JP2014132628A - R−t−b系希土類焼結磁石、r−t−b系希土類焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系希土類焼結磁石、r−t−b系希土類焼結磁石の製造方法 Download PDF

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【課題】Dyの含有量を高くすることなく、保磁力の高いR−T−B系磁石を提供する。
【解決手段】希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなり、Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるR−T−B系希土類焼結磁石であって、R2Fe14Bを主として含む主相と、主相よりRを多く含む粒界相とを備えた焼結体からなり、前記粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、前記希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含み、前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が40%以上であるR−T−B系希土類焼結磁石。
【選択図】図1

Description

本発明は、R−T−B系希土類焼結磁石、R−T−B系希土類焼結磁石の製造方法に係り、特に、優れた磁気特性を有するR−T−B系希土類焼結磁石およびその製造方法に関するものである。
従来から、R−T−B系希土類焼結磁石(以下、「R−T−B系磁石」という場合がある)は、ハードディスクドライブのボイスコイルモーター、ハイブリッド自動車や電気自動車のエンジン用モーターなどのモーターに使用されている。
R−T−B系磁石は、Nd、Fe、Bを主成分とするR−T−B系合金粉末を成形して焼結することによって得られる。通常、R−T−B系合金においてRは、Ndと、Ndの一部をPr、Dy、Tb等の他の希土類元素で置換したものである。Tは、FeとFeの一部をCo、Ni等の他の遷移金属で置換したものである。Bはホウ素であり、一部をCまたはNで置換できる。
一般的なR−T−B系磁石の組織は、主に、R2T14Bで構成される主相と、主相の粒界に存在して主相よりもNd濃度の高いRリッチ相とからなる。Rリッチ相は粒界相とも呼ばれている。
また、R−T−B系合金の組成は、通常、R−T−B系磁石の組織における主相の割合を高めるために、NdとFeとBとの比が、できる限りR2T14Bに近くなるようにされている(例えば、非特許文献1参照)。
また、R−T−B系合金には、R2T17相が含まれている場合がある。R2T17相は、R−T−B系磁石の保磁力や角形性を低下させる原因となることが知られている(例えば、特許文献1参照)。このため、従来、R−T−B系合金にR2T17相が存在する場合、R−T−B系磁石を製造するための焼結過程で消滅させている。
また、自動車用モーターに用いられるR−T−B系磁石は、モーター内で高温に曝されるため、高い保磁力(Hcj)が要求される。
R−T−B系磁石の保磁力を向上させる技術としては、R−T−B系合金のRをNdからDyに置換する技術がある。しかしながら、Dyは資源が偏在しているうえ、産出量も限られているためにその供給に不安が生じている。このため、R−T−B系合金に含まれるDyの含有量を多くすることなく、R−T−B系磁石の保磁力を向上させる技術が検討されている。
R−T−B系磁石の保磁力(Hcj)を向上させるために、Al,Si,Ga,Snなどの金属元素を添加する技術がある(例えば、特許文献2参照)。また、特許文献2に記載されているように、Al,Siは、不可避的不純物としてR−T−B系磁石に混入することが知られている。
また、通常、R−T−B系磁石には、保磁力(Hcj)を向上させるために、Cuが添加されている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2007−119882号公報 特開2009−231391号公報
佐川 眞人、永久磁石−材料科学と応用−2008年11月30日、初版第2刷発行、256ページ〜261ページ 佐川 眞人、ネオジム磁石のすべて−レアアースで地球を守ろう−2011年4月30日、初版第1刷発行、42ページ〜43ページ
しかしながら、従来の技術では、R−T−B系合金にAl,Si,Ga,Sn、Cuなどの金属元素を添加したとしても、充分に保磁力(Hcj)の高いR−T−B系磁石を得ることができない場合があった。その結果、上記金属元素を添加してもDy濃度を高くする必要があった。このため、Dyの含有量を高くすることなく、保磁力の高いR−T−B系磁石を供給することが要求されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、Dyの含有量を高くすることなく、保磁力の高いR−T−B系磁石を提供することを課題とする。
また、上記の保磁力の高いR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。
その結果、R−T−B系磁石が、R2Fe14Bを主として含む主相と、主相よりRを多く含む粒界相とを備え、粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含むことで保磁力の高いR−T−B系磁石が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、粒界相中に含まれる強磁性の遷移金属リッチ相の体積率が40%以上であるR−T−B系磁石とすることで、高い保磁力が得られることを見出した。
従来、粒界相が非磁性でないと磁化反転が生じてしまうため、保磁力を向上させるためには、粒界相は非磁性でなくてはならないと考えられていた。
本発明において、粒界相中に含まれる強磁性の遷移金属リッチ相の体積率を40%以上にすることにより高い保磁力が得られる理由は、遷移金属リッチ相の飽和磁化が主相と比較して小さいため、主相の磁化反転が起こりにくくなることによるものと推定される。
(1) 希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなり、Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるR−T−B系希土類焼結磁石であって、
R2Fe14Bを主として含む主相と、主相よりRを多く含む粒界相とを備えた焼結体からなり、
前記粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、前記希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含み、前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が40%以上であることを特徴とするR−T−B系希土類焼結磁石。
(2) Cuを0.05〜0.2原子%含むことを特徴とする(1)に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
(3) 前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が50%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
(4) 前記主相と前記粒界相との面積率の比が70:30〜98:2であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
(5) 前記Mを0.7〜1.4原子%含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
(6) (1)〜(5)のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法であって、
希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなり、Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるR−T−B系希土類焼結磁石用合金材料を成形して800℃〜1200℃で焼結する工程と、
前記焼結後に、650℃〜900℃に加熱する第1熱処理工程と、
前記第1熱処理工程後200℃以下まで冷却した後に、450℃〜600℃に加熱する第2熱処理工程とを行うことを特徴とするR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法。
(7) Cuを0.05〜0.2原子%含むことを特徴とする(6)に記載のR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法。
本発明のR−T−B系希土類焼結磁石は、所定の組成を有し、主相と粒界相とを備えた焼結体からなり、粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、前記希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含み、前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が40%以上のものであるので、Dyの含有量を高くすることなく、高い保磁力が得られる。
本発明のR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法では、所定の組成のR−T−B系希土類焼結磁石用合金材料を成形して800℃〜1200℃で焼結した後に、650℃〜900℃に加熱する第1熱処理工程と、前記第1熱処理後200℃以下まで冷却した後に、450℃〜600℃に加熱する第2熱処理工程とを行うので、粒界相中に強磁性である遷移金属リッチ相を面積率で40%以上含み、高い保磁力を有するR−T−B系希土類焼結磁石が得られる。
図1は、実験例1〜7のR−T−B系磁石の粒界相中の遷移金属リッチ相に含まれるAlの含有量(原子%)と、保磁力(Hcj)との関係を示したグラフである。 図2は、実験例8〜23のR−T−B系磁石の粒界相中の遷移金属リッチ相に含まれるGaの含有量(原子%)と、保磁力(Hcj)との関係を示したグラフである。 図3は、実験例24〜27のR−T−B系磁石の保磁力(Hcj)とCu含有量との関係を示したグラフである。 図4は、実験例10のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ層の透過電子顕微鏡像を示したものである。 図5aは、図4に示す遷移金属リッチ層の4方向からの電子線回折パターンを示したものであり、<103>入射計算パターンを示したものである。 図5bは、図4に示す遷移金属リッチ層の4方向からの電子線回折パターンを示したものであり、<021>入射計算パターンを示したものである。 図5cは、図4に示す遷移金属リッチ層の4方向からの電子線回折パターンを示したものであり、<315>入射計算パターンを示したものである。 図5dは、図4に示す遷移金属リッチ層の4方向からの電子線回折パターンを示したものであり、<17>入射計算パターンを示したものである。 図6aは、Nd6Fe13M結晶のNdサイトの結晶場係数と金属元素との関係を示したグラフである。 図6bは、Nd6Fe13M結晶のNdサイトの結晶場係数と金属元素との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔R−T−B系磁石〕
本実施形態のR−T−B系希土類焼結磁石(以下、「R−T−B系磁石」と略記する。)は、希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなる組成を有している。
本実施形態のR−T−B系磁石は、上記Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるものである。
希土類元素であるRの含有量が14.5原子%以上であると、高い保磁力を有するR−T−B系磁石となる。Rの含有量が15原子%を超えると、R−T−B系磁石の残留磁化が低くなり磁石として不適合になる。
全希土類元素中のDyの含有量は0〜65原子%とされている。本実施形態においては、遷移金属リッチ相を含むことにより、保磁力を向上させているので、Dyを含まなくても良いし、Dyを含む場合でも65原子%以下の含有量で充分に高い保磁力向上効果が得られる。
R−T−B系磁石のDy以外の希土類元素Rとしては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、Yb、Luが挙げられ、中でも特に、Nd、Pr、Tbが好ましく用いられる。また、希土類元素Rは、Ndを主成分とすることが好ましい。
R−T−B系磁石に含まれるBは、ホウ素であり、一部をCまたはNで置換できる。B含有量は4.5原子%以上、5.5原子%以下である。Bの含有量は、4.8原子%以上であることがより好ましく、5.3原子%以下であることがより好ましい。R−T−B系磁石に含まれるBの含有量を4.5原子%以上とすることで、十分な保磁力が得られる。また、Bの含有量を5.5原子%以下とすることで、R−T−B系磁石を製造する工程において遷移金属リッチ相が十分に生成されるものとなる。
本実施形態のR−T−B系磁石に含まれる遷移金属リッチ層は、主としてR6T13M型の金属化合物(Mは金属元素(Alおよび/またはGaに限らない))からなる。R6T13M型の金属化合物は、遷移金属リッチ層に含まれており、主相には含まれていない。R6T13M型の金属化合物は、RがNd、TがFe、MがSi,Al,Cu,Gaなどである場合、Tetragonalの結晶系でありI4/mcmの空間群をもつことが知られている。Nd6Fe13Mの結晶磁気異方性は、計算技術を用いて計算できる。Nd6Fe13Mは、M元素の種類によってc軸異方性的である場合とab面内異方性的である場合とがある。c軸異方性的とは、R6T13Mの結晶構造のR原子すなわちNd原子のうち、c軸異方性をもつNd16lサイトにあるNd原子が磁気異方性に強く寄与する場合をいう。また、ab面内異方性的とは、同じくNd原子のうち、ab面内異方性をもつNd8fサイトにあるNd原子が磁気異方性に強く寄与する場合をいう。
具体的には、図6aおよび図6bに示すように、Nd6Fe13Mは、M元素がAl,Ga,In,Si,Ge、Snである場合はc軸異方性的であり、Cu,Ag,Zn、Cd、As、Sb、Biである場合はab面内異方性的である。また、主相であるR2T14Bは、Nd6Fe13Mよりも飽和磁化が大きいものである。
図6aおよび図6bは、Nd6Fe13M結晶(Mは金属元素であり、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Biのいずれかである)のNdサイトの結晶場係数と金属元素との関係を示したグラフである。
また、図6aおよび図6b中には、Nd6Fe13M結晶の金属元素Mとして、図6aおよび図6bに示す金属元素を含有させた場合に、Nd6Fe13Mがc軸異方性的であるか、ab面内異方性的であるかを記入した。図6aに示す8fサイトの結晶場係数が大きな値であり、図6bに示す16lサイトの結晶場係数が小さな値をとなるほど、結晶の一軸異方性(c軸異方性)が大きくなる。本発明者が実験した結果、Nd6Fe13Mの一軸異方性が大きくなる遷移金属リッチ相を磁石中に存在させるほど、高い保磁力が得られる傾向がみられた。
本実施形態のR−T−B系磁石は、Alおよび/またはGaである金属元素Mを0.1〜2.0原子%含むものである。金属元素Mの含有量は0.7原子%以上であることが好ましい。また、金属元素Mの含有量は1.4原子%以下であることが好ましい。
AlおよびGaが、Nd6Fe13M型の金属化合物のM元素である場合、Nd6Fe13Mはc軸異方性的となる。本実施形態のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ層は、R6T13M型の強磁性体であり、かつ遷移金属リッチ相の飽和磁化が主相と比較して小さい。そのため遷移金属リッチ層の金属元素Mとして、Nd6Fe13M型がc軸異方性を有するものとなる元素を含有させると、遷移金属リッチ層が主相と同じc軸異方性を有するものとなる。その結果、主相の磁区反転の起点が発生しにくくなるので、遷移金属リッチ相を含むR−T−B系磁石における保磁力向上が顕著になると推定される。
金属元素Mの含有量を0.1原子%以上とすることで、R−T−B系磁石を製造する工程において遷移金属リッチ相が十分に生成されるものとなる。金属元素MがAlである場合、Alの含有量を2.0原子%以下とすることで、R−T−B系磁石を製造する工程においてAl原子が主相に入ってしまうことによる残留磁化の低下を抑制できる。また、金属元素MがGaである場合、Gaは主相には入らず、遷移金属リッチ層に入りやすいため、好ましい。金属元素MがGaである場合、Gaを2.0原子%を超えて含有させても、保磁力向上効果は飽和する。
本実施形態のR−T−B系磁石は、Cuを含むものである。Cuは0.05〜0.2原子%含むことが好ましい。Cuが0.05原子%未満である場合、焼結が不十分となり特性がばらつくことがある。また、Cuを含まない場合には、焼結が不十分となるために十分な保持力が得られない。Cuを0.05原子%以上含有させることにより、R−T−B系磁石を容易に焼結できる。また、Cuの含有量を0.2原子%以下にすることで、Cuを含有することによる保磁力の低下を十分に抑制できる。
従来、Cuは、保磁力(Hcj)を向上させるために含有されていた。しかし、本実施形態のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ層は、R6T13M型の強磁性であり、かつ遷移金属リッチ相の飽和磁化が主相と比較して小さい。CuがNd6Fe13M型の金属化合物のM元素である場合、Nd6Fe13Mはab面内異方性的であるので、Cuを含有させると保磁力が低下する。この理由は、粒界相中に含まれる強磁性の遷移金属リッチ相の体積率が40%以上である本実施形態のR−T−B系磁石では、ab面内異方性的である遷移金属リッチ相量が多くなると、主相の磁区反転の起点が発生しやすくなるためであると推定される。
R−T−B系磁石に含まれるTは、Feを必須とする遷移金属である。R−T−B系磁石のTに含まれるFe以外の遷移金属としては、種種の3〜11族元素を用いることができる。R−T−B系磁石のTがFe以外にCoを含む場合、Tc(キュリー温度)を改善することができ好ましい。
本実施形態のR−T−B系磁石は、R2Fe14Bを主として含む主相と、主相よりRを多く含む粒界相とを備えた焼結体からなるものである。本実施形態のR−T−B系磁石においては、主相と粒界相との面積率の比が、70:30〜98:2であることが好ましく、90:10〜96:4であることがより好ましい。主相と粒界相との面積率の比が上記範囲である場合、十分な飽和磁化を確保しつつ、高い保磁力が得られるものとなるため好ましい。
本実施形態のR−T−B系磁石においては、粒界相が、希土類元素Rの合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、希土類元素Rの合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含んでいる。遷移金属リッチ相は、Feを必須とする遷移金属であるTを50〜70原子%含むものであることが好ましい。遷移金属リッチ相は、強磁性であるが、飽和磁化が主相と比較して小さいため、高い保磁力が得られるものと推定される。
本実施形態のR−T−B系磁石においては、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率は40%以上とされている。粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率は50%以上であることが好ましい。粒界相中に、強磁性である遷移金属リッチ相の面積率が40%以上含まれていると、遷移金属リッチ相によって主相粒子を均一に取り囲むことができ、保磁力向上効果が十分に得られる。粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が90%を超えると、残留磁化(Br)や最大エネルギー積(BHmax)など磁気特性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。このため、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率は、90%以下とすることが好ましい。
本実施形態においては、遷移金属リッチ相中のFeの原子濃度は、50〜70原子%であることが好ましい。遷移金属リッチ層は、主としてR6T13M型の金属化合物を含むものであるので、この場合のFeの原子濃度65原子%に近い値となる。遷移金属リッチ相中のFeの原子濃度が上記範囲内であると、遷移金属リッチ相が含まれていることによる保磁力(Hcj)向上効果が、より効果的に得られる。これに対し、遷移金属リッチ相のFeの原子濃度が上記範囲を超えると、R2T17相あるいはFeが析出して磁気特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本実施形態において、主相と粒界相との面積率の比および粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率は、以下に示す方法によって算出できる。
すなわち、着磁する前のR−T−B系磁石をエポキシ樹脂に埋め込み、磁化容易軸(C軸)に平行な面を鏡面研磨する。その後、鏡面研磨面を、走査電子顕微鏡の反射電子像にて1500倍の倍率で観察し、そのコントラストにより主相、Rリッチ相、遷移金属リッチ相を判別する。その後、主相、Rリッチ相、遷移金属リッチ相の面積をそれぞれ算出し、その結果を用いて、主相と粒界相との面積率の比および粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を算出する。
〔R−T−B系磁石の製造方法〕
本実施形態のR−T−B系磁石の製造方法では、まず、R−T−B系希土類焼結磁石用合金材料(以下、「R−T−B系合金材料」と略記する。)を用意する。
本実施形態において用いられるR−T−B系合金材料は、上述したR−T−B系磁石と同様の組成を有するものである。したがって、R−T−B系合金材料に含まれるR−T−B系合金は、Bを4.5〜5.5原子%含むものであり、R−T−B系合金材料は、Alおよび/またはGaである金属元素Mを0.1〜2.0原子%含むものである。
R−T−B系合金材料に含まれるB及び金属元素Mを所定濃度にすることにより、R−T−B系磁石を作成した時に、R6T13M型の金属化合物が主である遷移金属リッチ相を作製できる。この合金材料の組成範囲は、従来のR−T−B系磁石において組織における主相の割合を高めるために定められているNdとFeとBとの比に比べて、B比が小さい限られた範囲になっている。この組成範囲のR−T−B系合金材料には、磁石としては望ましくないR2T17相が含まれることになる。本実施形態では、R−T−B系合金材料としてBが少なく遷移金属がリッチでR2T17相を含むものを用い、さらに焼結後の熱処理条件を適切化することによって、遷移金属リッチ相が主としてR6T13M型の金属化合物を含むR−T−B系磁石を製造する。
R−T−B系合金材料に含まれる金属元素Mは、R−T−B系磁石を製造するための焼結および後述する第1熱処理工程、第2熱処理工程において、遷移金属リッチ相の生成を促進させて保磁力(Hcj)を効果的に向上させるものである。
R−T−B系合金材料に金属元素Mが0.1原子%以上含まれていると、遷移金属リッチ相の生成を促進させる効果が十分に得られるため、容易に粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を40%以上とすることができる。R−T−B系合金材料中の金属元素Mが2.0原子%を超えると、これを用いて製造されたR−T−B系磁石の磁化(Br)や最大エネルギー積(BHmax)などの磁気特性が低下する。
また、Bを4.5〜5.5原子%含むR−T−B系合金中には、R2T17相が含まれている。R2T17相は、後述するR−T−B系合金を焼結してR−T−B系磁石とした後に行われる第1熱処理工程および第2熱処理工程において、金属元素Mとともに遷移金属リッチ相の原料として使用されると推測される。
本実施形態において用いられるR−T−B系合金材料は、上述したR−T−B系磁石と同様の組成を有するR−T−B系合金からなるものであってもよい。また、上述したR−T−B系磁石から金属元素Mを除いた組成を有するR−T−B系合金と、金属元素Mを含む合金からなる添加金属とを含むものであってもよい。また、上述したR−T−B系磁石から金属元素Mの一部を除いた組成を有するR−T−B系合金と、残部の金属元素Mを含む合金からなる添加金属とを含むものであってもよい。
R−T−B系合金材料に含まれるR−T−B系合金は、例えば、以下に示す方法を用いて製造できる。
まず、SC(ストリップキャスト)法により、例えば、1450℃程度の温度の所定の組成の合金溶湯を鋳造して鋳造合金薄片を製造する。この時、鋳造後の鋳造合金薄片の冷却速度を700〜900℃で一時的に遅くして、合金内の成分の拡散を促す処理を行っても良い。
なお、本実施形態において用いられるR−T−B系合金は、SC法を用いて製造されるものに限定されるものではない。例えば、R−T−B系合金は、遠心鋳造法、ブックモールド法などを用いて鋳造してもよい。
その後、得られた鋳造合金薄片を、水素解砕法などにより解砕し、ジェットミルなどの粉砕機により粉砕することによってR−T−B系合金が得られる。
水素解砕法は、例えば、室温で鋳造合金薄片に水素を吸蔵させ、300℃程度の温度で水素中で熱処理した後、減圧して水素を脱気し、その後、500℃程度の温度で熱処理して鋳造合金薄片中の水素を除去するという手順で行われる。
水素解砕法において水素が吸蔵された鋳造合金薄片は、体積が膨張するので、合金内部に容易に多数のひび割れ(クラック)が発生し、解砕される。
本実施形態においては、このようにして得られたR−T−B系合金を含むR−T−B系合金材料からなる粉末に、潤滑剤として0.02質量%〜0.03質量%のステアリン酸亜鉛を添加し、横磁場中成型機などを用いてプレス成形して、真空中で800℃〜1200℃焼結し、その後、熱処理することによりR−T−B系磁石を製造する。
焼結後の熱処理としては、650℃〜900℃に加熱する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後200℃以下まで冷却した後に、450℃〜600℃に加熱する第2熱処理工程とを行う。
焼結温度が800℃〜1200℃であると、R−T−B系磁石となる粒子が、焼結しても解砕したままの粒子径から著しく成長しないため、緻密な焼結体が得られる。焼結温度が800℃未満では焼結できない。焼結温度が1200℃を超えると、R−T−B系磁石となる粒子が焼結により過剰に成長するため、R−T−B系磁石の保磁力および角形性が大きく低下する。焼結温度は、1000〜1100℃であることが好ましい。
焼結時間は、0.5時間〜20時間であることが好ましい。焼結時間が上記範囲内であると、R−T−B系磁石となる粒子が、焼結しても解砕したままの粒子径から著しく成長しないため、緻密な焼結体が得られる。焼結時間が0.5時間未満であると、焼結できない場合がある。焼結熱時間が20時間を超えると、焼結によりR−T−B系磁石となる粒子が過剰に成長して、R−T−B系磁石の保磁力および角形性が大きく低下するため、好ましくない。
第1熱処理工程における加熱温度が650℃〜900℃であると、希土類元素Rの合計原子濃度が70原子%以上であるRリッチ相が液相となるため、遷移金属リッチ相が生成しやすいRリッチ相の分布状態とされる。このため、第1熱処理工程後に第2熱処理工程を行って、遷移金属リッチ相の生成を促進させることで、遷移金属リッチ相およびRリッチ相が均一に分布し、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上であるR−T−B系磁石が得られる。また、合金材料中のB及びM元素濃度を所定濃度に制御しているため、第1熱処理工程において、R−T−B系磁石のR6T13M型の金属化合物が主である遷移金属リッチ相が得られる。
第1熱処理工程における加熱温度が650℃未満であると、第1熱処理工程を行ってもRリッチ相の分布が均一とならないため、第2熱処理工程後に得られるR−T−B系磁石中の遷移金属リッチ相およびRリッチ相の分布が偏ったものとなり、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上とならない。加熱温度が900℃を超えると、遷移金属リッチ相が分解するため、第2熱処理工程後に得られるR−T−B系磁石の粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上とならない。加熱温度は、650〜900℃であることが好ましく、750℃〜850℃がさらに好ましい。
第1熱処理工程における保持時間は、0.5時間〜3時間であることが好ましい。保持時間が上記範囲内であると、第1熱処理工程を行うことによる効果が、第1熱処理工程後の磁石全体にわたってより効果的に得られるため、第2熱処理工程後に、遷移金属リッチ相およびRリッチ相が磁石全体に均一に分布している保磁力の高いR−T−B系磁石が得られる。保持時間が0.5時間未満であると、第1熱処理工程中の磁石内の温度分布が不均一となるため、第2熱処理工程後に得られるR−T−B系磁石中の粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上となりにくくなる。保持時間が3時間を超えると、第1熱処理工程に要する時間が長時間となることにより生産性に支障を来すため好ましくない。
本実施形態においては、第1熱処理工程後200℃以下まで冷却した後に加熱する第2熱処理工程を行うので、第1熱処理工程を行うことにより遷移金属リッチ相が生成しやすいRリッチ相の分布状態とされている磁石に対して、450℃〜600℃での加熱を行うことができる。
第1熱処理工程後200℃以下まで冷却せずに450℃〜600℃に加熱した場合、450℃〜600℃に加熱する前の磁石が、Rリッチ相が局在している状態であるため、第2熱処理工程を行っても均一に遷移金属リッチ相を分布させることができなくなり、R−T−B系磁石中の粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上とならなくなる。
第2熱処理工程は、第1熱処理工程後、室温まで冷却した後に加熱する工程であることが好ましい。
第2熱処理工程において、第1熱処理工程後200℃以下まで冷却する際における冷却速度は、第1熱処理工程における熱処理温度から200℃以下まで1時間以内に冷却する速度であることが好ましい。冷却速度を上記範囲とすることで、遷移金属リッチ相の分布がより一層均一であるR−T−B系磁石が得られる。第1熱処理工程における熱処理温度から200℃以下まで冷却する時間が1時間を越える場合、隣接する主相粒子同士が接触して孤立した粒子の状態を実現できなくなり、好ましくない。冷却速度が200℃/min以上であると、第1熱処理工程後200℃以下まで冷却している時の磁石内の温度が不均一となり、第2熱処理工程後に得られるR−T−B系磁石の特性のバラつきが大きくなるため、好ましくない。
第2熱処理工程における加熱温度が450℃〜600℃であると、遷移金属リッチ相の生成が十分に促進されるため、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を40%以上とすることができる。加熱温度が450℃未満であると、第2熱処理工程における希土類元素Rと2−17相(R2T17相)と金属元素Mとの反応が不十分となり、遷移金属リッチ相が十分に生成されないため、本発明のR−T−B系磁石が得られない。加熱温度が600℃を超えると、原子の再配置が生じて、遷移金属リッチ相が十分に生成されないため、本発明のR−T−B系磁石が得られない。
第2熱処理工程における保持時間は、0.5時間〜3時間であることが好ましい。保持時間が上記範囲内であると、希土類元素Rと2−17相(R2T17相)と金属元素Mとが十分に反応し、遷移金属リッチ相の生成がより効果的に促進される。保持時間が0.5時間未満であると、遷移金属リッチ相の生成量を確保しにくくなるため、好ましくない。保持時間が3時間を越えると、粒界相の分布が均一でなくなるため好ましくない。
第1熱処理工程および第2熱処理工程における加熱は、R−T−B系磁石の酸化を防ぐために、アルゴン雰囲気中で行うことが好ましい。
第1熱処理工程および第2熱処理工程を行うことによって得られる遷移金属リッチ相の生成量は、第1熱処理工程および第2熱処理工程における保持時間の増大に伴って増加する傾向にある。しかし、第2熱処理工程を行った後に、R−T−B系磁石が、遷移金属リッチ相の分解温度以上の高温とされた場合には、遷移金属リッチ相の一部または全部が分解されて減少する可能性がある。
本実施形態においては、所定の組成のR−T−B系合金材料を成形して800℃〜1200℃で焼結した後に、650℃〜900℃に加熱する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後200℃以下まで冷却した後に、450℃〜600℃に加熱する第2熱処理工程とを行うので、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を40%以上とすることができる。
さらに、R−T−B系合金材料の組成を本発明の範囲で調節するとともに、焼結温度などの焼結条件や第1熱処理工程および第2熱処理工程における加熱温度などの条件を調整することにより、R−T−B系磁石の粒界相中における遷移金属リッチ相の面積率を50%以上の好ましい範囲とすることができる。そして、R−T−B系磁石の粒界相中における遷移金属リッチ相の面積率を調整することによって、Dyの含有量を抑制しつつ、用途に応じた所定の保磁力を有するR−T−B系磁石が得られる。
本実施形態のR−T−B系磁石は、上述した組成からなるものであって、主相と粒界相とを備えた焼結体からなり、粒界相がRリッチ相と強磁性である遷移金属リッチ相とを含み、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が40%以上であるものであるので、Dyの含有量を抑制しつつ、高い保磁力を有し、モーターに好適に用いられる優れた磁気特性を有するものとなる。
なお、本実施形態においては、焼結後のR−T−B系磁石の表面に、Dy金属もしくはDy化合物を付着させてから第1熱処理工程を行ってもよい。
具体的には、例えば、エタノールなどの溶媒とフッ化ジスプロシウム(DyF)とを所定の割合で混合してなる塗布液中に、焼結後のR−T−B系磁石を浸漬させることにより、R−T−B系磁石に塗布液を塗布する。その後、塗布液の塗布されたR−T−B系磁石に対して、第1熱処理工程と第2熱処理工程とをこの順で行う。
この場合、第1熱処理工程および第2熱処理工程を行うことにより、遷移金属リッチ相が生成されるとともに、Dyが焼結磁石内部に拡散されるので、焼結磁石表面のDy濃度が内部のDy濃度よりも高く、さらに高い保磁力を有するR−T−B系磁石が得られる。
上記以外の方法で焼結後、第1熱処理工程を行う前のR−T−B系磁石の表面に、Dy金属もしくはDy化合物を付着させる方法として、例えば、金属を気化させて磁石表面にこれらの膜を付着させる方法や、有機金属を分解させて表面に膜を付着させる方法などを用いても良い。
また、焼結後のR−T−B系磁石の表面には、Dy金属もしくはDy化合物に代えて、Tb金属もしくはTb化合物を付着させてから第1熱処理工程を行ってもよい。
この場合、焼結後、第1熱処理工程を行う前のR−T−B系磁石の表面に、Dy金属もしくはDy化合物を付着させる方法と同様にして、Tb金属もしくはTb化合物を付着させることができる。
そして、Tb金属もしくはTb化合物を付着されたR−T−B系磁石に対して、第1熱処理工程と第2熱処理工程とをこの順で行うことにより、遷移金属リッチ相が生成されるとともに、Tbが焼結磁石内部に拡散されるので、焼結磁石表面のTb濃度が内部のTb濃度よりも高く、さらに高い保磁力を有するR−T−B系磁石が得られる。
「実験例1〜29」
Ndメタル(純度99wt%以上)、Prメタル(純度99wt%以上)、Alメタル(純度99wt%以上)、フェロボロン(Fe80%、B20w%)、鉄塊(純度99%wt以上)、Gaメタル(純度99wt%以上)、Cuメタル(純度99wt%)を表1に示す組成となるように秤量し、アルミナるつぼに装填した。なお、表1において「TRE」は、希土類元素の合計を示す。
その後、アルミナるつぼの入れられた高周波真空誘導炉の炉内をArで置換し、1450℃まで加熱して溶融させて水冷銅ロールに溶湯を注ぎ、ロール周速度1.0m/秒、平均厚み0.25mmとなるようにSC(ストリップキャスト)法により、鋳造合金薄片を得た。
次に、鋳造合金薄片を以下に示す水素解砕法により解砕した。まず、鋳造合金薄片を直径5mm程度になるように粗粉砕し、室温の水素中に挿入して水素を吸蔵させた。続いて、粗粉砕して水素を吸蔵させた鋳造合金薄片を300℃まで水素中で加熱する熱処理を行った。その後、減圧して水素を脱気して300℃から500℃まで昇温し、500℃で1時間保持する熱処理を行って鋳造合金薄片中の水素を放出除去した。続いて、炉内にArを供給して室温まで冷却する方法により解砕した。
次に、水素解砕された鋳造合金薄片に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛0.025wt%を添加し、ジェットミル(ホソカワミクロン100AFG)により、0.6MPaの高圧窒素を用いて、水素解砕された鋳造合金薄片を平均粒度(d50)4.5μmに微粉砕してR−T−B系合金粉末を得た。
次に、このようにして得られたR−T−B系合金粉末をR−T−B系合金材料として用い、1.0Tの磁界中で横磁場中成型機により成型圧力0.8t/cmでプレス成型して圧粉体とした。その後、得られた圧粉体を真空中で表2に示す温度で表2に示す時間保持して焼結した。
焼結後、表2に示す温度に加熱し、表2に示す時間保持する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後1時間で表2に示す温度まで冷却した後に、表2に示す温度に加熱し、表2に示す時間保持する第2熱処理工程とを行うことにより、実験例1〜29のR−T−B系磁石を作製した。
そして、得られた実験例1〜29のR−T−B系磁石を一辺6mmの直方体とし、それぞれの磁気特性をBHカーブトレーサー(東英工業TPM2−10)で測定した。その結果を表3に示す。
表3において「Hcj」とは保磁力であり、「Br」とは残留磁化であり、「Sq」とは角形性であり、「BHmax」とは最大エネルギー積である。また、これらの磁気特性の値は、それぞれ5個のR−T−B系磁石の測定値の平均である。
表3に示すように、本発明の実施例である実験例1〜27では、R含有量が少なく、B含有量の多い本発明の比較例である実験例28、Al、Ga、Cuを含まない本発明の比較例である実験例29と比較して、保磁力が高いものとなった。
なお、Cuを含まない本発明の比較例である実験例24は、Cuを添加した実験例25、26と比較して保磁力が低い。
また、実験例5、10、20、21、28、29のR−T−B系磁石の主相と粒界相との面積率の比および粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を以下に示す方法により調べた。
R−T−B系磁石をエポキシ樹脂に埋込み、磁化容易軸(C軸)に平行な面を削りだし、鏡面研磨した。この鏡面研磨面を反射電子像にて1500倍の倍率で観察し、そのコントラストにより主相、Rリッチ相、遷移金属リッチ相を判別した。
実験例5、10、20、21では、R−T−B系磁石の反射電子像より、灰色のR2T14B相の粒界に白色のRリッチ相と薄い灰色の遷移金属リッチ相とが存在していることが分かった。
このような反射電子像から主相、Rリッチ相、遷移金属リッチ相について断面あたりの面積を測定し、主相と粒界相との面積率の比および粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率を算出した。
その結果を表3に示す。
表3に示すように、本発明の実施例である実験例5、10、20、21は、主相と、Rリッチ相と、遷移金属リッチ相とを含み、粒界相中の遷移金属リッチ相の面積率が50%以上であった。
これに対し、R含有量が少なく、B含有量の多い本発明の比較例である実験例28、Al、Ga、Cuを含まない比較例である実験例29では、遷移金属リッチ相が存在していなかった。
また、実験例1〜23、25〜27のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ層の透過電子顕微鏡像を観察し、R−T−B系磁石が、R2Fe14Bを主として含む主相と、Rリッチ相、遷移金属リッチ相から主に構成されていることを確認した。
また、実験例1〜23、25〜27のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ相の電子線回折パターンを測定し、Fe13Nd6Cu型の電子線回折パターンと比較して、実験例1〜23、25〜27のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ相が、主としてR6Fe13M型の金属間化合物からなるものであることを確認した。
図4は、実験例10のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ層の透過電子顕微鏡像を示したものである。また、図5a〜図5dは、図4に示す遷移金属リッチ層の4方向からの電子線回折パターンを示したものである。図5aは<103>入射計算パターンを示し、図5bは<021>入射計算パターンを示し、図5cは<315>入射計算パターンを示し、図5dは<17>入射計算パターンを示している。図5a〜図5dに示す遷移金属リッチ層の電子線回折パターンは、いずれもFe13Nd6Cu型の電子線回折パターンと一致していた。その結果、実験例10の遷移金属リッチ相が主としてR6Fe13M型の金属間化合物であることが確認できた。
なお、実験例1〜9、11〜23、25〜27についても実験例10と同様にして、遷移金属リッチ相の電子線回折パターンが、Fe13Nd6Cu型の電子線回折パターンと一致していることを確認した。
また、実験例1〜23、25〜27のR−T−B系磁石をX線分析した結果、いずれもM元素(GaおよびAl)が遷移金属リッチ相に含まれていることが確認できた。したがって、実験例1〜23、25〜27のR−T−B系磁石の遷移金属リッチ相は、強磁性体となっており、c軸異方性をもつものが主体になっていると考えられる。
図1は、実験例1〜7のR−T−B系磁石の粒界相中の遷移金属リッチ相に含まれるAlの含有量(原子%)と、保磁力(Hcj)との関係を示したグラフである。横軸はAlとGaとCuの合計に対するAlの割合で示した。
図1に示すように、Alの含有量(原子%)が高いほど、保磁力が高くなる傾向がある。
図2は、実験例8〜23のR−T−B系磁石の粒界相中の遷移金属リッチ相に含まれるGaの含有量(原子%)と、保磁力(Hcj)との関係を示したグラフである。横軸はAlとGaとCuの合計に対するGaの割合で示した。
図2に示すように、Gaの含有量が高いほど、保磁力が高くなる傾向がある。
図3は、実験例24〜27のR−T−B系磁石の保磁力(Hcj)とCu含有量との関係を示したグラフである。横軸はAlとGaとCuの合計に対するCuの割合で示した。
図3に示すように、Cuの含有量が0.2原子%を超えると保磁力(Hcj)が低下することが分かる。

Claims (7)

  1. 希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなり、Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるR−T−B系希土類焼結磁石であって、
    R2Fe14Bを主として含む主相と、主相よりRを多く含む粒界相とを備えた焼結体からなり、
    前記粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、前記希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含み、前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が40%以上であることを特徴とするR−T−B系希土類焼結磁石。
  2. Cuを0.05〜0.2原子%含むことを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
  3. 前記粒界相中の前記遷移金属リッチ相の面積率が50%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
  4. 前記主相と前記粒界相との面積率の比が70:30〜98:2であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
  5. 前記Mを0.7〜1.4原子%含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法であって、
    希土類元素であるRと、Feを必須とする遷移金属であるTと、Alおよび/またはGaである金属元素Mと、Bと、Cuおよび不可避不純物からなり、Rを14.5〜15原子%含み、Bを4.5〜5.5原子%含み、Mを0.1〜2.0原子%含み、Tが残部であり、全希土類元素中のDyの含有量が0〜65原子%であるR−T−B系希土類焼結磁石用合金材料を成形して800℃〜1200℃で焼結する工程と、
    前記焼結後に、650℃〜900℃に加熱する第1熱処理工程と、
    前記第1熱処理工程後200℃以下まで冷却した後に、450℃〜600℃に加熱する第2熱処理工程とを行うことを特徴とするR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  7. Cuを0.05〜0.2原子%含むことを特徴とする請求項6に記載のR−T−B系希土類焼結磁石の製造方法。
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