JP5073356B2 - 最終製品厚みDf[mm]が90以上である厚板製品向けの熱間圧延用連鋳スラブ鋳片 - Google Patents
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・鋳型幅W[mm]は、1400〜2300とする。
・鋳型厚みD[mm]は、240〜310とする。
・鋳型高さH[mm]は、700〜1000とする。
・鋳造速度Vc[m/min]は、0.8〜1.4とする。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、2〜35とする。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、0.25〜1.5とする。
・鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、0〜1000とする(銅板内面表面から15mm)。
・圧下勾配Ak[mm/m]は、鋳片の熱収縮のみを考慮した場合は、通常、0.05〜0.10とする。更に、ポロシティ・ザクの生成防止低減については後述するように大きな圧下勾配が採用される。
・溶鋼成分は、当事者間の協定に基づく。代表的な成分は、CやSi、Mnである。これに、CrやCuなどが適宜に添加される。P及びSは極力少なくなるように調整される。その他の不可避の不純物を含む。
・鋳型幅W[mm]及び鋳型厚みD[mm]は、鋳型1の上端で観念される。
・鋳造速度Vc[m/min]は、鋳片の引抜速度であって、前記複数のロール対3・3・・・のうち最上流に配されるロール対3の周速度で観念される。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、鋳型1内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。詳細は、本明細書の末尾に記載する。
・メニスカス距離M[m]は、鋳型1内の溶鋼の湯面(メニスカス)を起点とし、鋳造経路Qに沿って観念する距離[m]を意味する。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、鋼1kgに対して用いられる冷却水の容積を意味する。この冷却水は、鋳型直下〜メニスカスから30[m]の距離で観念される上記の2次冷却帯で鋳片に対して噴射/噴霧される。
・鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、鋳型1内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。詳細は、本明細書の末尾に記載する。
・圧下勾配Ak[mm/m]は、鋳造方向に対するロール対3・3・・・のロールギャップG[mm]の減少勾配[mm/m]を意味する。図5は、圧下勾配の説明図である。本図に示されるように、メニスカス距離M(x)[m]〜メニスカス距離M(x+1)[m]間の圧下勾配Ak(x,x+1)[mm/m]は、メニスカス距離M(x)[m]に配されるロール対3(x)のロールギャップG(x)[mm]と、メニスカス距離M(x+1)[m]に配されるロール対3(x+1)のロールギャップG(x+1)[mm]と、を用いると、下記式で定義される。
Ak(x,x+1)=(G(x)-G(x+1))/(M(x+1)-M(x))
(1)鋳型厚みD[mm]は、240〜310とする。
(2)鋳造速度Vc[m/min]は、概ね、0.8〜1.4とする。
(3)比水量Wt[L/kgSteel]は、概ね、0.25〜1.5とする。
(4)下記式(5)で定められる圧下勾配Ak[mm/m]に基づく圧下を下記式(6)で定められるメニスカス距離Ls[m]から開始し、下記式(7)で定められるメニスカス距離Lf[m]に至るときに終了する。ただし、上記のメニスカス距離Ls[m]〜メニスカス距離Lf[m]の区間における圧下勾配Ak[mm/m]は、一定でなくてもよいし、或いは一定の割合で増減するものでなくてもよい。なお、好ましくは、下記式(5)中の下限は0.8、更に好ましくは、下記式(5)中の下限は1.0とするとよい。
これは、JIS 0901に規定される超音波探傷試験において検知され得る製品の内部欠陥の程度の指標である。詳細は、本明細書の末尾を参照されたい。ここで、末尾の説明中「一の試験片」は、厚みについては後述する表1の「Df mm」を参照されたい。板幅は2080[mm]とし、圧延方向長さは8400[mm]とする。また、末尾の説明中「UT欠陥判断基準値[%]」は25とする。この判断基準値は、JIS 0901で採用される判断基準値を4倍厳しくしたものであって、溶接部における探傷向けとして一般に採用される斜角探傷法での出荷判定基準としての《キズ高さ0.2mm以下》に相当する。
(1)後述する表1に記載の「D mm」及び「C wt%」、「Vc m/min」、「Ls m」、「Lf m」、「Ak mm/m」に基づいて各試験No.ごとに1チャージ分、連造鋳造を行う。
(2)この連続鋳造により連続的に鋳造される鋳片を、前記鋳造経路Qの水平経路部において4800[mm]ごとに、鋳造方向に対して垂直に切断する(図1参照)。
(3)この切断により得られる切断面のうち、上記連続鋳造の定常期(上記1チャージ分の、対鋳型注湯の開始時刻をT0とし、同じく対鋳型注湯の終了時刻をT1としたときに、時刻(T0+(T1-T0)/4))〜時刻(T0+(T1-T0)3/4))で表される時期)に相当する切断面に対して前述した軽腐食などを経て鋳片厚み方向長さDamax[mm]及び鋳片厚み方向長さDbmax[mm]を測定する。なお、これら鋳片厚み方向長さDamax[mm]や鋳片厚み方向長さDbmax[mm]は、1つの「定常期に相当する切断面」に対するものではなく、5つの「定常期に相当する切断面」に対するものの更なる最大の値を試験結果として採用することとする(5つの「定常期に相当する切断面」に対するものの平均ではない。)。
(4)更に、後述する表1に記載の「Df mm」に基づいて各試験No.ごとに採用する任意の一の試験片を熱間圧延し、圧延後の厚板製品が常温に至るまで自然放熱するのを待って、上記のUT欠陥について評価した。
鋳型厚みD[mm]が240〜310である鋳型1を採用する連続鋳造機100を用いて鋳造された熱間圧延用連鋳スラブ鋳片10の厚みは、鋳型1内での凝固収縮、自然放熱や強制冷却による熱収縮、ポロシティp又はザクqの解消のための圧下、などを考慮すると、最小値で、225〜295[mm]とされる。
定義:鋳型内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。
(1)『測定時刻』は、「タンディッシュ内の溶鋼の流動が定常状態に至った時刻、より詳しくは、転炉から該タンディッシュへ溶鋼を搬送するための取鍋内に収容されている溶鋼の1/4〜1/3程度が該タンディッシュへ注湯された時刻」とする。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」はタンディッシュの底面に備え付けられる浸漬ノズルの軸心とし、「鉛直位置」はタンディッシュ内に保持されている溶鋼の湯面を基準として深さ100mmとする。
(3)『測定器具』は、消耗型熱電対を用いる構成とする。上記の通り、深さ100mmの地点に消耗型熱電対を浸漬させることから、適宜に用意した棒の先端に消耗型熱電対を取着した構成が適する。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて測定した溶鋼の温度から、溶鋼の溶鋼成分により唯一に求められる液相線温度と、を比較する。そして上述した溶鋼過熱度ΔT[℃]は、前者から後者を除いた(引いた)残りとして求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記溶鋼過熱度ΔT[℃]は、10〜45が好ましい。
定義:鋳型1内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。
(1)『測定時刻』は、任意である。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」は、(i)鋳型幅方向においては中央とし、(ii)鋳型厚み方向においては鋳型内壁面から中心へ向かって15[mm]とし、(iii)鋳型高さ方向においては鋳型に埋設される電磁コイルのコイル中心と揃えるものとする。
(3)『測定器具』は、適宜のガウスメータを用いる。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて複数回測定する。そして上述した鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、上記複数の測定値を平均化して求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は0〜1000が好ましいとされ、鋳型内の溶鋼に作用される磁場の周波数[Hz](「磁場の周波数」とは、上記電磁コイルに導通される電流が1秒間に向きを変える回数を意味する。)は1〜5が好ましいとされ、一般に、この磁場の周波数[Hz]として2が採用される。
定義:JIS 0901に規定される超音波探傷試験において検知され得る製品の内部欠陥の程度の指標である。
(1)『探傷方式』:垂直探触子を用いたパルス反射法とする。
(2)『探傷時期』:鋳片を圧延して所定の最終製品厚みDf[mm]とした時点以降とする。
(3)『探傷面』:厚板製品の肌面とする。
(4)『探傷条件』:垂直探触子の公称周波数、振動子の寸法及び探傷感度についてのJIS 0901の規定に準ずる。
(5)『探傷箇所』:前記探傷面上で板幅方向に200[mm]ピッチで観念する圧延方向に平行な線としての探傷線とする。
(6)『走査速度』:自動探傷装置の探触子送り速度(走査速度)は、探傷に支障をきたさない速度とする。
(7)上記(1)〜(6)に準じて測定して得られる、底面エコー高さB[%]に対する欠陥エコー高さF[%](ただし、超音波探傷試験器の表示部に表示される時間軸に基づいて観念され得る鋳片厚み方向略中央の位置に対応するものに限る。図8参照。)の比をUT欠陥F/B[%]とし、一の試験片におけるUT欠陥F/B[%]の最大値を、その試験片の代表的なUT欠陥F/B[%]として記録する。このUT欠陥F/B[%]が所定のUT欠陥判断基準値[%]未満であるとき、その試験片を「○(UT欠陥なし)」と評価し、一方、このUT欠陥F/B[%]が所定のUT欠陥判断基準値[%]以上であるとき、その試験片を「×(UT欠陥あり)」と評価する。
10 熱間圧延用連鋳スラブ鋳片
11 切断面
12 凝固中心線
13 狭面
100 連続鋳造機
p ポロシティ
q ザク
Damax 鋳片厚み方向長さ
Dbmax 鋳片厚み方向長さ
Df 最終製品厚み
Claims (1)
- C含有量C[wt%]が0.03〜0.60であり、鋳型厚みD[mm]が280〜310であって鋳型幅[mm]は1400〜2300である鋳型を採用する連続鋳造機を用いて鋳造される、最終製品厚みDf[mm]が90以上である厚板製品向けの、熱間圧延用連鋳スラブ鋳片において、
この熱間圧延用連鋳スラブ鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断したときに得られる切断面に現出させた凝固中心線から鋳片厚み方向に±5[mm]以内であって、一の狭面から他の狭面へ向かって500[mm]以内である、一対の切断面端部に存在する一又は複数のポロシティ又はザクの鋳片厚み方向長さのうち最大の鋳片厚み方向長さDamax[mm]が下記式(1)又は式(2)を満足し、
この熱間圧延用連鋳スラブ鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断したときに得られる切断面に現出させた凝固中心線から鋳片厚み方向に±5[mm]以内であって、前記一対の切断面端部以外である、切断面中央部に存在する一又は複数のポロシティ又はザクの鋳片厚み方向長さのうち最大の鋳片厚み方向長さDbmax[mm]が下記式(3)又は式(4)を満足する、
ことを特徴とする熱間圧延用連鋳スラブ鋳片。
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