JP2018034860A - 吐出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容器内の温度の変動を抑えることができる吐出容器を提供する。【解決手段】内容物が収容される容器本体11と、容器本体内に連通する吐出孔37aが形成された吐出栓31と、を備える吐出容器1であって、容器本体は、内容物が収容される内容器12と、内容器が内部に収容されるとともに可撓性に富む外容器13と、を有し、内容器の胴部16には、外容器の内周面との間に密封空間Sを画成する断熱凹部23が形成され、外容器には、断熱凹部に流体を供給する流体導入孔19が形成され、外容器には、流体導入孔を閉塞する閉塞部材51が外嵌されている。【選択図】図1

Description

本発明は、吐出容器に関する。
従来から、例えば特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器本体と、容器本体内に連通する吐出孔が形成されるとともに、吐出孔に出没可能に挿通された塗布体を有する塗布栓と、を備える吐出容器が知られている。
この種の吐出容器では、吐出孔を下方に向けた状態で、塗布体を被塗布部に押し当てて吐出孔内に塗布体を没入させると、吐出孔から内容物が吐出され被塗布部に塗布される。
特開2010−76839号公報
しかしながら、前記従来の吐出容器では、吐出容器を持つ手の体温及び外気温等により、内容器内の温度が変動し、内容器の内圧が変動する恐れがあった。この場合、例えば、内容器の内圧が上昇していると、内容物を吐出するときに、内容器内の圧力により内容物が吐出孔から意図せずに噴出する恐れがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、内容器内の温度の変動を抑えることができる吐出容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の吐出容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体内に連通する吐出孔が形成された吐出栓と、を備える吐出容器であって、前記容器本体は、前記内容物が収容される内容器と、前記内容器が内部に収容されるとともに可撓性に富む外容器と、を有し、前記内容器の胴部には、前記外容器の内周面との間に密封空間を画成する断熱凹部が形成され、前記外容器には、前記断熱凹部に流体を供給する流体導入孔が形成され、前記外容器には、前記流体導入孔を閉塞する閉塞部材が外嵌されていることを特徴としている。
この場合、内容器の胴部の外周面と外容器の内周面との間に密封空間が配設されているので、この密封空間が吐出容器の外部と内容器内との間の断熱層として機能することとなり、例えば、吐出容器の外部から伝達される体温及び外気温等により、内容器内の温度が変動するのを抑制することができる。これにより、内容物を吐出する際に、内容物が吐出孔から意図せず噴出するのを抑えること等ができる。
また、上記の吐出容器において、前記流体導入孔及び前記断熱凹部それぞれの容器軸周りに沿う周方向の位置が、互いに同等であってもよい。
この場合、流体導入孔から内容器の外周面と外容器の内周面との間に供給された流体を、周方向に迂回させずに短い移動距離で断熱凹部に至らせることができる。
また、上記の吐出容器において、前記断熱凹部は、前記内容器の胴部に、容器軸周りに沿う周方向に間隔をあけて複数形成され、前記内容器の胴部において、前記周方向で互いに隣り合う前記断熱凹部同士の間に位置して、前記外容器の内周面を支持する複数の支持部のうち、1つの前記支持部が前記外容器の内周面に固着され、残りの前記支持部は前記外容器の内周面に剥離可能に当接してもよい。
この場合、流体導入孔から流体を、内容器の外周面と外容器の内周面との間に供給すると、この流体が複数の断熱凹部のうちの1つに限らず、この断熱凹部に周方向で隣り合う他の断熱凹部にも、前記残りの支持部と外容器の内周面との間を通過して流入する。したがって、例えば外容器に複数の流体導入孔を形成し、これらの流体導入孔から複数の断熱凹部に各別に流体を供給する操作を採用する必要がなく、この吐出容器を容易に製造することができる。
また、上記の吐出容器において、前記容器本体は、胴部と、前記胴部より小径の口部と、を有するとともに、これらの胴部及び口部が容器軸方向に連設されてなり、前記流体導入孔は、前記外容器の口部に形成され、前記断熱凹部は、前記内容器の胴部における容器軸方向の全長にわたって形成され、前記内容器の胴部を容器軸方向に沿う前記口部側に向けて開口してもよい。
この場合、流体導入孔から内容器の外周面と外容器の内周面との間を胴部側に向けて流れる流体を、断熱凹部内に、その容器軸方向に沿う口部側に向けて開口する開口部を通して流入させることが可能になり、流体を断熱凹部内に容易に供給することができる。
また、上記の吐出容器において、前記容器本体は、胴部と、前記胴部より小径の口部と、を有するとともに、これらの胴部及び口部が容器軸方向に連設されてなり、前記流体導入孔は、前記外容器の口部に形成され、前記容器本体の口部には、キャップが着脱自在に螺着される雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部の容器軸周りに螺線状に延びるねじ山に、前記ねじ山の、容器軸周りに周回する周方向の延在を分断する間欠部が形成され、前記流体導入孔及び前記間欠部それぞれの前記周方向の位置が、互いに同等であってもよい。
この場合、流体導入孔から内容器の外周面と外容器の内周面との間を胴部側に向けて流れる流体が、雄ねじ部に到達したときに、間欠部を容器軸方向に通過させることが可能になり、雄ねじ部のねじ山によって流体の流動が阻害されてしまうのを抑制することができる。
また、上記の吐出容器において、前記吐出栓は、前記吐出孔に出没可能に挿通された塗布体を備えてもよい。
この場合、吐出孔を下方に向けた状態で、塗布体を被塗布部に押し当てて吐出孔内に塗布体を没入させると、吐出孔から内容物が吐出され被塗布部に内容物を塗布することができる。
本発明の吐出容器によれば、内容器内の温度の変動を抑えることができる。
本発明の一実施形態の吐出容器における一部を破断した正面図である。 同吐出容器における平面の断面図である。 同吐出容器の製造方法を説明する、各断熱凹部と外容器の内周面との間に密封空間が画成される前の状態を示す平面の断面図である。 同吐出容器の製造方法を説明する、密封空間が画成されていく状態を示す平面の断面図である。 本発明の変形例の実施形態における吐出容器の一部を破断した要部の正面図である。 本発明の変形例の実施形態における吐出容器の平面の断面図である。
以下、本発明に係る吐出容器の一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の吐出容器1は、図示しない内容物が収容される容器本体11と、容器本体11内に連通する吐出孔37aが形成された吐出栓31と、容器本体11の後述する外容器13に装着された閉塞部材51及びキャップ61と、を備える。なお、図1中には、後述する流体導入孔19及び雄ねじ部21を拡大した図も示す。
容器本体11は、内容物が収容される内容器12と、内容器12が内部に収容された外容器13と、を有する。
内容器12及び外容器13は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置された状態で配設されている。そして、キャップ61、吐出栓31、及び閉塞部材51は、この共通軸と同軸に配置されている。
本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿ってキャップ61側を上側、容器本体11側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
容器本体11は、例えばブロー成形により形成されている。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体11を形成してもよい(押出ブロー成形)。また、射出成形等によって内容器用のプリフォーム、及び外容器用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体11を形成しても構わない。
外容器13は、内容器12よりも可撓性に富む材料で形成される。内容器12及び外容器13を形成する材料は特に限定されないが、互いに剥離可能(相溶性が低い)となる組み合わせで形成することが好ましい。例えば、内容器12をポリプロピレン樹脂で形成し、外容器13をナイロン等のポリアミド系樹脂で形成することが好ましい。外容器13の厚さは、内容器12の厚さよりも薄いことが好ましい。
容器本体11は、口部15、胴部16、及び底部17が、上側から下側に向かって、容器軸O方向に沿って連設されてなる。
口部15は、胴部16よりも外径及び内径が小径である。口部15の外周面には、径方向内側に向けて窪んだ没入部15aが形成されている。外容器13における没入部15aには、後述する断熱凹部23に空気等の流体を供給する流体導入孔19が形成されている。流体導入孔19は、外容器13を厚さ方向に貫通している。
口部15において没入部15aよりも上側に位置する部分には、周方向に沿って延びるとともに径方向外側に突出する環状の被係止部20が形成されている。
口部15の外周面には、雄ねじ部21が形成されている。雄ねじ部21は、容器軸O周りに螺線状に延びるねじ山21aを有する。雄ねじ部21は、口部15において没入部15aよりも下側に位置する部分に形成されている。ねじ山21aには、ねじ山21aの周方向の延在を分断する間欠部21bが複数形成されている。各間欠部21bは、雄ねじ部21における容器軸O方向の全長にわたって形成されている。流体導入孔19、及び、複数の間欠部21bのうちの1つの間欠部21b(以下、対応間欠部21bAと称する)それぞれの周方向の位置が、互いに同等(互いに等しいも含む)である。
口部15において没入部15aと雄ねじ部21との間に位置する部分には、容器軸Oに沿う縦断面視で容器軸O方向に延びる平滑面15bが全周にわたって形成されている。
図1及び図2に示すように、内容器12の胴部16には、複数の断熱凹部23が形成されている。本実施形態では、容器軸O周りに6つの断熱凹部23が形成されている。各断熱凹部23は、内容器12における胴部16が内側に窪むことで形成されている。複数の断熱凹部23は、周方向に間隔をあけて形成されている。
各断熱凹部23は、内容器12における胴部16の容器軸O方向の全長にわたって形成されている。各断熱凹部23は、内容器12の胴部16を上側に向けて開口する上端開口部23aを有する。断熱凹部23の上端開口部23aは、胴部16と口部15との接続部分に位置していて、外容器13によって閉塞されている。各断熱凹部23は、外容器13の内周面との間に密封空間Sを画成する。流体導入孔19、及び、複数の断熱凹部23の1つ(以下、対応断熱凹部23Aと称する)それぞれの周方向の位置が、互いに同等である。
以下、複数の断熱凹部23のうち対応断熱凹部23A以外の断熱凹部23を、他の断熱凹部23Bと称する。なお、対応断熱凹部23A及び他の断熱凹部23Bを区別しないで呼ぶときは、断熱凹部23と総称する。
内容器12の胴部16において、周方向で互いに隣り合う断熱凹部23同士の間に位置する各支持部24は、外容器13の内周面を支持する。
複数の支持部24のうちの1つ(以下、固着支持部24Aと称する)が外容器13の内周面に固着されている。固着支持部24Aと外容器13の内周面とは、図示しない接着層等により固着されている。複数の支持部24のうち、固着支持部24A以外の支持部24(以下、他の支持部24Bと称する)は外容器13の内周面に剥離可能に当接している。
図示の例では、固着支持部24Aに周方向で隣り合うように、流体導入孔19と周方向の位置が同等である対応断熱凹部23Aが配置されている。なお、固着支持部24Aと対応断熱凹部23Aとの配置位置は、この例に限定されない。
なお、固着支持部24A及び他の支持部24Bを区別しないで呼ぶときは、支持部24と総称する。
図1に示すように、底部17は、胴部16に連設され、胴部16の下端開口部を閉塞している。底部17における外容器13の底壁部には、外周部に位置する接地部26と、接地部26に径方向の内側から連なり、上側に窪む陥没凹部27と、陥没凹部27内に配置された保持リブ28(底シール部)と、が形成されている。
保持リブ28は、径方向のうちの一方向に沿って直線状に延びるとともに、下側に向けて突出する突条状に形成されている。保持リブ28は、内容器12と外容器13とを径方向のうちの前記一方向に直交する他方向に重ね合わせて圧着されて形成されている。なお、保持リブ28は、底部17のパーティングラインに沿って延びる。
接地部26は、容器軸Oと同軸に配置され、環状に形成されている。
閉塞部材51は円筒状に形成されている。閉塞部材51の上端部には、周方向に沿った環状をなし径方向内側に突出する下フランジ部52が形成されている。閉塞部材51の内周面における容器軸O方向の中間部分には、径方向内側に突出する係止部53が形成されている。
閉塞部材51は、容器本体11の口部15に外嵌されている。下フランジ部52の下面は、容器本体11の口部15の上端開口縁に当接している。下フランジ部52と容器本体11の口部15との間は、下フランジ部52と口部15の上端開口縁との面接触により気密に封止されている。係止部53は、口部15の被係止部20に被係止部20の下側から係止している。閉塞部材51の下端部と口部15の平滑面15bとの間は、閉塞部材51の内周面と平滑面15bとの面接触により気密に封止されている。このように、閉塞部材51は流体導入孔19を閉塞する。
吐出栓31は、流通筒32と、流通筒32内に配置された塗布体33と、を有する。
流通筒32の外周面における容器軸O方向の中間部分には、周方向に沿った環状をなし径方向外側に突出する上フランジ部35が形成されている。上フランジ部35の外径は、容器本体11の口部15の外径と同等である。流通筒32において上フランジ部35よりも下側に位置する下側部分36は、容器本体11の口部15内に嵌合している。上フランジ部35の下面は、閉塞部材51の下フランジ部52に当接している。
流通筒32において上フランジ部35よりも上側に位置する上側部分37は、下側から上側に向かうに従い漸次縮径している。上側部分37の上端部に形成された開口が、吐出孔37aである。吐出孔37aは、容器軸Oと同軸に配置されている。吐出孔37aの内周面は、容器軸O方向の位置に関わらず内径が同等な平滑面である。上側部分37の上端部において、吐出孔37aの下側に連なる部分の内周面には、上側から下側へ向かうに従い漸次拡径する被シール面(符号省略)が形成されている。
塗布体33は、吐出孔37a内に挿通された先端部39と、先端部39の下側に連設され先端部39より大径な有頂筒状の基部40と、基部40の下側に配置された支持部材45と、基部40と支持部材45と連結する付勢部材44と、を備える。
先端部39の外径は、吐出孔37aの内径と同等若しくは若干小さい。先端部39の外周面には、容器軸O方向に沿って延びる溝39aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、図示の例では、先端部39の上側部分は、流通筒32の吐出孔37aから上側に突出している。
基部40は、流通筒32内に配設されている。基部40において先端部39に連設された天板部42の外周縁部には、シール面(符号省略)が形成されている。シール面は、上側から下側へ向かうに従い漸次拡径するとともに、流通筒32内に形成された被シール面に当接及び離間する。
支持部材45は、円筒状に形成され、流通筒32における下側部分36の下端部内に嵌合している。
付勢部材44は、容器軸O周りに螺線状に延びる樹脂バネからなる。付勢部材44の上端部は、基部40の下端縁に連結されている。付勢部材44の下端部は、支持部材45の上端縁に連結されている。
付勢部材44が上側に付勢する付勢力に抗して先端部39を下側に押し込むと、先端部39は流通筒32の吐出孔37a内に没入する。このとき、シール面と被シール面とが離間し、吐出孔37aから内容物が吐出可能となる。
キャップ61は、有頂筒状に形成された小径部62と、小径部62よりも大径であり、小径部62の下端縁に連設された大径部63と、を有する。大径部63の内周面における下端部には、容器本体11の雄ねじ部21に着脱自在に螺着する雌ねじ部64が形成されている。
小径部62と大径部63との接続部分に形成された段部65は、流通筒32の上フランジ部35の上面に当接している。
なお、キャップ61を有しない吐出容器1を採用してもよい。
次に、以上のように構成された吐出容器1の製造方法について、断熱凹部23と外容器13の内周面との間に密封空間Sを画成する工程に重点をおいて説明する。
図3に示す容器本体11は、例えば押出ブロー成形後に、各断熱凹部23と外容器13の内周面との間に密封空間Sが画成される前の状態である。流体導入孔19を、公知のパンチ処理等により形成する。
流体導入孔19から、内容器12の外周面と外容器13の内周面との間に流体を供給する。この流体は、外容器13を膨張変形させつつ流体導入孔19から下側に向けて流れ、まず雄ねじ部21に到達したときに、対応間欠部21bAを下側に向けて通過する。そして、対応間欠部21bAを通過した流体は、対応断熱凹部23Aの上端開口部23aを通して対応断熱凹部23A内に供給される。
対応断熱凹部23A内に供給された流体は、図4に示すように、対応断熱凹部23Aに周方向で隣り合う他の断熱凹部23Bにも、他の支持部24Bと外容器13の内周面との間を通過して流入する。図示の例では、対応断熱凹部23Aに周方向の一方で隣り合う固着支持部24Aは外容器13の内周面と固着されている。このため、対応断熱凹部23A内に供給された流体は、対応断熱凹部23Aに周方向の他方で隣り合う他の支持部24Bと外容器13の内周面との間を通過して、他の断熱凹部23B内に流入する。
こうして各断熱凹部23内に流体を供給して密封空間Sを画成した後で、外容器13に閉塞部材51を外嵌して、流体導入孔19を閉塞する。
ここで、密封空間Sを画成した後、外容器13の口部15に閉塞部材51を外嵌する前に外容器13が復元変形することで、各断熱凹部23内の流体が流体導入孔19から排出されるのを抑制することができる。
以上の吐出容器1は、内容器12の胴部16の外周面と外容器13の内周面との間に密封空間Sが、吐出容器1の外部と内容器12内との間の断熱層として機能する。
吐出容器1を使用するときには、例えば使用者は、吐出孔37aを下方に向けた状態で吐出容器1の胴部16を手で持ち、塗布体33を被塗布部に押し当てる。付勢部材44の付勢力に抗して、吐出孔37a内に塗布体33の先端部39を没入させると、吐出孔37aから内容物が吐出され被塗布部に塗布される。このとき、密封空間Sが断熱層となるため、吐出容器1の外部から伝達される体温及び外気温等により内容器12内の温度が変動するのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の吐出容器1によれば、内容器12の胴部16の外周面と外容器13の内周面との間に密封空間Sが配設されているので、この密封空間Sが吐出容器1の外部と内容器12内との間の断熱層として機能する。したがって、例えば、吐出容器1の外部から伝達される体温及び外気温等により、内容器12内の温度が変動するのを抑制することができる。これにより、例えば被塗布部に内容物を塗布する際に、内容物が吐出孔37aから意図せず噴出したり、容器本体11の胴部16の外径が変化したりするのを抑えること等ができる。
流体導入孔19及び対応断熱凹部23Aそれぞれの周方向の位置が、互いに同等である。このため、流体導入孔19から内容器12の外周面と外容器13の内周面との間に供給された空気を、周方向に迂回させずに短い移動距離で対応断熱凹部23Aに至らせることができる。
複数の支持部24のうち、固着支持部24Aが外容器13の内周面に固着され、残りの他の支持部24Bは外容器13の内周面に剥離可能に当接している。流体導入孔19から流体を、内容器12の外周面と外容器13の内周面との間に供給すると、この流体が複数の断熱凹部23のうちの1つの対応断熱凹部23Aに限らず、この対応断熱凹部23Aに周方向で隣り合う他の断熱凹部23Bにも、他の支持部24Bと外容器13の内周面との間を通過して流入する。したがって、例えば外容器13に複数の流体導入孔19を形成し、これらの流体導入孔19から複数の断熱凹部23に各別に流体を供給する操作を採用する必要がなく、この吐出容器1を容易に製造することができる。
対応断熱凹部23Aは、容器軸O方向に沿う口部15側に向けて開口している。これにより、流体導入孔19から内容器12の外周面と外容器13の内周面との間を胴部16側に向けて流れる流体を、対応断熱凹部23A内に上端開口部23aを通して流入させることが可能になり、流体を対応断熱凹部23A内に容易に供給することができる。
流体導入孔19、及び雄ねじ部21の対応間欠部21bAそれぞれの周方向の位置が、互いに同等である。したがって、流体導入孔19から内容器12の外周面と外容器13の内周面との間を胴部16側に向けて流れる流体が、雄ねじ部21に到達したときに、対応間欠部21bAを容器軸O方向に通過させることが可能になる。雄ねじ部21のねじ山21aによって流体の流動が阻害されてしまうのを、抑制することができる。
吐出栓31が、塗布体33を備える。このため、吐出孔37aを下方に向けた状態で、塗布体33を被塗布部に押し当てて吐出孔37a内に塗布体33を没入させると、吐出孔37aから内容物が吐出され被塗布部に内容物を塗布することができる。
なお、本実施形態では、図5に示す吐出容器2のように、雄ねじ部56が、容器本体11の口部15でなく、閉塞部材51の外周面に形成されてもよい。この場合、雄ねじ部56に間欠部は形成されなくてもよい。
図6に示す吐出容器3のように、複数の支持部24の全てが外容器13の内周面に固着される固着支持部24Aであってもよい。図示の例では、内容器12の胴部16に4つの固着支持部24Aが形成されている。
この場合、吐出容器3の製造時に、周方向で隣り合う断熱凹部23間の固着支持部24Aを通過して流体が流入しない。このため、外容器13には、各断熱凹部23に対応して複数の流体導入孔19を各別に形成する。このように、吐出容器が有する、外容器13の内周面に固着される固着支持部24Aの数は、特に限定されない。
流体導入孔19及び断熱凹部23それぞれの周方向の位置がずれていてもよい。流体導入孔19及び間欠部21bそれぞれの周方向の位置がずれていてもよい。断熱凹部23に上端開口部23aは形成されなくてもよい。これらのように構成しても、吐出容器に密封空間Sを画成する断熱凹部23が形成されていることで、内容器12内の温度の変動を抑えることができるからである。
流体導入孔19は、外容器13の口部15に形成されているとした。しかし、流体導入孔19が形成される外容器13の部位はこれに限定されず、流体導入孔19は外容器13の胴部16及び底部17に形成されてもよい。
雄ねじ部21のねじ山21aに形成される間欠部21bの数は1つでもよいし、ねじ山21aに間欠部21bが形成されなくてもよい。容器本体11とキャップ61とが螺着により接続されず、例えばアンダーカット嵌合等により接続されてもよい。
実施形態では流体は空気であるとしたが、流体はこれに限定されず、ヘリウムガス等の気体でもよいし、水等の流体でもよい。
内容物は、粉状、粒状、錠剤状等の固体のものや、液体のものであってもよい。内容物として、揮発性の高い液体を用いることも可能である。
吐出栓31として、塗布体33を有しない構成を採用してもよい。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
1、2、3 吐出容器
11 容器本体
12 内容器
13 外容器
15 口部
16 胴部
19 流体導入孔
21 雄ねじ部
21a ねじ山
21b 間欠部
23 断熱凹部
31 吐出栓
33 塗布体
37a 吐出孔
51 閉塞部材
61 キャップ
O 容器軸
S 密封空間

Claims (6)

  1. 内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体内に連通する吐出孔が形成された吐出栓と、を備える吐出容器であって、
    前記容器本体は、前記内容物が収容される内容器と、前記内容器が内部に収容されるとともに可撓性に富む外容器と、を有し、
    前記内容器の胴部には、前記外容器の内周面との間に密封空間を画成する断熱凹部が形成され、
    前記外容器には、前記断熱凹部に流体を供給する流体導入孔が形成され、
    前記外容器には、前記流体導入孔を閉塞する閉塞部材が外嵌されていることを特徴とする吐出容器。
  2. 前記流体導入孔及び前記断熱凹部それぞれの容器軸周りに沿う周方向の位置が、互いに同等であることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記断熱凹部は、前記内容器の胴部に、容器軸周りに沿う周方向に間隔をあけて複数形成され、
    前記内容器の胴部において、前記周方向で互いに隣り合う前記断熱凹部同士の間に位置して、前記外容器の内周面を支持する複数の支持部のうち、1つの前記支持部が前記外容器の内周面に固着され、残りの前記支持部は前記外容器の内周面に剥離可能に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の吐出容器。
  4. 前記容器本体は、胴部と、前記胴部より小径の口部と、を有するとともに、これらの胴部及び口部が容器軸方向に連設されてなり、
    前記流体導入孔は、前記外容器の口部に形成され、
    前記断熱凹部は、前記内容器の胴部における容器軸方向の全長にわたって形成され、前記内容器の胴部を容器軸方向に沿う前記口部側に向けて開口していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の吐出容器。
  5. 前記容器本体は、胴部と、前記胴部より小径の口部と、を有するとともに、これらの胴部及び口部が容器軸方向に連設されてなり、
    前記流体導入孔は、前記外容器の口部に形成され、
    前記容器本体の口部には、キャップが着脱自在に螺着される雄ねじ部が形成され、
    この雄ねじ部の容器軸周りに螺線状に延びるねじ山に、前記ねじ山の、容器軸周りに周回する周方向の延在を分断する間欠部が形成され、
    前記流体導入孔及び前記間欠部それぞれの前記周方向の位置が、互いに同等であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の吐出容器。
  6. 前記吐出栓は、前記吐出孔に出没可能に挿通された塗布体を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の吐出容器。
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