JP2017196947A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイングアームを支持するための強度をエンジンのみに要求することなく、エンジンを簡素な構造で且つ小型化できること。【解決手段】車体フレーム11に固定されるエンジン27と、このエンジンと後輪28との間に配置されて後輪を支持し、エンジンに対して揺動可能に設けられるスイングアーム30とを有し、スイングアームの内部に、エンジンの駆動力を後輪へ伝達する、無段階変速装置を含む駆動伝達装置が収容された鞍乗型車両であって、スイングアーム30は、車体フレーム11に設けられたピボット支持部20に揺動可能に支持され、この揺動中心Oがエンジン27のクランク軸42の中心軸線Pと一致して設けられたものである。【選択図】 図3

Description

本発明は鞍乗型車両に関する。
スクータ型自動二輪車において、内燃機関が車体フレームに固定され、後輪を支持し且つ内部に動力伝達装置を収容した動力伝達ケースが、内燃機関に揺動可能に支持されたものが特許文献1に開示されている。
特開2011−105148号公報
ところが、後輪を支持し且つ動力伝達装置を備えた動力伝達ケース(スイングアーム)が、内燃機関のクランクケースに揺動可能に支持されているので、後輪からの荷重が内燃機関のクランクケースに直接作用する。このため、クランクケースの強度を高めて内燃機関の耐久性を向上させる必要が生じ、内燃機関が煩雑な構造となって大型化し、その重量が増大してしまう。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、スイングアームを支持するための強度をエンジンのみに要求することなく、エンジンを簡素な構造で且つ小型化できる鞍乗型車両を提供することにある。
本発明に係る鞍乗型車両は、車体フレームに固定されるエンジンと、このエンジンと駆動輪との間に配置されて前記駆動輪を支持し、前記エンジンに対して揺動可能に設けられるスイングアームとを有し、前記スイングアームの内部に、前記エンジンの駆動力を前記駆動輪へ伝達する駆動伝達装置が収容された鞍乗型車両であって、前記スイングアームは、前記車体フレームに設けられたピボット支持部に揺動可能に支持され、この揺動中心線が前記エンジンの出力軸の中心軸線と一致して設けられたことを特徴とするものである。
本発明によれば、スイングアーム揺動時の荷重がエンジンに直接作用しないので、スイングアームを支持するための強度をエンジンのみに要求することなく、このエンジンを簡素な構造で且つ小型化できる。
本発明に係る鞍乗型車両の第1実施形態が適用された自動二輪車を、フレームカバーを取り外して示す左側面図。 図1のII矢視図。 図1の自動二輪車の後半部であって、スイングアームを取り外して示す左側面図。 図1の自動二輪車の後半部を示す右側面図。 図1のV−V線に沿う断面図。 本発明に係る鞍乗型車両の第2実施形態が適用された自動二輪車を、フレームカバーを取り外して示す左側面図。 図6の自動二輪車の後半部であって、スイングアームを取り外して示す左側面図。 図6の自動二輪車の後半部を示す右側面図。 図6のIX−IX線に沿う断面図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図5)
図1は、本発明に係る鞍乗型車両の第1実施形態が適用された自動二輪車を、フレームカバーを取り外して示す左側面図である。また、図3は、図1の自動二輪車の後半部であって、スイングアームを取り外して示す左側面図であり、図5は、図1のV−V線に沿う断面図である。本実施形態において、前後、左右、上下の表現は、車両乗車時の乗員を基準にしたものである。
図1及び図2に示す鞍乗型車両としての自動二輪車10は、2人乗り用の大型のスクータ型自動二輪車であり、その車体フレーム11の前部にヘッドパイプ12を有する。このヘッドパイプ12にフロントフォーク13が、ハンドルバー14と共に左右に回転自在に枢支され、このフロントフォーク13の下端に前輪15が軸支される。ハンドルバー14を左右に操作することで、前輪15が左右に操舵される。
車体フレーム11のヘッドパイプ12の下部、上部から、それぞれ左右一対の前側ダウンチューブ16、後側ダウンチューブ17が下方へ延出されている。前側ダウンチューブ16の下端部に左右一対のロアチューブ19が接続され、このロアチューブ19は車両後方へ延出される。更に、前側ダウンチューブ16における上下方向略中央位置から、左右一対のメインチューブ18が後方で延設される。このメインチューブ18に後側ダウンチューブ17が接続される。また、それぞれが左右一対のメインチューブ18とロアチューブ19の後端に、左右一対のピボット支持部20(図3、図4)が連結される。
左右一対のロアチューブ19のそれぞれの車両前後方向中央位置から、2本のセンターチューブ21が、上端で交差した三角形を成すように上方へ延設される。これらの左右でそれぞれ2本のセンターチューブ21の上端から、斜め後方へ左右一対のシートレール22が延設される。これらのシートレール22は、下端がピボット支持部20に連結されたシートピラー23によって支持される。また、左右一対のロアチューブ19のそれぞれの前部に、乗員が足を載せる板状のステップボード24が取り付けられている。左右一対のメインチューブ18、ロアチューブ19、シートレール22のそれぞれは、適宜位置でブリッジチューブ25により連結されて強度が高められている。
それぞれが左右一対のメインチューブ18、ロアチューブ19の後部にエンジン懸架部26が形成されており、このエンジン懸架部26によりエンジン27が固定して懸架される。このエンジン27と駆動輪としての後輪28との間に、この後輪28を後端において直接支持するスイングアーム30が、後述の如くエンジン27に対して車両上下方向に揺動可能に設けられる。スイングアーム30の後端には、シートレール22との間に1本または2本のリアクッションユニット31が設置される。リアクッションユニット31は、本第1実施形態では、後述の左スイングアーム30Aと右スイングアーム30Bのそれぞれに1本ずつ計2本設置される。このリアクッションユニット31により、スイングアーム30及び後輪28の車両上下方向の揺動が緩衝される。
スイングアーム30は、図1〜図4に示すように、車両左側に配置された左スイングアーム30Aと、車両右側に配置された右スイングアーム30Bとを備えてなる。左スイングアーム30A内に、エンジン27の駆動力を後輪28へ伝達する駆動伝達装置32(図5)が収容されている。この駆動伝達装置32は、無段階変速装置(CVT装置)33、遠心クラッチ機構34及び減速ギア機構35を有して構成される。
エンジン27は、図3及び図4にも示すように、エンジンケースとしてのクランクケース36の前面にシリンダ37及びシリンダヘッド38が、略水平まで前傾して設置されて構成される。シリンダ37内には、図5に示すピストン40が摺動自在に挿入され、このピストン40にコンロッド41の一端が連結される。このコンロッド41の下端は、クランクケース36内に回転自在に収納されたエンジン出力軸としてのクランク軸42のクランクピン43に連結されている。燃料と空気が混合された混合気の燃焼によりシリンダ37内でピストン40が往復運動し、このピストン40の往復運動がコンロッド41によりクランク軸42の回転運動に変換される。
図1及び図3に示すように、エンジン27の前上方に、シリンダヘッド38の吸気ポート(不図示)へ混合気を供給するエンジン吸気系45が配置されている。このエンジン吸気系45は、エアクリーナ46、スロットルボディ47、吸気管48及び燃料インジェクタ49を有して構成される。
吸気管48は、一端がシリンダヘッド38の図示しない吸気ポートに接続され、他端がスロットルボディ47に接続される。このスロットルボディ47がエアクリーナ46に接続される。エアクリーナ46にて塵埃等が除去された清浄な空気が、吸気としてスロットルボディ47へ供給される。このスロットルボディ47は、内蔵したスロットルバルブ(不図示)の開度により、シリンダヘッド38の吸気ポートへの吸気量(空気量)を調整する。燃料インジェクタ49は、この吸気量に応じて、燃料タンク30からの燃料を所定量噴射して、シリンダヘッド38の吸気ポートへ供給する。
燃料タンク50とエアクリーナ46は、図1及び図2に示すように、左右一対のメインチューブ18とロアチューブ19とに囲まれた、エンジン27の前方の空間内に配置される。燃料タンク50がメインチューブ18及びロアチューブ19に固定状態で支持され、エアクリーナ46が燃料タンク50上に載置されて、例えばメインチューブ18により固定状態で支持される。尚、エンジン吸気系45は、スロットルボディ47及び燃料インジェクタ49に代えてキャブレタを用いたものでもよい。
エンジン27におけるシリンダヘッド38の下部に設けられた排気ポート(不図示)に、排気管52が接続される。この排気管52に排気マフラ53が接続されることで、エンジン排気系51が構成される。このエンジン排気系51の排気マフラ53は、車体フレーム11のロアチューブ19の下方で、このロアチューブ19に沿って車両前後方向に延び、このロアチューブ19に固定状態で支持される。
また、車体フレーム11におけるシートレール22は、開閉自在な図示しない着座シートを支持するものである。この着座シートの下方で、左右一対のシートレール22及びシートピラー23に囲まれた空間に、ヘルメット54等を収納可能な物品収納ボックス(不図示)が設けられる。この物品収納ボックス内のヘルメット54等は、着座シートを開放することによって出し入れが可能になる。尚、車体フレーム11、エンジン27、エアクリーナ46及び燃料タンク50等は、合成樹脂製の図示しないフレームカバーにより覆われて、外観の向上や機器の保護が図られている。
図5に示す無段階変速装置33は、エンジン27のクランク軸42に回転一体に連結されて、このクランク軸42の回転が直接伝達される駆動プーリとしてのドライブプーリ55と、従動軸58に相対回転可能なスリーブ59に回転一体に連結される従動プーリとしてのドリブンプーリ56と、ドライブプーリ55とドリブンプーリ56との間に巻き掛けられて、ドライブプーリ55の回転力をドリブンプーリ56へ伝達するVベルト57と、を有して構成される。ここで、ドライブプーリ55は、その中心軸線Qがクランク軸42の中心軸線Pと一致して配置される。
ドライブプーリ55は、軸方向に固定されたドライブ側固定フェイス55Aと、軸方向に移動可能なドライブ側可動フェイス55Bとが対向配置されてなる。また、ドリブンプーリ56は、軸方向に固定されたドリブン側固定フェイス56Aと、軸方向に移動可能なドリブン側可動フェイス56Bとが対向配置されてなる。ドライブ側固定フェイス55Aとドライブ側可動フェイス55B間、ドリブン側固定フェイス56Aとドリブン側可動フェイス56B間に、Vベルト57が巻き掛けられて配置される。
ドリブンプーリ56のドリブン側可動フェイス56Bと遠心クラッチ機構34のクラッチベースプレート64(後述)との間にスプリング60が介装されて、ドリブン側可動フェイス56Bがドリブン側固定フェイス56A側へ常時付勢される。更に、従動軸58とドリブンプーリ56との間にトルクカム61が配置されている。このトルクカム61の作用とスプリング60の付勢力とによって、ドリブン側可動フェイス56BをVベルト57の側面へ押圧する推力が発生する。
ドライブプーリ55とドリブンプーリ56とのいずれか一方、例えばドライブプーリ55には、ドライブ側可動フェイス55Bを軸方向に移動させることでドライブプーリ55におけるVベルト57の巻き掛け径を変更して、ドライブプーリ55とドリブンプーリ56との回転数比(変速比)を変化させるウェイトローラ62が設置される。
つまり、ドライブプーリ55では、エンジン27の回転数(つまりクランク軸42の回転数)に応じてウェイトローラ62に作用する遠心力が変化し、例えば遠心力の増大に応じてウェイトローラ62がドライブプーリ55の半径方向外方へ移動する。これにより、ドライブ側可動フェイス55Bがクランク軸42の軸方向に移動してドライブ側固定フェイス55Aに接近し、ドライブプーリ55のベルト巻き掛け径が拡大する。このとき、ドリブンプーリ56は、ドリブン側可動フェイス56Bがスプリング60の付勢力に抗してスリーブ59上を、このスリーブ59の軸方向(つまり従動軸58の軸方向)に沿って移動してドリブン側固定フェイス56Aから離れ、ドリブンプーリ56のベルト巻き掛け径が縮小する。このようにして、クランク軸42の駆動力に基づく回転力が無段階に変速(例えば増速)されてスリーブ59に伝達され、このスリーブ59を回転させる。
遠心クラッチ機構34は、ドリブンプーリ56と従動軸58との間に配設され、ON時にはドリブンプーリ56の回転力、つまりスリーブ59の回転力を従動軸58へ伝達し、OFF時にはその伝達を解除(切り離し)する。この遠心クラッチ機構34は、従動軸58においてドリブンプーリ56のドリブン側可動フェイス56Bに隣接して配置され、クラッチハウジング63、クラッチベースプレート64及びクラッチシュー65を備えて構成される。
クラッチハウジング63は、半径方向に延びる側壁部63Aに、軸方向に延びるフランジ部63Bが一体化され、側壁部63Aが従動軸58に回転一体に取り付けられたものであり、全体としてカップ形状に形成される。クラッチベースプレート64はスリーブ59の端部に固着され、このクラッチベースプレート64にクラッチシュー65が枢支される。このクラッチシュー65は、クラッチハウジング63におけるフランジ部63Bの内面に摺接可能に設けられる。
従って、ドリブンプーリ56に伝達されスリーブ59を回転させた回転力はクラッチベースプレート64を回転させて、クラッチシュー65を遠心力の作用で、クラッチハウジング63のフランジ部63Bの内面に摺接させる。これにより、クラッチハウジング63がドリブンプーリ56と一体に回転し、ドリブンプーリ56の回転力が従動軸58へ伝達される。この従動軸58に伝達された回転力は、減速ギア機構35を経て後輪28へ伝達される。
減速ギア機構35は、従動軸58の回転力をギア列(第1減速ギア35A、第2減速ギア35B、第3減速ギア35C、第4減速ギア35D)により減速して後輪軸66へ伝達する。第1減速ギア35Aは、従動軸58において遠心クラッチ機構34と反対位置に形成される。第2減速ギア35Bは、中間軸67に回転一体に設けられて第1減速ギア35Aに噛み合う。第3減速ギア35Cは中間軸67に形成される。第4減速ギア35Dは、後輪軸66に回転一体に設けられて第3減速ギア35Cに噛み合う。この減速ギア機構35により、従動軸58の回転力が所望の減速比に減速されて後輪軸66へ伝達され、この後輪軸66に回転一体に結合された後輪28を駆動する。
上述の無段階変速装置33及び遠心クラッチ機構34は、左スイングアーム30Aを構成するスイングアームケース70とケースカバー71とに囲まれた乾式空間68内に収容される。また、減速ギア機構35は、スイングアームケース70に取り付けられた減速ギアケース72とスイングアームケース70とに囲まれて形成され、且つオイルで浸された湿式空間69内に収容される。
ところで、図3〜図5に示すように、左スイングアーム30A及び右スイングアーム30Bから構成されるスイングアーム30は、車体フレーム11のメインチューブ18及びロアチューブ19に連結されたピボット支持部20に揺動可能に支持される。このとき、スイングアーム30の揺動中心Oは、クランク軸42の中心軸線Pと一致して設けられる。また、ピボット支持部20は、車両左側に配置される左ピボット支持部20Aと、車両右側に配置される右ピボット支持部20Bとを備えてなる。左ピボット支持部20が左スイングアーム30Aを、右ピボット支持部20Bが右スイングアーム30Bをそれぞれ揺動可能に支持する。
つまり、左ピボット支持部20Aと右ピボット支持部20Bのそれぞれは、エンジン固定部分としてのエンジン固定プレート73と、スイングアーム係合部74とが一体成形、またはボルト等を用いて一体化されて構成される。エンジン固定プレート73は、車幅方向内側に設けられて、メインチューブ18、ロアチューブ19及びシートピラー23に連結される。更に、このエンジン固定プレート73は、複数本のエンジン懸架ボルト75を用いて、エンジン27のクランクケース36に固定可能に設けられる。
スイングアーム係合部74は、エンジン固定プレート73から車幅方向外側に突設される。左ピボット支持部20Aのスイングアーム係合部74は、ローラベアリング76を介して左スイングアーム30Aのスイングアームケース70を揺動可能に係合して支持する。右ピボット支持部20Bのスイングアーム係合部74は、右スイングアーム30Bのピボットボス部77を、ローラベアリング76を介して揺動可能に係合して支持する。
スイングアーム30の取り付けに際しては、まず、左スイングアーム30Aのスイングアームケース70を左ピボット支持部20Aのスイングアーム係合部74に係合し、次に、右スイングアーム30Bのピボットボス部77を右ピボット支持部20Bのスイングアーム係合部74に係合する。その後、左スイングアーム30Aと右スイングアーム30Bとをスイングアーム結合ボルト78により結合する。これにより、スイングアーム30が、左ピボット支持部20A及び右ピボット支持部20Bを挟み込むように取り付けられる。
このスイングアーム結合ボルト78による左スイングアーム30Aと右スイングアーム30Bとの結合前または後に、右スイングアーム30Bのピボットボス部77及び右ピボット支持部20Bにピボットボルト79を貫通して螺合することで、右スイングアーム30Bを右ピボット支持部20Bに取り付ける。
図3及び図4に示すように、エンジン27のクランクケース36には、上方に突出してジェネレータ80が設置される。このジェネレータ80は、クランク軸42の駆動力が図示しないギアを介して伝達されてロータ(不図示)を回転し、ステータ(不図示)との間で発電する。このジェネレータ80は、図5に示すように、車幅方向において左ピボット支持部20Aと右ピボット支持部20Bとの間にあって、図3及び図4に示すように、車両側面視で左ピボット支持部20A及び右ピボット支持部20Bに一部が重なるように取り付けられる。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)図3〜図5に示すように、スイングアーム30を揺動可能に支持するピボット支持部20(左ピボット支持部20A、右ピボット支持部20B)が車体フレーム11のメインチューブ18及びロアチューブ19に連結して固定されたので、スイングアーム30の揺動時の荷重がエンジン27に直接作用しない。このため、エンジン27のクランクケース36にスイングアーム30を支持するための強度や剛性を必要としないので、このエンジン27を簡素な構造で且つ小型化できる。しかも、スイングアーム34が揺動し、エンジン27が車体フレーム11に固定されて揺動しないので、車両のばね下荷重を大幅に低減でき、操縦安定性及び直進安定性を向上させることができる。
(2)重量物であり且つ振動源であるクランク軸42を支持する頑強なクランクケース36にピボット支持部20(左ピボット支持部20A及び右ピボット支持部20B)が固定されたので、このピボット支持部20の剛性を飛躍的に向上させることができる。この結果、ピボット支持部20により、駆動伝達装置32を含むスイングアーム30と後輪28とを強固に支持することができる。
(3)スイングアーム30内に配置された無段階変速装置33のドライブプーリ55の中心軸線Qがエンジン27のクランク軸42の中心軸線Pと一致し、このクランク軸42の中心軸線Pと、車体フレーム11のピボット支持部20に揺動可能に支持されたスイングアーム30の揺動中心Oとが一致することで、スイングアーム30内において無段階変速装置33をピボット支持部20に近接して配置できる。このため、無段階変速装置33の支持剛性が高まり、無段階変速装置33による駆動力伝達性能を向上させることができる。また、重量物である無段階変速装置33がピボット支持部20近傍に配置されたので、スイングアーム30の揺動時における慣性モーメントを低減でき、車両安定性を向上させることができる。
(4)ジェネレータ80は、エンジン27のクランクケース36の上方に突出して設置され、しかも、左ピボット支持部20Aと右ピボット支持部20Bとの間に挟まれて配置されている。このため、クランクケース36の側方にジェネレータ80が設置されていた従来の場合に比べてエンジン27を幅方向に小型化でき、更に、左ピボット支持部20Aと右ピボット支持部20B間のスペースを有効に利用できる。また、重量物であるジェネレータ80が車幅方向中央位置に位置づけられることで、ジェネレータ80がクランクケース36の側方に設置される場合に比べて、車両の安定性及び操作性を向上させることができる。
(5)エンジン27が車体フレーム11のメインチューブ18及びロアチューブ19に支持されたので、エンジン補機であるエンジン吸気系45及びエンジン排気系51も車体フレーム11に固定して取り付けることができる。このため、エンジン吸気系41及びエンジン排気系51のレイアウトの自由度が増大してエンジン性能を向上させることができる。例えば、エアクリーナ46の大型化や排気管52の長尺化によってエンジン出力を向上させることができ、また、排気マフラ53の大型化によって静粛性を向上させることができる。
更に、エンジン吸気系45及びエンジン排気系51は、車体フレーム11に固定されることで、振動が低減されて耐久性を向上でき、従って、耐久性向上のために重量を増大させる必要がない。また、エンジン排気系51の排気マフラ53を車体フレーム11のロアチューブ11の下方に固定することで、乗員や歩行者への熱害も防止できる。
[B]第2実施形態(図6〜図9)
図6は、本発明に係る鞍乗型車両の第2実施形態が適用された自動二輪車を、フレームカバーを取り外して示す左側面図である。また、図7は、図6の自動二輪車の後半部であって、スイングアームを取り外して示す左側面図であり、図9は、図6のIX−IX線に沿う断面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号とすることにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の鞍乗型車両としてのスクータ型の自動二輪車85が第1実施形態と異なる点は、特に図7及び図9に示すように、エンジン27のクランク軸42の車両後方に無段階変速装置33の駆動軸86がエンジン出力軸として配置され、クランク軸42からの駆動力が中間ギア87及び88を介して駆動軸86に伝達され、更に、ジェネレータ89がクランクケース36の側方に配置された点等である。
つまり、本第2実施形態では、駆動軸86は、エンジン27のクランクケース36におけるクランク軸42の車両後方に回転自在に軸支され、更にスイングアーム30内に突出して設けられる。無段階変速装置33のドライブプーリ55は、その中心軸線Qが駆動軸86の中心軸線Sと一致して配置され、この駆動軸86に回転一体に連結されて駆動軸86の回転が直接伝達されるよう構成される。また、車体フレーム11に設けられたピボット支持部20(左ピボット支持部20A、右ピボット支持部20B)に揺動可能に支持されるスイングアーム30は、その揺動中心Oが駆動軸86の中心軸線Sと一致して設けられている。
更に、右スイングアーム30Bを右ピボット支持部20Bに結合するピボットボルト90は、右スイングアーム30Bのピボットボス部77、右ピボット支持部20B及びクランクケース36を貫通して螺合されて、右スイングアーム30Bを右ピボット支持部20Bに取り付ける。このピボットボルト90の中心軸線Uは、駆動軸86の中心軸線Sと一致して設けられる。これにより、スイングアーム30は、その揺動中心Oが、駆動軸86の中心軸線Sとピボットボルト90の中心軸線Uとに一致して、左ピボット支持部20A及び右ピボット支持部20Bに揺動可能に支持される。
ジェネレータ89については、通常のエンジンと同様に、クランクケース36の例えば右側方にジェネレータケース91が取り付けられ、このジェネレータケース91内にジェネレータ89が収容される。つまり、クランク軸42の右側端部はジェネレータケース91内まで延び、この右側端部にジェネレータ89のロータ92が取り付けられる。ジェネレータ89のステータ93は、ロータ92に対向した状態でジェネレータケース91に取り付けられる。クランク軸42の回転によりロータ92がステータ93の周囲を回転することで発電がなされる。
図6〜図8に示すように、エンジン吸気系45のエアクリーナ46は、エンジン27のクランクケース36の上部に固定状態で載置されて、エンジン吸気系45がエンジン27の上方に配置される。また、燃料タンク50は、第1実施形態と同様に、左右一対のメインチューブ18及びロアチューブ19に囲まれた空間内に配置される。
リアクッションユニット31は、エンジン27の上方に配置される。このリアクッションユニット31は、一端がセンターチューブ21の上端部に支持され、他端がリンク部材94を介して左スイングアーム30Aに取り付けられる。リンク部材94は、中央部が左ピボット支持部20Aに回転自在に支持され、更に、一端がリアクッションユニット31に、他端が左スイングアーム30Aにそれぞれ取り付けられる。従って、左スイングアーム30A及び後輪28の揺動がリンク部材94を介して、リアクッションユニット31により緩衝がされる。
この場合、リアクッションユニット31がシートレール22に支持されていないので、このシートレール22及びシートピラー23は金属製ではなく、例えば繊維強化プラスチックなどの合成樹脂によって製作されてもよい。また、リアクッションユニット31がエンジン27の上方に配置される場合においても、左スイングアーム30Aは、図8の2点鎖線に示すように、必要に応じて後輪軸66まで延設されてもよい。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)、(2)及び(5)と同様な効果を奏するか、次の効果(6)を奏する。
(6)図6及び図7に示すように、車体フレーム11に固定されたピボット支持部20(左ピボット支持部20A、右ピボット支持部20B)の前方にエンジン27のクランク軸42が位置づけられるように、エンジン27が車体フレーム11に懸架されることで、重量物であるエンジン27を自動二輪車10の前後方向中央位置に配置できる。この結果、自動二輪車10の重心位置が最適化されて、自動二輪車10の操縦安定性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、鞍乗型車両は、スクータ型の自動二輪車に限らず、スイングアーム内に無段階変速装置33を含む駆動伝達装置32を備える形式の車両(例えばバギー車両)などであってもよい。また、第1実施形態において、エンジン27の上方で左ピボット支持部20Aと右ピボット支持部20B間にジェネレータ80が配置されるものを述べたが、このジェネレータ80に代えてスタータモータを同様に配置してもよい。
更に、リアクッションユニット31とエアクリーナ46について、第1実施形態では、リアクッションユニット31が車両後端に、エアクリーナ46がエンジン27の前方にそれぞれ配置され、第2実施形態では、リアクッションユニット31及びエアクリーナ46が共にエンジン27の上方に配置されるものを述べた。しかしながら、車両の用途によって、リアクッションユニット31がエンジン27の上方に、エアクリーナ46がエンジン27の前方にそれぞれ配置されるなど、リアクッションユニット31とエアクリーナ46は様々な組み合わせで配置されてもよい。
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
20 ピボット支持部
20A 左ピボット支持部
20B 右ピボット支持部
27 エンジン
28 後輪(駆動輪)
30 スイングアーム
30A 左スイングアーム
30B 右スイングアーム
32 駆動伝達装置
33 無段階変速装置
36 クランクケース(エンジンケース)
42 クランク軸(エンジン出力軸)
55 ドライブプーリ(駆動プーリ)
56 ドリブンプーリ(従動プーリ)
57 Vベルト(ベルト)
70 スイングアームケース
73 エンジン固定プレート(エンジン固定部分)
74 スイングアーム係合部
80 ジェネレータ
85 自動二輪車(鞍乗型車両)
86 駆動軸(エンジン出力軸)
O 揺動中心
P、Q、S 中心軸線

Claims (5)

  1. 車体フレームに固定されるエンジンと、このエンジンと駆動輪との間に配置されて前記駆動輪を支持し、前記エンジンに対して揺動可能に設けられるスイングアームとを有し、前記スイングアームの内部に、前記エンジンの駆動力を前記駆動輪へ伝達する駆動伝達装置が収容された鞍乗型車両であって、
    前記スイングアームは、前記車体フレームに設けられたピボット支持部に揺動可能に支持され、この揺動中心線が前記エンジンの出力軸の中心軸線と一致して設けられたことを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記ピボット支持部は左右で一対を成し、それぞれの前記ピボット支持部は、車幅方向内側に設けられてエンジンの出力軸を収容するエンジンケースに固定可能なエンジン固定部分と、車幅方向外側に設けられてスイングアームを揺動可能に係合するスイングアーム係合部と、を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記駆動伝達装置は、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトが巻き掛けられて駆動力を無段階に変速して伝達する無段階変速装置を備え、前記駆動プーリは、その中心軸線がエンジンの出力軸の中心軸線と一致して配置され、前記出力軸に回転一体に連結されてこの出力軸の回転が直接伝達されるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記エンジンケースには、上方に突出してジェネレータが設置され、このジェネレータは、車幅方向における一対のピボット支持部間にあって、車両側面視で前記ピボット支持部に一部が重なるよう位置づけられたことを特徴とする請求項2または3に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記エンジンの出力軸は、エンジンのクランク軸、またはこのクランク軸により駆動される駆動伝達装置の駆動軸であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
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