以下、本発明の実施の形態による燃料供給装置を、例えば灯油等の燃料の計量機に適用した場合を例に挙げ、添付図面の図1ないし図6に従って詳細に説明する。
図1において、燃料供給装置としての計量機1は、例えば灯油タンク等の容器(図示せず)に灯油を供給するため、給油作業を行う給油ブースに設置されている。計量機1は、四角形状をなす筺体2を有し、該筐体2の正面2A側には、後述の表示器12および設定装置13等が配設されている。筐体2内には、後述の送液管路5、ポンプ9、流量計10および制御弁11等が設けられている。
図2は、計量機1の外殻を構成する筐体2の内部構造(即ち、送液管路5、ポンプ9、流量計10および制御弁11等の配管構造)を簡略化して示したものであり、実際には筐体2の左,右両側に、それぞれ後述の給油ホース6が設けられる。しかし、図2中では、一方の給油ホース6側だけを示し、他方の給油ホース(図1中の右側に示す給油ホース6等)は簡略化のために省略している。なお、図1中では、計量機1に2つの給油ホース6を設ける場合を例に挙げているが、例えば1つまたは3つ以上の給油ホースを設ける構成であってもよい。
図2中に示すように、給油所の地下には、例えば灯油等の燃料を貯留する貯留タンク3が埋設されている。貯留タンク3は、通常は複数個に分離または分画して設けられ、夫々のタンク毎に液種の異なる液体燃料(例えば、灯油、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油等)が収容して貯留される。貯留タンク3内の液面4は、例えば専用の液面検出器(図示せず)を用いて検出され、これにより、貯留タンク3内の液体残量が監視されている。
燃料供給経路を構成する送液管路5は、筐体2内から下向きに延びる一端(下端)側が貯留タンク3に接続されている。送液管路5は、筐体2内で複数に分岐された分岐管部5Aを含んで構成されている。各分岐管部5Aの他端側は、それぞれ継手(例えば、図1に示す継手部5B)を介して給油ホース6に接続されている。各継手部5Bは、図1に示すように、筐体2の各側面2Bに設けられた回動可能な回転継手により構成されている。
給油ホース6は、送液管路5と共に燃料供給経路を構成している。給油ホース6の先端側には、被燃料供給体(例えば、灯油タンク等の容器)に液体燃料を供給するノズル7(以下、給油ノズル7という)が設けられている。この給油ノズル7は、給油作業の待機時に後述のノズル掛け8に掛止されている。例えば、給油所の操作者(即ち、係員)は、顧客の要求等に従って給油ノズル7をノズル掛け8から外し、前記灯油タンクの給油口にノズル先端を挿入して給油を行う。
給油ノズル7は、手動操作されるノズルレバー7Aを有し、ノズルレバー7Aの操作位置によって内蔵された弁の弁開度が、閉止状態から全開状態の範囲で可変に調整される。また、給油ノズル7には、ノズルレバー7Aの先端を任意の操作位置に掛止する掛止部(図示せず)が設けられている。給油ノズル7のノズルレバー7Aが係員により手動操作(開弁)されると、前記灯油タンクへの給油が開始され、後述する流量計10の流量パルス発信器10Aから流量パルスが制御装置14に出力される。なお、給油ノズル7は、前記タンク内の液面を検知して自動閉弁動作する構成であってもよく、自動閉弁機構を有していない汎用ノズルであってもよい。
図2に示すように、筐体2の側面2Bには、給油ノズル7が着脱可能に掛止めされるノズル掛け8が設けられている。また、このノズル掛け8には、ノズルスイッチ8Aが付設されている。このノズルスイッチ8Aは、給油ノズル7がノズル掛け8に掛止されているか否かを検出し、その検出信号を後述の制御装置14に出力する。なお、ノズル掛け8は、必ずしも筐体2に設ける必要はなく、例えば特開2007−161340号公報に記載のように、ノズル掛け用のノズルスタンドを別途設ける構成としてもよい。
ここで、ノズルスイッチ8Aは、制御装置14と共に給油中であるか否かを判断する判断手段を構成している。即ち、給油ノズル7がノズル掛け8に掛止されているときには、給油ノズル7を用いた給油作業が終了または休止された状態にあるので、制御装置14は、ノズルスイッチ8Aからの検出信号に基づいて給油中ではないと判断することができる。一方、給油ノズル7がノズル掛け8から外されたときには、給油ノズル7を用いた給油作業が開始、または続行される状態にあるので、制御装置14は、ノズルスイッチ8Aからの検出信号に基づいて給油中であると判断することができる。
送液管路5の途中には、筐体2内に位置してポンプ9、流量計10および制御弁11が配設されている。具体的には、送液管路5の各分岐管部5Aは、ポンプ9の下流側で、かつ流量計10よりも上流側となる位置で分岐されている。ポンプ9により吸い上げられた貯留タンク3内の燃料(例えば、灯油)は、各分岐管部5A内を流通するときに、流量計10により分岐管部5A毎の流量が計測される。ポンプ9は、貯留タンク3内の燃料を給油ノズル7側に供給するため、ポンプモータ9Aにより回転駆動される。
流量計10は、ポンプ9により各給油ノズル7に供給された燃料の給油量を、分岐管部5A毎に個別に計測する流量検出手段である。流量計10には、流量パルス発信器10Aが付設されている。この流量パルス発信器10Aは、各分岐管部5A内を流れる燃料の流量に応じた流量パルス信号を後述の制御装置14に出力する。
流量調整手段としての制御弁11は、その弁開度が可変に制御される電磁式流量制御弁により構成されている。制御弁11は、その弁開度が制御装置14から出力される駆動信号の周波数およびデューティ比に応じて可変に制御される。これにより、制御弁11は、各分岐管部5Aから給油ホース6を介して給油ノズル7へと供給される燃料(油液)の流量を、例えば大流量と小流量とに切換えて可変に調整することができる。
筐体2の正面2A側には、計量機1による燃料の給油量を表示する表示手段としての表示器12と、給油所の作業者(操作者である係員)が手動操作することにより給油量に関する設定が行われる設定手段としての設定装置13とが設けられている。表示器12は、後述の制御装置14から出力される表示制御信号に従って現時点での給油量(即ち、給油ノズル7による給油時に流量計10により計測された瞬時流量を積算して得られる給油量)を表示すると共に、給油作業が終了したときには、その給油量を表示器12の画面上で表示する。
設定装置13には、図3に示すように、プリセット給油時等の注油量を選択的に設定する操作スイッチとしての注油選択ボタン13A,13B,13C,13Dと、注油開始ボタン13Eと、注油終了ボタン13Fとが設けられている。注油選択ボタン13Aは、例えば注油量10Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。注油選択ボタン13Bは、例えば注油量18Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)で、注油選択ボタン13Cは、例えば注油量20Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。
注油選択ボタン13Dは、前述の如きプリセット給油ではなく、注油量を自由に(即ち、フリー)に設定するためのフリー給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。注油選択ボタン13Dは、図3中に示すように、「フリー/シャープストップ」用のボタンとして設けられている。これにより、注油選択ボタン13Dは、燃料の流量を所定流量よりも低い流量に低下させるか否かを確認する確認手段を構成している。
設定装置13の注油開始ボタン13Eは、実際に給油を行うときに係員が押下することにより、制御装置14に対してポンプ駆動信号を出力する操作スイッチ(ボタン)である。一方、注油終了ボタン13Fは、給油を中断または終了させるときに係員が押下することにより、制御装置14に対してポンプ停止信号を出力するための操作スイッチ(ボタン)である。
計量機1の筐体2内には、設定装置13により設定された前記給油量に基づいて給油に関する制御を行う制御手段としての制御装置14が設けられている。この制御装置14は、給油ノズル7による給油時に流量計10により計測された瞬時流量を積算して得られる給油量を、表示器12により表示させる表示制御手段を含んで構成されている。また、この表示制御手段は、前記給油作業が終了したときに、その給油量を表示器12で表示させる機能も有している。
制御装置14の入力側は、ノズル掛け8のノズルスイッチ8A、流量計10の流量パルス発信器10Aおよび設定装置13の各操作スイッチ(即ち、ボタン13A〜13F)等に接続されている。制御装置14の出力側は、ポンプ9のポンプモータ9A、制御弁11および表示器12等に接続されている。制御装置14は、給油ノズル7がノズル掛け8から外されてノズルスイッチ8Aからの検出信号が入力されると、ポンプ9のポンプモータ9Aを起動可能とする。このとき、ポンプ9は、制御装置14からのポンプ駆動信号により貯留タンク3内の燃料を送液管路5内に吸上げる。
また、制御弁11は、制御装置14から所定周波数の駆動信号が出力されると共に、当該駆動信号のデューティ比を変更することにより、所定の弁開度を保つように制御される。給油ノズル7のノズルレバー7Aが操作されると、前記タンクへの給油が開始され、流量計10の流量パルス発信器10Aから流量パルスが制御装置14に出力される。そして、制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算して表示器12に給油量を表示させる。また、制御装置14は、後述するように設定装置13の設定操作に従ってプリセット給油制御またはフリー給油制御等を行う。
制御装置14は、例えばROM,RAMおよび/または不揮発性メモリ等からなるメモリ14Aを有している。このメモリ14Aには、例えば図5および図6に示す給油制御処理と表示制御処理とを実行するための制御プログラムが格納されている。また、メモリ14Aには、設定装置13の注油選択ボタン13A,13B,13Cのいずれかが押下されたときに、例えば注油量10L,18Lまたは20Lのプリセット給油を行うことを表示器12で表示させるためのプログラムが格納されている。一方、注油選択ボタン13Dを押下したときには、注油量を任意に(即ち、フリー)に設定することができ、このときにはフリー給油を行うことを表示器12で表示させるプログラムもメモリ14Aに格納されている。
さらに、計量機1は、各給油ノズル7を用いた給油量の積算値(即ち、給油所の営業運転を開始してからの数年間に及ぶトータルの積算供給量)を表示器12で表示できるようにすることが要求されている。このため、表示制御手段としての制御装置14は、設定装置13の複数の操作スイッチ(即ち、ボタン13A〜13F)のうち2つのボタン(例えば、注油選択ボタン13A,13B)を同時に押下したときに、表示器12の画面上に積算供給量を表示させるプログラムがメモリ14Aに格納されている。
計量機1は、給油所の敷地内に複数台設けられることが多く、これらの計量機1は、POS装置(燃料供給管理機)等のネットワークにより給油所のメインコンピュータ(図示せず)と接続されている。このPOS装置は、各給油ノズル7による燃料の油種(例えば、灯油、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油等の液種)、給油量、給油時間等の燃料供給に関する情報(履歴)を管理するシステムである。計量機1の制御装置14は、このようなPOS装置を介して給油ノズル7毎の積算供給量をメモリ14Aに更新可能に格納することができる。
本実施の形態による燃料供給装置としての計量機1は、上述の如き構成を有するもので、次に、例えば灯油タンク等の容器に燃料を供給する給油作業(給油制御処理)について説明する。
まず、給油所に顧客が持ち込んだ容器(例えば、灯油タンク)に燃料を供給するときには、係員が給油ノズル7をノズル掛け8から取外し、この状態で給油ノズル7の先端側を前記容器(タンク)の給油口に挿入する。制御装置14による給油制御処理と表示制御処理は、この状態で例えば図5および図6に示す手順に従って実行される。
即ち、制御装置14は、図5に示す処理動作が開始されると、ステップ1で注油中であるか否かを判定する。ステップ1で「YES」と判定したときには、例えば給油ノズル7がノズル掛け8から外されているので、次のステップ2に移ってプリセット給油を行うか否かを判定する。ステップ2で「YES」と判定したときは、給油所の係員が注油選択ボタン13A〜13Cのいずれかを押下し、プリセット給油を選択した場合である。
そこで、次のステップ3では、「目標給液量=プリセット量」として目標給液量の設定を行う。例えば、注油選択ボタン13Aを押下した場合は10L、注油選択ボタン13Bを押下した場合は18L、注油選択ボタン13Cを押下した場合は20Lとして目標給液量(給油量)の設定が行われる。このとき、表示器12の画面上にプリセット給油を行うこと、目標給液量としてのプリセット量が10L、18Lまたは20Lであることを表示するのがよい。
次に、ステップ4では注油開始ボタン13Eが押下されたか否かを判定し、ステップ4で「YES」と判定したときには、次のステップ5で注油開始ボタン13Eの押下に従ってポンプモータ9Aへとポンプ駆動信号を出力し、ポンプ9を回転させる。次のステップ6では制御弁11を開弁させる。このとき、給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作することにより、前記タンクへの給油が開始される。なお、制御弁11は、プリセット給油の途中で燃料流量が大容量から小容量に切替わるように、その開度が可変に調整され、所謂行き過ぎ量の発生を抑えるようにしている。
次のステップ7では流量計測が行われる。即ち、前記タンクへの給油が開始されると、給油ノズル7に向けて分岐管部5A内を燃料が流通するので、このときの燃料流量に対応した流量パルスが、流量計10の流量パルス発信器10Aから制御装置14に出力される。そして、制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算し、ステップ8では表示器12に現時点での給油量(給液量)を表示させる。
次のステップ9では、設定装置13の注油終了ボタン13Fが押下されたか否かを判定し、「YES」と判定した場合は、例えば給油所の係員が注油終了ボタン13Fを押下しているので、前記ステップ11に移ってポンプ停止信号を出力してポンプ9を停止させ、これにより、今回の給油作業を終了させる。一方、ステップ9で「NO」と判定するときは、係員が注油終了ボタン13Fにより注油終了を指示していないから、給油ノズル7を用いた前記タンクへの給油作業は続けられる。
そこで、次のステップ10では、「給液量=目標給液量?」を判定する。ステップ10で「NO」と判定するときは、現時点での給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に達していない場合であり、この場合はステップ7以降の処理を続行する。そして、ステップ10で「YES」と判定したときには、現時点での給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に達しているので、前記ステップ11に移ってポンプ停止信号を出力し、ポンプ9を停止させることにより、今回のプリセット給油作業を終了させる。
このようなプリセット給油の途中では、例えば制御弁11の開度を小さくして燃料流量を大流量から小容量に調整するのがよい。即ち、現時点での給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に近付いた段階で、燃料の流量を所定流量よりも低い流量に低下させることにより、プリセット給油作業を安定して行うことができる。
一方、前記ステップ2で「NO」と判定するときは、注油選択ボタン13A〜13Cによるプリセット給油ではなく、フリー給油が選択(設定)されている場合である。このため、次のステップ12では、注油選択ボタン13Dが押下されることにより、フリー給油が選択(設定)されていることを表示器12の画面上に表示させる。
次のステップ13では注油開始ボタン13Eが押下されたか否かを判定する。制御装置14は、ステップ13で「YES」と判定したときに、注油開始ボタン13Eの押下に従ってポンプモータ9Aへとポンプ駆動信号を出力(ステップ14)し、ポンプ9を回転させる。そして、次のステップ15では制御弁11を開弁させる。このとき、給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作(開弁)することにより、前記タンクへの給油が開始される。
次のステップ16では流量計測を行い、このときの燃料流量に対応した流量パルスが流量計10の流量パルス発信器10Aから制御装置14に出力される。制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算し、ステップ17では表示器12に現時点での給油量(給液量)を表示させる。
次のステップ18では、設定装置13の注油終了ボタン13Fが押下されたか否かを判定する。ここで、注油終了ボタン13が押下されたとして「YES」と判定した場合には、今回の給油は終了し、押下されたと判定されない場合(即ち、「NO」と判定する場合)には、ステップ16へ戻る。
給油中において、給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作して内蔵の弁を開弁させれば、前記タンクへのフリー給油は続けられる。そして、このような操作を繰返すうちに、前記タンクへのフリー給油量が所望の給油量に達したときには、係員がノズルレバー7Aを手動操作(閉止)して前記タンクへの給油が中止される。
即ち、給油所の係員は、前記タンクへのフリー給油量が所望の給油量に達したことを確認した段階で、注油終了ボタン13Fが押下するので、ステップ18では「YES」と判定される。これにより、次のステップ11ではポンプ停止信号を出力してポンプ9を停止させ、この段階でフリー給油が終了される。なお、このようなフリー給油の場合でも、例えば、シャープストップ処理により、整数値化された目標供給量が設定され、供給量が目標供給量に達した場合に、供給が停止されることによりフリー給油量を所望の給油量に併せ込む操作(所謂行き過ぎ量の発生を抑える操作)を容易に行うことができる。
一方、前記ステップ1で「NO」と判定したときには、給油ノズル7がノズル掛け8に掛止されており、給油ノズル7を用いた給油作業が終了または休止された状態にある。このため、制御装置14は、ノズルスイッチ8Aからの検出信号に基づいて給油中ではないと判断することができる。そこで、この場合は、図6に示すステップ19で表示器12により、前回の注油量を表示させる。例えば、図4(A)は、前回の給油作業による注油量(給油量)が「20.00L」として行われたことを、表示器12の画面上に表示している。
次に、ステップ20では、給油所の係員によって設定装置13の複数の操作スイッチ(即ち、ボタン13A〜13F)のうち2つのボタン(例えば、注油選択ボタン13A,13B)が同時に押下されたか否かを判定する。ステップ20の判定処理は、給油中でないと判断された後に、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作(一例として、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下する操作)の有無を判定するものである。ステップ20で「NO」と判定するときには、例えば2つの注油選択ボタン13A,13Bが同時に押下されてはいないので、このまま表示器12の表示制御処理作業を終了させる。
ステップ20で「YES」と判定したときには、2つの注油選択ボタン13A,13Bが同時に押下されているので、次のステップ21に移って表示器12の画面にノズル番号を表示させる。例えば、図4(A)では、前回の給油作業による注油量(給油量)が20.00Lとして表示されていたが、図4(B)では表示内容が切り替えられ、給油ノズル7の番号が「11CL」、即ちノズル番号11として表示器12の画面上に表示されている。
次のステップ22では、ノズル番号11の給油ノズル7を用いた給油量の積算値(即ち、給油所の営業運転を開始してからの数年間に及ぶトータルの積算供給量)を表示器12で表示する。例えば、図4(B)では給油ノズル7の番号が「11CL」として表示されていたが、次の図4(C),(D)では、給油ノズル7による積算供給量が「12345678.90L」として表示器12の画面上に表示されている。この場合の積算供給量「12345678.90L」は、桁数が多くて1つの画面内に収まらないので、順次入れ替わる画面として表示器12により表示されている。表示器12による図4(B),(C),(D)の表示は、自動的に順番で入れ替わるように表示制御される。
次のステップ23では、所定時間か経過したか否かを判定し、所定時間が経過するのを待機する。これに替えて、ステップ23では、設定装置13の注油終了ボタン13Fが係員により押下されたか否かを判定する構成でもよい。そして、ステップ23で「YES」と判定したときには、次のステップ24に移って表示器12の表示内容を前回の注油量表示に戻す。例えば、図4(E)では、前回の給油作業による注油量が「20.00L」として再び表示されている。なお、本実施例では、表示内容を前回の注油量表示に戻す場合には、注油終了ボタン13Fを操作させたが、これに限らず、注油選択ボタンを操作することにより前回の注油量を表示させてもよいのは勿論である。
かくして、本実施の形態によれば、給油中か否かを判断する判断手段として、例えばノズルスイッチ8Aからの検出信号を用い、給油ノズル7がノズル掛け8から外されているか否かにより給油中か否かを判断する。そして、表示制御手段を構成する制御装置14は、給油ノズル7がノズル掛け8に掛止めされてノズルスイッチ8Aからの検出信号により給油中でないと判断された後に、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作(即ち、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下する操作)に応じて表示器12による表示内容を、例えば図4(A)〜(D)に示すように、前回の給油量「20.00L」から積算供給量「12345678.90L」を含む他の表示に切り替えて表示させる構成としている。
このように、給油中でないと判断された後に、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作(即ち、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下する操作)に応じて表示器12による表示内容を前回の給油量から積算供給量を含む他の表示に切り替えることができる。このため、給油量と積算供給量を表示させる表示器12の表示領域(または、複数の表示部)をそれぞれ設ける必要がなくなり、コストの低減化を図ることができる。また、プリセット給油を行うときには、表示器12の同じ表示領域にプリセット量と給油量(給液量)とを適宜に入れ替えて表示することもできる。
また、本実施の形態によれば、前述の如く、給油中でないと判断された後に、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作(即ち、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下する操作)に応じて、表示器12による表示内容を前回の給油量から積算供給量に切替えて表示させる際に、当該積算供給量に該当する給油ノズル7に関する表示を、例えば図4(B)に示すように、給油ノズル7の番号が「11CL」、即ちノズル番号11として表示器12の画面上に表示させる構成としている。
このため、給油所の係員は、複数の給油ノズル7のうちいずれのノズルを用いた積算供給量なのかを、表示器12の画面により把握することができるので、燃料供給に関する作業性を向上することができる。また、例えば図4(C),(D)に示すように、積算供給量の桁数が多い場合には、その桁数に応じて、該当する積算供給量を表示器12の画面に順次切り替えて(複数回に分けて)表示させる。このため、積算供給量の桁数が大きい場合にでも、単一の表示器12で表示させることができ、燃料供給に関する作業性を向上することができる。
さらに、表示制御手段を構成する制御装置14は、前述の如く、給油中でないと判断された後に、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作(即ち、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下する操作)に応じて、表示器12による表示内容を給油量から積算供給量へ切り替えて表示させた後に、所定時間経過後に前記給油量を再び表示させる構成としている。これにより、給油所の係員は、前回の給油量を再び確認することができ、これによっても、燃料供給に関する作業性を向上することができる。
なお、前記実施の形態では、給油中か否かを判断する判断手段としてノズルスイッチ8Aからの検出信号を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばポンプモータ9Aおよび/またはポンプ9の回転、停止により給油中か否かを判断する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、設定装置13による給油量に関してなされた設定操作として、2つの注油選択ボタン13A,13Bを同時に押下(操作)する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2つの注油選択ボタン13A,13C、または注油選択ボタン13B,13Cを同時に押下(操作)する構成としてもよい。あるいは、このように2つのボタンを同時に押すのではなく、1つのボタン(例えば、注油選択ボタン13A,13B,13Cのいずれか)を所定時間押し続ける構成としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、灯油タンク等の容器に燃料を供給する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば給油対象の容器として車両の燃料タンクを用いてもよく、車両以外のタンクや容器等を給油対象としてもよい。
次に、上記の実施形態に含まれる発明について記載する。即ち、燃料供給経路とノズルとは複数設けられ、表示制御手段は、前記判断手段により、給油中でないと判断された後に、設定手段による給油量に関してなされた設定操作に応じて表示手段に給油量から積算供給量に切替えて表示させる際に、当該積算供給量に該当するノズルに関する表示を表示手段に表示させる構成としている。これにより、給油所の係員は、どのノズルの積算供給量なのかを把握できるので、燃料供給に関する作業性を向上させることができる。
前記表示制御手段は、前記判断手段により、給油中でないと判断された後に、前記設定手段による給油量に関してなされた設定操作に応じて前記表示手段に給油量から積算供給量へ切り替えて表示させる際に、当該積算供給量の桁数に応じて、前記表示手段に複数回に分けて表示させる構成としている。これにより、積算供給量の桁数が大きい場合でも、表示手段の画面に順次切り替えて(複数回に分けて)表示させることができ、燃料供給に関する作業性を向上することができる。
前記表示制御手段は、前記判断手段により、給油中でないと判断された後に、前記設定手段による給油量に関してなされた設定操作に応じて前記表示手段に給油量から積算供給量へ切り替えて表示させた後に、所定時間経過後に前記給油量を再び表示させる構成としている。これにより、給油所の係員は、前回の給油量を再び確認することができ、これによっても、燃料供給に関する作業性を向上することができる。