JP2017536240A - 湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法 - Google Patents

湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法 Download PDF

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Abstract

本発明に係る湯面流動制御装置は、複数の測温器において測定された位置別の相対的な温度値を前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出し、前記複数の測温器において測定された温度値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する湯面流動検出ユニットと、鋳型の外側に配設されて、磁場を発生させて、前記磁場により前記溶鋼の流動を制御する磁場発生ユニットと、湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動状態が正常であると判断される場合、前記磁場発生ユニットの動作を現在の状態に維持し、前記検出された湯面の流動状態が非正常であると判断される場合、前記磁場発生ユニットの動作を制御して湯面の流動が正常となるように調節する流動制御ユニットと、を備える。したがって、本発明の実施形態によれば、鋳型の上側に複数の測温器を配設して湯面の幅方向の位置別の温度を検出し、これを相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出することができ、湯面の流動の正常又は非正常状態に対するモニターリングを手軽に行うことができて、湯面の流動に対する欠陥の発生を低減することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法に係り、より詳しくは、鋳型内の溶鋼の湯面の流動を容易に制御することのできる湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法に関する。
一般に、連続鋳造(continuous casting)工程は、所定の形状の鋳型に溶鋼を連続して注入し、鋳型内において半凝固された溶鋼を連続して鋳型の下側に引き抜いて、鋳片(slab)、ブルーム(bloom)、ビレット(billet)などの様々な形状の半製品を製造する工程である。鋳型は、その内部に冷却水が循環することにより、注入された溶鋼が半凝固されて所定の形状に製作される。即ち、溶融状態の溶鋼が、鋳型における一次冷却作用により半凝固され、鋳型から引き抜かれた未凝固溶鋼は、前記鋳型の下側に延設された二次冷却帯から吹き付けられる冷却水により凝固が行われて、完全な固体状態の鋳片が形成される。
鋳型における一次冷却は、鋳片(slab)の表面の品質を決定する上で最も重要である。即ち、一次冷却は、鋳型内の溶鋼の流動により左右され、一般に、溶鋼と鋳型の内壁との間の潤滑及び溶鋼の保温のために溶鋼の湯面(meniscus)の上にはモールドフラックス(mold flux)が塗布されている。ところが、鋳型内において溶鋼の湯面における速い流動又は偏流(bias flow)が発生すると、モールドフラックスの混入が引き起こされ、これにより、鋳片に欠陥が発生する。
このため、湯面の流動による鋳片の欠陥を防ぐためには、鋳造操業中に鋳型内の溶鋼の湯面の流動をリアルタイムで測定する必要がある。しかし、溶鋼は、鋳型内において高温状態に保たれるため、湯面の流動パターン(又は、流動パターン、流動の形状)をリアルタイムで測定するのは困難である。なお、溶鋼の湯面は、その上にモールドフラックスが塗布されているので、目視又はカメラなどを用いて作業者が確認することができない。
一方、鋳型内の溶鋼の湯面の流動を検出する方法として、韓国登録特許公報第10−12244323号広報に開示されているように、電磁気誘導コイルを用いた渦電流レベル計(ECLM:eddy current level meter)を用いて湯面の高さを測定し、これを用いて湯面の高さを制御する技術が知られている。しかしながら、上記の方法は、何れか一つの個所の高さのみを測定するものであるため、湯面の全体の溶鋼の流動を測定することができない。
また、所望の鋳片の大きさに応じて鋳型の幅が変化するが、このような鋳型の変化により、湯面の形状をリアルタイムで測定することも決して容易ではない。
本発明は、鋳型内の溶鋼の湯面の流動を可視化し、これを用いて湯面の流動を制御することができる湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法を提供する。
また、本発明は、湯面の流動の正常又は非正常状態に対するモニターリングを容易に行うことができ、これを用いて湯面の流動による欠陥の発生を低減することができる湯面流動制御装置、及び溶鋼流動制御方法を提供する。
更に本発明は、鋳型内の溶鋼の湯面の流動パターンの形態に基づいて、前記湯面の流動制御方法を調節して、湯面の流動による鋳片の欠陥の発生を低減することができる湯面流動制御装置、及びこれを用いた湯面流動制御方法を提供する。
本発明は、鋳片の幅を問わずに湯面の形状を可視化させることができる湯面流動制御装置、及びこれを用いた湯面流動制御方法を提供する。
本発明に係る湯面流動制御装置は、内部に溶鋼が収容された鋳型の幅方向の温度を複数の位置において測定する複数の測温器と、前記複数の測温器において測定された位置別の相対的な温度値を前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出し、前記複数の測温器において測定された温度値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する湯面流動検出ユニットと、前記鋳型の外側に配設されて、磁場を発生させて、前記磁場により前記溶鋼の流動を制御する磁場発生ユニットと、前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動状態が正常であると判断される場合には、前記磁場発生ユニットの動作を現在の状態に維持し、前記検出された湯面の流動状態が非正常であると判断される場合には、前記磁場発生ユニットの動作を制御して湯面の流動が正常となるように調節する流動制御ユニットと、を備える。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器において測定された温度測定値を前記溶鋼の湯面の位置別の温度値として相対的に示して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器のそれぞれの温度間の温度差を算出し、算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器のそれぞれに対して他の残りの測温器との温度差を算出し、前記基準温度範囲と比較して、前記湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値の全てが基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動を正常状態と判断し、前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値のうちの少なくとも何れか一つの差分値が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器のうち前記両端に配設された測温器間の温度差を算出し、算出された前記両端に配設された測温器間の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器のうち中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差を算出し、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較し、また前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面検出ユニットは、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記複数の測温器の温度に対する平均温度を算出し、前記複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差、及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を算出し、前記一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、
鋳片の鋳造中に、鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器のうち中心に配設された測温器、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度をリアルタイムで測定し、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出し、算出された前記時系列的な平均温度、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器との温度差をそれぞれ算出し、算出された前記時系列的な平均温度、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記鋳型に溶鋼を吐き出す鋳造の初期から前記中心に配設された測温器の温度を測定して時系列的な平均温度をリアルタイムで算出し、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を所定の時点まで算出した後に、前記一方の端及び他方の端に配設された測温器のそれぞれの温度を用いて、溶鋼の湯面の流動状態を判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、鋳片の鋳造中に、鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、他方の端に配設された測温器と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、の温度を測定し、前記一方の端に配設された測温器の温度と前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度との温度差値である第1の温度差を算出し、前記他方の端に配設された測温器の温度と前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度との温度差値である第2の温度差を算出し、前記第1の温度差及び第2の温度差のそれぞれを基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記湯面流動検出ユニットは、前記第1の温度差及び第2の温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、前記第1の温度差及び第2の温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記流動制御ユニットは、前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れた測温器の位置を確認し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れた測温器と対応するように配設された磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場の移動方向、強さ、及び移動速度のうちの少なくとも何れか一つを調節する。
前記流動制御ユニットは、前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分を検出し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかを確認し、前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分に基づいて、前記磁場発生ユニットに印加される電流の大きさを調節し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかに基づいて、前記鋳型に配設されたノズルからの溶鋼の吐出方向と同一若しくは反対の方向に前記磁場発生ユニットに磁場を移動させる。
前記流動の検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態を分析して、前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する流動パターン分類ユニットを備え、前記流動制御ユニットは、前記流動パターン分類ユニットに保存されている複数の流動パターンタイプに基づく複数の流動制御タイプが保存されており、前記複数の流動制御タイプのうち前記分類された流動パターンタイプに基づく一つの流動制御タイプを選択して、前記磁場発生ユニットの駆動を制御する。
前記流動パターン分類ユニットは、前記複数の流動パターンタイプが保存されている流動パターンタイプ保存部と、前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態の温度データと、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプの温度データと、を対比して、前記検出された湯面の流動形態を前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類するパターン分類部と、を備える。
前記流動パターンタイプ保存部に保存されている複数の流動パターンタイプは、前記湯面の位置別の温度及び前記湯面の温度分布に基づいてそれぞれ異なる種類の流動パターンタイプに分類されており、前記複数の流動パターンタイプは、湯面の流動により欠陥が発生する可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動により欠陥が発生する可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含む。
前記流動制御ユニットは、前記流動パターンタイプ保存部に保存されている複数の流動パターンタイプに基づいて前記磁場発生ユニットの制御条件を変更して、前記湯面の流動を制御するように複数の流動制御タイプが保存されている流動制御タイプ保存部と、前記分類された流動パターンタイプに基づいて、前記流動制御タイプ保存部に保存されている複数の流動制御タイプのうちの何れか一つの流動制御タイプを選択する流動制御タイプ選択部と、前記流動制御タイプ選択部において選択された流動制御タイプに基づいて前記磁場発生ユニットに印加される電源を制御して、磁場の移動方向を制御する電磁場制御部と、を備える。
前記鋳型は、相対向するように設けられた第1及び第2の長辺と、第1の長辺と第2の長辺との間に配設され、互いに離れて相対向するように設けられた第1及び第2の短辺と、を有し、前記複数の測温器は、前記鋳型の第1及び第2の長辺及び第1及び第2の短辺のそれぞれに配設され、前記鋳型の第1及び第2の長辺方向の中心位置に前記鋳型に溶鋼を吐き出すノズルが配設され、前記磁場発生ユニットは、前記第1の長辺の延長方向に並ぶように配設される。
前記ノズルを中心として対称となるように配設された第1及び第2の磁場発生部と、前記第2の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第3及び第4の磁場発生部と、を備え、前記電磁場制御部は、前記第1〜第4の磁場発生部と接続されて、前記流動制御タイプ選択部において選択された流動制御タイプに基づいて前記第1〜第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電源を制御して、第1〜第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を制御する。
前記流動制御ユニットは、前記検出された湯面の流動形態が正常流動パターンに分類される場合、前記第1〜第4の磁場発生部の磁場の移動方向に維持し、前記検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類される場合、前記検出された湯面の流動形態が正常流動パターンとなるように前記第1〜第4の磁場発生部のそれぞれの磁場の移動方向を制御する。
前記流動制御ユニットは、前記選択された流動制御タイプが有している磁場の移動方向及び電流密度条件に基づいて、第1〜第4の磁場発生部のそれぞれの磁場の移動方向と、前記第1〜第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電流密度と、を制御する。
前記複数の測温器は、前記鋳型内に収容される溶鋼の湯面に比べて高い位置において等間隔に互いに離れて配設される。
前記測温器は、前記湯面から50mm以内の高さに配設される。
前記複数の測温器のうち前記鋳型の固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、前記固定幅領域の外側に位置する可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離よりも大きい。
前記複数の測温器は、前記溶鋼の湯面から上部及び下部に50mm以内の高さに配設される。
前記鋳型は、互いに離れて相対向する一対の長辺と、前記長辺の両側に相対向するように配設される一対の短辺と、を有し、前記複数の測温器は、前記長辺に配設される。
前記固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、55〜300mmであることが好ましい。
前記可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、10〜50mmである。
前記長辺の幅方向へ中心から外郭に向かって進むにつれて前記複数の測温器間の離隔距離が減少する。
前記固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、外郭に向かって進むにつれて次第に減少する。
前記可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、外郭に向かって進むにつれて次第に減少する。
本発明に係る湯面流動制御方法は、鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器を用いて、溶鋼の湯面の幅方向の複数の位置において温度を測定する過程と、測定された前記複数の位置に基づく温度を相対的に分析して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出し、前記複数の測温器において測定された温度値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、前記湯面の流動状態が正常であると判断された場合には、前記鋳型の外側に配設された磁場発生ユニットの動作を現在の状態に維持し、前記湯面の流動状態が非正常であると判断された場合には、前記磁場発生ユニットの動作を制御して磁場を調節することにより、前記湯面の流動が正常になるように調節する過程と、を含む。
前記測定された各位置に基づく温度を相対的に分析して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出する過程は、複数の温度測定値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の各位置別の相対的な高さとして示すことにより、溶鋼の湯面の流動の形態で検出する過程を含む。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断するに当たって、前記複数の測温器のそれぞれの温度間の温度差を算出し、算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
前記複数の測温器のそれぞれの温度間の温度差を算出し、前記算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較する過程は、前記複数の測温器のそれぞれに対して他の残りの測温器との温度差を算出して、前記基準温度範囲と比較する過程を含む。
前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値の全てが基準温度範囲に収まるときに湯面の流動を正常状態と判断し、前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値のうちの少なくとも何れか一つの差分値が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、前記複数の測温器のうち、両端に配設された測温器を用いて、リアルタイムで温度を測定する過程と、前記両端に配設された測温器間の温度差を算出し、算出された前記両端に配設された測温器間の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、を含む。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、前記複数の測温器のうち、中心に配設された測温器、一方の端に配設された測温器、及び他方の端に配設された測温器を用いて、リアルタイムで温度を測定する過程と、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を算出する過程と、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較し、また前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、を含む。
前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、前記複数の測温器を用いて、リアルタイムで温度を測定する過程と、前記複数の測温器の温度に対する平均温度を算出する過程と、前記複数の測温器のうち一方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差、及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を算出する過程と、前記一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、を含む。
前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、前記複数の測温器のうち、中心に配設された測温器、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度をリアルタイムで測定する過程と、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出する過程と、算出された前記時系列的な平均温度と、一方の端及び他方の端に配設された測温器との温度差をそれぞれ算出する過程と、算出された前記時系列的な平均温度と、一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と、の温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、を含む。
前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出するに当たって、前記鋳型に溶鋼を吐き出す鋳造の初期から、前記中心に配設された測温器の温度を測定して時系列的な平均温度をリアルタイムで算出し、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を所定の時点まで算出した後に、前記一方の端及び他方の端に配設された測温器のそれぞれの温度を用いて、溶鋼の湯面の流動状態を判断する。
前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに、湯面の流動状態を正常と判断し、前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差、及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と前記他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに、湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、前記複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、他方の端に配設された測温器と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、の温度を測定する過程と、前記一方の端に配設された測温器の温度と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度と、の温度差値である第1の温度差を算出する過程と、前記他方の端に配設された測温器の温度と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度との温度差値である第2の温度差を算出する過程と、前記第1の温度差及び第2の温度差のそれぞれを基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、を含む。
前記第1の温度差及び第2の温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、前記第1の温度差及び第2の温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断する。
前記基準温度範囲は、鋳片の欠陥の発生率が80%以下となる温度差値である。
前記基準温度範囲は、15℃以上、70℃以下であることが好ましい。
前記湯面の流動が正常となるように調節する過程は、前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器の位置を確認する過程と、前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器と対応するように配設される磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場の移動方向、強さ、及び移動速度のうちの少なくとも何れか一つを調節する過程と、を含む。
前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器と対応するように配設される磁場発生ユニットの動作を制御する過程は、前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分を検出し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかを確認する過程と、前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分に基づいて、前記磁場発生ユニットに印加される電流の大きさを調節する過程と、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満であるか又は超過であるかに基づいて、前記鋳型に配設されたノズルからの溶鋼の吐出方向と同一方の方向若しくは反対の方向に前記磁場発生ユニットに磁場を移動させる過程と、を含む。
前記湯面流動制御方法は、検出された湯面の流動形態を、保存されている複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程と、分類された前記流動パターンタイプに基づいて、前以て保存された複数の流動制御タイプのうちの何れか一つを選択して流動制御タイプを選択する過程と、選択された前記流動制御タイプで前記鋳型の外側に配設された磁場発生ユニットにおける磁場の形成を制御する過程と、を含む。
検出された湯面の流動形態を、前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程は、鋳造過程において発生し得る複数の流動パターンタイプを分類して保存する過程と、前以て保存された複数の流動パターンタイプ及び検出された湯面の流動形態を対比する過程と、前記検出された湯面の流動形態の温度データを、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程と、を含む。
前以て保存された複数の流動パターンタイプは、湯面の流動による欠陥の発生可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動による欠陥の発生可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含む。
分類された流動パターンタイプで磁場発生ユニットの磁場の形成を制御するに当たって、複数の流動制御タイプのうち、複数の流動パターンタイプ別にそれぞれ対応する流動制御タイプを選択し、選択された流動制御タイプで前記磁場発生ユニットに電源を印加して、磁場発生ユニットの磁場の移動方向を制御する。
分類された流動パターンタイプで前記磁場発生ユニットの磁場の形成を制御するに当たって、選択された流動制御タイプが有している磁場の移動方向及び電流密度条件に基づいて、磁場発生ユニットの磁場の移動方向及び電流密度を制御する。
前記鋳型は、相対向するように設けられた第1及び第2の長辺と、第1の長辺と第2の長辺との間に配設され、互いに離隔されて相対向するように設けられた第1及び第2の短辺と、を有し、前記複数の測温器は、前記鋳型の第1及び第2の長辺及び第1及び第2の短辺のそれぞれに配設され、前記鋳型の第1及び第2の長辺方向の中心位置に前記鋳型に溶鋼を吐き出すノズルが配設され、前記磁場発生ユニットは、前記第1の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第1及び第2の磁場発生部と、前記第2の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第3及び第4の磁場発生部と、を備え、前記磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場を調節することにより、前記湯面の流動が正常となるように調節するに当たって、前記選択された流動制御タイプに基づいて、前記第1〜第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電源を制御して、第1〜第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を制御する。
前記検出された湯面の流動形態において、前記ノズルの一方及び他方のそれぞれの湯面から複数の位置において検出された複数の温度測定値のうち、最低温度と最高温度との温度偏差、湯面の中心の温度に対する湯面の両周縁の温度の高低、前記両周縁の温度と湯面の中心の温度との温度差により正常流動パターンと、非正常流動パターンと、に分類され、前記複数の流動パターンタイプは、前記複数の流動パターンのそれぞれの温度データにおいて、最低温度と最高温度との温度偏差、湯面の中心の温度に対する湯面の両周縁の温度の高低、前記両周縁の温度と湯面の中心の温度との温度差により異なる非正常流動パターンタイプに分類される。
前記検出された湯面の流動形態の温度値のうち、最低温度と最高温度との温度差値である湯面の温度偏差が前以て設定された基準偏差を満たし、湯面の両周縁の温度のそれぞれが中心の温度に等しいかそれよりも高く、前記湯面の両周縁のそれぞれの温度と中心温度との温度差値である第1及び第2の温度偏差のそれぞれが基準値以下を満たす場合を、正常流動パターンに分類し、前記湯面の温度偏差が基準偏差を外れるか、前記第1及び第2の温度偏差のそれぞれが中心の温度に比べて小さいか、或いは、第1及び第2の温度偏差のうちの少なくともどちらか一方が前以て設定された基準値を超える場合を、非正常流動パターンに分類する。
検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類された場合、前記検出された湯面の流動形態の両周縁の温度のうちの少なくともどちらか一方が中心の温度に比べて高ければ、前記第1〜第4の磁場発生部において、前記ノズルの両側の領域のうち、周縁の温度が中心の温度に比べて高い領域に対応するように配設された磁場発生部における磁場がノズルに向かって移動するように調節して、溶鋼の流速を減速させる。
前記検出された湯面の流動パターンが複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類された場合、前記検出された湯面の流動パターンの両周縁の温度のうちの少なくともどちらか一方が中心の温度に比べて低ければ、前記第1〜第4の磁場発生部において、周縁の温度が中心の温度に比べて低い領域に対応するように配設された磁場発生部における磁場がノズルから外側に向かって移動するように調節して、溶鋼の流速を加速させる。
前記両周縁の温度と前記中心の温度との温度差が大きくなるほど、第1〜第4の磁場発生部のうちの少なくとも何れか一つに印加される電流密度を増加させて、溶鋼の加速力又は減速力を増加させる。
前記検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類された場合、前記検出された湯面の流動形態が前記両周縁のそれぞれの温度と前記中心の温度との温度差値が前記基準偏差の最下限値未満であれば、第1〜第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を異ならせて、前記溶鋼を回転させる。
本発明の実施形態によれば、鋳型の上側に複数の測温器を配設して湯面の幅方向の位置別の温度を検出し、これを相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出する。
また、湯面の流動状態を判断する複数の評価方法又は基準を提示し、これらのうちの何れか一つを用いて、湯面の流動状態をリアルタイムで判断する。
更に、リアルタイムで判断される湯面の流動状態に基づいて磁場発生ユニットの動作を制御することにより、湯面を欠陥の発生率が低い、又は欠陥を発生させない流動状態に制御することができる。従って、たとえ鋳片の鋳造中に溶鋼の湯面の上にモールドフラックスが塗布されているとしても、本発明の実施形態に係る湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法を用いて湯面の流動をリアルタイムで検出し、制御することができる。その結果、湯面の流動による欠陥の発生を低減して、鋳片の品質を向上させることができる。
また、鋳型の上側に複数の測温器を配設して湯面の幅方向の位置別の温度を検出し、これを相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出する。なお、検出された湯面の流動形態を前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類し、分類された流動パターンタイプに基づいて鋳型内の磁場を制御することにより、操業中の溶鋼の流動を鋳片の欠陥が発生する可能性が低い、又は鋳片の欠陥が発生する可能性がない正常流動パターンとなるように制御することができる。
更に、本発明の実施形態においては、鋳型の幅を設定する銅板の前面に複数の測温器を鋳片幅の固定幅領域及び可変幅領域において異なる距離だけ離して配設する。したがって、鋳片の幅方向への設定値を問わずに溶鋼の温度を検出し、これを相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の形状を可視化させることができる。
鋳型に配設された本発明の第1の実施形態に係る湯面流動制御装置を概念的に示す図である。 鋳型の一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれに第1の実施形態に係る湯面流動制御装置を構成する測温器が配設された様子を示す上面図である。 溶鋼のダブルロールの流動形態を示す図である。 溶鋼のシングルロールの流動形態を示す図である。 正常的な湯面の流動の一例を示す図である。 正常的な湯面の流動の一例を示す図である。 非正常状態の湯面の流動の一例を示す図である。 非正常状態の湯面の流動の一例を示す図である。 測温器間の温度差による鋳片の欠陥率を示すグラフである。 第1の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 第2の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 第3の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 第4の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 第5の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 第6の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御装置を概念的に示す図である。 複数の測温器及び磁場発生ユニットが配設された鋳型を示す図である 複数の測温器及び磁場発生ユニットが配設された鋳型を示す図である。 本発明の実施形態に係る湯面流動制御装置の構成をブロック化させて示す図である。 鋳型の一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれに複数の測温器が配設された上面図である。 複数の測温器により測定された一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれにおける幅方向の位置別の温度を相対的に示して検出された湯面の流動形態をグラフ化して可視化させたグラフである。 図21を3次元的に可視化させたイメージである。 鋳型の長辺及び短辺のそれぞれに配設された測温器を配設した様子を示す上面図である。 本発明の実施形態に係る流動パターンタイプ保存部に前以て保存又は前以て設定される複数の流動パターンタイプを示す図である。 図24に示す第8の流動パターンタイプにおいて発生されるダブルロールの流動形態を示す図である。 図24に示す第7の流動パターンタイプにおけるシングルロールの流動形態を示す図である。 本発明の実施形態において正常流動パターンに分類される第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプの位置別の温度分布を示すものである。 本発明の実施形態において正常流動パターンに分類される第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプの位置別の温度分布を示すものである。 本発明の実施形態に係る流動パターンタイプ保存部に前以て保存又は前以て設定される複数の流動パターンタイプ及びこれによる複数の流動制御タイプを示す図である。 磁場発生ユニットに印加される2相交流電流の位相を示す図である。 磁場発生ユニットに印加される2相交流電流に基づいて溶鋼の流動方向及び回転流動を説明する図である。 磁場発生ユニットに印加される2相交流電流に基づいて溶鋼の流動方向及び回転流動を説明する図である。 磁場発生ユニットに印加される2相交流電流に基づいて溶鋼の流動方向及び回転流動を説明する図である。 磁場発生ユニットに印加される2相交流電流に基づいて溶鋼の流動方向及び回転流動を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法を説明するための手順図である。 本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法における湯面の流動形態の検出方法を説明するための手順図である。 本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法において検出された湯面の流動を一つの流動タイプに分類する方法を説明するための手順図である。 実施形態の変形例に係る湯面可視化装置が配設された鋳型を示す斜視図である。 鋳型が形成する固定幅領域及び可変幅領域を説明するための図である。 鋳型が形成する固定幅領域及び可変幅領域を説明するための図である。 図38に示す測温器の配置形態を説明するための正面図である。 本発明の変形例に係る測温器の配置形態を説明するための図である。 本発明の変形例に係る測温器の配置形態を説明するための図である。 本発明の変形例に係る測温器の配置形態を説明するための図である。 図38に示す測温器の配置形態を説明するための平面図である。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らしめるために提供されるものである。
図中、同じ符号は同じ構成要素を示す。
通常の鋳造設備は、ノズル20から溶鋼を供給されて一次的に冷却させる鋳型10と、鋳型10の上側に配設され、溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュと、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給するように配設されたノズルと、鋳型10の下側にと配設されて鋳型10から引き抜かれた半凝固鋳片に冷却水を吹き付けて冷却させる二次却帯と、を備える。ここで、二次冷却帯は、複数のセグメントが鋳造方向に延設された構成であってもよい。
タンディッシュ、ノズル20、二次冷却帯などは、通常の鋳造設備の構成と同様であるため、これらについての説明は省略する。
一方、ノズル20の両吐出口を介して吐き出される溶鋼により鋳型10内に溶鋼の流動が生じ、これにより、溶鋼の上部の表面、即ち、溶鋼の湯面の流動が発生し、溶鋼又は湯面の流動形態に基づいて鋳片の品質が決定される。このため、鋳型10内の溶鋼の湯面の流動をリアルタイムで検出して、溶鋼の流動をリアルタイムで制御する必要がある。即ち、鋳片の鋳造中に、湯面の流動が非正常であると判断された場合、これを制御して正常化させる必要がある。
このため、本発明においては、鋳型10内の溶鋼の湯面の流動状態をリアルタイムで検出し、流動状態に基づいて湯面の流動を制御する湯面流動制御装置を提供する。
図1は、鋳型に配設された、本発明の第1の実施形態に係る湯面流動制御装置を概念的に示す図であり、図2は、鋳型の一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれに第1の実施形態に係る湯面流動制御装置を構成する測温器が配設された様子を示す上面図であり、図3は、溶鋼のダブルロールの流動形態であり、図4は、シングルロールの流動形態を示す図である。また、図5及び図6は、正常的な湯面の流動の一例を示す図であり、図7及び図8は、非正常状態の湯面の流動の一例を示す図であり、図9は、測温器間の温度差による鋳片の欠陥率を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る湯面流動制御装置を備える鋳造設備は、ノズル20から溶鋼を供給されて冷却する鋳型10と、鋳型10上に前記鋳型10の幅方向に並ぶように互いに離れて配設されて、それぞれにおいて温度を測定する複数の測温器100と、鋳型10の外側に配設されて鋳型10内の溶鋼を流動させるための磁場を形成する磁場発生ユニット500と、鋳型10内に収容された溶鋼の湯面の流動を検出する湯面流動検出ユニット200と、湯面流動検出ユニット200において検出された湯面状態に基づいて磁場発生ユニット500の動作を制御して、湯面の流動を調節することにより、溶鋼の湯面が正常流動パターンの形態となるように制御する流動制御ユニット400と、を備える。
また、鋳造設備は、図示はしないが、鋳型10の上側に配設されて溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュと、鋳型10の下側に配設されて鋳型から引き抜かれた半凝固鋳片に冷却水を吹き付けて冷却させる二次冷却帯と、を備える。ここで、二次冷却帯は、複数のセグメントが鋳造方向に延設された構成であってもよい。
タンディッシュ、ノズル20、二次冷却帯などは、通常の鋳造設備の構成と同様であるため、これらについての説明は省略する。
鋳型10は、ノズル20から供給される溶鋼を収容し、所定の鋳片の形状に溶鋼を凝固させるために一次的に冷却させる。このような鋳型10は、図1及び図2に示すように、所定の距離だけ離れて対向して設けられた二つの長辺11a、11bと、二つの長辺11a、11bの間に所定の距離だけ離れて対向するように設けられた二つの短辺12a、12bと、を有する。ここで、長辺11a、11b及び短辺12a、12bは、それぞれ、例えば、銅を用いて製作してもよい。このため、鋳型10には、二つの長辺11a、11b及び二つの短辺12a、12bの間に溶鋼を収容する所定の空間が設けられる。
また、鋳型10の二つの長辺11a、11b及び二つの短辺12a、12bがなす空間の中央部にノズル20が設けられる。ノズル20から供給された溶鋼は、鋳型10の中央部から外側に向かって対称的に供給され、操業条件などに基づいて特定の流動現象を示しながら吐出流が形成される。
溶鋼は、鋳型10の上端部が所定の幅で残留するように鋳型10内に収容され、溶鋼の上面にはモールドフラックスが塗布されていてもよい。このような溶鋼の上面、即ち、溶鋼の表面が湯面となる。
複数の測温器100は、現在の操業中に鋳型10内に収容された溶鋼又は溶鋼の湯面の温度を測定する。図1及び図2に示すように、これらの複数の測温器100は、鋳型10の幅方向に並ぶように相互に離隔して配設されるが、このとき、複数の測温器100は、湯面から±50mmの同じ高さに配設される。また、複数の測温器100間の離隔間隔は、等間隔であり、100mm〜150mmおきに互いに離れて配置されてもよい。
複数の測温器100は、一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれにおいて幅方向に並ぶように互いに離れて配設される。更に、測温器100は、湯面の上側に位置するように鋳型10の上部に配設されるが、一対の長辺11a、11b及び一対の短辺12a、12bのそれぞれにおいて、湯面よりも50mm以内上方の高い位置に配設される。好ましくは、測温器100は、湯面から上方に向かって10mm以内の高い位置、より好ましくは、湯面から4.5mmの高い個所に配設される。
実施形態においては、測温器100として熱電対を用いるが、これに限定されるものではなく、温度が測定可能な種々の手段が適用可能である。
ノズル20の両吐出口から溶鋼が吐き出されると、鋳型10内の溶鋼及び湯面の流動が変化するが、このとき、ノズル20の両吐出口閉塞の有無、タンディッシュと鋳型10との間におけるノズル20の連通を制御するスライディングゲートへの外気混入の有無、ノズル20に供給される不活性ガス(例えば、アルゴンガス)の制御の可否、ノズル20の溶損など様々な理由により溶鋼及び湯面の流動形態が変わる。
一般に、ノズル20の両吐出口が閉塞されておらず、スライディングゲートへの混入がない他、ノズル20の溶損及び不活性ガスの制御に対する問題もない場合は、溶鋼又は湯面は正常的な流動状態を示す。即ち、ノズル20の両吐出口から溶鋼が吐き出されると、溶鋼の吐出流が鋳型10の短辺12a、12bの壁に衝突し、その後、溶鋼が短辺12a、12bに沿って上下に分岐されて流れる強いダブルロール(Double roll)の流動が発生し(図3におけるA、B、図5参照)、上側に分岐されたものは、溶鋼の湯面における鋳型10の短辺12a、12bの位置からノズル20に向かう。このとき、溶鋼の吐出流が鋳型の両短辺12a、12bに衝突することにより、湯面の両周縁の高さが他の領域に比べて高い(図3、図5及び図6参照)。このとき、湯面の両周縁の高さと他の領域の高さとの高さ差は、鋳片の欠陥を発生させない、又は欠陥率が基準値以下となる高さ差である。換言すると、このような溶鋼の流動は非常に安定的な流動状態であり、適切な湯面の速度及び温度が確保可能であるため、欠陥が発生しないか、又は基準値以下となる流動状態である。
しかしながら、他の例として、タンディッシュと鋳型10との間においてノズル20の連通を制御するスライディングゲートへの外気の混入、ノズル20に供給されるアルゴンガス量の制御不能、ノズル20の溶損などの問題がある場合、ノズル20から吐き出された溶鋼が下側に向かう流れCが発生するシングルロールであり、且つ、偏流である流動パターンが挙げられる(図4参照)。このような流動によっては溶鋼への鉱滓(slag)の混入が発生し、これによる欠陥が発生する。
更に他の例によれば、ノズル20の両吐出口のうちのどちらか一方の吐出口に閉塞が発生すると、溶鋼の偏流の形成が激し過ぎ、渦流(VORTEX)状の流れ又は流動が発生し、これにより、図7に示すように、どちらか一方の周縁の湯面の高さが他方の周縁の湯面の高さに比べて高過ぎる非対称の流動が発生する(図7及び図8参照)。このような流動形態は、鋳片の欠陥の発生可能性を大幅に増加させる。
第1の実施形態に係る湯面流動検出ユニット200は、複数の測温器100から測定された温度を分析して、上述したような湯面の流動を検出し、検出された湯面の流動が正常であるか否かを判断する。即ち、湯面流動検出ユニット200は、複数の測温器100のそれぞれにおいて測定された温度測定値を比較し且つ分析して、湯面の流動形態又は状態を検出する。即ち、複数の測温器100のそれぞれにおいて測定された温度測定値を相対的に比較し、これを通じて現在の湯面の流動状態が正常状態であるか或いは非正常状態であるかを判断し、流動形態を検出する。特に、本発明の第1の実施形態においては、湯面の流動を正常或いは非正常と評価する複数の評価方法を提供する。
磁場発生ユニット510は、磁場を形成して、前記磁場により溶鋼を流動させるものであり、流動制御ユニット400により制御される。このような磁場発生ユニット510は、複数の磁場発生部510a、510b、510c、510dを備える。図1に示すように、磁場発生部510a、510b、510c、510dは鋳型10の外側に複数配設されるが、実施形態においては、四つの磁場発生部510a、510b、510c、510dが鋳型10の一対の長辺11a、11bの外側に配設される。
より具体的には、第1の長辺11aの外側に二つの磁場発生部(以下、第1の磁場発生部510a、第2の磁場発生部510b)が配設されるが、第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bは、第1の長辺11aの延長方向に沿って並ぶように配設される。また、第2の長辺11bの外側に二つの磁場発生部(以下、第3の磁場発生部510c、第4の磁場発生部510d)が配設され、第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dは、第2の長辺11bの延長方向に沿って並ぶように配設される。
即ち、鋳型10の外側において、前記鋳型10の幅方向の中心に配設されたノズル20を基準として一方の方向に第1の磁場発生部510a及び第3の磁場発生部510cが相対向するように配設され、他方の方向において第2の磁場発生部510b及び第4の磁場発生部510dが相対向するように配設される。
上述した第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、510dのそれぞれは同じ構成及び形状を有するが、それぞれは、鋳型10の長辺11a、11b方向に延設されたコア部材511a、511b、511c、511d、それぞれがコア部材511a、511b、511c、511dの外周面に巻き付けられるように配設され、前記コア部材511a、511b、511c、511dの延長方向に沿って互いに離れて配置された複数のコイル部材512a、512b、512c、512dを備える。ここで、コイル部材512a、512b、512c、512dは、印加されるコイルが螺旋状に巻き付けられた形状の部材であり、一つのコア部材511a、511b、511c、511dの上に複数のコイル部材512a、512b、512c、512dが配設される。
本発明の実施形態に係る磁場発生ユニット510は通常のEMSであり、磁場の移動方向、回転、加速力及び減速力を制御することに特に制限はなく、通常のEMSの駆動方法と同様である。
流動制御ユニット400は、湯面の流動パターンに基づいて磁場発生ユニット500に印加される電源又は電流を制御して、正常流動パターンとなるように溶鋼内の磁場を調節する。即ち、流動制御ユニット400は、湯面流動検出ユニット200において検出された湯面の流動に基づいて、磁場発生部510a、510b、510c、510dのそれぞれの動作を制御して、溶鋼の流動方向及び流速を調節し、このとき、湯面の流動形態及び湯面の温度差に基づいて磁場発生部510a、510b、510c、510dのそれぞれに印加される電流を制御して磁場の移動方向、強度(強さ)及び移動速度のうちの少なくとも何れか一つを調節する。
例えば、鋳型10の長辺11a、11b方向に沿って水平に移動する磁場を鋳型10の短辺12a、12b側からノズル20の位置に向かって、即ち、ノズル20からの溶鋼の吐出方向とは反対の方向に移動させて、ノズル20における溶鋼の吐出流に制動力を与えるようにし溶鋼の流動を引き起こす印加方法が挙げられる。このような流動の調節を、通常、「EMLS」、「EMLSモード」、「EMLSモードによる磁場の印加」と命名する。このようなEMLSモードで磁場発生ユニット500に磁場を形成する場合、鋳型10内の溶鋼の湯面の溶鋼の流速を減衰することができる。
他の磁場の印加方法としては、ノズル20から吐き出される溶鋼の加速力を与えるための方法であって、鋳型10の長辺方向に沿って水平に移動する磁場をノズル20から鋳型10の短辺12a、12bに向かって移動させる。換言すると、ノズル20の溶鋼の吐出方向と同じ方向に磁場を移動させて、溶鋼の吐出流に加速力を与えるようにした溶鋼の流動方法が挙げられ、通常、「EMLA」、「EMLAモード」、「EMLAモードによる磁場の印加方法」と称する。磁場発生ユニット500を用いて上述したようなEMLAモードで磁場を形成すると、ノズル20からの溶鋼の吐出流が加速され、これにより、吐出流が鋳型10短辺12a、12bの壁に衝突し、次いで、溶鋼が短辺12a、12bに沿って上下に分岐され、上側に分岐されたものは、溶鋼の湯面における鋳型10の短辺12a、12bの位置からノズル20に向かう。
更に他の磁場の印加方法としては、鋳型10内の溶鋼をノズル20を中心として水平に回転させる方法であって、より具体的には、鋳型10の長辺11a、11b方向に沿って水平に移動する磁場を相対的な長辺に沿ってそれぞれ相反する方向に移動させ、凝固界面に沿って水平方向に回転するようにし溶鋼の流動を引き起こす方法が挙げられる。これは、通常、「EMRS」、「EMRSモード」、「EMRSモードによる磁場の印加方法」と称する。
上述したEMLS、EMLA、EMRSなどの磁場の印加方法についての説明は、後述する第2の実施形態について説明するときよりも詳細に行う。
以下、本発明の第1の実施形態に係る湯面流動検出ユニットにおける湯面流動の評価方法及び評価結果に基づいて、流動制御ユニットにおいて流動を制御する方法について説明する。
複数の測温器100は、図1及び図2に示すように、鋳型10の一対の長辺(以下、第1の長辺11a、第2の長辺11b)及び一対の短辺(第1の短辺12a及び第2の短辺12b)のそれぞれの延長方向に沿って配設される。第1の実施形態においては、第1及び第2の長辺11a、11bの延長方向に沿って7つの測温器が配設され、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに一つの測温器が配設される。

図2において、第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれの延長方向に沿って記載された番号1〜7は、複数の測温器100のそれぞれを指し示す番号である。即ち、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれに配設された複数の測温器100は、例えば、左側から右側に向かって第1〜第7の測温器と命名する。なお、鋳型の第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに配設された複数の測温器100は、第8の測温器と命名する。これらの複数の測温器の配置によれば、第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれ又は鋳片の幅方向において、両周縁又は両端に配設される測温器は第1及び第7の測温器であり、中心に配設される測温器は第4の測温器である。
前記第1の実施形態においては、例えば、第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれに7つの測温器が配設され、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに一つの測温器が配設されることについて説明した。しかしながら、本発明はこれに何等限定されるものではなく、第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれに7つ未満又は7つを超える数の測温器が配設されてもよく、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに複数の測温器が配設されてもよい。
上述したように、複数の測温器100は、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11bと、第1及び第2の短辺12a、12bと、に配設されて、各位置別の温度を測定するが、湯面の高さに応じて、測定される温度が異なる。即ち、鋳型10内の溶鋼のうねりによる湯面の高さが位置別に異なるが、相対的に湯面の高さが高い位置において測定された温度値が他の位置における温度値に比べて高い。これは、溶鋼の湯面の高さと測温器100との間隔が近いほど、測温器100において測定される温度が高く、間隔が遠いほど測温器100において測定される温度が低いためである。
これを別の言葉で表現すると、リアルタイムで温度を測定するとき、ある一つの測温器100において測定された温度が上昇するのは、湯面の高さが高くなって湯面が前記ある一つの測温器100に近くなったためであり、前記ある一つの測温器100において測定された温度が下降するのは、湯面の高さが低くなって湯面が前記ある一つの測温器100から遠くなったためである。
このため、複数の測温器100において測定された温度の差を用いて、全体の湯面の形状(又は、形態)を検出することができる。即ち、鋳型10の幅方向又は湯面の幅方向に並ぶように配置された複数の測温器100において、測定された温度値を位置別に示すが、湯面の高さに応じて温度が異なるため、前記温度値を相対的に比較して示すと、湯面の相対的な高さが分かる。このため、複数の測温器100によって測定された温度値を相対的に比較して示すと、湯面の位置別の高さを相対的に把握することができ、湯面の流動形態を検出することができる。
また、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度をグラフ化すると、例えば、図3、図4、図5及び図7に示すように可視化することができる。即ち、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度と、第1及び第2の短辺12a、12b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度と、を用いると、例えば、図3、図4、図5及び図7に示すように可視化することができ、これは、作業者が確認することが可能なように表示部に表示(ディスプレイ)することができる。
一方、ノズル20から溶鋼が吐出されると、溶鋼はノズル20を中心として両側方向に流れ、両側方向に流れていた溶鋼が鋳型10の内壁側と衝突する(又は、ぶつかる)ことにより溶鋼の流れが.上下方に分岐される。このような溶鋼の吐出による溶鋼の流動により、溶鋼の上方の表面、即ち、湯面が流動化され、これにより、湯面の流動の高さが変わる。即ち、溶鋼の流動形態に応じて、湯面の流動が変わり、これにより、位置別の湯面の高さが決定される。なお、溶鋼又は湯面の流動に応じて欠陥の発生率が変わり、湯面の流動状態は、湯面の位置別の温度に基づいて検出することができる。
本発明においては、湯面の温度分布による鋳片の欠陥率に基づいて、湯面の流動又は湯面の温度分布を正常又は非正常状態と判断する。より具体的には、本発明の実施形態においては、欠陥率が0.8%以下となるような湯面の温度分布を湯面の正常流動状態と判断し、欠陥率が0.8%を超えるような湯面の温度分布を湯面の非正常流動状態と判断する。なお、欠陥率が0.8%以下となる湯面の温度を基準温度範囲と命名する。
湯面の流動の正常又は非正常状態を判断する基準温度範囲を決定するために、複数回の鋳片の鋳造実験を行った。即ち、湯面の温度分布を変化させ、変化した条件下で鋳造された鋳片の欠陥率を算出した。
0.8以下の欠陥率を有する湯面の温度分布は、いくつかの温度分布ケースがある。例えば、鋳型10の長辺11a、11b方向に沿って並ぶように配置された複数の測温器100のそれぞれにより測定された相対的な温度差が15℃以上、70℃以下であるときに、鋳片の欠陥率が0.8%以下である。これを別の言葉で表現すると、複数の測温器100のそれぞれにより測定された複数の温度値のうち最高温度と最低温度との差が15℃以上、70℃以下であるとき、鋳片の欠陥率が0.8%以下である。即ち、0.8%以下の欠陥率を有する湯面の温度分布を見ると、鋳型10の長辺11a、11b方向に沿って並ぶように配置された複数の測温器100のそれぞれにより測定された温度において、最高温度と最低温度との差が15℃以上、70℃以下である。
このため、複数の測温器100のそれぞれの温度を相対的に比較して、複数の測温器100に対するそれぞれの温度差が基準温度範囲を満たすか否かを判断し、且つ比較して湯面の流動状態を正常又は非正常と判断するが、これを第1の評価方法と命名し、このとき、基準温度範囲を第1の基準温度範囲と命名する。
ここで、第1の評価方法において使用する第1の基準温度範囲は、15℃以上、70℃以下である。即ち、第1の評価方法によれば、複数の測温器100のそれぞれの相対的な温度差が15℃以上、70℃以下であるとき、湯面の流動状態を正常と判断し、これを外れる場合に非正常流動状態と判断する。換言すると、複数の測温器100におけるそれぞれの温度のうち、最高温度を有する測温器の温度と最低温度を有する測温器の温度との差が15℃以上、70℃以下となる湯面の温度分布を第1の基準温度範囲とする。
また、湯面の流動の正常又は非正常を判断する評価方法として、上述した第1の評価方法に加えて、5種類の評価方法を更に提示し、第2〜第6の評価方法のそれぞれにおける評価に使用する基準温度範囲を第2〜第6の基準温度範囲と命名する。
即ち、鋳片の鋳造中に、後述する第1〜第6の評価方法のうちの何れか一つの評価方法を用いて、湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する。
図10は、第1の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフであり、図11は、第2の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフであり、図12は、第3の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。
また、図13は、第4の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフであり、図14は、第5の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフであり、図15は、第6の評価方法により湯面の流動状態を正常、非正常と判断し、非正常状態と判断される場合に正常に制御される状態の一例を示すグラフである。
以下、第1〜第6の評価方法を用いて、第1の実施形態に係る方法を用いて湯面の流動状態を検出する方法、及びこれを用いた湯面の流動の正常又は非正常の判断過程と、流動制御方法について説明する。
説明の便宜のために、鋳型10の長辺方向に沿って7つの測温器101、102、103、104、105、106、107が配設され、最左端の測温器から最右端の測温器までを第1〜第7の測温器101、102、103、104、105、106、107と命名し、第1〜第7の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれにおいて測定された温度を第1〜第7の温度と命名する。
第1の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれにおいて、相対的な温度差が第1の基準温度範囲(15℃以上、70℃以下)を満たす場合に現在の湯面の流動状態を正常と判断する。即ち、第1〜第7の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれの相対的な温度差が15℃以上、70℃以下であるときに湯面の流動を正常と判断する。換言すると、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれの温度間の温度差を算出し、前記算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較し、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれに対して他の残りの測温器との温度差を算出して、前記基準温度範囲と比較する過程を含む。
より具体的に説明すると、第1の測温器101の温度と、第2〜第7の測温器102〜107のそれぞれの温度との温度差、第2の測温器102の温度と、第1の測温器101及び第3〜第7の測温器103〜107のそれぞれの温度との温度差、第3の測温器102の温度と、第1の測温器101、第2の測温器102及び第4〜第7の測温器104〜107のそれぞれの温度との温度差、第4の測温器104の温度と、第1の測温器101〜第3の測温器103及び第5〜第7の測温器105、107のそれぞれの温度との温度差、第5の測温器105の温度と、第1の測温器101〜第4の測温器104、第6の測温器106、第7の測温器107のそれぞれの温度との温度差、第6の測温器106の温度と、第1の測温器101〜第5の測温器105、第7の測温器107のそれぞれの温度との温度差を算出し、これらのそれぞれの温度差を基準温度と比較する。
このとき、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれにおける相対的な温度差が第1の基準温度範囲を満たすときに、湯面の流動状態を正常と判断し、第1の基準温度範囲を外れた場合に、非正常と判断する。即ち、図10に示すように、複数の測温器100のそれぞれの温度を相対的に比較したとき、その温度差が15℃以上、70℃以下である場合に正常流動状態と判断し、70℃を超え、且つ15℃未満である場合に非正常と判断する。また、湯面の流動状態が非正常であると判断される場合、湯面の流動形態に基づいて磁場発生ユニット500の動作を制御して、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれの相対的な温度差が15℃以上、70℃以下となるようにして湯面の流動を正常化させる。
このとき、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のそれぞれによって測定された温度を相対的に比較して、温度差が15℃未満であるか、又は70℃を超える湯面の位置を見出し、当該位置に対応する磁場発生部510a、510b、510c、501dの動作を制御して湯面の流動を正常化させる。磁場発生部510a、510b、510c、501dに印加される電流の増加、減少及びその大きさは、相対的な温度差に基づいて調節される。
例えば、鋳片の連続鋳造中に、図10に示すように、鋳片の鋳造中に第1の区間Tまで複数の第1〜第7の測温器101、102、103、104、105、106、107から測定された第1〜第7の温度間の相対的な温度差が15℃以上、70℃以下であったが、第1の区間T後に第1〜第6の温度間の相対的な温度差が70℃を超えるか、又は15℃未満となった。
このとき、湯面流動検出ユニット200は、第2の区間Tにおける湯面の流動形態を検出し、現在の湯面の流動を非正常と判断する。また、流動制御ユニット400は、湯面流動検出ユニット200における湯面の流動の非正常の判断及び湯面の流動形態に基づいて、磁場発生ユニット500の動作を制御して、第1〜第7の温度間の相対的な温度差が15℃以上、70℃以下となるようにする。これにより、第3の区間Tにおいては、湯面の流動状態が正常となる。
例えば、図10の第2の区間Tにおいて複数の測温器101、102、103、104、105、106、107から測定された温度をリアルタイムで相対的に比較し、これを湯面の高さに変換してイメージ化させると、図7に示す通りである。即ち、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107間の温度を相対的に比較したとき、最左端に配設された第1の測温器100の温度に比べて最右端に配設された第9の測温器100の温度の方が高く、このとき、温度差が70℃を超える。これを湯面の高さに変換してイメージ化させると、図7に示すように、湯面の中心を基準として互いに対称ではなく、例えば、最右端の湯面の高さが最左端の湯面の高さに比べて基準以上に高い非対称状態である。
このような第2の区間Tにおける非対称の流動は、溶鋼の湯面が第1の区間Tまで正常流動パターンに維持されていて、ノズル20の吐出口の閉塞が発生してノズル20を中心として右側に強い偏流が発生し、左側方向に弱い流動が発生したためである。このような非正常流動の場合、湯面流動制御ユニット400は、ノズル20の右側に配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流を高めて、調節される前に比べて減速力を更に増加させることにより強い流動を低め、相対的に弱い流動が発生したノズル20の左側に対応するように配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を減少させることにより流動を増加させる。このため、第3の区間Tにおいては、湯面の流動状態が正常となる。
逆に、ノズル20の左側に強い偏流が発生し、右側方向に弱い流動が発生した場合、湯面流動制御ユニット400は、ノズル20の左側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を高めて、調節される前に比べて減速力を更に増加させることにより強い流動を低め、相対的に弱い流動が発生したノズル20の左側に対応するように配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を減少させることにより流動を増加させる。これにより、第3の区間Tにおいては、湯面の流動状態が正常となる。
第2の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のうち両端に配設された測温器間の温度差を比較して流動状態を判断する方法であり、両端に配設された測温器間の温度差が15℃以上、70℃以下であるときに正常流動状態であると判断する。即ち、鋳片の鋳造中に最左端の測温器101の温度と最右端の測温器107との温度差が15℃以上、70℃以下であるときに湯面の流動状態を正常と判断し、15℃未満、70℃を超える場合に非正常と判断する。
例えば、図11に示すように、鋳片の鋳造中に第1の区間Tまで最左端に配設された第1の測温器101の温度と第7の測温器107との温度差が15℃以上、70℃以下であったが、第1の区間T後に第1の測温器101の温度と第7の測温器107との温度差が70℃を超えるか、又は15℃未満となった。第2の区間Tにおいて第1の測温器101と第7の測温器107との温度差が70℃を超えるか、又は15℃未満である場合、湯面の両周縁の高さ差が大き過ぎる非対称の流動状態を示す。
このとき、湯面流動検出ユニット200は、第2の区間Tにおける湯面の流動を非正常と判断し、第2の区間Tにおいて、流動制御ユニット400は、磁場発生ユニット500の動作を制御して、第1の測温器101と第7の測温器107との温度差が15℃以上、70℃以下となるようにし、このため、第3の区間Tにおいては、湯面の流動状態が正常となる。
即ち、第1の測温器101の温度と第7の測温器107の温度とを比較して、相対的に強い偏流が発生した位置及び弱い流動が発生した位置を把握し、これにより、複数の磁場発生部510a、510b、510c、501dをそれぞれ別々に制御することにより、流動を減少又は増加させる。これにより、第3の区間Tにおいては、第1の温度と第9の温度との差が15℃以上、70℃以下となる正常流動状態となる。
第3の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のうち、鋳片の幅方向の中心又は鋳型の長辺11a、11bにおける中心に配設された測温器104の温度と、両端に配設された測温器101、107のそれぞれの温度との温度差を用いて、湯面の流動状態を判断する。
例えば、7つの測温器101、102、103、104、105、106、107が配設されることを想定したとき、鋳片の幅方向の中心又は鋳型の長辺11a、11bの中心に配設された測温器を第4の測温器104としたとき、第1の測温器101の温度と第4の測温器104の温度との温度差が15℃以上、70℃以下、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が15℃以上、70℃以下である場合に正常流動状態と判断する。逆に、第4の測温器104の温度と第1の測温器101との温度差及び第4の測温器104の温度と第7の測温器101の温度との温度差のうちのどちらか一方でも第3の基準温度範囲を満たさなければ、非正常流動状態と判断する。
図12に示すように、鋳片の鋳造中に第1の区間Tまで最左端の測温器である第1の測温器101の温度と中心の測温器(第4の測温器104)の温度との温度差と、最右端の測温器である第7の測温器107の温度と中心の測温器(第4の測温器104)の温度との温度差が15℃以上、70℃以下である。しかしながら、第2の区間Tにおける第1の測温器101の温度と第4の測温器104の温度との温度差は、15℃以上、70℃以下であるが、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が70℃を超える場合がある。この場合、右側の周縁の湯面の高さが左側の周縁の湯面の高さに比べて基準以上に高い非対称の流動状態となる。
このとき、湯面流動検出ユニット200は、第2の区間Tにおける湯面の流動を非正常と判断し、第2の区間Tにおいて、流動制御ユニット400は、磁場発生ユニット500の動作を制御するが、相対的に強い偏流が発生するノズル20の右側に配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流を高めて、調節される前に比べて減速力を更に増加させることにより強い流動を低め、相対的に弱い流動が発生したノズル20の左側に対応するように配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を減少させることにより流動を増加させる。これにより、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が15℃以下、70℃以下となり、湯面の高さが対称となり、湯面の流動が正常となる。
例えば、第2の区間Tにおける第1の測温器101の温度と、第4の測温器104の温度との温度差は15℃以上、70℃以下であるが、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が15℃未満である場合がある。この場合、右側の周縁の湯面の高さが左側の周縁の湯面の高さに比べて基準以下に低い非正常の流動状態となる。
このため、流動制御ユニット400は、相対的に弱い流動が発生したノズル20の右側に対応するように配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を減少させることにより流動を増加させるか、又は相対的に強い偏流が発生するノズルの左側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を更に減少させることにより強い流動を低める。
以上においては、第1の測温器101の温度と第4の測温器104の温度との温度差が15℃以下、70℃以下であるが、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が70℃を超えるか、又は15℃未満である場合を例にとって説明した。しかしながら、逆に、第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差は、5℃以下、70℃以下であるが、第1の測温器101の温度と第4の測温器104の温度との温度差が70℃を超えるか、又は15℃未満である場合がある。
或いは、第1の測温器101の温度と第4の測温器104の温度との温度差及び第7の測温器107の温度と第4の測温器104の温度との温度差が両方とも70℃を超えるか、又は15℃未満である場合もある。この場合、両方とも非正常流動状態と判断され、流動制御ユニット400は、上述した方法と同様にして第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、501dの動作をそれぞれ制御して、湯面の流動を正常化させる。
第4の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107の温度の平均温度と両端の測温器の温度との温度差を用いて、湯面の流動状態を判断する。即ち、両端の測温器のそれぞれの温度と平均温度との温度差が両方とも第4の基準温度範囲である15℃以上、70℃以下である場合に正常流動状態と判断する。
例えば、7つの測温器101、102、103、104、105、106、107が配設されることを想定したとき、7つの測温器101、102、103、104、105、106、107の温度の平均温度と、一方の端に配設された第1の測温器101の温度との温度差と、他方の端に配設された第7の測温器107の温度と平均温度との温度差が両方とも15℃以上、70℃以下であるときに正常状態であると判断する。逆に、7つの測温器101、102、103、104、105、106、107の温度の平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差及び前記平均温度と第7の測温器107の温度との温度差のうちのどちらか一方でも第4の基準温度範囲を満たさなければ、非正常流動状態と判断する。
例えば、鋳片の鋳造中に第1の区間Tまで第1〜第7の測温器101、102、103、104、105、106、107の平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差及び平均温度と第7の測温器107の温度との温度差が両方とも15℃以上、70℃以下であるが、第2の区間Tにおいて70℃を超えて、ノズル20の左側の湯面の高さが右側の湯面に比べて高い非正常流動状態になる場合がある(図13参照)。
このため、湯面流動検出ユニット200は、これを非正常流動状態と判断し、磁場発生ユニット500の動作を調節するが、湯面の高さが相対的に高いノズル20の左側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を低めて、流動を低める。
図13においては、全体の平均温度及び両端の測温器のうちのどちらか一方の測温器の温度についてのみ示したが、残りの一つの測温器の温度も同じ方法により示されて、平均温度との温度差がリアルタイムで検出される。
以上においては、第2の区間における平均温度と第1の測温器101の温度との温度差及び平均温度と第7の測温器107の温度との温度差が両方とも70℃を超えると説明したが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、両方とも15℃未満となる非正常状態である場合もある。また、平均温度と第1の測温器101の温度との温度差は15℃以上、70℃以下であるが、平均温度と第7の測温器107の温度との温度差が15℃未満であるか、又は70℃を超える場合もあり、このときに非正常状態と判断する。逆に、平均温度と第7の測温器107の温度との温度差は15℃以上、70℃以下であるが、平均温度と第1の測温器101の温度との温度差が15℃未満であるか、又は70℃を超える場合もあり、このときに非正常状態と判断する。
第5の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のうち鋳片の幅方向の中心又は鋳型10の長辺11a、11bの中心に配設された測温器104の時系列的な平均温度と、両周縁に配設された測温器101及び107のそれぞれの温度との温度差を用いて、湯面の流動状態を判断する。即ち、両端の測温器101及び107のそれぞれの温度と、中心に配設された測温器104の時系列的な平均温度との温度差が両方とも15℃以上、70℃以下である場合に正常流動状態と判断する。逆に、中心に配設された測温器104の時系列的な平均温度と、一方の端の測温器の温度との温度差及び中心に配設された測温器104の時系列的な平均温度と、他方の端の測温器の温度との温度差のうちのどちらか一方でも第5の基準温度範囲を満たさなければ、非正常流動状態と判断する。
例えば、鋳片又は鋳型の長辺11a、11bの中心に配設された第4の測温器104の時系列的な平均温度と、一方の周縁に配設された第1の測温器101の温度との温度差及び第4の測温器104の時系列的な平均温度と、一方の周縁に配設された第7の測温器101の温度との温度差が両方とも15℃以上、70℃以下であるかを判断して、湯面の流動の正常又は非正常を判断する。
より具体的に、中心に配設された第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差及び第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第7の測温器101の温度との温度差を見ると、第1の区間Tまで15℃以上、70℃以下である(図14参照)。しかしながら、第2の区間Tにおける第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差及び第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第7の測温器101の温度との温度差が70℃を超えて、湯面流動検出ユニット200は、これを非正常流動状態と判断する。
そして、流動制御ユニット400を用いて、第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、501dのうちの少なくとも何れか一つの動作を制御して、第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差が15℃以上、70℃以下となるようにする。
以上においては、第2の区間において、中心に配設された第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差及び第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第7の測温器107の温度との温度差が両方とも70℃を超えると説明したが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、両方とも15℃未満となる非正常状態である場合もある。
また、第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差は15℃以上、70℃以下であるが、第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第7の測温器107の温度との温度差が15℃未満であるか、又は70℃を超える場合もあり、このときに非正常流動状態と判断する。逆に、第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第7の測温器107の温度との温度差は15℃以上、70℃以下であるが、第4の測温器104の時系列的な平均温度と、第1の測温器101の温度との温度差が15℃未満であるか、又は70℃を超える場合があり、このときに非正常流動状態と判断する。
第6の評価方法は、複数の測温器101、102、103、104、105、106、107のうち、両端の測温器101、107の温度と、前記両端の測温器101、107の測温器に隣接して配設された測温器102、106の温度との温度差を用いて湯面の流動状態を判断する。即ち、一方の端に配設された第1の測温器101の温度と、前記第1の測温器101に最大限に近付いて配設された第2の測温器102の温度との温度差が15℃以上、70℃以下であり、他方の端に配設された第7の測温器107の温度と、第7の測温器107に最大限に近付いて配設された第6の測温器106の温度との温度差が両方とも15℃以上、70℃以下を満たすときに正常流動パターンと判断する。
図15に示すように、鋳片の鋳造中に第1の区間まで両端の測温器、例えば、第1の測温器の温度と、前記第1の測温器の隣に配設された第2の測温器の温度との温度差が15℃以上、70℃以下であった。しかしながら、第2の区間において第1の測温器の温度と第2の測温器の温度との温度差が70℃を超え、このため、湯面流動検出ユニット200はこれを非正常流動状態と判断する。また、流動制御ユニット400を用いて第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、501dのうちの少なくとも何れか一つの動作を制御して、第1の測温器の温度と第2の測温器の温度との温度差が15℃以上、70℃以下になるようにする。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、鋳型10の上側に複数の測温器100を配設して湯面の幅方向の位置別の温度を検出し、これを相対的に比較して湯面の流動状態をリアルタイムで判断する。また、湯面の流動状態を判断する複数の評価方法又は基準を提示し、これらのうちの何れか一つを用いて、湯面の流動状態をリアルタイムで判断する。
更に、リアルタイムで判断される湯面の流動状態に基づいて磁場発生ユニットの動作を制御することにより、湯面を欠陥の発生率が低い、又は欠陥を発生させない流動状態に制御することができる。このため、例え鋳片の鋳造中に溶鋼の湯面の上にモールドフラックスが塗布されているとしても、本発明の実施形態に係る湯面流動制御装置及びこれを用いた湯面流動制御方法を用いて、湯面の流動をリアルタイムで検出し且つ制御することができる。従って、湯面の流動による欠陥の発生を低減して、鋳片の品質を向上させることができる。
上述した第1の実施形態においては、複数の測温器において測定された温度値の差分を用いて、湯面の流動状態が正常又は非正常状態であるかを判断し、複数の測温器の温度を相対的に比較して湯面の流動形態を検出することについて説明した。
一方、湯面の流動は、ノズルの閉塞、スライディングゲートへの外気の混入、ノズルに供給される不活性ガスの制御不能、ノズル溶損などの様々な要因により変化し、その流動パターンや形態の種類も複数に分けられる。よって、湯面の流動制御方法を、湯面の流動パターンの種類に基づいて変えることが効果的である。
このため、本発明の第2の実施形態においては、鋳型内の溶鋼の湯面の流動パターンの形態に基づいて、前記湯面流動制御方法を調節し、湯面の流動による鋳片の欠陥の発生を低減することができる湯面流動制御装置、及びこれを用いた湯面流動制御方法を提供する。
以下、図16〜図37を参照して、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御装置及び湯面流動制御方法について説明する。このとき、前記第1の実施形態において説明した内容と重複する内容についての説明は省略又は簡略化する。
図16は、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御装置を概念的に示す図であり、図17及び図18は、複数の測温器及び磁場発生ユニットが配設された鋳型を示す図であり、図19は、本発明の実施形態に係る湯面流動制御装置の構成をブロック化させて示す図である。また、図20は、鋳型の一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれに複数の測温器が配設された上面図であり、図21は、複数の測温器により測定された一対の長辺及び一対の短辺のそれぞれにおける幅方向の位置別の温度を相対的に示して検出された湯面の流動形態をグラフ化して可視化させたものであり、図22は、3次元的に可視化させたイメージであり、図23は、鋳型の長辺及び短辺のそれぞれに配設された測温器を配設した様子を示す上面図である。
更に、図24は、本発明の実施形態に係る流動パターンタイプ保存部に前もって保存又は前もって設定される複数の流動パターンタイプを示す図であり、図25は、図24に示す第8の流動パターンタイプにおいて発生されるダブルロールの流動形態を示す図であり、図26は、図24に示す第7の流動パターンタイプにおけるシングルロールの流動形態を示す図である。更にまた、図27及び図28は、本発明の実施形態において正常流動パターンに分類される第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプの位置別の温度分布を示すものであり、図29は、本発明の実施形態に係る流動パターンタイプ保存部に前もって保存又は前もって設定される複数の流動パターンタイプ及びこれによる複数の流動制御タイプを示す図であり、図30は、磁場発生ユニットに印加される2相交流電流の位相を示す図である。
また、図31〜図34は、磁場発生ユニットに印加される2相交流電流に基づいて溶鋼の流動方向及び回転流動を説明する図であり、図35は、本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法を説明するための手順図であり、図36は、本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法における湯面の流動形態の検出方法を説明するための手順図である。なお、 図37は、本発明の一実施形態に係る湯面流動制御方法において検出された湯面の流動を一つの流動タイプに分類する方法を説明するための手順図である。
図16に示すように、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御装置を備える鋳造設備は、ノズル20から溶鋼を供給されて一次的に冷却させる鋳型10、鋳型10において前記鋳型10の幅方向に並ぶように互いに離れて配設されて、それぞれにおいて温度を測定する複数の測温器100、鋳型10の外側に配設されて鋳型10内の溶鋼を流動させるための磁場を形成する磁場発生ユニット500、鋳型10内に収容された溶鋼の湯面の流動を検出する湯面流動検出ユニット200、検出された湯面の流動形態を前もって保存又は前もって設定された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する流動パターン分類ユニット300、及び分類された流動パターンタイプに基づいて磁場発生ユニット500の動作を制御して湯面の流動を調節することにより、溶鋼の湯面が正常流動パターンの形態となるように制御する流動制御ユニット400を備える。
即ち、第2の実施形態に係る湯面流動制御装置は、第1の実施形態に係る湯面流動制御装置とは、測温器100、湯面検出ユニット200、流動制御ユニット400、及び表示部600を備えるという点でその構成が同様であり、流動パターン分類ユニット300を更に備え、流動制御ユニット400においては、分類された流動パターンの形態に基づいて前記湯面流動制御方法を選択して制御する。
第2の実施形態に係る湯面流動検出ユニットは、複数の測温器100のそれぞれにおいて測定された温度測定値を、鋳型10又は溶鋼の湯面の幅方向の位置別の温度値として相対的に示し、前記溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出する。
湯面流動検出ユニット200が複数の測温器100から受信した複数の測定温度値を用いて湯面の流動形態を検出する過程及び方法についてより具体的に説明すると、下記の通りである。
複数の測温器100は、図16、図17及び図20に示すように、鋳型10の一対の長辺(以下、第1の長辺11a、第2の長辺11b)及び一対の短辺(第1の短辺12a及び第2の短辺12b)のそれぞれの延長方向に沿って配設されるが、第1及び第2の長辺11a、11bと、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれの延長方向に沿って記載された番号1〜10は、前記第1及び第2の長辺11a、11bと、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに配設された複数の測温器100の番号である。
即ち、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11bのそれぞれに配設された複数の測温器100は、例えば、左側から右側方向に第1〜第9の測温器と命名され、鋳型の第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに配設された複数の測温器100は第10の測温器と命名される。実施形態においては、第1及び第2の短辺12a、12bのそれぞれに一つの測温器(即ち、第10の測温器)が配設されるが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、短辺12a、12bの延長方向に沿って複数の測温器100が配設されてもよい。
第1の実施形態においても説明したように、複数の測温器100は、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11bと、第1及び第2の短辺12a、12bと、に配設されて、各位置別の温度を測定するが、湯面の高さに応じて、測定される温度が異なる。このため、複数の測温器100において測定された温度の差を用いて、全体の湯面の形状(又は、形態)を検出することができる。
従って、鋳型10の幅方向又は湯面の幅方向に並ぶように配置された複数の測温器100において測定された温度値を位置別に示すが、湯面の高さに応じて温度が異なるため、前記温度値を相対的に比較して示すと、湯面の相対的な高さが分かる。このため、複数の測温器100から測定された温度値を相対的に比較して示すと、湯面の位置別の高さを相対的に把握することができて、湯面の流動形態を検出することができる。
また、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度をグラフ化すると、図21に示すように可視化することができ、これは、作業者が確認可能なように表示部600に表示(ディスプレイ)することができる。更に、鋳型10の第1及び第2の長辺11a、11b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度と、第1及び第2の短辺12a、12b方向のそれぞれにおける位置に基づく温度と、を用いると、図22に示すように、3次元(3D)に可視化することができ、これは、作業者が確認可能なように表示部に表示(ディスプレイ)することができる。
流動パターン分類ユニット300は、検出された湯面の流動形態と、前もって設定された、又は前もって保存された流動パターンタイプと、を比較して、前記検出された湯面の流動形態がどのようなパターンタイプの流動パターンであるかを比較して分類する。このとき、流動パターン分類ユニット300においては、欠陥が発生する可能性が低い流動パターン(以下、正常流動パターン)であるか、欠陥が発生する可能性が高い流動パターン(以下、非正常流動パターン)であるかを分類又は判断する。ここで、正常流動パターンは、欠陥率が0.8%以下となるような湯面の流動パターンであり、非正常流動パターンは、欠陥率が0.8%を超えるような湯面の流動パターンである。
このような流動パターン分類ユニット300は、鋳造操業中に発生し得る複数の種類の流動パターン形態の温度をデータ化して複数の流動パターンタイプを保存している流動パターンタイプ保存部310と、検出された湯面の流動形態及び保存されている複数の流動パターンタイプを比較して、検出された湯面の流動パターンを複数の流動パターンタイプのうちの一つに分類、定義、又は決定するパターン分類部320と、を備える(図19参照)。
上述したように、流動パターンタイプ保存部310には複数の流動パターンタイプが保存される。ここで前記複数の流動パターンタイプは、測定された複数の温度測定値のうち、最低温度と最高温度との温度差(即ち、湯面の温度偏差ΔTH−L)、測定された複数の温度測定値のうち両側の最外郭に配設された測温器100によって測定された湯面の両周縁のそれぞれの温度TE1、TE2、及びノズル20が位置する湯面の中心位置に配設された測温器100から測定された中心温度Tの関係などに基づいて分類される。以下の説明において、複数の測温器100によって測定された湯面の位置別の温度測定値のうち、最低温度と最高温度との温度差ΔTH−Lを湯面の温度偏差ΔTH−Lと命名する。なお、中心温度Tcは、湯面の幅方向の中心において測定された温度であり、ノズルと対応するように配設された測温器又はノズルと対応するように配設された測温器の両側に配設された測温器のうちのどちらか一方の測温器によって測定された温度であってもよい。
一方、湯面の、ある一つの延長方向の温度分布において、湯面の温度偏差ΔTH−Lが所定の範囲内であり、両周縁それぞれの温度TE1、TE2が湯面の中心温度Tに比べて高いか等しく(±誤差範囲以内)、両周縁のそれぞれの温度TE1、TE2と中心温度Tとの温度偏差(以下、第1の温度偏差ΔTE1−C、第2の温度偏差ΔTE2−C)が所定の範囲以内であるときには、溶鋼の流動が安定し、流動による欠陥の発生が防止可能な鋳片を鋳造することができる。より具体的には、欠陥の発生率が0.8以下である鋳片を鋳造することができる。
ここで、湯面の温度偏差ΔTH−Lは、その値が高過ぎたり低すぎたりする場合、湯面の流動による欠陥が発生するため、第1の所定値以上、前記第1の所定値以上の数値である第2の所定値ではなければならない。即ち、再び説明すると、湯面の温度偏差ΔTH−Lは、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下の範囲内ではなければならず、前記第1の基準値T及び第2の基準値Tは、溶鋼の組成及び製造設備の条件などに基づいて、当業者が複数回の操業を通じて得ることができる。
以下においては、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下の範囲を基準偏差と命名して説明する。また、「湯面の温度偏差ΔTH−Lが基準偏差を満たす」とは、前記湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T以上、第2の基準値T以下の値であることを意味する。逆に、「湯面の温度偏差ΔTH−Lが基準偏差を満たさない」とは、前記湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T未満であるか、又は第2の基準値Tを超える値を有することを意味する。
例えば、第1の温度が50℃であり、第2の基準値が100℃であるとしたとき、基準偏差は、50℃以上、100℃以下(50℃≧基準偏差≧100℃)の範囲で表わすことができる。なお、湯面の流動による欠陥の発生が防止可能な鋳片を鋳造するためには、鋳造中の湯面の位置別に測定された測定温度値のうち、最低温度と最高温度との温度差、即ち、湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T以上、第2の基準値T以下(例えば、50℃以上、100℃以下)にならなければならない。
また、湯面の流動による欠陥の発生を防ぐためには、湯面の両周縁の温度TE1、TE2が中心温度Tに比べて高いか等しく、且つ、このとき、両周縁のそれぞれの温度TE1、TE2と中心温度Tとの温度差、即ち、温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cが所定の値以下ではなければならない。ここで、湯面の両周縁の温度は、鋳型10内において鋳型10の短辺12a、12bと隣り合う周縁領域の温度であり、鋳型10の幅方向に並ぶように配設された複数の測温器100のうち第1の短辺12a及び第2の短辺12bのそれぞれと隣り合うように配置された測温器100において測定された温度である。換言すると、複数の測温器100のうち両側の最外郭に配設された測温器100において測定された温度であり、第1の短辺12a及び第2の短辺12bと隣り合う湯面の両端の温度である。
以下において、上述した両周縁の温度のうち、第1の短辺12aと隣り合う湯面の周縁又は湯面の一方の端又は第1の短辺12aと隣り合う最外郭の測温器100において測定された湯面の温度を第1の周縁温度TE1と命名し、第2の短辺12bと隣り合う湯面の周縁又は湯面の他方の端又は第2の短辺12bと隣り合う最外郭の測温器100において測定された湯面の温度を第2の周縁温度TE2と命名する。
上述したように、湯面の流動による欠陥の発生を防ぐためには、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれは、中心温度Tに比べて高いか等しく、且つ、第1の周縁温度TE1と中心温度との温度差値(以下、第1の温度偏差ΔTE1−C)と、第2の周縁温度TE2と中心温度Tとの温度差値(以下、第2の温度偏差ΔTE2−C)と、が所定値以下ではなければならない。第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれが満たさなければならない所定値以下の基準値は、複数の流動パターンタイプを区別又は分類する温度数値である。このため、以下において、流動パターンタイプを分類するために、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれと比較される基準となる値を、第3の基準値Tと命名する。
上述した定義に基づいて、本発明においては、溶鋼又は湯面の流動による鋳片の欠陥の発生を極力抑えたり防いだりするためには、湯面の温度偏差ΔTH−Lが基準偏差を満たし(即ち、第1の基準値T1以上、第2の基準値T2以下)、且つ、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれは中心温度Tに比べて高いか等しく、第1の温度偏差ΔTE1−Cが第2の基準値T以下であり、第2の温度偏差ΔTE2−Cが第3の基準値T以下ではなければならない。なお、上述した条件を満たす流動パターンを正常流動パターンと定義する。
即ち、本発明の実施形態においては、複数の流動パターンタイプの中でも複数の流動パターンタイプを正常流動パターンと定義する。即ち、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が両方とも中心温度Tに比べて高く、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれが第3の基準値T以下であるとき、流動パターンタイプを第1の流動パターンタイプと定義する。また、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が中心温度Tに等しく、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれが第3の基準値T以下であるときに第2の流動パターンタイプと定義する。
ここで、「第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちの少なくともどちらか一方が中心温度Tに等しい」とは、±誤差を含むことを意味し、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが中心温度Tに全く等しいという意味ではなく、±誤差範囲内において略等しいことを意味する。
現在の溶鋼の湯面の流動形態が、第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方の形態であるときは、湯面の流動が、非常に安定的な流動状態であって、適切な湯面の速度及び温度が確保でき、欠陥の発生が低く、また鋳片の欠陥の発生率が0.8以下となるようになる流動状態である。このため、湯面の流動形態が第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプの形態となったときには、流動による欠陥が発生しないか、又は0.8未満に最小化される。また、一般に、検出された流動パターンの形態が第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方であるとき、別途に磁場発生ユニット500の駆動を変更することなく、ノズル20の両側の領域にそれぞれ配設された磁場発生ユニット500に印加される電流は同じである。
逆に、溶鋼又は湯面の流動により鋳片に欠陥が発生したときには、湯面の流動パターン又は湯面の温度を見ると、湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T以上、第2の基準値T以下(即ち、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下)の範囲を外れるか、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が中心温度Tに比べて低いか、第1の温度偏差ΔTE1−Cが第3の基準値Tを超えるか、又は第2の温度偏差ΔTE2−Cが第3の基準値Tを超える(図24の第3〜第10の流動パターンタイプ)。
本発明の実施形態においては、複数の流動パターンタイプの中でも複数の流動パターンタイプを非正常流動パターンと定義する(第3〜第10の流動パターンタイプ)。即ち、本発明の実施形態においては、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちの少なくともどちらか一方は中心温度Tに比べて高いが、第1の温度偏差ΔTE1及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうちの少なくともどちらか一方が第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを第3の流動パターンタイプ、第4の流動パターンタイプ、及び第8の流動パターンタイプと定義する。
また、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを第3の流動パターンタイプ又は第4の流動パターンタイプと定義し、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が両方とも第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを第8の流動パターンタイプと定義する。更に、第3の基準値Tに比べて高い値を第4の基準値Tとしたとき、第3の基準値Tを超える第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が第4の基準値Tを超える流動パターンタイプを第3の流動パターンと定義する。更にまた、第3の基準値Tを超える第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値T以下である場合、第4の流動パターンタイプと定義する。
上述した第3の流動パターンタイプ及び第4の流動パターンタイプは、溶鋼を吐出するノズル20の両側の吐出口のうちのどちらか一方の吐出口が閉塞して、溶鋼の偏流の形成が激し過ぎる場合に現れる湯面の流動形態である。また、第3の流動パターンタイプ及び第4の流動パターンタイプの流動が発生したときは、渦流(VORTEX)状の流れ又は流動が発生し、これにより、欠陥の発生可能性が大幅に高くなる。更に、第8の流動パターンタイプは、ノズル20の両側の吐出口の閉塞により、図25に示すように、ノズルから吐き出された溶鋼が上下に分岐されて流れる(図25におけるA、B)強いダブルロール(Double roll)の流動が発生した場合に現れる湯面の流動形態であり、第8のパターンが発生したときには渦流(VORTEX)状の流れ又は流動が発生し、これにより、欠陥の発生可能性が大幅に高くなる。
また、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が中心温度Tに比べて低く、残りの一方の温度は中心温度Tに比べて高く、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを、第5の流動パターンタイプ又は第6の流動パターンタイプと定義する。
更に、第3の基準値Tに比べて高い値を第4の基準値Tとしたとき、第3の基準値Tを超える第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が更に第4の基準値Tを超えると、第5の流動パターンと定義する。なお、第3の基準値Tを超える第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値T以下である場合を、第6の流動パターンタイプと定義する。
このような第5の流動パターンタイプは、タンディッシュと鋳型10との間においてノズル20の連通を制御するスライディングゲートへの外気の混入、ノズル20に供給されるアルゴンガス量の制御不能、又はノズル20の溶損などの原因により、溶鋼から吐出された溶鋼が下方に向かう流れCが発生したシングルロールであり、且つ偏流である流動パターンである(図26参照)。
このような第5の流動パターンタイプによっては、溶鋼への鉱滓(slag)の混入が発生し、これによる欠陥が発生する。また、第6の流動パターンタイプは、湯面の中心を基準として一方又は他方の領域に下向き流の流動が発生したり、遅い湯面の速度により発生したりする流動パターンであり、第5の流動パターンタイプに比べると弱いシングルロール及び偏流を形成する流動パターンであり、湯面の温度の下降が大きく、これにより、孔状の欠陥が発生する可能性が高い。
また、湯面の温度偏差ΔTH−Lは、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下を満たすが、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が中心温度に比べて低い流動パターンタイプを第7の流動パターンタイプと定義する。他のパターンタイプであって、湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T未満であり、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが中心温度Tに等しいか、±誤差範囲内において略等しく、穏やかな流動を有する流動パターンタイプを第9の流動パターンタイプと定義する。なお、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が中心温度Tに比べて低く、残りの一つの温度が中心温度Tに等しいか、±誤差範囲内において略等しい流動パターンタイプを第10の流動パターンタイプと定義した。
第7の流動パターンタイプの発生理由は、第5の流動パターンタイプの発生理由と略等しいが、タンディッシュと鋳型10との間においてノズル20の連通を制御するスライディングゲートへの外気の混入、アルゴンガス量の制御不能、又はノズル20の溶損などの原因によるシングルロール及び強い偏流の流動による流動パターンであり、第7の流動パターンタイプによっては溶鋼への鉱滓(slag)の混入の発生による強いシングルロールの流動パターンであり、これによる欠陥が発生する。
ここで、第9の流動パターンタイプは、流動がほとんど発生しない平らな湯面(flat meniscus)の形態の非常に穏やかな流動である。前記第9の流動パターンタイプの発生理由は、上述した第6の流動パターンタイプと同様に、湯面の中心を基準として一方又は他方の領域に下向きの流動が発生するか、又は低い湯面の速度により発生する。このような第9の流動パターンタイプが発生すると、湯面の温度の下降が大きく、これにより孔状の欠陥が発生する可能性が高い。なお、第10の流動パターンタイプは、平らな湯面の形態の非常に穏やかな流動と、シングルロールの流動とが混在するものであり、このような流動によっては孔状の欠陥が発生する可能性が高い。
このように、本発明においては、上述したように、湯面の流動パターンタイプを10種類に分類し(図24参照)、これらのうち第1及び第2の流動パターンタイプは、欠陥の発生可能性が低い正常パターンタイプであり、第3の流動パターンタイプ〜第10の流動パターンタイプは、欠陥が発生する可能性が高い非正常パターンタイプである。また、上述したように区別される第1〜第10の流動パターンタイプ及びこれらによるデータは、流動パターン保存部310に前もって保存又は前もって設定されている。
以上においては、流動パターンタイプ保存部310に第1〜第10の流動パターンタイプが保存されて、検出された湯面パターンの形態を前記第1〜第10の流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類することについて説明した。なお、検出された湯面の流動パターンが流動パターンタイプ保存部310に保存されている湯面の流動パターンデータと一致しない場合は、現在の湯面の流動パターン及びそれによる鋳片の品質を追跡し、これらのデータを流動パターンタイプ保存部に保存して流動パターンタイプ保存部310を更新し続ける。
パターン分類部320においては、湯面流動検出ユニット200において検出された流動パターンの形態と、流動パターンタイプ保存部310に保存されている第1〜第10の流動パターンタイプと、を対比又は比較して、鋳造操業中に検出された流動パターンの形態を第1〜第10の流動パターンタイプのうちの何れか一つのパターンに分類する。
即ち、パターン分類部320においては、検出された流動パターンの形態の湯面の位置別(鋳型の幅方向の位置別)の温度を分析して、分析された温度データと一致する、又は分析された温度データの形態が満たされる流動パターンタイプを選択して分類する。より具体的には、検出された流動パターンの形態の位置別の温度のうち、最低温度と最高温度との温度差、即ち、湯面の温度偏差ΔTH−L、第1及び第2の周縁温度TE1、TE2及び湯面の中心温度Tを分析して、分析された湯面の温度偏差ΔTH−L、第1及び第2の周縁温度TE1、TE2、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれが満たす流動パターンタイプを選択して分類する。
即ち、検出された流動パターンの形態の湯面の温度偏差ΔTH−Lが基準偏差を満たすか、又は基準偏差から外れるか、第1及び第2の周縁温度TE1、TE2が湯面の中心温度Tに等しいか、又は大きいか又は小さいか、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cのそれぞれが第3の基準値Tに比べて小さいか、又は等しいか又は大きいかに基づいて、第1〜第10の流動パターンタイプのうちの何れか一つを選択し、これにより、正常流動パターン及び非正常流動パターンのうちのどちらか一方に分類する。
例えば、検出された湯面の流動形態において、第1の温度偏差ΔTE1−Cが基準偏差を満たし、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが中心温度Tの以上であり、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのそれぞれが第3の基準値T以下であれば、第1及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方に分類する。また、ここで、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが中心温度Tに比べて高い場合に、第1の流動パターンタイプに分類し、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが中心温度Tに等しいか、又は±誤差範囲内において略等しい場合に、第2の流動パターンタイプに分類する。
また、溶鋼又は湯面の流動により鋳片に欠陥が発生したとき、湯面の流動パターン又は湯面の温度を見ると、湯面の温度偏差ΔTH−Lが第1の基準値T又は第2の基準値T(即ち、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下)の範囲から外れるか、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が中心温度Tに比べて低いか、第1の温度偏差ΔTE1−Cが第3の基準値T超えるか、又は第2の温度偏差ΔTE2−Cが第3の基準値Tを超えた場合は、第3〜第10の流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類する。
即ち、湯面の温度偏差ΔTH−Lが基準偏差から外れ、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちの少なくともどちらか一方が中心温度より高いが、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうちの少なくともどちらか一方が第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを、第3の流動パターンタイプ、第4の流動パターンタイプ、又は第8の流動パターンタイプに分類する。
ここで、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cのうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超えた場合は、第3及び第4の流動パターンタイプのうちのどちらか一方に分類し、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cが両方とも第3の基準値Tを超えた場合は、第8の流動パターンタイプに分類する。また、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cのうちのどちらか一方が第3の基準値T3を超えるときには、前記第3の基準値Tを超える周縁温度が第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値Tを超えた場合に第3の流動パターンタイプに分類する。なお、第3の基準値Tを超える周縁温度が第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値T以下である場合に第4の流動パターンタイプに分類する。
他の例によれば、検出された流動パターンの第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が中心温度Tに比べて低く、残りの一方の温度は中心温度Tに比べて高く、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうちのどちらか一方が第3の基準値Tを超える流動パターンタイプを第5の流動パターンタイプ又は第6の流動パターンタイプに分類する。
ここで、第1又は第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cが第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値Tを超えると、第5の流動パターンタイプと定義し、第1又は第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE1−Cが第3の基準値Tを超え、且つ第4の基準値T以下である場合を、第6の流動パターンタイプに分類する。
また、検出された流動パターンの湯面の温度偏差ΔTH−Lは、第1の基準値T以上、第2の基準値T以下の基準値を満たすが、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2が中心温度Tに比べて低い流動パターンタイプを、第7の流動パターンタイプに分類する。
更に、検出された湯面の流動パターンの湯面の温度偏差ΔTH−Lが、第1の基準値T未満であり、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のそれぞれが、中心温度Tに等しいか又は±誤差範囲内において略等しいため、穏やかな流動を有する流動パターンタイプを第9の流動パターンタイプに分類する。
更にまた、第1の周縁温度TE1及び第2の周縁温度TE2のうちのどちらか一方が中心温度Tに比べて低く、残りの一方の温度が中心温度Tに等しいか、又は±誤差範囲内において略等しい流動パターンタイプを、第10の流動パターンタイプに分類する。
本発明の第2の実施形態においては、上述した方法により検出された湯面の流動形態を、一つの流動パターンタイプに分類する。実施形態に係るパターン分類部においては、第1の長辺11a及び第2の長辺11aのうちのどちらか一方に配設された複数の測温器100によって測定された温度値で検出された湯面の流動形態を一つの流動パターンタイプに分類する。
このとき、第1の長辺11aに沿って配設された複数の測温器100によって測定されて検出された湯面の流動形態と、第2の長辺11bに沿って配設された複数の測温器100によって測定されて検出された湯面の流動形態と、のうち、湯面の温度偏差ΔTH−Lが相対的に大きい湯面の流動形態を一つの流動パターンタイプに分類して、流動制御ユニット400に送る。また、流動制御ユニット400は、分類された流動パターンタイプの溶鋼の流動が発生するように、磁場発生ユニット500に電源又は電流を印加する。
第1の実施形態において説明したように、磁場発生ユニット500は、流動制御ユニット400により磁場を形成し、前記磁場により溶鋼を流動させて制御するものである。このような磁場発生ユニット510は、図1、図16、図17、及び図18に示すように、複数、例えば、第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、510dを備える。
第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dのそれぞれは、鋳型10の長辺11a、11b方向に延設されたコア部材511a、511b、511c、及び511dそれぞれが、コア部材511a、511b、511c、及び511dの外周面に巻き付けられるように配設され、前記コア部材511a、511b、511c、及び511dの延長方向に沿って互いに離れて配置された複数のコイル部材512a、512b、512c、及び512dを備える。
ここで、第1の磁場発生部510aのコイル部材512aがコア部材511aに巻き付けられる方向と、第2の磁場発生部510bのコイル部材512bがコア部材511bに巻き付けられる方向と、が同じ方向であり、第3の磁場発生部510cのコイル部材512cがコア部材511cに巻き付けられる方向と、第4の磁場発生部510dのコイル部材512dがコア部材511dに巻き付けられる方向と、が同じ方向である。
また、第1及び第2の磁場発生部510a、510bのそれぞれのコイル部材512a、512bがコア部材511a、511bに巻き付けられる方向と、第3及び第4の磁場発生部510c、510dのそれぞれのコイル部材512c、512dがコア部材511c、511dに巻き付けられる方向と、が互いに反対方向になるようにする。
例えば、図17に示すように、第1の磁場発生部510aのコイル部材512aがコア部材511aに巻き付けられる方向と、第2の磁場発生部510bのコイル部材512bがコア部材511bに巻き付けられる方向と、は時計回り方向であり、第3の磁場発生部510cのコイル部材512cがコア部材511cに巻き付けられる方向と、第4の磁場発生部510dのコイル部材512dがコア部材511dに巻き付けられる方向と、は反時計回り方向であってもよい。もちろん、第1及び第2の磁場発生部510a、510bのそれぞれのコイル部材512a、512bが反時計回り方向に巻き付けられ、第3及び第4の磁場発生部510c、510dのそれぞれのコイル部材512c、512dが時計回り方向に巻き付けられてもよい。
上述した第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dのそれぞれのコイル部材512a、512b、512c、及び512dが、各コア部材511a、511b、511c、及び511dに巻き付けられる方向についての説明は、第1の実施形態に係る湯面流動制御装置の説明においては省略したが、同様に適用される。
一方、一般に、溶鋼の温度は、炭素鋼の場合に1500℃内外であり、キュリー温度は略800℃内外である。溶鋼は、キュリー温度を超えているため、磁化特性を有さない。しかしながら、磁場が溶鋼に影響を及ぼす理由は、ローレンツ力(Lorentz Force)が発生するためであり、下記の数式1に示すように、電気伝導度σ、溶鋼と磁場との間の相対速度V及び磁場密度Bと関係があるためである。
[数1]
F=σ.B2.V (1)
流動制御ユニット400は、流動パターン分類ユニット300において分類された湯面の流動パターンに基づいて、磁場発生ユニット500に印加する電源又は電流を制御して、正常流動パターンとなるように溶鋼内の磁場を調節する。
磁場発生ユニット500は、鋳型10の長辺11a、11bの延長方向に沿って配設された電磁石状の磁場発生ユニットに、多相又は2相交流電流を印加して(図30参照)、移動磁場(又は、移動磁気場)を形成し、前記移動磁場により溶鋼の流動を調節する。
図19に示すように、このような流動制御ユニット400は、流動パターン分類ユニット300において分類された湯面パターンタイプの種類に基づいて、磁場発生ユニット500の電源印加条件、即ち、複数の流動制御タイプが保存されている流動制御タイプ保存部410、分類された流動パターンタイプを正常流動パターンに維持又は調節可能なように、複数の流動制御タイプのうちの何れか一つを選択する流動制御タイプ選択部420、及び流動制御タイプ選択部420において選択されたタイプに基づいて磁場発生ユニット510に電源を印加する電源印加制御部430を備える。
流動制御タイプ保存部410には、少なくとも、流動パターンタイプ保存部310に保存されているそれぞれの流動パターンタイプを、正常流動パターンに調節するための流動制御タイプが、設定又は保存されている。即ち、少なくとも、非正常パターンである第3〜第10の流動パターンタイプを、第1の流動パターンタイプ又は第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方に調節するように、前記第3〜第10の流動パターンタイプに対する流動制御タイプ(即ち、第1〜第6の制御タイプ)が設定又は保存されている。
流動制御タイプ保存部410に保存されている流動制御タイプは、磁場(又は、磁場又は磁界)の印加方法により異なる。即ち、長辺方向に沿って水平に移動する磁場を鋳型10の短辺12a、12b側からノズル20の位置に向かって、即ち、ノズル20からの溶鋼の吐出方向とは反対の方向に移動させて、ノズル20における溶鋼の吐出流に制動力を与えるようにした溶鋼の流動を引き起こす印加方法であり、この明細書においては、この印加方法を「EMLS」、「EMLSモード」、「EMLSモードによる磁場印加」と記載する(EMLS:Electromagnetic Level Stabilizer)。このようなEMLSモードで磁場発生ユニット500に磁場を形成した場合、鋳型10内の溶鋼の湯面の溶鋼の流速を減衰させることができる。
他の磁場の印加方法としては、ノズル20から吐出される溶鋼の加速力を与えるための方法が挙げられ、鋳型の長辺方向に沿って水平に移動する磁場をノズル20から鋳型10の短辺12a、12bに向かって移動させる方向、換言すると、ノズル20の溶鋼の吐出方向と同じ方向に磁場を移動させて、溶鋼の吐出流に加速力を与えるようにした溶鋼の流動方法であり、この明細書においては、「EMLA」、「EMLAモード」、「EMLAモードによる磁場印加」と記載する(EMLA:Electromagnetic Level Accelerating)。
磁場発生ユニット500を用いて、上述したようなEMLAモードで磁場を形成すると、ノズル20からの溶鋼の吐出流が加速され、これにより、吐出流が鋳型10の短辺12a、12bの壁に衝突し、次いで、溶鋼が短辺12a、12bに沿って上下に分岐され、上側に分岐されたものは、溶鋼の湯面における鋳型10の短辺12a、12bの位置からノズル20に向かう。
更に他の磁場の印加方法は、鋳型10内の溶鋼を、ノズル20を中心として水平に回転させる方法である。より具体的には、鋳型10の長辺11a、11b方向に沿って水平に移動する磁場を相対的な長辺に沿ってそれぞれ相反する方向に移動させ、凝固界面に沿って水平方向に回転するようにした溶鋼の流動を引き起こす方法である。この明細書においては、この印加方法を「EMRS」、「EMRSモード」、「EMRSモードによる磁場印加」と記載する。
上述したようなEMLSモード、EMLAモード、EMRSモードの磁場の印加方法は、第1〜第4の磁場発生部のそれぞれを構成するそれぞれのコイル部材512a、512b、512c、512dにそれぞれ交流電流を印加するとき、U相、W相の電流の印加順序により異なり、その順序は、90°(π/2)ごとに異なる。
電源印加制御部430は、流動制御タイプ選択部420において選択された流動制御タイプに基づいて、複数の磁場発生部510a、510b、510c、510dに印加される電源、即ち、交流電圧を調節する。より具体的には、複数の磁場発生部510a、510b、510c、510dのそれぞれを構成するコイル部材512a、512b、512c、512dに交流電圧を印加するとき、図30に示すU相、W相位相の交流電圧を複数のコイル部材512a、512b、512c、512dに対して順次に変換しながら印加するが、前記位相の変化は、90°おきに変更可能である。
例えば、第1の長辺11aの外側に配設された第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bにおいて、第1の磁場発生部510aを構成する複数のコイル部材512aに電流を印加するとき、第1の短辺12bからノズル20に向かってU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加し、第2の磁場発生部510bを構成する複数のコイル部材512bに電流を印加するとき、第2の短辺12bからノズル20に向かってU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加する。より具体的に説明すると、第1の短辺12aからノズル20に向かって順番に配置された第1の磁場発生部510aの複数のコイル部材512aを第1〜第5のコイル部材512aとしたとき、第1のコイル部材512aにU相、第2のコイル部材512aにW相、第3のコイル部材512aにU相、第4のコイル部材512aにW相、第5のコイル部材512aにU相を印加する。
また、第2の短辺12bからノズル20に向かって順番に配置された第2の磁場発生部510bの複数のコイル部材512bを第1〜第5のコイル部材512bとしたとき、第1のコイル部材512bにU相、第2のコイル部材512bにW相、第3のコイル部材512bにU相、第4のコイル部材512bにW相、第5のコイル部材512bにU相を印加する。これによって、磁場が、第1の磁場発生部510aのコア部材511aの延長方向に沿って第1の短辺12a側からノズル20に向かって移動し、第2の磁場発生部510bのコア部材511bの延長方向に沿って第2の短辺12b側からノズル20に向かって移動する。これにより、溶鋼には誘導電流が発生し、この誘導電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)により、溶鋼には磁界の移動方向に追従して流動する駆動力が与えられて、図31に示すように、両短辺からノズルに向かって溶鋼が流れる(F1、F2)。
また、同様に、第2の長辺11bの外側に配設された第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dにおいて、第3の磁場発生部510cを構成する複数のコイル部材512cに電流を印加するとき、第1の短辺12aからノズル20に向かってU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加し、第4の磁場発生部510dを構成する複数のコイル部材512dに電流を印加するとき、第2の短辺12bからノズルに向かってU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加する。
即ち、第1の短辺12aからノズル20に向かって順番に配置された第3の磁場発生部510cの複数のコイル部材512cを第1〜第5のコイル部材512cとしたとき、第1のコイル部材512cにU相、第2のコイル部材512cにW相、第3のコイル部材512cにU相、第4のコイル部材512cにW相、第5のコイル部材512cにU相を印加する。更に、第2の短辺12bからノズル20に向かって順番に配置された第4の磁場発生部510dの複数のコイル部材512dを第1〜第5のコイル部材512dとしたとき、第1のコイル部材512dにU相、第2のコイル部材512dにW相、第3のコイル部材512dにU相、第4のコイル部材512dにW相、第5のコイル部材512dにU相を印加する。
これによって、磁場が、第3の磁場発生部510cのコア部材511cの延長方向に沿って第1の短辺12a側からノズル20に向かって移動し、第4の磁場発生部510dのコア部材511dの延長方向に沿って第2の短辺12b側からノズル20に向かって移動する。これにより、溶鋼には誘導電流が発生し、この誘導電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)により、溶鋼には磁界の移動方向に追従して流動する駆動力が与えられて、図31に示すように、両短辺からノズルに向かって溶鋼が流れる(F3、F4)。
このように、第1及び第2の磁場発生部510a、510bと、第3及び第4の磁場発生部510c、510dのそれぞれにおいて短辺12a、12b側からノズル20に向かって磁場が移動し、これがEMLS磁場の印加方法であり、このとき、溶鋼が両短辺12a、12bからノズルに向かって移動する。
このとき、このような溶鋼の流動方向及びノズル20の吐出口から吐出される溶鋼の吐出方向が異なるため、溶鋼の湯面の流速が減衰される。また、前述した磁場の印加方法によれば、図31に示すように、ノズル20を中心として両側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cと、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにおいてEMLSモードの磁場の移動が発生する。
他の例によれば、第1の長辺11aの外側に配設された第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bにおいて、第1の磁場発生部510aを構成する複数のコイル部材512aに電流を印加するとき、第1の短辺12aからノズル20に向かってW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加し、第2の磁場発生部510bを構成する複数のコイル部材512bに電流を印加するとき、第2の短辺12bからノズル20に向かってW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加する。
より具体的に、第1の短辺12aからノズル20に向かって順番に配置された第1の磁場発生部510aの複数のコイル部材512aを第1〜第5のコイル部材512aとしたとき、第1のコイル部材512aにW相、第2のコイル部材512aにU相、第3のコイル部材512aにW相、第4のコイル部材512aにU相、第5のコイル部材512aにW相を印加する。
また、第2の短辺12bからノズル20に向かって順番に配置された第2の磁場発生部510bの複数のコイル部材512bを第1〜第5のコイル部材512bとしたとき、第1のコイル部材512bにW相、第2のコイル部材512bにU相、第3のコイル部材512bにW相、第4のコイル部材512bにU相、及び第5のコイル部材512bにW相を印加する。このため、磁場が、第1の磁場発生部510aのコア部材511aの延長方向に沿ってノズル側から第1の短辺12aに向かって移動し、第2の磁場発生部510bのコア部材511bの延長方向に沿ってノズル20側から第2の短辺12bに向かって移動する。これにより、溶鋼には誘導電流が発生し、この誘導電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)により、溶鋼には磁界の移動方向に追従して流動する駆動力が与えられて、図32に示すように、ノズルから両短辺F1、F2に向かって溶鋼が流れるように流動する。
また、第2の長辺11bの外側に配設された第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dにおいて、第3の磁場発生部510cを構成する複数のコイル部材512cに電流を印加するとき、第1の短辺12aからノズル20に向かってW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加し、第4の磁場発生部510dを構成する複数のコイル部材512dに電流を印加するとき、第2の短辺12bからノズル20に向かってW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加する。
即ち、第1の短辺12aからノズル20に向かって順番に配置された第3の磁場発生部510cの複数のコイル部材512cを第1〜第5のコイル部材512cとしたとき、第1のコイル部材512cにW相、第2のコイル部材512cにU相、第3のコイル部材512cにW相、第4のコイル部材512cにU相、及び第5のコイル部材512cにW相を印加する。
また、第2の短辺12bからノズル20に向かって順番に配置された第4の磁場発生部510dの複数のコイル部材512dを第1〜第5のコイル部材512dとしたとき、第1のコイル部材512dにW相、第2のコイル部材512dにU相、第3のコイル部材512dにW相、第4のコイル部材512dにU相、及び第5のコイル部材512dにW相を印加する。
このため、磁場が、第3の磁場発生部510cのコア部材511cの延長方向に沿ってノズル20側から第1の短辺12aに向かって移動し、第4の磁場発生部510dのコア部材511dの延長方向に沿ってノズル20側から第2の短辺12bに向かって移動する。これにより、溶鋼には誘導電流が発生し、この誘導電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)により、溶鋼には磁界の移動方向に追従して流動する駆動力が与えられて、図32に示すように、両短辺からノズルF3、F4に向かって溶鋼が流れるように流動する。
このように、第1及び第2の磁場発生部510a、510bと、第3及び第4の磁場発生部510c、510dのそれぞれにおいてノズル20から短辺12a、12bに向かって磁場が移動し、これがEMLA磁場の印加方法であり、このとき、溶鋼がノズル20から両短辺に向かって移動する。このような溶鋼の流動方向及びノズル20の吐出口から吐き出される溶鋼の吐出方向が同じであるため、溶鋼の湯面の流速が加速される。また、上述した磁場の印加方法によれば、図32に示すように、ノズル20を中心として両側に配設された第1及び第3の磁場発生部510cと、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにおいてEMLAモードの磁場の移動が発生する。
以上においては、ノズル20を中心として両側に配設された第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bに同じ方向に磁場が流れるようにし、第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dに同じ方向に磁場が流れるようにして、図31に示すように、ノズル20を中心として両側にEMLSモードで電源が印加されて溶鋼の湯面がノズル20の両側において減速されたり、図32に示すように、EMLAモードで電源が印加されて溶鋼の湯面がノズル20の両側において加速されたりすることについて説明した。
しかしながら、本発明はこれに何等限定されるものではなく、ノズル20の両側の方向において、一方及び他方のうちのどちらか一方においてはEMLAモードで、残りの一つにおいてはEMLSモードで磁場を形成することができる。例えば、ノズル20の一方の側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれにはEMLAモードで磁場を形成し、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにはEMLSモードで磁場を形成する。
このために、図33に示すように、第1の磁場発生部510aの第1〜第5のコイル512aにW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加し、第3の磁場発生部510cの第1〜第5のコイル512cにW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加し、第2の磁場発生部の第1〜第5のコイル512cにU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加し、第4の磁場発生部の第1〜第5のコイル512dにW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加する。
反対の例によれば、ノズル20の一方側に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれにはノズル20から第1の短辺12aに向かってEMLSモードで磁場を形成し、ノズル20の他方の側に配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにはEMLAモードで磁場を形成する。
このために、第1の磁場発生部510aの第1〜第5のコイル512aにはU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加し、第3の磁場発生部510cの第1〜第5のコイル512cにU相、W相、U相、W相、U相の順に電流を印加し、第2の磁場発生部510bの第1〜第5のコイル512bにはW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加し、第4の磁場発生部510dの第1〜第5のコイル512dにはW相、U相、W相、U相、W相の順に電流を印加する。
また、溶鋼を回転させてもよいが、このためには、ノズル20を中心として両側に配設された第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bの磁場の移動方向を異ならせ、第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dの磁場の移動方向を異ならせて、相互に対向する第1の磁場発生部510a及び第3の磁場発生部510cの磁場の移動方向を互いに異ならせ、第2の磁場発生部510b及び第4の磁場発生部510dの磁場の移動方向を互いに異ならせる。例えば、第1の磁場発生部510aにはEMLSモード、第2の磁場発生部510bにはEMLAモード、第3の磁場発生部510cにはEMLAモード、第4の磁場発生部510dにはEMLSモードで印加すると、磁場が図34に示すように回転して溶鋼が回転流動する。
上述した図31〜図34に基づいて説明した第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dの磁場の印加方法、並びにこれによる溶鋼の減速、加速及び回転状態は、図1に基づいて説明した第1の実施形態に係る湯面流動制御装置の第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、510dにおいても同様に適用されて湯面を制御することができる。
一方、第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプの場合、正常流動パターンであり、検出された湯面の流動タイプが第1の流動パターンタイプ及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方である場合、現在の状態の流動条件、即ち、第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dの電流の印加方法又は磁場移動モードを維持する。
第3〜第10の流動パターンタイプのような非正常パターンを、第1及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方の正常パターンに調節するためには、磁場の移動方向を制御したり、磁場を加速させたり、減速又は回転させたりしなければならない。また、磁場の移動方向、加速、減速又は回転などは、第3〜第10の流動パターンタイプに応じて異なるように調節される。
磁場を湯面の中心、即ち、ノズル20の位置から湯面の両端、即ち、短辺に向かって移動させると、ノズル20の両側の吐出口から吐出される溶鋼の流れと同じ方向に磁場が移動して加速力が発生する。逆に、磁場を短辺12a、12bからノズル20に向わせると、磁場の移動方向及びノズル20から吐き出された溶鋼の流れが反対となって減速力が発生する。また、湯面の中心、即ち、ノズル20を中心として磁場を回転させると、湯面に回転力が発生する。上述した磁場の移動方向及び回転移動は、第1〜第4の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dに印加される電流の位相の変化に基づいて調節され、減速力、加速力及び回転力は、印加される電流密度の大きさによる磁場の密度に応じて異なる。
以下においては、検出された湯面の流動形態がそれぞれの非正常流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類されたとき、前記検出された湯面の流動形態を第1及び第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方の正常流動パターンにする方法についてより具体的に説明する。
第3及び第4の流動パターンタイプは、偏流パターンタイプであり、ノズル20の両側の吐出口の閉塞により発生し、ノズル20を中心として一方及び他方のうちのどちらか一方の領域において偏流が発生するパターンである。このとき、第3の流動パターンタイプは、第4の流動パターンに比べて相対的に強い偏流が発生する場合であり、第4の流動パターンタイプは、第3の流動パターンタイプに比べて相対的に弱い偏流が発生する場合である。
検出された湯面の流動パターンが第3及び第4の流動パターンタイプに分類された場合、両方向において溶鋼の流動を減少(減速)させるように磁場を形成する。即ち、図29に示す第2の流動制御タイプのように、第1の短辺12aからノズル20に向かって溶鋼が移動するように第1の磁場発生部510a及び第3の磁場発生部510cにEMLSモードで磁場を形成し、第2の短辺12bからノズル20に向かって溶鋼が移動するように第2の磁場発生部510b及び第4の磁場発生部510dにEMLSモードで磁場を形成する。
このとき、上述したように、第3及び第4の流動パターンタイプは、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cが第3の基準値に比べて大きいが、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cが互いに異なる。即ち、第1の温度偏差ΔTE1−Cに比べて第2の温度偏差ΔTE2−Cが大きいか、又は第2の温度偏差ΔTE2−Cに比べて第1の温度偏差ΔTE1−Cが大きい。
このため、温度偏差が更に大きい側に配設された磁場発生部における電流密度を更に大きくして、減速力を相対的に大きくする。例えば、第1の温度偏差ΔTE1−Cに比べて第2の温度偏差ΔTE2−Cの方が大きい場合、第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流密度に比べて第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流密度を大きくする。
他の例によれば、検出された流動パターンの形態が第8の流動パターンタイプに分類された場合、第5の流動制御タイプのように、ノズル20の両方向において溶鋼の流動を減少(減速)させるように磁場を形成するが、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cが等しいか、又は±誤差範囲内において略等しいため、ノズル20の両側における減速力が等しく又は略等しくなるようにする。
即ち、第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれにEMLSモードで電流が印加され、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにEMLSモードで電流が印加されるが、第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれに印加される電流密度並びに第2及び第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電流が等しく又は略等しくなるようにする。
また、検出された流動パターンの形態が、ノズル20の一方の領域及び他方の領域のそれぞれにおいて互いに異なる流動が発生し、どちらか一方の周縁温度(TE1又はTE2のうちのどちらか一方)は中心温度Tに比べて低く、他方の周縁温度(TE1及びTE2のうちの残りの一方)は中心温度Tに比べて高いため、第5及び第6の流動パターンタイプに分類された場合、図29の第3の流動制御タイプのように、周縁温度が中心温度に比べて低い領域においては、溶鋼の流動を加速させ、逆に、周縁温度TE1及びTE2のうちのどちらか一方が中心温度Tに比べて高い領域においては、溶鋼流動を減速させる。
例えば、第1の周縁温度TE1が中心温度Tに比べて低く、第2の周縁温度TE2が中心温度に比べて高い場合、ノズル20の一方の側(即ち、左側)に配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cにはEMLAモードで、またノズル20の他方の側(即ち、右側)に配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dにはEMLSモードで磁場を発生させる。これにより、溶鋼がノズル20から第1の短辺12aに向かって移動し、第2の短辺12bからノズル20に向かって移動して、ノズル20の一方の側(即ち、左側)領域においては、溶鋼の流速が加速され、ノズル20の他方の側(即ち、右側)の領域においては、溶鋼の流速が減速される。
このとき、第5及び第6の流動パターンタイプは、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cが第3の基準値Tに比べて大きいが、第5の流動パターンタイプの第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうち相対的に大きい温度偏差は、第6の流動パターンタイプの第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうち相対的に大きい温度偏差に比べて大きい。例えば、第5の流動パターンタイプの第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE1−Cのうち第2の温度偏差が大きく、第6の流動パターンタイプの第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうち第2の温度偏差ΔTE2−Cが大きいが、第5の流動パターンタイプの第2の温度偏差ΔTE2−Cが第6の流動パターンタイプの第2の温度偏差ΔTE2−Cに比べて大きい。
このため、検出された流動パターンの形態が第5の流動パターンタイプに分類されたとき、第2及び第4の磁場発生部510dに印加される電流密度が、検出された流動パターンの形態が第6の流動パターンタイプに分類されるとき、第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流密度に比べて大きくなるようにする。このため、検出された流動パターンの形態が第5の流動パターンタイプに分類されるとき、第2の短辺12bからノズル20に向かって溶鋼が移動して流速が増加する減速力が、検出された流動パターンの形態が第6の流動パターンタイプに分類されるとき、第2の短辺12bからノズル20に向かって溶鋼が移動して流速が増加する減速力に比べて大きくなるように調節される。
更に、検出された流動パターンの形態が第7の流動パターンタイプに分類された場合、図29の第4の流動制御タイプのように、ノズル20の両方向において溶鋼に加速力を与えるが、第7の流動パターンタイプは、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cが等しいか、又は±誤差範囲内において略等しいため、ノズル20の両側における加速力が等しく又は略等しくなるようにする。即ち、第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれにEMLAモードが印加され、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにもEMLAモードが印加されるが、第1及び第3の磁場発生部510a、510cのそれぞれに印加される電流密度及び第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれに印加される電流が等しく又は略等しくなるようにする。
更にまた、検出された流動パターンの形態が第9の流動パターンタイプである場合、図29の第6の流動制御タイプのように、回転させて湯面を活性化させる。例えば、第1の磁場発生部510aにはEMLSモード、第2の磁場発生部510bにはEMLAモード、第3の磁場発生部510cにはEMLAモード、第4の磁場発生部510dにはEMLSモードで印加すると、磁場が図34に示すように回転して溶鋼が回転流動する。
加えて、検出された流動パターンの形態が第10の流動パターンタイプである場合、ノズル20から両方向のそれぞれにEMLAモードで磁場を形成して、両方向において溶鋼の流速を加速させる。このとき、第1の温度偏差ΔTE1−C及び第2の温度偏差ΔTE2−Cのうち大きい値を有する側への加速力が相対的に大きくなるようにする。
以下においては、図16〜図37に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御方法について説明する。
図35に示すように、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御方法は、鋳型内に装入された溶鋼の湯面の流動形態をリアルタイムで検出する過程(S100)、検出された湯面の流動形態を前もって設定又は前もって保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つのタイプに分類又は決定する過程(S200)、分類された流動パターンタイプが正常流動パターンであるか、非正常流動パターンであるかを判断する過程(S300)、分類された流動パターンタイプが正常流動パターンである場合、現在の流動パターンを維持しながら再びリアルタイムで湯面の流動形態を検出し、分類された流動パターンタイプが非正常流動パターンである場合、分類された流動パターンタイプに基づいて他の方法を用いて湯面の流動を調節して、湯面の流動を正常状態の流動形態に調節する過程(S400)を含む。
本発明の実施形態においては、鋳型10の長辺11a、11b方向の温度を測定し、温度差を用いて溶鋼の湯面の流動形態を検出する。実施形態に係る溶鋼の湯面の流動形態検出過程(S100)は、図36に示すように、鋳型10の幅方向に並ぶように互いに離れて配設された複数の測温器100を用いて温度を測定する過程(S110)と、複数の測温器100を用いて測定した各位置に基づく温度測定値を相対的に比較して、湯面の流動パターンを検出する過程(S120)と、検出された湯面の流動パターンを表示部600に可視化又はディスプレイ化させる過程(S130)と、を含む。
湯面の流動形態を検出する過程及び方法についてより具体的に説明すると、以下の通りである。鋳型10の一対の長辺11a、11b及び一対の短辺12a、12bにそれぞれ配設された複数の測温器100を用いて温度を測定する。複数の測温器100を用いて測定した温度値は、測定時点における湯面の流動状態に応じて異なる。即ち、鋳型10内の溶鋼の流動状態に応じて異なるが、相対的に湯面の高さが高い位置において測定された温度値が他の位置における温度値に比べて高い。これは、溶鋼の湯面の高さと測温器100との間隔が近いほど、測温器100において測定される温度が高く、溶鋼の湯面の高さと測温器100との間隔が遠いほど、測温器100において測定される温度が低いためである。
複数の測温器100により温度が測定されると、湯面流動検出ユニット200においては、湯面の幅方向の位置別の温度値を相対的に示して、前記溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出する。また、それぞれにおける位置に基づく温度値をグラフ化させると、図21に示すように二次元的に、又は図22に示すように三次元的に可視化させて表示部600にディスプレイすることができる。
現在の鋳造操業状態における湯面の流動形態が検出されると、流動パターン分類ユニット300は、前記検出された湯面の流動形態を前もって保存又は前もって設定された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する。これは、検出された湯面の流動パターンの湯面の温度偏差ΔTH−L、第1及び第2の周縁温度TE1、TE2、中心温度T、第1及び第2の温度偏差ΔTE1−C、ΔTE2−Cに基づいて、図24に示す第1〜第10のタイプのうちの何れか一つに分類する。
図37に示すように、検出された湯面の流動形態を、前もって設定又は前もって保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つのタイプに分類又は決定する過程(S200)は、様々な湯面の流動パターンの温度値をデータ化させて、複数の流動パターンタイプと、各流動パターンタイプに基づく温度データとを流動パターンタイプ保存部410に保存又は 設定する過程(S121)、検出された湯面の流動形態の温度データを分析する過程(S122)、複数の流動パターンタイプのうち検出された湯面の流動形態の温度データと対応する流動パターンタイプを選択して分類する過程(S123)を含む。
検出された湯面の流動形態を前もって設定又は前もって保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つのタイプに分類又は決定する過程についてより具体的に説明すると、第1の長辺11a方向に沿って配設された複数の測温器100において測定された複数の温度値を分析し、ここでの湯面の温度偏差ΔTH−L及び長辺方向に沿って配設された複数の測温器100において測定された複数の温度値を分析し、ここでの湯面の温度偏差ΔTH−Lを比較したとき、第1の長辺に沿って測定された大きい湯面の温度偏差ΔTH−Lと、第2の長辺に沿って測定された大きい湯面の温度偏差ΔTH−Lのうち、相対的に大きい湯面の温度偏差ΔTH−Lを有する長辺における温度データを用いて、流動パターンタイプに分類する。
次いで、流動制御ユニット400においては、分類された湯面の流動形態が正常流動パターンである第1の流動パターンタイプ又は第2の流動パターンタイプのうちのどちらか一方である場合、現在の流動状態を維持する。即ち、図29の第1の流動制御タイプのように、磁場が第1及び第2の短辺のそれぞれからノズルに向かって磁場が移動する状態を維持する。なお、ノズル20を中心として一方の側に配設された第1又は第3の磁場発生部510a、510cと、他方の側に配設された第2及び第4の磁場発生ユニット510b、510dに印加される電流を等しくして、磁場の大きさが等しくなるように維持する。
これに対し、流動制御ユニット400においては、分類された湯面の流動パターンが非正常パターンである第3〜第10の流動パターンタイプのうちの何れか一つである場合、第2〜第7の流動制御タイプのうちの何れか一つの方法を用いて制御して、正常流動パターンとなるようにする。
例えば、湯面が第1の流動パターンタイプのように正常流動パターンに維持されていて、ノズル20の吐出口の閉塞が発生して第3の流動パターンタイプのような偏流パターンが発生すると、ノズル20を中心として一方及び他方のうち、例えば、他方の方向に強い偏流が発生し、一方の方向に弱い流動が発生する。このとき、図29の第2の流動制御タイプのように、第1及び第3の磁場発生部510a、510cと、第2及び第4の磁場発生部510b、510dのそれぞれにEMLSモードの磁場を形成する。
このとき、相対的に強い偏流が発生したノズル20の他方の側に対応するように配設された第2及び第4の磁場発生部510b、510dに印加される電流を高めて、調節される前に比べて減速力を更に増加させることにより強い流動を低め、相対的に弱い流動が発生したノズル20の一方の側に対応するように配設された第1及び第3の磁場発生部510a、510cに印加される電流を低めて、調節される前に比べて減速力を減少させることにより、流動を増加させる。
他の例によれば、第1の流動パターンタイプのように正常流動パターンに維持されていて、ノズル20のアルゴンガス量が増えたり、外気が混入したりすると、ノズル20に向かって上昇する溶鋼の流れが増えて、湯面の流動パターンが第7の流動パターンタイプとなる。このようにして検出された湯面の流動パターンが第7の流動パターンタイプに分類された場合、第4の流動制御パターンのように、ノズル20の両方向のそれぞれにEMLAモードで磁場を形成して、溶鋼の流速を加速させる。即ち、第1及び第3の磁場発生部510a、510cにおいて、磁場がノズル20から第1の短辺12bに向かって移動するようにして溶鋼を加速させ、磁場が第2及び第4の磁場発生部510b、510dから第2の短辺12aに向かって移動するようにして溶鋼を加速させる。
更に他の例によれば、第1の流動パターンタイプのように正常流動パターンに維持されていて、ノズル20の溶損により吐出口が大きくなって、流動の強さが弱くなると、検出された又は分類された流動パターンが第9の流動パターンタイプのようになる。このとき、溶鋼の湯面に対してノズル20を中心として回転するように電磁気回転力を与えて、湯面の流動を活性化させる。
即ち、ノズル20を中心として両側に配設された第1の磁場発生部510a及び第2の磁場発生部510bへの磁場の移動方向を異ならせ、第3の磁場発生部510c及び第4の磁場発生部510dへの磁場の移動方向を異ならせて、相対向する第1の磁場発生部510a及び第3の磁場発生部510cの磁場の移動方向を互いに異ならせ、第2の磁場発生部510b及び第4の磁場発生部510dの磁場の移動方向を異ならせて、溶鋼を回転させる。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、鋳型10の上側に複数の測温器100を配設して湯面の幅方向の位置別の温度を検出し、これを相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して湯面の流動形態を検出する。また、検出された湯面の流動形態を、前もって保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類し、分類された流動パターンタイプに基づいて鋳型内の磁場を制御することにより、操業中の溶鋼の流動を、鋳片の欠陥の発生可能性が低い、又は鋳片の欠陥の発生可能性がない正常流動パターンとなるように制御することができる。このため、リアルタイムで溶鋼の湯面を可視化させることができ、且つ、非正常流動パターンであると判断された場合に、溶鋼の流動をリアルタイムで制御することができ、流動による欠陥の発生を防ぐことができて、鋳片の品質を向上させることができる。
上述した第1及び第2の実施形態に係る湯面流動制御装置においては、複数の測温器100が等間隔に配置されることについて説明した。しかしながら、複数の測温器100間の離隔距離は等間隔であることに何等限定されるものではなく,鋳型の長辺11a、11bの延長方向において、その領域別に間隔を異ならせてもよい。即ち、ノズル20の直近部に配置される領域(中央部)における複数の測温器100間の間隔を、前記中央部を除く領域における複数の測温器間の間隔に比べて大きくなるようにする。これは、鋳片の幅を問わずに湯面の流動形態を可視化可能なようにするためである。
以下、図38〜図45に基づいて、本発明の第1及び第2の実施形態の変形例に係る湯面流動制御装置について説明する。このとき、第1及び第2の実施形態において説明した内容と重複する内容についての説明は省略又は簡略化する。
図38は、変形例に係る湯面可視化装置が配設された鋳型を示す斜視図であり、図39及び図40は、鋳型に形成される固定幅領域及び可変幅領域を説明するための図であり、図41は、図38に示す測温器の配置形態を説明するための正面図である。また、図42〜図44は、本発明の変形例に係る測温器の配置形態を説明するための図であり、図45は、図38に示す測温器の配置形態を説明するための平面図である。
図38〜図41に示すように、本発明の第2の実施形態に係る湯面流動制御装置は、鋳型10の固定幅領域Fに配置された複数の第1の測温器110間の離隔距離が、固定幅領域Fの外側に位置する可変幅領域Cに配置された第2の測温器130間の離隔距離よりも広い複数の測温器100、複数の第1の測温器110、及び複数の第2の測温器130により測定された温度を用いて、溶鋼の湯面の流動を検出する湯面流動検出ユニット200、鋳型10の外側に配設されて鋳型10内の溶鋼を流動させるための磁場を形成する磁場発生ユニット(図1及び図16参照)、及び湯面流動検出ユニット200において検出された湯面状態に基づいて、磁場発生ユニット500の動作を制御して、湯面の流動を調節することにより、溶鋼の湯面が正常流動パターンの形態となるように制御する流動制御ユニット400を備える。
また、流動制御ユニット400は、第2の実施形態のように、検出された湯面の流動形態を、前もって保存又は前もって設定された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する流動パターン分類ユニット300を更に備え、分類された流動パターンタイプに基づいて、磁場発生ユニット500の動作を制御して湯面の流動を調節することにより、溶鋼の湯面が正常流動パターンの形態となるように制御するように構成されてもよい。
ここで、図38においては、第1の測温器及び第2の測温器を示すために、複数の磁場発生部510a、510b、510c、及び510dにより構成された磁場発生ユニット500を図示しなかったが、第1及び第2の実施形態において説明した磁場発生ユニットが、変形例に係る湯面流動制御装置においても同様に適用されて構成される。
以後の説明において、長辺11a、11bの幅方向は、水平方向又は鋳片の幅方向を意味し、長辺11a、11bの長手方向は、上下方向又は鋳片の引抜方向を意味する。なお、長辺11a、11bの厚さ方向は、外部に露出される外部面から溶鋼と接触する内部面への方向、即ち、外側から内側への方向を意味する。
鋳型10の固定幅領域Fは、鋳型10が形成する鋳造幅のうち、幅の変動がない固定領域であり、詳しくは、鋳造幅の最大幅WMaxを基準としてノズルNの直近部に配置される領域(中央部)を含み、最大幅WMaxを100としたとき、最大幅の中心から両端部に向かってそれぞれ約10〜15の幅を含む領域を意味する。また、鋳型10の可変幅領域Cは、鋳型10が形成する鋳造幅のうち幅の変動が発生する可変領域であり、詳しくは、鋳造幅の最大幅WMaxのうちノズルNの直近部に配置される領域(中央部)を含んでおらず、固定幅領域Fを除く残りの領域を意味する。
このように、鋳造幅は、固定幅領域F及び可変幅領域Cに分けられ、可変幅領域Cが形成される大きさに応じて鋳造幅が決定される。このとき、可変幅領域Cにより変動される鋳造幅に合わせて、溶鋼の温度を容易に測定するために、本発明の実施形態による測温器の配置形態が提供される。
複数の測温器100は、長辺11a、11bの片面に、複数の列X、Y、及び複数の行Z〜Znを形成するように配置されてもよい。ここで、複数の例X、Yは、長辺11a、11bの幅方向に形成されるものを意味し、複数の行Z〜Znは、長辺11a、11bの長手方向に形成されるものを意味する。長辺11a、11bの長手方向に形成されるそれぞれの行Z〜Znにおいて、測温器110x、110yは一直線の上に配置されてもよい。
ここで、複数の測温器100は、列X、Y及び行Z〜Znを区別せず、鋳型10の固定幅領域Fに配置される第1の測温器110と、鋳型10の可変幅領域Cに配置される第2の測温器130と、に分けられる。これにより、長辺11a、11bの幅方向に特定の位置における複数の温度値を測定することができる。
以下においては、長辺11a、11bにおける溶鋼の湯面と隣り合う高さに形成される測温器100X列を第1の列Xとし、その上部に形成される測温器100Yの列は第2の列Yとする。ここでは、測温器が2列に形成されると説明したが、それ以上の数の列に形成可能であるということはいうまでもない。
第1の列Xを形成する測温器100xは、長辺11a、11bの外部面、例えば、前面においていずれも同じ高さに形成されてもよい。例えば、溶鋼の湯面H0から50mmの上部から50mmの下部までの範囲内において同じ高さに形成されてもよい。測温器100xの配置位置が溶鋼の湯面に近いほど、温度の測定結果が正確になるため、提示された範囲内においても溶鋼の湯面から5mmの上部から5mmの下部までの範囲内において配置することが好ましい。
また、第1の列Xを形成する測温器は、溶鋼と接触する長辺11a、11bの内部面から35mm以内Pに配設されてもよい。より好ましくは、溶鋼と接触する長辺11a、11bの内部面から12mm以内に配設されてもよい。換言すると、第1の列Xを形成する測温器100xは、より正確な温度の測定のために、溶鋼と隣り合うように形成されることが好ましい。
第2の列Yは、第1の列Xの上側に所定の距離Hだけ離れるように形成され、例えば、約5〜15mmほど離れるように形成されてもよい。また、第2の列Yを形成する測温器100yは、長辺11a、11bの前面から同じ高さに形成されてもよい。例えば、溶鋼の湯面から50mmの上部から50mmの下部までの範囲内において同じ高さに形成されてもよい。
前記第1の列X及び第2の列Yを形成する複数の測温器100は、溶鋼の湯面Hから50mmの上部から50mmの下部までの範囲H内に形成されることが好ましい。また、第1の列X及び第2の列Yを形成する複数の測温器100は、溶鋼と接触する長辺11a、11bの内部面から所定の距離P、例えば、60〜70mm内に形成することが好ましい。これは、測温器100が溶鋼から遠ざかるにつれて、その測定結果の正確度が低くなるためである。
一方、固定幅領域Fに配置される第1の測温器110間の離隔距離R(以下、第1の離隔距離)は、可変幅領域Cに配置される第2の測温器130間の離隔距離R(以下、第2の離隔距離)よりも大きい値を有する。即ち、図41に示すように、第1の測温器110は、それぞれ第1の離隔距離Rだけ互いに離れて配置され、第2の測温器130は、それぞれ第1の離隔距離Rよりも小さい第2の離隔距離Rだけ互いに離れて配置される。これにより、第1の測温器110に対して第2の測温器130が更に稠密に鋳型10に配設されることが分かる。
このとき、第1の離隔距離R及び第2の離隔距離Rは、それぞれ固定値を有していてもよく、第1の離隔距離Rよりも小さい第2の離隔距離Rをもって第2の測温器130が配置されることにより、短辺12a、12bを移動させながら鋳造幅を変動させるときに、調節される幅を問わずに溶鋼の温度を精度よく測定することができる。
ここで、固定幅領域Fに配置される、隣り合う第1の測温器110間の第1の離隔距離Rは、55〜300mmの値を有していてもよい。これは、第1の離隔距離Rが300mmを超える値を有すると、固定幅領域Fにおいて溶鋼の温度測定値を精度よく得ることが容易ではなく、55mm未満の値を有すると、温度は精度よく測定することはできるとはいえ、設置にかかるコストが高騰してしまうという不具合が発生する。即ち、第1の測温器110は、鋳造幅に変動が発生しない固定幅領域Fの溶鋼の温度を測定し、従って、第1の測温器110は、常に鋳型10を間に挟んで溶鋼の温度が測定可能な手段であるため、第1の測温器110は、55〜300mmの距離だけ離れていてもよい。
また、可変幅領域Cに配置される隣り合う第2の測温器130間の第2の離隔距離Rは、10〜50mmの値を有していてもよい。これは、第2の離隔距離R2が50mmを超える値を有すると、鋳造幅の変更に対応し難いため、可変幅領域Cにおける溶鋼の温度測定値を精度よく得ることが容易ではない。即ち、隣り合う第2の測温器130間の離隔距離が50mmを超えると、第2の測温器130の間に短辺12a、12bが配置されて鋳造幅を形成した場合、第2の測温器130から短辺12a、12bまでの領域の温度を測定することができないため溶鋼の温度を精度よく測定することができない。なお、第2の離隔距離Rは、10〜20mmの値を有し、第2の測温器130を配置することにより、溶鋼の温度を更に精度よく測定することができる。
このように、第1の列X及び第2の列Y間の間隔と、それぞれの列における測温器の深さを数値的に限定する理由は、溶鋼の温度を精度よく測定して溶鋼の湯面を更に正確に可視化させるためである。
一方、図42〜図44に示すように、複数の測温器100は、長辺11a、11bの幅方向への中心から外郭に向かって進むにつれて複数の測温器100間の離隔距離が減少するように配置されてもよい。即ち、図42に示すように、長辺11a、11bの幅方向への中心線Lから外郭に向かって進むにつれて、複数の測温器100間の離隔距離のそれぞれは、r、r、r、r、及びrの順に小さい値を有していてもよい。
これは、固定幅領域F及び可変幅領域Cにおける離隔距離値が固定された値を有するわけではないことを意味し、このように複数の測温器100が配置された場合、ノズルNの直近部の中央部から外郭に向かって進むにつれて複数の測温器100が稠密に配置されてもよい。このため、鋳造幅のうち中央部からの外郭側の外郭部の温度を精度よく測定することができる。
また、複数の測温器100は、長辺11a、11bの幅方向への中心から外郭に向かって進むにつれて固定幅領域Fの第1の測温器110間の離隔距離が次第に減少するように配置されてもよい。即ち、図43に示すように、固定幅領域Fの第1の測温器110間の離隔距離はr、rの順に減少し、可変幅領域Cの第2の測温器130間の離隔距離は、上述した実施形態における第2の測温器間の離隔距離と同じ離隔距離を有するように配置されてもよい。このように、固定幅領域Fの第1の測温器110間の離隔距離を中央部から外郭に向かって進むにつれて次第に減少させることにより、固定幅領域Fにおける溶鋼の温度測定値の誤差を減少させることができる。
更に、複数の測温器100は、長辺11a、11bの幅方向への中心から外郭に向かって進むにつれて可変幅領域Cの第2の測温器130間の離隔距離が次第に減少するように配置されてもよい。即ち、図44に示すように、可変幅領域Cの第2の測温器130間の離隔距離はr、r、r、rの順に減少し、固定幅領域Fの第1の測温器110間の離隔距離は、上述した実施形態における第1の測温器110間の離隔距離と同じ離隔距離Rを有するように配置されてもよい。このように、可変幅領域Cの第2の測温器130間の離隔距離を中央部から外郭に向かって進むにつれて次第に減少させることにより、鋳造幅を問わずに溶鋼の温度を容易に測定することができ、溶鋼の温度を更に精度よく測定することができる。
上述した変形例に係る複数の測温器100の配置を通じて、鋳型10に形成される鋳造幅の幅値を問わずに、鋳型10内の溶鋼の温度を精度よく測定することができる。即ち、図45に示すように、短辺12a、12bの動きにより溶鋼と接触する短辺12a、12bがLからL、L、L、及びLまで内測に移動作せながら鋳造幅を変化させても、鋳造幅が変動する可変幅領域Cにおける溶鋼の温度を測定する測温器130は、固定幅領域Fに配置される測温器110よりも稠密に配置されているため、溶鋼の温度を精度よく測定することが可能である。これによって、可変幅領域Cにおける溶鋼の温度を測定する測温器130は、鋳造幅を問わずに溶鋼の温度を測定することができて、測定される溶鋼の温度の誤差が発生することを大幅に低減することができる。
このような構成を通じて鋳型に複数の測温器が配設されると、これを用いて、各位置において溶鋼の温度を測定し、測定結果を用いて、溶鋼の湯面を可視化することができる。
以下においては、変形例に係る複数の測温器100の配置による、湯面の流動の検出又は湯面の流動の可視化方法について説明する。
まず、鋳型の幅方向に沿って複数の列及び複数の行を形成するように並設され、鋳造幅を基準として固定幅領域Fよりも可変幅領域Cにおける離隔距離の方が小さい値を有するように配置された複数の測温器100を用いて、溶鋼の温度を測定する。このとき、複数の測温器は鋳型の幅方向に列を形成するため、鋳型の幅方向における溶鋼の温度を測定することができるとともに、鋳型の長手方向に行を形成して鋳型の長手方向における溶鋼の温度を測定することができる。
このように、複数の測温器により溶鋼の温度が測定されると、制御部においては、各測温器において測定された温度を用いて、溶鋼の湯面を可視化可能なようにデータを作成することができる。このとき、各行において測定された温度、即ち、各行に配置される複数の測温器において測定された温度値を演算して、各行における平均温度値を算出することができる。各行における平均温度値が算出されると、鋳型の幅方向に沿って各行ごとに一つの温度値、即ち、平均温度値を有することができる。
このように、複数の列及び複数の行を形成する測温器を用いて同じ湯面の高さ及び同じ鋳造幅の個所において一つ以上の温度値を測定し、これを平均温度値に換算すると、湯面の形状をより精度よく可視化することができる。
また、長辺11a、11bの厚さ方向への温度値を用いて、熱流量(heat flux)を測定することができて、幅方向への熱流量分布を用いて初期の不均一凝固の度合いを確認することができる。
更に、長辺11a、11bの幅方向に仕切られた領域における鋳型10の、中央部から外郭に向かって進むにつれて測温器の離隔距離が減少するように測温器を配設することにより、鋳造幅を問わずに溶鋼の温度を精度よく測定することができ、鋳造幅を問わずに湯面の形状を安定的に可視化させることができる。溶鋼の湯面を可視化させる過程は、各行別の平均温度値を相対的に示して、溶鋼の湯面の位置別の相対的な高さに変換して、例えば、図22に示すように三次元(3D)的に可視化させることができる。これは、作業者が確認可能なように表示部(図示せず)に表示してもよい。
このように、溶鋼の湯面を可視化した後に溶鋼の湯面の流動パターンを把握し、流動制御ユニットを用いて鋳片の欠陥が防止可能なパターンに溶鋼の流動を調節してもよい。
このように、本発明においては、リアルタイムで溶鋼の湯面を可視化させることができるので、溶鋼の湯面の形状を用いて溶鋼の流動パターンを把握し、溶鋼の流動をリアルタイムで制御することができる。これによって、溶湯の流動による欠陥の発生を防ぐことができて、鋳片の品質を向上させることができる。
以上において、第1及び第2の実施形態、及び変形例に分けて、湯面流動制御装置及び制御方法について説明した。しかしながら、本発明はこれに何等限定されるものではなく、第1第2の実施形態、及び変形例が有機的に互いに適用されて湯面流動制御装置を構成し、湯面の流動を制御してもよい。即ち、第1の実施形態に第2の実施形態又は変形例のうちの少なくともどちらか一方を適用したり、第2の実施形態に第1の実施形態又は変形例のうちの少なくともどちらか一方を適用したり、変形例に第1又は第2の実施形態のうちの少なくともどちらか一方を適用したりして湯面流動制御装置を構成し、それにより湯面の流動を制御してもよい。
以上、本発明について上述した実施形態及び添付図面を基づいて説明したが、本発明はこれらによって何等限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲により限定される。よって、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲の技術的な思想を逸脱しない範囲内において、本発明が種々に変形及び修正可能であるということが理解できる筈である。
本発明の実施形態に係る湯面流動制御装置、及びこれを用いた湯面流動制御方法は、鋳型内の溶鋼の湯面の流動を可視化し、これを用いて、湯面の流動を制御することができる。より具体的には、湯面の流動の正常状態又は非正常状態に対するモニターリングを容易に行うことができて、湯面の流動に対する欠陥の発生を低減することができる。なお、鋳型内の溶鋼の湯面の流動パターンの形態に基づいて前記湯面流動制御方法を調節して、湯面の流動による鋳片の欠陥の発生を低減することができ、鋳片幅を問わずに湯面の形状を可視化することができるという効果がある。

前湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態を分析して、前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する流動パターン分類ユニットを備え、前記流動制御ユニットは、前記流動パターン分類ユニットに保存されている複数の流動パターンタイプに基づく複数の流動制御タイプが保存されており、前記複数の流動制御タイプのうち前記分類された流動パターンタイプに基づく一つの流動制御タイプを選択して、前記磁場発生ユニットの駆動を制御し、前記流動パターン分類ユニットは、前記複数の流動パターンタイプが保存されている流動パターンタイプ保存部と、前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態の温度データ及び前記前以て保存された複数の流動パターンタイプの温度データを対比して、前記検出された湯面の流動形態を前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類するパターン分類部と、を備え、前記流動パターンタイプ保存部に保存されている複数の流動パターンタイプは、前記湯面の位置別の温度及び前記湯面の温度分布に基づいてそれぞれ異なる種類の流動パターンタイプに分類されており、前記複数の流動パターンタイプは、湯面の流動による欠陥の発生可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動による欠陥の発生可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含む。
検出された湯面の流動形態を、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程は、鋳造過程において発生し得る複数の流動パターンタイプを分類して保存する過程と、前以て保存された前記複数の流動パターンタイプと、検出された湯面の流動形態と、を対比する過程と、前記検出された湯面の流動形態の温度データを、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程と、を含み、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプは、湯面の流動により欠陥が発生する可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動により欠陥が発生する可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含む。

Claims (65)

  1. 内部に溶鋼が収容された鋳型の幅方向の温度を複数の位置において測定する複数の測温器と、
    前記複数の測温器において測定された位置別の相対的な温度値を、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出し、前記複数の測温器において測定された温度値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する湯面流動検出ユニットと、
    前記鋳型の外側に配設されて、磁場を発生させて、前記磁場により前記溶鋼の流動を制御する磁場発生ユニットと、
    前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動状態が、正常であると判断される場合、前記磁場発生ユニットの動作を現在の状態に維持し、前記検出された湯面の流動状態が、非正常であると判断される場合、前記磁場発生ユニットの動作を制御して湯面の流動が正常となるように調節する流動制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする湯面流動制御装置。
  2. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器において測定された温度測定値を前記溶鋼の湯面の位置別の温度値として相対的に示して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出することを特徴とする請求項1に記載の湯面流動制御装置。
  3. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器のそれぞれの温度間の温度差を算出し、
    算出された複数の温度差のそれぞれが、基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  4. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器のそれぞれに対して他の残りの測温器との温度差を算出し、
    前記基準温度範囲と比較して、前記湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項3に記載の湯面流動制御装置。
  5. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値の全てが基準温度範囲に収まるときに湯面の流動を正常状態と判断し、
    前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値のうちの少なくとも何れか一つの差分値が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項4に記載の湯面流動制御装置。
  6. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器のうち前記両端に配設された測温器間の温度差を算出し、
    算出された両端に配設された測温器間の温度差のそれぞれが、基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  7. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器のうち中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差を算出し、
    前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較し、また前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  8. 前記湯面検出ユニットは、
    前記中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項7に記載の湯面流動制御装置。
  9. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記複数の測温器の温度に対する平均温度を算出し、
    前記複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差、及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を算出し、
    前記一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  10. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項9に記載の湯面流動制御装置。
  11. 前記湯面流動検出ユニットは、
    鋳片の鋳造中に、鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器のうち中心に配設された測温器、並びに一方及び他方の端に配設された測温器の温度をリアルタイムで測定し、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出し、
    前記算出された時系列的な平均温度、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器との温度差をそれぞれ算出し、
    算出された前記時系列的な平均温度、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  12. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記鋳型に溶鋼を吐き出す鋳造の初期から前記中心に配設された測温器の温度を測定して時系列的な平均温度をリアルタイムで算出し、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を所定の時点まで算出した後に、前記一方及び他方の端に配設された測温器のそれぞれの温度を用いて、溶鋼の湯面の流動状態を判断することを特徴とする請求項11に記載の湯面流動制御装置。
  13. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする湯面流動制御装置。
  14. 前記湯面流動検出ユニットは、
    鋳片の鋳造中に、鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、他方の端に配設された測温器と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、の温度を測定し、
    前記一方の端に配設された測温器の温度と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度と、の温度差値である第1の温度差を算出し、
    前記他方の端に配設された測温器の温度と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度と、の温度差値である第2の温度差を算出し、
    前記第1の温度差及び第2の温度差のそれぞれを基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  15. 前記湯面流動検出ユニットは、
    前記第1の温度差及び第2の温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記第1の温度差及び第2の温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項14に記載の湯面流動制御装置。
  16. 前記流動制御ユニットは、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器の位置を確認し、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器と対応するように配設される磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場の移動方向、強さ及び移動速度のうちの少なくとも何れか一つを調節することを特徴とする請求項3乃至請求項15のうちの何れか一項に記載の湯面流動制御装置。
  17. 前記流動制御ユニットは、
    前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分を検出し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかを確認し、
    前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分に基づいて、前記磁場発生ユニットに印加される電流の大きさを調節し、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかに基づいて、前記鋳型に配設されたノズルからの溶鋼の吐出方向と同一若しくは反対の方向に前記磁場発生ユニットに磁場を移動させることを特徴とする請求項16に記載の湯面流動制御装置。
  18. 前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態を分析して、前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する流動パターン分類ユニットを備え、
    前記湯面流動制御ユニットには、前記流動パターン分類ユニットに保存されている複数の流動パターンタイプに基づく複数の流動制御タイプが保存されており、前記複数の流動制御タイプのうち、分類された前記流動パターンタイプに基づく一つの流動制御タイプを選択して、前記磁場発生ユニットの駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の湯面流動制御装置。
  19. 前記流動パターン分類ユニットは、
    前記複数の流動パターンタイプが保存されている流動パターンタイプ保存部と、
    前記湯面流動検出ユニットにおいて検出された湯面の流動形態の温度データと、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプの温度データと、を対比して、前記検出された湯面の流動形態を前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類するパターン分類部と、
    を備える請求項18に記載の湯面流動制御装置。
  20. 前記流動パターンタイプ保存部に保存されている複数の流動パターンタイプは、前記湯面の位置別の温度及び前記湯面の温度分布に基づいてそれぞれ異なる種類の流動パターンタイプに分類されており、
    前記複数の流動パターンタイプは、湯面の流動による欠陥の発生可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動による欠陥の発生可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含むことを特徴とする請求項19に記載の湯面流動制御装置。
  21. 前記流動制御ユニットは、
    前記流動パターンタイプ保存部に保存されている複数の流動パターンタイプに基づいて前記磁場発生ユニットの制御条件を変更して、前記湯面の流動を制御するように複数の流動制御タイプが保存されている流動制御タイプ保存部と、
    前記分類された流動パターンタイプに基づいて、前記流動制御タイプ保存部に保存されている複数の流動制御タイプのうちの何れか一つの流動制御タイプを選択する流動制御タイプ選択部と、
    前記流動制御タイプ選択部において選択された流動制御タイプに基づいて前記磁場発生ユニットに印加される電源を制御して、磁場の移動方向を制御する電磁場制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項20に記載の湯面流動制御装置。
  22. 前記鋳型は、相対向するように設けられた第1及び第2の長辺と、第1の長辺と第2の長辺との間に配設され、互いに離れて相対向するように設けられた第1及び第2の短辺と、を有し、
    前記複数の測温器は、前記鋳型の第1及び第2の長辺及び第1及び第2の短辺のそれぞれに配設され、
    前記鋳型の第1及び第2の長辺方向の中心位置に前記鋳型に溶鋼を吐き出すノズルが配設され、
    前記磁場発生ユニットは、前記第1の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第1及び第2の磁場発生部と、前記第2の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第3及び第4の磁場発生部と、を備え、
    前記電磁場制御部は、前記第1乃至第4の磁場発生部と接続されて、前記流動制御タイプ選択部において選択された流動制御タイプに基づいて前記第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電源を制御して、第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を制御することを特徴とする請求項21に記載の湯面流動制御装置。
  23. 前記流動制御ユニットは、前記検出された湯面の流動形態が正常流動パターンに分類される場合、前記第1乃至第4の磁場発生部の磁場の移動方向に維持し、
    前記検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類される場合、前記検出された湯面の流動形態が正常流動パターンとなるように前記第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれの磁場の移動方向を制御することを特徴とする請求項22に記載の湯面流動制御装置。
  24. 前記流動制御ユニットは、前記選択された流動制御タイプが有している磁場の移動方向及び電流密度条件に基づいて、第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれの磁場の移動方向と、前記第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電流密度と、を制御することを特徴とする請求項23に記載の湯面流動制御装置。
  25. 前記複数の測温器は、前記鋳型内に収容される溶鋼の湯面に比べて高い位置に等間隔に互いに離れて配設されることを特徴とする請求項3乃至請求項15及び請求項18乃至請求項24のうちの何れか一項に記載の湯面流動制御装置。
  26. 前記測温器は、前記湯面から50mm以内の高さに配設されることを特徴とする請求項25に記載の湯面流動制御装置。
  27. 前記複数の測温器のうち、前記鋳型の固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、前記固定幅領域の外側に位置する可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離よりも大きいことを特徴とする請求項3乃至請求項15及び請求項18乃至請求項24のうちの何れか一項に記載の湯面流動制御装置。
  28. 前記複数の測温器は、前記溶鋼の湯面から上部及び下部に50mm以内の高さに配設されることを特徴とする請求項27に記載の湯面流動制御装置。
  29. 前記鋳型は、互いに離れて相対向する一対の長辺と、前記長辺の両側に相対向するように配設される一対の短辺と、を有し、
    前記複数の測温器は、前記長辺に配設されることを特徴とする請求項27に記載の湯面流動制御装置。
  30. 前記固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、55〜300mmであることを特徴とする請求項27に記載の湯面流動制御装置。
  31. 前記可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、10〜50mmであることを特徴とする請求項27に記載の湯面流動制御装置。
  32. 長辺の幅方向への中心から外郭に向かって進むにつれて前記複数の測温器間の離隔距離が減少することを特徴とする請求項28に記載の湯面流動制御装置。
  33. 前記固定幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、外郭に向かって進むにつれて次第に減少することを特徴とする請求項29に記載の湯面流動制御装置。
  34. 前記可変幅領域に配置される測温器間の離隔距離は、外郭に向かって進むにつれて次第に減少することを特徴とする請求項29に記載の湯面流動制御装置。
  35. 鋳型の幅方向に沿って並ぶように配設された複数の測温器を用いて、溶鋼の湯面の幅方向の複数の位置において温度を測定する過程と、
    測定された前記複数の位置に基づく温度を相対的に分析して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出し、前記複数の測温器において測定された温度値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    前記湯面の流動状態が正常であると判断された場合には、前記鋳型の外側に配設された磁場発生ユニットの動作を現在の状態に維持し、前記湯面の流動状態が非正常であると判断された場合には、前記磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場を調節することにより、前記湯面の流動が正常となるように調節する過程と、
    を含むことを特徴とする湯面流動制御方法。
  36. 前記測定された各位置に基づく温度を相対的に分析して、前記溶鋼の湯面の流動の形態で検出する過程は、
    複数の温度測定値を相対的に比較して、前記溶鋼の湯面の各位置別の相対的な高さとして示すことにより、溶鋼の湯面の流動の形態で検出する過程を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  37. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断するに当たって、
    前記複数の測温器のそれぞれの間の温度差を算出し、算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断することを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  38. 前記複数の測温器のそれぞれの温度間の温度差を算出し、前記算出された複数の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較する過程は、
    前記複数の測温器のそれぞれに対して他の残りの測温器との温度差を算出して、前記基準温度範囲と比較する過程を含むことを特徴とする請求項37に記載の湯面流動制御方法。
  39. 前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値の全てが基準温度範囲に収まるときに湯面の流動を正常状態と判断し、
    前記複数の測温器のそれぞれに対する他の残りの測温器のそれぞれの温度との差分値のうちの少なくとも何れか一つの差分値が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項38に記載の湯面流動制御方法。
  40. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、
    前記複数の測温器のうち、両端に配設された測温器を用いて、リアルタイムで温度を測定する過程と、
    前記両端に配設された測温器間の温度差を算出し、算出された前記両端に配設された測温器間の温度差のそれぞれが基準温度範囲に収まるか否かを比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  41. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、
    前記複数の測温器のうち、中心に配設された測温器、一方の端に配設された測温器、及び他方の端に配設された測温器を用いて、リアルタイムで温度を測定する過程と、
    前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差、及び前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を算出する過程と、
    前記中心に配設された測温器の温度と一方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較し、また前記中心に配設された測温器の温度と他方の端に配設された測温器の温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  42. 前記中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記中心に配設された測温器の温度と、一方の端に配設された測温器の温度との温度差及び前記中心に配設された測温器の温度と、他方の端に配設された測温器の温度との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項41に記載の湯面流動制御方法。
  43. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、
    前記複数の測温器を用いてリアルタイムで温度を測定する過程と、
    前記複数の測温器の温度に対する平均温度を算出する過程と、
    前記複数の測温器のうち一方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差、及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を算出する過程と、
    前記一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と前記平均温度との温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  44. 前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記平均温度と前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記平均温度と他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項42に記載の湯面流動制御方法。
  45. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、
    前記複数の測温器のうち、中心に配設された測温器、並びに一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度をリアルタイムで測定する過程と、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出する過程と、
    算出された前記時系列的な平均温度と、一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度との温度差をそれぞれ算出する過程と、
    前記算出された時系列的な平均温度と、一方の端及び他方の端に配設された測温器の温度と、の温度差を基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  46. 前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を算出するに当たって、
    前記鋳型に溶鋼を吐き出す鋳造の初期から前記中心に配設された測温器の温度を測定して時系列的な平均温度をリアルタイムで算出し、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度を所定の時点まで算出した後に、前記一方及び他方の端に配設された測温器のそれぞれの温度を用いて、溶鋼の湯面の流動状態を判断することを特徴とする請求項45に記載の湯面流動制御方法。
  47. 前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記他方の端に配設された測温器との温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記一方の端に配設された測温器との温度差及び前記中心に配設された測温器の時系列的な平均温度と、前記他方の端に配設された測温器との温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断することを特徴とする請求項46に記載の湯面流動制御方法。
  48. 前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程は、
    前記複数の測温器のうち、一方の端に配設された測温器と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、他方の端に配設された測温器と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器と、の温度を測定する過程と、
    前記一方の端に配設された測温器の温度と、前記一方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度と、の温度差値である第1の温度差を算出する過程と、
    前記他方の端に配設された測温器の温度と、前記他方の端の測温器に隣接して配設された測温器の温度と、の温度差値である第2の温度差を算出する過程と、
    前記第1の温度差及び第2の温度差のそれぞれを基準温度範囲と比較して、前記溶鋼の湯面の流動状態を正常又は非正常と判断する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項35に記載の湯面流動制御方法。
  49. 前記第1の温度差及び第2の温度差が両方とも基準温度範囲に収まるときに湯面の流動状態を正常と判断し、
    前記第1の温度差及び第2の温度差のうちの少なくともどちらか一方が基準温度範囲を外れるときに湯面の流動状態を非正常と判断する請求項48に記載の湯面流動制御方法。
  50. 前記基準温度範囲は、鋳片の欠陥の発生率が80%以下となる温度差値であることを特徴とする請求項37乃至請求項49のうちの何れか一項に記載の湯面流動制御方法。
  51. 前記基準温度範囲は、15℃以上、70℃以下であることを特徴とする請求項50に記載の湯面流動制御方法。
  52. 前記湯面の流動が正常となるように調節する過程は、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器の位置を確認する過程と、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器と対応するように配設される磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場の移動方向、強さ及び移動速度のうちの少なくとも何れか一つを調節する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項37乃至請求項49のうちの何れか一項に記載の湯面流動制御方法。
  53. 前記算出された温度差が前記基準温度範囲を外れる測温器と対応するように配設される磁場発生ユニットの動作を制御する過程は、
    前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分を検出し、前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかを確認する過程と、
    前記算出された温度差と前記基準温度範囲との差分に基づいて、前記磁場発生ユニットに印加される電流の大きさを調節する過程と、
    前記算出された温度差が前記基準温度範囲の未満又は超過であるかに基づいて、前記鋳型に配設されたノズルからの溶鋼の吐出方向と同一若しくは反対の方向に前記磁場発生ユニットに磁場を移動させる過程と、
    を含むことを特徴とする請求項52に記載の湯面流動制御方法。
  54. 検出された湯面の流動形態を、保存されている複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程と、
    分類された前記流動パターンタイプに基づいて、前以て保存された複数の流動制御タイプのうちの何れか一つを選択して流動制御タイプを選択する過程と、
    前記選択された流動制御タイプで、前記鋳型の外側に配設された磁場発生ユニットにおける磁場の形成を制御する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項36に記載の湯面流動制御方法。
  55. 検出された湯面の流動形態を、前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程は、
    鋳造過程において発生し得る複数の流動パターンタイプを分類して保存する過程と、
    前以て保存された前記複数の流動パターンタイプ及び検出された湯面の流動形態を対比する過程と、
    前記検出された湯面の流動形態の温度データを、前記前以て保存された複数の流動パターンタイプのうちの何れか一つの流動パターンタイプに分類する過程と、
    を含むことを特徴とする請求項54に記載の湯面流動制御方法。
  56. 前記前以て保存された複数の流動パターンタイプは、湯面の流動による欠陥の発生可能性が低い少なくとも何れか一つの正常流動パターンと、湯面の流動による欠陥の発生可能性が高い複数の非正常流動パターンと、を含むことを特徴とする請求項55に記載の湯面流動制御方法。
  57. 前記分類された流動パターンタイプで前記磁場発生ユニットの磁場の形成を制御するに当たって、
    前記複数の流動制御タイプのうち、前記複数の流動パターンタイプ別にそれぞれ対応する流動制御タイプを選択し、前記選択された流動制御タイプで前記磁場発生ユニットに電源を印加して、前記磁場発生ユニットの磁場の移動方向を制御することを特徴とする請求項56に記載の湯面流動制御方法。
  58. 前記分類された流動パターンタイプで前記磁場発生ユニットの磁場の形成を制御するに当たって、
    前記選択された流動制御タイプが有している磁場の移動方向及び電流密度条件に基づいて、前記磁場発生ユニットの磁場の移動方向及び電流密度を制御することを特徴とする請求項57に記載の湯面流動制御方法。
  59. 前記鋳型は、相対向するように設けられた第1及び第2の長辺と、第1の長辺と第2の長辺との間に配設され、互いに離れて相対向するように設けられた第1及び第2の短辺と、を有し、
    前記複数の測温器は、前記鋳型の第1及び第2の長辺及び第1及び第2の短辺のそれぞれに配設され、
    前記鋳型の第1及び第2の長辺方向の中心位置に前記鋳型に溶鋼を吐き出すノズルが配設され、
    前記磁場発生ユニットは、前記第1の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第1及び第2の磁場発生部と、前記第2の長辺の延長方向に並ぶように配設され、前記ノズルを中心として対称となるように配設された第3及び第4の磁場発生部と、を備え、
    前記磁場発生ユニットの動作を制御して、磁場を調節することにより、前記湯面の流動が正常となるように調節するに当たって、前記選択された流動制御タイプに基づいて、前記第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれに印加される電源を制御して、第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を制御することを特徴とする請求項58に記載の湯面流動制御方法。
  60. 前記検出された湯面の流動形態において、前記ノズルの一方及び他方のそれぞれの湯面から複数の位置において検出された複数の温度測定値のうち、最低温度と最高温度間との温度偏差、湯面の中心の温度に対する湯面の両周縁の温度の高低、前記両周縁の温度と湯面の中心の温度との温度差により正常流動パターンと、非正常流動パターンと、に分類され、
    前記複数の流動パターンタイプは、
    前記複数の流動パターンのそれぞれの温度データにおいて、最低温度と最高温度との温度偏差、湯面の中心の温度に対する湯面の両周縁の温度の高低、前記両周縁の温度と湯面の中心の温度との温度差により異なる非正常流動パターンタイプに分類されることを特徴とする請求項59に記載の湯面流動制御方法。
  61. 前記検出された湯面の流動形態の温度値のうち、最低温度と最高温度との温度差値である湯面の温度偏差が前以て設定された基準偏差を満たし、湯面の両周縁の温度のそれぞれが中心の温度に等しいかそれよりも高く、前記湯面の両周縁のそれぞれの温度と中心温度との温度差値である第1及び第2の温度偏差のそれぞれが基準値以下を満たすと、正常流動パターンに分類し、
    前記湯面の温度偏差が基準偏差を外れるか、前記第1及び第2の温度偏差のそれぞれが中心の温度に比べて小さいか、或いは、第1及び第2の温度偏差のうちの少なくともどちらか一方が前以て設定された基準値を超えると、非正常流動パターンに分類することを特徴とする請求項60に記載の湯面流動制御方法。
  62. 前記検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンタイプのうちの何れか一つに分類される場合、
    前記検出された湯面の流動形態の両周縁の温度のうちの少なくともどちらか一方が中心の温度に比べて高ければ、
    前記第1乃至第4の磁場発生部において、前記ノズルの両側の領域のうち、周縁の温度が中心の温度に比べて高い領域に対応するように配設された磁場発生部における磁場がノズルに向かって移動するように調節して、溶鋼の流速を減速させることを特徴とする請求項61に記載の湯面流動制御方法。
  63. 前記検出された湯面の流動パターンが複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類される場合、
    前記検出された湯面の流動パターンの両周縁の温度のうちの少なくともどちらか一方が中心の温度に比べて低ければ、
    前記第1乃至第4の磁場発生部において、周縁の温度が中心の温度に比べて低い領域に対応するように配設された磁場発生部における磁場がノズルから外側に向かって移動するように調節して、溶鋼の流速を加速させることを特徴とする請求項62に記載の湯面流動制御方法。
  64. 前記両周縁の温度と前記中心の温度との温度差が大きくなるほど、第1乃至第4の磁場発生部のうちの少なくとも何れか一つに印加される電流密度を増加させて、溶鋼の加速力又は減速力を増加させることを特徴とする請求項61に記載の湯面流動制御方法。
  65. 前記検出された湯面の流動形態が複数の非正常流動パターンのうちの何れか一つに分類される場合、
    前記検出された湯面の流動形態が前記両周縁のそれぞれの温度と前記中心の温度との温度差値が前記基準偏差の最下限値未満であれば、
    第1乃至第4の磁場発生部のそれぞれにおける磁場の移動方向を異ならせて、前記溶鋼を回転させることを特徴とする請求項61に記載の湯面流動制御方法。
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