JP2018050364A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルエンド部間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することが可能なモータ、を提供する。【解決手段】モータは、ヨーク部22を含むステータコア21と、ヨーク部22と径方向に隣り合って設けられる第1コイル31と、第1コイル31と径方向に隣り合って設けられる第2コイル41とを備える。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられている。第1コイル31の第1コイルエンド部36および第2コイル41の第2コイルエンド部46は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部38および第2対向部48を有する。モータ100は、少なくとも第1対向部38および第2対向部48の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46のうちの少なくとも一部を露出させるように設けられるスロット外絶縁体51をさらに備える。【選択図】図3

Description

この発明は、モータに関する。
従来のモータに関して、たとえば、特開2010−263764号公報には、固定子に用いられる絶縁シートがずれたり、破損したりすることを防ぐことを目的とした、回転電機が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に開示された回転電機は、環状のステータコアの周方向に交互に配置されるアウターコイルおよびインナーコイルと、相間絶縁部を有し、アウターコイルに設けられる絶縁シートと、インナーコイルに設けられるスロット絶縁シートとを備える。
アウターコイルのコイルエンドは、半径方向においてインナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置される渡り部と、その渡り部の両端から半径方向において内側に延出した起立部とを有する。インナーコイルのコイルエンドは、隣り合う一対のアウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部を有する。絶縁シートは、相間絶縁部が、インナーコイルのコイルエンドの渡り部と、アウターコイルのコイルエンドの起立部との間に介在するように設けられている。スロット絶縁シートは、インナーコイルと、ステータコアのスロットとの間を絶縁するとともに、インナーコイルと、アウターコイルのコイルエンドの渡り部との間を絶縁するように設けられている。
特開2010−263764号公報
上述の特許文献1に開示されるように、互いに隣り合って設けられたコイルのコイルエンド間に、絶縁シートを介挿したモータが知られている。特許文献1に開示された回転電機においては、アウターコイルのコイルエンドと、インナーコイルのコイルエンドとが、ステータコアの径方向および軸方向において三次元的に配されているため、絶縁シートの構造が複雑となっている。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、コイルエンド部間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することが可能なモータを提供することである。
この発明に従ったモータは、環状のヨーク部と、ヨーク部から径方向に向けて延出し、周方向に間隔を隔てて設けられる複数のティース部とを含むステータコアと、ヨーク部と径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第1コイルと、第1コイルと径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第2コイルとを備える。第1コイルおよび第2コイルは、ステータコアの軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられている。第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、ステータコアのその軸方向における端面から突出する第1コイルエンド部および第2コイルエンド部を含む。第1コイルエンド部および第2コイルエンド部は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部および第2対向部を有する。モータは、少なくとも第1対向部および第2対向部の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部のうちの少なくとも一部を露出させるように設けられる絶縁体をさらに備える。
このように構成されたモータによれば、第1コイルおよび第2コイルがステータコアの軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられるため、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部が対向する部位を減らすことができる。これにより、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部の間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することができる。
また好ましくは、第1コイルおよび第2コイルは、周方向にずれた位置に設けられる。
このように構成されたモータによれば、第1コイルおよび第2コイルが周方向にずれて配置されたモータにおいて、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部の間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することができる。
また好ましくは、互いに隣り合うティース部間には、スロットが形成される。第1コイルおよび第2コイルは、少なくとも1つのスロットを跨ぐようにティース部に巻回される。
このように構成されたモータによれば、第1コイルおよび第2コイルが少なくとも1つのスロットを跨ぐように設けられたモータにおいて、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部の間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することができる。
また好ましくは、ティース部は、ヨーク部から径方向内側に向けて延出する。モータは、ステータコアが嵌合される筒体をさらに備える。絶縁体は、第1コイルエンド部を覆い、かつ、第2コイルエンド部を露出させるように設けられる。
このように構成されたモータによれば、絶縁体によって、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部の間を絶縁するとともに、筒体および第1コイルエンド部の間の絶縁性を高めることができる。
また好ましくは、絶縁体は、絶縁紙であり、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部のいずれか一方に巻き付けられる。
このように構成されたモータによれば、コイルエンド部に対する絶縁紙の巻き付け工程を簡易にできる。
以上に説明したように、この発明に従えば、コイルエンド部間を絶縁するための絶縁体を簡易に構成することが可能なモータを提供することができる。
この発明の実施の形態におけるモータを示す斜視図である。 図1中のモータを示す断面図である。 図1中のモータからフランジ、樹脂封止部および配線を取り除いたモータを示す斜視図である。 図3中のモータを示す上面図である。 図1中のモータが備えるステータコア単体を示す上面図である。 図1中のモータにおいて、コイルの装着状態を説明するための図である。 図1中のモータにおいて、コイル単体の装着状態を示す図である。 図4中の2点鎖線VIIIで囲む範囲を示すモータの上面図である。 図7中のコイルに絶縁体が取り付けられた状態を示す図である。 スロット内絶縁体が設けられる形態の一例を示す断面図である。 図6中に示すコイルの装着状態の第1変形例を示す図である。 図6中に示すコイルの装着状態の第2変形例を示す図である。 図12中に示すコイルの回路図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態におけるモータを示す斜視図である。図2は、図1中のモータを示す断面図である。
図1および図2を参照して、この発明の実施の形態におけるモータ100は、工作機械用である。モータ100は、たとえば、複合加工機の刃物台に内蔵され、刃物台に装着された回転工具を回転させるためのモータとして用いられる。
モータ100は、ロータ(不図示)と、ロータの外周上に隙間(ギャップ)を設けて配置されるステータ20とを有する。ロータは、仮想線として示された中心軸101を中心に回転駆動する。
図3は、図1中のモータからフランジ、樹脂封止部および配線(図2中の口出し線16および渡り線17)を取り除いたモータを示す斜視図である。図4は、図3中のモータを示す上面図である。図5は、図1中のモータが備えるステータコア単体を示す上面図である。
図1から図5を参照して、ステータ20は、ステータコア21と、フランジ(筒体)12と、第1コイル31および第2コイル41と、樹脂封止部14と、スロット外絶縁体51と、スロット内絶縁体53およびスロット内絶縁体54とを有する。
ステータコア21は、全体として、中心軸101を中心とする円筒形状を有する。ステータコア21は、磁性材料から形成されている。ステータコア21は、端面21mおよび端面21nを有する。端面21mおよび端面21nは、それぞれ、中心軸101の軸方向におけるステータコア21の一方端および他方端に配置されている。端面21mおよび端面21nは、中心軸101に直交する平面内で延在する。
ステータコア21は、その構成部位として、ヨーク部22と、複数のティース部23とを有する(図5を参照のこと)。ヨーク部22は、中心軸101を中心に環状に周回する形状を有する。ヨーク部22は、中心軸101を中心とする円筒形状を有する。ティース部23は、ヨーク部22から径方向内側に向けて延出する形状を有する。ティース部23は、ヨーク部22から延出する先端において、ロータと隙間を設けて対向する。複数のティース部23は、中心軸101を中心とする周方向において互いに間隔を隔てて設けられている。周方向において互いに隣り合うティース部23間には、スロット24が形成されている。
フランジ12は、全体として、中心軸101を中心とする円筒形状を有する。フランジ12は、金属から形成されている。フランジ12の内側には、ステータコア21が嵌合されている。
フランジ12は、その構成部位として、冷媒通路形成部13と、鍔部15とを有する。冷媒通路形成部13は、フランジ12の外周面に設けられている。冷媒通路形成部13は、フランジ12の外周上に配置される筒部材(不図示)とともに、冷却水や冷却油などの冷媒が流通可能な冷媒通路を形成する。鍔部15は、中心軸101の軸方向におけるフランジ12の端部にて鍔状に広がって設けられている。鍔部15には、モータ100の固定用のボルト挿入孔が形成されている。
第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21に設けられている。第1コイル31および第2コイル41は、ティース部23に巻回されている。
複数の第1コイル31が、ステータコア21の周方向に並んで設けられている。複数の第2コイル41が、ステータコア21の周方向に並んで設けられている。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の周方向にずれた位置に設けられている。
第1コイル31は、ヨーク部22と径方向に隣り合って設けられている。第2コイル41は、第1コイル31と径方向に隣り合って設けられている。第1コイル31は、ステータコア21の径方向において、ヨーク部22および第2コイル41の間に配置されている。第1コイル31は、第2コイル41よりもステータコア21の径方向外側に配置される外側コイルである。第2コイル41は、第1コイル31よりもステータコア21の径方向内側に配置される内側コイルである。
第1コイル31および第2コイル41は、分布巻きにより、ティース部23に巻回されている。第1コイル31は、少なくとも1つのスロット24を跨ぐように設けられている。第2コイル41は、少なくとも1つのスロット24を跨ぐように設けられている。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の周方向に離れて位置する2つのスロット24と、端面21mおよび端面21n上とを通るように、ティース部23に巻回されている。
図6は、図1中のモータにおいて、コイルの装着状態を説明するための図である。図6中には、直線状に展開されたステータコア21に対する第1コイル31(31P,31Q)および第2コイル41(41P,41Q,41R)の装着状態が示されている。
図1から図6を参照して、第1コイル31および第2コイル41の装着状態についてより具体的に説明すると、第1コイル31は、2つのスロット24を跨ぐように設けられている。第2コイル41は、2つのスロット24を跨ぐように設けられている。
第1コイル31Pが跨ぐ2つのスロット24に、第2コイル41Pおよび第2コイル41Qが通されている。第1コイル31Qが跨ぐ2つのスロット24に、第2コイル41Qおよび第2コイル41Rが通されている。第2コイル41Qが跨ぐ2つのスロット24に、第1コイル31Pおよび第1コイル31Qが通されている。
図7は、図1中のモータにおいて、コイル単体の装着状態を示す図である。図7(A)中には、ステータコア21の径方向内側から見た場合のコイル単体の装着状態が示され、図7(B)中には、ステータコア21の径方向外側から見た場合のコイル単体の装着状態が示されている。
図1から図7を参照して、第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の軸方向(中心軸101の軸方向)から見て互いに重なり合わないように設けられている。
より具体的に説明すると、第1コイル31は、その構成部位として、第1コイルエンド部36と、第1コイル中間部37とを有する。第1コイルエンド部36は、ステータコア21の端面21mおよび端面21nから突出する第1コイル31の部位である。第1コイル中間部37は、スロット24に配置される第1コイル31の部位である。第1コイル中間部37は、端面21mから突出する第1コイルエンド部36と、端面21nから突出する第1コイルエンド部36との間に位置する。
第2コイル41は、その構成部位として、第2コイルエンド部46と、第2コイル中間部47とを有する。第2コイルエンド部46は、ステータコア21の端面21mおよび端面21nから突出する第2コイル41の部位である。第2コイル中間部47は、スロット24に配置される第2コイル41の部位である。第2コイル中間部47は、端面21mから突出する第2コイルエンド部46と、端面21nから突出する第2コイルエンド部46との間に位置する。
第1コイルエンド部36は、ステータコア21の端面21mおよび端面21n上において略U字状に曲がる形状を有する。第2コイルエンド部46は、ステータコア21の端面21mおよび端面21n上において略U字状に曲がる形状を有する。第1コイルエンド部36は、中心軸101の軸方向において第2コイルエンド部46が投影される空間に存在しない。第2コイルエンド部46は、中心軸101の軸方向において第1コイルエンド部36が投影される空間に存在しない。第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46は、中心軸101に直交する同一平面上に平面的に配されている。
第1コイル中間部37は、スロット24内で中心軸101の軸方向に沿って直線状に延びる形状を有する。第2コイル中間部47は、スロット24内で中心軸101の軸方向に沿って直線状に延びる形状を有する。第1コイル中間部37および第2コイル中間部47は、互いに異なるスロット24内に配置されている。
樹脂封止部14は、スロット24を充填するように設けられている。樹脂封止部14は、端面21m上において、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46を覆うように設けられている。樹脂封止部14は、端面21n上において、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46を覆うように設けられている。
図8は、図4中の2点鎖線VIIIで囲む範囲を示すモータの上面図である。図9は、図7中のコイルに絶縁体が取り付けられた状態を示す図である。
図1から図9を参照して、第1コイルエンド部36は、その構成部位として、第1対向部38を有する。第2コイルエンド部46は、その構成部位として、第2対向部48を有する。第1対向部38は、ステータコア21の径方向内側に面し、第2対向部48は、ステータコア21の径方向外側に面している。第1対向部38および第2対向部48は、ステータコア21の径方向において互いに対向している。
スロット外絶縁体51は、端面21mおよび端面21n上において、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間を絶縁する役割を有する。
スロット外絶縁体51は、第1対向部38および第2対向部48の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46のうちの少なくとも一部がスロット外絶縁体51から露出するように設けられている。より具体的には、スロット外絶縁体51は、第1コイルエンド部36に設けられている。スロット外絶縁体51は、第2コイルエンド部46がスロット外絶縁体51から露出するように設けられている。第1コイルエンド部36は、スロット外絶縁体51を介して、樹脂封止部14により覆われている。第2コイルエンド部46は、樹脂封止部14によって直接覆われている。
スロット外絶縁体51は、絶縁紙から構成されている。絶縁紙としては、たとえば、デュポン社製のNomex(登録商標)を用いることができる。スロット外絶縁体51は、テープ状(帯状)の絶縁紙から構成されることが好ましい。スロット外絶縁体51は、第1コイルエンド部36に巻き付けられている。スロット外絶縁体51は、第1コイルエンド部36を覆うように設けられている。
スロット外絶縁体51を構成する材料は、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間の絶縁を確保することが可能なものであれば、特に限定されない。但し、スロット外絶縁体51として絶縁紙を用いた場合、第1コイルエンド部36の形状に関わらず、スロット外絶縁体51を第1コイルエンド部36に容易に設けることができる。
スロット外絶縁体51は、第1コイルエンド部36に替わって第2コイルエンド部46に設けられてもよい。但し、スロット外絶縁体51が第1コイルエンド部36に設けられた場合、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間の絶縁に加えて、第1コイルエンド部36およびフランジ12間の絶縁性を高めることができる。
スロット外絶縁体51が設けられる形態は、上記に限られず、たとえば、スロット外絶縁体51を構成する絶縁紙が、第1対向部38および第2対向部48の間に介挿されてもよい。
本実施の形態におけるモータ100においては、第1コイル31および第2コイル41がステータコア21の軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられるため、端面21mおよび端面21n上において第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46が対向する部位を減らすことができる。これにより、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46の相間を絶縁するためのスロット外絶縁体51を簡易に構成することができる。また、スロット外絶縁体51を設ける際の絶縁紙の巻き付け工程を簡略化することができる。
スロット内絶縁体53は、スロット24内において、第1コイル31およびステータコア21間を絶縁する役割を有する。スロット内絶縁体53は、第1コイル31の第1コイル中間部37に設けられている。スロット内絶縁体53は、絶縁紙から構成されている。スロット内絶縁体53は、第1コイル中間部37を覆うように設けられている。
スロット内絶縁体54は、スロット24内において、第2コイル41およびステータコア21間を絶縁する役割を有する。スロット内絶縁体54は、第2コイル41の第2コイル中間部47に設けられている。スロット内絶縁体54は、絶縁紙から構成されている。スロット内絶縁体54は、第2コイル中間部47を覆うように設けられている。
スロット内絶縁体53,54が設けられる形態は、第1コイル31および第2コイル41と、ステータコア21との間の絶縁が確保されるものであれば、特に限定されない。以下、スロット内絶縁体53,54が設けられる形態の一例について説明する。
図10は、スロット内絶縁体が設けられる形態の一例を示す断面図である。図10を参照して、スロット内絶縁体53は、外周部53jおよび内周部53kからなる分割構造を有する。
外周部53jは、中心軸101に直交する平面により切断された場合に、第1コイル31の第1コイル中間部37をステータコア21の径方向外側から取り囲む角括弧形の断面形状を有する。外周部53jは、スロット24を規定するステータコア21の内壁に沿って設けられている。内周部53kは、中心軸101に直交する平面により切断された場合に、第1コイル31の第1コイル中間部37を内周側から取り囲む角括弧形の断面形状を有する。外周部53jおよび内周部53kは、互いに組み合わさって第1コイル中間部37の周囲を覆う枠形状をなしている。
スロット内絶縁体54は、外周部54jおよび内周部54kからなる分割構造を有する。外周部54jおよび内周部54kは、それぞれ、上記の外周部53jおよび内周部53kと同じ形態で設けられている。外周部54jおよび内周部54kは、互いに組み合わさって第2コイル中間部47の周囲を覆う枠形状をなしている。
以上に説明した、この発明の実施の形態におけるモータ100の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるモータ100は、環状のヨーク部22と、ヨーク部22から径方向に向けて延出し、周方向に間隔を隔てて設けられる複数のティース部23とを含むステータコア21と、ヨーク部22と径方向に隣り合って設けられ、ティース部23に巻回される第1コイル31と、第1コイル31と径方向に隣り合って設けられ、ティース部23に巻回される第2コイル41とを備える。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられている。第1コイル31および第2コイル41は、それぞれ、ステータコア21のその軸方向における端面21m,21nから突出する第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46を含む。第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部38および第2対向部48を有する。モータ100は、少なくとも第1対向部38および第2対向部48の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46のうちの少なくとも一部を露出させるように設けられる絶縁体としてのスロット外絶縁体51をさらに備える。
このように構成された、この発明の実施の形態におけるモータ100によれば、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間を絶縁するためのスロット外絶縁体51を簡易に構成することができる。
図11は、図6中に示すコイルの装着状態の第1変形例を示す図である。図11中には、直線状に展開されたステータコア21に対する第1コイル31(31P,31Q,31R,31S)および第2コイル41(41P,41Q,41R,41S,41T)の装着状態が示されている。
図11を参照して、本変形例では、第1コイル31が、1つのスロット24を跨ぐことなく、ティース部23に巻回されている。第2コイル41は、1つのスロット24を跨ぐことなく、ティース部23に巻回されている。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の周方向にずれた位置に設けられている。たとえば、第2コイル41Rは、第1コイル31Qおよび第1コイル31Rの間に位置するティース部23に巻回されている。
本変形例においても、第1コイルエンド部36にスロット外絶縁体51を設けることによって、端面21mおよび端面21n上において、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間を絶縁する。
図12は、図6中に示すコイルの装着状態の第2変形例を示す図である。図12中には、直線状に展開されたステータコア21に対する第1コイル31(31P,31Q,31R,31S)および第2コイル41(41P,41Q,41R,41S)の装着状態が示されている。図13は、図12中に示すコイルの回路図である。
図12および図13を参照して、本変形例では、第1コイル31が、1つのスロット24を跨ぐことなく、ティース部23に巻回されている。第2コイル41は、1つのスロット24を跨ぐことなく、ティース部23に巻回されている。第1コイル31および第2コイル41は、ステータコア21の周方向にずれることなく設けられている。
第1コイル31および第2コイル41は、低速および高速の巻線切り替えが可能なように構成されている。具体的には、第1コイル31および第2コイル41は、U相、V相およびW相において、直列に接続されている。低速回転時、U相、V相およびW相の各相において、第1コイル31および第2コイル41に通電される。高速回転時、U相、V相およびW相の各相において、第2コイル41のみに通電される。
本変形例においても、第1コイルエンド部36にスロット外絶縁体51を設けることによって、端面21mおよび端面21n上において、第1コイルエンド部36および第2コイルエンド部46間を絶縁する。
なお、本実施の形態では、ロータがステータ20の内側に配置されるインナーロータ型のモータ100について説明したが、本発明を、ロータがステータの外側に配置されるアウターロータ型のモータに適用することも可能である。本発明を、工作機械の主軸駆動用のモータや、テーブル旋回用のモータに適用することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、たとえば、工作機械用のモータに適用される。
12 フランジ、13 冷媒通路形成部、14 樹脂封止部、15 鍔部、16 口出し線、17 渡り線、20 ステータ、21 ステータコア、21m,21n 端面、22 ヨーク部、23 ティース部、24 スロット、31 第1コイル、36 第1コイルエンド部、37 第1コイル中間部、38 第1対向部、41 第2コイル、46 第2コイルエンド部、47 第2コイル中間部、48 第2対向部、51 スロット外絶縁紙、53,54 スロット内絶縁体、53j,54j 外周部、53k,54k 内周部、100 モータ、101 中心軸。
この発明に従ったモータは、環状のヨーク部と、ヨーク部から径方向に向けて延出し、周方向に間隔を隔てて設けられる複数のティース部とを含むステータコアと、ヨーク部と径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第1コイルと、第1コイルと径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第2コイルとを備える。第1コイルおよび第2コイルは、ステータコアの軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられている。第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、ステータコアのその軸方向における端面から突出する第1コイルエンド部および第2コイルエンド部を含む。第1コイルエンド部および第2コイルエンド部は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部および第2対向部を有する。モータは、少なくとも第1対向部および第2対向部の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部のいずれか一方の全体を覆い、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部のいずれか他方の少なくとも一部を露出させるように設けられる絶縁体をさらに備える。
この発明の別の局面に従ったモータは、環状のヨーク部と、ヨーク部から径方向に向けて延出し、周方向に間隔を隔てて設けられる複数のティース部とを含むステータコアと、ヨーク部と径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第1コイルと、第1コイルと径方向に隣り合って設けられ、ティース部に巻回される第2コイルとを備える。第1コイルおよび第2コイルは、ステータコアの軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられている。第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、ステータコアのその軸方向における端面から突出する第1コイルエンド部および第2コイルエンド部を含む。第1コイルエンド部および第2コイルエンド部は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部および第2対向部を有する。モータは、少なくとも第1対向部および第2対向部の間に介在し、かつ、第1コイルエンド部および第2コイルエンド部のうちの少なくとも一部を露出させるように設けられる絶縁体をさらに備える。

Claims (5)

  1. 環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向に向けて延出し、周方向に間隔を隔てて設けられる複数のティース部とを含むステータコアと、
    前記ヨーク部と径方向に隣り合って設けられ、前記ティース部に巻回される第1コイルと、
    前記第1コイルと径方向に隣り合って設けられ、前記ティース部に巻回される第2コイルとを備え、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、前記ステータコアの軸方向から見て互いに重なり合わないように設けられ、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、それぞれ、前記ステータコアのその軸方向における端面から突出する第1コイルエンド部および第2コイルエンド部を含み、
    前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部は、それぞれ、径方向において互いに対向する第1対向部および第2対向部を有し、さらに、
    少なくとも前記第1対向部および前記第2対向部の間に介在し、かつ、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のうちの少なくとも一部を露出させるように設けられる絶縁体を備える、モータ。
  2. 前記第1コイルおよび前記第2コイルは、周方向にずれた位置に設けられる、請求項1に記載のモータ。
  3. 互いに隣り合う前記ティース部間には、スロットが形成され、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、少なくとも1つの前記スロットを跨ぐように前記ティース部に巻回される、請求項1または2に記載のモータ。
  4. 前記ティース部は、前記ヨーク部から径方向内側に向けて延出し、
    前記ステータコアが嵌合される筒体をさらに備え、
    前記絶縁体は、前記第1コイルエンド部を覆い、かつ、前記第2コイルエンド部を露出させるように設けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ。
  5. 前記絶縁体は、絶縁紙であり、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のいずれか一方に巻き付けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ。
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