JP2007098456A - スラブの連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳型内における湯面高さを渦流式センサにより精度良く測定可能な連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】鋳型内の溶鋼湯面高さを測定するための渦流式センサ30をタンディッシュ1に取付け、測定された当該溶鋼湯面高さに応じて前記タンディッシュ1から前記鋳型3への溶鋼注湯量を調節する連続鋳造方法において、前記渦流式センサ30の中心軸の、前記鋳型3の幅方向中央からの距離R[mm]を、下記式(1)を満足するように調節する。
D/2+120≦R≦(W0.55−Vc0.9×W0.05)+235・・・(1)
ただし、変数Dは前記浸漬ノズル2を前記タンディッシュ1に連結するための受金物22の外径[mm]である。
【選択図】図1

Description

本発明は、スラブの連続鋳造方法に関する。
一般的な連続鋳造設備において鋳型内の溶鋼湯面(メニスカス)は、タンディッシュからの溶鋼流量を制御することによって、その高さが一定に維持されるようになっている。前記溶鋼流量は具体的に、タンディッシュに取り付けられた渦流式センサによって測定された湯面高さ(の変動)に基づいて制御されるようになっている。従って、湯面高さの変動を抑制するためには、渦流式センサの測定精度が良好であることが望ましい。
ところで、通常の操業では、一の鋳型に対して複数(例えば、9つ)のタンディッシュが交互に用いられるようになっている。そして前記渦流式センサは、当該鋳型にセットされたタンディッシュに逐次取り付けられるようになっている。
しかし、タンディッシュは、繰返し使用していくにつれて溶鋼熱により熱変形してしまうものであり、その変形量は±30mmにまで及ぶ。つまり、タンディッシュが交換される毎に前記渦流式センサは熱変形量の異なるタンディッシュに取り付けられるようになっているのである。その結果、溶鋼注湯用の浸漬ノズルを保持する鋳鉄製の受金物の側面と前記渦流式センサの側面との距離はタンディッシュを交換する毎にばらつき、そのバラツキ量は60〜120mm程度となっている。一方、渦流式センサは前記受金物に接近すると、その測定精度が極端に低下することが知られている。
こうなるともはや溶鋼湯面高さを一定に維持できず、湯面変動(例えば10mm超の上下動)が生じてしまうし、その結果、溶鋼湯面に添加されている保温用パウダーがスラブの凝固殻と鋳型との間に噛み込む可能性がある。
実際の事例として、当該パウダーの噛み込みが原因と考えられる凹み疵がスラブの側面に散見されており、係る場合はホットスカーフ(スラブの表面溶削)による補修が必要とされている。しかも、噛み込まれた当該パウダーの塊が大きいと、鋳型内においてスラブに局所的な凝固遅れが発生し、ブレークアウト(スラブからの溶鋼漏れ)の原因となり得る。
そこで特許文献1は、連続鋳造中に、鋳型内のArガス浮上位置を検出することを目的として、渦流式レベル計の配置を開示する。具体的には当該渦流式レベル計の鋳型中央からの距離を180mm(浸漬ノズル近傍)、500mm(鋳型幅の1/4付近)、900mm(鋳型短辺近傍)とする実施例が記載されている。
特開平10−5957号公報(渦流式センサの配置に関して、段落0047)
しかし、上記特許文献1に記載の渦流式レベル計の配設位置においては、反転流による湯面変動が大きい(10mm超)ので、Arガスの浮上位置は検出できても、湯面高さの測定精度は期待できない。
本発明は係る諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、鋳型内における溶鋼湯面高さを渦流式センサにより精度良く測定可能な連続鋳造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
鋳型内の溶鋼湯面高さを測定するための渦流式センサをタンディッシュに取付け、測定された当該溶鋼湯面高さに応じて前記タンディッシュから前記鋳型への溶鋼注湯量を調節する連続鋳造方法を以下のように規定する。
前記鋳型の鋳型上部幅(W:[mm])を2000[mm]以下とする。 鋳造速度(Vc:[m/min])を1.0[m/min]以上とする。前記タンディッシュに設けられる溶鋼注湯用の浸漬ノズルを前記鋳型の幅方向略中央に配置する。前記渦流式センサの中心軸の、前記鋳型の幅方向中央からの距離R[mm]を、下記式(1)を満足するように調節する。
D/2+120≦R≦(W0.55−Vc0.9×W0.05)+235・・・(1)
ただし、変数Dは前記浸漬ノズルを前記タンディッシュに連結するための受金物の外径[mm]であり、上記式(1)の左辺は前記渦流式センサの中心軸と当該受金物の側面との最短距離を120[mm]以上とすることを表す(図1参照)。
これにより、前記渦流式センサの測定精度を良好にできる。その結果、溶鋼湯面の変動を抑制できる。従って、例えば鋳型内の溶鋼湯面にパウダーが添加されている場合(図1参照)でも、当該パウダーの噛み込みは防止されるから、凹み疵のない、優れた表面品質のスラブを鋳造できる。
前記渦流式センサを前記タンディッシュに取り付けるためのアーム状のセンサ保持具に、水平方向に折曲する水平取付部を設け、前記タンディッシュに、前記センサ保持具の前記水平取付部が挿入可能な取付孔を有するセンサ保持具取付台を個別に設け、前記距離Rは、前記取付孔に対する前記水平取付部の挿入深さを増減させることにより調節することが好ましい。
これにより、複数のタンディッシュのうち何れのものに前記渦流式センサを取り付けたとしても、それらの熱変形の程度に関わらず、前記距離Rを問題なく調節できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態における連続鋳造設備の部分断面図である。
図1に示すように本実施形態における連続鋳造設備100は、図略の取鍋内において還元精練された溶鋼を一時的に保持するタンディッシュ1と、当該タンディッシュ1から浸漬ノズル2を介して注湯される溶鋼を所定形状に凝固させるための鋳型3と、を備えている。当該鋳型3内に注湯された溶鋼は、鋳型3の内壁面に冷却されて徐々に凝固殻を形成しながら本図紙面下方へ向かって連続的に引き出され、これによりスラブが鋳造されるようになっている。
なお本図に現されている鋳型3の断面は当該鋳型3の短辺側の壁(短辺壁3a)の断面であり、本図紙面における左右方向はスラブの長辺と平行である。本図符号Wは鋳型3の鋳型上部幅を示し、本実施形態における連続鋳造方法は当該鋳型上部幅Wが2000mm以下であって、鋳造速度Vcが1.0m/min以上であるものを対象としている。
本実施形態において前記の鋳型3は、鋳型幅(スラブ幅)を変更可能に構成されている。具体的には前記短辺壁3aが図略の鋳型幅変更手段により紙面左右方向(本図矢印X方向)に移動可能となっている。また、当該短辺壁3aは、点P・Pまわりに若干回転可能(本図矢印Y方向)に構成されている。
前述した「鋳型上部幅W」は具体的に、上記の点P・P間距離のことである。
前記のタンディッシュ1は、耐火物10と当該耐火物10の外側に覆設される鉄皮11とからなる積層構造となっている。タンディッシュ1の底部には、溶鋼を排出するための略鼓状の排出孔12が形成されている。
前記排出孔12には、溶鋼の流れを案内する注湯ノズル20が下方より挿入されている。この注湯ノズル20は、上注湯ノズルと下注湯ノズルから構成されており、当該上注湯ノズルのみが前記の排出孔12に挿入され固着されている。
上注湯ノズルと下注湯ノズルとの間には、溶鋼流量を調節可能なスライドバルブ21が介装されている。当該スライドバルブ21も、上スライドバルブと下スライドバルブから構成されており、前記の上注湯ノズルと下注湯ノズルに夫々固着されている。
そして、前記の下注湯ノズルと下スライドバルブとが一体となって左右方向(本図矢印Z方向)へ移動することにより、タンディッシュ1からの溶鋼流量を調節できるようになっている。なお、下スライドバルブには、当該下スライドバルブ等を左右方向へ移動させるための図略のバルブ制御手段が設けられている。
前記の下注湯ノズルの下側には、前記鋳型3の溶鋼内に下端が浸漬される前記の浸漬ノズル2が鋳鉄製の受金物22を介して連結されている。
前記の浸漬ノズル2は、前記受金物22とは異なり、Al23・SiO2・Cを主原料とする耐火物により形成されている。当該浸漬ノズル2は、本図の如く鋳型3の長辺(幅)方向略中央に且つ短辺方向(紙面を垂直に貫く方向)略中央に配置されるようになっている。
この浸漬ノズル2の下端部には、注湯される溶鋼が適宜の反転流(本図矢印C)を生じさせるように下向き斜めの溶鋼吐出孔2aが2つ開孔されている。当該反転流の作用により、鋳型3内の溶鋼湯面のうち短辺壁3a近傍は、浸漬ノズル2の近傍(鋳型3の幅方向中央)よりも大きく揺動することとなる。言い換えれば、当該短辺壁3a近傍では、湯面変動量が鋳型3の幅方向中央と比較して大きく、例えば10mm超の変動幅となっている。
前記の受金物22は、溶鋼熱による変形を抑制するために鋳鉄製となっている。そのため、当該受金物22は磁性を有している。当該受金物22は、前述の如く前記浸漬ノズル2を前記タンディッシュ1に連結するためのものであって、前記下注湯ノズルと浸漬ノズル2の両方に外嵌可能な段付き円筒状に形成されている。
受金物22の外周側面には水平方向に延びる図略のアームが複数突設されており、前記タンディッシュ1には当該アームを介して受金物22を上方へ強力に押し上げる図略の空気シリンダが設けられている。これにより、前記注湯ノズル20の下注湯ノズルの下端面と、浸漬ノズル2の上端面とが強力に密着するようになっている。
前記のスライドバルブ21及び注湯ノズル20の下注湯ノズル、受金物22の下注湯ノズルに対する外嵌部22a(受金物22の上端部)を覆うように鎖線で略示するハウジング23が前記タンディッシュ1に設けられている。
前記のタンディッシュ1の側壁には、前記鋳型3内の溶鋼湯面高さを測定するための渦流式センサ30が、複数箇所屈曲されたアーム状のセンサ保持具31を介して取り付けられている。当該センサ保持具31のタンディッシュ1側端部には水平状に折曲される水平取付部31aが形成されている。
上記取付けは具体的に以下の通りである。
即ち、前記のタンディッシュ1の側壁には、センサ保持具31の当該水平取付部31aが挿入可能な取付孔41が開孔されたセンサ保持具取付台40が設けられている。そして、当該水平取付部31aが取付孔41内に適宜の深さまで挿入され固定ボルト42により固定されることによって、前記の渦流式センサ30はタンディッシュ1に固定されるようになっているのである。
なお、水平取付部31aの挿入深さを適宜に増減できるようになっているので、前記渦流式センサ30の鋳型幅中央からの距離Rを自由に調節できるようになっている。本実施形態において当該距離Rの調節幅は最大100mmとなっている。
次に、前記の渦流式センサ30の配置に関して詳細に説明する。
〔鉛直方向〕
鉛直方向において前記渦流式センサ30は、本図に示すように溶鋼湯面から適宜の距離(例えば、100mm)だけ離れて配置されている。この距離は、渦流式センサ30の性能に応じて適宜に決められる。
なお、当該渦流式センサ30は、高周波磁界を利用した公知の渦電流式変位センサであり、磁性のある物体(被測定対象を除く。)が当該渦流式センサ30の近傍に配置されていると、渦流式センサ30の測定精度が大幅に低下することが知られている。
〔水平方向(鋳型幅方向)〕
水平方向(鋳型幅方向)において前記渦流式センサ30は、本図に示すように前記鋳型3の鋳型上部幅W中央から距離R[mm]だけ離れて配置されている。より具体的に前記渦流式センサ30の中心軸の、前記鋳型3の幅方向中央からの距離R[mm]は、下記式(1)を満足するように調節されている。
D/2+120≦R≦(W0.55−Vc0.9×W0.05)+235・・・(1)
ただし、変数Dは前記浸漬ノズル2を前記タンディッシュ1に連結するための前記受金物22の外径[mm]であり、上記式(1)の左辺は前記渦流式センサ30の中心軸と当該受金物22の側面との最短距離が120[mm]以上であることを表す(図1参照)。
なお、当該渦流式センサ30は前述したように本図矢印E方向に移動可能となっている。
〔水平方向(スラブ厚み方向)〕
水平方向(スラブ厚み方向)において前記渦流式センサ30は、前記鋳型3の短辺方向略中央に配置されている。
そして、上記の渦流式センサ30により測定された溶鋼湯面高さ(の変動)に応じて、前記タンディッシュ1から前記鋳型3への溶鋼流量が調節されるようになっている。より具体的には、当該渦流式センサ30による測定結果が前述したバルブ制御手段に所定時間間隔で入力され、当該バルブ制御手段が当該入力データに基づいて前記下スライドバルブ等を適宜に制御することにより、溶鋼湯面高さを一定に維持するように前記溶鋼流量は調節される。
次に、上記式(1)を導出した過程を説明する。
本発明の発明者は、前記渦流式センサ30の測定誤差の原因を調査すべく、鋳型上部幅Wと前記距離Rを変化させつつ鋳型3内の溶鋼湯面高さを測定した。その結果を図2に示す。図2は、鋳型幅方向における前記渦流式センサ30の鋳型上部幅中央からの距離Rと、当該渦流式センサ30の測定誤差Δdとの関係を示す図である。なお当該測定誤差Δdは、渦流式センサ30による測定データと目盛が付された長尺部材による実測値との差の絶対値である。
本図より、前記距離Rが約250mmを下回ると、測定誤差Δdが急激に増大する傾向があることが判る。これは、前記渦流式センサ30が磁性体の前記受金物22に接近し過ぎた結果、当該渦流式センサ30の測定機能が正常に発揮されなかったためだと考えられる(図1も併せて参照)。
従って、渦流式センサ30の測定誤差Δdを低減するには、当該渦流式センサ30を前記受金物22から十分に離間させる必要があるといえる。言い換えれば、前記距離Rの下限値を適宜に定める必要がある。
また、本図より、前記距離Rが約250mmを上回ると、この場合も、測定誤差Δdが増大する傾向があることが判る。これは、渦流式センサ30が測定対象とした湯面領域が、前述の反転流により上下動していたためだと考えられる(図1も併せて参照)。
従って、渦流式センサ30の測定誤差Δdを低減するには、当該渦流式センサ30を前記短辺壁3aから十分に離間させる必要があるといえる。言い換えれば、前記距離Rの上限値を適宜に定める必要がある。
次に、本発明の発明者は、スラブ側面の凹み疵を防止する観点から、前記渦流式センサ30の測定誤差Δdをどの程度抑制すべきかを調査するための試験を行った。その結果を図3に示す。図3は、前記渦流式センサ30の測定誤差Δdとスラブ側面に発生した凹み疵の個数との関係を示す図である。なお、上記の凹み疵は、スラブ側面に発生した10mm四方以上の疵であって、深さが5mm以上のものと定義する。
本図より、前記渦流式センサ30の測定誤差Δdを4mm以下とすれば、スラブ側面の凹み疵を防止できることが判る。これは、溶鋼湯面変動が抑制されたことで、溶鋼湯面に添加されたパウダーの、凝固殻と鋳型3の内壁面との間への噛み込みが防止できたからだと考えられる。なお、測定誤差Δdが小さければ溶鋼湯面変動を抑制でき得るのは前述した通りである。
以上の検討により、スラブ側面の凹み疵を防止するためには、前記距離Rを235mm以上約285mm以下とすればよいことが判る。
上記距離Rの下限値(235mm)は、当然受金物22の外径の大小に関連するものであるから、当該外径を変数として一般化することが好ましい。上記の各調査において用いられた受金物22の外径は230mmだったので、当該外径を変数Dとし、上記式(1)の如く表現したのである。
一方、上記距離Rの上限値(約285mm)は、受金物22の外径の大小には関連するものではないが、鋳型上部幅Wや鋳造速度Vcの大小によって若干変動するものであったので、当該鋳型上部幅W及び鋳造速度Vcを用いて上記式(1)の如く一般化した。
〔実施例〕
次に、本実施形態における連続鋳造方法の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。表1は各試験条件とその結果、及び式(1)との関係を示し、図4は表1において鋳造速度Vcが(a)1.0m/min又は(b)2.0m/minの試験結果をグラフで示す図である。
なお、本試験に用いられた渦流式センサ30は、ニレコ製ECLM−620の60型検出機である。当該渦流式センサ30の特徴は以下の通りである。
・寸法:外径60φ×長さ149mm
・測定範囲:0〜150mm
・冷却方式:(正常)空気冷却
・流量:400NL/min以上
・圧力:1.3〜1.5kgf/cm2
Figure 2007098456
上記表1より、測定誤差Δdが4mmを上回る(凹み疵が発生する)結果となった試験は何れも上記式(1)を満足していないことが判る。一方、上記式(1)を満足する試験は何れも測定誤差Δdが4mmを下回る(凹み疵が発生しない)結果となったことが判る。
また、上記式(1)で規定される距離Rの範囲は、図4に示す如く鋳造速度Vcが大きくなるにつれて、若干狭くなるようにした。これは、鋳造速度Vcが大きければ必然的にタンディッシュ1からの溶鋼注湯量も増加し、これに伴い前述した溶鋼の反転流の程度も激しくなるので、湯面高さの測定に適する穏やかな(具体的には10mm以下の湯面変動幅)溶鋼湯面領域が狭くなるからである。
以上説明したように本実施形態における連続鋳造方法は、鋳型3内の溶鋼湯面高さを測定するための渦流式センサ30をタンディッシュ1に取付け、測定された当該溶鋼湯面高さに応じて前記タンディッシュ1から前記鋳型3への溶鋼注湯量を調節する。この際、前記鋳型3の鋳型上部幅(W:[mm])は2000[mm]以下とし、鋳造速度(Vc:[m/min])は1.0[m/min]以上とする。また、前記タンディッシュ1に設けられる溶鋼注湯用の浸漬ノズル2を前記鋳型3の幅方向略中央に配置し、前記渦流式センサ30の中心軸の、前記鋳型3の幅方向中央からの距離R[mm]を、下記式(1)を満足するように調節する。
D/2+120≦R≦(W0.55−Vc0.9×W0.05)+235・・・(1)
ただし、変数Dは前記浸漬ノズル2を前記タンディッシュ1に連結するための前記受金物22の外径[mm]であり、上記式(1)の左辺は前記渦流式センサ30の中心軸と当該受金物22の側面との最短距離を120[mm]以上とすることを表す(図1参照)。
これにより、前記渦流式センサ30の測定精度を良好にできる。その結果、溶鋼湯面の変動を抑制できる(上記実施形態においては10mm未満に抑制できた)。例えば本実施形態のように鋳型3内の溶鋼湯面にパウダーが添加されている場合(図1参照)でも、当該パウダーの噛み込みは防止されるから、凹み疵のない、優れた表面品質のスラブを鋳造できる。
上記の効果は、原則として表面手入れをせず、凹み疵が発見された場合に限り局所的にホットスカーフなどの表面処理を施してから出荷する鋼種(黒皮出荷ともいう。)において特に有用である。なぜなら、表面処理の工程が不要となるので、作業効率が向上すると共に、スラブをより低価格にて提供できるようになるからである。
また、圧延後に出荷する鋼種においても特に有用である。なぜなら、表面処理工程を省略し、鋳造直後から圧延を開始するダイレクト圧延を採用しても、品質上の問題が生じないからである。
さらに、ブレークアウトの原因とされる局所的凝固遅れも回避できるので、大きな損害を被るような操業停止などの心配も完全に排除される。
より好ましくは上記連続鋳造方法は、前記渦流式センサ30を前記タンディッシュ1に取り付けるためのアーム状のセンサ保持具31に、水平方向に折曲する水平取付部31aを設け、前記タンディッシュ1に、前記センサ保持具31の前記水平取付部31aが挿入可能な取付孔41を有するセンサ保持具取付台40を個別に設け、前記距離Rは、前記取付孔41に対する前記水平取付部31aの挿入深さを増減させることにより調節するとよい。
これによれば、複数のタンディッシュのうち、何れのものに前記渦流式センサ30を取り付けたとしても、それらの熱変形の程度に関わらず、前記距離Rを問題なく調節できる。
なお、使用される受金物が円筒状でないことを理由にその外径を観念できない場合には、上記式(1)の左辺である「D/2+120≦R」は「渦流式センサ30の中心軸と受金物との最短距離を120[mm]以上とする」と解釈するものとする。
本発明の一実施形態における連続鋳造設備の部分断面図。 距離Rと測定誤差Δdとの関係を示す図。 測定誤差Δdとスラブ側面の凹み疵個数との関係を示す図。 表1の結果をグラフで示す図。
符号の説明
1 タンディッシュ
2 浸漬ノズル
3 鋳型
30 渦流式センサ
W 鋳型上部幅
Vc 鋳造速度
R 前記渦流式センサの、前記鋳型の幅方向中央からの距離

Claims (2)

  1. 鋳型内の溶鋼湯面高さを測定するための渦流式センサをタンディッシュに取付け、測定された当該溶鋼湯面高さに応じて前記タンディッシュから前記鋳型への溶鋼注湯量を調節する連続鋳造方法において、
    前記鋳型の鋳型上部幅(W:[mm])を2000[mm]以下とし、
    鋳造速度(Vc:[m/min])を1.0[m/min]以上とし、
    前記タンディッシュに設けられる溶鋼注湯用の浸漬ノズルを前記鋳型の幅方向略中央に配置し、
    前記渦流式センサの中心軸の、前記鋳型の幅方向中央からの距離R[mm]を、下記式(1)を満足するように調節する、ことを特徴とする連続鋳造方法。
    D/2+120≦R≦(W0.55−Vc0.9×W0.05)+235・・・(1)
    ただし、変数Dは前記浸漬ノズルを前記タンディッシュに連結するための受金物の外径[mm]である。
  2. 前記渦流式センサを前記タンディッシュに取り付けるためのアーム状のセンサ保持具に、水平方向に折曲する水平取付部を設け、
    前記タンディッシュに、前記センサ保持具の前記水平取付部が挿入可能な取付孔を有するセンサ保持具取付台を個別に設け、
    前記距離Rは、前記取付孔に対する前記水平取付部の挿入深さを増減させることにより調節する、ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。

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