JP2018024925A - 電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いめっき効率を安定して確保することができる電極の製造方法を提供すること。
【解決手段】ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを水に溶解し、pHが2.0を超過するめっき液を調製し、めっき液に基材を浸漬して、電気めっきにより基材上にめっきを形成する。
【選択図】図1
【解決手段】ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを水に溶解し、pHが2.0を超過するめっき液を調製し、めっき液に基材を浸漬して、電気めっきにより基材上にめっきを形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極の製造方法、詳しくは、アルカリ水溶液の電気分解に好適な電極の製造方法に関する。
従来、各種産業分野、例えばアルカリ水溶液の電気分解に利用される合金電極が知られている。
そのような合金電極の製造方法として、例えば、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを含有し、酸を加えてpHを2以下に調整しためっき液を使用して、電極基材に電気めっきする水溶液電解用電極の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、そのような水溶液電解用電極の製造方法では、鉄、炭素およびニッケルからなる合金組成を有するめっきが、基材上に形成される。
しかるに、めっき液を使用する電気めっきでは、高いめっき効率(=実際の析出量/理論析出量×100)が望まれる。しかし、特許文献1に記載の水溶液電解用電極の製造方法では、めっき効率を十分に確保できないという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、高いめっき効率を安定して確保することができる電極の製造方法を提供することにある。
本発明[1]は、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを水に溶解してめっき液を調製する工程と、前記めっき液に基材を浸漬し、電気めっきにより、前記基材上にめっきを形成する工程と、を含み、前記めっきを形成する工程において、前記めっき液のpHが2.0を超過する、電極の製造方法を含む。
このような方法によれば、めっきを形成する工程において、めっき液のpHが上記の値を超過するので、めっき液のpHが上記の値以下である場合と比較して、高いめっき効率を安定して確保することができる。そのため、めっきを効率よく形成することができ、電気めっきに必要なコストの削減を図ることができる。
また、めっき液に、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とが溶解されているので、基材上に形成されるめっきは、ニッケル、鉄および炭素を含有する。そのような電極は、アルカリ水溶液の電気分解においてアノードやカソードとして使用できる。そのため、上記の方法によれば、アルカリ水溶液の電気分解に好適な電極(アノードやカソード)を製造することができる。
本発明[2]は、前記めっき液において、前記アミノカルボン酸の濃度が0.20mol/L以上である、上記[1]に記載の電極の製造方法を含む。
このような方法によれば、めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が上記の値以上であるので、めっきの耐久性の向上を図ることができる。
一方、めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が上記の値以上である場合、めっき効率が低下する場合がある。しかし、上記の方法によれば、めっきを形成する工程において、めっき液のpHが上記の値を超過するので、めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が上記の値以上であっても、めっき効率を十分に確保することができる。
本発明[3]は、前記めっき液を調製する工程において、コバルトの可溶性塩をさらに溶解する、上記[1]または[2]に記載の電極の製造方法を含む。
このような方法によれば、めっき液にコバルトの可溶性塩が溶解されているので、基材上に形成されるめっきはコバルトをさらに含有する。そのような電極は、アルカリ水溶液の電気分解においてカソードとして好適に使用でき、水素発生効率の向上を図ることができる。そのため、上記の方法によれば、アルカリ水溶液の電気分解により好適なカソードを製造することができる。
本発明の電極の製造方法によれば、高いめっき効率を安定して確保することができる。
1.電極の製造方法
電極の製造方法の一実施形態は、めっき液を調製する調製工程と、基材を電気めっきするめっき形成工程とを含んでいる。
電極の製造方法の一実施形態は、めっき液を調製する調製工程と、基材を電気めっきするめっき形成工程とを含んでいる。
(1)めっき液の調製工程
このような電極の製造方法では、まず、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを、公知の方法により水に溶解してめっき液を調製する。
このような電極の製造方法では、まず、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを、公知の方法により水に溶解してめっき液を調製する。
ニッケルの可溶性塩は、水可溶性のニッケル塩であり、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケルなどが挙げられる。ニッケルの可溶性塩は、単独使用または2種以上併用することもできる。ニッケルの可溶性塩のなかでは、好ましくは、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルが挙げられ、さらに好ましくは、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルの併用が挙げられる。
めっき液におけるニッケルの可溶性塩の濃度は、例えば、0.5mol/L以上、好ましくは、1.0mol/L以上、例えば、2.0mol/L以下、好ましくは、1.5mol/L以下である。
硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルが併用される場合、めっき液における硫酸ニッケルの濃度は、例えば、0.90mol/L以上1.4mol/L以下であり、めっき液における塩化ニッケルの濃度は、例えば、0.10mol/L以上0.40mol/L以下である。
鉄の可溶性塩は、水可溶性の鉄塩であり、例えば、硫酸鉄、塩化鉄、硝酸鉄などが挙げられる。鉄の可溶性塩における鉄イオンは、3価であってもよいが、好ましくは、2価である。鉄の可溶性塩は、単独使用または2種以上併用することもできる。鉄の可溶性塩のなかでは、好ましくは、硫酸鉄(II)が挙げられる。
めっき液における鉄の可溶性塩の濃度は、例えば、0.03mol/L以上、好ましくは、0.10mol/L以上、さらに好ましくは、0.12mol/L以上、例えば、0.3mol/L以下、好ましくは、0.20mol/L以下である。
アミノカルボン酸は、めっきの耐久性向上の観点からめっき液に溶解され、例えば、リシン、サッカリン、アルギニンなどが挙げられる。アミノカルボン酸は、単独使用または2種以上併用することもできる。アミノカルボン酸のなかでは、好ましくは、リシンが挙げられる。
アミノカルボン酸は、水溶性の観点から好ましくは、アミノカルボン酸塩として用いられる。アミノカルボン酸塩としては、例えば、アミノカルボン酸塩酸塩などが挙げられる。アミノカルボン酸塩のなかでは、好ましくは、リシン塩酸塩が挙げられる。
めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度は、例えば、0.05mol/L以上、好ましくは、0.20mol/L以上、さらに好ましくは、0.30mol/L以上、とりわけ好ましくは、0.45mol/L以上、例えば、1.0mol/L以下、好ましくは、0.50mol/L以下である。
めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が上記下限以上であれば、めっきの耐久性の向上を図ることができる。
また、めっき液には、電極の用途に応じて、コバルトの可溶性塩を溶解することができる。めっき液にコバルトの可溶性塩が溶解される場合、後述するめっきにCoを含有させることができ、アルカリ水溶液の電気分解に好適なカソードを製造することができる。
コバルトの可溶性塩は、水可溶性のコバルト塩であり、例えば、硫酸コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルトなどが挙げられる。コバルトの可溶性塩におけるコバルトイオンは、3価であってもよいが、好ましくは、2価である。コバルトの可溶性塩は、単独使用または2種以上併用することもできる。コバルトの可溶性塩のなかでは、好ましくは、硫酸コバルト(II)が挙げられる。
めっき液におけるコバルトの可溶性塩の濃度は、例えば、0.005mol/L以上、好ましくは、0.010mol/L以上、例えば、0.050mol/L以下、好ましくは、0.025mol/L以下である。
さらに、めっき液には、必要に応じて、めっき形成工程中の水素発生による陰極界面のpH変化を抑制する観点からホウ酸、電極界面の親水性向上の観点からアルキル硫酸エステル塩などを溶解することができる。
めっき液におけるホウ酸の濃度は、例えば、0.10mol/L以上、好ましくは、0.30mol/L以上、例えば、1.0mol/L以下、好ましくは、0.70mol/L以下である。
アルキル硫酸エステル塩としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。アルキル硫酸エステル塩は、単独使用または2種以上併用することもできる。アルキル硫酸エステル塩のなかでは、好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。
このようなめっき液のpHは、2.0を超過し、好ましくは、2.1以上、さらに好ましくは、2.2以上、例えば、5.0以下、好ましくは、3.0以下、さらに好ましくは、2.5以下である。
めっき液のpHが上記下限以上であると、高いめっき効率を安定して確保することができ、めっき液のpHが上記上限以下であると、所望する合金組成を有するめっきを確実に形成することができる。
なお、めっき液のpHは、上記の各成分が水に溶解されてめっき液が調製された時点で、上記範囲内であることが好ましい。また、必要により、めっき液に酸(例えば、硫酸、硝酸、塩酸など)を添加して、めっき液のpHを上記の範囲に調整することもできる。
(2)めっき形成工程
次いで、めっき液に、陽極を浸漬するとともに、陽極と間隔を隔てて向かい合うように基材(陰極)を浸漬する。
次いで、めっき液に、陽極を浸漬するとともに、陽極と間隔を隔てて向かい合うように基材(陰極)を浸漬する。
陽極は、金属板であって、例えば、ニッケルからなる。陽極は、好ましくは2枚準備され、2枚の陽極は、互いに間隔を隔てて向かい合うように、めっき液に浸漬される。
基材は、金属板であり、めっき形成工程において陰極として機能する。基材の材料は、特に制限されず、例えば、ニッケル、鉄、コバルトなどが挙げられる。基材の材料のなかでは、好ましくは、ニッケルが挙げられる。
そして、基材は、2枚の陽極の間において、各陽極に対して間隔を隔てて向かい合うように、めっき液に浸漬される。
次いで、めっき液の温度を、公知の方法(例えば、ウォーターバスなど)により所定の温度に調整する。
めっき形成工程におけるめっき液の温度としては、例えば、10℃以上、好ましくは、20℃以上、さらに好ましくは、30℃を超過し、とりわけ好ましくは、35℃以上、例えば、80℃以下、好ましくは、50℃以下、さらに好ましくは、40℃以下である。
めっき液の温度が上記下限以上であると、めっき効率の向上を図ることができ、めっき液の温度が上記上限以下であると、めっき液の加熱に要するエネルギーの低減を図ることができる。
そして、めっき液のpHおよび温度を上記の範囲に維持しつつ、定電流で電気めっきして、基材上にめっきを形成する。
電流密度は、例えば、50A/m2以上、好ましくは、100A/m2以上、例えば、500A/m2以下、好ましくは、300A/m2以下である。
めっき時間は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上、例えば、180分以下、好ましくは、30分以下である。
以上により、電気めっきによって基材上にめっきが形成され、基材と、基材上に形成されるめっきとを含有する電極が調製される。
めっき形成工程のめっき効率は、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上、さらに好ましくは、70%以上、とりわけ好ましくは、75%以上、例えば、95%以下である。なお、めっき効率は、実施例に記載の方法により算出される。
めっきの厚みは、例えば、0.2μm以上、好ましくは、1.5μm以上、例えば、5.0μm以下、好ましくは、2.0μm以下である。
めっき液が、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを含有し、コバルトの可溶性塩を含有しない場合、めっきは、Ni、FeおよびCを含有し、Coを含有しない合金めっき(以下、Ni−Fe−C合金めっきとする。)として形成される。
Ni−Fe−C合金中において、Niは45原子%以上96.4原子%以下、Feは3原子%以上45原子%以下、Cは0.6原子%以上10原子%以下である。
また、めっき液が、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸と、コバルトの可溶性塩とを含有する場合、めっきは、Ni、Fe、CoおよびCを含有する合金めっき(以下、Ni−Fe−Co−C合金めっきとする。)として形成される。
Ni−Fe−Co−C合金中において、Niは5原子%以上96.4原子%以下、Feは2.9原子%以上65原子%以下、Coは0.1原子%以上20原子%以下、Cは0.6原子%以上10原子%以下である。
このような電極は、各種産業分野(例えば、アルカリ水溶液の電気分解、海水の電気分解、ソーダ工業における食塩水の電気分解など)に利用でき、とりわけ、アルカリ水溶液の電気分解に好適に利用できる。特に、Ni−Fe−C合金めっきを含有する電極は、アルカリ水溶液の電気分解に好適なアノード(酸素発生電極)として利用でき、Ni−Fe−Co−C合金めっきを含有する電極は、アルカリ水溶液の電気分解に好適なカソード(水素発生電極)として利用できる。
2.アルカリ水溶液の電気分解
次に、Ni−Fe−C合金めっきを含有する電極(以下、Ni−Fe−C電極とする。)と、Ni−Fe−Co−C合金めっきを含有する電極(以下、Ni−Fe−Co−C電極とする。)とを用いたアルカリ水溶液の電気分解について説明する。
次に、Ni−Fe−C合金めっきを含有する電極(以下、Ni−Fe−C電極とする。)と、Ni−Fe−Co−C合金めっきを含有する電極(以下、Ni−Fe−Co−C電極とする。)とを用いたアルカリ水溶液の電気分解について説明する。
アルカリ水溶液のアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリは、単独使用または2種以上併用することもできる。アルカリのなかでは、好ましくは、水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度は、例えば、1.0質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
そして、Ni−Fe−C電極をアノードとして、アルカリ水溶液に浸漬するとともに、Ni−Fe−Co−C電極をカソードとして、アルカリ水溶液に浸漬する。その後、公知の条件(例えば、温度90℃)で、アルカリ水溶液を電気分解する。
これにより、Ni−Fe−C電極(アノード)において酸素が発生し、Ni−Fe−Co−C電極(カソード)において水素が発生する。
3.作用効果
上記の電極の製造方法では、めっき形成工程において、めっき液のpHが2.0を超過している。そのため、高いめっき効率を安定して確保することができる。そのため、めっきを効率よく形成することができ、電気めっきに必要なコストの削減を図ることができる。
上記の電極の製造方法では、めっき形成工程において、めっき液のpHが2.0を超過している。そのため、高いめっき効率を安定して確保することができる。そのため、めっきを効率よく形成することができ、電気めっきに必要なコストの削減を図ることができる。
また、めっき液に、ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とが溶解されているので、基材上に形成されるめっきは、ニッケル、鉄および炭素を含有する。そのため、アルカリ水溶液の電気分解に好適な電極(アノードやカソード)を製造することができる。
また、工業的にはめっき液を繰り返し利用することが望まれている。上記の電極の製造方法によれば、高いめっき効率が確保されているので、めっき液を繰り返し利用しても、めっきを効率よく形成することができる。
また、めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が0.20mol/L以上であると、めっきの耐久性の向上を図ることができる。また、めっき形成工程において、めっき液のpHが上記の値を超過するので、めっき液におけるアミノカルボン酸の濃度が上記の値以上であっても、めっき効率を十分に確保することができる。
また、めっき液にコバルトの可溶性塩が溶解されている場合、基材上に形成されるめっきはコバルトをさらに含有する。そのため、アルカリ水の電気分解により好適なカソードを製造することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」として定義されている数値)に代替することができる。
・実施例1〜4および比較例1〜3
水80mLに、硫酸ニッケル(II)六水和物[NiSO4・6H2O:ニッケルの可溶性塩]と、塩化ニッケル(II)六水和物[NiCl2・6H2O:ニッケルの可溶性塩]と、硫酸鉄(II)七水和物[FeSO4・7H2O:鉄の可溶性塩]と、硫酸コバルト(II)七水和物[CoSO4・7H2O:コバルトの可溶性塩]と、リシン塩酸塩[C6H14N2O2・HCl:アミノカルボン酸]と、ホウ酸[B(OH)3]と、ドデシル硫酸ナトリウム[C12H25SO4Na]とを溶解して、下記組成のめっき液を調製した(調製工程)。調製時のめっき液のpHは3.00であった。
水80mLに、硫酸ニッケル(II)六水和物[NiSO4・6H2O:ニッケルの可溶性塩]と、塩化ニッケル(II)六水和物[NiCl2・6H2O:ニッケルの可溶性塩]と、硫酸鉄(II)七水和物[FeSO4・7H2O:鉄の可溶性塩]と、硫酸コバルト(II)七水和物[CoSO4・7H2O:コバルトの可溶性塩]と、リシン塩酸塩[C6H14N2O2・HCl:アミノカルボン酸]と、ホウ酸[B(OH)3]と、ドデシル硫酸ナトリウム[C12H25SO4Na]とを溶解して、下記組成のめっき液を調製した(調製工程)。調製時のめっき液のpHは3.00であった。
めっき液:
NiSO4・6H2O・・・1.14mol/L
NiCl2・6H2O・・・0.19mol/L
FeSO4・7H2O・・・0.144mol/L
CoSO4・7H2O・・・0.018mol/L
C6H14N2O2・HCl・ 0.50mol/L
B(OH)3・・・・・・ 0.49mol/L
C12H25SO4Na・・・0.000104mol/L
NiSO4・6H2O・・・1.14mol/L
NiCl2・6H2O・・・0.19mol/L
FeSO4・7H2O・・・0.144mol/L
CoSO4・7H2O・・・0.018mol/L
C6H14N2O2・HCl・ 0.50mol/L
B(OH)3・・・・・・ 0.49mol/L
C12H25SO4Na・・・0.000104mol/L
その後、めっき液に、必要により濃硫酸を加えて、めっき液のpHを下記表1に示す値に調整した。
次いで、めっき液80mLに、2枚のニッケルからなる陽極を互いに間隔を隔てて向かい合うように浸漬した。そして、ニッケルからなる基材(総面積:2cm2)を、2枚の陽極の間において、各陽極と間隔を隔てて向かい合うように、めっき液に浸漬した。陽極と基材との距離は、4.5cmであった。
次いで、めっき液の温度(液温)を25℃に調整した後、当該温度を維持しつつ、電流密度300A/m2の定電流で10分間、基材を電気めっきした。これにより、基材上に、Ni、Fe、CoおよびCを含有する合金めっきが形成された。
以上によって、基材と、基材上に形成される合金めっきとを有する電極を調製した。
・実施例5〜12および比較例4〜16
めっき液のpHと、めっき液のリシン塩酸塩の濃度(リシン濃度)と、めっき液の温度とを下記表2に示す値に変更したこと以外は、実施例1〜4および比較例1〜3と同様にして、電極をそれぞれ調製した。
めっき液のpHと、めっき液のリシン塩酸塩の濃度(リシン濃度)と、めっき液の温度とを下記表2に示す値に変更したこと以外は、実施例1〜4および比較例1〜3と同様にして、電極をそれぞれ調製した。
・実施例13〜18および比較例17〜22
めっき液に硫酸コバルト(II)七水和物を溶解しなかった点、硫酸鉄(II)七水和物の濃度を0.108mol/Lに変更した点、リシン塩酸塩の濃度を0.20mol/Lに変更した点以外は、比較例7〜12と、実施例5〜7および10〜12と同様にして、電極をそれぞれ調製した。
めっき液に硫酸コバルト(II)七水和物を溶解しなかった点、硫酸鉄(II)七水和物の濃度を0.108mol/Lに変更した点、リシン塩酸塩の濃度を0.20mol/Lに変更した点以外は、比較例7〜12と、実施例5〜7および10〜12と同様にして、電極をそれぞれ調製した。
つまり、実施例13〜18および比較例17〜22のめっき液の組成は、下記のとおりであった。
めっき液:
NiSO4・6H2O・・・1.14mol/L
NiCl2・6H2O・・・0.19mol/L
FeSO4・7H2O・・・0.108mol/L
C6H14N2O2・HCl・ 0.20mol/L
B(OH)3・・・・・・ 0.49mol/L
C12H25SO4Na・・・0.000104mol/L
NiSO4・6H2O・・・1.14mol/L
NiCl2・6H2O・・・0.19mol/L
FeSO4・7H2O・・・0.108mol/L
C6H14N2O2・HCl・ 0.20mol/L
B(OH)3・・・・・・ 0.49mol/L
C12H25SO4Na・・・0.000104mol/L
なお、実施例13〜18および比較例17〜22におけるめっき液のpHと、めっき液のリシン塩酸塩の濃度(リシン濃度)と、めっき液の温度とを下記表3に示す。また、実施例13〜18および比較例17〜22では、電極は、基材と、基材上に形成され、Ni、FeおよびCを含有する合金めっきとを有していた。
<めっき効率>
各実施例および各比較例におけるめっき効率を下記のように算出した。
各実施例および各比較例におけるめっき効率を下記のように算出した。
電子天秤により、めっき前の基材およびめっき後の基材(電極)の質量を測定した。そして、めっき後の基材(電極)とめっき前の基材との質量差から、合金めっきの実際の析出量を算出した。また、通電電気量から全てNiで析出すると仮定して、理論析出量を算出した。そして、理論析出量に対する実際の析出量の百分率(実際の析出量/理論析出量×100)をめっき効率として算出した。その結果を上記表1〜表3に示す。
また、図1に実施例1〜4および比較例1〜3におけるめっき液のpHとめっき効率との相関を示す。図1では、めっき液のpHが2.0を超過すると、75%以上の高いめっき効率を確保できることが確認された。
また、図2に実施例8〜10および比較例4〜7、13〜16におけるリシン濃度とめっき効率との相関を示す。それら実施例および比較例では、リシン濃度が0.2mol/L以上であると、リシン濃度が0.2mol/L未満である場合よりも、めっきの耐久性の向上を図れることが確認された。また、図2では、リシン濃度が0.2mol/L以上であり、かつ、めっき液のpHが2.0を超過する場合、めっき液のpHが2.0以下である場合よりも、めっきの効率の向上を図ることができることが確認された。
また、図3に実施例5〜7、10〜12および比較例7〜12におけるめっき液温度とめっき効率との相関を示す。また、図4に実施例13〜18および比較例17〜22におけるめっき液温度とめっき効率との相関を示す。図3および図4では、めっき液のpHが2.0を超過する場合、めっき液の温度が25℃〜75℃の範囲において、めっき液のpHが2.0以下である場合よりも、高いめっき効率を確保できる旨、確認された。
Claims (3)
- ニッケルの可溶性塩と、鉄の可溶性塩と、アミノカルボン酸とを水に溶解してめっき液を調製する工程と、
前記めっき液に基材を浸漬し、電気めっきにより、前記基材上にめっきを形成する工程と、を含み、
前記めっきを形成する工程において、前記めっき液のpHが2.0を超過することを特徴とする、電極の製造方法。 - 前記めっき液において、前記アミノカルボン酸の濃度が0.20mol/L以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電極の製造方法。
- 前記めっき液を調製する工程において、コバルトの可溶性塩をさらに溶解することを特徴とする、請求項1または2に記載の電極の製造方法。
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