以下、本開示に係る燃料供給システムの一の実施形態について、図面に基づいて説明する。説明では、本開示に係る燃料供給システムを、顧客自身が給油機の給油ノズルを操作して車両等の供給対象に対する給油作業を行うセルフサービス方式の給油所に適用した場合のセルフ給油システムを例に説明する。なお、本開示に係る燃料供給システムが適用されるセルフサービス方式の燃料供給所は、セルフサービス方式の給油所に限られるものではなく、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、圧縮水素ガス等といった燃料ガスのセルフサービス方式の燃料供給所等にも適用可能である。
図1は、本開示に係る燃料供給システムの一実施例としての給油システムの全体構成図である。
図示の例では、セルフ給油システム1は、セルフサービス給油方式に適用可能な給油機10と、釣銭機(精算機)20と、これら給油機10及び釣銭機20を備えた給油所全般の作業管理を行う給油所管理装置30とを有する。これら給油機10、釣銭機20、給油所管理装置30は、給油所内のSS-LAN(Service Station - Local Area Network)6を介して通信接続され、これら各機器間では、各種信号および各種情報データの交信が可能になっている。
給油機10は、給油機筐体11内に、ポンプ等の送液機器、流量計等の流量計測機器、給油機各部の作動制御や給油量の演算を行う給油機制御装置を収容している。給油機筐体11からは、先端に給油ノズル13を有するホース12が延設され、ホース12に基端側は、給油機筐体11内の流量計の流出側と連通されている。
給油ノズル13には、操作レバーの操作に応動して開閉弁し、車両等の供給対象内における燃料油液の液面がノズル先端の吐出パイプに達すると操作レバーの操作位置にかかわらず閉弁する自動閉弁機構が備えられている。給油ノズル13は、給油機筐体11に設けられたノズル掛け14に対して取り出し・収納自在になっており、給油作業が行われていない間はノズル掛け14に収納される。
給油機10は、ポンプの作動によって、図示せぬ地下タンク(貯液タンク)から燃料油液を汲み上げる。汲み上げた燃料油液は、流量計を介して、ホース先端の給油ノズル13に向けて送液される。
給油作業者である顧客は、給油ノズル13をノズル掛け14から取り出して、その吐出パイプを車両等の供給対象の給油口(燃料補給口)に挿入し、操作レバーを開弁操作して、供給対象に対する燃料補給を行う。
その際における給油量(燃料油液の給液量)は、流量計に付設された流量発信器から出力される流量パルス信号を基に給油機制御装置によって演算され、給油機筐体11に設けられた表示器15に表示される。
図示の例では、給油機10は、例えばハイオク、レギュラー、軽油といった供給液種の違いに対応させて、ホース12、給油ノズル13、及びノズル掛け14が、給油機筐体11の前面に複数設けられた構成になっている。また、図示せぬ給油機筐体11の後面にも、ハイオク、レギュラー、軽油といった供給液種の違いに対応させて、ホース12、給油ノズル13、及びノズル掛け14が同様に設けられた構成になっている。表示器15も同様に給油機筐体11の前・後面にそれぞれ設けられた構成になっている。これにより、図示の給油機10の場合は、給油機筐体11の前面側と後面側とで別々の供給対象に対する給油作業を、独立にかつ並行して行うことが可能な構成になっている。
これに伴い、給油機筐体11内のポンプおよび流量計といった機器は、供給液種の違いや、給油機筐体11の前・後面側それぞれで所望液種についての給油作業を可能にすべく給油機筐体11に備えられた給油ノズル13の数(給油系統の数に該当)に応じて、給油機筐体11内に複数収容された構成になっている。
これにより、図示の例の給油機10では、給油機筐体11の前面、後面にそれぞれ一つの給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eが構成され、各給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eには、ハイオク、レギュラー、軽油といった3つ給油系統が設けられていることになる。各給油作業エリアEでは、給油機制御装置がポンプをはじめとする給油機各部を作動制御することによって、これらハイオク、レギュラー、軽油といった複数の油種の中から選択された所望の油種の燃料油液を、該当油種の給油ノズル13を操作して車両等の供給対象に対して給油できるようになっている。
さらに、図示の例では、給油機10はセルフサービス方式の給油所に適用されるため、給油機10には、給油作業エリアE毎に対応させて、設定器16、給油代金払込装置17、伝票発行装置18等といったセルフサービス適応装置が、給油機筐体11の前面,後面それぞれに、給油機筐体11に一体的に設けられている。
設定器16は、給油作業者である顧客が給油ノズル13をノズル掛け14から取り出して給油作業を開始するに当たって、供給対象に供給する燃料油液の液種(例えば、ハイオク、レギュラー、軽油といった油種)および液量(例えば、満タンあるいは所望のプリセット量やプリセット金額)を設定入力するためのセルフサービス適応装置である。設定器16で設定入力された情報は、給油機制御装置に供給される。
給油代金払込装置17は、顧客が給油作業を行うに当たって、予め給油代金(給油料金)を現金もしくはクレジットカード等によって後払いまたは現金もしくはプリペイドカード等によって前払いするためのセルフサービス適応装置である。給油代金払込装置17に投入された前払い給油代金の金額情報は、給油機制御装置に供給される。
給油機10の給油機制御装置では、設定器16により設定入力された液種、液量や、給油代金払込装置17により投入された前払い給油代金の金額情報を基に、これから給油ノズル13を操作して開始される給油作業の給油作業情報が作成される。給油作業情報は、給油機10や給油作業で使用される給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eの識別情報が付加されて、SS-LAN6を介して、給油機10から給油所管理装置30に送信される。
伝票発行装置18は、例えば給油ノズル13がノズル掛け14に収納される等して給油作業が終了した際に、給油機10の給油機制御装置によって演算された当該給油作業の実際の給油量,給油金額等の給油結果情報を基にして、当該給油作業の精算伝票を発行するためのセルフサービス適応装置である。給油結果情報は、SS-LAN6を介して、給油機10から給油所管理装置30に送信される。
本実施例では、伝票発行装置18から発行された精算伝票は、前払い給油代金、液種、実際の給油量,給油金額、釣銭、等といった給油結果情報の内容確認に使用される。加えて、精算伝票は、実際の給油金額が予め給油代金払込装置17に入金した前払い給油代金に達していない顧客が、釣銭機20から釣銭の返却を受ける際の識別片としても利用される。そのため、伝票発行装置18は、精算伝票の印刷出力にあたって、釣銭機20で釣銭を受ける各顧客を特定できるように、当該精算伝票の識別情報を生成する。この識別情報は、伝票発行装置18によって給油結果情報とともに精算伝票に印刷出力される。また、識別情報は、給油機制御装置に供給されて、給油機10から給油所管理装置30に送信される給油結果情報の中にも含められる。
なお、図示の例では、設定器16、給油代金払込装置17、伝票発行装置18からなるセルフサービス適応装置については、給油機10毎に給油機筐体11に一体的に設けた構成としたが、給油機筐体11とは別個の、複数の給油機10に対応させたセルフサービス適応ユニット機器として、SS-LAN6に接続して設けることも可能である。設定器16を複数の給油機10や給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eで共用する場合は、顧客は、給油作業情報として、給油作業に用いる給油機10の番号等の識別情報も設定入力することになる。
また、給油機10には、給油機筐体11の前面,後面の給油作業エリアE毎に対応させて、後述する監視装置50の監視カメラ51が設けられている。また、携帯可能な管理装置端末70の所在確認で利用されるビーコンも付設されている。
監視カメラ51は、給油機10-nに対応する給油作業エリアEの様子を撮影し、その撮影画像データを、画像データ専用信号線7を介して、給油所管理装置30の監視装置50に送信する。
各ビーコンは、管理装置端末70の所在確認用のビーコン信号(例えば、Bluetooth Low Energyを活用した省電力通信信号)をそれぞれ送信する。各ビーコン信号は、各ビーコン毎で識別可能になっている。なお、ビーコンは、本実施例では、給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)E毎に複数配置された構成として説明したが、給油所におけるビーコンの配置位置や配置数は図示の例に限定されるものでない。例えば、複数のビーコンそれぞれからのビーコン信号の受信組み合わせの違いや、複数のビーコンそれぞれからの受信強度を基に測定された距離組み合わせの違いに応じて、給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eを識別できるようにしてもよい。また、ビーコンの具体的な設置先には、アイランドの柱、事務所3やピットの壁面、キャノピー、看板、等を利用できる。
釣銭機(精算機)20は、セルフサービス方式の給油作業で、給油作業者である顧客が予め支払った給油代金に、実際の給油量に基づく給油金額が達せず、釣銭が生じた場合に、顧客が釣銭を受け取るための装置である。釣銭機20には、給油機10からセルフサービス方式の給油作業が行われる度に送信される給油結果情報が取り込まれ、その中の釣銭の返却が必要な顧客についての精算伝票の識別情報や釣銭額等が精算情報として蓄積される。釣銭機20は、その伝票識別部で顧客の精算伝票の識別情報を読み取ると、蓄積された精算情報を照会し、返却を受けるべき顧客であることが確認されると、その釣銭の支払を行う。なお、図示の例では、釣銭機(精算機)20は、給油機10とは別筐体で複数の給油機10で共用する構成としたが、給油機筐体11と一体的に、給油機10毎に設けられていてもよい。
給油所管理装置30は、給油所の事務所3内等に設置され、本実施例では、給油所における販売時点管理を行う給油所POS端末機40と、給油作業エリアEを含めた給油所内の様子を監視するための監視装置50と、顧客自身による給油機10を用いたセルフサービス方式の給油作業の実行を管理する給油管理装置60と、を有する構成になっている。その中、給油所POS端末機40および給油管理装置60は、SS-LAN6に接続され、各給油機10、釣銭機20ともに給油所内ネットワークを構成している。そして、給油管理装置60は、管理装置に該当する。
給油所POS端末機40は、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される、給油作業を開始するに当たって設定器16で設定された給油作業情報や、給油開始(給油ノズルへの送液開始)の許可要求、及び給油作業の終了時に作成される給油結果情報を受信し、給油所における燃料油液の販売時点管理を行う。給油開始の許可要求は、設定器16で設定された給油作業情報で特定される給油系統個別に、すなわち給油ノズル13個別に行われる。なお、以下では、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される、給油作業を開始するに当たって設定器16で設定された給油作業情報と給油開始の許可要求とを合わせたもののことを、給油許可要求と総称することもある。
監視装置50は、各給油作業エリアE及び釣銭機20にそれぞれ対応させて設けられた監視カメラ51を有し、監視カメラ51と画像データ専用信号線7を介して接続されている。監視装置50は、各監視カメラ51によって撮影された各給油作業エリアEや釣銭機20周辺の動画像もしくは静止画像からなる撮影画像から、監視画像を生成して表示出力する。これにより、給油所係員は、監視画像を見ることによって給油所内の各所の様子を、事務所内に居ながらにして監視できるようになっている。監視装置50は、給油所係員の指示に応じて、複数の監視カメラ51それぞれによる撮影画像を分割表示した監視画像を生成したり、その中の所望の撮影画像を選択して拡大した監視画像を生成したりできるようになっている。
給油管理装置60は、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される、給油作業情報、給油開始の許可要求、及び給油結果情報を、給油所POS端末機40と同様にして受信できるようになっている。また、給油管理装置60は、監視装置50ともデータ接続され、監視装置50から所望の監視画像の提供が受けられるようになっている。
給油管理装置60は、各給油機10の作動状態について、例えば、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される給油作業情報、給油開始の許可要求、給油結果情報の受信に基づき、給油機10の給油作業受付状態、給油許可待ち状態、給油作業終了状態(待機状態)を判別する。また、給油管理装置60は、各給油機10にSS-LAN6を介して送信する起動/停止指示、給油許可、緊急停止に基づき、給油機10の起動/停止状態、給油中状態(送液作動状態)、給油禁止状態(緊急停止状態)を判別する。そして、給油管理装置60は、その記憶部に、これら判別した給油機10それぞれの作動状態を、給油機10毎またはその給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)E毎に逐次、更新記憶する。
その際、給油管理装置60の表示部には、給油機10それぞれの現在のまたは最新の作動状態が表示される。給油所係員は、給油管理装置60の操作部を操作して、給油許可要求を受信して給油許可待ち状態にある給油機10に対して給油開始の許可を行ったり、対象の給油機10を選択して給油禁止状態(緊急停止状態)にしたりできる。この場合、給油開始の許可とは、顧客が操作レバーを開弁操作すれば給油ノズルから燃料吐出できるように、対応する給油機10についてポンプ等の送液機器の作動を許可することを指す。また、給油禁止とは、給油機10の作動状態が、給油ノズル13がノズル掛け14から取り外されている給油作業中状態であるか、給油ノズル13がノズル掛け14に収納されている、給油作業が行われていない待機中状態であるかにかかわらず、所定の復帰操作が行われるまで、対応する給油機10のポンプ等の送液機器の作動を禁止することを指す。これら給油開始の許可や給油の禁止は、給油管理装置60からSS-LAN6を介して、対象の給油機10宛に送信される。
また、本実施例では、給油管理装置60は、その操作部が監視装置50の操作部を兼ね、その表示部が監視画像の表示装置を兼ねるようになっている。そのため、給油管理装置60は、監視装置50が生成する監視画像を指示したり、監視装置50が生成した監視画像を表示したり、さらには、監視装置50が生成した監視画像に、対応する給油機10の現在のまたは最新の作動状態(給油作業情報、給油許可要求の有無、給油結果情報)をOSD(On-Screen Display)表示することができる。
その上で、本実施例では、給油管理装置60には、携帯可能な管理装置端末(SSC端末)70が、給油管理装置60と無線通信接続されて備えられている。この場合、管理装置端末70は、給油管理装置60の上述した給油管理装置60の操作部及び表示部と同様に、給油許可要求を受信して許可待ち状態にある給油機10に対して給油開始の許可を行ったり、対象の給油機10を選択して給油禁止状態(緊急停止状態)にしたりでき、給油機10それぞれの現在のまたは最新の作動状態を表示したり、監視装置50に監視画像の態様を指示してその監視画像を表示したりできる。
管理装置端末70は、給油管理装置60専用の無線端末機器に限られるものではなく、給油管理装置60との通信接続が可能であるものならば、好ましくはビーコンそれぞれからのビーコン信号を受信できるビーコン受信機能(近距離無線通信機能)をさらに備えているものであるならば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたタブレット型コンピュータ等といった携帯可能な汎用の移動体通信端末機器を、管理装置端末70として機能させることも可能である。
そのため、給油管理装置60には、管理装置端末70と通信可能な無線通信部68を備えている。無線通信部68は、給油所内のSS-LAN(Service Station - Local Area Network)6のWi-Fiルータとして構成され、管理装置端末70は、無線通信部68を介して、給油管理装置60と直接通信接続され、SS-LAN6の給油管理装置60以外のSS-LAN接続機器とも、無線通信部68および給油管理装置60を介して、通信接続可能になっている。
次に、本実施例のセルフ給油システム1における給油許可処理について一例について、図2に基づいて説明する。給油許可処理は、給油許可要求があった給油機10またはこの給油機10に備えられた給油ノズル(給油系統)13に対して給油許可を発信し、顧客がノズル掛け14から取り外した給油ノズル13に対応する送液機器の作動を許可する処理である。
図2は、本実施例の給油システムが実行する給油許可処理を、給油管理装置側と管理装置端末側とに分けて示したフローチャートである。
図2において、給油管理装置60は、給油所内に複数設けられている給油機10のうちのいずれかから、SS-LAN6を介して送信された給油許可要求を受信すると(図2、ステップSA010)、この給油許可要求を給油管理装置60の記憶部に記憶する(SA020)。この場合、給油許可要求には、この給油許可要求の発信元の給油機10の識別情報や、顧客によって設定器16で設定された、これから車両等の供給対象に供給する油種、油量等の給油作業情報が含まれている。これにより、給油管理装置60は、給油許可要求があった給油機10及び給油ノズル(給油系統)13と、その給油作業内容とを取得することができる。したがって、給油管理装置60では、これらが取得されれば、給油作業が行われる給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eや、この給油作業エリアEを撮影している監視カメラ51も特定可能になる。
そして、給油管理装置60は、当該給油許可要求を受信した給油機10(当該給油機10における一の給油ノズル(給油系統)13)の給油作業情報を、無線通信部68を介して、給油所係員が給油所内で携帯している管理装置端末70宛に無線送信する(SA030)。
管理装置端末70は、給油管理装置60から無線送信される給油許可待ちの給油機10(当該給油機10の給油ノズル(給油系統)13)の給油作業情報を受信すると(SB010)、給油機10(給油系統)を特定可能な給油機情報や給油作業情報といった特定情報を報知せず、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることを、その端末表示部に表示する(SB020)。これにより、管理装置端末70では、給油所内に設けられた給油機10のうちのいずれかから給油許可要求が発信されたことが案内され、給油所係員は理解することができる。
その際、給油所係員は、給油所内に設けられた給油機10のうちのいずれかから給油許可要求があったことは理解できても、端末表示部にはその給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報は案内されないので、例えば別の業務を行っていたり、給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEからみて死角になるような位置に居るような場合は、いずれの給油機10(給油系統)が給油許可待ち状態になっているのかが判断できないようになっている。すなわち、このような場合は、給油所係員が、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)をその場で特定することができず、管理装置端末70の端末操作部を操作して、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)宛の給油許可の出力指示が行えないようになっている。
この場合、給油許可待ちの給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報としては、例えば、給油機10(給油系統)または給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eの固有情報、供給対象に供給する燃料油液の液種(例えば、ハイオク,レギュラー,軽油といった油種)の情報のような、給油所係員が給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eにおいて給油機10のノズル掛け14から顧客によって取り出されている給油ノズル13の状況を確認しなければ判断が難しい給油作業情報のことである。
そのため、本実施例のセルフ給油システム1では、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)宛の給油許可を給油管理装置60から送信出力させるためには、管理装置端末70は、給油許可要求があった給油機10(給油系統)または給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eに係る、端末表示部には表示しなかった給油作業情報を、端末操作部を操作して設定入力させる構成になっている。設定入力させる、端末表示部には表示しなかった給油作業情報としては、例えば、給油許可要求があった給油機10(給油系統)の固有情報、給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eの固有情報、これらいずれかの固有情報と供給対象に供給する燃料油液の液種情報の組み合わせ、等が利用できる。図示の例では、管理装置端末70は、給油許可要求があった給油機10(給油系統)の固有情報としての、給油許可要求があった給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)を端末操作部で設定入力させる構成になっている。
これにより、管理装置端末70は、給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信すると(SB010)、端末表示部に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることだけが案内され(SB020)、給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)の設定入力が案内される(SB030)。
そして、給油所係員が、給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)を、管理装置端末70の端末操作部から設定入力すると、管理装置端末70はこれを取得し(SB040)、この設定入力された給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)と、端末表示部には表示しなかった給油許可待ちの給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)とを照合する(SB050)。
管理装置端末70は、照合の結果、両者が一致していれば(SB060、YES)、管理装置端末70宛に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)についての給油許可の出力指示を無線送信する一方(SB070)、両者が一致していなければ(SB060、NO)、給油許可の出力指示を無線送信しない。
そして、管理装置端末70は、管理装置端末70宛に給油許可の出力指示の送信出力を行えたか否か、すなわちステップSB050での照合の結果に基づいて、給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対しての給油許可作業の実行成功または実行失敗を端末表示に報知し(SB080)、当該給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対する管理装置端末側の給油許可処理を終了する。
これに対し、給油管理装置60は、ステップSA030で管理装置端末70宛に給油作業情報を無線送信してある給油許可要求を受信した給油機10(給油系統)について、管理装置端末70からの給油許可の出力指示を受信、取得すると(SA040)、当該給油許可待ちの給油機10(給油系統)宛に、SS-LAN6を介して給油許可を送信する(SA050)。そして、給油管理装置側での、当該給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対する給油許可処理が終了する。
これにより、給油許可を受信した、給油許可待ちの給油機10(給油系統)では、顧客によって設定器16で設定された給油作業で使用する油種の給油ノズル(給油系統)13に対して燃料油液を供給する送液機器の起動が許可され、車両等の供給対象に対する実際の給油が可能になる。
このように、本実施例のセルフ給油システム1では、給油所係員が給油許可待ちの給油機10(給油系統)についての給油許可操作を行う携帯可能な管理装置端末70の端末表示部には、給油許可要求の発信元である給油許可待ちの給油機10(給油系統)が特定され得るような給油作業情報が表示されずに、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることだけが案内され(SB020)、給油所係員はこの表示されなかった給油作業情報の内容情報(実施例では、給油許可要求があった給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.))を設定入力し、両者が一致したときにのみ、給油許可待ちの給油機10(給油系統)の給油許可がなされる構成になっている。
これにより、例えば給油所係員が別の業務を行っていたり、給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEからみて死角になるような位置に居るような場合は、表示されずに隠蔽された給油作業情報の内容情報を設定入力することが難しくなり、給油所係員は、顧客による燃料供給ノズルの供給対象の給液口に対する装着状態が確認可能な、表示されなかった給油作業情報の内容情報を確認できる場所で、表示されずに隠蔽された給油作業情報の内容情報を設定入力することになる。この結果、顧客が行う給油作業についての確認が給油所係員によって十分かつ確実に行われる保証が向上し、顧客サービス、給油所の安全性も向上する。
なお、本実施例のセルフ給油システム1では、管理装置端末70の端末操作部で設定入力した給油作業情報と表示されずに隠蔽された給油許可待ちの給油機10の給油作業情報との照合を管理装置端末70側で行い、両者が一致するときに管理装置端末70が給油許可の出力指示を給油管理装置60に送信出力する構成としたが、照合を給油管理装置60側で行う構成としてもよい。例えば、管理装置端末70は端末操作部で設定入力された給油作業情報を給油管理装置60宛に送信出力し、給油管理装置60側で、表示されずに隠蔽された給油許可待ちの給油機10の給油作業情報との照合を行い、両者が一致するときには給油許可を給油管理装置60から給油許可待ちの給油機10宛に、SS-LAN6を介して送信出力する構成としてもよい。
また、本実施例のセルフ給油システム1では、管理装置端末70の表示部には、給油許可待ちの給油機10(給油系統)が特定され得るような給油作業情報すなわち給油作業の内容情報として給油機10の給油機No.や給油ノズル(給油系統)13の給油系統No.は表示されずに、許可要求が生じていることを表示する構成について説明した。この場合、表示されない給油作業情報としては、給油許可待ちの給油機10(給油系統)や給油ノズル(給油系統)13が特定され得ない給油作業情報であれば、これら給油機10の給油機No.や給油ノズル(給油系統)13の給油系統No.に限られるものではなく、設定器16で設定入力された、供給対象に供給する燃料油液の液種(例えば、ハイオク、レギュラー、軽油といった油種)や液量(例えば、満タン或いは所望のプリセット量やプリセット金額)の設定情報や、顧客がこれから行う給油作業に対して新たに対応付けられて作成された給油作業毎の識別情報であってもよい。
また、ステップSB020の処理で管理装置端末70の表示部に表示されない給油作業情報は、これら情報のうちのいずれか1つであってもよく、またその組み合わせであってもよい。
図3は、図2に示した給油システムが実行する給油許可処理の別の実施例を示した図である。図3では、図2に示した給油システムが実行する給油許可処理に対して変更された処理や流れだけを示し、変更がない同じ処理や流れについては説明省略されている。
本実施例のセルフ給油システム1が実行する給油許可処理では、管理装置端末70は、給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信すると(SB010)、給油所係員が給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEからみて死角になるような位置に居ないかどうか、すなわち顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居るか否かの確認が行われる(SB011)。図示の例では、その確認は、管理装置端末70が、自身が給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEやその近辺に所在しているか否かによって確認を行う。具体的な確認の仕方としては、GPSや給油機10に備えられたビーコンを利用した管理装置端末70の位置情報通信取得機能によって行われる。例えば、管理装置端末70がビーコン受信機能(近距離無線通信機能)を備えているものであるならば、複数のビーコンそれぞれからの受信強度を基に測定された距離組み合わせの違いに応じて、給油所内のいずれの場所に管理装置端末70が所在しているかを判定し、その所在場所が当該給油許可待ちの給油機10について予め定められている給油作業エリアEやその近辺の範囲に含まれるか否かに応じて、給油所係員が顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居るか否かを確認することが可能である。
なお、給油所係員が顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居るか否かの確認は、給油管理装置60側で行ってもよい。例えば、給油管理装置60が、監視カメラ51が撮影した給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEの監視画像を監視装置50から取得して、その画像中に給油所係員が映っているか否かを解析し、確認できる位置に居るか否かの確認結果を管理装置端末70に送信するよう構成したりしてもよい。
この確認の結果に基づき、給油所係員が顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居ない場合は(SB012、YES)、管理装置端末70は、給油作業情報の給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)は報知されず、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることだけを案内し(SB020)、給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)の設定入力を案内する(SB030)。これに対し、確認できる位置に居る場合は(SB012、NO)、管理装置端末70は、給油作業情報の給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)は報知されて、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることを案内し(SB021)、給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)の設定入力を案内する(SB030)。
これにより、給油所係員は、給油所内に設けられた給油機10のうちのいずれかから給油許可要求が発信されたことを理解することができる。その際、給油所係員は、自身が顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居ない場合は(SB012、YES)、端末表示部にはその給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報(給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.))は報知されないので(SB020,SB030)、給油所係員は、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)をその場で特定することができず、管理装置端末70の端末操作部を操作して、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)宛の給油許可の出力指示が行えないようになっている。一方、給油所係員は、自身が顧客による給油作業の様子を確認できる位置に居る場合は(SB012、NO)、その給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報(給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.))が表示されるので、顧客による給油作業の様子を迅速かつ適確に確認することができる。
図4は、図2または図3に示した給油システムが実行する給油許可処理のさらに別の実施例を示した図である。図4では、図2,図3に示した給油システムが実行する給油許可処理に対して変更された処理や流れだけを示し、変更がない同じ処理や流れについては説明省略されている。
本実施例のセルフ給油システム1が実行する給油許可処理では、管理装置端末70は、ステップSB040,SB050で示した照合の結果、両者が一致していれば(SB060、YES)、管理装置端末70宛に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)についての給油許可の出力指示を送信出力する一方(SB070)、両者が一致していなければ(SB060、NO)、給油許可の出力指示を送信出力しないだけではなく、ステップSB090の使用禁止処理をさらに行う構成になっている。
ステップSB090では、管理装置端末70は、設定入力された給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)と、報知しなかった給油許可待ちの給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)とを照合する度に、例えば、両者が一致しなかった照合回数の合計、両者が一致しなかった照合の連続回数といった判定パラメータを更新記憶するようになっており、判定パラメータが予め定められた照合回数の合計、連続回数といった判定基準値に達すると、管理装置端末70を給油管理装置60の表示部および操作部として使用できなくなるようにする。
これにより、本実施例のセルフ給油システム1では、ステップSB20で、給油許可待ちの給油機10(給油系統)が特定され得るような給油作業情報が報知されずに、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることだけが案内されることから、ステップSB060の不一致には、給油所係員が顧客による給油作業の様子を確認せずに給油許可待ちの給油機No.や給油系統No.を予想して設定入力した場合の不一致も当然含まれる。そのため、本実施例のセルフ給油システム1では、ステップSB090で示した管理装置端末70の使用禁止処理によって、照合の不一致が頻繁になると管理装置端末70を給油管理装置60の表示部および操作部として使用できなくなるように使用制限して、給油所係員が顧客による給油作業の様子を確認せずに給油許可待ちの給油機No.や給油系統No.を予想して設定入力するのを防ぎ、顧客による給油作業の様子を確認して設定入力するのを給油所係員に促している。これにより、顧客による給油作業の様子の確認が不十分な状況での給油許可が防止できる。
なお、ステップSB090で、給油管理装置60の表示部および操作部として使用できなくなった管理装置端末70の復帰については、例えば、給油管理装置60側で所定の復帰操作を行うか、給油管理装置60側または管理装置端末70自身で所定の使用禁止期間が経過したことを検知して、管理装置端末70における給油管理装置60の表示部および操作部として端末機能を復帰させるようにすればよい。また、更新記憶される照合不一致の連続回数については、例えば、ステップSB060の照合一致の回数が所定回連続するとリセットされるようにすればよい。
また、図示した例では、管理装置端末70の給油管理装置60としての使用禁止を管理装置端末70が自身で行う構成としたが(SB090)、給油管理装置60側で行う構成とすることも可能である。また、管理装置端末70の給油管理装置60としての使用禁止の構成は、管理装置端末70における給油管理装置60の表示部および操作部として端末機能を停止させるものに限定されず、ステップSA30で給油管理装置60から当該管理装置端末70宛には給油作業情報を送信出力しない構成であってもよい。
図5は、図2に示した給油システムの別の実施例を示した図である。図5では、図2に示した給油システムが実行する給油許可処理と同一または同様な対応する処理については、同一のステップ番号を付して表す。
図5において、給油管理装置60は、給油所内に複数設けられている給油機10のうちのいずれかから、SS-LAN6を介して送信された給油許可要求を受信すると(図5、ステップSA010)、この給油許可要求を給油管理装置60の記憶部に記憶する(SA020)。この場合、給油許可要求には、この給油許可要求の発信元の給油機10の識別情報や、顧客によって設定器16で設定された、これから車両等の供給対象に供給する油種、油量等の給油作業情報が含まれている。
そして、給油管理装置60は、ランダムパスワードを1つ生成し(SA021)、この生成したランダムパスワードを、ステップSA010,SA020で受信し取得した給油許可要求に対応付けて記憶する(SA022)。この場合、給油管理装置60では、給油許可要求の受信順に、給油許可待ちの給油作業情報の内容とは関係しないパスワードがランダムに生成される。
給油管理装置60は、無線通信部68を介して、この生成したパスワードを給油所係員が給油所内で携帯している管理装置端末70宛に無線送信するとともに(SA030)、SS-LAN6を介して、当該給油許可要求を送信してきた給油機(給油系統)に対しても送信し、その表示器15に表示させる(SA031)。これにより、当該給油機(給油系統)では、給油所係員は、表示器15の表示からこのパスワードを入手できることになる。
管理装置端末70は、給油管理装置60から無線送信されるパスワードを受信すると(SB010)、給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報を表示せず、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることを、その端末表示部に表示する(SB020)。これにより、管理装置端末70を携帯する給油所係員は、給油所内に設けられた給油機10のうちのいずれかから給油許可要求が発信されたことを、理解することができる。
このようにして、管理装置端末70は、給油管理装置60からパスワードを受信すると(SB010)、端末表示部に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)があることだけが案内され(SB020)、パスワードの設定入力が案内される(SB030)。
そして、給油所係員が、給油許可する給油機10(給油系統)の表示器15に表示されているパスワードを、管理装置端末70の端末操作部から設定入力すると、管理装置端末70はこれを取得し(SB040)、この設定入力されたパスワードと、給油管理装置60から送信されてきたパスワードとを照合する。なお、パスワードの設定入力の仕方は、端末操作部によるマニュアル操作入力に限るものではなく、カメラ機能を有する管理装置端末70であれば、そのカメラ機能を利用した画像入力であってもよい。
その際、パスワードは給油許可待ちの給油作業情報の内容とは関係なく給油管理装置60により生成されたものであるので、給油所係員は、給油許可待ちの給油機10(給油系統)の表示器15の表示されたパスワードを設定入力しなければならないので、必然的に給油許可待ちの給油機10(給油系統)の給油作業エリアEに行き、顧客による給油作業の様子を確認することになる。これにより、顧客サービス、給油作業の安全性の向上をはかることができる。
管理装置端末70は、照合の結果、両者が一致していれば(SB060、YES)、管理装置端末70宛に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)についての給油許可の出力指示を送信出力する一方(SB070)、両者が一致していなければ(SB060、NO)、給油許可の出力指示を送信出力しない。この場合、給油許可の出力指示には、一致がとれた、給油管理装置60が送信してきたパスワードも含まれる。
そして、管理装置端末70は、管理装置端末70宛に給油許可の出力指示の送信出力を行えたか否かに基づいて、給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対しての給油許可作業の実行成功または実行失敗を端末表示に報知し(SB080)、当該給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対する管理装置端末側の給油許可処理を終了する。
これに対し、給油管理装置60は、ステップSA030で管理装置端末70宛にパスワードを無線送信してある給油許可要求を受信した給油機10(給油系統)について、管理装置端末70からの給油許可の出力指示を受信、取得すると(SA040)、その受信したパスワードに対応する給油許可待ちの給油機10(給油系統)宛に、給油許可を送信する(SA050)。そして、給油管理装置側での、当該給油許可待ちの給油機10(給油系統)に対する給油許可処理が終了する。
これにより、給油許可を受信した、給油許可待ちの給油機10(給油系統)では、顧客によって設定器16で設定された給油作業で使用する油種の給油ノズル(給油系統)13に対して燃料油液を供給する送液機器の起動が許可され、車両等の供給対象に対する実際の給油が可能になる。
本実施例によれば、給油所係員は、顧客による燃料供給ノズルの供給対象の給液口に対する装着状態が確認可能な、給油許可待ちの給油機10(給油系統)の表示器15に表示されたパスワードを確認できる場所で、パスワードを設定入力することになる。この結果、顧客が行う給油作業についての確認が給油所係員によって十分かつ確実に行われる保証が向上し、顧客サービス、給油所の安全性も向上する。
なお、本実施例では、給油許可する給油機10(給油系統)の表示器15に表示されているパスワードと、管理装置端末70の端末操作部から設定入力されたパスワードとの照合は、管理装置端末側で行う構成として説明したが、管理装置端末70の端末操作部から設定入力されたパスワードを給油管理装置60に送信し、給油管理装置側で両者の一致を確認する構成としてもよい。
図6~図9は、図2に示した給油システムのさらに別の実施例を示した図である。
図6は、本実施例の給油システムに適用される管理装置端末の外観図である。
図7は、給油所に設置されている複数の給油機10それぞれの作動状況の説明図である。
図8は、選択された給油許可待ちの給油機(給油系統)の情報が表示されていない状態の管理装置端末の外観図である。
図9は、図8に示した、選択された給油許可待ちの給油機(給油系統)の情報が表示されていない状態が解除された状態の管理装置端末の外観図である。
図6に示すように、本実施例のセルフ給油システム1では、管理装置端末70は、画面操作部71を有する通信機能を備えた携帯可能な端末器によって構成されている。このような端末器としては、スマートフォン、通信機能を備えたタブレット型コンピュータ等といった携帯可能な移動体端末装置も利用可能である。
管理装置端末70は、給油管理装置60の無線通信部68を介して送信される、監視装置50が生成した監視画像を受信し、画面操作部71に表示できる。そして、画面操作部71に表示された監視画像には、その表示状態に応じて各種操作キーがOSD(On-Screen Display)表示される構成になっている。
本実施例のセルフ給油システム1では、管理装置端末70が給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信した(図2、SB010に対応)ときに画面操作部71に表示される案内画面81には、例えば図6に示すように、給油機10それぞれの対応する給油作業エリアEを含む現在の状況の監視画像が画面分割表示され、給油許可待ちの給油機(給油系統)があることを示す「許可待ちあり」の案内表示が表示される構成になっている。また、案内画面81には、所望の給油機(給油系統)および給油作業エリアEの画像を選択するための「選択」キーを含む操作キーもOSD(On-Screen Display)表示される構成になっている。このように、案内画面81では、給油機10それぞれの対応する給油作業エリアEを含む現在の状況の監視画像が画面分割で表示されるので、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像は小さく、それが例えば給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像であるのか、給油許可された後の実際に給油中の給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像であるのかを給油所係員が判別しにくいようになっており、かつ後述する「許可」キーはOSD表示されないようになっている。そのため、案内画面81は、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報が実質的に表示されていない画面となっている(図2、SB020に対応)。
そして、給油所係員は、例えば図7に示すように、案内画面81に分割表示された複数の給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像のうちから、給油許可待ち状態になっていると思われる給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像を「選択」キーを用いて選択する。具体的には、画像をタッチし、その後選択キーを押下する。これにより、画面操作部71には、案内画面81に変えて、図8に示すような、選択した給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像だけが表示された案内画面82が表示される。そして、案内画面82には、選択されたのが実際に給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像であれば(図2、SB060、YESに対応)、「許可待ちあり」及び給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の識別情報「No.m」の案内表示が表示され、この給油作業エリアEの画像を拡大表示するための「拡大」キーを含む操作キーもOSD(On-Screen Display)表示される構成になっている。また、この案内画面82においても、後述する「許可」キーはOSD表示されないようになっている。そのため、案内画面82は、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の給油許可を行えない画面となっている。これに対し、選択されたのが実際に給油許可待ち状態になっていない給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像であれば(図2、SB060、NOに対応)、「許可待ちあり」の表示は行われても、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の識別情報「No.m」の案内表示は行われないようになっている。
それから、給油所係員が「拡大」キーを操作すると、選択されたのが実際に給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像であれば、例えば図9に示すような案内画面83が、案内画面82に変えて画面操作部71に表示される。そして、案内画面83には、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像の拡大画像が、「許可待ちあり」及び給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の識別情報「No.m」の案内表示が表示され、その給油許可を行うための「許可」キーを含む操作キーがOSD(On-Screen Display)表示される構成になっている。したがって、給油所係員は、この案内画面83が表示され、顧客による給油作業の様子を、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの拡大監視画像で確認できるようになってから、はじめて「許可」キーを操作してその給油許可が行える構成になっている。そして、「許可」キーを操作すると、管理装置端末70宛に、給油許可待ちの給油機10(給油系統)についての給油許可の出力指示を送信出力する構成になっている(図2、SB070に対応)。
また、図示した実施例では、「拡大キー」に代えて、管理装置端末70には、端末携帯者の視線方向を検知する視線方向検知手段が備えられ、前記視線方向検知手段により端末携帯者(給油所員)の視線方向が前記管理装置端末70に表示された給油許可待ちの給油機10の監視画像に対し向いていると検知した場合には、当該給油機10に対し、給油許可が可能となる構成でもよい。これにより、給油所員の給油許可待ちの給油機への確認が不十分なまま給油許可がなされてしまうことを防止できる。なお、図8.9中の画像中の「<」「>」は給油機10の切替操作ボタンであり、このボタンを押下することで、他の給油機10への画像を切替ることができる。また、この切替の順番は、予め給油機に割り振られた番号順でも良いし、例えば、給油許可待ち等の係員が確認すべき給油機の画像を優先的に表示させてもよい。
したがって、本実施例のセルフ給油システム1では、案内画面81は、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報が実質的に表示されない隠蔽表示された画面となっており(図2、SB020に対応)、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の給油許可のためには、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像の拡大画像の案内画面83を表示しなければならない。そのため、給油所係員が給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEから離れて所在するような場合であっても、顧客が燃料供給作業を行う燃料液種や供給対象の給液口に対する燃料供給ノズルの装着状態の確認を拡大画像の案内画面83で給油所員に行わせることができ、給油作業の安全性が向上する。
また、上記した実施例では、給油所係員は、例えば図7に示すように、案内画面81に分割表示された複数の給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像のうちから、給油許可待ち状態になっていると思われる給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像を「選択」キーを用いて選択する構成としたが、例えば、次のように構成することも可能である。
管理装置端末70は、給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信すると、GPSや給油機10に備えられたビーコンを利用した管理装置端末70の位置情報通信取得機能を利用して、自身が給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEやその近辺に所在しているか否かによって確認を行う。そして、管理装置端末70は、給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEやその近辺に所在していない場合でも、給油許可待ち状態になっていると思われる給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの画像を「選択」キーを用いて選択せずとも、画面操作部71には、案内画面81に変えて、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像だけが表示された案内画面が自動的に表示される。つまり、係員が給油作業エリアEやその近辺に所在していない場合には、給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像が表示される。ただし、この案内画面は、図8に示した案内画面82とは異なり、「許可待ちあり」の案内表示だけが表示され、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の識別情報「No.m」の案内表示は表示されない構成になっている。
その後、管理装置端末70が給油所係員に携帯されて給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEやその近辺に移動して所在するようになると、管理装置端末70は、給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信すると、GPSや給油機10に備えられたビーコンを利用した管理装置端末70の位置情報通信取得機能を利用してこれを検出し、給油許可待ち状態になっている給油機10(給油系統)の識別情報「No.m」の案内表示がさらに表示され、その給油許可を行うための「許可」キーを含む操作キーがOSD(On-Screen Display)表示される構成になっている。したがって、給油所係員が、給油所係員に携帯されて給油許可待ちの給油機10の給油作業エリアEやその近辺に移動して、顧客が燃料供給作業を行う燃料液種や供給対象の給液口に対する燃料供給ノズルの装着状態を確認できるようになれば、給油許可待ちの給油機10の給油許可が管理装置端末70で行えるようになる。
なお、上述のように係員が給油作業エリアEやその近辺に所在しておらず、給油機10(給油系統)および給油作業エリアEの監視画像が表示された場合においても、端末携帯者(給油所員)の視線方向が前記管理装置端末70に表示された給油許可待ちの給油機10の監視画像に対し向いていると検知した場合には、当該給油機10に対し、給油許可が可能となる構成でもよい。
また、上記した実施例では、管理装置端末70は、給油管理装置60より給油許可待ちの給油機10の給油作業情報を受信して、給油作業情報の給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)を表示させない構成としたが、これに限らず給油管理装置60から送信される情報には給油作業情報の給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.)は含まれず、単に給油許可待ちの情報だけであってもよい。
本開示の給油システムは以上説明したように構成されるが、給油機10(給油系統)を特定可能な給油作業情報(給油許可する給油機10(給油系統)の給油機No.(給油系統No.))が報知されずに、給油許可待ち状態の給油機10があることを案内する給油システムであるならば、具体的な構成は説明した実施例に限られるものではない。