラケット(26)と第1ピボット軸外筒(95)の端面の間に設けられて、前記車体側ブラケット(26)および前記第1ピボット軸外筒(95)に当接するワッシャー部材(117)であることを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  3. 請求項1に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記当接部材(116)は、前記ラバーブッシュ(121)と径方向に所定の隙間を有し前記ラバーブッシュ(121)の収縮が所定以上になると当接して前記ラバーブッシュ(121)の変形を止める軸受け機能付きブッシュ(123)であることを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記ラバーブッシュ(114)は環状で、中央の孔(128)と外筒(95)との間に周方向に延びる肉抜き孔(129)を有し、該肉抜き孔(129)の弾性軸(131)を、前輪(WF)のキャスター軸線(132)に直交する方向に配設したことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記リンクアーム(89a、89b)に中間軸(91)を設け、前記中間軸(91)にニードルベアリング(126)を組み込んだことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  6. 請求項5に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記左右のリンクアーム(89a、89b)と前記第1ピボット軸(87)との間で前記リンクアーム(89a、89b)を補強する補強部材(111)を備えることを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  7. 請求項5または6に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記左右のリンクアーム(89a、89b)のエンジン側リンク(94)の下面にエンジン側取り付け部下方に延びるガード部(101)を一体的に設けたことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のユニットスイング式駆動ユニットの支持構造において、前記左右のリンクアーム(89a、89b)の間に空間を形成し、前記エンジン(29)の補機(43)を通したことを特徴とするユニットスイング式駆動ユニットの支持構造。
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