JP2018019079A - R−t−b系希土類永久磁石 - Google Patents

R−t−b系希土類永久磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】可変磁力モータに好適な、高温での保磁力およびマイナー曲線平坦性の低下率が小さいR−T−B系焼結磁石を提供すること。【解決手段】組成式(R11−x(Y1−yーzCeyLaz)x)aTbBcMdで表され、R1はY、Ce、Laを含まない1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属、MはGaまたはGaとSn、Bi、Siの1種以上とであり、0.4≦x≦0.7、0.00≦y+z≦0.20、0.16≦a/b≦0.28、0.050≦c/b≦0.070、0.005≦d/b≦0.028、0.25≦(a−2c)/(b−14c)≦2.00、0.025≦d/(b−14c)≦0.500であり、R2T14B型正方晶である主相と粒界相とを含み、全粒界相面積に対するR−T−M相、Tリッチ相およびRリッチ相の面積比率が、それぞれ10.0%以上、60.0%以下、70.0%以下であり、粒界相の被覆率が70.0%以上であるR−T−B系希土類永久磁石である。【選択図】図1

Description

本発明は、希土類永久磁石に関し、更に詳しくはR−T−B系焼結磁石の微細構造を制御した希土類永久磁石に関する。
正方晶R14B化合物を主相とするR−T−B系永久磁石(Rは希土類元素、TはFeまたはその一部がCoによって置換されたFe)は優れた磁気特性を有することが知られており、1982年の発明(特許文献1:特開昭59−46008号公報)以来、代表的な高性能永久磁石である。
希土類元素RがNd、Pr、Tb、Dy、HoからなるR−T−B系永久磁石は異方性磁界Haが大きく永久磁石材料として好ましい。中でも希土類元素RをNdとしたNd−Fe−B系磁石は、飽和磁化Is、キュリー温度Tc、異方性磁界Haのバランスが良く、資源量、耐食性において他の希土類元素Rを用いたR−T−B系永久磁石よりも優れているために広く用いられている。
民生、産業、輸送機器の動力装置として、永久磁石同期モータが用いられてきた。しかしながら、永久磁石による界磁が一定である永久磁石同期モータは、回転速度に比例して誘導電圧が高くなるため、駆動が困難となる。そのため、永久磁石同期モータは中・高速域および軽負荷時において、誘導電圧が電源電圧以上とならぬよう、電機子電流による減磁界にて永久磁石の磁束を相殺させ鎖交磁束を減少させる、弱め界磁制御という手法が適用されるようになった。しかし、減磁磁場を印可し続けるためにモータ出力に寄与しない電機子電流を常時流し続けるため、結果としてモータの効率を低下させてしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献2のように、外部から磁界を作用させることにより、磁化が可逆的に変化する低保磁力のSm−Co系永久磁石(可変磁束磁石)を用いた可変磁力モータが開発されている。可変磁力モータでは、中・高速域および軽負荷時において、可変磁束磁石の磁化を小さくすることによって、従来のような弱め界磁によるモータの効率低下を抑制することができる。
しかしながら、特許文献2に記載されているSm−Co系永久磁石は、その主要な原料であるSmおよびCoの価格が高く、高コストであるという問題があった。そこで、可変磁束磁石用の永久磁石として、R−T−B系永久磁石を適用することが考えられる。
特許文献3には、組成が(R11−xR214B(R1はY、La、Ceを含まない希土類元素の少なくとも1種であり、R2はY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素、0.1≦x≦0.5)である主相粒子を含み、更にM(MはAl、Cu、Zr、Hf、Tiの少なくとも1種)を2at%〜10at%含むことを特徴とするR−T−B系永久磁石が開示されている。このR−T−B系可変磁束磁石は、従来の可変磁力モータ用Sm−Co系永久磁石よりも高い残留磁束密度を有しているので、可変磁力モータの高出力化および高効率化が期待される。
特開昭59−46008号公報 特開2010−34522号公報 特開2015−207662号公報
通常、R−T−B系希土類永久磁石を着磁する際には、高い磁束密度および高い保磁力を得るために、当該磁石の磁化が飽和する程度の大きな磁場を印加する。このときの着磁磁場は飽和着磁磁場と呼ばれる。
一方、可変磁力モータでは、可変磁束磁石が、モータに組み込まれた状態で、電機子等の磁場により磁化曲線のマイナーループに従って可変磁束磁石の磁化状態が切り替えられることにより、トルク値にかかわらず広い範囲でモータを高効率で運転することができる。ここで、マイナーループとは、正の磁場Hmagで着磁後、逆磁場Hrevを印可し、再び磁場Hmagまで磁場を掃引する場合の磁化変化挙動を表す。
磁化の切替は、外部(例えば、ステータ等)から磁場を印加することにより行うので、省エネおよび外部から印加可能な磁場の上限の観点から磁化切替に要する着磁磁場Hmagを飽和着磁磁場よりも極めて小さくする必要がある。そのためには、まず、可変磁束磁石は低保磁力であることが求められる。
また、高効率運転範囲を広くするためには可変磁束磁石の着磁時−減磁時の磁化変化量を大きくする必要がある。そのためにはまず、上記マイナーループの角形比が高いことが求められる。また、マイナーループ中で逆磁場Hrevから磁場Hmagまで磁場を掃引する場合にできるだけHmagに近い磁場まで磁化が変化しないことが望ましい。この望ましい状態を、以降、マイナー曲線平坦性が高いと表現する。
上述したように、通常のR−T−B系希土類永久磁石においては、当該磁石を飽和着磁磁場で着磁した後、残留磁束密度、保磁力等の磁気特性が評価される。そのため、着磁磁場が飽和着磁磁場よりも小さい場合における磁気特性は評価されない。
そこで、本発明者らは、着磁磁場が飽和着磁磁場よりも小さい場合におけるR−T−B系希土類永久磁石の磁気特性を評価したところ、着磁磁場が小さくなると、マイナーループの角形比およびマイナー曲線平坦性が悪化することを見出した。すなわち、マイナーループの角形比およびマイナー曲線平坦性は、着磁磁場の大きさに影響されることを見出した。
例えば、特許文献3に係る試料について、着磁磁場を飽和着磁磁場から小さくしていくと、同じ試料であってもヒステリシスループの形状が図5に示すように変化することが判明した。図5Aは、着磁磁場が30kOeである場合のヒステリシスループを示し、図5Bは、着磁磁場が10kOeである場合のヒステリシスループを示す。図5AおよびBから明らかなように、着磁磁場が変わると、ヒステリシスループの形状が大きく変化している。
図5Aと図5Bとを比較すると、図5Bのヒステリシスループの角形比が図5Aに示すヒステリシスループの角形比よりも劣っていることに加えて、着磁磁場よりもかなり小さい磁場の印加により磁化が大きく変化している。また、図5Aに示すヒステリシスループの角形比は比較的良好であるが、図5Bと同様に、着磁磁場よりもかなり小さい磁場の印加により磁化が大きく変化している。すなわち、図5Aおよび図5Bに示すヒステリシスループのマイナー曲線平坦性は低い。以上より、着磁磁場が小さくなると、角形比およびマイナー曲線平坦性が低くなる傾向にある。
したがって、特許文献3の発明に係るR−T−B系希土類永久磁石は、保磁力は低いものの、飽和着磁状態(図5A)ですらマイナー曲線平坦性は低く、着磁磁場が低い状態(図5B)においては更に低くなり、角形比も低くなってしまう。その結果、特許文献3の発明に係るR−T−B系希土類永久磁石を可変磁束磁石として用いた可変磁力モータでは、高効率運転範囲を広くすることはできないという問題がある。換言すれば、可変磁束磁石に好適な磁石に求められる特性としては、保磁力が低いだけでは不十分であり、着磁磁場が低くても、角形比およびマイナー曲線平坦性が良好であることが求められる。
更に、可変磁力モータに組み込まれた可変磁束磁石は、モータ駆動時には100℃〜200℃といった高温環境下に晒されることもあり、室温から高温にかけて、可変磁力モータに好適な範囲の保磁力や高いマイナー曲線平坦性を維持することが重要である。この点に関しても、特許文献3の発明では、室温での磁気特性しか保証されておらず、高温では保磁力が低下するとともに、マイナー曲線平坦性も低くなり高効率運転範囲が狭くなってしまうことが予想される。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、広範囲の回転速度域において、高い効率を維持できる可変磁力モータに好適な、高温での保磁力およびマイナー曲線平坦性の低下率が小さいR−T−B系焼結磁石を提供することを目的とする。
一般的に、R−T−B系永久磁石は、高温で保磁力が大きく低下する傾向が見られる。また、R−T−B系希土類永久磁石は、ニュークリエーション型磁化反転機構を持っているため、外部から印加される磁場に応じて磁壁の移動が容易に生じて、磁化が大きく変化してしまう。そのため、マイナー曲線平坦性は、室温であっても、既に低くなっており、高温になると更に低下する傾向がある。発明者らは鋭意検討した結果、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率が小さいR−T−B系焼結磁石を実現する発明に至った。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、
組成式が、
(R11−x(Y1−yーzCeLaで表され、
(但し、R1は、Y、Ce、Laを含まない1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属、
MはGa、または、GaとSn、Bi、Siの1種以上とからなる元素であり、)
0.4≦x≦0.7、0.00≦y+z≦0.20、0.16≦a/b≦0.28、0.050≦c/b≦0.070、0.005≦d/b≦0.028であり、
さらに、0.25≦(a−2c)/(b−14c)≦2.00、0.025≦d/(b−14c)≦0.500の範囲を満たすR−T−B系希土類永久磁石であって、
前記R−T−B系希土類永久磁石は、R14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相と粒界相を含む構造を有し、
前記粒界相は、任意の断面において、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上であり、前記全粒界相面積に対するTリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0であり、前記R−T−M相以外の相)の面積比率が60.0%以下であり、
前記全粒界相面積に対するRリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0となる相)の面積比率が70.0%以下であり、
粒界相の被覆率が70.0%以上であるR−T−B系希土類永久磁石
であることを特徴とする。
本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石は、上記組成範囲を満たし、特に主相結晶粒子に含まれる希土類元素R1を、Y等で置換することにより低保磁力を達成する事が出来る。これは主相結晶粒子に含まれる希土類元素R1(Nd、Pr、Tb、Dy、Hoに代表される)の異方性磁界は、Y等に比べ高いことによるものである。本発明において、Yの一部をCe、Laに置換してもよい。Ce、LaもYと同様に、R1に比べてR−T−B化合物の異方性磁界が低いため、低保磁力化に効果的である。
Y、Ce、Laの全量に占めるCe、Laの量を上記組成範囲である0.00≦y+z≦0.20とすることで、十分に低保磁力化が可能となる。また、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率を小さくすることができる。
焼結磁石中の主相結晶粒子であるR−T−B化合物における異方性磁界の温度依存性は、Rとして上記のR1に含まれる元素を用いた場合、いずれも高温で大きな単調減少を示す。つまり、高温で保磁力も大きく単調減少を示してしまう。一方、Rとして、Y等を用いた場合、R−T−B化合物のキュリー温度が高いため、150℃付近までわずかではあるが異方性磁界の温度依存性が単調増加を示すため、高温において、保磁力もわずかではあるが単調に増加する。
上記の理由により、本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石に含まれる全希土類元素中のY等の割合を高くすることで、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を小さくする事が可能となる。
本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石は、遷移金属元素Tの原子組成比に対する希土類元素Rの原子組成比の割合、遷移金属元素Tの原子組成比に対するBの原子組成比の割合、および遷移金属元素Tの原子組成比に対する元素M(Ga、または、GaとSn、Bi、Siの1種以上とからなる元素)の原子組成比の割合を上記組成の範囲にすることにより、主相結晶粒子の周囲に存在する粒界相の被覆率が70.0%以上となる構造が得られる。それにより室温のマイナー曲線平坦性と角形比を高くすることが可能となる。
本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石は、(a−2c)/(b−14c)と、d/(b−14c)を上記組成の範囲にすることにより、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上となる。
Tリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0となる相)には、RT、RT、R17等の強磁性を示す成分を含み、面積比率は60.0%以下となる。
また、Rリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0となる相)は、常磁性または反磁性を示す成分であり、面積比率が70.0%以下となる。
前記の構造を有することにより、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を小さくすることができる。
ここで、組成パラメータとしての(a−2c)/(b−14c)とd/(b−14c)とについて説明する。(a−2c)/(b−14c)は、R−T−B系希土類永久磁石中の粒界相における希土類元素量と遷移金属元素量との比を示し、d/(b−14c)は、R−T−B系希土類永久磁石中の粒界相における元素M量と遷移金属元素量との比を示している。
本発明のR−T−B系希土類永久磁石におけるRは、R1とY,Ce,Laを上記範囲で含むことになるので、本組成の(R11−x(Y1−yーzCeLa、すなわち、主相および粒界相を含む全組成を以下の式で置き換えることが出来る。
[aR+bT+cB+dM]
ここで、粒界相に含まれる組成を想定すると、Bは主相に含まれ、粒界相成分にほとんど含まれないため、全組成から主相を構成するR−T−B化合物の基本組成であるRFe14Bを減ずることで、粒界相成分の組成を導くことができる。即ち、
[全組成]−[RFe14B組成]の式において、Bが0となるように係数を調整して、残りの成分を計算することで、粒界相組成の算出が可能となる。
[aR+bT+cB+dM]−[2cR+14cT+cB]
=[(a−2c)R+(b−14c)T+dM]
上記の式より、Rの係数(a−2c)が粒界相成分に相当する希土類元素量、Tの係数(b−14c)が粒界相成分に相当する遷移金属量、Mの係数dが粒界相成分に相当する元素M量である。
以上の計算結果より、(a−2c)/(b−14c)は粒界相成分に相当する希土類元素量と遷移金属元素量の比を表し、d/(b−14c)は粒界相成分に相当する元素M量と遷移金属元素量の比を表していることとなる。
本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石において、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型構造を有するR−T−M相(代表的な化合物はR13Mであり、反強磁性相である)の面積比率を増やすことが重要である。
また、RT、RT、R17等の強磁性であるTリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0となり前記R−T−M相以外の相)の面積比率と、常磁性または反磁性であるRリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0となる相)の面積比率と、をコントロールすることにより、主相粒子間の磁気的分離性が向上し、局所的な反磁場を低減することが可能となる。
前記Tリッチ相の存在領域は、2粒子粒界(主相結晶粒子間に存在する粒界相)や3重点(3個以上の主相結晶粒子に囲まれた粒界相)等、特定の場所に存在するというよりは、粒界相中に偏析する場合、凝集しやすい等の特性を持っている。
全粒界相面積に対する前記Tリッチ相の面積比率が60.0%を超えると、強磁性の前記Tリッチ相が粒界相中に凝集して存在する面積が増えるため、Tリッチ相が磁化反転核となり、局所的に反磁場が増加してしまう。
また、前記Rリッチ相は、3重点に偏析しやすい特性を持っているため、全粒界相面積に対する前記Rリッチ相の面積比率が70.0%を超えると、常磁性または反磁性である前記Rリッチ相が3重点にも偏析してしまい、隣接する主相結晶粒子からの漏れ磁界が粒界を貫いて回り込み、大きな局所的な反磁場が増加してしまう。
前記R−T−M相は、2粒子粒界に偏析しやすく反強磁性であるため、前記Tリッチ相と前記Rリッチ相の面積を減らすことで、主相結晶粒子が反強磁性の前記R−T−M相に被覆された状態となり、主相結晶粒子からの漏れ磁界の回り込みが起こらず、局所的な反磁場低減が実現することができる。
以上のことから、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上により、全粒界相面積に対する前記Tリッチ相の面積比率を60.0%以下、全粒界相面積に対する前記Rリッチ相の面積比率を70.0%以下にすることにより、主相結晶粒子が反強磁性の前記R−T−M相に被覆された状態を実現し、局所的な反磁場低減が実現する。これにより、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を小さくすることができる。
従って、上記組成および構造により、幅広い回転速度域にて高い効率を維持できる可変磁力モータに好適な、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さいR−T−B系希土類永久磁石を提供できる。
さらに、前記R−T−B系希土類永久磁石において、0.4≦x≦0.6、0.00≦y+z≦0.10、0.30≦(a−2c)/(b−14c)≦1.50、および0.040≦d/(b−14c)≦0.500であり、任意の断面において、全粒界相面積に対する前記R−T−M相の面積比率が20.0%以上であり、全粒界相面積に対する前記Tリッチ相の面積比率が30.0%以下であり、全粒界相面積に対する前記Rリッチ相の面積比率が50.0%以下にすることで、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を格段に小さくできる。したがって、当該R−T−B系希土類永久磁石は可変磁力モータに好適である。
本発明によれば、幅広い回転速度域にて高い効率を維持できる可変磁力モータに好適なR−T−B系希土類永久磁石において、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さいR−T−B系希土類永久磁石を提供できる。尚、本発明に係るR−T−B系希土類永久磁石は、可変磁力モータの他に発電機等の回転機全般に適用可能である。
図1は、最大測定磁場を増加させながら測定したヒステリシスループ群を示す図である。 図2は、マイナーループ群を示すモデル図である。 図3は、試料の仕様断面のSEM反射電子像を示す図である。 図4は、図3の画像の画像解析により抽出した主相結晶粒子の輪郭を示す図である。 図5Aは、着磁磁場が30kOeである場合において、特許文献3に係る試料のヒステリシスループを示す図である。 図5Bは、着磁磁場が10kOeである場合において、特許文献3に係る試料のヒステリシスループを示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石は、R14B正方晶構造の主相結晶粒子と粒界相とを含み、組成が(R11−x(Y1−y−zCeLaで表される。R1はY、Ce、Laを含まない1種以上の希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属であり、MはGa、または、GaとSn、Bi、Siの1種以上とからなる元素である。上記組成式において、以下の範囲を満たすことを特徴する。
0.4≦x≦0.7、0.00≦y+z≦0.20、0.16≦a/b≦0.28、0.050≦c/b≦0.070、0.005≦d/b≦0.028、0.25≦(a−2c)/(b−14c)≦2.00、0.025≦d/(b−14c)≦0.500である。
また、任意の断面において、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上であり、全粒界相面積に対するTリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0であり、前記R−T−M相以外の相)の面積比率が60.0%以下であり、全粒界相面積に対するRリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0)の面積比率が70.0%以下であり、粒界相被覆率が70.0%以上となる構造を得ることが可能となる。
本実施形態において、希土類元素R1は高い異方性磁界を得るためには、Nd、Pr、Dy、Tb、Hoのいずれか一種であることが好ましい。特に耐食性の観点から、Ndが好ましい。尚、希土類元素は原料に由来する不純物を含んでもよい。
本実施形態において、前記組成式の全希土類元素の合計原子組成比に占めるYとCeとLaの合計原子組成比の割合xは0.4≦x≦0.7である。xが0.4未満であると、即ち、焼結磁石全体の組成比に占めるY、Ce、Laの組成比の割合が小さくなり、主相結晶粒子内におけるYとCeとLaの組成比の割合も低い。そのため十分な低保磁力が得られない。また、xが0.7より大きいと、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性が著しく低下する。
これはR14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相(R14B相)中で、例えば、R1であるNd等から成るNd14B化合物と比較し、磁気異方性が劣るY14B化合物、Ce14B化合物、La14B化合物の影響が大きく作用する。
可変磁力モータに用いるために、低保磁力を満足し、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性をより高くするためには、xが0.4以上であることが好ましい。一方、xが0.6以下であることが好ましい。
本実施形態において、YとCeとLaの合計原子組成比に占めるCeとLaの合計原子組成比の割合y+zは0.00≦y+z≦0.20である。
y+zが0.20より大きいと、主相結晶粒子組成に占めるYの組成比の割合が少ないので十分に保磁力を低くすることができない。これはR14B相中で、Yより異方性が優れたCeが支配的になり、特性に影響を与える。
また、粒界相中のTリッチ相の面積比率が増えてしまうと、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなってしまう。これはR−T−B系希土類永久磁石中で、LaとCeが支配的になり、粒界相中にはLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相ではなく、Tリッチ相が形成しやすくなるためである。可変磁力モータに用いるために、低保磁力を満足し、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性をより高くするためには、y+zが0.09以下であることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石には、主相結晶粒子であるR14Bの基本組成における遷移金属元素Tとして、Feを必須としてFeに加えて更に他の遷移金属元素を含むことができる。この遷移金属元素としてはCoであることが好ましい。この場合、Coの含有量は1.0at%以下であることが好ましい。希土類磁石にCoを含有させることにより、キュリー温度が高くなるほか、耐食性も向上する。
本実施形態において、遷移金属元素Tの原子組成比に対する希土類元素Rの原子組成比の割合a/bは0.16≦a/b≦0.28である。
a/bが0.16未満であると、R−T−B系希土類永久磁石に含まれるR14B相が十分に生成されず、軟磁性を持つTリッチ相等が析出してしまい、2粒子粒界の厚みが十分でないために、室温における着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性が低下する。また、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率も大きくなる。
一方、a/bが0.28より大きいと、保磁力が、可変磁力モータに好適な保磁力よりも大きくなってしまう。また、粒界相中のRリッチ相が増加し、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなる。
可変磁力モータに用いるための低保磁力を満足し、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性をより高くするために、a/bが0.24以上であることが好ましい。一方、a/bが0.27以下であることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石において、遷移金属元素Tの原子組成比に対するBの原子組成比の割合c/bは0.050≦c/b≦0.070である。このようにBの含有比率をR14Bで表される基本組成の化学量論比である0.070よりも少なくする場合、余剰となった希土類元素Rと遷移金属元素Tが粒界相を形成し、隣接する主相結晶粒子間粒界相の厚みが十分に保たれるため、主相結晶粒子同士が磁気的に分離されることが可能となる。c/bが0.050より小さいとR14B相の生成が行なわれず、軟磁性を示すTリッチ相等が大量に析出するため、Tリッチ相の面積が増大し、主相結晶粒子同士が凝集しやすくなるため、2粒子粒界の厚みが十分に形成されない。
また、c/bが0.070より大きいと主相結晶粒子比率が増大して、2粒子粒界が形成されないために、いずれも室温における低磁場着磁の角形比とマイナー曲線平坦性が低下する。また、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率も大きくなる。
可変磁力モータに用いるための低保磁力を満足し、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性をより高くするためには、c/bが0.052以上であることが好ましい。一方、c/bが0.061以下であることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石は、元素Mを含有する。元素MはGa、または、GaとSn、Bi、Siの1種以上とからなる元素であり、遷移金属元素Tの原子組成比に対する元素Mの原子組成比の割合d/bは0.005≦d/b≦0.028である。d/bが0.005より小さい、またはd/bが0.028より大きいと、いずれもLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が減少する。そのため、2粒子粒界の厚みが十分でないので、室温における着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性が低下し、さらに高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなる。
可変磁力モータに用いるための低保磁力を担保し、着磁磁場が低い状態の角形比とマイナー曲線平坦性をより高くするために、d/bが0.012以上であることが好ましい。一方、d/bが0.026以下であることが好ましい。
R−T−B系希土類永久磁石に元素Mを添加することで、主相結晶粒子の表面層を反応させ、歪み、欠陥等を除去すると同時に、粒界相中のT元素との反応により、LaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の生成が促進され、反強磁性を示す厚みが十分に保持された2粒子粒界が形成される。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石は、主相結晶粒子の粉末冶金工程中での反応を促進するAl、Cu、Zr、Nbの1種以上を含有してもよい。Al、Cu、Zrの1種以上を含有することがより好ましく、Al、CuおよびZrを含有することがさらに好ましい。これらの元素の含有量は合計で0.1〜2at%とすることが好ましい。R−T−B系希土類永久磁石にこれらの元素を添加することで、主相結晶粒子の表面層を反応させ、歪み、欠陥等を除去する。
本発明の粒界相とは、2粒子粒界(主相結晶粒子間に存在する粒界相)と3重点(3個以上の主相結晶粒子に囲まれた粒界相)の両方の領域を含むものと定義する。粒界相の厚みとしては3nm以上1μm以下が好ましい。
本実施形態において、粒界相が主相結晶粒子の外周を覆う割合である粒界相の被覆率は70.0%以上である。
室温における着磁磁場が低い状態の角形比やマイナー曲線平坦性を高くするためには、主相結晶粒子が低い着磁磁場Hmagで単磁区状態になること、着磁後の単磁区状態が安定であること、および均一な逆磁区発生磁場を持つことが有効である。低い着磁磁場Hmagで単磁区状態を実現するには、局所的反磁場の低減が必要であるが、粒界相被覆率が70.0%未満になると、隣接する主相結晶粒子と直接接したり、主相結晶粒子が粒界相に被覆されない箇所が多くなることで表面にエッジが生じたりすることがある。
それにより、局所的反磁場が増大するため、低い着磁磁場Hmagで単磁区状態を保持する事が出来なくなる。そのため、隣接する主相結晶粒子同士が磁気的に交換結合して粒径の大きな主相結晶粒子と磁気的に等価となった部位が多く存在するようになり、逆磁区発生磁場のばらつきも大きくなるため、着磁磁場が低い状態の角形比およびマイナー曲線平坦性が低下する。室温における着磁磁場が低い状態の角形比およびマイナー曲線平坦性をより高くするために、粒界相被覆率は90.0%以上であることが好ましい。
なお、粒界相の被覆率は、R−T−B系永久磁石の断面において、主相結晶粒子の平均結晶粒径D50の値に応じて、主相結晶粒子の輪郭の長さの合計に対する所定の厚みの粒界相に覆われている主相結晶粒子の輪郭の長さの合計の割合として算出する。なお、D50は、主相結晶粒子の面積の累積分布が50%となる面積を有する円の直径(円相当径)である。
本実施形態において、任意の断面の全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上である。可変磁力モータにより好適となるよう、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率をより小さくするために、R−T−M相の面積比率は36.7%以上であることが好ましく、60.7%以上であることがより好ましい。
R−T−M相の面積比率が10.0%未満になると、全粒界相面積に対するTリッチ相やRリッチ相の面積比率が増大し、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなる。
本実施形態において、任意の断面の全粒界相面積に対するTリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0で前記R−T−M相を以外の相)の面積比率が60.0%以下である。
Tリッチ相の面積比率が60.0%より大きくなると、粒界相が強磁性化し、主相粒子間が磁気的に結合し、局所的反磁場も増大することから、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなる。
また、Tリッチ相は主相結晶粒子と接さない粒界相中に存在する事が好ましい。強磁性相のTリッチ相が主相結晶粒子と接してしまうと、隣接する主相結晶粒子の磁化からの漏えい磁場によってTリッチ相が磁化してしまい、局所的な反磁場が発生してしまい、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を大きくしてしまう。
可変磁力モータにより好適となるよう、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率をより小さくするために、Tリッチ相の面積比率は25.6%以下であることが好ましい。
本実施形態において、任意の断面の全粒界相面積に対するRリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0)の面積比率が70.0%以下である。Rリッチ相の面積比率が70.0%より大きくなると、常磁性または反磁性のRリッチ相が三重点に存在してしまうため、局所的反磁場が増大し、高温での保磁力の低下率およびマイナー曲線平坦性の低下率が大きくなってしまう。
また、Rリッチ相は主相結晶粒子と接さない粒界相中に存在するのが好ましい。常磁性または反磁性のRリッチ相が主相結晶粒子と接してしまうと、隣接する主相結晶粒子の磁化からの漏えい磁場が収束して粒界相を貫いて回り込み、Rリッチ相中に大きな局所的な反磁場が発生してしまい、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率を大きくしてしまう可能性がある。更に、Rリッチ相は腐食が進行しやすいことが知られており、Rリッチ相の面積比率を減少させることで耐食性も向上する。
可変磁力モータにより好適となるよう、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率をより小さくするために、Rリッチ相の面積比率は44.9%以下であることが好ましい。
以下、本件発明の製造方法の好適な例について説明する。
本実施形態のR−T−B系希土類永久磁石の製造においては、まず、所望の組成を有するR−T−B系磁石が得られるような原料合金を準備する。原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。
ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させて合金を得る方法である。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1μm〜50μmの均質な組織を有している。
原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。尚、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
本実施形態の原料金属は希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、更にはこれらの合金等を使用することができる。Al、Cu、Zr、Nbは単体あるいは合金等を使用することができる。ただし、Al、Cu、Zr、Nbは原料金属の一部に含有される場合があるため、原料金属の純度レベルを選定し、全体の添加元素含有量が所定の値になるように調整しなければならない。また、製造時に混入する不純物がある場合、その量も加味する必要がある。
本発明においてR−T−B系希土類永久磁石を得る場合、主相粒子であるR14B結晶を主体とする主相合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含み、粒界の形成に有効に寄与する合金(高R合金)とを用いる2合金法用いる。
高R合金の組成は、RとTとMの原子数を[R‘]、[T‘]、[M]としたとき、[R‘]と[T‘]の比である[R‘]/[T‘]が0.46に近いことが好ましい。また、[T‘]と[M]の比である[M]/[T‘]が0.077に近いことが好ましい。これは、LaCo11Ga型結晶構造を有する代表的なR−T−M相の基本組成の化学量論比がR13Mであり、このR−T−M相の化学量論比に近いほど、粒界相中にLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相を形成しやすくなり、全粒界相中のR−T−M相の面積比率を効果的に増加させることができる。
原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金および高R合金は別々に又は一緒に粉砕される。
粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。
水素吸蔵後の脱水素のための加熱保持の温度は、200〜400℃以上とし、望ましくは300℃とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の組成、重量等によって変わり、1kg当たり少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。尚、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径1.2μm〜6μm、望ましくは1.2μm〜4μmとする。
ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。粉砕された粉末は粉砕機内臓の分級ロータおよび粉砕機下流のサイクロンによって分級される。
微粉砕には湿式粉砕を用いても良い。湿式粉砕にはボールミルや湿式アトライタなどが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径1.5μm〜6μm、望ましくは1.5μm〜4μmとする。湿式粉砕では適切な分散媒の選択により、磁石粉が酸素に触れることなく粉砕が進行するため、酸素濃度が低い微粉末が得られる。
成形時の潤滑および配向性の向上を目的とした脂肪酸又は脂肪酸の誘導体や炭化水素を添加することができる。例えばステアリン酸系、ラウリル酸系やオレイン酸系脂肪酸類であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ラウリル酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、炭化水素であるパラフィン、ナフタレン等を微粉砕時に0.01wt%〜0.3wt%程度添加することができる。
微粉砕粉末は磁場中成形に供される。磁場中成形における成形圧力は0.3ton/cm 〜3ton/cm (30MPa〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、40%〜60%である。
印加する磁場は、960kA/m〜1600kA/m程度とすればよい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
成形体は焼結工程に供される。焼結は真空又は不活性ガス雰囲気中にて行われる。焼結保持温度および焼結保持時間は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、凡そ1000℃〜1200℃で1分〜20時間であればよいが、4時間〜20時間であることが好ましい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この時効処理工程を経た後、隣接するR14B主相結晶粒子間に形成される粒界相の構成が決定される。しかしながら、これらの微細構造はこの工程のみで制御されるのではなく、上記した焼結工程の諸条件及び原料微粉末の状況との兼ね合いで決まる。従って、熱処理条件と焼結体の微細構造との関係を勘案しながら、熱処理温度、時間及び冷却速度を設定すればよい。熱処理は400℃〜900℃の温度範囲で行えばよい。
以上の方法により、本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石が得られるが、希土類磁石の製造方法は上記に限定されず、適宜変更してよい。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石の着磁磁場Hmagと角形比とマイナー曲線平坦性の指標の定義と評価方法について説明する。
評価に必要な測定はBHトレーサーで行う。まず、本実施形態では、着磁磁場Hmagのうち、角形比とマイナー曲線平坦性が繰り返し測定に対して再現性を持つ必要最低限の磁場を、最低着磁磁場Hmagとして定義する。
具体的な評価方法を図1に示す。一定磁場間隔で最大測定磁場を増加させながらヒステリシスループを測定し、ヒステリシスループが閉じて、かつ対称な形状となる(正側と負側の保磁力の差が5%未満)場合に繰り返し測定に対する再現性が保証されるため、その必要最低限の最大測定磁場を最低着磁磁場Hmagとする。
次に最低着磁磁場における角形比は、前記最低着磁磁場Hmagで測定したマイナーループの角形比Hk_Hmag/HcJ_Hmagを用いる。ここで、Hk_Hmagは最低着磁磁場Hmagで測定したマイナーループの第2象限で残留磁束密度Br_Hmagの90%となる磁場の値、そしてHcJ_Hmagは最低着磁磁場Hmagで測定したマイナーループの保磁力である。
マイナー曲線平坦性の指標は下記のように定義し評価する。図2に逆磁場Hrevを変化させながら測定したマイナーループ群を示す。複数の逆磁場Hrevからの磁化曲線のうち、マイナーループの第2、第3象限の保磁力に相当する動作点(−HcJ_Hmag,0)からの磁化曲線(図2の太線)について、最低着磁磁場Hmag印加時の磁気分極Jsの50%となる磁場をH_50%Jsとしたとき、マイナーループの保磁力HcJ_Hmagとの比
_50%Js/HcJ_Hmag
をもってマイナー曲線平坦性の指標とする。
可変磁束磁石として使用するためには、本実施形態に係る希土類磁石の最低着磁磁場Hmagは8.0kOe以下であることが好ましく、7.0kOe以下であることがより好ましい。
また、最低着磁磁場における本実施形態に係る希土類磁石のHcJ_Hmagは7.0kOe以下であることが好ましく、5.3kOe以下であることがより好ましい。
また、最低着磁磁場における本実施形態に係る希土類磁石のHk_Hmag/HcJ_Hmagは少なくとも0.80以上であることが好ましく、0.82以上であることがより好ましい。
最低着磁磁場における本実施形態に係る希土類磁石のH_50%Js/HcJ_Hmagは少なくとも0.25以上であることが好ましく、0.35以上であることがより好ましい。
次に、本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石の高温での保磁力の低下率の評価について説明する。まず、室温(23℃)での試料の最低着磁磁場における保磁力を測定し、これをHcJ_23℃とする。次に試料を180℃に加熱し5分程度保持する。試料の温度が安定した状態にて、最低着磁磁場における保磁力を測定し、これをHcJ_180℃、とする。このとき、高温での保磁力の低下率δ(%/℃)を
δ=|(HcJ_180℃−HcJ_23℃)/HcJ_23℃/(180−23)*100|
で定義する。可変磁束磁石として使用するためには高温の保磁力の低下率は少なくとも0.45%/℃以下であるとよく、0.40%/℃以下が好ましい。
続いて、本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石の高温でのマイナー曲線平坦性の低下率の評価について説明する。まず室温(23℃)での最低着磁磁場におけるH_50%Js/HcJ_Hmagを測定し、これをP_23℃とする。次に試料を180℃に加熱し5分保持し、試料の温度が安定した状態にて、最低着磁磁場におけるH_50%Js/HcJ_Hmagを測定し、これをP_180℃とする。このとき、高温でのマイナー曲線平坦性の低下率ε(%/℃)を
ε=|(P_180℃−P_23℃)/P_23℃/(180−23)*100|
で定義する。可変磁束磁石として使用するためにはマイナー曲線平坦性の低下率は少なくとも0.30%/℃以下であるとよく、0.20%/℃以下が好ましい。
本実施形態に係る各種粒界相の組成及び面積比率は、SEM(走査型電子顕微鏡)、EPMA(波長分散型エネルギー分光法)を用いて評価することができる。上記した磁気特性を評価した試料の研磨断面の観察を行う。倍率は観測対象の研磨断面において200個程度の主相粒子が見えるように撮影するが、各粒界相のサイズや分散状態などに応じて、適宜適切に決定すればよい。研磨断面は配向軸に平行であっても、配向軸に直交していても、あるいは配向軸と任意の角度であってよい。この断面領域を、EPMAを用いて面分析し、これにより、各元素の分布状態が明らかになり、主相および各粒界相の分布状態が明らかになる。
更に、面分析を行った視野に含まれる一つ一つの粒界相をEPMAで点分析し、組成を定量的に求め、R−T−M相に属する領域と、Tリッチ相に属する領域と、Rリッチ相に属する領域を特定する。各領域において、RとTとMの原子数を[R]、[T]、[M]としたとき[R]/[T]>1.0の領域をRリッチ相、0.4≦[R]/[T]≦0.5かつ0.0<[M]/[T]<0.1の領域をR−T−M相、[R]/[T]<1.0かつR−T−M相以外の領域をTリッチ相と判別した。これらEPMAの面分析の結果と点分析の結果に基づき、同じ視野で観察したSEMによる反射電子像(組成に由来したコントラストが得られる。図3参照。)から、この観察視野画像を画像解析ソフトに取り込みR−T−M相、Tリッチ相、Rリッチ相に属する領域の面積比率を算出する。すなわち、ここでいう面積比率とは、全粒界相面積に対する各粒界相の面積の比率を意味する。
本実施形態に係るR−T−B系希土類永久磁石の主相の粒界相被覆率は、上記SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて評価することができる。同SEM反射電子像画像を画像解析ソフトに取り込み、各主相結晶粒子の輪郭を抽出し、主相結晶粒子の断面積を求めた。得られた断面積の累積分布が50%となる面積円相当径をD50とした。ここで、図4は、図3の画像の画像解析により抽出した主相結晶粒子の輪郭を示す図である。図4において、同SEM反射電子像から抽出した各主相結晶粒子1の輪郭のうち、隣り合う別の主相結晶粒子1’に接触する部分3の長さと粒界相2に接触する部分4の長さとを区別して、粒子毎に個別に算出する。ここから、全主相結晶粒子1の輪郭の長さの合計に対する粒界相と接触する部分の長さの合計の比率を粒界相被覆率として算出する。
ここでは、粒界相のうち、交換結合が切れる3nmよりも十分に広い値(D50が1.0μm以上の場合は20nm、D50が1.0μm未満の場合は5nm)以上の幅で主相と異なる組成のコントラストを持つ領域を認識し、当該領域に接触する主相結晶粒子の輪郭部分が粒界相と接触する部分として検出されている。これらの一連の測定および算出を、その試料について複数(3以上が好ましい)の磁石断面について行い、その平均値を各パラメータの代表値とする。
以下、本発明の内容を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験例1〜6)
表1の組成の低R合金、および低R合金と併せて表2の組成のR−T−B系焼結磁石が得られるような高R合金、それぞれの原料を配合し、溶解したのち、ストリップキャスト法により鋳造して、フレーク状の低R、高Rそれぞれの原料合金を得た。
Figure 2018019079
次いで、これらの原料合金に対してスタンプミルにて機械的粗粉砕を行った。
次に、粗粉砕処理を行った低R合金および高R合金の粗粉砕粉末を混合し、粉砕助剤として、ラウリル酸アミド0.1質量%を添加した後、ジェットミルを用いて微粉砕を行った。微粉砕に際しては、微粉砕粉末の平均粒径が、3.5μmとなるように、ジェットミルの分級条件を調節した。
得られた微粉砕粉末を、電磁石中に配置された金型内に充填し、1200kA/mの磁場を印加しながら120MPaの圧力を加える磁場中成形を行い、成形体を得た。
その後、得られた成形体を、焼結した。真空中1030℃で4時間保持して焼結を行った後、急冷して、焼結体(R−T−B系焼結磁石)を得た。そして、得られた焼結体を、Ar雰囲気下、590℃で1時間の時効処理を施し、実験例1〜6の各R−T−B系焼結磁石を得た。尚、本実施例では、この粗粉砕処理から焼結までの各工程を、50ppm未満の酸素濃度の不活性ガス雰囲気下で行った。
実験例1〜6のR−T−B系焼結磁石について、組成分析を行った結果を表2に示す。表2に示した各元素の含有量はICP発光分析により測定した。
Figure 2018019079
実験例1〜6で得られたR−T−B系焼結磁石について、配向軸を含む平面に沿った研磨断面をSEM及びEPMAにより観察し、粒界相の同定を行うとともに、研磨断面における主相及び各粒界相の組成を評価し、観察像を画像解析ソフトに取り込んで、各粒界相の面積比率と粒界相被覆率とを評価した結果を、表3に示す。
実験例1〜6で得られたR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサーを用いて測定した。磁気特性として、室温(23℃)において、上記で規定した最低着磁磁場Hmag、同着磁磁場Hmagで測定したマイナーヒステリシスループの保磁力HcJ_Hmag、角形比Hk/HcJ_Hmag、マイナー曲線平坦性の指標H_50%Js/HcJ_Hmagを評価し、高温(180℃)において、室温での保磁力に対する保磁力の低下率β、および高温(180℃)において、室温でのマイナー曲線平坦性に対するマイナー曲線平坦性の低下率γを求めた。結果を表3に併せて示す。
Figure 2018019079
表3に示されるように、実験例2〜5のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、0.4≦x≦0.7の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、0.4≦x≦0.6を満たす実験例2〜4において、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることが確認された。
(実験例19、7〜9)
表2に示す組成のR−T−B系焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例1と同様にして、それぞれの組成について、原料合金の鋳造、粗粉砕処理、ジェットミルによる微粉砕、成形、焼結、時効処理を行った。
実験例19、7〜9のR−T−B系焼結磁石について、実験例1と同様にして、組成分析した結果を表2に示す。また、粒界相の面積比率と粒界相被覆率を評価した結果、および磁気特性を測定した結果を、表3に併せて示す。実験例19、7、8のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、0.00≦y+z≦0.20の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、0.00≦y+z≦0.10を満たす実験例19、7において、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
(実験例10〜18、20〜28)
表2に示す組成のR−T−B系焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例1と同様にして、それぞれの組成について、原料合金の鋳造、粗粉砕処理、ジェットミルによる微粉砕、成形、焼結、時効処理を行った。
実験例10〜18、20〜28のR−T−B系焼結磁石について、実験例1と同様にして、組成分析した結果を表2に示す。また、粒界相の面積比率と粒界相被覆率を評価した結果、および磁気特性を測定した結果を、表3に併せて示す。
実験例13〜15、18〜20のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、a/b≦0.28及び(a−2b)/(c−14b)≧0.30の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、(a−2c)/(b−14c)≧0.25を満たす実験例14、15、19、20において、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
実験例24、25のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、a/b≧0.16及び(a−2b)/(c−14b)≦2.00の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、c/b≦0.070、及び0.30≦(a−2c)/(b−14c)≦1.50を満たす実験例24において、高温での保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
実験例14、15、19、20、22のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、c/b≧0.050及び(a−2b)/(c−14b)≦2.00の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、(a−2c)/(b−14c)≦1.50を満たす実験例14、15、19、20の高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
(実験例29〜44)
表2に示す組成のR−T−B系焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例1と同様にして、それぞれの組成について、原料合金の鋳造、粗粉砕処理、ジェットミルによる微粉砕、成形、焼結、時効処理を行った。
実験例29〜44のR−T−B系焼結磁石について、実験例1と同様にして、組成分析した結果を表2に示す。また、粒界相の面積比率と粒界相被覆率を評価した結果、および磁気特性を測定した結果を、表3に併せて示す。
実験例14、19、33、37、40のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、c/b≧0.050及びd/(c−14b)≦0.500の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。
実験例36、39のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、c/b≦0.070及びd/(c−14b)≧0.025の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、d/(c−14b)≧0.040を満たす実験例39の高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
実験例14、19、31〜33、36、37のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、d/b≦0.028及びd/(c−14b)≧0.025の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。更に、その中でも、d/(c−14b)≧0.040を満たす実験例14、19、32、33、37の高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率がより小さくなっていることも確認された。
実験例19、39のR−T−B系焼結磁石の室温の磁気特性で最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっていることから、d/b≧0.005の範囲で、低保磁力、高マイナー曲線平坦性、かつ、高温の保磁力の低下率やマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなることが確認された。
実験例1〜44のR−T−B系焼結磁石のうち、室温における最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たす実験例1〜5、7、8、12〜16、18〜22、24〜27、30〜33、36、37、39、40、42〜44のR−T−B系焼結磁石は、粒界相被覆率70.0%以上を満たしていた。
実験例1〜44のR−T−B系焼結磁石のうち、室温における最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっている実験例2〜5、7、8、13〜15、18〜20、22、24、25、31〜33、36、37、39、40のR−T−B系焼結磁石は、全粒界相面積に対するR−T−M相の面積率が10.0%以上であり、Tリッチ相の面積率が60.0%以下であり、Rリッチ相の面積比率が70.0%以下を満たしていた。さらに、その中でもより高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さくなっている実験例1〜4、7、14、15、19、20、24、32、33、37、39、40のR−T−B系焼結磁石は、全粒界相面積に対するR−T−M相の面積率が20.0%以上であり、Tリッチ相の面積率が30.0%以下であり、Rリッチ相の面積比率が50.0%以下を満たしていた。
(実験例19、45)
1種類の合金で表2に示す実験例45の組成のR−T−B系焼結磁石が得られるように原料を配合し、原料を溶解したのち、ストリップキャスト法により鋳造して、フレーク状の原料合金を得た。
得られた原料合金を、実験例1と同様にして粗粉砕処理、ジェットミルによる微粉砕、成形、焼結、時効処理を行った。
実験例45のR−T−B系焼結磁石について、実験例1と同様にして、組成分析した結果を表2に示す。また、粒界相の面積比率と粒界相被覆率を評価した結果、および磁気特性を測定した結果を、表3に併せて示す。実験例45のR−T−B系焼結磁石は、最低着磁磁場における角形比が0.80未満、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25未満であり、全粒界相面積に対するR−T−M相の面積率が10%未満であった。
(実験例2〜4、46〜48)
表2に示す組成のR−T−B系焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例2〜4と同様にして、それぞれの組成について、原料合金の鋳造、粗粉砕処理、ジェットミルによる微粉砕、成形、焼結、時効処理を行った。
実験例46〜48のR−T−B系焼結磁石について、実験例1と同様にして、組成分析した結果を表2に示す。また、粒界相の面積比率と粒界相被覆率を評価した結果、および磁気特性を測定した結果を、表3に併せて示す。
実験例46〜48のR−T−B系焼結磁石が、室温における最低着磁磁場が8.0kOe以下、最低着磁磁場における保磁力が7.0kOe以下、最低着磁磁場における角形比が0.80以上、最低着磁磁場におけるマイナー曲線平坦性が0.25以上を満たし、さらに高温での保磁力の低下率とマイナー曲線平坦性の低下率が小さいことから、Feの一部をCoで置換しなくても、Feの一部を置換した試料(実験例2〜4)と同様の効果が得られることが確認された。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
本発明によれば、高温環境下においても使用可能な、幅広い回転速度域にて高い効率を維持できる可変磁力モータに好適なR−T−B系焼結磁石を提供できる。
1…主相結晶粒子、1’…主相結晶粒子、2…粒界相、3…主相結晶粒子断面の輪郭のうち粒界相に接触する部分、4…主相結晶粒子断面の輪郭のうち主相結晶粒子に接触する部分

Claims (2)

  1. 組成式が、
    (R11−x(Y1−yーzCeLaで表され、
    (但し、R1は、Y、Ce、Laを含まない1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属、
    MはGa、または、GaとSn、Bi、Siの1種以上とからなる元素であり、)0.4≦x≦0.7、0.00≦y+z≦0.20、0.16≦a/b≦0.28、0.050≦c/b≦0.070、0.005≦d/b≦0.028であり、
    さらに、0.25≦(a−2c)/(b−14c)≦2.00、0.025≦d/(b−14c)≦0.500の範囲を満たすR−T−B系希土類永久磁石であって、
    前記R−T−B系希土類永久磁石は、R14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相と粒界相を含む構造を有し、
    前記粒界相は、任意の断面において、全粒界相面積に対するLaCo11Ga型結晶構造を有するR−T−M相の面積比率が10.0%以上であり、
    前記全粒界相面積に対するTリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]<1.0であり、前記R−T−M相以外の相)の面積比率が60.0%以下であり、
    前記全粒界相面積に対するRリッチ相(RとTの原子数を[R]、[T]としたとき[R]/[T]>1.0となる相)の面積比率が70.0%以下であり、
    粒界相の被覆率が70.0%以上であることを特徴とする、R−T−B系希土類永久磁石。
  2. 請求項1に記載のR−T−B系希土類永久磁石であって、0.4≦x≦0.6、0.00≦y+z≦0.10、0.30≦(a−2c)/(b−14c)≦1.50、および0.04≦d/(b−14c)≦0.50であり、任意の断面において、全粒界相面積に対する前記R−T−M相の面積比率が20.0%以上であり、全粒界相面積に対する前記Tリッチ相の面積比率が30.0%以下であり、全粒界相面積に対する前記Rリッチ相の面積比率が50.0%以下であることを特徴とするR−T−B系希土類永久磁石。
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