JP2004034090A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳型内の湯面変動による鋳片の品質評価を正確に行うことができると共に、鋳型内の湯面変動量を抑えることができる連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】鋳型12内の溶鋼湯面4の位置を検知し、検知した溶鋼湯面位置に応じて、タンディッシュ6から鋳型への溶鋼供給流路21に設置した流量制御用ノズルゲート18,19の開度を調整しつつタンディッシュ内の溶鋼1を鋳型内に注湯する、鋼の連続鋳造方法であって、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計13を配置し、その内の湯面変動量が相対的に小さい位置に配置した湯面位置検出計による検出値によって前記流量制御用ノズルゲートの開度を調整し、これ以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】鋳型12内の溶鋼湯面4の位置を検知し、検知した溶鋼湯面位置に応じて、タンディッシュ6から鋳型への溶鋼供給流路21に設置した流量制御用ノズルゲート18,19の開度を調整しつつタンディッシュ内の溶鋼1を鋳型内に注湯する、鋼の連続鋳造方法であって、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計13を配置し、その内の湯面変動量が相対的に小さい位置に配置した湯面位置検出計による検出値によって前記流量制御用ノズルゲートの開度を調整し、これ以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造において、タンディッシュから鋳型内に注湯される溶鋼量の制御は、オーバーフローやブレークアウトなどの操業異常のない安定操業を行う上で極めて重要な技術である。一般には、鋳型内の溶鋼湯面位置を目視又は湯面位置検出計によって検知し、溶鋼湯面位置が概略一定位置になるように、スライディングノズルやストッパーなどの流量制御用ノズルゲートの開度を調整している。
【0003】
又、この注湯溶鋼量の制御により生ずる、鋳型内の溶鋼湯面の変動は、鋳造される鋳片の品質に極めて重要な影響を及ぼしている。即ち、湯面変動量が大きい場合には、鋳型内溶鋼の湯面上に添加しているモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれ、品質欠陥となる可能性が極めて高くなる。このように、タンディッシュから鋳型内に注湯される溶鋼量の制御は、安定操業のみならず品質面からも重要な技術である。
【0004】
従って、例えば渦流式距離計のような湯面位置検出計を鋳型内に配置し、この湯面位置検出計による湯面位置変動量に応じて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整したり、又、湯面変動量が大きい部位の鋳片は鋳片表面手入れを強化するなどの品質対策が実施されてきた。
【0005】
しかしながら、従来、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と、湯面変動量の大小から鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とを、1つの湯面位置検出計が兼ねており、その設置位置も鋳片サイズなどによらずに固定された位置に設置されていた。又、鋳型内に2個以上の湯面位置検出計を配置する場合もあるが、例えば特開昭62−197255号公報のように、個々の湯面位置検出計による溶鋼湯面レベルの差から溶鋼の偏流を推定したり、特開平4−59160号公報のように、各々の湯面位置検出計による検出値の和の平均値により流量制御用ノズルゲートの開度を制御しており、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と、鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とを明確に区別して設置していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、湯面位置検出計が或る一箇所に固定されて配置された場合や、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とが兼ね備えられている場合には、以下の問題点が生じる。
【0007】
即ち、鋳型内の溶鋼湯面の状態及び形状は、鋳型内溶鋼流動パターンの影響を強く受ける。例えば、溶鋼湯面に対して上下方向の流動が存在する位置、特に上昇流が存在する位置では、溶鋼湯面の状態が活性化して、湯面変動量が大きくなる傾向がある。これに対して、溶鋼湯面直下に水平方向の流れが存在する位置や、ほぼ滞留しているような位置では、湯面変動量は小さくなる傾向がある。
【0008】
このように、溶鋼流動パターンが変化すると湯面変動の発生状況が変化する。そして、この溶鋼流動パターンは、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズルの形状などによって変化するのみならず、流動制御の目的で印加される電磁力や、浸漬ノズルのアルミナによる閉塞を防止する目的で浸漬ノズル内に吹き込まれる不活性ガスの流量によっても大きな影響を受ける。
【0009】
湯面変動量が大きい場合には、前述したようにモールドパウダーの巻き込みなどの可能性が高くなるので、その位置を何らかの手段、例えば鋳造開始からの長さや鋳片番号などで識別し、その部位の鋳片表面手入れを行うとか、或るいは圧延後の鋼板検査を強化するとかの対応が必要になる。従って、湯面変動が発生した場合には、遺漏なくそれを検知し、このような対策に結び付けなければならない。
【0010】
しかし、湯面位置検出計が溶鋼流動パターンの変化によらずに一定位置に配置されていると、その配置位置が湯面変動の発生しやすい位置から離れている場合には、湯面変動が発生しても、それを的確に検知することができず、鋳片の品質を保証できなくなる。一方、湯面位置検出計の設置位置が湯面変動量の大きい位置と一致した場合には、この湯面変動に対応して流量制御用ノズルゲートの開度変化量が大きくなり、湯面変動量を更に拡大する可能性もある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳型内の湯面変動による鋳片の品質評価を正確に行うことができると共に、鋳型内の湯面変動量を抑えることができる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する目的で設置する湯面位置検出計は、局所的な湯面変動などのない、平均的な湯面位置を示す位置に配置するのが望ましく、一方、モールドパウダーの巻き込みなどの品質欠陥につながる現象を的確に捉えるために設置する湯面位置検出計は、湯面が活性化している位置に配置することが望ましいとの知見が得られた。
【0013】
本発明はこの知見に基づきなされたもので、第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、鋳型内の溶鋼湯面位置を検知し、検知した溶鋼湯面位置に応じて、タンディッシュから鋳型への溶鋼供給流路に設置した流量制御用ノズルゲートの開度を調整しつつタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注湯する、鋼の連続鋳造方法であって、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計を配置し、その内の湯面変動量が相対的に小さい位置に配置した湯面位置検出計による検出値によって前記流量制御用ノズルゲートの開度を調整し、これ以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を判定することを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計を、湯面変動量が相対的に大きい位置に配置することを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1又は第2の発明において、湯面位置検出計の配置位置を、鋳型内の溶鋼流動パターンに応じて変更することを特徴とするものである。
【0016】
第4の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第3の発明において、鋳造中に鋳型内の溶鋼流動パターンを推定し、推定した溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置を変更することを特徴とするものである。
【0017】
第5の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第4の発明において、鋳型内の溶鋼流動パターンを、鋳型銅板の溶鋼湯面位置近傍の幅方向に配置した複数の温度測定センサーによる鋳型銅板温度の測定データに基づいて推定することを特徴とするものである。
【0018】
第6の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第5の発明において、鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上を避けて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整するための湯面位置検出計を配置することを特徴とするものである。
【0019】
第7の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第5又は第6の発明において、鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計の少なくても1つを配置することを特徴とするものである。
【0020】
本発明では、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計を配置し、その内の湯面変動量の小さい位置に配置した湯面位置検出計を流量制御用ノズルゲートの開度調整用として使用し、これ以外の湯面位置検出計を鋳片の品質管理用として使用する。このように、湯面変動量の小さい位置の検出データにより流量制御用ノズルゲートの開度を調整するため、局所的な湯面変動に影響されずに開度調整を行うことができる。その結果、流量制御用ノズルゲート開度の変動が少なくなり、鋳型内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定する。又、この湯面位置検出計以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を管理するため、遺漏なく湯面変動を検知することができる。特に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計を、湯面変動量が相対的に大きい位置に配置することにより、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。
【0021】
鋳型内の溶鋼湯面の形状は溶鋼流動パターンにより変化するため、湯面変動量の小さい位置及び大きい位置も溶鋼流動パターンに応じて変化する。従って、溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置を変更する。この溶鋼流動パターンは、鋳造条件、即ち、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズル形状、電磁力印加条件、浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込み量などが分かれば、これらから経験的に推定することができる。
【0022】
更に、鋳型銅板温度の溶鋼湯面位置近傍の鋳型幅方向の温度分布からも溶鋼流動パターンを推定することができる。これは、溶鋼流動が活性化している部位では溶鋼流速の効果によって溶鋼から凝固殻への熱流束が大きく、その部分の鋳型銅板温度が高くなり、一方、溶鋼流動が沈静化している部位では溶鋼から凝固殻への熱流束が小さく、その部分の鋳型銅板温度が低くなることによる。又、溶鋼の流動速度が速い部位では、浸漬ノズルから吐出される温度の高い溶鋼で常に更新されるためでもある。
【0023】
鋳型銅板温度の測定データにより溶鋼流動パターンを推定し、推定した溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置をリアルタイムで変更することにより、的確な湯面変動制御並びに鋳片品質保証が可能になる。
【0024】
具体的には、鋳型幅方向で鋳型銅板温度の高い位置に該当する溶鋼湯面位置を避けて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整するための湯面位置検出計を配置することによって、局所的な湯面変動に影響されることなく溶鋼流量の適正な制御が可能になる。
【0025】
又、鋳型幅方向で鋳型銅板温度の高い位置に該当する溶鋼湯面位置に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計の少なくても1つを配置することによって、湯面変動を的確に捉え、例えば当該鋳片の表面手入れの強化などの鋳片品質保証のための対策を講じることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明を実施したスラブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図である。
【0027】
図1において、相対する長辺銅板22と、この長辺銅板22内に内装された相対する短辺銅板23とを具備した鋳型12の上方所定位置には、外郭を鉄皮(図示せず)で覆われ、内部を耐火物24で施行されたタンディッシュ6が配置されている。このタンディッシュ6の底部には、耐火物24に嵌合する上ノズル7が設置され、この上ノズル7の下面に接して、固定板18、摺動板19及び整流ノズル20からなるスライディングノズル8が配置され、更に、スライディングノズル8の下面に接して、下部に一対の吐出孔11を有する浸漬ノズル10が配置され、タンディッシュ6から鋳型12への溶鋼供給流路21が形成されている。
【0028】
摺動板19は、往復型アクチュエーター9と接続されており、往復型アクチュエーター9の作動によって固定板18と接触したまま移動し、固定板18と摺動板19とで形成する開口部面積を調整することによって溶鋼供給流路21を通過する溶鋼量が制御される。即ち、このような上ノズル7、スライディングノズル8及び浸漬ノズル10から構成される溶鋼供給装置においては、摺動板19が溶鋼注湯量を調整する流量制御用ノズルゲートの役割を果たしている。
【0029】
鋳型12内の溶鋼湯面4上には、複数の湯面位置検出計13が設置され、これらの湯面位置検出計13の測定データは鋳造制御装置14に入力されている。湯面位置検出計13は、鋳型幅方向の任意の位置に配置できるように支持装置(図示せず)により支持されている。湯面位置検出計13としては、渦流式距離計などを用いることができる。
【0030】
鋳造制御装置14と往復型アクチュエーター9とは電気的につながっており、鋳造制御装置14は、湯面位置検出計13の測定データに基づいて往復型アクチュエーター9の作動を制御している。但し、詳しくは後述するように、鋳型銅板温度の高い位置を避けて配置した湯面位置検出計13の測定データに基づいて、往復型アクチュエーター9の作動を制御している。又、鋳造制御装置14は、湯面位置検出計13の測定データに基づいて鋳片の品質を監視している。
【0031】
長辺銅板22の背面には、鋳型12内の溶鋼湯面4の近傍に長辺銅板22の幅方向に沿って複数の孔が設けられ、長辺銅板22の温度を測定する測定点15となっている。各測定点15には測温素子16が、その先端を長辺銅板22に接して配置されている。測温素子16の測定データは零点補償器(図示せず)により温度補償された後、データ解析装置17に入力され、データ処理が施されている。測温接点となる測温素子16の先端が冷却水により直接冷却されないように、測定点15はシール材(図示せず)により鋳型用冷却水からシールされている。測温素子16としては熱電対や抵抗測温体などを用いることができる。
【0032】
このような構成の連続鋳造機において本発明に係る連続鋳造方法を以下のようにして実施する。
【0033】
先ず、取鍋(図示せず)からタンディッシュ6内に溶鋼1を注湯し、次いで、タンディッシュ6内の溶鋼1を、溶鋼供給流路21を経由させ、鋳型12内の溶鋼1に浸漬された吐出孔11より、吐出流3を短辺銅板23に向けて鋳型12内に注湯する。溶鋼1は鋳型12内で冷却されて凝固殻2を形成し、鋳型12の下方に引き抜かれ鋳片となる。鋳型12内の溶鋼湯面4上にはモールドパウダー5を添加する。
【0034】
このようにして溶鋼1を連続鋳造する際に、鋳型12内の溶鋼湯面4の変動量の小さい位置に配置した湯面位置検出計13による検出値によって、往復型アクチュエーター9を制御して摺動板19の開度を調整する。その他の湯面位置検出計13による湯面変動量の測定値により鋳片の品質を判定する。この鋳片品質の判定方法は、例えば湯面変動量に或る境界値を設定し、この変動量を越えた場合に、その鋳片の表面手入れを強化するなどにより行うことができる。この場合、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計13の少なくとも1つは湯面変動量が大きい位置に配置することが好ましい。
【0035】
鋳型12内の湯面変動状況は、鋳型12内の溶鋼流動パターンによって変化するため、予め溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計13の設置位置を設定しておくこととする。この溶鋼流動パターンは、鋳造条件、即ち、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズル形状、電磁力印加条件、浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込み量などが分かれば、これらから経験的に推定することができる。
【0036】
但し、鋳造中に例えば浸漬ノズル10の内壁面へのアルミナ付着などにより、溶鋼流動パターンが変化する場合がある。このような場合には、鋳造開始時期には湯面変動量が小さい位置であっても、鋳造途中から湯面変動量の大きい位置に変化することがある。この位置に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整し続けると、局所的な湯面変動の影響を受けるために、摺動板19の開度変動量が大きくなり、湯面制御が安定しなくなる。
【0037】
これを避けるために、長辺銅板22に配置した測温素子16による鋳型銅板温度の測定データから鋳型12内の溶鋼流動パターンをリアルタイムで推定し、これに応じて摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13の配置位置を変更する、或いは別の湯面位置検出計13に切り換えて、常に湯面変動量の小さい位置に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整する。測温素子16による測定データから鋳型内の溶鋼流動パターンを推定する方法は、鋳型幅方向の鋳型銅板温度分布を求め、鋳型銅板温度が相対的に高い部位では溶鋼1の流動速度が速いことに基づき推定する。
【0038】
図2に、鋳型銅板温度の分布とその時の湯面変動量とを調査した結果を示す。鋳型銅板温度の分布は、大別すると図2に示す3種類のパターンに大別することができる。
【0039】
パターンAは、鋳片短辺の近傍に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、鋳片短辺近傍の上昇流が強い場合に現れるパターンであり、鋳造速度が速い場合や鋳片幅が狭い場合に発生しやすい。パターンAの場合には、鋳片短辺側の湯面変動量が大きくなるため、鋳型幅中央部側に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整し、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳片短辺側に配置する。
【0040】
パターンBは、鋳片幅1/4付近に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、浸漬ノズル10からの吐出流3が、鋳片短辺まで至らずに上昇流になる場合に現れるパターンであり、中庸の鋳造速度の場合や、鋳型12内に電磁力を印加して流動制御した場合などに現れやすい。パターンBの場合には、鋳片幅1/4付近の湯面変動量が大きくなるため、摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13は鋳片幅1/4付近を避け、鋳片幅の中央部側又は鋳片短辺側に配置し、一方、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳片幅1/4付近に配置する。
【0041】
パターンCは、鋳型中央部付近に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、アルミナ付着防止のために浸漬ノズル10内に吹き込む不活性ガスの流量が多い場合などの鋳型中央部で上昇量が顕著な場合に現れるパターンである。パターンCの場合には、鋳型中央部の湯面変動量が大きくなるため、摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13は鋳型中央部側を避けて鋳片短辺側に配置し、一方、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳型中央部側に配置する。
【0042】
摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13と、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13とをリアルタイムで配置替えするには、データ解析装置17の表示を監視し、それに応じて湯面位置検出計13の配置位置を変更するか、配置位置の変更のみでは対処できない場合には、鋳造制御装置14によりデータを採取する湯面位置検出計13をそれぞれ切り換えることにより行うことができる。データ解析装置17のデータを鋳造制御装置14に直接入力し、それによりこれらの配置替え又は切り換えを行うこともできる。
【0043】
このようにして溶鋼1を連続鋳造することで、局所的な湯面変動の影響を受けずに、流量制御用ノズルゲートの開度を調整することができるため、鋳型12内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定する。又、遺漏なく湯面変動を検知することができるため、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。
【0044】
尚、鋳型12内の溶鋼流動パターンをリアルタイムで推定する手段として、上記の鋳型銅板温度の分布から推定する方法以外にも、電磁力を活用した流速センサーなど幾つかの方法があり、これらを用いて溶鋼流動パターンを推定してもよい。又、上記実施の形態では、湯面位置検出計13を浸漬ノズル10の左右に2つずつ合計4つ配置しているが、浸漬ノズル10の左右に1つずつ合計2つ配置しても、或いは浸漬ノズル10の片側に2つ配置してもよい。要は、湯面変動量が相対的に小さい位置と、相対的に大きい位置に湯面位置検出計13を配置することが可能であれば、どのような配置であってもよい。
【0045】
【実施例】
図1に示す連続鋳造機を用い、厚みが250mm、幅が1600mmの鋳片を2.2m/minの鋳造速度で連続鋳造する際に本発明を適用した。
【0046】
この鋳造条件では、鋳型銅板温度のパターンはパターンAであった。渦流式距離計からなる湯面位置検出計を、鋳片短辺面から100mm離れた位置(以下「短辺側位置」と記す)と、浸漬ノズルから150mm離れた位置(以下「中央部側位置」と記す)とに配置した。この場合の短辺側位置及び中央部側位置における湯面変動量の測定結果を図3に示す。短辺側位置では、図3(a)に示すように湯面変動量は相対的に大きく、一方、中央部側位置では、図3(b)に示すように湯面変動量は相対的に小さかった。
【0047】
スライディングノズルの摺動板は中央部側位置の湯面位置検出計により制御したが、試験的に鋳造途中で短辺側位置の湯面位置検出計により制御した。この場合の摺動板開度の挙動を図4に示す。図4に示すように、中央部側位置の湯面位置検出計により摺動板の開度を制御していた期間では、摺動板の開度変化は小さく安定していたが、短辺側位置の湯面位置検出計により制御した期間では、摺動板の開度変化が激しく且つ変化幅も大きくなった。再度、中央部側位置の湯面位置検出計により制御したところ、摺動板の開度変化は少なく且つ小さくなった。尚、図4において、(1)で示す期間が、摺動板即ち流量制御用ノズルゲートの開度を短辺側位置の湯面位置検出計により制御した期間で、(2)で示す期間が中央部側位置の湯面位置検出計により制御した期間である。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、鋳型内の局所的な湯面変動の影響を受けずに、流量制御用ノズルゲートの開度を調整することができるため、鋳型内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定すると共に、遺漏なく湯面変動を検知することができるため、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。これらにより、鋳片の品質向上のみならず品質の安定化が達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスラブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図である。
【図2】鋳型銅板温度の分布と湯面変動量とを調査した結果を示す図である。
【図3】実施例における湯面変動量の測定結果を示す図で、(a)が短辺側位置、(b)が中央部側位置の測定値である。
【図4】実施例における摺動板の開度の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 溶鋼
2 凝固殻
3 吐出流
4 溶鋼湯面
5 モールドパウダー
6 タンディッシュ
7 上ノズル
8 スライディングノズル
9 往復型アクチュエーター
10 浸漬ノズル
11 吐出孔
12 鋳型
13 湯面位置検出計
14 鋳造制御装置
15 測定点
16 測温素子
17 データ解析装置
18 固定板
19 摺動板
20 整流ノズル
21 溶鋼供給流路
22 長辺銅板
23 短辺銅板
24 耐火物
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造において、タンディッシュから鋳型内に注湯される溶鋼量の制御は、オーバーフローやブレークアウトなどの操業異常のない安定操業を行う上で極めて重要な技術である。一般には、鋳型内の溶鋼湯面位置を目視又は湯面位置検出計によって検知し、溶鋼湯面位置が概略一定位置になるように、スライディングノズルやストッパーなどの流量制御用ノズルゲートの開度を調整している。
【0003】
又、この注湯溶鋼量の制御により生ずる、鋳型内の溶鋼湯面の変動は、鋳造される鋳片の品質に極めて重要な影響を及ぼしている。即ち、湯面変動量が大きい場合には、鋳型内溶鋼の湯面上に添加しているモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれ、品質欠陥となる可能性が極めて高くなる。このように、タンディッシュから鋳型内に注湯される溶鋼量の制御は、安定操業のみならず品質面からも重要な技術である。
【0004】
従って、例えば渦流式距離計のような湯面位置検出計を鋳型内に配置し、この湯面位置検出計による湯面位置変動量に応じて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整したり、又、湯面変動量が大きい部位の鋳片は鋳片表面手入れを強化するなどの品質対策が実施されてきた。
【0005】
しかしながら、従来、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と、湯面変動量の大小から鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とを、1つの湯面位置検出計が兼ねており、その設置位置も鋳片サイズなどによらずに固定された位置に設置されていた。又、鋳型内に2個以上の湯面位置検出計を配置する場合もあるが、例えば特開昭62−197255号公報のように、個々の湯面位置検出計による溶鋼湯面レベルの差から溶鋼の偏流を推定したり、特開平4−59160号公報のように、各々の湯面位置検出計による検出値の和の平均値により流量制御用ノズルゲートの開度を制御しており、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と、鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とを明確に区別して設置していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、湯面位置検出計が或る一箇所に固定されて配置された場合や、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する湯面位置検出計と鋳片の品質を判定する湯面位置検出計とが兼ね備えられている場合には、以下の問題点が生じる。
【0007】
即ち、鋳型内の溶鋼湯面の状態及び形状は、鋳型内溶鋼流動パターンの影響を強く受ける。例えば、溶鋼湯面に対して上下方向の流動が存在する位置、特に上昇流が存在する位置では、溶鋼湯面の状態が活性化して、湯面変動量が大きくなる傾向がある。これに対して、溶鋼湯面直下に水平方向の流れが存在する位置や、ほぼ滞留しているような位置では、湯面変動量は小さくなる傾向がある。
【0008】
このように、溶鋼流動パターンが変化すると湯面変動の発生状況が変化する。そして、この溶鋼流動パターンは、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズルの形状などによって変化するのみならず、流動制御の目的で印加される電磁力や、浸漬ノズルのアルミナによる閉塞を防止する目的で浸漬ノズル内に吹き込まれる不活性ガスの流量によっても大きな影響を受ける。
【0009】
湯面変動量が大きい場合には、前述したようにモールドパウダーの巻き込みなどの可能性が高くなるので、その位置を何らかの手段、例えば鋳造開始からの長さや鋳片番号などで識別し、その部位の鋳片表面手入れを行うとか、或るいは圧延後の鋼板検査を強化するとかの対応が必要になる。従って、湯面変動が発生した場合には、遺漏なくそれを検知し、このような対策に結び付けなければならない。
【0010】
しかし、湯面位置検出計が溶鋼流動パターンの変化によらずに一定位置に配置されていると、その配置位置が湯面変動の発生しやすい位置から離れている場合には、湯面変動が発生しても、それを的確に検知することができず、鋳片の品質を保証できなくなる。一方、湯面位置検出計の設置位置が湯面変動量の大きい位置と一致した場合には、この湯面変動に対応して流量制御用ノズルゲートの開度変化量が大きくなり、湯面変動量を更に拡大する可能性もある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳型内の湯面変動による鋳片の品質評価を正確に行うことができると共に、鋳型内の湯面変動量を抑えることができる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、流量制御用ノズルゲートの開度を制御する目的で設置する湯面位置検出計は、局所的な湯面変動などのない、平均的な湯面位置を示す位置に配置するのが望ましく、一方、モールドパウダーの巻き込みなどの品質欠陥につながる現象を的確に捉えるために設置する湯面位置検出計は、湯面が活性化している位置に配置することが望ましいとの知見が得られた。
【0013】
本発明はこの知見に基づきなされたもので、第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、鋳型内の溶鋼湯面位置を検知し、検知した溶鋼湯面位置に応じて、タンディッシュから鋳型への溶鋼供給流路に設置した流量制御用ノズルゲートの開度を調整しつつタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注湯する、鋼の連続鋳造方法であって、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計を配置し、その内の湯面変動量が相対的に小さい位置に配置した湯面位置検出計による検出値によって前記流量制御用ノズルゲートの開度を調整し、これ以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を判定することを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計を、湯面変動量が相対的に大きい位置に配置することを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1又は第2の発明において、湯面位置検出計の配置位置を、鋳型内の溶鋼流動パターンに応じて変更することを特徴とするものである。
【0016】
第4の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第3の発明において、鋳造中に鋳型内の溶鋼流動パターンを推定し、推定した溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置を変更することを特徴とするものである。
【0017】
第5の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第4の発明において、鋳型内の溶鋼流動パターンを、鋳型銅板の溶鋼湯面位置近傍の幅方向に配置した複数の温度測定センサーによる鋳型銅板温度の測定データに基づいて推定することを特徴とするものである。
【0018】
第6の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第5の発明において、鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上を避けて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整するための湯面位置検出計を配置することを特徴とするものである。
【0019】
第7の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第5又は第6の発明において、鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計の少なくても1つを配置することを特徴とするものである。
【0020】
本発明では、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計を配置し、その内の湯面変動量の小さい位置に配置した湯面位置検出計を流量制御用ノズルゲートの開度調整用として使用し、これ以外の湯面位置検出計を鋳片の品質管理用として使用する。このように、湯面変動量の小さい位置の検出データにより流量制御用ノズルゲートの開度を調整するため、局所的な湯面変動に影響されずに開度調整を行うことができる。その結果、流量制御用ノズルゲート開度の変動が少なくなり、鋳型内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定する。又、この湯面位置検出計以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を管理するため、遺漏なく湯面変動を検知することができる。特に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計を、湯面変動量が相対的に大きい位置に配置することにより、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。
【0021】
鋳型内の溶鋼湯面の形状は溶鋼流動パターンにより変化するため、湯面変動量の小さい位置及び大きい位置も溶鋼流動パターンに応じて変化する。従って、溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置を変更する。この溶鋼流動パターンは、鋳造条件、即ち、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズル形状、電磁力印加条件、浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込み量などが分かれば、これらから経験的に推定することができる。
【0022】
更に、鋳型銅板温度の溶鋼湯面位置近傍の鋳型幅方向の温度分布からも溶鋼流動パターンを推定することができる。これは、溶鋼流動が活性化している部位では溶鋼流速の効果によって溶鋼から凝固殻への熱流束が大きく、その部分の鋳型銅板温度が高くなり、一方、溶鋼流動が沈静化している部位では溶鋼から凝固殻への熱流束が小さく、その部分の鋳型銅板温度が低くなることによる。又、溶鋼の流動速度が速い部位では、浸漬ノズルから吐出される温度の高い溶鋼で常に更新されるためでもある。
【0023】
鋳型銅板温度の測定データにより溶鋼流動パターンを推定し、推定した溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置をリアルタイムで変更することにより、的確な湯面変動制御並びに鋳片品質保証が可能になる。
【0024】
具体的には、鋳型幅方向で鋳型銅板温度の高い位置に該当する溶鋼湯面位置を避けて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整するための湯面位置検出計を配置することによって、局所的な湯面変動に影響されることなく溶鋼流量の適正な制御が可能になる。
【0025】
又、鋳型幅方向で鋳型銅板温度の高い位置に該当する溶鋼湯面位置に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計の少なくても1つを配置することによって、湯面変動を的確に捉え、例えば当該鋳片の表面手入れの強化などの鋳片品質保証のための対策を講じることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明を実施したスラブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図である。
【0027】
図1において、相対する長辺銅板22と、この長辺銅板22内に内装された相対する短辺銅板23とを具備した鋳型12の上方所定位置には、外郭を鉄皮(図示せず)で覆われ、内部を耐火物24で施行されたタンディッシュ6が配置されている。このタンディッシュ6の底部には、耐火物24に嵌合する上ノズル7が設置され、この上ノズル7の下面に接して、固定板18、摺動板19及び整流ノズル20からなるスライディングノズル8が配置され、更に、スライディングノズル8の下面に接して、下部に一対の吐出孔11を有する浸漬ノズル10が配置され、タンディッシュ6から鋳型12への溶鋼供給流路21が形成されている。
【0028】
摺動板19は、往復型アクチュエーター9と接続されており、往復型アクチュエーター9の作動によって固定板18と接触したまま移動し、固定板18と摺動板19とで形成する開口部面積を調整することによって溶鋼供給流路21を通過する溶鋼量が制御される。即ち、このような上ノズル7、スライディングノズル8及び浸漬ノズル10から構成される溶鋼供給装置においては、摺動板19が溶鋼注湯量を調整する流量制御用ノズルゲートの役割を果たしている。
【0029】
鋳型12内の溶鋼湯面4上には、複数の湯面位置検出計13が設置され、これらの湯面位置検出計13の測定データは鋳造制御装置14に入力されている。湯面位置検出計13は、鋳型幅方向の任意の位置に配置できるように支持装置(図示せず)により支持されている。湯面位置検出計13としては、渦流式距離計などを用いることができる。
【0030】
鋳造制御装置14と往復型アクチュエーター9とは電気的につながっており、鋳造制御装置14は、湯面位置検出計13の測定データに基づいて往復型アクチュエーター9の作動を制御している。但し、詳しくは後述するように、鋳型銅板温度の高い位置を避けて配置した湯面位置検出計13の測定データに基づいて、往復型アクチュエーター9の作動を制御している。又、鋳造制御装置14は、湯面位置検出計13の測定データに基づいて鋳片の品質を監視している。
【0031】
長辺銅板22の背面には、鋳型12内の溶鋼湯面4の近傍に長辺銅板22の幅方向に沿って複数の孔が設けられ、長辺銅板22の温度を測定する測定点15となっている。各測定点15には測温素子16が、その先端を長辺銅板22に接して配置されている。測温素子16の測定データは零点補償器(図示せず)により温度補償された後、データ解析装置17に入力され、データ処理が施されている。測温接点となる測温素子16の先端が冷却水により直接冷却されないように、測定点15はシール材(図示せず)により鋳型用冷却水からシールされている。測温素子16としては熱電対や抵抗測温体などを用いることができる。
【0032】
このような構成の連続鋳造機において本発明に係る連続鋳造方法を以下のようにして実施する。
【0033】
先ず、取鍋(図示せず)からタンディッシュ6内に溶鋼1を注湯し、次いで、タンディッシュ6内の溶鋼1を、溶鋼供給流路21を経由させ、鋳型12内の溶鋼1に浸漬された吐出孔11より、吐出流3を短辺銅板23に向けて鋳型12内に注湯する。溶鋼1は鋳型12内で冷却されて凝固殻2を形成し、鋳型12の下方に引き抜かれ鋳片となる。鋳型12内の溶鋼湯面4上にはモールドパウダー5を添加する。
【0034】
このようにして溶鋼1を連続鋳造する際に、鋳型12内の溶鋼湯面4の変動量の小さい位置に配置した湯面位置検出計13による検出値によって、往復型アクチュエーター9を制御して摺動板19の開度を調整する。その他の湯面位置検出計13による湯面変動量の測定値により鋳片の品質を判定する。この鋳片品質の判定方法は、例えば湯面変動量に或る境界値を設定し、この変動量を越えた場合に、その鋳片の表面手入れを強化するなどにより行うことができる。この場合、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計13の少なくとも1つは湯面変動量が大きい位置に配置することが好ましい。
【0035】
鋳型12内の湯面変動状況は、鋳型12内の溶鋼流動パターンによって変化するため、予め溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計13の設置位置を設定しておくこととする。この溶鋼流動パターンは、鋳造条件、即ち、鋳造速度、鋳片断面サイズ、浸漬ノズル形状、電磁力印加条件、浸漬ノズル内への不活性ガス吹き込み量などが分かれば、これらから経験的に推定することができる。
【0036】
但し、鋳造中に例えば浸漬ノズル10の内壁面へのアルミナ付着などにより、溶鋼流動パターンが変化する場合がある。このような場合には、鋳造開始時期には湯面変動量が小さい位置であっても、鋳造途中から湯面変動量の大きい位置に変化することがある。この位置に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整し続けると、局所的な湯面変動の影響を受けるために、摺動板19の開度変動量が大きくなり、湯面制御が安定しなくなる。
【0037】
これを避けるために、長辺銅板22に配置した測温素子16による鋳型銅板温度の測定データから鋳型12内の溶鋼流動パターンをリアルタイムで推定し、これに応じて摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13の配置位置を変更する、或いは別の湯面位置検出計13に切り換えて、常に湯面変動量の小さい位置に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整する。測温素子16による測定データから鋳型内の溶鋼流動パターンを推定する方法は、鋳型幅方向の鋳型銅板温度分布を求め、鋳型銅板温度が相対的に高い部位では溶鋼1の流動速度が速いことに基づき推定する。
【0038】
図2に、鋳型銅板温度の分布とその時の湯面変動量とを調査した結果を示す。鋳型銅板温度の分布は、大別すると図2に示す3種類のパターンに大別することができる。
【0039】
パターンAは、鋳片短辺の近傍に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、鋳片短辺近傍の上昇流が強い場合に現れるパターンであり、鋳造速度が速い場合や鋳片幅が狭い場合に発生しやすい。パターンAの場合には、鋳片短辺側の湯面変動量が大きくなるため、鋳型幅中央部側に設置した湯面位置検出計13により摺動板19の開度を調整し、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳片短辺側に配置する。
【0040】
パターンBは、鋳片幅1/4付近に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、浸漬ノズル10からの吐出流3が、鋳片短辺まで至らずに上昇流になる場合に現れるパターンであり、中庸の鋳造速度の場合や、鋳型12内に電磁力を印加して流動制御した場合などに現れやすい。パターンBの場合には、鋳片幅1/4付近の湯面変動量が大きくなるため、摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13は鋳片幅1/4付近を避け、鋳片幅の中央部側又は鋳片短辺側に配置し、一方、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳片幅1/4付近に配置する。
【0041】
パターンCは、鋳型中央部付近に温度の高い位置が見られるパターンである。これは、アルミナ付着防止のために浸漬ノズル10内に吹き込む不活性ガスの流量が多い場合などの鋳型中央部で上昇量が顕著な場合に現れるパターンである。パターンCの場合には、鋳型中央部の湯面変動量が大きくなるため、摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13は鋳型中央部側を避けて鋳片短辺側に配置し、一方、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13は鋳型中央部側に配置する。
【0042】
摺動板19の開度を調整するための湯面位置検出計13と、鋳片品質を管理するための湯面位置検出計13とをリアルタイムで配置替えするには、データ解析装置17の表示を監視し、それに応じて湯面位置検出計13の配置位置を変更するか、配置位置の変更のみでは対処できない場合には、鋳造制御装置14によりデータを採取する湯面位置検出計13をそれぞれ切り換えることにより行うことができる。データ解析装置17のデータを鋳造制御装置14に直接入力し、それによりこれらの配置替え又は切り換えを行うこともできる。
【0043】
このようにして溶鋼1を連続鋳造することで、局所的な湯面変動の影響を受けずに、流量制御用ノズルゲートの開度を調整することができるため、鋳型12内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定する。又、遺漏なく湯面変動を検知することができるため、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。
【0044】
尚、鋳型12内の溶鋼流動パターンをリアルタイムで推定する手段として、上記の鋳型銅板温度の分布から推定する方法以外にも、電磁力を活用した流速センサーなど幾つかの方法があり、これらを用いて溶鋼流動パターンを推定してもよい。又、上記実施の形態では、湯面位置検出計13を浸漬ノズル10の左右に2つずつ合計4つ配置しているが、浸漬ノズル10の左右に1つずつ合計2つ配置しても、或いは浸漬ノズル10の片側に2つ配置してもよい。要は、湯面変動量が相対的に小さい位置と、相対的に大きい位置に湯面位置検出計13を配置することが可能であれば、どのような配置であってもよい。
【0045】
【実施例】
図1に示す連続鋳造機を用い、厚みが250mm、幅が1600mmの鋳片を2.2m/minの鋳造速度で連続鋳造する際に本発明を適用した。
【0046】
この鋳造条件では、鋳型銅板温度のパターンはパターンAであった。渦流式距離計からなる湯面位置検出計を、鋳片短辺面から100mm離れた位置(以下「短辺側位置」と記す)と、浸漬ノズルから150mm離れた位置(以下「中央部側位置」と記す)とに配置した。この場合の短辺側位置及び中央部側位置における湯面変動量の測定結果を図3に示す。短辺側位置では、図3(a)に示すように湯面変動量は相対的に大きく、一方、中央部側位置では、図3(b)に示すように湯面変動量は相対的に小さかった。
【0047】
スライディングノズルの摺動板は中央部側位置の湯面位置検出計により制御したが、試験的に鋳造途中で短辺側位置の湯面位置検出計により制御した。この場合の摺動板開度の挙動を図4に示す。図4に示すように、中央部側位置の湯面位置検出計により摺動板の開度を制御していた期間では、摺動板の開度変化は小さく安定していたが、短辺側位置の湯面位置検出計により制御した期間では、摺動板の開度変化が激しく且つ変化幅も大きくなった。再度、中央部側位置の湯面位置検出計により制御したところ、摺動板の開度変化は少なく且つ小さくなった。尚、図4において、(1)で示す期間が、摺動板即ち流量制御用ノズルゲートの開度を短辺側位置の湯面位置検出計により制御した期間で、(2)で示す期間が中央部側位置の湯面位置検出計により制御した期間である。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、鋳型内の局所的な湯面変動の影響を受けずに、流量制御用ノズルゲートの開度を調整することができるため、鋳型内の溶鋼湯面位置が一定となり且つ安定すると共に、遺漏なく湯面変動を検知することができるため、鋳片の品質評価を正確に行うことができる。これらにより、鋳片の品質向上のみならず品質の安定化が達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスラブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図である。
【図2】鋳型銅板温度の分布と湯面変動量とを調査した結果を示す図である。
【図3】実施例における湯面変動量の測定結果を示す図で、(a)が短辺側位置、(b)が中央部側位置の測定値である。
【図4】実施例における摺動板の開度の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 溶鋼
2 凝固殻
3 吐出流
4 溶鋼湯面
5 モールドパウダー
6 タンディッシュ
7 上ノズル
8 スライディングノズル
9 往復型アクチュエーター
10 浸漬ノズル
11 吐出孔
12 鋳型
13 湯面位置検出計
14 鋳造制御装置
15 測定点
16 測温素子
17 データ解析装置
18 固定板
19 摺動板
20 整流ノズル
21 溶鋼供給流路
22 長辺銅板
23 短辺銅板
24 耐火物
Claims (7)
- 鋳型内の溶鋼湯面位置を検知し、検知した溶鋼湯面位置に応じて、タンディッシュから鋳型への溶鋼供給流路に設置した流量制御用ノズルゲートの開度を調整しつつタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注湯する、鋼の連続鋳造方法であって、1つの鋳型に2つ以上の湯面位置検出計を配置し、その内の湯面変動量が相対的に小さい位置に配置した湯面位置検出計による検出値によって前記流量制御用ノズルゲートの開度を調整し、これ以外の湯面位置検出計による検出値によって鋳片の品質を判定することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
- 鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計を、湯面変動量が相対的に大きい位置に配置することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
- 湯面位置検出計の配置位置を、鋳型内の溶鋼流動パターンに応じて変更することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
- 鋳造中に鋳型内の溶鋼流動パターンを推定し、推定した溶鋼流動パターンに応じて湯面位置検出計の配置位置を変更することを特徴とする、請求項3に記載の鋼の連続鋳造方法。
- 鋳型内の溶鋼流動パターンを、鋳型銅板の溶鋼湯面位置近傍の幅方向に配置した複数の温度測定センサーによる鋳型銅板温度の測定データに基づいて推定することを特徴とする、請求項4に記載の鋼の連続鋳造方法。
- 鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上を避けて、流量制御用ノズルゲートの開度を調整するための湯面位置検出計を配置することを特徴とする、請求項5に記載の鋼の連続鋳造方法。
- 鋳型幅方向における溶鋼湯面位置近傍の鋳型銅板温度の最も高い位置に該当する溶鋼湯面の直上に、鋳片の品質を判定するための湯面位置検出計の少なくても1つを配置することを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の鋼の連続鋳造方法。
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