JP3788119B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクータ型自動二輪車におけるエンジン、Vベルト式無段変速機構および動力伝達機構のレイアウトに関し、特に大型エンジン搭載の高速スクータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスクータ型自動二輪車は、ユニットスイング式エンジンユニットを搭載している。このエンジンユニットは、エンジン部とVベルト変速装置が一体のユニットとスイングアームの役目も果たすようにしたものであり、スクータ型車両のほとんどに採用されている。
このユニットスイング式のエンジンユニットは安価でコンパクトなエンジンユニットを実現できる長所を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユニットスイング式のエンジンユニットは次の短所を有している。
▲1▼スイング部分の重量(バネ下重量)が重くなるので、乗車フィーリングがエンジンを車体に固定しチェーンまたはシャフトで後輪をドライブする一般的なものと比べて劣る。
▲2▼車体とタイヤの間にエンジン部分が配置され、それらが揺動するので、タイヤ径を大きくしにくかった。
▲3▼前輪分担荷重が軽くなり易いので高速車には採用できなかった。すなわち、高速走行時の走安性を確保するためには、前後分担荷重を1:1に近づける必要があるが、ユニットスイング式エンジンユニットでは重量分担が後側になるため、無理があった。
【0004】
これに対して、スクータ型自動二輪車において、Vベルト式無段変速機構とエンジンユニットを足置きステップ下に配置したエンジン配置構造が提案されている(特開平10−167156号等参照)。
しかしながら、この種の自動二輪車では、エンジン部すべてと変速機構の主要部が足置きフロアーの間に配置されているので、フロアーの幅が広くなり過ぎてしまい、バンク角が小さく、風損抵抗が大きくなると共に、車体の大型化や外観品質の低下を招き、足をできるだけ近くしたスクータ型車両らしい乗車姿勢を取りにくいという問題点がある。
【0005】
一方、前記変速機構において、Vベルト室の冷却ファン用フィルターとエアークリーナーは別体とされており、このように別の場所に配置している場合、
▲1▼メンテナンスの際に冷却ファン用フィルターとエアークリーナーとを別々にする必要があり、他部品をより多く分解する場合が多くメンテナンス工数がかかる。
▲2▼エアークリーナーのフィルター洗浄は忘れないが、別の場所にあると冷却ファン用フィルター洗浄は忘れがちとなり、Vベルトの冷却不足を招き、ベルト寿命を短くするおそれがある。
▲3▼前記フィルターとクリーナーを別々に設けるとケースが共用できないのでフィルター容量も小さくなりがちでコストも高くなる。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、重心位置の集中化による操縦安定性の向上、重心車両前後中心に位置させることができるので高速走行安定性の向上が図れると共に、フロアーの幅を狭くできて、シート下のスペースを有効利用できるスクータ型自動二輪車を提供することを目的とする。
また、本発明は、Vベルト室冷却ファン用フィルターとエアークリーナーのメンテナンスの工数とコストを低下できるスクータ型自動二輪車を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、次の構成を有する。
本発明は、フレームヘッドパイプとライダー用シートの間にシート上面より低い足通し空間を設けた車両であって、足通し空間下に略水平の前上がり傾斜としたエンジンシリンダのシリンダヘッドおよびシリンダの少なくとも一部を配置したスクータ型自動二輪車において、ライダー用シートの下方にクランク軸を配置し、ライダー用シートの下方であってクランク軸より上側にVベルト変速装置を配置するとともに、このVベルト変速装置のドライブプーリー軸を上記クランク軸より前方に、ドリブンプーリー軸を上記クランク軸より後方に配置したことを特徴とするスクータ型自動二輪車である。
本発明によれば、足置きフロア面より高くなるエンジン収納トンネル部分において、足通し空間下のシリンダヘッド、シリンダを納める該トンネル部の幅がシリンダヘッド、シリンダのために比較的巾狭にできるので、フレームカバー全巾を余り広くすることなくライダー用フロア面をトンネル両側に設けることができる。
また、シリンダヘッド、シリンダより巾広くなる、クランク軸、Vベルト変速装置およびバランサー軸等の回転運動部分をウォータポンプ、オイルポンプの駆動兼用のバランサー軸等の回転運動部分をシート下の巾が広く形成できる部分に納められているので造形に無理がなく外観よく納められる。また、両側面部にピリオンフロアーが来るがライダー用フロアー面より高い位置になるので巾広となってもバンク角に影響は出ない。また、風損抵抗は少ない。また、最も巾広となるマグカバーおよびプライマリードライブスプロケット部のカバー端がフロア面よりも下に配置できるので巾広でも無理なく納まる。
また、フロアとシート下という車体重心付近にマスを集中できるので、走行安定性が向上する。
また、ユニットスイング式のエンジンユニットも前方にエンジンVベルト変速装置、バランサー軸等重量物が配置されるので高速でも走安性の良い前後分担荷重を取りやすい。
【0008】
本発明においては、エンジンシリンダの傾斜角を略水平の前上がり傾斜としたものである。このようにすれば、足通し空間の底面部を低くできるので足を通し易くできる。また、シリンダ軸が略水平なので2次振動がそのシリンダ軸方向に出てもハンドルやシート、フロアに振動が出にくい。
【0009】
本発明においては、上記Vベルト変速装置ドライブプーリー軸を上記クランク軸より前方、ドリブンプーリー軸を上記クランク軸より後方に配置したものである。
本発明において、好ましくは、エンジンのバランサー軸をクランク軸後方で、且つ、上記ドリブンプーリー軸の下方に配置したものである。
エンジンのバランサー軸をクランク軸後方に配置したものにすれば、オイル潤滑が必要な部品類がオイルパン付近の直上部に配置できるのでオイル通路が短くでき、油路抵抗が小になり、小さなオイルポンプの使用ができる。また、ピリオンライダーフロア面より下になるので巾が広くでき、両サイドにウォータポンプ、オイルポンプ等が配置可能になるので、ポンプ専用の伝動装置が不要になる。バランサドライブと共用できるからである。
【0013】
本発明において、好ましくは、Vベルト変速装置のアクチュエータモータおよびその減速機列をVベルト変速装置の上側に配置したものである。これにより、巾が狭いのでその側面にエアークリーナーが配置できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1〜図8は実施形態のスクータ型自動二輪車の説明図であり、図1、図2はこの自動二輪車の全体側面図、平面図、図3、図4はエンジンおよびVベルト変速装置を説明する側面図、平面図、図5はVベルト変速装置の説明図、図6はエアークリーナーの説明図、図7は冷却ファン用クリーナーの説明図、図8はVベルト変速装置用のアクチュエータおよびそのギヤー列の断面視説明図である。
【0019】
図1、図2に示すように、前記自動二輪車はフレームヘッドパイプ10とライダー用(運転者用)シート12の間にシート12上面位置より低い足通し空間14を設けた車両である。
この自動二輪車においては、前記フレームヘッドパイプ10により前輪16懸架用のステアリングホーク18を回動可能(操舵可能)に支持している。
ヘッドパイプ10に連続するフレーム20は、ヘッドパイプ10の上部と下部の後側から上下対で一旦下方に下がり下部で後方に向けて曲がるダウンチューブ20fと、このダウンチューブ20f下部から後ろ斜め上方に延設される概略ハシゴ型のメインチューブ20mとで形成され全体が側面視で概略「L」字形状あるいは概略弓形状になっている。上下のダウンチューブ20fはヘッドパイプ10から左右対でエンジン32幅程度に広がり後方にむけて延びるメインチューブ20mに繋がる。上下のメインチューブ20mで下側のものは平面視で概略矩形形状を呈しているが、メインチューブ20mで上側のものは中央部20m1が絞り込まれた概略ひょうたん形状を呈している(図2参照)。
【0020】
メインチューブ20mの後部は後ろ傾斜で上下方向に延びた縦チューブ20tが固定され、この縦チューブ20tの上部からはリアチューブ20rが斜め後ろ上方に向けて延び、縦チューブ20tの中央部にはリアスイングアーム22を軸支するピボット軸24が設けられる。すなわち、このピポット軸24にリアスイングアーム22のケースが固定されて、ピポット軸24を中心にして後輪8懸架のリアスイングアーム22が揺動する。
なお、上記のフレーム20のうちの左右対のダウンチューブ20fとヘッドパイプ10との間に挟まれて燃料タンク26が設置される。また、この燃料タンク26を含めて車体前部がウインドシールド28a一体のフェアリング28で覆われており、車体中央部から後部にかけてボディーカバー30で覆われている。
【0021】
シート12は、前記メインチューブ20mの後部側上方にライダー用シート12aが設けられ、リアチューブ20rの上方にライダー用シート12aより一段高くなったピリオンシート12bが設けられる。また、シート12の前のボディーカバー30はメインチューブ20mを覆うものであって、断面下開きU字形状のトンネル部30aを構成しており、このトンネル部30a上端は、ヘッドパイプ10と運転者シート12aとの間でシート12aより一段低くなった、前記足通し空間14になっている。
【0022】
そして、ボディーカバー30内では、トンネル部30aとシート12a下にかけてエンジン32とVベルト変速装置34とエンジンケース38を収容しフレーム20に懸架しており、図1、図3に示すように、側面視すると足通し空間14下にエンジン32のシリンダヘッド32aおよびシリンダ32bの少なくとも一部を配置しており、ライダー用シート12aの下方にはクランク軸32c、Vベルト変速装置34、バランサー軸36等の回転運動部分を配置したものである。ボディーカバー30の下部左右には、トンネル部30aを挟むように、足置きフロアー40が、図2の斜線で示すように、広がって設置される。
【0023】
また、エンジン32では、シリンダ32bの傾斜角θを略水平の前上がり傾斜としたものであり、シリンダ32b内ピストン32dは車体前後方向に往復運動し、この往復運動がコネクティングロッド32eを介してクランク軸32cの回転運動に変換される。このクランク軸32cはエンジンケース38内に回動自在に収容されており、エンジンケース38の上部には、Vベルト変速装置34がクランク室とVベルト室34cを隔壁38aで隔てて一体に設置される(もちろんVベルト変速装置34は別体に形成してエンジンケース38上に載置して一体化することもできる)。また、エンジンケース38下部は、オイルパン38bになっている。
【0024】
なお、エンジン32では前記のバランサー軸36を略シリンダ32bの軸Sp上の車体後方に配置したものである(図3参照)。
また、バランサー軸36両側端部には、オイルポンプ42とウォータポンプ44をそれぞれ配置し(実施形態ではオイルポンプ42が車体右側端に、ウォータポンプ44が車体左側端に配置し)それぞれ連結しており、それらをバランサー軸36により駆動する(図4参照)。
【0025】
ここで、前記Vベルト変速装置34は、径可変プーリーと乾式複合ベルト(耐熱樹脂でモールドした横H型の高強度アルミニウムブロックに一対のアラミド芯線入りの張力体が側面から挿入されているものなど)による無段変速機構であり、後述する発進クラッチ52と組み合わせたVベルト変速式の電子制御変速システム(CVT)である(図3、図5参照)。
【0026】
前記Vベルト変速装置34は、ドライブプーリー軸34aとドリブンプーリー軸34bとを有していて、クランク軸32c配設のプイマリドライブギヤー46から該変速装置34のプライマリドリブンスプロケットギヤー48にチェーン49を介してエンジン駆動力を伝達する。
【0027】
Vベルト変速装置34では、Vベルト変速装置34のドライブプーリー軸34aとドリブンプーリー軸34の軸心を通る軸線をシリンダ軸Spに平行に、かつ、クランク軸32cより上側に配列している。
ここで、ドライブプーリー軸34aにはドライブプーリー50の固定側フェイス50fが一体成形されかつ、可動側フェイス50mが軸方向に移動できるように配設している。また、ドリブンプーリー軸34bにも、ドリブンプーリー54の固定側フェイス50fが一体成形されかつ、可動側フェイス50mが軸方向に移動できるように配設している。
また、Vベルト変速装置34において、ドライブプーリー50とプライマリードリブンスプロケットギヤー48との間のドライブプーリー軸34a上にエンジン始動用スタータモータ62の駆動力をクランク軸にスタート時に伝達するスタータクラッチ56およびドライブプーリー回転速度センサー58のセンサローター58aを設けたものである。なお、スタータクラッチ56は、一方向の回転のみ伝達するワンウエークラッチからなるものであり、エンジン32が始動し、エンジン32のクランク軸32cの回転がスタータモータ62による回転より早くなったときにスタータモータ32とエンジンのクランク軸32cとの動力伝達を断つためのクラッチである。
【0028】
前記クランク軸32c、ドライブプーリー軸34aとシリンダ32b、インテークパイプ60に挟まれた空間にスターターモータ62を配置している。
【0029】
Vベルト変速装置34は、ドライブプーリー50の可動側フェイス50mを駆動してプーリー径を変更するためのアクチュエータモータ64およびその減速機列66a〜66cを当該Vベルト変速装置34の上側に配置した(図3参照)。そして、Vベルト変速装置34の上側でアクチュエータモータ64およびその減速機列66a〜66cの側面部にエアークリーナー68を設け、インレット開口68aをボディーカバー30で覆われたシート12下側に足通し空間14の後立面14r側に配設した(図3参照)。
【0030】
Vベルト変速装置34の出力側のドリブンプーリー軸34b上のドリブンプーリー54の可動フェイス54mはスプリング(トルクカムスプリング)70により適切な押圧力で固定側フェイス54fに向けて押圧されており、ドライブプーリー50径(巻径)の変化に対応しVベルト(符号71で示す)を介してドリブンプーリー54の径(巻径)が変化する。
【0031】
ドリブンプーリー軸34b上でプーリー54の反対端には、ベベルギヤーのセカンダリードライブギヤー72aが設けられ、前記プーリー軸34bと垂直方向にセカンダリードリブンギヤー72bとベベルシャフト72cが配設されて、ドライブギヤー72aとドリブンギヤー72bとのかみ合いにより回転軸方向をプーリー軸34bの横向きからベベルシャフト72cの後ろ向きに変更する。このベベルシャフト72cの後端は、ユニバーサルジョイント74によりリアスイングアーム22に内装されたプロペラシャフト76に連結されて後輪8に駆動力を伝達する。
【0032】
リアスイングアーム22は筒体のケースフレーム22fを有し、メインチューブ(メインフレーム)20m左右に軸支されたピポット軸24の幅方向左側に偏在して固定されて後輪8をその左側から軸支する片持構造を呈している。また、リアスイングアーム22にはクッションユニット78の下端が軸固定され、クッションユニット78の上端はメインチューブ20mの後端と縦チューブ20tの交点に軸視されている。そして、ピポット軸中心とプロペラシャフト76の揺動中心は一致している。リアスイングアーム22の後端内には、後輪8にプロペラシャフト76の駆動力を伝えるファイナルベベルギアが配設されている。
【0033】
実施形態では、リアスイングアーム22の前端を軸支するピポット軸24後方にクッションユニット78を略直立して配置し、Vベルト変速装置34、アクチュエータモータ64およびその減速機列66a〜66c等を一体に備えたエンジンユニットのエンジンケース38後端とクッションユニット78およびスイングアーム22のピポット軸24もしくはエンジンケース38の懸架軸とシート12下面とで囲まれた空間にバッテリーおよびバッテリーケース82を設けている(図3参照)。
【0034】
また、発進クラッチ52は、例えば電子制御の電磁クラッチからなり、ユニバーサルジョイント74とファイナルドライブベベルギヤー間に設けられており、実施形態ではプロペラシャフト76を途中で分割してその間に介装したものである。
なお、Vベルト室34cには、ドライブプーリー50の径を可変にするため、アクチュエータモータ64と減速歯車列66a〜66cの駆動力を受けるアクチュエータドリブンギヤー50gが設けられる。スクリューシャフト50hは、軸方向、回転方向ともにエンジンケース38に固定されていて、前記アクチュエータドリブンギヤー50gが回転することにより、該アクチュエータドリブンギヤー50gが前記スクリューシャフト50hの軸上をドライブプーリー軸34a方向に進退動してドライブプーリー50のベルト巻かけ径を変更できるようになっている。
また、プーリー50の径を検出するためにドライブプーリーポジションセンサー50sの検出端がアクチュエータドリブンギヤー50gに取り付けられている。
また、アクチュエータモータ64と減速歯車列66a〜66cは具体的には、図8に示すように、アクチュエータモータ64の駆動軸64aに固定されたピニオンギアに噛み合うNo1アクチュエータアイドルギヤー(ドリブンギヤー)66aと、そのNo1アイドルシャフト固定のドライブギヤーに噛み合うNo2アクチュエータアイドルギヤー(ドリブンギヤー)66bと、そのNo2アイドルシャフト固定のドライブギヤー66cからなり、このドライブギヤー66cがアクチュエータドリブンギヤー50gにかみ合って、歯車列で順次減速された回転駆動力がドリブンギヤー50gひいてはドライブプーリー50の径を変更駆動する。
【0035】
ここで、Vベルト変速装置34の冷却ファン用クリーナー86とエアークリーナー68とを一体に設けている点について説明する。
Vベルト変速装置34のVベルト室34cには、ドリブンプーリー54の固定側フェイス54f外側面(実施形態では右側面)に設けられた冷却ファン88aで外気を冷却風として導入するが、これの導入口34dに冷却ファンダクト88bを設けている。この冷却ファンダクト88bにホース88cを介して冷却ファン用クリーナー86のアウトレット86bを繋げて、空気中の塵や水分の侵入を防止する。
詳細には、図5〜図7に示すように、前後方向に長いエアークリーナー68ケースの右側面に比較的短い冷却ファン用クリーナー86ケースが隔壁を介して一体形成されていて、Vベルト変速装置34の上部に載置配設されている。エアークリーナー68と冷却ファン用クリーナー86の各インレット開口68aと86aはいずれも前方に互いに平行に向いている。
【0036】
そして、図6に示すように、エアークリーナー68は、隔壁68bで上下2室に分けられて車体前方に向かうインレット開口68aが上室にあり、下室では前記隔壁68bの連通パイプの回りを取り囲んでフィルター体68cが設けられ、フィルター体68cを通った清浄な空気が前方に向くアウトレット68dからエンジン32の吸気パイプ90さらにはシリンダヘッド32aのインテークポート92に連通する。符号96はスロットルバルブ、98はフューエルインジェクター(燃料噴射弁)である。
【0037】
図6のVII-VII線断面の図7に示すように、冷却ファン用クリーナー86は、インレット86aの奥側にフィルター86cが配設され孔86dの空いた隔壁86eを通って車体右側方向のアウトレット86bから冷却ファンに流通する。
【0038】
前記エアークリーナー68と冷却ファン用クリーナー86のケースは一体形成されている。エアークリーナー68と冷却ファン用クリーナー86は同じ場所に配置されるので他部品の分解する箇所を少なくできると共に同時にメンテナンスすることができ、工数を削減できる。また、同時にメンテナンスできるので、特に冷却ファン用クリーナー86のメンテナンスの忘れを防止できる。さらに、一体になるのでフィルター容量を大きめに設定できるとともに重量低減とコストダウンができる。
また、それらの隔壁68bと86eから上部は一体のキャップ100になって前記のケースから着脱可能になっている。これにより、1つのキャップ100を取るだけで両方のメンテナンスが可能になり便利である。
また、前記キャップは上面側になりシート12の底面に臨ませて配置し、シートとキャップとの間には部品などを配置しない構造である。このようにすれば、シート12を開けるだけでキャップ100の開閉が可能になるのでフィルターの交換などのメンテナンスが極めて容易になる。
【0039】
実施形態によれば、足置きフロアー40面より高くなるエンジン収納トンネル部分30aにおいて、足通し空間14下のシリンダヘッド32a、シリンダ32bを納める該トンネル部の幅がシリンダヘッド32a、シリンダ32bのために比較的巾狭にできるので、フレームカバー30全巾を余り広くすることなくライダー用足置きフロアー40面をトンネル両側にゆったりと設けることができる。
また、シリンダヘッド32a、シリンダ32bより巾広くなる、クランク軸、Vベルト変速装置およびバランサー軸等の回転運動部分をウォータポンプ、オイルポンプの駆動兼用のバランサ軸等の回転運動部分をシート下の巾が広くなる部分に納められているので、造形に無理がなく外観よく納められる。
また、両側面部にピリオンフロアー41が来るがライダー用足置きフロアー40面より高い位置になるので巾広となってもバンク角に影響は出ない。また、風損抵抗は少ない。また、エンジンケース38で最も巾広となるマグカバー38dおよびプライマリードライブスプロケット部のカバー38e端が上記足置きフロアー40面よりも下に配置できるので巾広でも無理なく納まる。
また、足置きフロアー40とシート12下という車体重心付近にマスを集中できるので、走行安定性が向上する。
また、ユニットスイング式のエンジンユニットに比較してそれよりも前方にエンジンVベルト変速装置34、バランサー軸36等の重量物が配置できるので高速でも走安性の良い前後分担荷重を取りやすい。
【0040】
エンジンシリンダ32bの傾斜角を略水平の前上がり傾斜としたものであるので、足通し空間14の底面部を低くできる足を通し易くできる。また、シリンダ軸が略水平なので二次振動がそのシリンダ軸方向に出てもハンドルやシート12、足置きフロアー40に振動が出にくい。
【0041】
また、エンジン32のバランサー軸36を略シリンダ軸上の車体後方に配置したので、オイル潤滑が必要な部品類がオイルパン38b付近の直上部に配置できるのでオイル通路が短くでき、油路抵抗が小になり、小さなオイルポンプの使用ができる。また、ピリオンライダーフロアー41面より下になるので巾が広くでき、両サイドにウォータポンプ44、オイルポンプ42等が配置可能になるので、ポンプ専用の伝動装置が不要になる。これはバランサー軸36のドライブと共用できるからである。
【0042】
バランサー軸36両側端部にオイルポンプ42とウォータポンプ44をそれぞれ配置し、かつ、それらをバランサー軸36により駆動するものである。
また、Vベルト変速装置34のドライブプーリー軸34aとドリブンプーリー軸34bの軸心を通る軸線をシリンダ軸Spに平行(設計上平行であればよい)にかつ、クランク軸より上側に配列したものである。シリンダヘッド、シリンダより巾が広いがクランク軸より巾を狭くできるVベルト変速装置34を足置きフロアー40面より上側で足通し空間より巾広にできるシート12下に配置できる。
【0043】
Vベルト変速装置34のドライブプーリー軸34aのプーリー50とプライマリードリブンスプロケット48との間のドライブプーリー軸34a上にスタータクラッチ56あるいはドライブプーリー回転速度センサローター58aを設けて、それらをクランク軸につけるよりもエンジン巾を狭くできる。
【0044】
クランク軸32c、ドライブプーリー軸34aとシリンダ32b、インテークパイプ90に挟まれた空間にスターターモータ62を配置したものであるので、空間を有効に利用でき、エンジンユニットを小型化でき、車体シート回りをコンパクトにできる。
【0045】
Vベルト変速装置34のアクチュエータモータ64およびその減速機列66a〜66cをVベルト変速装置34の上側に配置したものである。これにより、巾が狭いのでその側面にエアークリーナー68が配置できる。
【0046】
また、Vベルト変速装置34の上側でアクチュエータモータ64およびその減速機列64a〜64cの側面部にエアークリーナー68を設け、そのエアークリーナー68のインレット68a開口をボディーカバー30で覆われたシート12下側の足通し空間後立面14側に配設したものである。
これにより、容積が大としたいが体積当たりの重量の軽いクリーナーとすることにより下側が体積当たりの重量が重く、上になるにしたがって軽くなる配置にできるので重心を低くできる。また、前記後立面14rという泥や埃のこない位置にインレット68aを開口できるのでフィルターの寿命が増しセッティングの変化を少なくできる。
【0047】
スイングアーム22前端軸支のピポット軸24後方にクッションユニット78を略直立方向に配置し、Vベルト変速装置34、アクチュエータモータ64およびその減速機列64a〜64c等を一体に備えたエンジンユニットのエンジンケース38後端とクッションユニット78および前記ピポット軸24もしくはエンジンケースの懸架軸とシート12下面とで囲まれた空間にバッテリーケース82を設けたものである。これにより、空間の有効利用ができ、車体をコンパクトにできる。
【0048】
また、発進クラッチ52をユニバーサルジョイント72とファイナルドライブベベルギヤー間に設けたものであるので、ドリブンプーリーとセカンダリードライブギヤ間に設ける方法に比べてエンジンユニット幅を狭くシート下回りをコンパクトにできる。また、スイング部巾方向もユニットスイング式で遠心クラッチを後輪付近に設ける一般的なものに比べ狭くできる。発進クラッチ52をピボット軸付近に設ければバネ下重量もそれほど大きくならない。
【0049】
Vベルト変速装置34のVベルト室34cの冷却ファン用クリーナー86をエンジン32用エアークリーナー68と一体に設けたものである。これにより、エアークリーナー68フィルタと冷却ファン用フィルターのメンテナンスが同じ場所のために他部品を分解することが少なくなると共に同時にメンテナンスでき工数の削減となる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、重心位置の集中化による操縦安定性の向上、重心車両前後中心に位置させることができるので高速走行安定性の向上が図れると共に、フロアーの幅を狭くできて、シート下のスペースを有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のスクータ型自動二輪車を説明する全体側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】車両後部のエンジンおよび駆動機構を説明する側面図である。
【図4】車両後部のエンジンおよび駆動機構を説明するシリンダ軸に沿う横断図である。
【図5】Vベルト変速装置の各プーリー軸に沿う説明図横断詳細図である。
【図6】エアークリーナー冷却ファン用クリーナーの縦断説明図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う、冷却ファン用クリーナーの説明図である。
【図8】図3のVIII−VIII線に沿う、Vベルト変速装置用のアクチュエータおよびそのギヤー列の断面視説明図である。
【符号の説明】
8 後輪
10 フレームヘッドパイプ10
12 ライダー用(運転者用)シート
12a シート上面
14 足通し空間
16 前輪
20 フレーム
22 リアスイングアーム
24 ピボット軸
30 ボディーカバー
30a トンネル部
32 エンジン
34 Vベルト変速装置
34a ドライブプーリー軸
34b ドリブンプーリー軸
34c Vベルト室
36 バランサー軸
38 エンジンケース
40 足置きフロアー
42 オイルポンプ
44 ウォータポンプ
50 ドライブプーリー
52 発進クラッチ
54 ドリブンプーリー
64 アクチュエータモータ
66a〜66c 減速機列
68 エアークリーナー
78 クッションユニット
86 冷却ファン用クリーナー

Claims (3)

  1. フレームヘッドパイプとライダー用シートの間にシート上面より低い足通し空間を設けた車両であって、足通し空間下に略水平の前上がり傾斜としたエンジンシリンダのシリンダヘッドおよびシリンダの少なくとも一部を配置したスクータ型自動二輪車において、
    ライダー用シートの下方にクランク軸を配置し、ライダー用シートの下方であってクランク軸より上側にVベルト変速装置を配置するとともに、このVベルト変速装置のドライブプーリー軸を上記クランク軸より前方に、ドリブンプーリー軸を上記クランク軸より後方に配置したことを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  2. エンジンのバランサー軸をクランク軸後方で、且つ、上記ドリブンプーリー軸の下方に配置したことを特徴とする請求項に記載のスクータ型自動二輪車。
  3. Vベルト変速装置の変速用アクチュエータモータおよびその減速機列をVベルト変速装置の上側に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスクータ型自動二輪車。
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