JPH1177265A - 連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法 - Google Patents

連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法

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JPH1177265A
JPH1177265A JP24887997A JP24887997A JPH1177265A JP H1177265 A JPH1177265 A JP H1177265A JP 24887997 A JP24887997 A JP 24887997A JP 24887997 A JP24887997 A JP 24887997A JP H1177265 A JPH1177265 A JP H1177265A
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真 鈴木
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正之 中田
Atsushi Kubota
淳 久保田
Noriko Kubo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造において鋳型内溶鋼の流動パターン
を検知し、検知した流動パターンに基づき印加する磁場
を制御して最適な流動パターンを保持する。 【解決手段】 浸漬ノズル8からの吐出流10に磁場を
印加して鋼の連続鋳造を行う際に、鋳型1内での鋳片幅
方向の凝固シェル5の表面温度を複数点測定し、各測定
点15における表面温度の経時変化から鋳型内溶鋼4の
流動パターンを検知し、流動パターンが所定のパターン
となるように、検知結果に基づいて印加する磁場強度を
調整する。その際に、温度が上昇する測定点の分布及び
/又は温度が下降する測定点の分布に基づき検知すれば
より正確に検知でき、又、移動磁場をもちいれば流動制
御が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造鋳型
内における溶鋼流動を検知すると共に、磁場による電磁
気力を応用して適正な溶鋼流動に制御する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、浸漬ノズルを介して
溶鋼を鋳型内に高速度で吐出させるため、この吐出流に
起因して鋳型内で溶鋼流動が発生し、そして、この溶鋼
流動は鋳片の表面及び内部性状に大きな影響を及ぼして
いる。例えば、鋳型内湯面(以下、「メニスカス」と記
す)の表面流速が速すぎる場合や、メニスカスに縦渦が
発生する場合には、モールドパウダーが溶鋼中に巻き込
まれる。又、溶鋼中のAl2 3 等の脱酸生成物の浮上
分離も溶鋼流動に左右されることが知られており、鋳片
中に巻き込まれたモールドパウダーや脱酸生成物は、製
品において非金属介在物性の欠陥となる。
【0003】又、鋳型内の溶鋼流動は、鋳造条件が同一
であっても、浸漬ノズル内部のAl 2 3 付着、浸漬ノ
ズルの溶損、スライディングノズルの開度等により、鋳
造中に変化する。そのため、溶鋼流動を検知し、検知し
た溶鋼流動状況から印加する磁場の強度や方向を制御し
て鋳型内の溶鋼流動を制御する方法が、鋳片品質向上の
重要な課題として、多数提案されている。
【0004】例えば、特開昭62−252650号公報
(以下、「先行技術1」と記す)には、浸漬ノズル左右
の溶鋼レベル差を鋳型短辺銅板に埋設した熱電対により
検出し、レベル差が無くなるように電磁攪拌装置の攪拌
方向と攪拌推力とを制御した溶鋼流動制御方法が開示さ
れている。
【0005】特開平3−275256号公報(以下、
「先行技術2」と記す)には、鋳型長辺銅板に埋設した
熱電対により鋳型長辺銅板の温度分布を測定し、鋳型左
右の温度分布から溶鋼偏流の発生を検知し、検知した溶
鋼偏流の発生方向及び程度に応じて、鋳型長辺の背面に
配置した2個の直流電磁石型電磁ブレーキ装置へ供給す
る電流を個別に制御して鋳型内溶鋼の偏流を制御する方
法が開示されている。
【0006】特開平4−284956号公報(以下、
「先行技術3」と記す)には、浸漬ノズルと鋳型短辺と
の間のメニスカス上に2個の非接触式距離計を設けてメ
ニスカスの湯面変動を測定し、この2つの測定値の相互
相関関数から表面波動の伝播速度を求め、この伝播速度
が所定値以下となるように電磁攪拌装置にて浸漬ノズル
からの吐出流速を制御する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1及び先行技
術2では、鋳型銅板温度の情報を基に溶鋼流動を制御し
ているが、鋳型銅板温度の変化は、溶鋼の流動状況の変
化だけで発生するわけではなく、鋳型と凝固シェルとの
接触状態やモールドパウダーの流入状態等の変化によっ
ても発生する。このように溶鋼流動以外の要因による鋳
型銅板温度の変化があるため、先行技術1及び先行技術
2では的確に溶鋼流動状況を検知することはできない。
【0008】又、詳細は後述するが、発明者等の調査結
果から、モールドパウダーや脱酸生成物を減少させるた
めには、鋳型内において偏流を防止して左右対称な流れ
とするだけでは不十分であり、幾つかの左右対称な流れ
の内で、最適な流動パターンが存在することが確認され
た。
【0009】先行技術3は流動制御方法として有効な手
段ではあるが、メニスカスの溶鋼流速のみ制御するもの
で、鋳型溶鋼の流動パターンを検知するには不十分であ
る。又、同様に、先行技術1及び先行技術2でも流動パ
ターンは検知できない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、連続鋳造において鋳型内
溶鋼の流動パターンを検知し、検知した流動パターンに
基づき印加する磁場を制御して最適な流動パターンを保
持することができる流動制御方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明による連続鋳
造鋳型内における溶鋼流動制御方法は、浸漬ノズルから
の吐出流に磁場を印加して鋼の連続鋳造を行う際に、鋳
型内での鋳片幅方向の凝固シェルの表面温度を複数点測
定し、各測定点における表面温度の経時変化から鋳型内
溶鋼の流動パターンを検知し、流動パターンが所定のパ
ターンとなるように、検知結果に基づいて印加する磁場
強度を調整することを特徴とするものである。
【0012】第2の発明による連続鋳造鋳型内における
溶鋼流動制御方法は、第1の発明による溶鋼流動制御方
法において、凝固シェルの表面温度の経時変化から、表
面温度が上昇する測定点及び下降する測定点の分布を求
め、上昇する測定点の分布及び/又は下降する測定点の
分布に基づいて鋳型内溶鋼の流動パターンを検知するこ
とを特徴とするものである。
【0013】第3の発明による連続鋳造鋳型内における
溶鋼流動制御方法は、第1の発明又は第2の発明による
溶鋼流動制御方法において、印加する磁場が水平方向に
移動する移動磁場であることを特徴とするものである。
【0014】第4の発明による連続鋳造鋳型内における
溶鋼流動制御方法は、第1の発明ないし第3の発明の何
れか1つの発明による溶鋼流動制御方法において、鋳型
長辺銅板を貫通する複数の光ファイバーにより凝固シェ
ルの表面温度を測定することを特徴とするものである。
【0015】発明者等の検討結果によれば、鋳型内溶鋼
の流動パターンは、偏流のない左右対称な流動であって
も鋳型内を浮上するArガス気泡や印加される磁場の影
響で複雑に変化し、その流動パターンを簡略化すると、
図1に示すパターンAからパターンCの3つのパターン
に大別できることが分かった。尚、図1において、3は
鋳型短辺、4は溶鋼、5は凝固シェル、8は浸漬ノズ
ル、9は吐出孔、10は吐出流、13はメニスカス、1
4はモールドパウダーである。
【0016】この中でパターンAは、浸漬ノズル8から
の吐出流10が、鋳型短辺3側の凝固シェル5に到達・
衝突した後に2つの流れに分離し、1つの流れは、鋳型
短辺3側の凝固シェル5に沿ってメニスカス13まで上
昇して、更にメニスカス13を鋳型短辺3側から鋳型中
央側(浸漬ノズル8側)に向かう流れとなり、他の1つ
の流れは、凝固シェル5への衝突点から鋳型下方に下降
する流れとなる流動パターンである。
【0017】これに対しパターンBは、吐出流10への
Arガス気泡の浮上の影響あるいは磁場印加の影響等に
より、浸漬ノズル8からの吐出流10が鋳型短辺3側の
凝固シェル5に到達せず、吐出孔9から鋳型短辺3側の
凝固シェル5までの間で分散して、上昇流と下降流とを
形成し、そして、メニスカス13では、浸漬ノズル8と
鋳型短辺3との中間位置付近を境として、浸漬ノズル8
側では鋳型中央側(浸漬ノズル8側)に向かう流れと、
鋳型短辺3側では逆に鋳型短辺3に向かう流れとなる流
動パターンである。
【0018】又、パターンCは、浸漬ノズル8近傍に吐
出流10の上昇流が存在する流動パターンで、主に粗大
なArガス気泡の浮上の影響で出現する。パターンCで
はメニスカス13において、鋳型中央側(浸漬ノズル8
側)から鋳型短辺3側に向かう流れが主流となる。
【0019】鋳型内溶鋼の流動パターン別に、薄鋼板製
品におけるモールドパウダー性欠陥による製品不良の発
生量を調査した。図2はその調査結果である。図2に示
すように、鋳型内溶鋼の流動パターンがパターンBの場
合にモールドパウダー性欠陥が少なく、鋳片品質が最も
良好であることが判明した。この理由は以下のように考
えられる。
【0020】パターンAの場合、鋳型中央と鋳型中央か
ら鋳型幅の1/4隔てた位置との間のメニスカスにおい
て、溶鋼中へのモールドパウダー混入の原因となる渦が
発生し易く、又、溶鋼の表面流速が速い場合には、溶鋼
表面流によりモールドパウダーが削り取られ、この原因
によるモールドパウダー混入も発生し易いためである。
又、パターンCの場合、浸漬ノズル近傍の溶鋼の上昇流
や、浮上する粗大なArガス気泡によって、メニスカス
の変動・擾乱が引き起こされ、モールドパウダーの混入
が発生するほか、溶鋼の表面流速が速い場合には鋳型短
辺近傍で縦渦が発生し、モールドパウダー混入の原因と
なるからである。これに対し、パターンBの場合には、
メニスカスにおける渦の発生や、強い表面流の出現がな
く、モールドパウダー巻き込みの発生しにくい流動条件
になっているためである。
【0021】このように、鋳型内溶鋼の流動パターンを
パターンBとすることによって、鋳片の品質低下を防止
することができ、製品格落ち率の低減、鋳片無手入れ率
の向上が実現できる。しかし前述のように、鋳造条件を
同一としても鋳型内溶鋼の流動パターンは鋳造途中で変
化する。鋳造中に流動パターンを検知することができれ
ば、所定の流動パターンから逸脱している場合、印加す
る磁場強度を変更して所定の流動パターンに戻すことが
できる。
【0022】発明者らは、鋳型内における鋳片凝固シェ
ルの表面温度を測定することで、鋳型内溶鋼の流動パタ
ーンを検知できることを見いだした。即ち、鋳型のメニ
スカス近傍の凝固シェル表面温度は、溶鋼の上昇流に相
当する位置で表面温度が高くなり、そして、流動パター
ンの変化に対応して表面温度の高い位置が変化する。例
えば、パターンAの場合には鋳型短辺近傍に上昇流が形
成されるため、鋳型短辺近傍の表面温度が高くなる。こ
れは、吐出流は鋳型内溶鋼より温度が高いので、吐出流
が上昇する位置で、溶鋼の温度が高くなると共に溶鋼の
流動により熱伝達が促進され、凝固シェルに伝わる熱量
が増加して表面温度が高くなるからである。
【0023】しかし、凝固シェルの表面温度は、溶鋼流
動の影響のみで変化するものではなく、鋳型と凝固シェ
ルとの接触状態やモールドパウダーの流入状態等の変化
によっても変化する。そのため、単に鋳片幅方向の凝固
シェル表面温度の絶対値の分布から溶鋼流動を検知する
と、誤って検知することも発生する。即ち、このような
溶鋼流動以外の要因による凝固シェル表面温度への影響
を除去しないと、正確な流動パターンを検知することは
できない。
【0024】発明者等は、表面温度を測定する各測定点
毎の温度の経時変化、即ち、ある時間毎の温度の上昇速
度や下降速度を指標とすることで、溶鋼流動以外の要因
による凝固シェル表面温度への影響を最小にすることが
でき、正確な流動パターンを検知できることを見いだし
た。溶鋼流動以外の要因による凝固シェル表面温度の変
化は、比較的緩やかに起こるためである。
【0025】その際に、表面温度が上昇する測定点及び
下降する測定点の分布を求め、上昇する測定点の分布及
び/又は下降する測定点の分布に基づいて流動パターン
を検知すれば、一層正確に検知できることが分かった。
これは、流動パターンが変化すると、凝固シェルの表面
温度が分布を持って変化するためである。
【0026】吐出流に印加する磁場は、磁場が水平方向
に移動する移動磁場を用いることが好ましい。移動磁場
では、適切な磁場強度を選択して印加することにより、
直流電流による静磁場に比較して、溶鋼流速や流動パタ
ーンを自由に制御することができるからである。
【0027】凝固シェル表面温度の測定は、鋳型長辺銅
板を貫通する複数の光ファイバーと光ファイバーに連結
される光学式温度計を用いることが好ましい。光ファイ
バーで凝固シェル表面を直接測定できるので、正確な表
面温度を連続して測定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図3は本発明の1つの実施の形態を示す連続鋳造機鋳型
部の正面断面の概略図、図4は側面断面の概略図であ
る。
【0029】図3及び図4において、相対する鋳型長辺
2と、鋳型長辺2内に内装された相対する鋳型短辺3と
から構成された鋳型1の上方に、タンディッシュ6が配
置されている。タンディッシュ6の底部には固定板2
0、摺動板21、及び整流ノズル22から成るスライデ
ィングノズル7が配置され、更に、スライディングノズ
ル7の下面側には浸漬ノズル8が配置されて、タンディ
ッシュ6から鋳型1への溶鋼流出孔26が形成される。
図示せぬ取鍋からタンディッシュ6内に注入された溶鋼
4は、溶鋼流出孔26を経由して、浸漬ノズル8の下部
に設けられ、且つ鋳型1内の溶鋼4に浸漬された吐出孔
9より、吐出流10を鋳型短辺3に向けて鋳型1内に注
入される。そして、溶鋼4は鋳型1内で冷却されて凝固
シェル5を形成し、鋳型1の下方に引き抜かれ鋳片とな
る。
【0030】固定板20の溶鋼流出孔26には、ポーラ
ス煉瓦23が嵌合して設けられており、溶鋼流出孔26
の壁面へのAl2 3 付着を防止するため、ポーラス煉
瓦23から溶鋼流出孔26内にArガスが吹き込まれて
いる。吹き込まれたArガスは、溶鋼4と共に浸漬ノズ
ル8を通り吐出孔9を介して鋳型1内に流入し、鋳型1
内の溶鋼4を通ってメニスカス13に浮上し、メニスカ
ス13上に添加したモールドパウダー14を貫通して大
気に至る。
【0031】鋳型長辺2の背面には、浸漬ノズル8を境
として鋳型長辺2の幅方向左右で2つに分割された磁場
発生装置11及び磁場発生装置12が、磁場発生装置1
1、12の鋳造方向の中心位置を吐出孔9の下端位置と
鋳型1の下端位置との範囲として、鋳型長辺2を挟んで
対向して配置されている。この磁場発生装置11、12
は、磁場電源制御装置19に結線され、磁場電源制御装
置19により印加する磁場の強度を個別に制御される。
尚、磁場発生装置11、12の磁場強度は、最大磁場強
度が0.2テスラ〜0.4テスラ程度の工業的に通常使
用されているものでよい。
【0032】磁場発生装置11、12より印加する磁場
は、直流電流による静磁場でも良いが、前述のように磁
場が水平方向に移動する移動磁場が好ましい。移動磁場
の場合には、磁場強度のみならず磁場の移動方向も個別
に制御できるので、流動制御が一層行い易くなる。移動
磁場では、移動磁場の移動方向を鋳型短辺3側から浸漬
ノズル8側とすることで、吐出流10が減速され、逆
に、移動方向を浸漬ノズル8側から鋳型短辺3側とする
ことで、吐出流10が加速される。尚、移動磁場の場合
には磁場発生装置11、12を鋳型長辺2を挟んで対向
する必要はなく、片側の鋳型長辺2の背面に配置するだ
けでも、吐出流10の制御はできる。但し、片側の背面
にのみ配置する場合には磁場強度が減衰するため、磁場
強度の高い移動磁場発生装置を配置する必要がある。
【0033】鋳型長辺2の銅板には、鋳型長辺2の幅方
向に複数の貫通孔を設け、鋳型1内における凝固シェル
5の表面温度を測定する測定点15とする。各測定点1
5には、他端を温度計本体17に接続された光ファイバ
ー16を凝固シェル5に実質的に当接させて配置し、光
ファイバー16で受光した信号を温度計本体17にて温
度に換算する。各測定点15は水平方向に並べて配置さ
れ、各測定点15間の距離は200mm以下、又、メニ
スカス13からの距離は300mm以内とすることが好
ましい。各測定点15間の距離が200mmを超えると
測定点15の数が少な過ぎて流動パターンの検知が不正
確となり、又、メニスカス13からの距離が300mm
を超えると凝固シェル5の表面温度が水平方向に流れる
吐出流10の影響を受け、同様に流動パターンの検知が
不正確となるためである。
【0034】温度計本体17で測定された表面温度はデ
ータ解析装置18に送られ、各測定点15における表面
温度の上昇率や下降率を解析する。そして同時に、鋳型
長辺2の幅方向において、表面温度の変化が類似する測
定点15の分布を解析する。そして、これらの解析デー
タを基に、データ解析装置18は鋳型1内の溶鋼流動パ
ターンを検知し、検知した流動パターンの信号を磁場電
源制御装置19に送る。磁場電源制御装置19は、送ら
れて来た流動パターンの信号に基づき、磁場発生装置1
1、12から印加する磁場強度を個別に制御して、流動
パターンをパターンBとなるように制御する。磁場強度
の調整は、磁場発生装置11、12に供給する電流を増
減させて行なう。又、移動磁場(交流電源を用いる)の
場合には、電流の周波数を変化させても磁場強度の調整
ができる。流動パターンの制御方法は、パターンAとな
った場合には、磁場強度を強くして吐出流10を減速
し、又、パターンCとなった場合には、磁場強度を弱く
する若しくは加速して吐出流10を増速させれば、共に
パターンBとすることができる。尚、鋳造開始する前
に、浸漬ノズル8の吐出孔9の吐出角度や断面積、浸漬
ノズル8の浸漬深さ、単位時間当たりの溶鋼4の鋳型1
内への注入量、印加する磁場強度、及び、Arガス吹き
込み量等の鋳造条件を適切に選択して、鋳型1内の溶鋼
流動パターンをパターンBとして、鋳造を開始する。
【0035】本実施の形態では、100mm程度の深さ
までメニスカス13に浸漬される耐火物製棒24と、耐
火物製棒24に作用する力を検知する受圧センサー25
とを設け、メニスカス13の数カ所において溶鋼4の表
面流により耐火物製棒24に作用する力から表面流速を
測定し、流動パターンが所定のパターンになっているか
を確認した。3つの流動パターンでそれぞれ異なる表面
流速分布になるので、流動パターンが類推できる。尚、
耐火物製棒24及び受圧センサー25は確認のために配
置したもので、本発明の実施に当たり必ずしも配置する
必要はない。
【0036】上記説明では、磁場発生装置11、12が
浸漬ノズル8を境として鋳型長辺2の幅方向で分割され
ているが、本発明は鋳型長辺2の幅方向全体を覆う1つ
の磁場発生装置でも実施することができる。その場合、
移動磁場を用いる際には、浸漬ノズル8を境として、左
右の磁場の移動方向が逆向きとなるように予め磁場電源
制御装置19と結線させることが必要である。但し、分
割された磁場発生装置11、12に比較して1つの磁場
発生装置では流動制御が若干困難となる。
【0037】
【実施例】図3及び図4に示す連続鋳造機における実施
例を以下に説明する。
【0038】鋳片サイズは厚み250mm、幅1800
mmであり、炭素鋼を引抜き速度2.5m/minで鋳
造した。印加する磁場を移動磁場とし、磁場発生装置の
鋳造方向の中心を吐出孔下端から150mmの位置とし
た。溶鋼流出孔内へのArガス吹き込み量は9Nl/m
inである。鋳型長辺銅板には上端から130mm(メ
ニスカスから50mmの位置)の位置に、50mm間隔
で光ファイバーを通す貫通孔を設けて表面温度の測定点
として凝固シェルの表面温度を測定した。
【0039】図5にA点及びB点の2つの測定点におけ
る温度変化の例を示す。図に示すように、時刻T1 −Δ
TではB点の温度がA点の温度に比べて高かったが、時
刻T 1 の直前からA点の温度は上昇を開始し、又、B点
の温度は下降を開始し、そして、時刻T1 の前後でA点
及びB点の2つの測定点における温度は逆転し、その
後、時刻T1 +ΔTでは逆転したままA点及びB点とも
温度が安定していた。
【0040】このような時刻T1 前後での鋳型長辺幅全
体の各測定点における温度の経時変化を図6に示す。図
6において、●印は時刻T1 前後で温度変化がない測定
点15、◎は温度が上昇した測定点15、×は温度が下
降した測定点15である。図6に示すように、温度が上
昇した測定点は鋳型短辺3側に分布し、温度が下降した
測定点は浸漬ノズル8と鋳型短辺3との中間位置に分布
しており、温度が上昇した測定点と下降した測定点と
が、特徴的な分布を示していることが分かる。尚、図6
には図5に示したA点及びB点の2つの測定点を併せて
示している。
【0041】上記の温度解析結果に基づき、鋳型内の溶
鋼流動パターンを検知した結果を図7に示す。図7に示
すように、時刻T1 −ΔTではパターンB、時刻T1
ΔTではパターンAであると検知された。
【0042】図8は、同じ時期に耐火物製棒にて測定し
た鋳型内溶鋼の表面流速の分布を示す図である。時刻T
1 −ΔTでは、浸漬ノズルと鋳型短辺との中間位置を境
に、浸漬ノズル側では鋳型中央に向いた流れで、逆に、
鋳型短辺側では鋳型短辺に向いた流れ、即ち、パターン
Bの流れとなっていた。ところが時刻T1 +ΔTでは表
面流は鋳型短辺から鋳型中央に向いた流れ、即ち、パタ
ーンAとなっていた。このように、溶鋼の表面流の分布
からも時刻T1 −ΔTではパターンB、時刻T 1 +ΔT
ではパターンAと確認され、表面温度の測定から検知し
たパターンが正確であることを証明している。
【0043】そこで、磁場発生装置に供給する電流を増
加して浸漬ノズルの左右の移動磁場の強度を高め、吐出
流を減速した。この状態で鋳造を継続しつつ上記のA点
及びB点の2つの測定点における温度変化を測定した結
果を図9に示す。供給する電流を変更した直後からA点
の温度は下降し、B点の温度は上昇し、そして、時刻T
1 −ΔTと同一の状態で安定した。メニスカスにおける
表面流の分布も時刻T 1 −ΔTと同一となったことを耐
火物製棒により確認した。
【0044】本実施例により得られた鋳片を薄鋼板に圧
延した結果、モールドパウダー性欠陥の発生量は低く、
高い歩留りを達成することができた。尚、図6及び図7
における符号は、図3及び図4と同一である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造の鋳型内溶鋼
の流動パターンを的確に検知することができ、その結
果、所定の流動パターンとすることができるので、モー
ルドパウダー性欠陥を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳型内溶鋼の流動パターンを示す模式図であ
る。
【図2】鋳型内溶鋼の流動パターンと製品不良の発生量
との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の例を示す連続鋳造機鋳型
部の正面断面概略図である。
【図4】本発明の実施の形態の例を示す鋳型部の側面断
面の概略図である。
【図5】実施例における2つの測定点における温度推移
を示す図である。
【図6】実施例における測温結果から、温度の経時変化
別に各測定点を示した図である。
【図7】実施例において、温度解析結果から検知した流
動パターンの変化を示す図である。
【図8】実施例において、耐火物製棒にて測定した鋳型
内溶鋼の表面流速の分布を示す図である。
【図9】実施例において、磁場の強度を高めた後の2つ
の測定点における温度推移を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳型長辺 3 鋳型短辺 4 溶鋼 5 凝固シェル 6 タンディッシュ 7 スライディングノズル 8 浸漬ノズル 9 吐出孔 10 吐出流 11 磁場発生装置 12 磁場発生装置 13 メニスカス 14 モールドパウダー 15 測定点 16 光ファイバー 17 温度計本体 18 データ解析装置 19 磁場電源制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 典子 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸漬ノズルからの吐出流に磁場を印加し
    て鋼の連続鋳造を行う際に、鋳型内での鋳片幅方向の凝
    固シェルの表面温度を複数点測定し、各測定点における
    表面温度の経時変化から鋳型内溶鋼の流動パターンを検
    知し、流動パターンが所定のパターンとなるように、検
    知結果に基づいて印加する磁場強度を調整することを特
    徴とする連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法。
  2. 【請求項2】 凝固シェルの表面温度の経時変化から、
    表面温度が上昇する測定点及び下降する測定点の分布を
    求め、上昇する測定点の分布及び/又は下降する測定点
    の分布に基づいて鋳型内溶鋼の流動パターンを検知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳型内にお
    ける溶鋼流動制御方法。
  3. 【請求項3】 印加する磁場が水平方向に移動する移動
    磁場であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法。
  4. 【請求項4】 鋳型長辺銅板を貫通する複数の光ファイ
    バーにより凝固シェルの表面温度を測定することを特徴
    とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の連
    続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法。
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