JP7114970B2 - R-t-b系永久磁石 - Google Patents
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Description
[1]R2T14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相と、主相間に存在する粒界相と、を有するR-T-B系永久磁石であって、
Rが、スカンジウムおよびイットリウムを含む希土類元素から選ばれる1種以上であり、Tが、鉄を含む1種以上の遷移金属元素、または、鉄およびコバルトを含む2種以上の遷移金属元素であり、
粒界相は、主相内のR濃度、B濃度およびC濃度よりも、R濃度、B濃度およびC濃度が高く、主相内のT濃度よりも、T濃度が低いR-T-B-C系化合物を含むことを特徴とするR-T-B系永久磁石である。
R-T-B-C系化合物において、R原子に対するC原子の比率であるC/Rが、0.6≦C/R≦1.4である関係を満足することを特徴とする[1]または[2]に記載のR-T-B系永久磁石である。
R1は、Ndを含み、Y、CeおよびSmを含まない1種以上の希土類元素であり、R2は、YおよびCeから選ばれる1種以上の元素であり、
R-T-B系永久磁石に含まれるRの総原子数を1とし、Rの総原子数に対するR2の原子数の比率をxとし、Rの総原子数に対するSmの原子数の比率をyとした場合に、
xおよびyは、(x、y)平面において、点A(0.000,0.050)、点B(0.000,0.150)、点C(0.700,0.100)、点D(0.700,0.000)、点E(0.300,0.000)をこの順に時計回りに結ぶ直線上および当該直線に囲まれる領域内にあることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載のR-T-B系永久磁石である。
1.可変磁束磁石に求められる特性
2.R-T-B系永久磁石
2.1 主相結晶粒子
2.2 粒界相
2.2.1 R-T-B-C系化合物
2.3 R-T-B系永久磁石の組成
3.R-T-B系永久磁石の製造方法
3.1 合金作製工程
3.1.1 HDDR処理
3.2 粉砕工程
3.3 成形工程
3.4 焼結工程
4.本実施形態における効果
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石は、可変磁束磁石に好適な磁石である。そこで、可変磁束磁石に求められる特性について説明する。
本実施形態に係るR-T-B系永久磁石は、R2T14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相と、主相間に存在する粒界相と、を有する。以降、R2T14B型正方晶構造を有する化合物を、R2T14B化合物ともいう。また、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石は、原料合金粉末を成形して得られる成形体を焼結させた焼結磁石である。したがって、図2に示すように、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石1において、上記の主相は、複数の主相結晶粒子2として存在し、主相結晶粒子間に粒界相4が存在している。
本実施形態では、主相結晶粒子はR2T14B化合物からなる。主相結晶粒子は、強磁性を示し、R-T-B系永久磁石の磁気特性を担っている。
R2T14B化合物におけるRは、スカンジウム(Sc)およびイットリウム(Y)を含む希土類元素から選ばれる1種以上である。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とである。ランタノイド元素は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)である。
上述したように、主相結晶粒子の結晶粒子径は、可変磁束磁石に求められる特性、特に、マイナー曲線平坦性に大きな影響を与える。そこで、本実施形態では、主相結晶粒子の結晶粒子径分布におけるD50は1.40μm以下であることが好ましい。以降、D50を主相結晶粒子の平均結晶粒子径とする。D50は0.30μm以上1.40μm以下であることがより好ましい。D50は、0.50μm以上であることがさらに好ましく、また、D50は、1.00μm以下であることがさらに好ましい。D50は、主相結晶粒子の結晶粒子径の大きさの指標であり、D50が上記の範囲内である場合には、主相結晶粒子の結晶粒子径が小さいと判断できる。
図2に示すように、粒界相4は、主相結晶粒子2間に存在している。粒界相4は、主として、2つの主相結晶粒子間に形成される二粒子粒界4aと、3つ以上の主相結晶粒子間に形成される三重点4bと、から構成される。
本実施形態では、粒界相は、R-T-B-C系化合物から構成される相を有している。以下、R-T-B-C系化合物から構成される相を、R-T-B-C相ともいう。R-T-B-C系化合物は、少なくとも、R、T、BおよびCを含有する化合物である。なお、R-T-B系永久磁石のRが、R1、R2およびSmから構成される場合には、R-T-B-C系化合物には、R1、R2およびSmから選ばれる1つ以上が含有されていればよい。
R-T-B系永久磁石の組成は、上述したR2T14B化合物が主相となるように制御されていれば、特に制限されない。たとえば、R-T-B系永久磁石におけるRの含有量は、14at%以上20at%以下であり、R-T-B系永久磁石におけるTの含有量は、70at%以上82at%以下であり、R-T-B系永久磁石におけるBの含有量は、4at%以上7at%以下である。
次に、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石の製造方法の一例について以下に説明する。
まず、本実施形態に係るR-T-B系永久磁石を製造するための原料金属を準備する。原料金属は、真空または不活性ガス雰囲気中で溶解され、所定の組成を有する原料合金が作製される。
本実施形態では、原料合金に対して、HDDR(Hydrogenation-Disproportionation-Desorption-Recombination)処理を行う。HDDR処理とは、原料合金の水素化(Hydrogenation)、不均化(Disproportionation)、脱水素化(Desorption)、および再結合(Recombination)を順次実行することにより、微細化された結晶粒を含む粉末を化学的に得
るプロセスである。HDDR処理により得られる粉末を用いてR-T-B系永久磁石を製造することにより、焼結後の主相結晶粒子の結晶粒子径を小さく、かつその粒度分布を狭くすることができる。
作製された原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金および高R合金は別々に、または、一緒に粉砕される。粉砕工程は、粗粉砕工程と微粉砕工程とに分けられる。まず、HDDR合金を粒径が数百μm程度になるまで粗粉砕する。
続いて、微粉砕後の粉体を成形する。本実施形態では、成形は磁場を印加しながら行う。磁場中成形における成形圧力は0.3ton/cm2~3ton/cm2(30MPa~300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して成形圧力を設定すればよい。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、40%~60%である。
成形体は焼結工程に供される。焼結は真空または不活性ガス雰囲気中にて行う。保持温度および保持時間は、磁石の組成、合金粉の粉砕方法、主相結晶粒子の平均結晶粒子径および粒度分布等を考慮して、調整すればよい。本実施形態では、保持温度が800℃~1000℃、保持時間が1分~20時間であることが好ましい。保持時間は、4時間~20時間であることがより好ましい。
本実施形態では、可変磁束磁石として好適なR-T-B系永久磁石を得るために、R2T14B化合物からなる主相結晶粒子間に存在する粒界相に、主相結晶粒子のR濃度、B濃度、C濃度よりも高く、主相結晶粒子のT濃度よりも低いR-T-B-C相を存在させている。このR-T-B-C相は、焼結時に、粒界相に形成されることにより、主相結晶粒子の粒成長を制御することができ、主相結晶粒子を緻密な焼結体が得られる程度に粒成長させつつ、主相結晶粒子の異常粒成長を抑制することができる。
まず、表1に示す組成のR-T-B系永久磁石が得られるように原料を配合し、それらの原料を溶解したのち、ストリップキャスティング法により鋳造して、フレーク状の原料合金を得た。
まず、上記と同様にして、反射電子像の画像を所定レベルで2値化し、空隙部分を同定して、空隙部分の面積を算出した。算出した空隙部分の面積を、主相結晶粒子の面積と粒界相の面積と空隙部分の面積との合計で割ることにより、全面積に占める空隙の面積比率を算出した。結果を表2に示す。
実験例5および6において、R-T-B系永久磁石に含まれるRとしてのNdの一部を、R2としてのYまたはCeで表2に示す割合で置換した以外は、実験例5または6と同じ方法により、試料を作製し、実験例5または6と同じ方法により、試料を評価した。実験例11~20の試料の組成分析を行った結果を表1に示す。また、組成分析結果より、xおよびyを算出し、xとyとの関係を図3にプロットした。また、実験例11~20の試料の評価結果を表3に示す。
表4に示す組成のR-T-B系永久磁石が得られるように原料を配合し、焼結温度を表5に示す温度とした以外は、実施例1~10と同様にして、試料を作製し、実施例1~10と同様にして、試料を評価した。実験例21~55の試料の組成分析を行った結果を表4に示す。また、組成分析結果より、xおよびyを算出し、xとyとの関係を図3にプロットした。また、実験例21~55の試料の評価結果を表5に示す。
表4に示す組成のR-T-B系永久磁石が得られるように原料を配合し、焼結温度を表5に示す温度とした以外は、実施例1~10と同様にして、試料を作製し、実施例1~10と同様にして、試料を評価した。実験例56、57の試料の組成分析を行った結果を表4に示す。また、組成分析結果より、xおよびyを算出し、xとyとの関係を図3にプロットした。また、実験例56、57の試料の評価結果を表5に示す。
2… 主相結晶粒子
4… 粒界相
4a… 二粒子粒界
4b… 三重点
Claims (4)
- R2T14B型正方晶構造を有する化合物からなる主相と、前記主相間に存在する粒界相と、を有するR-T-B系永久磁石であって、
Rが、スカンジウムおよびイットリウムを含む希土類元素から選ばれる1種以上であり、Tが、鉄を含む1種以上の遷移金属元素、または、鉄およびコバルトを含む2種以上の遷移金属元素であり、
前記粒界相は、前記主相内のR濃度、B濃度およびC濃度よりも、R濃度、B濃度およびC濃度が高く、前記主相内のT濃度よりも、T濃度が低いR-T-B-C系化合物を含むことを特徴とするR-T-B系永久磁石。 - 前記粒界相の面積に対する前記R-T-B-C系化合物が占める面積の比が、5%以上88%以下であることを特徴とする請求項1に記載のR-T-B系永久磁石。
- 前記R-T-B-C系化合物において、R原子に対するB原子の比率であるB/Rが、0.3≦B/R≦0.7である関係を満足し、
前記R-T-B-C系化合物において、R原子に対するC原子の比率であるC/Rが、0.6≦C/R≦1.4である関係を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のR-T-B系永久磁石。 - 前記R-T-B系永久磁石のRを、R1、R2およびSmで表した場合に、
前記R1は、Ndを含み、Y、CeおよびSmを含まない1種以上の前記希土類元素であり、前記R2は、YおよびCeから選ばれる1種以上の元素であり、
前記Rの総原子数を1とし、前記Rの総原子数に対するR2の原子数の比率をxとし、前記Rの総原子数に対するSmの原子数の比率をyとした場合に、
前記xおよびyは、(x、y)平面において、点A(0.000,0.050)、点B(0.000,0.150)、点C(0.700,0.100)、点D(0.700,0.000)、点E(0.300,0.000)をこの順に時計回りに結ぶ直線上および当該直線に囲まれる領域内にあることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のR-T-B系永久磁石。
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