JP2018038318A - 卵焼成品様食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクランブルエッグや卵焼きなどの卵焼成品について、卵を使用せずに、同様の食感を有する代替食品を調製する方法、及び卵焼成品様食品を卵を使用した場合と同じ程度の簡便さで調製する方法の提供。【解決手段】大豆蛋白と酸化澱粉を適当量含む原料を水と混合し、フライパン等で焼成することによる、卵焼成品と同様の食感を有する卵焼成品様食品の製造方法。蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材を使用することが、風味及び食感を卵焼成品により近似させる点で好ましい。【選択図】なし
Description
本発明の技術分野は、卵焼成品様の食品、およびその製造方法に関する。
卵は、栄養価が高く、優れた蛋白質源として古くから食されてきた。なかでも、スクランブルエッグや卵焼きなどは、簡単な調理で提供できるため、多くの人に日常的に親しまれている。しかし、動脈硬化症や高血圧症の予防のため、もしくは卵アレルギーや菜食主義など、様々な理由で卵の摂食を控えなければならない人々がいる。このような人々のために、卵の含有量を減らして、もしくは卵を使わずに、日常の蛋白質源とできる代替食品を提供することが求められてきた。
卵焼きやスクランブルエッグなどの卵焼成品の技術としては、例えば、卵液に数%の増粘剤と大豆蛋白を添加することにより、卵焼きやオムレツのソフト感を維持する技術(特許文献1)、卵の一部を他の蛋白質と澱粉に置き換えることにより、オムレツなどの卵加工品の冷凍変性による品質低下を抑制する技術(特許文献2)、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物に置き換えることにより、出し巻卵やオムレツなどの卵加工品の冷凍による品質低下を抑制する技術(特許文献3、4)がある。
また、卵を使わずに代替食品を提供する技術としては、小麦蛋白と乳化剤と油脂の混合物を液卵代替物としてマフィンや麺に使用する技術(特許文献5)、豆類の粉と澱粉類の混合物で卵と同等の機能を発揮する技術(特許文献6)などが開示されている。
卵焼きやスクランブルエッグなどの卵焼成品の技術としては、例えば、卵液に数%の増粘剤と大豆蛋白を添加することにより、卵焼きやオムレツのソフト感を維持する技術(特許文献1)、卵の一部を他の蛋白質と澱粉に置き換えることにより、オムレツなどの卵加工品の冷凍変性による品質低下を抑制する技術(特許文献2)、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物に置き換えることにより、出し巻卵やオムレツなどの卵加工品の冷凍による品質低下を抑制する技術(特許文献3、4)がある。
また、卵を使わずに代替食品を提供する技術としては、小麦蛋白と乳化剤と油脂の混合物を液卵代替物としてマフィンや麺に使用する技術(特許文献5)、豆類の粉と澱粉類の混合物で卵と同等の機能を発揮する技術(特許文献6)などが開示されている。
特許文献1〜4は、いずれも卵液を主体とする配合に少量の蛋白質を加えて食感維持などの効果を得るもので、卵を大幅に減らしたり、なくしたりできるものではない。特許文献5では、卵を用いずに、小麦などの蛋白質と乳化剤による液卵代替物を提供しているが、マフィンや麺などの小麦粉主体食品への利用しか開示されていない。特許文献6では、豆粉と澱粉を用いた卵代替物を提供しているが、実施例ではベーカリー製品とマヨネーズの使用例しか開示していない。
このように、卵焼成食品を、卵を大幅に減らして、または卵を使わずに再現する技術はまだ十分になく、簡便に調理できておいしい代替食品が求められていた。
このように、卵焼成食品を、卵を大幅に減らして、または卵を使わずに再現する技術はまだ十分になく、簡便に調理できておいしい代替食品が求められていた。
本発明の目的は、卵を大幅に減らして、または卵を使用せずに、卵焼成食品の代替食品を提供することである。また、この代替食品を従来の卵焼成食品と同等の簡便さで提供することである。
本発明者らは、上記の課題に対して取り組んだところ、卵と同様に優れた蛋白源である大豆蛋白を水に混合し、フライパンなどで焼成することにより、卵焼成品に近い物性の食品が得られることを見出した。さらに検討を重ね、適量の油脂をあらかじめ蛋白液に混合してから乾燥した、大豆蛋白の粉末を使用することにより、風味及び食感が、より卵焼成品に近似することを見出した。また、大豆蛋白と水を混合する際に、酸化澱粉を配合することにより、焼成後に得られる凝固物が、より卵焼成品に似た食感になることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)大豆蛋白素材と水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(2)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(3)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(4)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(5)卵焼成品様食品が、スクランブルエッグ様食品である、請求項1から4のいずれかに記載の卵焼成品様食品の製造方法、
(6)大豆蛋白素材と酸化澱粉とを含むことを特徴とする、卵代替用の粉末組成物、
(7)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材を含むこと特徴とする、卵代替用の粉末組成物、
に関するものである。
(1)大豆蛋白素材と水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(2)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(3)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(4)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法、
(5)卵焼成品様食品が、スクランブルエッグ様食品である、請求項1から4のいずれかに記載の卵焼成品様食品の製造方法、
(6)大豆蛋白素材と酸化澱粉とを含むことを特徴とする、卵代替用の粉末組成物、
(7)蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材を含むこと特徴とする、卵代替用の粉末組成物、
に関するものである。
本発明によれば、簡便な方法で、卵不使用、又は一部代替の卵焼成品様食品を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(卵焼成品および卵焼成品様食品)
本発明で言う卵焼成品とは、卵をフライパンなどで焼成して得られる凝固した食品のことを指し、例えばスクランブルエッグ、オムレツの皮、オムライスの皮、卵焼き、出汁巻卵などがあげられる。また、卵焼成品様食品は、上記「卵焼成品」を模した外観および食感を有し、卵の一部または全部を他の素材で代替して得られる食品である。本発明の製造方法は、卵焼成品の中でも特に、スクランブルエッグの外観及び食感を再現するのに好適である。
本発明で言う卵焼成品とは、卵をフライパンなどで焼成して得られる凝固した食品のことを指し、例えばスクランブルエッグ、オムレツの皮、オムライスの皮、卵焼き、出汁巻卵などがあげられる。また、卵焼成品様食品は、上記「卵焼成品」を模した外観および食感を有し、卵の一部または全部を他の素材で代替して得られる食品である。本発明の製造方法は、卵焼成品の中でも特に、スクランブルエッグの外観及び食感を再現するのに好適である。
(大豆蛋白素材)
本発明で用いる大豆蛋白素材とは、大豆蛋白質を固形分あたり50重量%以上含むものである。この量はより望ましくは55重量%以上であり、さらに望ましくは60重量%以上である。また、容易に水に分散し、分散液や水溶液を加熱すると固体化するものが好ましい。具体的には、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、分画大豆蛋白などがあげられ、特に分離大豆蛋白が、焼成調理した時に、早く適度に生地が固まるという点、風味や食感を卵に近似させやすい点で適している。
本発明で用いる大豆蛋白素材とは、大豆蛋白質を固形分あたり50重量%以上含むものである。この量はより望ましくは55重量%以上であり、さらに望ましくは60重量%以上である。また、容易に水に分散し、分散液や水溶液を加熱すると固体化するものが好ましい。具体的には、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、分画大豆蛋白などがあげられ、特に分離大豆蛋白が、焼成調理した時に、早く適度に生地が固まるという点、風味や食感を卵に近似させやすい点で適している。
また、大豆蛋白素材の水中での分散性を向上するために、あらかじめ油脂を添加して粉末化したものが特に好ましい。油脂は、食用に適した油脂であればよく、例えば大豆油、菜種油、トウモロコシ油、サフラワー油、綿実油、オリーブ油、米油、ひまわり油などがあげられる。油脂の添加量は、蛋白質含量に対して10〜60重量%が好ましく、より好ましくは12〜55重量%である。このような大豆蛋白素材は、通常の分離大豆蛋白の製造工程において、大豆蛋白質を含有する液に油脂を混合し、噴霧乾燥等によって粉末化することによって得られる。市販品では、サンラバー10、サンラバー20、サンラバー50(不二製油株式会社製)などが好適に用いられる。
(酸化澱粉)
本発明で用いる酸化澱粉は、澱粉を次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤で参加処理した酸化澱粉で、食品に使用できる物であれば特に限定されない。例えば、ケミスター55L(グリコ栄養食品社製)等が好適に用いられる。 酸化澱粉の添加量は、大豆蛋白素材の固形分中の蛋白質含量に対し、45〜65重量%、好ましくは50〜60重量%が好ましい。
本発明で用いる酸化澱粉は、澱粉を次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤で参加処理した酸化澱粉で、食品に使用できる物であれば特に限定されない。例えば、ケミスター55L(グリコ栄養食品社製)等が好適に用いられる。 酸化澱粉の添加量は、大豆蛋白素材の固形分中の蛋白質含量に対し、45〜65重量%、好ましくは50〜60重量%が好ましい。
本発明の卵代替用の粉末組成物は、大豆蛋白素材を少なくとも含み、好ましくは酸化澱粉を含み、さらに所望により、調味料、色素、香料、増粘剤、澱粉、デキストリン等を配合することができる。粉末組成物中の大豆蛋白素材の含有量は10〜14重量%が好ましい。粉末組成物中の酸化澱粉の含有量は、3〜5重量%が好ましい。
本発明の卵代替用の粉末組成物は、原材料をミキサー、ブレンダー等の混合機で混合することにより製造することができる。また、各原材料をビニール袋に入れて振とうして混合することにより製造することもできる。
本発明の卵焼成品様食品の製造方法について説明する。
まず、大豆蛋白素材およびその他の原材料を、水に溶解して液状の生地を作る。尚、卵と併用する場合は、予め卵以外の原材料を水に溶解させた物に、必要量の卵液を投入し撹拌する事が望ましい。原材料の水への溶解方法は特に限定されないが、それぞれの原材料を計りとり、紛体同士で混合してから水に投入すると、水中で分散溶解しやすい。投入した原材料は撹拌混合して十分に溶解させる。撹拌方法は、通常の卵を撹拌する場合のように箸や泡だて器等で撹拌してもよいし、ハンドミキサーやケンウッドミキサー等を使用することもできる。
次に、調製した液状の生地を焼成する。焼成方法は、フライパン等を熱し、必要であれば油をひいてから、生地を流しいれて加熱する。生地が凝固し始めたら、卵焼成品様食品の態様によって、かき混ぜたり巻いたりして形を整え、卵焼成品様食品を得ることができる。
まず、大豆蛋白素材およびその他の原材料を、水に溶解して液状の生地を作る。尚、卵と併用する場合は、予め卵以外の原材料を水に溶解させた物に、必要量の卵液を投入し撹拌する事が望ましい。原材料の水への溶解方法は特に限定されないが、それぞれの原材料を計りとり、紛体同士で混合してから水に投入すると、水中で分散溶解しやすい。投入した原材料は撹拌混合して十分に溶解させる。撹拌方法は、通常の卵を撹拌する場合のように箸や泡だて器等で撹拌してもよいし、ハンドミキサーやケンウッドミキサー等を使用することもできる。
次に、調製した液状の生地を焼成する。焼成方法は、フライパン等を熱し、必要であれば油をひいてから、生地を流しいれて加熱する。生地が凝固し始めたら、卵焼成品様食品の態様によって、かき混ぜたり巻いたりして形を整え、卵焼成品様食品を得ることができる。
以下に実施例を記載するが、この発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない。なお、以下「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」及び「重量部」を意味するものとする。
(製造例1:スクランブルエッグ様食品の製造)
表1の配合表に従い、大豆蛋白素材、調味料、野菜ペースト、水を入れ、30秒撹拌し、液状の生地を得た。この液状生地150部を、予め油5部を薄く引いた卵焼き用フライパンを用いて、中火で加熱し、箸でかき混ぜながら、それぞれスクランブルエッグ様食品を調整した。
なお、各実施例において、大豆蛋白素材は分離大豆蛋白を使用した。以下に使用した大豆蛋白素材の特徴を記載する。なお、本項における各成分含量は、特に記載がない限り、各素材の固形分あたりに含まれる量を示す。
実施例1で使用の大豆蛋白素材は、糖類を添加することによって蛋白質含量を73.0重量%になるよう調製したものである。実施例2で使用の大豆蛋白素材は、蛋白質含量が91.5重量%になるよう調製したものである。実施例3で使用の大豆蛋白素材は、油脂を31.0重量%添加することによって、蛋白質含量を62.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は50.0重量%である。実施例4で使用の大豆蛋白素材は、油脂を11.0重量%添加することによって、蛋白質含量を82.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は13.4重量%である。実施例5で使用の大豆蛋白素材は、油脂を10.0重量%添加することによって、蛋白質含量を82.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は12.2重量%である。また、比較例1においては調製粉末豆乳(蛋白質含量62.8重量%)を使用した。
表1の配合表に従い、大豆蛋白素材、調味料、野菜ペースト、水を入れ、30秒撹拌し、液状の生地を得た。この液状生地150部を、予め油5部を薄く引いた卵焼き用フライパンを用いて、中火で加熱し、箸でかき混ぜながら、それぞれスクランブルエッグ様食品を調整した。
なお、各実施例において、大豆蛋白素材は分離大豆蛋白を使用した。以下に使用した大豆蛋白素材の特徴を記載する。なお、本項における各成分含量は、特に記載がない限り、各素材の固形分あたりに含まれる量を示す。
実施例1で使用の大豆蛋白素材は、糖類を添加することによって蛋白質含量を73.0重量%になるよう調製したものである。実施例2で使用の大豆蛋白素材は、蛋白質含量が91.5重量%になるよう調製したものである。実施例3で使用の大豆蛋白素材は、油脂を31.0重量%添加することによって、蛋白質含量を62.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は50.0重量%である。実施例4で使用の大豆蛋白素材は、油脂を11.0重量%添加することによって、蛋白質含量を82.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は13.4重量%である。実施例5で使用の大豆蛋白素材は、油脂を10.0重量%添加することによって、蛋白質含量を82.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は12.2重量%である。また、比較例1においては調製粉末豆乳(蛋白質含量62.8重量%)を使用した。
得られたスクランブルエッグ様食品について、加熱後の風味、外観および食感を評価項目として、パネラー10名により官能評価を行った。以下の5段階で評価点をつけ、全員の平均値を算出した。
評価基準: 1点:不良 2点:やや不良 3点:普通 4点:良好 5点:非常に良好
そしてその平均値について、以下の5段階で評価付けを行った。
A(4.5点以上) B(3.5点以上4.5点未満)
C(2.5点以上3.5点未満) D(1.5点以上2.5点未満)
E(1.5点未満)
評価基準: 1点:不良 2点:やや不良 3点:普通 4点:良好 5点:非常に良好
そしてその平均値について、以下の5段階で評価付けを行った。
A(4.5点以上) B(3.5点以上4.5点未満)
C(2.5点以上3.5点未満) D(1.5点以上2.5点未満)
E(1.5点未満)
比較例1では、加熱しても生地が凝固しにくく、スクランブルエッグ状にするのに時間を要した。得られたスクランブルエッグ様食品は、ゆるいペースト状の外観であった。十分ゲル化していないため食感も不良で、さらに口中でざらつきが感じられた。
実施例1、2では、比較例1より生地の凝固が早くなり、スクランブルエッグらしい外観に調製できた。食感はやわらかめであるが、ざらつきのないスクランブルエッグ様食品が得られた。若干大豆臭が感じられた。
実施例3、4、5では、実施例1、2よりさらに凝固しやすく、卵から作ったスクランブルエッグに近似した外観および食感が得られた。大豆臭についても改善された。また生地調製時の、大豆蛋白素材の水への分散性が良好であり、特に実施例3が最も良好であった。
実施例1、2では、比較例1より生地の凝固が早くなり、スクランブルエッグらしい外観に調製できた。食感はやわらかめであるが、ざらつきのないスクランブルエッグ様食品が得られた。若干大豆臭が感じられた。
実施例3、4、5では、実施例1、2よりさらに凝固しやすく、卵から作ったスクランブルエッグに近似した外観および食感が得られた。大豆臭についても改善された。また生地調製時の、大豆蛋白素材の水への分散性が良好であり、特に実施例3が最も良好であった。
(製造例2:卵代替用の粉末組成物)
表2の配合表に記載の原材料粉末を量り取り、容器にいれて密閉した。この容器ごとよく振って、内部の粉末を均一に混合し、卵代替用の粉末組成物を得た。
この粉末組成物23gを水77gに溶解して、卵約2個分の液状生地を得ることができた。
表2 粉末組成物の配合
表2の配合表に記載の原材料粉末を量り取り、容器にいれて密閉した。この容器ごとよく振って、内部の粉末を均一に混合し、卵代替用の粉末組成物を得た。
この粉末組成物23gを水77gに溶解して、卵約2個分の液状生地を得ることができた。
表2 粉末組成物の配合
(製造例3:粉末組成物を用いたスクランブルエッグ様食品)
表3の配合表に記載の原材料を量り取り、水以外の原材料を、製造例2の要領で混合し粉末組成物を得た。これを、所定量の水と混合して30秒撹拌し、液状の生地を得た。この液状生地を、油(配合外)を薄く引いた卵焼き用フライパンで、中火で加熱し、箸でかき混ぜながらスクランブルエッグ様食品を調整した。
なお、大豆蛋白素材は、実施例3と同じ分離大豆蛋白を使用した。これは、油脂を31.0重量%添加することによって、蛋白質含量を62.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は50.0重量%である。
得られた各スクランブルエッグ様食品について、製造例1と同様に評価を行った。
表3の配合表に記載の原材料を量り取り、水以外の原材料を、製造例2の要領で混合し粉末組成物を得た。これを、所定量の水と混合して30秒撹拌し、液状の生地を得た。この液状生地を、油(配合外)を薄く引いた卵焼き用フライパンで、中火で加熱し、箸でかき混ぜながらスクランブルエッグ様食品を調整した。
なお、大豆蛋白素材は、実施例3と同じ分離大豆蛋白を使用した。これは、油脂を31.0重量%添加することによって、蛋白質含量を62.0重量%になるように調製したものである。この時の蛋白質に対する油脂の添加量は50.0重量%である。
得られた各スクランブルエッグ様食品について、製造例1と同様に評価を行った。
実施例7、8、9では、実施例3と同様の凝固しやすさ、及び同様の食感のスクランブルエッグ様食品が得られた。外観は、表面に半熟のようなとろみが付与された。
実施例6では、実施例7、8、9より生地の火抜けが良く、短い焼成時間で適度な凝固が得られた。また、生地表面の皮膜化が防止できた。得られたスクランブルエッグ様食品は、外観は実施例7,8,9と同等であるが、食感が卵特有のふわっとした食感に近づいており、他の実施例では得られない特徴であった。
実施例6では、実施例7、8、9より生地の火抜けが良く、短い焼成時間で適度な凝固が得られた。また、生地表面の皮膜化が防止できた。得られたスクランブルエッグ様食品は、外観は実施例7,8,9と同等であるが、食感が卵特有のふわっとした食感に近づいており、他の実施例では得られない特徴であった。
(製造例4:粉末組成物と卵を併用したスクランブルエッグ様食品)
表3の実施例6の配合および方法で、液状生地を調製した。この液状生地と全卵液とを、25:75(実施例8)、50:50(実施例9)、75:25(実施例10)の比率でそれぞれ混合した全卵併用液体生地を得た。
これらの液体生地を製造例3と同様の方法で焼成し、スクランブルエッグ様食品を調製した。
得られたスクランブルエッグ様食品ついて、製造例1と同様にして評価を行った。
表3の実施例6の配合および方法で、液状生地を調製した。この液状生地と全卵液とを、25:75(実施例8)、50:50(実施例9)、75:25(実施例10)の比率でそれぞれ混合した全卵併用液体生地を得た。
これらの液体生地を製造例3と同様の方法で焼成し、スクランブルエッグ様食品を調製した。
得られたスクランブルエッグ様食品ついて、製造例1と同様にして評価を行った。
結果、全卵配合を増やすほど、風味、外観及び食感において卵特有の風味および食感に近い食品が得られた。
本発明は、食品産業において、コストダウンの手段として、また、卵を控えたい人のための代替品の提供手段として利用可能である。
Claims (7)
- 大豆蛋白素材と水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法。
- 蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、水との混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法。
- 蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、酸化澱粉と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法。
- 蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材と、卵液とを含む混合物を、焼成することを特徴とする、卵焼成品様食品の製造方法。
- 卵焼成品様食品が、スクランブルエッグ様食品である、請求項1から4のいずれかに記載の卵焼成品様食品の製造方法。
- 大豆蛋白素材と酸化澱粉とを含むことを特徴とする、卵代替用の粉末組成物。
- 蛋白質に対して10〜60重量%の油脂を含む大豆蛋白素材を含むこと特徴とする、卵代替用の粉末組成物。
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