以下、本発明の実施の形態による燃料供給装置を、例えば灯油等の燃料の計量機に適用した場合を例に挙げ、添付図面の図1ないし図9に従って詳細に説明する。
図1において、燃料供給装置としての計量機1は、例えば灯油タンク等の容器(図示せず)に灯油を供給するため、給油作業を行う給油ブースに設置されている。計量機1は、四角形状をなす筐体2を有し、該筐体2の正面2A側には、後述の表示器12および設定装置13等が配設されている。筐体2内には、後述の送液管路5、ポンプ9、流量計10および制御弁11等が設けられている。
図2は、計量機1の外殻を構成する筐体2の内部構造(即ち、送液管路5、ポンプ9、流量計10および制御弁11等の配管構造)を簡略化して示したものであり、実際には筐体2の左,右両側に、それぞれ後述の給油ホース6が設けられる。しかし、図2中では、一方の給油ホース6側だけを示し、他方の給油ホース(図1中の右側に示す給油ホース6等)は簡略化のために省略している。なお、図1中では、計量機1に2つの給油ホース6を設ける場合を例に挙げているが、例えば1つまたは3つ以上の給油ホースを設ける構成であってもよい。
図2中に示すように、給油所の地下には、例えば灯油等の燃料を貯留する貯留タンク3が埋設されている。貯留タンク3は、通常は複数個に分離または分画して設けられ、夫々のタンク毎に液種の異なる液体燃料(例えば、灯油、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油等)が収容して貯留される。貯留タンク3内の液面4は、例えば専用の液面検出器(図示せず)を用いて検出され、これにより、貯留タンク3内の液体残量が監視されている。
燃料供給経路を構成する送液管路5は、筐体2内から下向きに延びる一端(下端)側が貯留タンク3に接続されている。送液管路5は、筐体2内で複数に分岐された分岐管部5Aを含んで構成されている。各分岐管部5Aの他端側は、それぞれ継手(例えば、図1に示す継手部5B)を介して給油ホース6に接続されている。各継手部5Bは、図1に示すように、筐体2の各側面2Bに設けられた回動可能な回転継手により構成されている。
給油ホース6は、送液管路5と共に燃料供給経路を構成している。給油ホース6の先端側には、被燃料供給体(例えば、灯油タンク等の容器)に液体燃料を供給するノズル7(以下、給油ノズル7という)が設けられている。この給油ノズル7は、給油作業の待機時に後述のノズル掛け8に掛止されている。例えば、給油所の操作者(即ち、係員)は、顧客の要求等に従って給油ノズル7をノズル掛け8から外し、前記灯油タンクの給油口にノズル先端を挿入して給油を行う。
給油ノズル7は、手動操作されるノズルレバー7Aを有し、ノズルレバー7Aの操作位置によって内蔵された弁の弁開度が、閉止状態から全開状態の範囲で可変に調整される。また、給油ノズル7には、ノズルレバー7Aの先端を任意の操作位置に掛止する掛止部(図示せず)が設けられている。給油ノズル7のノズルレバー7Aが係員により手動操作(開弁)されると、前記灯油タンクへの給油が開始され、後述する流量計10の流量パルス発信器10Aから流量パルスが制御装置14に出力される。なお、給油ノズル7は、前記タンク内の液面を検知して自動閉弁動作する構成であってもよく、自動閉弁機構を有していない汎用ノズルであってもよい。
図2に示すように、筐体2の側面2Bには、給油ノズル7が着脱可能に掛止めされるノズル掛け8が設けられている。また、このノズル掛け8には、ノズルスイッチ8Aが付設されている。このノズルスイッチ8Aは、給油ノズル7がノズル掛け8に掛止されているか否かを検出し、その検出信号を後述の制御装置14に出力する。なお、ノズル掛け8は、必ずしも筐体2に設ける必要はなく、例えば特開2007−161340号公報に記載のように、ノズル掛け用のノズルスタンドを別途設ける構成としてもよい。
送液管路5の途中には、筐体2内に位置してポンプ9、流量計10および制御弁11が配設されている。具体的には、送液管路5の各分岐管部5Aは、ポンプ9の下流側で、かつ流量計10よりも上流側となる位置で分岐されている。ポンプ9により吸い上げられた貯留タンク3内の燃料(例えば、灯油)は、各分岐管部5A内を流通するときに、流量計10により分岐管部5A毎の流量が計測される。ポンプ9は、貯留タンク3内の燃料を給油ノズル7側に供給するため、ポンプモータ9Aにより回転駆動される。
流量計10は、ポンプ9により各給油ノズル7に供給された燃料の給油量を、各分岐管部5A毎に個別に計測する流量検出手段である。流量計10には、流量パルス発信器10Aが付設されている。この流量パルス発信器10Aは、各分岐管部5A内を流れる燃料の流量に応じた流量パルス信号を後述の制御装置14に出力する。
流量調整手段としての制御弁11は、その弁開度が可変に制御される電磁式流量制御弁により構成されている。制御弁11は、その弁開度が制御装置14から出力される駆動信号の周波数およびデューティ比に応じて可変に制御される。これにより、制御弁11は、各分岐管部5Aから給油ホース6を介して給油ノズル7へと供給される燃料(油液)の流量を、例えば大流量と小流量とに切換えて可変に調整することができる。
筐体2の正面2A側には、計量機1による燃料の給油量を表示する表示手段としての表示器12と、給油所の作業者(操作者である係員)が手動操作することにより給油量に関する設定が行われる設定手段としての設定装置13とが設けられている。表示器12は、後述の制御装置14から出力される表示制御信号に従って現時点での給油量(即ち、給油ノズル7による給油時に流量計10により計測された瞬時流量を積算して得られる給油量)を表示すると共に、給油作業が終了したときには、その給油量を表示器12の画面上で表示する。
また、表示器12は、図4〜図6中に示すように、フリー給油を行うときには前記表示制御信号に従って「F」なる表示を行い、燃料供給中において、今回の燃料供給における積算供給流量の整数値となる目標流量を設定し、その目標流量に収める処理(シャープストップ処理)を行ったときには「L」なる表示を行う。図4中の(E)で示すように、「L」なる表示を点滅させるときには、制御弁11の開度を小流量とした状態で給油作業が自動停止(即ち、ポンプ9が停止)した場合を表している。一方、図6中の(E)で示すように、「n」なる表示を点滅させるときには、後述の注油選択ボタン13D(シャープストップ)の操作が無効であることを表している。また、プリセット給油を行っているときには、表示器12により「P」なる表示を行う。
設定装置13には、図3に示すように、プリセット給油時等の注油量を選択的に設定する操作スイッチとしての注油選択ボタン13A,13B,13C,13Dと、注油開始ボタン13Eと、注油終了ボタン13Fとが設けられている。注油選択ボタン13Aは、例えば注油量10Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。注油選択ボタン13Bは、例えば注油量18Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)で、注油選択ボタン13Cは、例えば注油量20Lのプリセット給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。
注油選択ボタン13Dは、前述の如きプリセット給油ではなく、注油量を自由に(即ち、フリー)に設定するためのフリー給油を行うときに係員が選択的に押下する操作スイッチ(ボタン)である。注油選択ボタン13Dは、図3中に示すように、「フリー/シャープストップ」用のボタンとして設けられている。これにより、注油選択ボタン13Dは、係員によるシャープストップ処理がなされたか否かを確認する確認手段を構成している。
設定装置13の注油開始ボタン13Eは、実際に給油を行うときに係員が押下することにより、制御装置14に対してポンプ駆動信号を出力する操作スイッチ(ボタン)である。一方、注油終了ボタン13Fは、給油を中断または終了させるときに係員が押下することにより、制御装置14に対してポンプ停止信号を出力するための操作スイッチ(ボタン)である。
計量機1の筐体2内には、設定装置13により設定された前記給油量に基づいて給油に関する制御を行う制御手段としての制御装置14が設けられている。この制御装置14は、給油ノズル7による給油時に流量計10により計測された瞬時流量を積算して得られる給油量を、表示器12により表示させる表示制御手段を含んで構成されている。また、この表示制御手段は、前記給油作業が終了したときに、その給油量を表示器12で表示させる機能も有している。
制御装置14の入力側は、ノズル掛け8のノズルスイッチ8A、流量計10の流量パルス発信器10Aおよび設定装置13の各操作スイッチ(即ち、ボタン13A〜13F)等に接続されている。制御装置14の出力側は、ポンプ9のポンプモータ9A、制御弁11および表示器12等に接続されている。制御装置14は、給油ノズル7がノズル掛け8から外されてノズルスイッチ8Aからの検出信号が入力されると、ポンプ9のポンプモータ9Aを起動する。このとき、ポンプ9は、制御装置14からのポンプ駆動信号により貯留タンク3内の燃料を送液管路5内に吸上げる。
また、制御弁11は、制御装置14から所定周波数の駆動信号が出力されると共に、当該駆動信号のデューティ比を変更することにより、所定の弁開度を保つように制御される。給油ノズル7のノズルレバー7Aが操作されると、前記タンクへの給油が開始され、流量計10の流量パルス発信器10Aから流量パルスが制御装置14に出力される。そして、制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算して表示器12に給油量を表示させる。また、制御装置14は、後述するように設定装置13の設定操作に従ってプリセット給油制御またはフリー給油制御等を行う。
制御装置14は、例えばROM,RAMおよび/または不揮発性メモリ等からなるメモリ14Aを有している。このメモリ14Aには、例えば図7および図8に示す給油制御処理を実行するための制御プログラムが格納されている。また、メモリ14Aには、設定装置13の注油選択ボタン13A,13B,13Cのいずれかが押下されたときに、例えば注油量10L,18Lまたは20Lのプリセット給油を行うことを表示器12で「P」として表示させる。一方、注油選択ボタン13Dを押下したときには、注油量を任意に(即ち、フリー)に設定することができるフリー給油を行うため、表示器12で「F」として表示させる。さらに、メモリ14Aには、フリーボタン(注油選択ボタン13D)が押下された回数を計数するカウンタC等が格納されている。
本実施の形態による燃料供給装置としての計量機1は、上述の如き構成を有するもので、次に、例えば灯油タンク等の容器に燃料を供給する給油作業(給油制御処理)について説明する。
まず、給油所に顧客が持ち込んだ容器(例えば、灯油タンク)に燃料を供給するときには、係員が給油ノズル7をノズル掛け8から取外し、この状態で給油ノズル7の先端側を前記容器(タンク)の給油口に挿入する。制御装置14による給油制御処理は、この状態で例えば図7乃至図9に示す手順に従って実行される。
即ち、制御装置14は、図7に示す処理動作が開始されると、ステップ1でカウンタCを、C=0として初期設定する。次に、ステップ2で注油選択ボタン13A〜13Eのいずれかが押下されたか否かを判定する。注油選択ボタン13A〜13Eのいずれかが押下されたと判定された場合には、ステップ3に進む。
次のステップ3では、注油選択ボタン13A〜13Cによるプリセット給油ではなく、フリー給油が選択(設定)されているか否かを判定する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、注油選択ボタン13Dが押下されることにより、フリー給油が選択(設定)されているので、次のステップ4では表示器12により「F」表示を行う。例えば図4(B)、図5(B)または図6(B)は、このような状態を表示している。
次に、ステップ5では注油開始ボタン13Eが押下されたか否かを判定する。制御装置14は、ステップ5で「YES」と判定したときに、ステップ6に進み、表示器12の表示内容をゼロリセットする。例えば、図4(A)、図5(A)または図6(A)は、表示器12で前回のフリー給油が給油量を20.00Lとして行われたことを表示している。そして、図4(B)、図5(B)または図6(B)は、今回の給油作業がフリー給油として設定されたことを、表示器12の画面上で「F」として表示し、前記ゼロリセットにより給油量は「0.00L」として表示されている。そして、注油開始ボタン13Eの押下に従ってポンプモータ9Aへとポンプ駆動信号を出力(ステップ7)し、ポンプ9を回転させる。次のステップ8では制御弁11を開弁させ、給油時の流量が大容量(例えば、40L/min)となるように弁開度を大きく調整する。このとき、給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作(開弁)することにより、前記タンクへの給油が開始される。
次のステップ9では流量計測が行われる。即ち、前記タンクへの給油が開始されると、給油ノズル7に向けて分岐管部5A内を燃料が流通するので、このときの燃料流量に対応した流量パルスが、流量計10の流量パルス発信器10Aから制御装置14に出力される。そして、制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算し、ステップ10では表示器12に現時点での給油量(給液量)を表示させる。
次のステップ11では、設定装置13の注油終了ボタン13Fが押下されたか否かを判定する。ステップ11で「NO」と判定するときは、係員が注油終了ボタン13Fにより注油終了を指示してはいない場合である。このため、次の図8に示すステップ12では、流量計10による計測流量が零(流量=0)となっているか否かを判定する。このステップ12で「NO」と判定し、計測流量が零でないときは、例えば給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作して内蔵の弁を開弁させた状態であり、これにより、前記タンクへの給油が続けられている。そこで、この場合には、前記ステップ9に戻って、これ以降の処理を続行する。
しかし、ステップ12で「YES」と判定し、計測流量が零のときには、例えば給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作(閉止)して内蔵の弁を閉弁させ、これにより、前記タンクへの給油が中断されている。例えば、図4(C)、図5(C)または図6(C)は、このような場合を表示器12で表示しており、あくまでも一例としてフリー給油が給油量「4.13L」なる状態で一時的に停止されている。
次のステップ13では、設定装置13の注油選択ボタン13Dが「フリー/シャープストップ」用のボタン(即ち、シャープストップの確認手段)として押下されたか否かを判定する。ステップ13で「NO」と判定するときは、係員が給油停止中に注油選択ボタン13Dを押していない場合(即ち、注油選択ボタン13Dによる確認動作は行われていない場合)である。そこで、この場合も、前記ステップ9に戻って、これ以降の処理を続行する。
しかし、ステップ13で「YES」と判定した場合は、フリーボタン(注油選択ボタン13D)が「シャープストップ」用のボタンとして押下され、係員による確認動作が行われている。そこで、この場合は、次のステップ14でカウンタCを、「C←C+1」として計数値を「1」だけ歩進する。次に、ステップ15では、カウンタCの計数値が奇数であるか否かを判定する。例えば、前記ステップ4〜13の処理で注油選択ボタン13Dが最初に押下されたときには、「C=1」となり、カウンタCの計数値は奇数である。ステップ15で「YES」と判定したときには、注油選択ボタン13Dが「フリー/シャープストップ」用のボタンとして押下され、係員による確認動作が行われていると判断することができる。
次のステップ16で「小数点以下が所定数値以内である」か否かを判定する。これは、前記タンクへの積算供給量を整数値(即ち、きりの良い値)に収めることができるか否かを判断するため、小数点以下の数値が、例えば「0.01〜0.89」の範囲内であるか否かを判定する処理である。例えば、図4(C),(D)または図5(C),(D)に示すように、表示器12による給油量の表示が「4.13L」なる状態では、小数点以下が所定数値以内となっているので、前記ステップ16で「YES」と判定される。
次のステップ17では、目標給液量の設定演算を行う。具体的には、現時点での給油量(給液量)のうち小数点以下を切り捨て、これに「+1.00」として目標給液量の設定演算を行う。例えば、図4(D)または図5(D)の表示では、現時点での給油量が「4.13L」となっているので、この場合の目標給液量(即ち、目標給油量)は、「5.00L」に設定演算される。
そして、次のステップ18では、表示器12で「L」なる表示を行う。これにより、シャープストップ処理がなされたことを係員が確認することができる。例えば、図4(D)または図5(D)は、このような場合を表示器12で表示しており、表示器12は、現在の燃料供給に関し、シャープストップ処理がなされたことを「L」として表示し、現時点での給油量を「4.13L」として表示している。ここから、係員は今回の燃料供給に関しては、シャープストップ処理により、積算供給流量5.00Lで終了することを確認できる。
次のステップ19では「目標給液量=給液量?」を判定する。ステップ19で「NO」と判定したときには、これまでの給油作業による給液量(給油量)が目標給液量に達していない。そこで、次のステップ20では、「給液量>目標給液量−α」なる判定処理を行う。ステップ20で「NO」と判定するときには、現時点での給油量(給液量)と目標給液量との差が、判定値αよりも大きいので、前記ステップ9以降の処理(例えば、大流量での給油)を続行させる。しかし、ステップ20で「YES」と判定したときには、現時点での給油量(給液量)と目標給液量との差が、判定値αよりも小さくなっている。
そこで、次のステップ21では、制御弁11を弁開度が小さくなるように制御し、給油時の燃料流量が小容量(例えば、5L/min)となるように開度調整を行う。
このとき、給油所の係員は表示器12による給液量(給油量)の表示を確認しながら、小流量状態での小刻みな給油作業を続けているので、例えば図4(E)のように、表示器12の給液量(給油量)表示が「5.00L」に達し、給油量(給液量)が目標給液量に達したときには、前記ステップ19で「YES」と判定される。即ち、このような給油作業による給液量(給油量)が目標給液量、例えば「5.00L」となっているときには、ステップ19で「YES」と判定される。そこで、この場合には、図9に示すステップ53で、制御装置14からポンプモータ9Aにポンプ停止信号を出力し、ポンプ9を停止させる。これにより、給油量が整数値となるように小流量状態での給油作業を安定して終了させることができる。
また、前記ステップ19で「NO」と判定したときには、これまでの給油作業による給液量(給油量)が目標給液量に達しておらず、給油所の係員は、給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作して内蔵の弁を開弁させれば、前記タンクへの給油が続けられる。そこで、この場合は、次に、ステップ20で「YES」と判定する限り、次のステップ21から前記ステップ9以降の処理(小流量状態での給油処理)を、即ち「目標給液量=給液量」となるように続行することができる。
また、給油所の係員が表示器12による給液量(給油量)の表示を確認しながら小流量状態での給油作業を続け、灯油タンク(容器)への満タン給油を行う場合がある。この場合、前記タンクへの給油量が満タンに近付くと、係員は給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作(閉止)して内蔵の弁を閉弁させる。これにより、ステップ12では計測流量が零となって「YES」と判定するが、次のステップ13で「NO」と判定する限りは、ステップ9以降の処理に戻る。この段階で、係員が前記タンクへの給油量が満タンと判断したとき、ステップ11で注油終了ボタン13Fが押下される。この結果、図9に示すステップ53でポンプ停止信号が出力され、ポンプ9を停止させることにより満タン給油を終了させる。
一方、前記ステップ20で「NO」と判定したときには、現時点での給油量(給液量)と目標給液量との差が、判定値αよりも大きいので、前記ステップ9以降の処理を続行し、この場合は、例えば大流量での給油を行うことができる。そして、この場合も給油所の係員は、給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作して内蔵の弁を開弁させれば、前記タンクへの給油が続けられる。
また、前記カウンタCの計数値が、例えば「C=2」で偶数となった場合は、ステップ15で「NO」と判定される。これは、前回、行なわれたシャープストップ処理をキャンセルするために、注油選択ボタン13D(フリー給油)が再操作されているので、前記カウンタCの計数値が、例えば「C=2」で偶数となり、ステップ15で「NO」と判定される。このため、次のステップ22では、表示器12により「F」表示を行い、次のステップ23では、目標給油量をリセットする。即ち、前記ステップ17で設定された目標給油量は、ステップ23の処理でリセットされる。
一方、前記ステップ16で「NO」と判定したときは、現時点での積算給油量(給液量)の小数点以下の数値が、例えば「0.01〜0.89」の範囲内ではなく、「0.90〜0.99」となっている場合である。このような場合は、ステップ18以降の処理で小流量(例えば、5L/min)の給油を行ったとしても、所謂行き過ぎ量が発生し易く、前記タンクへの積算供給量を整数値(即ち、きりの良い値)に収めることが難しい。
そこで、このような場合は、次のステップ24で表示器12により「n」なる表示を点滅させる。即ち、この場合は、注油選択ボタン13D(フリー給油)の操作を再試行する必要があるので、例えば図6(E)に示すように、表示器12により「n」なる表示を点滅させ、注油選択ボタン13D(シャープストップ処理)の操作が無効となっていることを報知する。図6(D),(E)では、現時点での給油量を表示器12により「4.90L」として表示している。このため、次のステップ25では所定時間が経過するのを待機し、次のステップ26で表示器12の画面上でフリー給油の「F」を表示し、その後は前記ステップ9以降の処理を実行する。
一方、前記ステップ3で「NO」と判定したときには、注油選択ボタン13A〜13Cのいずれかが押下され、プリセット給油が選択された場合である。このため、次のステップ27では、表示器12により「P」なる表示を行う。次のステップ28では「目標給液量=プリセット量」として目標給液量の設定を行う。例えば、注油選択ボタン13Aを押下した場合は10L、注油選択ボタン13Bを押下した場合は18L、注油選択ボタン13Cを押下した場合は20Lとして目標給液量(給油量)の設定を行う。
次に、ステップ29では注油開始ボタン13Eが押下されたか否かを判定し、ステップ29で「YES」と判定したときには、次のステップ30で表示器12の表示内容をゼロリセットする。例えば、表示器12で前回の給油量が20.00Lとして行われていた場合には、今回の給油作業がプリセット給油として設定されたことを、表示器12の画面上で「P」として表示し、前記ゼロリセットにより給油量は「0.00L」として表示されることになる。そして、ステップ31で注油開始ボタン13Eの押下に従ってポンプモータ9Aへとポンプ駆動信号を出力し、ポンプ9を回転させる。次のステップ32では制御弁11を開弁させ、給油時の流量が大容量(例えば、40L/min)となるように弁開度を大きく調整する。このとき、給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作することにより、前記タンクへの給油が開始される。
次のステップ33では流量計測を行い、このときの燃料流量に対応した流量パルスが流量計10の流量パルス発信器10Aから制御装置14に出力され、制御装置14は、流量パルス発信器10Aから出力された流量パルスを積算し、ステップ34では表示器12に現時点での給油量(給液量)を表示させる。
次のステップ35では、設定装置13の注油終了ボタン13Fが押下されたか否かを判定し、「YES」と判定した場合は、例えば給油所の係員が注油終了ボタン13Fを押下しているので、図9に示すステップ53に移ってポンプ停止信号を出力してポンプ9を停止させ、これにより、今回の給油作業を終了させる。一方、ステップ35で「NO」と判定するときは、係員が注油終了ボタン13Fにより注油終了を指示していない場合である。
そこで、この場合は、次の図9に示すステップ36において、「給液量=目標給液量?」を判定する。ステップ36で「YES」と判定したときには、現時点での給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に達しているので、前記ステップ53に移ってポンプ停止信号を出力してポンプ9を停止させ、これにより、今回の給油作業を終了させる。一方、ステップ36で「NO」と判定するときには、現時点での給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に達していない。
そこで、次のステップ37では、「給液量>目標給液量−α」なる判定処理を行う。ステップ37で「NO」と判定するときには、現時点での給油量(給液量)と目標給液量との差が、判定値αよりも大きいので、後述するステップ39以降の処理を行う。しかし、ステップ37で「YES」と判定したときには、現時点での給油量(給液量)と目標給液量との差が、判定値αよりも小さくなっている。
そこで、次のステップ38では、制御弁11を弁開度が小さくなるように制御し、給油時の燃料流量が小容量(例えば、5L/min)となるように開度調整を行う。そして、その後はステップ39以降の処理を行い、前記ステップ36で「YES」と判定し、給油量(給液量)が目標給液量(即ち、プリセット量)に達した段階で、ステップ53の処理でポンプ9を停止させてプリセット給油を終了させる。
ステップ39では、プリセット給油の途中で流量計10による計測流量が零(流量=0)となっているか否かを判定する。このステップ39で「NO」と判定し、計測流量が零でないときは、例えば給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作して内蔵の弁を開弁させた状態であり、これにより、前記タンクへの給油が続けられている。そこで、この場合には、前記ステップ33に戻って、これ以降の処理を続行する。
また、ステップ39で「YES」と判定し、計測流量が零のときには、例えば給油所の係員が給油ノズル7のノズルレバー7Aを手動操作(閉止)して内蔵の弁を閉弁させ、これにより、前記タンクへの給油が中断されている。次のステップ40では、設定装置13の注油選択ボタン13Dが「フリー/シャープストップ」用のボタン(即ち、シャープストップの確認手段)として押下されたか否かを判定する。ステップ40で「NO」と判定するときは、係員が注油選択ボタン13Dを押して給油(注油)を停止させてはいない場合(即ち、注油選択ボタン13Dによるシャープストップの確認動作は行われていない場合)である。そこで、この場合も、前記ステップ33に戻って、これ以降の処理を続行する。
しかし、ステップ40で「YES」と判定した場合は、注油選択ボタン13Dが「フリー/シャープストップ」用のボタンとして押下され、係員によるシャープストップの確認動作が行われている。例えば、プリセット給油の途中で、目標給油量(目標給液量=プリセット量)を変更したい場合に、係員が注油選択ボタン13Dを「シャープストップ」用のボタンとして押下することにより、ステップ39で「YES」と判定される。具体例として、例えば「18L」のプリセット給油の途中で、例えば「15L」の整数値で給油を行う場合が、ステップ40〜46の処理に相当する。
そこで、この場合は、次のステップ41でカウンタCを、「C←C+1」として計数値を「1」だけ歩進する。次に、ステップ42では、カウンタCの計数値が奇数であるか否かを判定する。例えば、前記ステップ27〜40の処理で注油選択ボタン13Dが最初に押下されたときには、「C=1」となり、カウンタCの計数値は奇数である。ステップ42で「YES」と判定したときには、注油選択ボタン13Dが「フリー/シャープストップ」用のボタンとして押下され、係員によるシャープストップ処理の確認動作が行われていると判断することができる。
次のステップ43では「小数点以下が所定数値以内である」か否かを判定する。これは、前記タンクへの積算供給量を整数値(即ち、きりの良い値)に収めることができるか否かを判断するため、小数点以下の数値が、例えば「0.01〜0.89」の範囲内であるか否かを判定する処理である。ステップ43で「YES」と判定した場合、次のステップ44で目標給液量の設定演算を行う。具体的には、現時点での給油量(給液量)のうち小数点以下を切り捨て、これに「+1.00」として目標給液量の設定演算を行う。そして、次のステップ45では、目標給液量が設定されたプリセット量以下か否かを判定する。ここで、目標給液量がプリセット量を超える場合には、ステップ47に進み、目標給液量=プリセット量として、後述するステップ48へ進む。また、ステップ45で「YES」と判定し、目標給液量がプリセット量以下であれば、今回の目標給液量による給液は可能であるので、ステップ46に進む。
そして、次のステップ46では、表示器12で「L」なる表示を行う。前記ステップ38で制御弁11は、その開度が小流量に設定されるため、このことをステップ46の処理で、表示器12に「L」なる表示を行わせることにより報知する。そして、その後は前述したステップ33以降の処理を行い、前記ステップ36で「YES」と判定し、給油量(給液量)が目標給液量(例えば、「15L」の整数値で給油を行う場合の目標量)に達した段階で、ステップ53の処理でポンプ9を停止させて整数値での給油を終了させる。
また、前記ステップ43で「NO」と判定したときは、現時点での積算給油量(給液量)の小数点以下の数値が、例えば「0.01〜0.89」の範囲内ではなく、「0.90〜0.99」となっている場合である。このような場合は、ステップ46以降の処理で小流量(例えば、5L/min)の給油を行ったとしても、所謂行き過ぎ量が発生し易く、前記タンクへの積算供給量を整数値(即ち、きりの良い値)に収めることが難しい。
そこで、このような場合は、次のステップ48で表示器12により「n」なる表示を点滅させる。即ち、この場合は、注油選択ボタン13D(フリー給油)の操作を再試行する必要があるので、表示器12により「n」なる表示を点滅させ、注油選択ボタン13D(シャープストップ処理)の操作が無効となっていることを報知する。このため、次のステップ49では所定時間が経過するのを待機し、次のステップ50で表示器12の画面上でプリセット給油の「P」を表示し、その後は前記ステップ33以降の処理を実行できるようにする。
一方、前記ステップ42で「NO」と判定する場合は、前記カウンタCの計数値が、例えば「C=2」で偶数となっている。この場合、前回、行なわれたシャープストップ処理をキャンセルするために、注油選択ボタン13D(フリー給油)が再操作されているので、ステップ42で「NO」と判定される。このため、次のステップ51では、表示器12により「P」表示を行い、次のステップ52では、目標給油量(目標給液量=プリセット量)として設定し、前記ステップ32以降の処理を続行する。
かくして、本実施の形態によれば、給油所の係員が最初に注油選択ボタン13Dを押下してフリー給油を選択し、例えば図7のステップ8〜10の如く所定流量(大流量)でフリー給油を行っているときに、その給液量が目標量に近付いてくると、係員がノズルレバー7Aを閉止してステップ12の如く「流量=0」とした段階で、ステップ13の処理で係員が注油選択ボタン13Dを「フリー/シャープストップ」用のボタンとして、再度押下したか否かを確認する構成としている。
そして、係員が「フリー/シャープストップ」用の注油選択ボタン13Dを押下した場合には、係員によるシャープストップ処理がなされたことを確認したとして、制御装置14は判断(認識)することができる。このように、制御装置14は、係員の判断を確認した上で、例えばステップ18〜21の処理によりシャープストップ処理による積算燃料供給量の整数値での供給停止がなされるので、係員が意図しない状態で供給停止となってしまうのを防ぐことができる。また、シャープストップ処理がなされる場合には、積算燃料供給量を整数値に収めるため、流量が所定流量よりも低い流量に低下する場合もあるが、その場合にでも、係員が確認したことによりシャープストップ処理がなされる為に、係員が意図しない状態で低い流量に低下することが防止される。さらに、本件では、フリー給油ボタンとシャープストップボタンとが一つのボタンで共用化されており、それぞれのボタンを設ける場合と比べて、コスト低減が図られる。
このため、従来技術のように、係員が意図しない状態で燃料供給が停止される可能性はなくなり、例えば満タンに燃料を給油するまでに余分な時間がかかるようなことはなくなる。この結果、本実施の形態では、例えば灯油タンク等の容器に満タンに燃料を供給するまでの時間を短縮させ、作業性を向上することができる。
また、給油所の係員は、例えば「F」または「L」等の表示器12による表示内容を確認しながら、ノズルレバー7Aを手動操作することができるので、表示器12の「L」なる表示により、シャープストップ処理がなされていることが把握でき、係員が意図しない状態で燃料供給が停止してしまうことを防止できる。
一方、その後に係員が「フリー/シャープストップ」用の注油選択ボタン13Dを再度押下し、カウンタCが「C=2」となった場合(ステップ15→ステップ22,23)には、このことを係員が意図(シャープストップ処理をキャンセル)した操作と確認した上で、ステップ8以降の処理を行うことにより、シャープストップ処理をキャンセルすることができる。また、流量を低流量から所定流量に切り替えることが可能となり、燃料供給の作業効率の低下を防止できる。
また、灯油タンク等の容器に燃料を供給するときに、その積算供給量(給液量)を整数値(即ち、きりの良い値)に収めた状態で給油作業を停止することができる。そして、整数値に収めようとすると、所謂行き過ぎが給油量に生じる場合には、例えば図6(E)のように、表示器12により「n」なる表示を点滅させ(ステップ24参照)、注油選択ボタン13D(フリー給油)の操作が無効となっていることを報知することができる。
このような場合は、次のステップ25では所定時間が経過するのを待機し、次のステップ26で表示器12の画面上でフリー給油の「F」を表示し、その後は前記ステップ9以降の処理を実行できるようにする。
また、制御装置14は、流量計10により計測される現時点での流量値と上記流量値よりも高い整数値(即ち、きりの良い値)との数値差に応じて、燃料の供給量を低い流量から所定流量に切り替えることができる。これにより、給油対象の容器への積算供給量が整数値にできる場合には、燃料の供給量を低い流量から所定流量に切り替えることが可能となり、燃料供給の作業効率の低下を防ぐことができる。
なお、前記実施の形態では、図8中のステップ12でノズルレバー7Aを閉止して「流量=0」とし、かつ注油選択ボタン13D(フリー/シャープストップボタン)が押下されたときに、シャープストップ処理がなされることを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ノズルレバー7Aと注油選択ボタン13Dとの何れか一方のみを操作することにより、シャープストップ処理がなされる構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、例えば図8中のステップ21と図9中のステップ38で制御弁11の開度を小さくすることにより、燃料の流量を所定流量よりも低い流量に低下させる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば制御弁11の開度を変えずに、ポンプ9の回転数を低下させることにより、燃料流量を所定流量よりも低い流量に低下させる構成としてもよい。この場合、流量調整手段は、制御弁11に限らず、例えばポンプの回転数を変更(増減)させる構成により実現される。
一方、前記実施の形態では、注油選択ボタン13D(フリー/シャープストップボタン)の押下により、フリー給油を選択した場合のシャープストップ処理について例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば注油選択ボタン13A〜13Cによりプリセット給油を選択した場合にもシャープストップ処理がなされる構成としても当然よい。
また、前記実施の形態では、例えば図8中のステップ18で表示器12により「L」なる表示を行い、その後のステップ21で制御弁11の開度を小さくして燃料の流量を所定流量よりも低い流量に低下させる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば制御弁11の開度を先に小さくした後に、表示器12により「L」なる表示を行う構成としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、灯油タンク等の容器に燃料を供給する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば給油対象の容器として車両の燃料タンクを用いてもよく、車両以外のタンクや容器等を給油対象としてもよい。
次に、上記の実施形態に含まれる発明について記載する。即ち、燃料供給装置は、少なくとも給油量を表示させる表示手段を備え、前記確認手段により、目標流量を設定させることの確認がなされた場合には、前記表示手段に、目標流量の設定(シャープストップ処理)がなされたことを表示させる表示制御手段を備えたことを特徴としている。これにより、係員は、表示手段を確認することにより、シャープストップ処理がなされていることを把握することができ、係員が意図しない状態で供給が停止となってしまうことをなくすことができる。
また、制御手段によりシャープストップ処理がなされた後、係員による確認(シャープストップ処理のキャンセル)がなされた場合には、前記制御手段は、シャープストップ処理を取消し(キャンセル)することができる。具体的には、設定された目標流量がキャンセルされると共に、積算供給量を整数値化するため、燃料の供給量を低い流量にしていた場合には、シャープストップ処理がキャンセルされたことにより、燃料の供給量を低い流量から所定流量に切り替えることができる。これにより、係員が確認したことにより、流量を低流量から所定流量に切り替えることができるので、燃料供給の作業効率の低下を防止できる。
さらに、制御手段は流量計により計測される流量値と上記流量値よりも高い整数値との数値差に応じて、目標流量設定手段による目標流量の設定(シャープストップ処理)を可能とすることを特徴としている。これにより、給油対象の容器への積算供給量が整数値にできる場合には、シャープストップ処理が可能となり、燃料供給の作業効率の低下を防止することができる。